説明

静電蓄積抑制用シリカ含有タイヤ組成物

【課題】静電蓄積抑制用シリカ含有タイヤ組成物。
【解決手段】シリカ含有ゴムタイヤ構成要素組成物に極導電性カーボンブラックを静電気を逸散させるに有効な量で含める。トレッドの如き構成要素が示す体積抵抗(オーム・センチメートル)を一般に10以下にする。この極導電性カーボンブラックのBET表面積を1グラム当たり少なくとも900平方メートルにしそしてシリカをゴム100重量部当たり25−65重量部の量で用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシリカと静電気逸散性(static−electricity dissipative)カーボンブラックを含有させたタイヤ組成物に関する。より具体的には、本発明は、極導電性(extra conductive)カーボンブラックをタイヤおよび車の帯電蓄積を抑制するに有効な量で含めたシリカ含有タイヤトレッド(tire tread)に関する。
【背景技術】
【0002】
タイヤのいろいろな部分(トレッドを包含)を補強する目的で今までカーボンブラックが用いられてきた。より最近になって、タイヤトレッドの転がり抵抗を低くする目的でシリカが利用されるようになってきた。帯電蓄積を軽減する目的でトレッドばかりでなくそれらのラグおよび溝に導電性カーボンブラックの薄いオーバーコート(over coat)が塗布されてきた。また、タイヤの少なくとも1つのショルダー部分に静電放電環を位置させることが行われてきた。また、ゴム製コンベヤベルトおよび印刷用ゴム製ローラーの静電蓄積を抑制する目的でも極導電性カーボンブラックが用いられてきた。
【発明の開示】
【0003】
シリカで補強された構成要素、例えばトレッドなどが備わっている空気入りタイヤに極導電性カーボンブラックを静電蓄積を抑制するに有効な量で含める。上記カーボンブラックの有効量は、通常のカーボンブラックを用いない場合、一般にゴム100重量部当たり約8から約50重量部(PHR)である。また、一般的には、シリカとゴムを化学的に結合させる目的で通常のシリカカップリング剤も用いる。
【0004】
(詳細な説明)
本発明の静電逸散性組成物は一般に如何なるタイヤ構成要素にも関係し得るものであり、例えばケーシング、カーカスプライ、サイドウォール、好適にはトレッドに関する。本発明のタイヤ構成要素用ゴム、特に空気入りタイヤトレッド組成物は、少なくとも1種の共役ジエンモノマーから作られたものであるか、或は共役ジエンと1種以上のビニル置換芳香族モノマー類と任意にエチレンおよびプロピレンモノマー類から作られたものであるか、或はエチレン−プロピレンと非共役ジエンから作られたものである(即ち、EPDMゴム製である)。このジエンモノマー類は炭素原子を全体で4から10個有するものであり、例えば1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ペンタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエンおよび4,5−ジエチル−1,3−オクタジエンなどである。上記1種以上のビニル置換芳香族モノマー類は炭素原子を全体で8から12個有するものであり、例えばスチレン、1−ビニルナフタレン、3−メチルスチレン(p−メチルスチレン)、3,5−ジエチルスチレンなどである。好適なトレッド用ゴム組成物には一般に天然ゴム(シス−1,4−ポリイソプレン)、合成ポリイソプレン、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴムなどを含める。
【0005】
タイヤ構成要素組成物、例えばトレッドには、いろいろなシリコンゴム、例えばいろいろな有機ポリシロキサン類などを含めない。即ち、タイヤ構成要素組成物、例えばトレッドなどに含める有機ポリシロキサンゴムの量を例えばタイヤ構成要素用ゴムの全重量を基準にして一般に5重量パーセント未満、望ましくは2重量パーセント未満にし、好ましくは上記シリコンゴムなどを全く含めない。
【0006】
このタイヤ構成要素組成物に含めるシリカは一般に如何なる種類のシリカも包含し、例
えばヒュームド(fumed)、水和、好適には沈澱シリカなどを包含し得る。シリカを用いることの利点には、転がり抵抗が低くなることで車のガソリン走行距離が長くなることが含まれる。適切なシリカのBET表面積(窒素ガスを用いて測定した時の)は一般に1グラム当たり約40から約600平方メートル、好適には約50から約300平方メートルである。この表面積を測定する実際のBET方法はJournal of The American Chemical Society、60巻、304頁(1930)に記述されている。DBP(フタル酸ジブチル)吸収値は約100から約400ml/100g、望ましくは約150から約300ml/100gの範囲である。このシリカの最終粒子サイズは電子顕微鏡で測定して一般に約0.01から約0.05ミクロンであるが、より小さい粒子またはより大きい粒子が存在している可能性がある。このシリカの量はタイヤ構成要素用ゴム100重量部当たり一般に約20もしくは22重量部から約90重量部、望ましくは約25から約65重量部、好適には約27もしくは30重量部から約45重量部の範囲である。本発明で用いることができる商業的に入手可能なシリカには、PPG IndustriesからHi−Sil商標の下で商業的に入手可能なシリカ、例えば商標190、210、233、243など、Rhone−Poulencから入手可能なシリカ、例えばZ1165MPおよびZ165GRなど、Degussa AGから入手可能なシリカ、例えばVN2およびVN3など、そしてAkzo chemicalから入手可能なシリカなどが含まれる。PPGのHi−Silシリカ、例えば190シリカなどが好適である。
【0007】
シリカとゴムをカップリングさせる、即ちそれらを化学的に結合させる目的で一般にシリカカップリング剤を用いる。一般に如何なる通常種のシリカカップリング剤も使用可能であり、例えばゴム、特に硫黄加硫性ゴムと反応し得る構成成分、即ち部分とシランを有するカップリング剤などが使用可能である。このようにカップリング剤はシリカとゴムの間を連結する橋渡しとして働く。シランカップリング剤のゴム反応性基には、メルカプト、ポリスルフィド、アミノ、ビニルおよびエポキシ基が含まれ、メルカプトおよびポリスルフィド基が好適である。適切なシリカカップリング剤の例には、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタアクリルオキシプロピル−トリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシランおよびビニルトリス(β−メトキシエチル)シランが含まれる。好適なシランカップリング剤はビス(3−トリエトキシシリルプロピル)−テトラスルフィドであり、これはまたDeGussa AGが製造しているSi69(商標)としても知られる。このシリカカップリング剤の量は多様であり得るが、シリカの全重量を基準にして一般に約2から約20重量%、望ましくは約7から約16重量%である。
【0008】
本発明の重要な面は、1種以上の極導電性カーボンブラックを用いることであり、例えば極導電性カーボンブラックを用いてタイヤ構成要素組成物、特に本明細書の以下に更に記述するタイヤトレッド組成物(これには通常のカーボンブラックが入っていてもよい)に導電性を与えることにある。静電気を逸散させるか或は静電蓄積を防止するような量で極導電性カーボンブラックを用いる。言い換えれば、タイヤ構成要素組成物の体積抵抗を一般に10オーム・cm以下、望ましくは10オーム・cm以下、好適には10もしくは10オーム・cm以下にする。高導電性カーボンブラック、例えば極導電性カーボンブラックなどを、BET表面積が1グラム当たり少なくとも500平方メートル、一般に少なくとも600平方メートル、望ましくは少なくとも750もしくは900平方メートル、好適には少なくとも1000平方メートル、1200平方メートルでさえあるカーボンブラックとして定義可能である。極導電性カーボンブラックは一般に多孔質もしくは中空粒子として存在することを特記する。更に、DBP吸収値は少なくとも250ml
/100g、望ましくは少なくとも300ml/100g、好適には少なくとも350ml/100gである。適切な極導電性カーボンブラックには、Degussaが製造しているPrintex XE2、AKZOが製造しているKetjenblack EC600、Vanderbiltが供給しているEnsaco 23MMなどが含まれる。Cabotが製造しているVulcan XC72も時には極導電性カーボンブラックと呼ばれているが、これをそのまま本発明で用いるのは一般に適切でない、と言うのは、それが示すBET表面積は254のみでありかつDBP吸収値は178のみであるからである。
【0009】
この極導電性カーボンブラックの使用量は、通常のカーボンブラックを本タイヤ構成要素組成物で全く用いないか或は少量(例えばゴムコンパンド全体100重量部当たり15重量部未満)用いる時には、ゴムコンパンド全体100重量部当たり約8から約50重量部、望ましくは約9から約35重量部、好適には約10から約20重量部である。しかしながら、通常のカーボンブラックを通常量、例えばゴムコンパンド全体100重量部当たり少なくとも15重量部用いる場合には、上記極導電性カーボンブラックの量を、本タイヤ構成要素組成物内で用いるゴム全体100重量部当たり一般に約3から約40重量部、望ましくは約4から約25重量部、好適には約5から約15重量部にすべきである。
【0010】
極導電性カーボンブラックが好適であるが、通常のカーボンブラック、例えばファーネスブラックなどは本ゴム組成物のコストを下げることから、それを任意に用いてもよく、しばしば用いるのが望ましい。通常のカーボンブラックのBET表面積は典型的に1g当たり約490平方メートル以下、または典型的に約200平方メートル以下であり、DBP吸収値は一般に約240以下、典型的には200以下である。通常のカーボンブラックが示すヨウ素価は典型的に約200以下である。通常のカーボンブラックを用いることは任意であることから、それの量はゼロであってもよい、即ちタイヤ構成要素用ゴム100重量部当たりゼロであるか、或は約1もしくは2重量部から約50もしくは80重量部、望ましくは約5、10もしくは15重量部から約40重量部、好ましくは約20から約35重量部であってもよい。本発明のタイヤ構成要素組成物、例えばトレッドなどのコンパンド化はゴムのコンパンド化技術でよく知られている方法および手順を用いて実施可能であり、この組成物にいろいろな通常の添加剤を適切な量で含めてもよい。例えば、硬化助剤、例えば硫黄、硫黄含有化合物などを用いることができる。加硫促進剤にはアミン類、ジスルフィド類、グアニジン類、チオ尿素類、チアゾール類、チウラム類、スルフェンアミド類、ジチオカルバメート類などが含まれる。他の添加剤にはいろいろな油、例えば芳香族、ナフテン系またはパラフィン系油など、いろいろな抗酸化剤、例えばいろいろなフェニレンジアミン類など、いろいろな抗オゾン剤、いろいろな脂肪酸、例えばステアリン酸など、酸化亜鉛、いろいろなワックス類、例えば微結晶性ワックス類など、いろいろなペプタイザー類などが含まれる。
【0011】
本発明の導電性シリカ含有タイヤ組成物は、タイヤおよび車の両方に関して静電帯電または静電蓄積の抑制が望まれる如何なるタイヤ用途でも利用可能である。適切なタイヤ用途には、乗用車、オフロード車、農業用車、軽トラック、トラックおよびバス、そして高性能車などが含まれる。本発明の利点は、タイヤのトレッドもしくは構成要素全体が導電性を示すようになる点である。これにより、タイヤ寿命全体に渡る静電抑制が保証される。別の利点は、通常のゴム加工手順およびタイヤ組み立て手順を利用できる点である。更にまた極導電性カーボンブラックと一緒にシリカをより多い量で用いることも可能である。
【0012】
本発明を説明するもので本発明を制限するものでない以下の実施例を参照することで本発明がよりよく理解されるであろう。
【実施例】
【0013】
極導電性カーボンブラック、即ちPrintex XE2を順次多い量で含有させた一連のトレッド組成物を調製して体積抵抗に関して評価した。表1に示すいろいろな成分を本技術および文献でよく知られる通常様式でブレンドして硬化させた。例えば、これらのいろいろな成分はいろいろな段階で添加可能である。典型的には、第一段階でゴム、例えばスチレン/ブタジエンゴムおよびポリブタジエンなどをいろいろな充填材、例えば上記極導電性カーボンブラック、シリカおよびいろいろな加工助剤などおよび抗酸化剤と一緒に約6分間か或はバンバリの熱電対が約320度Fに到達するまで(どちらか最初に起こる方)混合する。次に、残りの充填材およびカップリング剤を加えて最大で5分間か或はバンバリの熱電対が260度Fに到達するまで(どちらか最初に起こる方)混合する。この第二段階の混合後、一般に最終的または第三段階の混合を利用して、全ての硬化剤および残りの化合物を加えて低温で2分間か或はバンバリの熱電対が180度Fの温度に到達するまで(どちらか最初に起こる方)混合する。次に、このようにしてコンパンドにしたゴムを所望の如何なる形態に成形してもよく、そしてその後に硬化させてもよい。
【0014】
タイヤトレッド組成物を、Printex XE2を含有させていない対照組成物と一緒に表1に示す。表2では、Printex XE2が示すコロイド特性と通常のカーボンブラックであるN243、N330およびN110が示すコロイド特性を比較する。表3に概略を示す手順に従い、この目的で設計したばね固定具(spring loaded fixture)を用いて上記組成物の体積抵抗を測定した。この測定結果を表4に報告する。タイヤおよび車の静電蓄積を抑制するには体積抵抗が低い方が望ましい。表4から明らかなように、適切な抵抗値を得るに必要な極導電性カーボンブラックの量は、通常のカーボンブラックを用いない時一般にゴム100重量部当たり少なくとも8重量部であった。
【0015】
【表1】

【0016】
【表2】

【0017】
表3
体積抵抗測定手順
A) 6”X6”X0.1”のプラークサンプルを340度Fで15分間圧縮硬化させた。
B) 各プラークから6”X2”の試験片を切り取った。
C) 各試験片の2”端にDag Dispersion 154を1/2”幅の領域で被覆して室温(RT)で6時間乾燥させた。このように被覆することで測定中の接触抵抗(contact resistance)を最小限にする。
D) 各試験片を試験固定具に入れそして標準的な抵抗測定メーターを用いて抵抗を記録した。
E) 下記の式
【0018】
【数1】

【0019】
[式中、
P=体積抵抗値(オーム・cm)
R=測定抵抗値(オーム)
L=長さ(インチ)
W=幅(インチ)
T=厚み(インチ)]
に従って体積抵抗値を計算する。
【0020】
表4
極導電性カーボンブラック含有組成物の体積抵抗測定値
組成 オーム・cm
対照 4.9×10
A 4.5×10
B 2.29×10
C 2.69×10
D 1.38×10
E 5.89×10
【0021】
通常のカーボンブラックが入っていてシリカが入っていない全カーボンブラックのトレッド組成物に極導電性カーボンブラック(Printex XE2)を添加した。試験組成物を、上記極導電性カーボンブラックを含有させていない対照組成物と一緒に表5に示す。次に、上記対照およびFトレッドコンパンドおよびGトレッドコンパンドを組み込ん
で乗用車用タイヤ(P215/70R15)を組み立てた。この試験コンパンドはプラント混合およびタイヤ組み立て操作の点で対照コンパンドに匹敵する挙動を示した。更に、上記試験タイヤおよび対照タイヤを表3に挙げた様式で体積抵抗に関して評価しかつタイヤ抵抗に関して評価した。これらはタイヤの静電蓄積抑制能力に関係した鍵となる測定値である。タイヤ抵抗値試験手順の概略を表7に示す。その結果を表6に報告し、その結果として、タイヤトレッドFが示す体積抵抗は対照タイヤトレッドのそれに比べて3桁低くそしてタイヤトレッドGが示す体積抵抗は5桁低いことが分かる。タイヤ抵抗値に関しても同様にF組成物のトレッドは対照のそれに比較して3桁低い一方、G組成物のトレッドを用いたタイヤは4桁低い。
【0022】
【表3】

【0023】
【表4】

【0024】
表7
タイヤ抵抗値測定
試験装置
車:特殊な測定用車
温度:70F+/−3F
相対湿度:30%最大
膨張:30psi
試験荷重:最大サイドウォール荷重の85%
手順
1. タイヤを特殊な車のDOT側に取り付けて試験膨張率になるまで膨らませる。
2. 次に、タイヤの試験箇所に印を付ける。
3. 次に、このタイヤに試験荷重をかけて各箇所で抵抗測定値を記録する。
4. 抵抗値をオームで記録する。
【0025】
表8に挙げる如き処方に従って、追加的に、シリカを含有させたトレッド配合物を通常のカーボンブラックを含有させた場合と極導電性カーボンブラックを含有させた場合の両方で作成した。本明細書の上に挙げた様式でゴムをコンパンドにしそして表3に挙げたように体積抵抗に関して試験した。その結果を表8に示す。
【0026】
【表5】

【0027】
表8から明らかなように、極導電性カーボンブラックを少量含有させかつ通常のカーボンブラックをかなりの量で含有させた実施例H、IおよびJはまだ良好な体積抵抗値である一般に10オーム・cm以下の体積抵抗値を示したが、極導電性カーボンブラックを含有させなかった対照は劣った体積抵抗値を示した。
【0028】
特許法規に従って最良の様式および好適な態様を示してきたが、本発明の範囲をそれに限定するものでなく、むしろ添付請求の範囲で本発明の範囲を限定する。
【0029】
本発明の特徴および態様は以下のとおりである。
【0030】
1. 静電気蓄積が抑制されたタイヤ構成要素組成物であって、
少なくとも1種のタイヤ構成要素用ゴムを約100重量部、
シリカを上記タイヤ構成要素用ゴム100重量部当たり約20から約90重量部、および
極導電性カーボンブラックを該タイヤ構成要素組成物が10オーム・cm以下の体積抵抗を示すに有効な量で、
含む導電性タイヤ構成要素組成物。
【0031】
2. 上記極導電性カーボンブラックが1グラム当たり少なくとも500平方メートルのBET表面積を有しそして上記極導電性カーボンブラックの量が上記タイヤ構成要素用ゴム100重量部当たり約3から約50重量部である第1項記載の導電性タイヤ構成要素組成物。
【0032】
3. 上記極導電性カーボンブラックが1グラム当たり少なくとも600平方メートルのBET表面積を有し、上記シリカが1グラム当たり約40から約600平方メートルのBET表面積を有しそして上記シリカの量が上記タイヤ構成要素用ゴム100重量部当たり
約25から約65重量部である第2項記載の導電性タイヤ構成要素組成物。
【0033】
4. 上記極導電性カーボンブラックの量が約9から約35重量部でありそして上記シリカの量が約27から約45重量部である第3項記載の導電性タイヤ構成要素組成物。
【0034】
5. 上記導電性構成要素がタイヤトレッドである第3項記載の導電性タイヤ構成要素組成物。
【0035】
6. シリカカップリング剤を上記シリカの全重量を基準にして約2から約20重量パーセント含みそして通常のカーボンブラックを上記タイヤ構成要素用ゴム100重量部当たり約1から約80重量部含む第1項記載の導電性タイヤ構成要素組成物。
【0036】
7. シリカカップリング剤を上記シリカの全重量を基準にして約2から約20重量パーセント含みそして通常のカーボンブラックを上記タイヤトレッド用ゴム全体100重量部当たり約15から約40重量部含む第5項記載の導電性タイヤトレッド。
【0037】
8. 上記極導電性カーボンブラックの量が約4から約25重量部である第7項記載の導電性タイヤトレッド。
【0038】
9. シリカタイヤトレッド組成物の導電性を向上させる方法であって、
硬化タイヤトレッドにおける静電気の蓄積を抑制する目的でBET表面積が1グラム当たり少なくとも500平方メートルの極導電性カーボンブラックを少なくとも1種のゴムが入っているシリカタイヤトレッド組成物に有効量で加え、
タイヤトレッドを成形し、そして
上記タイヤトレッドを硬化させる、
ことを含む方法。
【0039】
10. 上記シリカの量を上記タイヤトレッド用ゴム100重量部当たり約20から約90重量部にする第9項記載の方法。
【0040】
11. 上記タイヤトレッド組成物に10オーム・cm以下の体積抵抗を持たせ、上記極導電性カーボンブラックに1グラム当たり少なくとも600平方メートルのBET表面積を持たせ、そしてシリカカップリング剤を上記シリカの全重量を基準にして約2から約20重量パーセント含める第10項記載の方法。
【0041】
12. 上記極導電性カーボンブラックに少なくとも800のBET表面積を持たせ、上記極導電性カーボンブラックの量を上記タイヤトレッド用ゴム100重量部当たり約3から約50重量部にし、上記シリカの量を上記タイヤトレッド用ゴム100重量部当たり約25から約65重量部にしそして上記シリカに約50から約300のBET表面積を持たせる第11項記載の方法。
【0042】
13. 上記タイヤトレッド組成物に10オーム・cm以下の体積抵抗を持たせる第12項記載の方法。
【0043】
14. 通常のカーボンブラックを上記シリカタイヤトレッド組成物に上記ゴム100重量部当たり約15から約40重量部の量で加えることを含む第11項記載の方法。
【0044】
15. 通常のカーボンブラックを上記シリカタイヤトレッド組成物に上記ゴム100重量部当たり約15から約40重量部の量で加えそして上記極導電性カーボンブラックの量を約5から約15重量部にすることを含む第13項記載の方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
共役ジエンまたはその共重合体から選択される少なくとも1種のゴムを100重量部、
1グラム当たり50から300平方メートルのBET表面積を有するシリカを25から65phr、
シリカカップリング剤をシリカを基準にして7から16重量パーセント、および
1グラム当たり少なくとも900平方メートルのBET表面積を有し、少なくとも300ml/100gのDBPを有する極導電性カーボンブラックを3−40phr、
含むタイヤ構成要素組成物。
【請求項2】
共役ジエンまたはその共重合体から選択される少なくとも1種のゴムに
1グラム当たり50から300平方メートルのBET表面積を有するシリカを25から65phr、
シリカカップリング剤をシリカを基準にして7から16重量パーセント、および
1グラム当たり少なくとも900平方メートルのBET表面積を有し、少なくとも300ml/100gのDBPを有する極導電性カーボンブラックを3−40phr
加えることを含むタイヤ構成要素組成物の体積抵抗を減少させる方法。

【公開番号】特開2008−95111(P2008−95111A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−280809(P2007−280809)
【出願日】平成19年10月29日(2007.10.29)
【分割の表示】特願平10−108475の分割
【原出願日】平成10年4月6日(1998.4.6)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】