説明

非帯電性着色樹脂粒子とその製造方法およびその用途

【課題】帯電性着色樹脂粒子(着色泳動粒子)、特に官能基を含有する帯電性着色樹脂粒子との凝集による混色の発生がなく、かつ分散安定性の高い非帯電性着色樹脂粒子(着色非泳動粒子)を提供することを課題とする。
【解決手段】着色剤を含有しかつ表面にカルボキシル基とアミノ基との反応物を有する非帯電性着色樹脂母粒子と、前記非帯電性着色樹脂母粒子の表面をさらに覆って形成されたシリコーン鎖を有する樹脂層とから構成され、かつ動的粘度が100センチストークス以下であるシリコーンオイル中に固形分濃度10重量%で分散した状態で、電極間距離を50μmとした並行平板となるITO電極間に10Vの電圧を60秒間印加した際に10nC/cm2以下の帯電量を示すことを特徴とする非帯電性着色樹脂粒子により、上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非帯電性着色樹脂粒子とその製造方法およびその用途に関する。さらに詳しくは、本発明は、帯電性着色樹脂粒子、特に官能基を含有する帯電性着色樹脂粒子との凝集による混色の発生がなく、かつ分散安定性の高い非帯電性着色樹脂粒子とその製造方法およびそれを用いた非帯電性着色樹脂粒子分散体、電気泳動表示装置(画像表示装置)に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、帯電性を示す着色樹脂粒子の電気泳動を利用した画像表示装置が注目されている。この装置は、視野角が通常の印刷物並みに広い、消費電力が少ない、電源オフにしても表示された情報が消えないというメモリー性を有するなど、従来の表示装置にない特徴を有することから、安価な表示装置として普及することが期待されている。
【0003】
ここで、着色樹脂粒子が画像表示装置の画像表示用素子として用いられる一例を紹介する。スペーサーを介して対向配置された、少なくとも一方が透明である2枚の電極基板の間に、画像表示素子として正および/または負の帯電性を示す着色樹脂粒子が分散媒中に分散された表示液を封入して表示パネルを構成する。この表示パネルの2枚の電極基板間に電界を印加することにより、帯電性を示す着色樹脂粒子を電気泳動させて表示を得ることができる。
【0004】
最近、このような画像表示装置を多色表示化する試みが行われている。
多色表示に関する従来技術としては、例えば、特許第2551783号公報(特許文献1)に記載されているような、染料などを溶解させて着色した分散媒を用いる方法が知られている。しかしながら、特許文献1の方法では、電圧の印加によって電気泳動性を示す着色粒子(以下「着色泳動粒子」ともいう)が表示面となる透明電極基板上に配列されるときに、着色粒子同士の隙間に色調の異なる分散媒が入り込むことで混色が発生し、所望の色表示がされないという問題があった。
【0005】
特許文献1の問題を解決する技術としては、例えば、特開2001−188269号公報(特許文献2)に記載されているような、電界に対応して分散媒中を移動する着色粒子(着色泳動粒子)と、電界に対応して分散媒中を移動しない着色粒子(「着色非泳動粒子」ともいう)とを組み合わせて用いる、すなわち紙に相当するベース色を非泳動粒子に表示させ、紙の上に描かれた文字や絵に相当する画像の色を泳動粒子に表示させる方法が知られている。しかしながら、特許文献2の技術では、泳動粒子を表示面とは反対の電極基板上に移動させて非泳動粒子による発色(ベース色)を表示させようとすると、反対の電極に配列された泳動粒子の色が表示面から見えてしまうという問題があった。
【0006】
特許文献2の問題を解決する技術としては、例えば、特開2008−122468号公報(特許文献3)に記載されているような、分散媒との屈折率の差が大きい樹脂で着色剤としての酸化チタンを均一に被覆した白色の非泳動粒子を用いる方法が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第2551783号公報
【特許文献2】特開2001−188269号公報
【特許文献3】特開2008−122468号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
発明者らは、特許文献2および3のような非泳動粒子を溶媒に分散させて発色させる技術において、さらに非泳動粒子による発色を強める方策を模索すべく予備試験を行った。
まず、溶媒中の非泳動粒子を増量させたところ、その分散液(表示液)全体の粘度が上昇し、着色泳動粒子の電気泳動が阻害される、つまり着色泳動粒子の移動速度が低下する傾向にあることが分かった。そこで、非泳動粒子の着色剤の割合を増加させたところ、非泳動性粒子の帯電量が上昇し、この場合も着色泳動粒子の電気泳動が阻害される傾向にあることが分かった。
本発明は、上記の問題を解決するものであり、帯電性着色樹脂粒子(着色泳動粒子)、特に官能基を含有する帯電性着色樹脂粒子との凝集による混色の発生がなく、かつ分散安定性の高い非帯電性着色樹脂粒子(着色非泳動粒子)を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の発明者らは、鋭意検討の結果、カルボキシル基を有する帯電性着色樹脂粒子のカルボキシル基をアミノ基含有化合物のアミノ基と反応させることにより、帯電特性が安定した非帯電性着色樹脂母粒子が得られ、さらに非帯電性着色樹脂母粒子の表面を、シリコーン鎖を有する樹脂層により覆うことにより、帯電性着色樹脂粒子、特に官能基を含有する帯電性着色樹脂粒子との凝集による混色の発生がなく、かつ分散安定性の高い非帯電性着色樹脂粒子が得られることを意外にも見出すことで、本発明に至った。
【0010】
かくして本発明によれば、着色剤を含有しかつ表面にカルボキシル基とアミノ基との反応物を有する非帯電性着色樹脂母粒子と、前記非帯電性着色樹脂母粒子の表面をさらに覆って形成されたシリコーン鎖を有する樹脂層とから構成され、かつ動的粘度が100センチストークス以下であるシリコーンオイル中に固形分濃度10重量%で分散した状態で、電極間距離を50μmとした並行平板となるITO電極間に10Vの電圧を60秒間印加した際に10nC/cm2以下の帯電量を示すことを特徴とする非帯電性着色樹脂粒子が提供される。
【0011】
また、本発明によれば、上記の非帯電性着色樹脂粒子の製造方法であって、表面にカルボキシ基を有する帯電性着色樹脂粒子のカルボキシ基をアミノ基含有化合物のアミノ基と反応させて非帯電性着色樹脂母粒子を得、次いで得られた非帯電性着色樹脂母粒子の表面にシリコーン鎖を有する樹脂層を形成して非帯電性着色樹脂粒子を得ることを特徴とする非帯電性着色樹脂粒子の製造方法が提供される。
【0012】
さらに、本発明によれば、上記の非帯電性着色樹脂粒子を非極性溶媒に分散させて得られる非帯電性着色樹脂粒子分散体が提供される。
また、本発明によれば、上記の非帯電性着色樹脂粒子分散体を用いて得られる電気泳動表示装置が提供される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、帯電性着色樹脂粒子(着色泳動粒子)、特に官能基を含有する帯電性着色樹脂粒子との凝集による混色の発生がなく、かつ分散安定性の高い非帯電性着色樹脂粒子(着色非泳動粒子)を提供することができる。
すなわち、本発明による非帯電性着色樹脂粒子は、安定した非帯電性および分散性を有するので、本発明による非帯電性着色樹脂粒子を着色非泳動粒子とし、帯電性着色樹脂粒子(着色泳動粒子)と組み合わせて電気泳動表示装置に用いた場合、着色泳動粒子の移動(電気泳動)を阻害せず、かつ着色泳動粒子との凝集による混色の発生がないため所望の色表示を実現することができる。
【0014】
また、シリコーン鎖が、後述するような特定のオルガノシロキサン構造を有することにより、さらに優れた非帯電性着色樹脂粒子を得ることができる。
また、アミノ基含有化合物が、脂肪族アミンまたはアミノ基含有シリコーン化合物から選択される化合物であることにより、カルボキシ基とアミノ基の反応物が、アミド基を有することにより、さらに優れた非帯電性着色樹脂粒子を得ることができる。
【0015】
また、着色剤が、酸化チタンであることにより、さらに優れた非帯電性着色樹脂粒子を得ることができ、有色の着色泳動粒子と組み合わせて電気泳動表示装置に用いた場合、鮮明な所望の色表示を実現することができる。
また、非帯電性着色樹脂粒子が、0.1〜1.0μmの平均粒子径および1.0〜3.0の比重を有することにより、さらに優れた非帯電性着色樹脂粒子を得ることができる。
【0016】
また、本発明による非帯電性着色樹脂粒子の製造方法により、安定した非帯電性および分散性を有する非帯電性着色樹脂粒子を製造することが可能になる。この製造方法で得られた非帯電性着色樹脂粒子は、電気泳動表示装置に用いられる場合、着色泳動粒子の移動(電気泳動)を阻害せず、かつ着色泳動粒子との凝集による混色の発生がないため所望の色表示を実現することができる。
さらに、帯電性着色樹脂粒子中のカルボキシ基1モルに対して0.2〜1.5モルのアミノ基含有化合物と反応させることにより、さらに安定した非帯電性および分散性を有する非帯電性着色樹脂粒子を製造することが可能になる。
【0017】
本発明による非帯電性着色樹脂粒子を非極性溶媒に分散させて得られる非帯電性着色樹脂粒子分散体を用いた電気泳動表示装置は、混色の発生がなく、鮮明な所望の色表示を実現することができる。
例えば、本発明の非帯電性着色樹脂粒子分散体は、非極性溶媒中に、少なくとも着色非泳動粒子としての本発明の非帯電性着色樹脂粒子と着色泳動粒子としての公知の帯電性着色樹脂粒子とが分散されてなる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施例および比較例において得られた着色樹脂粒子の帯電量を評価するための冶具の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の非帯電性着色樹脂粒子(以下「非帯電粒子」ともいう)は、着色剤を含有しかつ表面にカルボキシル基とアミノ基との反応物を有する非帯電性着色樹脂母粒子と、前記非帯電性着色樹脂母粒子の表面をさらに覆って形成されたシリコーン鎖を有する樹脂層とから構成され、かつ動的粘度が100センチストークス以下であるシリコーンオイル中に固形分濃度10重量%で分散した状態で、電極間距離を50μmとした並行平板となるITO電極間に10Vの電圧を60秒間印加した際に10nC/cm2以下の帯電量を示すことを特徴とする。
【0020】
なお、本発明において「非帯電性」とは、極性の評価方法において正、負のいずれの反応も示さず、かつ上記の帯電量を有することを意味する。極性の評価方法および帯電量の測定方法については、実施例において説明する。
【0021】
本発明の非帯電性着色樹脂粒子は、後述する表面にカルボキシ基を有する帯電性着色樹脂粒子のカルボキシ基をアミノ基含有化合物のアミノ基と反応させることにより、すなわち一旦表面にカルボキシ基を有する帯電性着色樹脂粒子を作製しておいてから、帯電性着色樹脂粒子中のカルボキシ基をアミノ基含有化合物のアミノ基と反応させることで非帯電性着色樹脂母粒子を得、次いで得られた非帯電性着色樹脂母粒子の表面を覆ってシリコーン鎖を有する樹脂層を形成することにより得ることができる。
【0022】
アミノ基含有化合物としては、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、ステアリルアミン、ジブチルアミン、トリエチルアミンなどの脂肪族アミン;ビス(3−アミノプロピル)ポリジフェニルシロキサンなどのアミノ基含有シリコーン化合物などが挙げられる。
【0023】
アミノ基含有化合物の添加量は、上記カルボキシ基を有する帯電性着色樹脂粒子中のカルボキシ基1モルに対して、0.2〜1.5モルが好ましい。より好ましくは0.3〜1.0モルである。
アミノ基含有化合物の添加量が0.2モル未満では、得られる非帯電性着色樹脂粒子の帯電量が10nC/cm2より高くなることがある。一方、1.5モルを超えると、添加に見合った効果が得られず、また余剰のアミノ基含有化合物を除去するための洗浄に多くの時間を要することとなり、生産効率が低下することがある。
【0024】
カルボキシ基とアミノ基の反応物が、アミド基を有することにより、さらに安定した非帯電性および分散性を有する非帯電性着色樹脂粒子を得ることができる。
アミド基量は、帯電性着色樹脂粒子中のカルボキシ基1モルに対して0.2〜1.5モル、好ましくは0.5〜1.0モルである。
反応物がアミド基を有することは、例えば、赤外分光法により確認することができ、その詳細については実施例において説明する。
【0025】
非帯電性着色樹脂粒子を得るために、帯電性着色樹脂粒子とアミノ基含有化合物とを反応させ非帯電性着色樹脂母粒子を得る方法としては、公知の方法であれば特に限定されるものではない。例えば、帯電性着色樹脂粒子の分散体にアミノ基含有化合物を添加し、加熱下アミノ基含有化合物を非極性溶媒に溶解させた状態で攪拌し、その後、非極性溶媒を用いて遠心沈降と洗浄を繰り返して得る方法などが挙げられる。
【0026】
非帯電性着色樹脂粒子表面に存在してもよいシリコーン鎖としては、例えば、次式:
【化1】

(式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基またはフェニル基であり、nは整数である)
で示されるオルガノシロキサン構造を有するものが挙げられる。
【0027】
上記の構造単位におけるRの炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、tert−ブチルなどが挙げられる。フェニル基は、炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよい。
【0028】
以下、(A)分散重合法による非帯電性着色樹脂粒子の製造方法について説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
得られた非帯電性着色樹脂母粒子の表面を覆ってシリコーン鎖を有する樹脂層を形成する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、(B)表面にカルボキシ基を有する帯電性着色樹脂粒子のカルボキシ基をアミノ基含有化合物のアミノ基と反応させて得られた非帯電性着色樹脂母粒子に対して、非極性溶媒下、(1)ビニル単量体と(2)シリコーン鎖を有する分散剤及び(3)重合開始剤とを添加混合し、分散重合により共重合させて得ることができる。
【0029】
(A)非帯電性着色樹脂粒子
(1)ビニル単量体
ここで用いるビニル単量体としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、n−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレンなどのスチレンおよびその誘導体;
塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、弗化ビニルなどのハロゲン化ビニル類;
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル、酪酸ビニルなどのビニルエステル類;
【0030】
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸イソステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、(メタ)アクリル酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルなどのα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;
【0031】
アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピルなどの(メタ)アクリル酸誘導体;
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのビニルエーテル類;
ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンなどのビニルケトン類;
N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンなどのN−ビニル化合物、ビニルナフタリン塩などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもまたは2種以上を併用してもよい。
ここで「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸またはメタクリル酸を意味する。
【0032】
さらに、ビニル単量体として、重合性の二重結合を2個以上有する化合物を加えてもよい。このような化合物は、架橋剤としての役割も果たす。
このような化合物としては、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンおよびそれらの誘導体のような芳香族ジビニル化合物、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートなどのジエチレン性カルボン酸エステル、N,N−ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルファイトなどのジビニル化合物および3以上のビニル基を含有する化合物などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもまたは2種以上を併用してもよい。
【0033】
(2)分散剤
非帯電性着色樹脂母粒子の表面を覆ってシリコーン鎖を有する樹脂層を形成するための、分散重合に用いられる分散剤としては、シリコーンマクロモノマーとビニル単量体とα−メチルスチレンダイマーとの共重合体が挙げられる。シリコーンマクロモノマーとしては、片末端に重合性不飽和基を有し、かつシリコーン単位(ジメチルポリシロキサン単位などのオルガノシロキサン単位)を有する種々の化合物を使用することができる。
【0034】
分散剤は、例えば、シリコーンマクロモノマーとビニル単量体とα−メチルスチレンダイマーとを、非極性溶媒に添加し、公知の方法により攪拌しながら加熱することにより、共重合させて得ることができる。共重合には、重合開始剤を使用してもよい。重合開始剤は、通常ビニル単量体に予め溶解されて用いられる。
【0035】
シリコーンマクロモノマーとしては、例えば、次式:
【化2】

【0036】
(式中、R1は水素原子またはメチル基であり、R2は炭素数2〜4のアルキレン基であり、R3は互いに同一または異なって、炭素数1〜4のアルキル基またはフェニル基であり、nは整数である)
で示される構造を有するものが挙げられる。
【0037】
上記の構造式におけるR2の炭素数2〜4のアルキレン基としては、メチレン、トリメチレン、テトラメチレン、プロピレン、エチルエチレンなどが挙げられ、R3の炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、tert−ブチルなどが挙げられる。
【0038】
上式で示される構造を有する具体的なシリコーンマクロモノマーとしては、例えば、α−ブチル−ω−(3−メタクリロキシプロピル)ポリジメチルシロキサンなどが挙げられる。
シリコーンマクロモノマーの分子量は、数平均分子量500〜40000の範囲が好ましく、より好ましくは1000〜20000である。シリコーンマクロモノマーは、二種以上混合して用いられてもよい。上記の構造式におけるnは、この数平均分子量を与えうる整数である。
【0039】
分散剤用のビニル単量体は、(1)ビニル単量体に記載したもの(但し、重合性の二重結合を2個以上有する化合物を除く)を好適に使用することができる。また非帯電性着色樹脂粒子製造用のビニル単量体と同一であっても、異なっていてもよい。
【0040】
分散剤用のビニル単量体の使用量は、分散剤用のシリコーンマクロモノマー100重量部に対して、2〜50重量部が好ましい。より好ましくは、5〜25重量部である。
ビニル単量体の使用量が2重量部未満では、非帯電性着色樹脂粒子との親和性が悪くなるため化学的に結合することが難しく、その結果、非帯電性着色樹脂粒子の分散安定性が悪くなることがある。一方、50重量部を超えると、非極性溶媒との親和性が悪くなり非帯電性着色樹脂粒子の分散安定性が悪くなることがある。
【0041】
分散剤の重合には連鎖移動剤を使用してもよい。
分散剤用の連鎖移動剤としては、次式で表される構造を有する付加開裂型のα−メチルスチレンダイマーが好ましい。
【化3】

【0042】
α−メチルスチレンダイマーとシリコーンマクロモノマーとビニル単量体との共重合により、分子量が制御された、かつ末端に反応性の二重結合を有する重合性共重合体(リビング共重合体)が得られる。
【0043】
α−メチルスチレンダイマーの使用量は、分散剤の数平均分子量によって異なるが、一般には分散剤用のシリコーンマクロモノマー100重量部に対して0.1〜10重量部である。
α−メチルスチレンダイマーの使用量が0.1重量部未満では、得られる分散剤の数平均分子量が大きなりすぎることがある。一方、10重量部を超えると、α−メチルスチレンダイマーによる分子量制御が難しくなり、数平均分子量の低下が行えず、添加に見合った効果が得られないことがある。
【0044】
分散剤の分子量は特に限定されるものではないが、数平均分子量2000〜50000の範囲であることが好ましい。
【0045】
ここで、分散剤は、分散剤の製造後に、使用した非極性溶媒から分離されても、分離されなくてもよい。分離されない場合は、非極性溶媒に分散または溶解した分散剤を、非帯電性着色樹脂粒子の製造にそのまま使用できる。
【0046】
分散剤とビニル単量体との分散重合を行うことにより、重合時の粒子同士の合着による凝集を防ぎながらシリコーンマクロモノマー由来のシリコーン鎖を非帯電性着色樹脂母粒子の表面へ化学的に固定化することが可能となる。その結果として、非極性溶媒への分散安定性に優れるサブミクロンの粒子径を有する非帯電性着色樹脂粒子が得られる。
【0047】
(3)重合開始剤
重合開始剤は非帯電性着色樹脂母粒子の表面を覆ってシリコーン鎖を有する樹脂層を形成する際並びに分散剤を製造する際に用いられる。
重合開始剤としては、公知のラジカル重合開始剤であれば特に限定されない。
重合開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、4,4'−アゾビス(4−シアノ吉草酸)および2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)のようなアゾ系開始剤;ならびにベンゾイルパーオキサイド、ハラクロロベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイドおよびt−ブチルパーベンゾエートのような過酸化物系開始剤などが挙げられる。
【0048】
重合開始剤は、モノマー組成物中に0.1〜10重量%程度の量で含有されることが好ましい。
【0049】
分散剤及び非帯電性着色樹脂粒子を作成する際の重合時には、重合の均一性を確保する、粒子の合着を防ぐことを目的に、超音波照射及び/またはマグネチックスターラーなどの機械的攪拌装置による攪拌することが好ましい。
また、重合時の雰囲気は、大気雰囲気でも不活性ガス雰囲気でもよいが、雰囲気中の酸素による重合速度の遅延および重合阻害を防止するために、不活性ガス雰囲気で行うことが好ましい。このような不活性ガスとしては、窒素ガスおよびアルゴンガスが挙げられるが、経済性の面から窒素ガスが好ましい。
【0050】
上記の重合における反応温度および時間は、特に限定されるものではなく、例えば、用いられる重合開始剤の種類や使用量およびモノマー組成との反応性などにより適時調整することが可能である。例えば、反応温度40〜120℃、反応時間0.5〜50時間の範囲で行うことが好ましい。より好ましくは、反応温度40〜80℃、反応時間2〜25時間の範囲である。
【0051】
重合に用いる非極性溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ドデカンなどのパラフィン系炭化水素;イソヘキサン、イソオクタン、イソドデカンなどのイソパラフィン系炭化水素;流動パラフィンなどのアルキルナフテン系炭化水素;ジメチルシリコーンオイル、フェニルメチルシリコーンオイル、ジアルキルシリコーンオイル、アルキルフェニルシリコーンオイル、環状ポリジアルキルシロキサンおよび環状ポリアルキルフェニルシロキサンなどのシリコーンオイルなどが挙げられる。
これらのうち、作業環境などの環境への影響を考慮して、ジメチルシリコーンオイル、フェニルメチルシリコーンオイル、ジアルキルシリコーンオイル、アルキルフェニルシリコーンオイル、環状ポリジアルキルシロキサンおよび環状ポリアルキルフェニルシロキサンなどのシリコーンオイルが好ましい。
【0052】
また、重合時の攪拌を効率よく行うため、使用されるシリコーンオイルは、JIS K 2283で測定した動粘度が100センチストークス以下のオイルであることがさらに好ましい。
分散剤としての共重合体の調製に用いられる非極性溶剤の量は、モノマー組成物100重量部に対し、20〜400重量部が好ましい。より好ましくは、50〜200重量部である。
【0053】
(B)表面にカルボキシ基を有する帯電性着色樹脂粒子
表面にカルボキシ基を有する帯電性着色粒子は、例えば、着色剤粒子と特定のモノマー成分とを非極性溶媒に分散(懸濁)させ、これを懸濁重合、乳化重合、分散重合、マイクロエマルジョン重合などの公知の方法により重合させることにより得られる。
以下、(4)着色剤、(5)帯電性着色樹脂粒子について具体的に説明するが、これらの説明により本発明が限定されるものではない。
【0054】
(4)着色剤
着色剤としては、当該技術分野で着色剤として用いられる無機顔料や有機顔料が挙げられる。
無機顔料としては、例えば、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化コバルト、酸化鉛、酸化モリブデン、酸化ケイ素(シリカ)、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカ、炭化ケイ素、窒化ケイ素、炭化ホウ素、炭化タングステン、炭化チタンなどが挙げられる。
【0055】
有機顔料としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、138、153;C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22、23、31、38、48:2、48:2、48:3、48:4、49:1、52:2、53:1、57:1、60:1、63:1、63:2、64:1、81、83、88、101(ベンガラ)、104、105、106、108、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、185、190、193、209、219、254;C.I.ピグメントブルー1、2、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17:1、56、60、63;C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36などが挙げられる。
【0056】
着色剤粒子は、電気泳動表示装置からの要求に応じて、適宜平均粒子径が設定される。一般に、50〜300nmの平均粒子径の着色剤粒子が用いられる。
また、着色剤粒子の形状は、特に限定されないが、分散媒への分散安定性を考慮すると、できるだけ球形に近いことが好ましい。
【0057】
着色剤粒子は、公知の方法により表面処理剤(着色剤分散剤)で処理されたものを使用してもよい。
表面処理剤としては、ケイ素(シラン)系カップリング剤、アルミニウム(アルミネート)系カップリング剤、チタニウム(チタネート)系カップリング剤、ジルコニウム(ジルコネート)系カップリング剤、リン系カップリング剤などのカップリング剤が好ましい。
【0058】
シラン系カップリング剤としては、例えば、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピル−トリス(2−メトキシ−エトキシ−エトキシ)シラン、N−メチルー3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−アミノエチル−3−アミノプロピル−トリメトキシシラン、ジアミノシラン、N−アミノエチル−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、トリアミノプロピル−トリメトキシシラン、3−アミノ−4,5−ジヒドロイミダソールプロピルトリエキシラン、3−メタクロリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリニトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−シアノプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリ(2−メトキシエトキシ)シラン、ヘキサメチルジシラザン、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリクロロシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、アミルトリクロロシラン、オクチルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、メチルトリ(メタクリロイルオキシエトキシ)シラン、メチルトリ(グリシジルオキシ)シラン、長鎖アルキルトリエトキシシラン、テトラメチルシリケート、テトラエチルシリケート、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロへキシル)エチルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシランが挙げられる。
【0059】
アルミネート系カップリング剤としては、例えば、アセトオクタデシルオキシアルミニウムジイソプロピオネートなどが挙げられる。
チタネート系カップリング剤としては、例えば、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリステアロイルチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(n−アミノエチル−アミノエチル)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、ジクミルフェニルオキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ジイソステアロイルエチレンチタネート、ビス(ジオクチルパオロホスフェート)エチレンチタネート、ビス(ジオクチルパオロホスフェート)ジイソプロピルチタネート、テトラメチルオルソチタネート、テトラエチルオルソチタネート、テトラプロピルオルソチタネート、テトライソプロピルテトラエチルオルソチタネート、テトラブチルオルソチタネート、ブチルポリチタネート、テトライソブチルオルソチタネート、2−エチルヘキシルチタネート、ステアリルチタネート、クレシルチタネートモノマー、クレシルチタネートポリマー、ジイソプロポキシ−ビス−(2,4−ペンタジオネート)チタニウム(IV)、ジイソプロピル−ビス−トリエタノールアミノチタネート、オクチレングリコールチタネート、チタニウムラクテート、アセトアセティツクエスチルチタネート、ジイソプロポキシビス8アセチルアセトナト)チタン、ジ−n−ブトキシビス(トリエタノールアルミナト)チタン、ジヒドロキシビス(ラクタト)チタン、チタニウム−イソプロポキシオクチレングリコレート、チトラ−n−ブトキシチタンポリマー、トリ−n−ブトキシチタンモノステアレートポリマー、ブチルチタネートダイマー、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンチタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテートエチルエステル、チタントリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレートなどが挙げられる。
【0060】
ジルコネート系カップリング剤としては、ジルコニウムブチレート、ジルコニウムアセチルアセトネート、アセチルアセトンジルコニウムブチレート、ジルコニウムラクテート、ステアリン酸ジルコニウムブチレート、テトラ(トリエタノールアミン)ジルコネート、テトライソプロピルジルコネートなどが挙げられる。
【0061】
リン系カップリング剤としては、例えば、アクリロイルオキシエチルフタルオキシエチルジエチルホスフェート、ジ(メタクリロイルオキシエチルフタルオキシエチル)ジエチルピロホスフェート、ジ(メタクリロイルオキシエチルフタルオキシエチル)メチルホスファイト、ジ(メタクリロイルオキシエチルフタルオキシエチル)ホスフェート、ジ(アクリロイルオキシエチルフタルオキシエチル)ピロホスフェート、ジ(メタクリロイルオキシエチルフタルオキシエチル)ホスファイト、メタクリロイルオキシエチルマレオキシエチルジエチルホスフェート、ジ(アクリロイルオキシエチルマレオキシエチル)ジエチルピロホスフェート、ジ(メタクリロイルオキシエチルマレオキシエチル)エチルホスファイト、ジ(アクリロイルオキシエチルマレオキシエチル)ホスフェート、ジ(メタクリロイルオキシエチルマレオキシエチル)ピロホスフェート、ジ(アクリロイルオキシエチルマレオキシエチル)ホスファイト、メタクリロイルオキシエチルスクシンオキシエチルジエチルホスフェート、ジ(メタクリロイルオキシエチルスクシンオキシエチル)ジメチルピロホスフェート、ジ(メタクリロイルオキシエチルスクシンオキシエチル)エチルホスファイト、ジ(メタクリロイルオキシエチルスクシンオキシエチル)ホスフェート、ジ(メタクリロイルオキシエチルスクシンオキシエチル)ピロホスフェート、ジ(メタクリロイルオキシエチルスクシンオキシエチル)ホスファイト、ジ(N−アクリルアミノメチル)ホスファイト、ジ(N−アクリルアミノメチル)ピロホスフェート、ジ(N−アクリルアミノメチル)ホスフェートなどが挙げられる。
【0062】
また、表面処理剤としては、ステアリン酸、オレイン酸などの脂肪酸やそれらの金属塩や、シリカ、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウムなどの無機化合物を用いることもできる。
【0063】
例えば、次式:
【化4】

【0064】
(式中、R1は炭素数8〜20のアルキル基、R2は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基、R3は炭素数1〜6のアルコキシ基である)
で示されるアルミニウム含有有機化合物が好適に用いられる。
【0065】
上記の構造式におけるR1の炭素数8〜20のアルキル基としては、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、イコシルなどが挙げられ、R2の炭素数1〜3のアルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピルなどが挙げられ、R3は炭素数1〜6のアルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、ペントキシ、ヘキソキシなどが挙げられる。
【0066】
このような式で表されるアルミニウム含有有機化合物としては、例えば、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)などが挙げられる。
【0067】
表面処理剤の使用量は、着色剤や表面処理剤の種類や使用量などにもよるが、通常、着色剤100重量部に対して、1〜20重量部、好ましくは2〜15重量部である。
表面処理剤の使用量が上記の範囲であれば、本発明に適した表面状態を着色剤に与えることができる。表面処理剤の使用量が1重量部未満では、分散安定性の向上の効果が十分に期待できないことがあり、また20重量部を超えると、使用量を増加させてもその効果はさほど向上しないことがあるので好ましくない。
【0068】
着色剤は、非極性溶媒に、公知の方法により分散された後、重合処理することにより、分散剤や帯電性着色樹脂粒子中に混合することができる。
なお、着色剤を分散させる装置としては、特に限定されないが、例えばボールミル、アトライター、サンドミルなどのメディア型分散装置、ホモミキサー、ホモジナイザー、バイオミキサーなどの剪断型分散装置、超音波分散装置などが挙げられる。
【0069】
(5)帯電性着色樹脂粒子
本発明の非帯電性着色樹脂粒子の中間体となる帯電性着色樹脂粒子は、その表面にカルボキシ基を有し、その製造方法は前述のように特に限定されない。また、帯電性着色樹脂粒子中にシリコーン鎖を有していてもよい。
【0070】
以下、分散重合法による帯電性着色樹脂粒子の製造方法について説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
帯電性着色樹脂粒は、ビニル単量体と分散剤を分散重合により共重合させて得ることができる。
ここで、帯電性着色樹脂粒は、カルボキシ基を有するが、このカルボキシ基は、分散剤と共重合するビニル単量体中に含まれるカルボキシ基を有するビニル単量体に由来してもよく、分散剤を形成する際の単量体混合物中に含まれるカルボキシ基を有するビニル単量体に由来してもよい。
【0071】
カルボキシ基を有するビニル単量体としては、重合可能なものであれば特に限定されず、例えば(メタ)アクリル酸、および2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸などのアクリル酸やメタクリル酸のカルボン酸含有エステル類、マレイン酸、フマール酸などが挙げられ、これらは、1種を単独で使用してもまたは2種以上を併用してもよい。
【0072】
カルボキシ基を有するビニル単量体の添加量は、帯電性着色樹脂粒子を製造するための重合に用いられる分散剤、ビニル単量体、着色剤を混合した重合性単量体組成物100重量%中、1〜30重量%が好ましい。より好ましくは、2〜20重量%である。
カルボキシ基を有するビニル単量体の添加量が1重量%未満では、重合によって製造された非帯電性着色樹脂粒子の真密度が大きくなるので、分散媒中での非帯電性着色樹脂粒子の沈降速度が速くなり、沈降凝集などが発生することがある。一方、30重量%を超えると、非帯電性を得るために必要なアミノ基含有化合物の量が過多となり、また余剰のアミノ基含有化合物を除去するための洗浄に多くの時間を要し、生産効率が低下することがある。
【0073】
帯電性着色樹脂粒子は、上記の分散剤とビニル単量体とを非極性溶媒に添加混合し、分散重合させることにより製造することができる。
帯電性着色樹脂粒の製造に使用されるビニル単量体には、分散剤の製造にカルボキシ基を有する単量体を使用しなかった場合、カルボキシ基を有する単量体を含む必要がある。分散剤の製造にカルボキシ基を有する単量体を使用した場合は、カルボキシ基を有する単量体を含んでも含まなくてもよい。
これにより、帯電性着色樹脂粒子はシリコーン鎖とカルボキシ基を有することとなり、その結果、表面にカルボキシ基とアミノ基の反応物を有する非帯電性着色樹脂母粒子を得ることが可能になる。
ここで、ビニル単量体としては、上記カルボキシ基を有するビニル単量体および(1)ビニル単量体の欄で記載したビニル単量体をいずれも使用できる。
【0074】
重合は、分散剤及び非帯電性着色樹脂粒子を作成する際と同様、不活性ガス雰囲気下、超音波照射及び/またはマグネチックスターラーなどの機械的攪拌装置による攪拌することが好ましい。
また、反応温度および時間についても同様、適時調整して用いることが可能であり、好ましくは反応温度40〜120℃、反応時間0.5〜50時間の範囲で行うことができる。より好ましくは、反応温度は40〜80℃、反応時間は2〜12時間である。
【0075】
以上、非帯電性着色樹脂粒子の製造方法を述べてきたが、本発明の非帯電性着色樹脂粒子の平均粒子径は、0.1〜1.0μmが好ましい。より好ましくは0.2〜0.8μmである。
平均粒子径が0.1μm未満では、重合時に非極性溶剤の粘度が上昇し、その結果安定した平均粒子を有する非帯電性着色樹脂粒子の製造が行えないことがある。一方、1.0μmを超えると、非極性溶媒中での分散安定性が悪くなることがある。
【0076】
非帯電性着色樹脂粒子の比重は、1.0〜3.0が好ましい。より好ましくは1.2〜2.5である。
比重が1.0未満では、顔料濃度が低くなるため、発色が悪くなることがある。一方、3.0を超えると、非極性溶媒への分散性が悪化することがある。
また、得られた非帯電性着色樹脂粒子は、非極性溶媒から取り出してもよく、また取り出さずにそのまま使用することもできる。取り出された樹脂粒子は、必要に応じて、非極性溶媒で洗浄できる。さらに、洗浄後の非極性着色樹脂粒子を再度非極性溶媒中に分散させてもよい。
【0077】
本発明の非帯電性着色樹脂粒子は、非極性溶媒、特にシリコーンオイルへの分散安定性に優れ、着色剤の含有量が高く、かつ安定した非帯電性を有している。したがって、このような性質を利用した非帯電性着色樹脂粒子分散体は、電子ペーパーのような電気泳動を利用した電気泳動表示装置の表示素子として好適に使用できる。
非極性溶媒としては、(A)分散重合法による非帯電性着色樹脂粒子の製造方法において例示のもの、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ドデカンなどのパラフィン系炭化水素;イソヘキサン、イソオクタン、イソドデカンなどのイソパラフィン系炭化水素;流動パラフィンなどのアルキルナフテン系炭化水素;ジメチルシリコーンオイル、フェニルメチルシリコーンオイル、ジアルキルシリコーンオイル、アルキルフェニルシリコーンオイル、環状ポリジアルキルシロキサンおよび環状ポリアルキルフェニルシロキサンなどのシリコーンオイルなどが挙げられる。
これらの中でも、作業環境のような環境への影響を考慮して、シリコーンオイルが特に好ましい。
【0078】
本発明の非帯電性着色樹脂粒子分散体は、本発明の非帯電性着色樹脂粒子をシリコーンオイルのような非極性溶媒に分散させることにより得られる。非帯電性着色樹脂粒子分散体100重量部中の本発明の非帯電性着色樹脂粒子の含有量は、通常、2〜40重量部程度、好ましくは5〜30重量部である。
非帯電性着色樹脂粒子分散体を電気泳動表示装置(画像表示装置)として用いる場合には、公知の帯電性着色樹脂粒子がさらに含まれ、その含有量は、通常、非帯電性着色樹脂粒子分散体100重量部に対して0.2〜30重量部程度、好ましくは0.5〜20重量部である。
非帯電性着色樹脂粒子分散体は、本発明の効果を阻害しない範囲で公知の添加剤が配合されていてもよい。
【0079】
本発明の電気泳動表示装置は、非帯電性着色樹脂粒子分散体を用いて得られる。
すなわち、本発明の電気泳動表示装置では、本発明の非帯電性着色樹脂粒子がベース色を発色し、公知の帯電性着色樹脂粒子が電気泳動により所望の形状で発色することにより、画像を表示する。
本発明の電気泳動表示装置は、例えば、電極を有する一対の基板間に、非帯電性着色樹脂粒子分散体からなる表示層を挟んだ構造が挙げられる。電極間に電圧を印加することで、印加された電圧の極性に応じて、組み合わせて用いられる帯電性着色樹脂粒子が、一対の基板の内の片側に移動する。この装置では、帯電性着色樹脂粒子の移動を利用して情報が表示される。
【実施例】
【0080】
以下、実施例および比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
まず、平均粒子径の測定方法、平均分子量の測定方法、シリコーンオイル中での帯電性着色樹脂粒子、非帯電性着色樹脂母粒子および非帯電性着色樹脂粒子の分散安定性の評価方法、極性の評価方法、帯電量の評価方法およびカルボキシ基とアミノ基の反応物中のアミド基の確認のIR測定方法について説明する。
【0081】
(平均粒子径)
本発明でいう「平均粒子径」は、動的光散乱法と呼ばれる方法を利用して測定したZ平均粒子径を意味する。
具体的には、樹脂粒子のシリコーンオイル分散液にレーザー光を照射し、樹脂粒子から散乱される散乱光強度をマイクロ秒単位の時間変化で測定する。検出された樹脂粒子に起因する散乱強度分布を正規分布に当てはめて、平均粒子径を算出するためのキュムラント解析法によりZ平均粒子径を求める。
この平均粒子径は、例えば、本実施例および比較例で使用したマルバーン社(malvern Instruments Ltd)の「ゼータサイザーナノZS」のような、市販の測定装置で簡便に測定することができる。
通常、市販の測定装置にはデータ解析ソフトが搭載されており、測定データを自動的に解析することで、Z平均粒子径を算出できる。
【0082】
(平均分子量)
本発明でいう「平均分子量(Mw)」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定した、ポリスチレン(PS)換算重量平均分子量を意味する。
具体的には、試料4mgをテトラヒドロフラン(THF)4mLに溶解させ(浸透時間:6.0±0.5hr(完全溶解))、非水系0.45μmのクロマトディスクで濾過した上で、次の条件でクロマトグラフを用いて測定する。予め測定し、作成しておいた標準ポリスチレンの検量線から試料の平均分子量を求める。
液体クロマトグラフ:東ソー社製、商品名「ゲルパーミエーションクロマトグラフ HLC−8320」
ガードカラム:東ソー社製、商品名「TSKguardSuperMP(HZ)−HX」1本(4.6mmI.D.×2cm)
カラム:東ソー社製、商品名「TSKgel SuperMultiporeHZ−H X」2本(4.6mmI.D.×15cm)
カラム温度:40℃
移動相:テトラヒドロフラン(THF)
移動相流量:0.2mL/min
検出:RI
試料濃度:0.5g/mL THF
注入量:20マイクロリットル
測定時間:25min
検量線用標準ポリスチレン:昭和電工社製、商品名「shodex」重量平均分子量:5620000、3120000、1250000、442000、131000、54000、20000、7590、3450、1320
検量線の作成方法において、上記検量線用標準ポリスチレンをA,Bにグループ分けし、約1wt%濃度(0.1g/L)になるように、THFで溶解し、20μL注入する。これらの保持時間から較正曲線(一次式)を作成し、分子量分布測定に用いる。
【0083】
(着色樹脂粒子の樹脂量)
着色樹脂粒子のシリコーンオイル分散体を減圧下、150℃で8時間乾燥し、粒子の乾燥体を得、これを測定試料とする。
着色樹脂粒子測定試料を秤量する。秤量後の着色樹脂粒子を熱重量分析装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製TG/DTA6200型)中の白金セル中に入れる。白金セル中の着色樹脂粒子を、窒素雰囲気下、室温から800℃まで10℃/分の速度での昇温で加熱処理することで、樹脂を熱分解させた。取り出した粒子を秤量する。着色樹脂粒子の秤量値Aと加熱処理後の粒子の秤量値Bを以下の式に代入することで顔料粒子100重量部に対する樹脂量を算出する。
樹脂割合(重量%)=(秤量値A−秤量値B)×100/秤量値A
樹脂量(重量部)=樹脂割合/(100−樹脂割合)×100
【0084】
(着色樹脂粒子の比重)
着色樹脂粒子のシリコーンオイル分散体を減圧下、150℃で8時間乾燥し、粒子の乾燥体を得、これを測定試料とする。
次に、島津製作所−マイクロメリティックス社製 乾式密度計アキュピック1330(気体置換法)を用い、粒子の乾燥体2gを10ccセルに採り、繰り返し5回測定し、その平均値を求める。
【0085】
(シリコーンオイル中での着色樹脂粒子の分散安定性の評価方法)
粒子分散液40mLを50mLの遠心管に入れ、遠心分離機(クボタ社製、ハイスピード冷却遠心機7930、ローターRA−400)を用いて、回転数2,000rpmで30分間遠心分離を行う。その後、取り出したコニカルチューブ中の粒子の分散状態を目視観察して、次の基準で分散安定性を評価する。
○:沈降しない
△:沈降する粒子としない粒子とが共存する
×:沈降する
【0086】
(極性の評価方法)
着色樹脂粒子の固形分が10重量%の動粘度が2センチストークスのシリコーンオイル分散体5gを20mLのガラス瓶に計り取り、着色樹脂粒子の固形分が5重量%となるように動粘度が2センチストークスのシリコーンオイル(信越化学社製、KF−96L−2CS、以下「2csシリコーン」という)をさらに5g加えて測定用試料を得る。
次に、片面に酸化インジウムスズ(ITO)をコートしたガラス板(幅8mm、長さ100mm、厚み0.7mm:松浪硝子工業社製、ITOコートガラス EAGLE XG)2枚を、コート面を内側にし、銅テープを貼り付けたスペーサーをガラス板間に挟んでガラス板の間隔を1mmとした平行平板(冶具)を用意する。この冶具を測定用試料に浸漬し、冶具の左側(一)に+100Vの電圧を印加して10秒間静置する。10秒経過後、測定用試料から冶具を引き上げ、左側(一方)のガラス板に粒子が付着していればその粒子極性を負、右側(他方)のガラス板に粒子が付着していればその粒子極性を正と判断する。
【0087】
(帯電量の評価方法)
着色樹脂粒子の固形分が10重量%の2csシリコーンオイル分散体を測定用試料とする。
次に、片面に酸化インジウムスズ(ITO)をコートしたガラス板(幅20mm、長さ100mm、厚み0.7mm:松浪硝子工業社製、ITOコートガラス EAGLE XG)2枚を用意する。図1に示すように、一方のガラス基板のコート面にスペーサーとして厚み50μmのテフロン(登録商標)フィルム(幅20mm、長さ25mm)を貼り付け、2枚のガラス板をコート面が内側になるようにした状態でスペーサーを介して挟み込んだ平行平板(冶具)とする。2枚のガラス板の酸化インジウムスズ(ITO)のコート面のすき間(幅25mm、長さ20mm、厚み50μm)に、シリンジを用いて測定用試料を毛細管現象により浸透させる。次に、冶具の両側を測定装置(KEITHLEY社製:KEITHLEY6514)に接続し、+10Vの電圧を20秒間印加させて得られた測定値を測定面積で除し、これを帯電量(nC/cm2)とする。
【0088】
(非帯電性着色樹脂粒子と帯電性着色樹脂粒子との混合評価)
粒子の固形分が10重量%である非帯電性着色樹脂粒子の2csシリコーンオイル分散体9.0gと、粒子の固形分が10重量%である正帯電性を示す帯電性着色樹脂粒子の2csシリコーンオイル分散体1.0gとを混合した液体を[混合直後]の測定試料とする。また、混合した液体を密栓したガラス容器に入れ恒温槽で40℃、1週間保持したものを[40℃1週間経過後]の測定試料とする。
次に、上記帯電量の評価方法で作成した冶具に、シリンジを用いて測定用試料を毛細管現象により浸透させる。次に、冶具の両側を測定装置(KEITHLEY社製:KEITHLEY6514)に接続し、上面と下面のITO基板に20秒間隔で交互に+10Vの電圧を印加し、正帯電性を示す帯電性着色樹脂粒子の電気泳動性と表示の状態を観察する。
【0089】
分散状態を目視観察して、次の基準で分散安定性を評価する。
○:帯電性着色樹脂粒子が電圧の印加により電気泳動し、上面より観察した際に明瞭表示を示す
△:帯電性着色樹脂粒子が電圧の印加により電気泳動し、上面より観察した際に対応した表示を示すが、一部色が混ざっており明瞭ではない
×:帯電性着色樹脂粒子が電圧を印加しても電気泳動せず、表示色に殆ど変化が見られない
【0090】
(カルボキシ基とアミノ基の反応物中のアミド基の確認方法)
着色樹脂粒子のIR測定は下記の要領で測定する。
粒子の固形分量が10重量%である着色樹脂粒子のシリコーンオイル分散体を減圧下、150℃で8時間乾燥し、粒子の乾燥体を得た後、乳鉢中でKBr粉末と混合後、錠剤プレス成型機にて直径約13mmの錠剤に成型し、成型したKBr錠剤をNicolet社製フーリエ変換赤外分光光度計MAGNA−560にて透過法によりIR測定を行う。
得られた赤外線吸収スペクトルの差スペクトル処理をコンピュータ上にて実施し、着色樹脂粒子特有の吸収波長を見つけ出すことにより、官能基情報を得る。
【0091】
(分散剤の作製例a−1)
300mLセパラブルフラスコに、動粘度1センチストークスのシリコーンオイル(信越化学社製、KF−96L−1CS、以下「1csシリコーンオイル」という)100g、予め重合開始剤として2,2’−アゾ−ビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)(日本ヒドラジン工業社製、以下「ABNV」という)2.0gを溶解したメタクリル酸メチル10g、シリコーンマクロモノマー(チッソ社製、サイラプレーンFM−0721、R1=CH3、R2=C36、R3=CH3、数平均分子量5,850)89gおよびα−メチルスチレンダイマー(日本油脂社製:ノフマーMSD)1.0gを添加した。次いで、得られた混合液を、窒素雰囲気、撹拌下、70℃で10時間攪拌して重合させた。次いで、減圧下70℃で8Hr、1csシリコーンオイルを含む揮発分を除去し、反応物(以下「分散剤」という)92gを得た。
得られた分散剤は、無色透明な液体であり、THFを用いたGPC測定による数平均分子量は33,200であった。
【0092】
(分散剤の作製例a−2)
300mLセパラブルフラスコに、テトラヒドロフラン100g、予め重合開始剤としてABNV2.0gを溶解したメタクリル酸メチル8.0g、アクリル酸イソステアリル88g、メタクリル酸ヒドロキシブチル2.0gおよびα−メチルスチレンダイマー2.0gを添加した。次いで、得られた混合液を、窒素雰囲気、撹拌下、70℃で10時間攪拌して重合させた。次いで、減圧下70℃でテトラヒドロフランを除去し、分散剤87gを得た。
得られた分散剤は、無色透明な液体であり、THFを用いたGPC測定による数平均分子量は42,600であった。
【0093】
(分散剤の作製例a−3)
攪拌機、温度計および還流冷却器を備えた300mLのガラス製反応容器に、1csシリコーンオイル180g、予め重合開始剤としてABNV0.1gを溶解したN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート(共栄社化学社製、ライトエステルDM)6g、シリコーンマクロモノマー(チッソ社製、サイラプレーンFM−0721)14gを添加した。次いで、得られた混合液を、窒素雰囲気、撹拌下、60℃で6時間攪拌して重合させた。次いで、減圧下70℃でシリコーンオイルを除去し、分散剤90gを得た。
得られた分散剤は、無色透明な液体であり、THFを用いたGPC測定による数平均分子量は84,000であった。
【0094】
(帯電性着色樹脂粒子の作製例b−1)
50mLのガラス製容器中で、1csシリコーンオイル20g、アルミニウム系カップリング剤(表面処理剤、味の素ファインテクノ社製、プレンアクトAL−M、式(1)中、R1はオクタデシル、R2はメチル、R3はイソプロポキシ、mは2、nは1である)1.6gおよび酸化チタン(顔料粒子、比表面積20.5m2/g、平均粒子径70nm、石原産業社製、PT−401M)18.4gを室温で24時間攪拌を行った。
【0095】
次いで、ジルコニアビーズ(直径1mm)500gを入れた300mLのガラス製ビーズポット(ビーズミル)中で、上記で得られた混合液20g、1csシリコーンオイル30gおよび(a−1)で得られた分散剤20gを室温で24時間分散処理し、その後ジルコニアビーズを分離して分散液61gを得た。
【0096】
次いで、得られた分散液50.4gを500mLセパラブルフラスコに移し、1csシリコーンオイル295.2g、予め重合開始剤としてラウロイルパーオキサイド(日本油脂社製、パーロイルL、以下「LPO」という)1.0gを溶解したアクリル酸イソステアリル5.4g、メタクリル酸1.8g、エチレングリコールジメタクリレート3.6gおよび分散剤3.6gを添加し、窒素雰囲気下、60℃で8時間、超音波照射して分散重合させた。
なお、超音波照射は、300mLセパラブルフラスコを出力150Wの超音波洗浄機(VELVO−CLEAR社製、VS−150)の洗浄槽(内寸:L230mm×W180mm×H110mm)に浸漬し、槽内水を60℃の恒温に保った状態で行った。
【0097】
分散重合終了後、樹脂粒子を遠心分離により沈降分離し、1csシリコーンオイルに再度分散させた。この操作を3回繰り返し、樹脂粒子を洗浄することで重合開始剤などの反応残渣を除去した。その後、得られた樹脂粒子を1csシリコーンオイルに分散させて、固形分10%の着色樹脂粒子の1csシリコーンオイル分散体203gを得た。
得られた帯電性着色樹脂粒子は、1csシリコーンオイル溶媒中での平均粒子径が232nmであり、明確な正帯電性を示した。またその帯電量は64nC/cm2であった。
【0098】
(帯電性着色樹脂粒子の作製例b−2)
50mLのガラス製容器中で、イソパラフィン炭化水素(エクソンモービル社製、ISOPAR H FLUID、以下「イソパラフィン」という)20g、アルミニウム系カップリング剤(表面処理剤、味の素ファインテクノ社製、プレンアクトAL−M、式(1)中、R1はオクタデシル、R2はメチル、R3はイソプロポキシ、mは2、nは1である)1.6gおよび酸化チタン(顔料粒子、比表面積20.5m2/g、平均粒子径70nm、石原産業社製、PT−401M)18.4gを室温で24時間攪拌を行った。
【0099】
次いで、ジルコニアビーズ(直径1mm)500gを入れた300mLのガラス製ビーズポット(ビーズミル)中で、上記で得られた混合液20g、イソパラフィン30gおよび(a−2)で得られた分散剤20gを室温で24時間分散処理し、その後ジルコニアビーズを分離して分散液63gを得た。
【0100】
次いで、得られた分散液50.4gを500mLセパラブルフラスコに移し、イソパラフィン295.2g、予め重合開始剤としてLPO1.0gを溶解したアクリル酸イソステアリル9.0g、メタクリル酸1.8g、エチレングリコールジメタクリレート3.6gを添加し、窒素雰囲気下、60℃で8時間、(b−1)と同じ超音波洗浄機を用いて分散重合させた。
【0101】
分散重合終了後、粒子を遠心分離により沈降分離し、イソパラフィンに分散させた。この操作を3回繰り返し、樹脂粒子を洗浄することで重合開始剤などの反応残渣を除去した。(この時、得られた帯電性着色粒子の一部をイソパラフィンに分散し、イソパラフィン溶媒中での極性、粒子径を測定したところ明確な正帯電性を示しており平均粒子径は302nmであった。)その後、得られた樹脂粒子の残りを更にイソプロピルアルコールに一晩浸漬し、次にイソプロピルアルコールと2csシリコーンオイルの1:1混合溶媒を用いて沈降分離、洗浄を行った後、減圧下90℃でイソプロピルアルコールを含む揮発成分を除去し、次いで固形分を10%になるように2csシリコーンオイルで調整し、固形分10%の着色樹脂粒子の2csシリコーンオイル分散体164gを得た。
得られた着色樹脂粒子は、2csシリコーンオイル溶媒中での平均粒子径が566nmと凝集した状態で分散しているものであったが、明確な正帯電性を示した。またその帯電量は21nC/cm2であった。
【0102】
(帯電性着色樹脂粒子の作製例b−3)
50mlのガラス製容器に1csシリコーンオイル31.5g、予め重合開始剤としてLPO0.07gを溶解したメタクリル酸メチル0.91g、メタクリル酸0.14g、マゼンダ顔料(チバスペシャリティケミカルズ社製、クロモフタルPink PT)0.35g、エチレングリコールジメタクリレート0.35gおよび(a−1)で得られた分散剤1.75gを添加し、内部照射型超音波分散機(BRANSON社製、SONIFIRE450)を用いて60秒間超音波照射することで顔料分散を行った。続いて窒素雰囲気下、60℃で8時間、(b−1)と同じ超音波洗浄機を用いて分散重合させた。
分散重合終了後、粒子を遠心分離により沈降分離し、次に2csシリコーンオイルに分散させた。この操作を3回繰り返し、粒子を洗浄することで重合開始剤などの反応残渣を除去した。その後、減圧下90℃で1csシリコーンを除去し、次いで2csシリコーンオイルに分散させて得られた粒子を2csシリコーンオイルに分散させて、固形分10%の着色樹脂粒子の2csシリコーンオイル分散体14gを得た。
得られた着色樹脂粒子は、2csシリコーンオイル溶媒中での平均粒子径が354nmであり、明確な正帯電性を示すマゼンダ粒子であった。またその帯電量は42nC/cm2であった。
【0103】
(非帯電性着色樹脂母粒子の作製例c−1)
攪拌機、温度計および還流冷却器を備えた300mLセパラブルフラスコに、(b−1)で得られた固形分10%の帯電性着色樹脂粒子の2csシリコーンオイル分散体150gに対してイソプロピルアルコール50gとステアリルアミン1.5gを加え、攪拌下60℃で4時間反応させた。
反応終了後、樹脂粒子を遠心分離により沈降分離し、イソプロピルアルコール/2csシリコーンオイルの1対1の混合溶媒100gに再度分散させた。この操作を3回繰り返し洗浄を行った。その後、得られた非帯電性着色樹脂母粒子を2csシリコーンオイルに分散させ、揮発成分を減圧乾燥下90℃で除去した後、固形分を10%になるように2csシリコーンオイルで調整し、非帯電性着色樹脂母粒子の2csシリコーンオイル分散体129gを得た。
得られた非帯電性着色樹脂母粒子は、比重が1.81、シリコーンオイル溶媒中での平均粒子径が263nmであり、明確な帯電極性は示さなかった。またその帯電量は1.8nC/cm2であった。IR測定により、3300cm-1付近にアミド基由来のピークを確認した。
【0104】
(非帯電性着色樹脂母粒子の作製例c−2)
攪拌機、温度計および還流冷却器を備えた300mLセパラブルフラスコに、(b−2)で得られた固形分10%の帯電性着色樹脂粒子の2csシリコーンオイル分散体150gに対してイソプロピルアルコール50gとステアリルアミン1.5gを加え、攪拌下60℃で4時間反応させた。
反応終了後、粒子を遠心分離により沈降分離し、イソプロピルアルコール/2csシリコーンオイルの1対1の混合溶媒100gに再度分散させた。この操作を3回繰り返し洗浄を行った。その後、得られた着色母粒子を2csシリコーンオイルに分散させ、揮発成分を減圧乾燥下90℃で除去した後、固形分を10%になるように2csシリコーンオイルで調整し、非帯電性着色樹脂母粒子の2csシリコーンオイル分散体118gを得た。
得られた非帯電性着色樹脂母粒子は、比重が1.67、シリコーンオイル溶媒中での平均粒子径が632nmであり、明確な帯電極性は示さなかった。またその帯電量は0.4nC/cm2であった。IR測定により、3300cm-1付近にアミド基由来のピークを確認した。
【0105】
(実施例1)
(c−1)で得られた固形分10%の2csシリコーン分散液196gを300mLセパラブルフラスコに移し、予め重合開始剤としてLPO0.21g重量部を溶解したアクリル酸イソステアリル4.2g、エチレングリコールジメタクリレート0.84g、(a−1)で作製した分散剤3.36gを添加し、窒素雰囲気下、60℃で8時間、(b−1)と同じ超音波洗浄機を用いて分散重合させた。
【0106】
分散重合終了後、樹脂粒子を遠心分離により沈降分離し、2csシリコーンオイルに再度分散させた。この操作を3回繰り返し、樹脂粒子を洗浄することで重合開始剤などの反応残渣を除去した。その後、得られた樹脂粒子を2csシリコーンオイルに分散させ、揮発成分を減圧乾燥下90℃で除去した後、固形分を10%になるように2csシリコーンオイルで調整し、固形分10%の非帯電性着色樹脂粒子の2csシリコーンオイル分散体を171gを得た。
得られた非帯電性着色樹脂粒子は、2csシリコーンオイル溶媒中での平均粒子径が298nmであり、明確な帯電極性は示さず、その帯電量は0.4nC/cm2であった。
また、乾燥した非帯電性着色樹脂粒子の比重は1.54g/cc。IR測定により3300cm-1付近にアミド基由来のピークを確認した。
【0107】
次に得られた固形分10%の非帯電性着色樹脂粒子の2csシリコーンオイル分散体9.0gと、(b−3)で得られた固形分10%の正帯電性を示すマゼンダ粒子の2csシリコーンオイル分散体1.0gとを用い混合評価を行った結果、[混合直後][40℃1週間経過後]のいずれの測定試料とも、マゼンダ粒子は電圧を印加した基板とは反対の電極側に移動し、上面より観察した際に明瞭なマゼンダ色と白色の表示を示した。
【0108】
(実施例2)
(c−2)で得られた固形分10%の2csシリコーン分散液196gを300mLセパラブルフラスコに移し、予め重合開始剤としてLPO0.21g重量部を溶解したアクリル酸イソステアリル4.2g、エチレングリコールジメタクリレート0.84g、(a−1)で作製した分散剤3.36gを添加し、窒素雰囲気下、60℃で8時間、(b−1)と同じ超音波洗浄機を用いて分散重合させた。
【0109】
分散重合終了後、樹脂粒子を遠心分離により沈降分離し、2csシリコーンオイルに再度分散させた。この操作を3回繰り返し、樹脂粒子を洗浄することで重合開始剤などの反応残渣を除去した。その後、得られた樹脂粒子を2csシリコーンオイルに分散させ、揮発成分を減圧乾燥下90℃で除去した後、固形分を10%になるように2csシリコーンオイルで調整し、固形分10%の非帯電性着色樹脂粒子の2csシリコーンオイル分散体162gを得た。
得られた非帯電性着色樹脂粒子は、2csシリコーンオイル溶媒中での平均粒子径が364nmであり、明確な帯電極性は示さず、その帯電量は0.8nC/cm2であった。
また、乾燥した非帯電性着色樹脂粒子の比重は1.38g/cc。IR測定により3300cm-1付近にアミド基由来のピークを確認した。
【0110】
次に得られた固形分10%の非帯電性着色樹脂粒子の2csシリコーンオイル分散体9.0gと、(b−3)で得られた固形分10%の正帯電性を示すマゼンダ粒子の2csシリコーンオイル分散体1.0gとを用い混合評価を行った結果、[混合直後][40℃1週間経過後]のいずれの測定試料とも、マゼンダ粒子は電圧を印加した基板とは反対の電極側に移動し、上面より観察した際に明瞭なマゼンダ色と白色の表示を示した。
【0111】
(比較例1)
実施例1で得られた固形分10%の非帯電性着色樹脂粒子の2csシリコーンオイル分散体の代わりに、(c−1)で得られた固形分10%の着色樹脂粒子の2csシリコーンオイル分散体を用いたこと以外は実施例1と同様にして、混合評価を行った。
その結果、混合液体を調液した直後に、その一部を電気泳動セルに注液し、上面と下面のITO基板に交互に+10Vの電圧を印加したところ、マゼンダ粒子は電圧を印加した基板とは反対の電極側に移動し、上面より観察した際に明瞭なマゼンダ色と白色の表示を示した。
しかし、混合液体を40℃で1週間保持した後では、薄くマゼンダ色がかった白表示となった。
この原因は、表面にカルボキシル基とアミノ基との反応物を有する非帯電性着色樹脂粒子が、加熱条件の下、時間の経過と共に官能基を含有する帯電性着色樹脂粒子と凝集を起こし易くなるためであると考えられる。
【0112】
(比較例2)
実施例1で得られた固形分10%の非帯電性着色樹脂粒子の2csシリコーンオイル分散体の代わりに、(c−2)で得られた固形分10%の着色樹脂粒子の2csシリコーンオイル分散体を用いたこと以外は実施例1と同様にして、混合評価を行った。
混合液体を調液した直後に、その一部を電気泳動セルに注液し、上面と下面のITO基板に交互に+10Vの電圧を印加したが、マゼンダ粒子は明確な泳動性を示さず、上面より観察した際に明瞭なマゼンダ色と白色の表示を示さず混合色のままであった。また、混合液体を40℃で1週間保持した後でも同様に、上面より観察した際に明瞭なマゼンダ色と白色の表示を示さず混合色のままであった。
この原因は、非帯電性着色樹脂粒子の表面にシリコーン鎖を有しておらず凝集し易いためであると考えられる。
【0113】
(比較例3)
攪拌機、温度計および還流冷却器を備えた300mLのガラス製反応容器に、(a−3)で得られた分散剤1.26g、酸化チタン(石原産業社製、CR−90)25.2gおよび1csシリコーンオイル126gを合わせて氷冷しながら内部照射型超音波分散機(BRANSON社製、SONIFIRE450)を用いて1時間超音波照射を行い、酸化チタンを分散させた。分散終了後、4−ビニルベンジルクロリド0.252gをさらに加え、40℃で3時間加熱して酸化チタンに吸着した分散剤の余剰のアミノ基をビニル基に変性させた。
【0114】
次に、2−ビニルナフタレン33.6g、シリコーンマクロモノマー(チッソ社製、サイラプレーンFM−0721)25.2gおよび開始剤としてLPO6.3gを加え、65℃で10時間反応させた。反応終了後、樹脂粒子を遠心分離により沈降分離し、エタノール/1csシリコーンオイルの1対1の混合溶媒に再度分散させた。この操作を3回繰り返した後、さらに1csシリコーンオイルで同様の洗浄を行った。その後、得られた樹脂粒子を2csシリコーンオイルに分散させ、揮発成分を減圧乾燥下90℃で除去した後、固形分10%の着色樹脂粒子の2csシリコーンオイル分散体を得た。
得られた非帯電性着色樹脂粒子は、密度が1.79g/cm3、シリコーンオイル溶媒中での平均粒子径が432nmであり、明確な帯電極性は示さなかった。しかしながらその帯電量は26.6nC/cm2であった。
【0115】
次に得られた固形分10%の非帯電性着色樹脂粒子の2csシリコーンオイル分散体9.0gを用いて、実施例1と同様にして混合評価を行った。結果、[混合直後][40℃1週間経過後]のいずれの測定試料とも、マゼンダ粒子は明確な泳動性を示さず、上面より観察した際に明瞭なマゼンダ色と白色の表示を示さず混合色のままであった。
この原因は非帯電性着色樹脂粒子の帯電量が高いためであると考える。
【0116】
実施例1〜4および比較例1〜3の結果を表1にまとめて示す。
【表1】

【0117】
上記の結果から、本発明の非帯電性着色樹脂粒子は帯電性着色樹脂粒子との凝集による混色の発生がなく、電気泳動表示装置における明瞭な表示が可能であることがわかる(実施例1〜4参照)。一方、従来の非帯電性着色樹脂粒子は帯電性着色樹脂粒子との凝集による混色が発生し易く、電気泳動表示装置における明瞭な表示が劣ることがわかる(比較例1〜3参照)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
着色剤を含有しかつ表面にカルボキシル基とアミノ基との反応物を有する非帯電性着色樹脂母粒子と、前記非帯電性着色樹脂母粒子の表面をさらに覆って形成されたシリコーン鎖を有する樹脂層とから構成され、かつ動的粘度が100センチストークス以下であるシリコーンオイル中に固形分濃度10重量%で分散した状態で、電極間距離を50μmとした並行平板となるITO電極間に10Vの電圧を60秒間印加した際に10nC/cm2以下の帯電量を示すことを特徴とする非帯電性着色樹脂粒子。
【請求項2】
前記シリコーン鎖が、次式:
【化1】

(式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基またはフェニル基であり、nは整数である)
で示されるオルガノシロキサン構造を有する請求項1に記載の非帯電性着色樹脂粒子。
【請求項3】
前記アミノ基含有化合物が、脂肪族アミンまたはアミノ基含有シリコーン化合物から選択される化合物である請求項1または2に記載の非帯電性着色樹脂粒子。
【請求項4】
前記カルボキシ基とアミノ基の反応物が、アミド基を有する請求項1〜3のいずれか1つに記載の非帯電性着色樹脂粒子。
【請求項5】
前記着色剤が、酸化チタンである請求項1〜4のいずれか1つに記載の非帯電性着色樹脂粒子。
【請求項6】
前記非帯電性着色樹脂粒子が、0.1〜1.0μmの平均粒子径および1.0〜3.0の比重を有する請求項1〜5のいずれか1つに記載の非帯電性着色樹脂粒子。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1つに記載の非帯電性着色樹脂粒子の製造方法であって、表面にカルボキシ基を有する帯電性着色樹脂粒子のカルボキシ基をアミノ基含有化合物のアミノ基と反応させて非帯電性着色樹脂母粒子を得、次いで得られた非帯電性着色樹脂母粒子の表面にシリコーン鎖を有する樹脂層を形成して非帯電性着色樹脂粒子を得ることを特徴とする非帯電性着色樹脂粒子の製造方法。
【請求項8】
前記帯電性着色樹脂粒子中のカルボキシ基1モルに対して前記アミノ基含有化合物を0.2〜1.5モル反応させる請求項7に記載の非帯電性着色樹脂粒子の製造方法。
【請求項9】
請求項1〜6のいずれか1つに記載の非帯電性着色樹脂粒子を非極性溶媒に分散させて得られる非帯電性着色樹脂粒子分散体。
【請求項10】
請求項9に記載の非帯電性着色樹脂粒子分散体を用いて得られる電気泳動表示装置。

【図1】
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【公開番号】特開2012−189904(P2012−189904A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−54720(P2011−54720)
【出願日】平成23年3月11日(2011.3.11)
【出願人】(000002440)積水化成品工業株式会社 (1,335)
【Fターム(参考)】