非接触給電装置
【課題】非接触給電装置において、送電効率を向上させることにある。
【解決手段】コアポット20a〜20eは、1次コイルL1a〜L1eの外周を覆う外周部24を有する。このため、1次コイルL1a〜L1eの巻線径(ひいては1次コイルの軸方向のサイズ)に関わらず、磁性体である外周部24と、2次コイルに対応するコアとの距離を小さくすることができる。これにより、1次コイル及び2次コイル間の結合度、ひいては送電効率を向上させることができる。
【解決手段】コアポット20a〜20eは、1次コイルL1a〜L1eの外周を覆う外周部24を有する。このため、1次コイルL1a〜L1eの巻線径(ひいては1次コイルの軸方向のサイズ)に関わらず、磁性体である外周部24と、2次コイルに対応するコアとの距離を小さくすることができる。これにより、1次コイル及び2次コイル間の結合度、ひいては送電効率を向上させることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、非接触給電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、給電装置から受電装置へ非接触にて給電を行う非接触給電システムが存在する。近年、非接触給電システムにおいて、さらなるユーザの利便性の向上を図るべく、給電装置の上面(給電面)の任意の位置に受電装置を設置するだけで、この受電装置への給電が可能となる、いわゆるフリーレイアウト型の非接触給電システムが検討されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この非接触給電システムにおける給電装置の内部には、その給電面に沿って複数の1次コイルがマトリックス状に配列される。例えば、各1次コイルは、フェライト等の磁性体からなる磁性体コアの上面に設けられている。受電装置は単一の2次コイルを有する。この2次コイルも1次コイルと同様に磁性体コアの上面に位置している。
【0004】
給電装置は、受電装置が設置された状態でその2次コイルに対応する1次コイルを選択し、その1次コイルに高周波電流を供給する。これにより、1次コイルは励磁される。励磁された1次コイルからの磁束の変化に基づき2次コイルには誘起電流が生じる。この誘起電流が受電電力として利用される。ここで、送電効率の観点からは1次コイル及び2次コイルは同軸上でかつ接近していることが望ましい。このため、1次コイルは給電装置の内部において給電面に接近した位置に設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第7164255号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、1次コイルの巻線径は、熱損失等の観点から送電効率を考慮すると大きいことが好ましい。上記構成においては、1次コイルの巻線径が大きくなるにつれて1次コイルの軸方向のサイズが大きくなるため、設計上、1次コイルが設置されるコアと、2次コイルに対応するコアとの距離が大きくなる。この結果、両コイル間の結合度、ひいては送電効率が低下するおそれがあった。
【0007】
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、送電効率を向上させた非接触給電装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、受電装置が設置される給電面と、前記給電面に交わる軸を有するとともに、前記給電面に沿って装置内部に複数設けられる1次コイルと、前記1次コイルに対応して設けられる磁性体コアと、を備え、前記1次コイルに交流電流が供給されることで発生する磁束を介した電磁誘導によって前記受電装置に非接触で給電する非接触給電装置において、前記磁性体コアは、前記1次コイルの外周を覆う外周部を有することを特徴とする。
【0009】
また、上記構成において、前記磁性体コアは、前記1次コイルが挿通される中心部を有することが好ましい。
また、上記構成において、前記1次コイルの軸方向からみた前記外周部の外周を多角形とし、1次コイルの外周を円形とすることが好ましい。
【0010】
また、上記構成において、前記1次コイルの軸方向からみた前記外周部は前記1次コイルの周方向の全域に亘って一定の厚さの多角形で形成され、1次コイルの外周は、前記外周部の内周に対応した形状とされることが好ましい。
【0011】
また、上記構成において、前記1次コイルの軸方向からみた前記中心部の外周は、前記1次コイルの内周と同一形状でなることが好ましい。
また、上記構成において、前記1次コイルの軸方向からみた前記外周部の外周は三角形に形成されることが好ましい。
【0012】
また、上記構成において、前記中心部における前記給電面側の面には、素子を設置可能とした収納穴が形成されることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、非接触給電装置において、送電効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1の実施形態における非接触給電システムの構成を示すブロック図。
【図2】第1の実施形態における受電装置及び給電装置の斜視図。
【図3】第1の実施形態における1次コイルユニットの上面図。
【図4】図3のA−A線断面図。
【図5】第2の実施形態における(a)は1次コイルユニットの上面図、(b)は(a)のB−B線断面図。
【図6】第2の実施形態における(a)は1次コイルユニットの上面図、(b)は(a)のC−C線断面図。
【図7】第2の実施形態における(a)は1次コイルユニットの上面図、(b)は(a)のD−D線断面図。
【図8】第3の実施形態における(a)は1次コイルユニットの上面図、(b)は(a)のE−E線断面図。
【図9】第3の実施形態における(a)は1次コイルユニットの上面図、(b)は(a)のF−F線断面図。
【図10】第4の実施形態における(a)〜(c)は1次コイルユニットの上面図
【図11】第5の実施形態における(a)は1次コイルユニットの上面図、(b)は(a)のG−G線断面図。
【図12】他の実施形態における1次コイルユニットの上面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1の実施形態)
以下、本発明の非接触給電装置を非接触給電システムに具体化した第1の実施形態を図1〜図4を参照しつつ説明する。
【0016】
図1に示すように、非接触給電システムは、給電装置10と、受電装置40とを備える。本例では、受電装置40は、電気機器50に接続されている。以下、給電装置10及び受電装置40の具体的構成について説明する。
【0017】
(給電装置)
まず、給電装置10の電気的構成について説明する。
図1に示すように、給電装置10は、単一の共通ユニット11と、この共通ユニット11にそれぞれ接続される複数の給電ユニット15a〜15eと、を備える。
【0018】
共通ユニット11は、電源回路13と、共通制御回路12と、を備える。電源回路13は、外部電源からの交流電力を適切な直流電圧に変換し、それを動作電力として各給電ユニット15a〜15e及び共通ユニット11に供給する。
【0019】
共通制御回路12は、マイクロコンピュータで構成されるとともに、各給電ユニット15a〜15eへの指令信号を通じて給電装置10を統括制御する。
給電ユニット15aは、励磁駆動回路16と、1次コイルユニットU1aとを備える。1次コイルユニットU1aは、1次コイルL1aと、コアポット20aとからなる。これと同様に、他の給電ユニット15b〜15eは、それぞれ1次コイルL1b〜L1e及びコアポット20b〜20eを有する1次コイルユニットU1b〜U1eを備える。
【0020】
共通制御回路12は、給電を要求する旨の指令信号を何れかの励磁駆動回路16に出力する。その励磁駆動回路16は、この指令信号を受けると、高周波電流を生成し、その生成した電流を自身に接続される1次コイルL1a〜L1eに供給する。これにより、1次コイルL1a〜L1eは励磁される。
【0021】
共通制御回路12は、一定周期毎に、各1次コイルL1a〜L1eに対応する位置に受電装置40の2次コイルL2が存在するか否かの存在検知を行う。共通制御回路12は、1次コイルL1a〜L1eに順に高周波電流を供給し、そのときの1次コイルL1a〜L1eの電流値を検知する。ここで、給電面6に受電装置40が存在する場合には、1次コイルL1a〜L1eが2次コイルL2と磁気結合することで、1次コイルL1a〜L1eの電流値が低下する。共通制御回路12は、この1次コイルL1a〜L1eの電流値の低下を通じて2次コイルL2の存在検知を行う。共通制御回路12は、存在検知を通じて2次コイルL2に対応する1次コイルL1a〜L1eを選択的に励磁する。
【0022】
次に、給電装置10の機械的構成について説明する。
図2に示すように、給電装置10は筐体2を有している。この筐体2は合成樹脂により平板状に形成されている。筐体2の上面には、受電装置40が設置される給電面6が形成される。
【0023】
図3に示すように、筐体2の内部には、給電面6の全域に亘って計5個の1次コイルユニットU1a〜U1eが設けられている。1次コイルユニットU1a〜U1eは、1次コイルL1a〜L1eと、フェライト等の磁性体からなるコアポット20a〜20eとを有する。
【0024】
図4に示すように、コアポット20a〜20eは、円筒状の外周部24と、その外周部24における給電面6と反対側を閉塞する底部23と、その底部23の給電面6側の面中央に形成される円柱状の中心部22とを有する。この中心部22は、コアポット20a〜20eの中心軸に沿って延出する。中心部22の先端面は、外周部24の給電面6側の端面と同一平面上に位置する。コアポット20a〜20eは、筐体2の内底面に設置されている。
【0025】
本例では、1次コイルL1a〜L1eは、素線φ0.06mmのものを80本よったリッツ線が中心部22の外周に40ターン巻き付けられてなる。これにより、1次コイルL1a〜L1eは中心部22に挿通された状態となる。なお、リッツ線を中心部22に直接巻き付ける場合もあるが、リッツ線をボビン(図示略)に巻き付けた後に、そのボビンを中心部22に挿入する場合もある。
【0026】
1次コイルL1a〜L1eは、その軸が給電面6に直交するようにコアポット20a〜20e内に位置する。1次コイルL1a〜L1eには底部23をその厚さ方向に貫く一対の電力線19が接続されている。この電力線19を通じて、1次コイルL1a〜L1eに高周波電流が供給される。
【0027】
図3に示すように、1次コイルL1a〜L1eの軸方向からみて、3つの1次コイルユニットU1a〜U1cは、それらの中心が図中の左右方向に延びる線分L1上を通過するように配置されている。1次コイルユニットU1bは、自身を中央として1次コイルユニットU1a,U1cと接している。
【0028】
また、残りの2つの1次コイルユニットU1d,U1eは、その中心が上記線分L1と平行をなす線分L2上を通過するように配置されている。1次コイルユニットU1dは、1次コイルユニットU1a,U1b,U1eに接した状態であって、1次コイルユニットU1a,U1bの中間に位置する。また、1次コイルユニットU1eは、1次コイルユニットU1b〜U1dに接した状態であって、1次コイルユニットU1b,U1cの中間に位置する。
【0029】
(受電装置)
図1に示すように、受電装置40は、整流回路46と、2次コイルユニットU2と、DC/DCコンバータ45とを備える。
【0030】
図4に示すように、2次コイルユニットU2は、それぞれ円板状でなる2次コイルL2及びコア47から構成される。2次コイルL2は、素線φ0.08mmのものを49本よったリッツ線が10ターン巻かれてなる。
【0031】
フェライト等の磁性体でなるコア47は、2次コイルL2より若干大きい径でなる。そして、コア47の下面(図4の給電面6側の面)には2次コイルL2が設置される。
なお、コア47及び2次コイルL2の構成はこれに限らず、コア47の下面の中央に、コア47の径より小さい中心部を形成し、その中心部の外周に2次コイルL2が巻き付けられる構成であってもよい。
【0032】
2次コイルL2は、1次コイルL1a〜L1eからの磁束の変化に基づき交流電流を誘起する。図1に示すように、整流回路46は、2次コイルL2に誘起される交流電力を整流する。DC/DCコンバータ45は、整流回路46からの直流電圧を電気機器50の動作に適切な値に変換する。この直流電圧は、電気機器50の動作電力又は充電電力として利用される。
【0033】
以下、給電面6上の1次コイルユニットU1d,U1e間に受電装置40の2次コイルL2が設置されたときの作用について説明する。
共通制御回路12は、上記存在検知を通じて1次コイルL1d,L1eに対応する位置に2次コイルL2が存在する旨判断したとき、それら1次コイルL1d,L1eを励磁する。これにより、図4の矢印で示す磁束が形成される。磁束は中心部22から底部23及び外周部24に沿って受電装置40側に向かう。そして、この磁路に2次コイルL2に対応するコア47が存在する場合には、磁束はそのコア47を通過して、1次コイルL1d,L1eの軸方向に向かう。なお、1次コイルには高周波電流が供給されるところ、磁束の方向は経時的に変化する。
【0034】
以上、説明した実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)コアポット20a〜20eは、1次コイルL1a〜L1eの外周を覆う外周部24を有する。このため、1次コイルL1a〜L1eの巻線径(ひいては1次コイルの軸方向のサイズ)に関わらず、磁性体である外周部24と、2次コイルL2に対応するコア47との距離を小さく保つことができる。これにより、両コイルL1、L2間の結合度、ひいては送電効率を向上させることができる。
【0035】
(2)コアポット20a〜20eは、1次コイルL1a〜L1eの中心に中心部22を有する。このため、1次コイルL1a〜L1eの巻線径(ひいては1次コイルの軸方向のサイズ)に関わらず、磁性体である中心部22と、2次コイルL2に対応するコア47との距離を小さく保つことができる。これにより、両コイルL1、L2間の結合度、ひいては送電効率を向上させることができる。
【0036】
(第2の実施形態)
以下、本発明にかかる非接触給電装置を非接触給電システムに具体化した第2の実施形態について、図5〜図7を参照しつつ説明する。この実施形態の非接触給電システムは、
コアポットの外周部の外周が上記第1の実施形態と異なっている。その他の点は、第1の実施形態の非接触給電システムと同様の構成を備えている。本実施形態では、図5〜図7にそれぞれ異なる第1〜第3の構成が示されている。
【0037】
まず、第1の構成について説明する。
図5(a)に示すように、1次コイルL1a〜L1eの軸方向からみて、外周部26の外周は正六角形に形成される。この外周部26の内周は、第1の実施形態と同様に、1次コイルL1a〜L1eの外周に応じた円形に形成される。図5(b)に示すように、底部23及び中心部22は第1の実施形態と同様に形成される。
【0038】
図5(a)に示すように、3つの1次コイルユニットU1a〜U1cは、その中心が図中の斜め上方向に延びる線分L3上を通過するように配置される。また、各1次コイルユニットU1a〜U1cは、互いに平行をなす2つの側面が線分L3に直交するように設けられている。1次コイルユニットU1bにおける互いに平行をなす2つの側面には、それぞれ1次コイルユニットU1a,U1cの一側面が面接触している。
【0039】
また、2つの1次コイルユニットU1d,U1eは、その中心が上記線分L3と平行をなす線分L4上を通過するように配置される。また、各1次コイルユニットU1d,U1eは、互いに平行をなす2つの側面が線分L4に直交するように設けられている。1次コイルユニットU1dは1次コイルユニットU1a,U1bの中間に位置し、1次コイルユニットU1eは1次コイルユニットU1b,U1cの中間に位置する。1次コイルユニットU1dの3つの側面はそれぞれ1次コイルユニットU1a,U1b,U1eの側面に接し、1次コイルユニットU1eの3つの側面はそれぞれ1次コイルユニットU1b〜U1dの側面に接している。
【0040】
次に、第2の構成について説明する。
図6(a)に示すように、1次コイルL1a〜L1hの軸方向からみて、外周部27の外周は正四角形に形成される。この外周部27の内周は、第1の実施形態と同様に、1次コイルL1a〜L1hの外周に応じた円形に形成されている。図6(b)に示すように、底部23及び中心部22は第1の実施形態と同様に形成される。本実施形態においては、1次コイルユニットU1a〜U1hは2行×4列で、各外周部27が面接触する態様で配列されている。
【0041】
最後に第3の構成について説明する。
図7(a)に示すように、1次コイルL1a〜L1lの軸方向からみて、外周部25の外周は正三角形に形成される。この外周部25の内周は、第1の実施形態と同様に1次コイルL1a〜L1lの外周に応じた円形に形成されている。図7(b)に示すように、底部23及び中心部22は第1の実施形態と同様に形成される。
【0042】
以下、1次コイルユニットU1a〜U1lの配置態様について説明する。
1次コイルユニットU1f,U1h,U1j,U1lは、その外周部25の底辺が同一直線上であって、かつ上側に突出する態様で図中の右側から順に配置されている。そして、1次コイルユニットU1f,U1h間には1次コイルユニットU1gが嵌め込まれ、1次コイルユニットU1h,U1j間には1次コイルユニットU1iが嵌め込まれ、1次コイルユニットU1j,U1l間には1次コイルユニットU1kが嵌め込まれる。そして、1次コイルユニットU1a,U1c,U1eは、それぞれ1次コイルユニットU1g,U1i,U1kに一辺が接触した状態で配置される。また、1次コイルユニットU1a,U1c間には1次コイルユニットU1bが嵌め込まれ、1次コイルユニットU1c,U1e間には1次コイルユニットU1dが嵌め込まれる。これにより、1次コイルユニットU1a〜U1lは空隙がない状態で全体として台形形状となる。
【0043】
なお、1次コイルユニットの数に応じて図1の給電ユニットの数が決まる。
以上、説明した実施形態によれば、特に以下の効果を奏することができる。
(3)図5に示すように、外周部26が正六角形に形成されたコアポット20a〜20eを採用する場合、外周部26の側面を接触させる態様で1次コイルユニットU1a〜U1eを配列することで、1次コイルユニットU1a〜U1e間の空隙が埋まる。これにより、磁束量が空隙にて低下することがないため送電効率が向上する。これは、図6及び図7の構成においても1次コイルユニット間の空隙が埋まるため同様である。
【0044】
(4)1次コイルL1a〜L1lの外周と、1次コイルユニットU1a〜U1lの外周とを異なる形状とすることができる。従って、1次コイルを生産性が高い円形コイルとしつつ、組み合わせたときに空隙が生じないように1次コイルユニットU1a〜U1lの外周を多角形とすることができる。ここで、円形コイルは、コイルとしては一般的であるため、特殊形状のコイルに比べて安価に手に入る。よって、1次コイルユニットU1a〜U1hのコストを低減することができる。
【0045】
(5)外周部25を多角形に形成することで、それらを組み合わせた形状を多様化できる。
(第3の実施形態)
以下、本発明にかかる非接触給電装置を非接触給電システムに具体化した第3の実施形態について、図8及び図9を参照しつつ説明する。この実施形態の非接触給電システムは、1次コイル及び外周部が同一の多角形である点が上記第2の実施形態と異なっている。その他の点は、第2の実施形態の非接触給電システムと同様の構成を備えている。本実施形態では、図8及び図9にそれぞれ異なる第1及び第2の構成が示されている。
【0046】
まず、第1の構成について説明する。
図8(a),(b)に示すように、1次コイルL1a〜L1eは、その軸方向からみて外周が正六角形に形成される。また、1次コイルL1a〜L1eにおいて中心部22を囲む内周30も、外周と同様に正六角形に形成される。なお、中心部22は、第1の実施形態と同様に円柱状である。
【0047】
また、コアポット20a〜20eにおける外周部29の外周は、図5に示される上記第2の実施形態の第1の構成と同様に正六角形に形成される。また、外周部29の内周29aは、1次コイルL1a〜L1eの外周に応じた正六角形に形成される。従って、外周部29は、1次コイルの周方向の全域に亘って一定の厚さTに形成される。
【0048】
本実施形態の第1の構成を有する1次コイルユニットU1a〜U1eは、例えば、上記第2の実施形態の第1の構成と同様に図5に示されるパターンで配置される。
次に、第2の構成について説明する。
【0049】
また、図9(a),(b)に示すように、1次コイルL1a〜L1hは、外周が正四角形に形成される。また、1次コイルL1a〜L1hの内周31も、外周と同様に正四角形に形成される。なお、中心部22は、第1の実施形態と同様に円柱状である。
【0050】
また、コアポット20a〜20hにおける外周部33の外周は、図6に示される上記第2の実施形態の第2の構成と同様に正四角形に形成される。また、外周部33の内周33aは、1次コイルL1a〜L1hの外周に応じた正四角形に形成される。従って、外周部33は、1次コイルの周方向の全域に亘って一定の厚さTに形成される。
【0051】
本実施形態の第2の構成を有する1次コイルユニットU1a〜U1hは、例えば、上記第2の実施形態の第2の構成と同様に図6に示されるパターンで配置される。
以上、説明した実施形態によれば、第2の実施形態の効果に加え、特に以下の効果を奏することができる。
【0052】
(6)図8の構成においては、1次コイルの軸方向からみて、外周部29における外周及び内周29aはそれぞれ正六角形に形成される。そして、1次コイルL1a〜L1eは、外周部29の内周29aの形状に対応した正六角形に形成される。よって、1次コイルの軸方向からみた外周部29の面積に対する1次コイルL1a〜L1eの占有面積を大きく確保できる。このように、1次コイルL1a〜L1eの占有面積を大きくすることで1次コイルL1a〜L1eからの磁束量、ひいては送電効率が向上する。なお、図9の構成においてもこれと同様の作用効果が得られる。
【0053】
(第4の実施形態)
以下、本発明にかかる非接触給電装置を非接触給電システムに具体化した第4の実施形態について、図10を参照しつつ説明する。この実施形態の非接触給電システムは、コアポットの中心部の外周が1次コイルの内周に応じた形状である点が上記第3の実施形態と異なっている。その他の点は、第3の実施形態の非接触給電システムと同様の構成を備えている。本実施形態では、図10(a)〜(c)にそれぞれ異なる第1〜第3の構成が示されている。
【0054】
まず、第1の構成について説明する。
図10(a)に示すように、1次コイルユニットU1a〜U1eは、図8の1次コイルユニットU1a〜U1eとほぼ同様の構成でなる。以下、相違点を中心に説明する。図10(a)に示すように、1次コイルL1a〜L1eにおける内周30は正六角形で形成されている。中心部41の外周は、上記1次コイルの内周30に応じた正六角形で形成されている。このため、中心部41の外周に1次コイルL1a〜L1eが位置している状態においては、中心部41と1次コイルL1a〜L1eとの間に隙間が生じない。
【0055】
次に、第2の構成について説明する。
図10(b)に示すように、1次コイルユニットU1a〜U1hは、図9の1次コイルユニットU1a〜U1hとほぼ同様の構成でなる。以下、相違点を中心に説明する。図10(b)に示すように、1次コイルL1a〜L1hにおける内周31は正四角形で形成されている。中心部42の外周は、上記1次コイルの内周31に応じた正四角形で形成されている。このため、中心部42の外周に1次コイルL1a〜L1hが位置している状態においては、中心部42と1次コイルL1a〜L1hとの間に隙間が生じない。
【0056】
最後に、第3の構成について説明する。
図10(c)に示すように、1次コイルユニットU1a〜U1lは、図7の1次コイルユニットU1a〜U1lとほぼ同様の構成でなる。以下、相違点を中心に説明する。図10(c)に示すように、外周部32は一定の厚さの正三角形状でなる。また中心部43は、外周部32と相似の正三角形でなる。1次コイルL1a〜L1lの外周は外周部32の内周32aに応じた三角形状でなる。そして、1次コイルL1a〜L1lの内周34は、中心部43の外周に応じた三角形状でなる。このため、中心部43の外周に1次コイルL1a〜L1lが位置している状態においては、中心部43と1次コイルL1a〜L1lとの間に隙間が生じない。
【0057】
以上、説明した実施形態によれば、特に以下の効果を奏することができる。
(7)図10(a)の構成においては、コアポット20a〜20eの中心部41の外周は、1次コイルL1a〜L1eの内周30と同一形状でなる。従って、中心部41の外周に1次コイルL1a〜L1eが位置している状態においては、中心部41と1次コイルL1a〜L1eとの間の隙間が埋められる。これにより、磁束量が隙間にて低下することが抑制されて、送電効率が向上する。これは、図10(b),(c)の構成においても同様である。
【0058】
(8)中心部41〜43の外周と、1次コイルL1a〜L1lの内周30,31,34とが同一形状である。よって、1次コイルL1a〜L1l(正確にはそのリッツ線)のコアポット20a〜20lへの装着が容易となる。
【0059】
(第5の実施形態)
以下、本発明にかかる非接触給電装置を非接触給電システムに具体化した第5の実施形態について、図11を参照しつつ説明する。この実施形態の非接触給電システムは、中心部にサーミスタ等を設置可能な収納穴が形成されている点が上記第2の実施形態と異なっている。その他の点は、第2の実施形態における図5の構成と同様である。
【0060】
ここで、給電面6に金属が載った状態で、1次コイルが励磁されると、磁束の変化によりその金属の温度が上昇するおそれがある。この金属の温度上昇を抑制するために、本実施形態では以下のような構成を採用している。
【0061】
図11(a),(b)に示すように、中心部22における給電面6側の面には、円柱状の収納穴55が形成されている。この収納穴55には、温度を検出するサーミスタ56が収納される。図1に2点鎖線で示すように、共通制御回路12は、サーミスタ56の検出結果に基づき、励磁されて温度上昇した金属が給電面6上に存在するか否かを判断する。共通制御回路12は、金属が給電面6上に存在する旨判断したとき、1次コイルL1a〜L1eへの電力供給を停止する。これにより、金属の温度上昇が抑制される。
【0062】
以上、説明した実施形態によれば、特に以下の効果を奏することができる。
(9)中心部22に収納穴55を設け、その収納穴55にサーミスタ56を収納することで、給電装置10のサイズをコンパクトに保ちつつ、サーミスタ56の検出結果を通じた金属検知機能を給電装置10に付加することができる。
【0063】
(10)サーミスタ56が収納される収納穴55は、中心部22において給電面6側に形成されている。このため、金属の温度上昇がサーミスタ56に伝達し易い。よって、共通制御回路12は、サーミスタ56の検出結果を通じて、早期に金属の温度上昇を検知し、1次コイルL1a〜L1eへの電力供給を停止することができる。
【0064】
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することができる。
・第2及び第3の実施形態においては、外周部25,26,27,29,33の外周は正三角形、正四角形又は正六角形に形成されていた。しかし、外周部は多角形であれば、これに限らず、正五角形又は正七角以上の多角形であってもよい。また、外周部は正多角形でなくてもよく、各辺の長さが異なっていてもよい。
【0065】
例えば、図12に示すように、外周部28を1次コイルの軸方向からみて正八角形で形成してもよい。1次コイルユニットU1a〜U1fは2行×3列で各外周部28が面接触する態様で配列されている。そして、2行×2列をなす1次コイルユニットU1a,U1b,U1d,U1eの中央、並びに同じく2行×2列をなす1次コイルユニットU1b,U1c,U1e,U1fの中央にはそれぞれ空間49が形成される。この両空間49には、小型コイルユニットUsが設けられる。小型コイルユニットUsは、図6(a),(b)の1次コイルユニットU1a〜U1hとほぼ同様の形状でなる。なお、本例の小型コイルユニットUsでは、図6(a),(b)の構成に比べて、1次コイルが収容される中心部22と外周部28との隙間が小さく形成されている。このように、空間49が小型コイルユニットUsにて埋められることで、空間49において磁束量が低減することが抑制され、送電効率を向上させることができる。
【0066】
さらに、外周部の外周を円形として、1次コイルの外周を多角形としてもよい。
・上記各実施形態における中心部22を省略して構成してもよい。この場合であっても、外周部24〜29,32,33を通じて送電効率を向上させることができる。この構成においては、1次コイルにおいて中心部22が挿通される孔(内周)が不要となる。
【0067】
・第5の実施形態における収納穴55は1次コイル及びコアポットの形状に関わらず適用することができる。具体的には、第5の実施形態において適用した図5の構成に加えて、図3、図6、図7、図8、図9、図10(a)〜(c)及び図12の構成に適用することができる。
【0068】
・第5の実施形態においては、収納穴55には、素子としてサーミスタ56が収納されていたが、これに限らず、例えばLED等を設けてもよい。このLEDは照明として利用してもよい。また、共通制御回路12は、このLEDの光に対する反射の有無を受光素子を通じて検出し、その検出結果に基づき、給電面6における受電装置40の有無を判断してもよい。この場合、受光素子も収納穴55に収納してもよい。
【0069】
・上記各実施形態における1次コイルユニットの数は一例であって、給電面6の大きさや形状に合わせて1次コイルユニットのレイアウトを適宜変更可能である。さらに、上記各実施形態における異なる形状の1次コイルユニットを組み合わせて使用してもよい。これにより、給電面6をより多様な形状とすることができる。
【0070】
・上記各実施形態においては、中心部22,41〜43と、外周部24〜29,32,33との上端面が同一の高さであったが、これらが異なる高さであってもよい。
・上記各実施形態においては、外周部24〜29,32,33は、中心部22,41〜43の外周を全域に亘って覆っていたが、当該外周において外周部の一部が省略されている構成であってもよい。
【0071】
・上記各実施形態においては、1次コイルの軸は給電面6に直交していたが、1次コイルの軸が給電面6に交わっていれば直交していなくてもよい。この場合、給電面6を傾斜して構成すること、又は1次コイルユニットを給電面6に対して傾斜して配置することが考えられる。
【符号の説明】
【0072】
L1a〜L1l…1次コイル、U1a〜U1l…1次コイルユニット、2…筐体、6…給電面、10…給電装置、11…共通ユニット、12…共通制御回路、13…電源回路、15a〜15e…給電ユニット、16…励磁駆動回路、20a〜20i…コアポット(磁性体コア)、22…中心部、23…底部、24〜29,32,33…外周部、40…受電装置、41〜43…中心部、45…DC/DCコンバータ、46…整流回路、47…コア、50…電気機器、55…収納穴、56…サーミスタ。
【技術分野】
【0001】
この発明は、非接触給電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、給電装置から受電装置へ非接触にて給電を行う非接触給電システムが存在する。近年、非接触給電システムにおいて、さらなるユーザの利便性の向上を図るべく、給電装置の上面(給電面)の任意の位置に受電装置を設置するだけで、この受電装置への給電が可能となる、いわゆるフリーレイアウト型の非接触給電システムが検討されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この非接触給電システムにおける給電装置の内部には、その給電面に沿って複数の1次コイルがマトリックス状に配列される。例えば、各1次コイルは、フェライト等の磁性体からなる磁性体コアの上面に設けられている。受電装置は単一の2次コイルを有する。この2次コイルも1次コイルと同様に磁性体コアの上面に位置している。
【0004】
給電装置は、受電装置が設置された状態でその2次コイルに対応する1次コイルを選択し、その1次コイルに高周波電流を供給する。これにより、1次コイルは励磁される。励磁された1次コイルからの磁束の変化に基づき2次コイルには誘起電流が生じる。この誘起電流が受電電力として利用される。ここで、送電効率の観点からは1次コイル及び2次コイルは同軸上でかつ接近していることが望ましい。このため、1次コイルは給電装置の内部において給電面に接近した位置に設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第7164255号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、1次コイルの巻線径は、熱損失等の観点から送電効率を考慮すると大きいことが好ましい。上記構成においては、1次コイルの巻線径が大きくなるにつれて1次コイルの軸方向のサイズが大きくなるため、設計上、1次コイルが設置されるコアと、2次コイルに対応するコアとの距離が大きくなる。この結果、両コイル間の結合度、ひいては送電効率が低下するおそれがあった。
【0007】
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、送電効率を向上させた非接触給電装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、受電装置が設置される給電面と、前記給電面に交わる軸を有するとともに、前記給電面に沿って装置内部に複数設けられる1次コイルと、前記1次コイルに対応して設けられる磁性体コアと、を備え、前記1次コイルに交流電流が供給されることで発生する磁束を介した電磁誘導によって前記受電装置に非接触で給電する非接触給電装置において、前記磁性体コアは、前記1次コイルの外周を覆う外周部を有することを特徴とする。
【0009】
また、上記構成において、前記磁性体コアは、前記1次コイルが挿通される中心部を有することが好ましい。
また、上記構成において、前記1次コイルの軸方向からみた前記外周部の外周を多角形とし、1次コイルの外周を円形とすることが好ましい。
【0010】
また、上記構成において、前記1次コイルの軸方向からみた前記外周部は前記1次コイルの周方向の全域に亘って一定の厚さの多角形で形成され、1次コイルの外周は、前記外周部の内周に対応した形状とされることが好ましい。
【0011】
また、上記構成において、前記1次コイルの軸方向からみた前記中心部の外周は、前記1次コイルの内周と同一形状でなることが好ましい。
また、上記構成において、前記1次コイルの軸方向からみた前記外周部の外周は三角形に形成されることが好ましい。
【0012】
また、上記構成において、前記中心部における前記給電面側の面には、素子を設置可能とした収納穴が形成されることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、非接触給電装置において、送電効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1の実施形態における非接触給電システムの構成を示すブロック図。
【図2】第1の実施形態における受電装置及び給電装置の斜視図。
【図3】第1の実施形態における1次コイルユニットの上面図。
【図4】図3のA−A線断面図。
【図5】第2の実施形態における(a)は1次コイルユニットの上面図、(b)は(a)のB−B線断面図。
【図6】第2の実施形態における(a)は1次コイルユニットの上面図、(b)は(a)のC−C線断面図。
【図7】第2の実施形態における(a)は1次コイルユニットの上面図、(b)は(a)のD−D線断面図。
【図8】第3の実施形態における(a)は1次コイルユニットの上面図、(b)は(a)のE−E線断面図。
【図9】第3の実施形態における(a)は1次コイルユニットの上面図、(b)は(a)のF−F線断面図。
【図10】第4の実施形態における(a)〜(c)は1次コイルユニットの上面図
【図11】第5の実施形態における(a)は1次コイルユニットの上面図、(b)は(a)のG−G線断面図。
【図12】他の実施形態における1次コイルユニットの上面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1の実施形態)
以下、本発明の非接触給電装置を非接触給電システムに具体化した第1の実施形態を図1〜図4を参照しつつ説明する。
【0016】
図1に示すように、非接触給電システムは、給電装置10と、受電装置40とを備える。本例では、受電装置40は、電気機器50に接続されている。以下、給電装置10及び受電装置40の具体的構成について説明する。
【0017】
(給電装置)
まず、給電装置10の電気的構成について説明する。
図1に示すように、給電装置10は、単一の共通ユニット11と、この共通ユニット11にそれぞれ接続される複数の給電ユニット15a〜15eと、を備える。
【0018】
共通ユニット11は、電源回路13と、共通制御回路12と、を備える。電源回路13は、外部電源からの交流電力を適切な直流電圧に変換し、それを動作電力として各給電ユニット15a〜15e及び共通ユニット11に供給する。
【0019】
共通制御回路12は、マイクロコンピュータで構成されるとともに、各給電ユニット15a〜15eへの指令信号を通じて給電装置10を統括制御する。
給電ユニット15aは、励磁駆動回路16と、1次コイルユニットU1aとを備える。1次コイルユニットU1aは、1次コイルL1aと、コアポット20aとからなる。これと同様に、他の給電ユニット15b〜15eは、それぞれ1次コイルL1b〜L1e及びコアポット20b〜20eを有する1次コイルユニットU1b〜U1eを備える。
【0020】
共通制御回路12は、給電を要求する旨の指令信号を何れかの励磁駆動回路16に出力する。その励磁駆動回路16は、この指令信号を受けると、高周波電流を生成し、その生成した電流を自身に接続される1次コイルL1a〜L1eに供給する。これにより、1次コイルL1a〜L1eは励磁される。
【0021】
共通制御回路12は、一定周期毎に、各1次コイルL1a〜L1eに対応する位置に受電装置40の2次コイルL2が存在するか否かの存在検知を行う。共通制御回路12は、1次コイルL1a〜L1eに順に高周波電流を供給し、そのときの1次コイルL1a〜L1eの電流値を検知する。ここで、給電面6に受電装置40が存在する場合には、1次コイルL1a〜L1eが2次コイルL2と磁気結合することで、1次コイルL1a〜L1eの電流値が低下する。共通制御回路12は、この1次コイルL1a〜L1eの電流値の低下を通じて2次コイルL2の存在検知を行う。共通制御回路12は、存在検知を通じて2次コイルL2に対応する1次コイルL1a〜L1eを選択的に励磁する。
【0022】
次に、給電装置10の機械的構成について説明する。
図2に示すように、給電装置10は筐体2を有している。この筐体2は合成樹脂により平板状に形成されている。筐体2の上面には、受電装置40が設置される給電面6が形成される。
【0023】
図3に示すように、筐体2の内部には、給電面6の全域に亘って計5個の1次コイルユニットU1a〜U1eが設けられている。1次コイルユニットU1a〜U1eは、1次コイルL1a〜L1eと、フェライト等の磁性体からなるコアポット20a〜20eとを有する。
【0024】
図4に示すように、コアポット20a〜20eは、円筒状の外周部24と、その外周部24における給電面6と反対側を閉塞する底部23と、その底部23の給電面6側の面中央に形成される円柱状の中心部22とを有する。この中心部22は、コアポット20a〜20eの中心軸に沿って延出する。中心部22の先端面は、外周部24の給電面6側の端面と同一平面上に位置する。コアポット20a〜20eは、筐体2の内底面に設置されている。
【0025】
本例では、1次コイルL1a〜L1eは、素線φ0.06mmのものを80本よったリッツ線が中心部22の外周に40ターン巻き付けられてなる。これにより、1次コイルL1a〜L1eは中心部22に挿通された状態となる。なお、リッツ線を中心部22に直接巻き付ける場合もあるが、リッツ線をボビン(図示略)に巻き付けた後に、そのボビンを中心部22に挿入する場合もある。
【0026】
1次コイルL1a〜L1eは、その軸が給電面6に直交するようにコアポット20a〜20e内に位置する。1次コイルL1a〜L1eには底部23をその厚さ方向に貫く一対の電力線19が接続されている。この電力線19を通じて、1次コイルL1a〜L1eに高周波電流が供給される。
【0027】
図3に示すように、1次コイルL1a〜L1eの軸方向からみて、3つの1次コイルユニットU1a〜U1cは、それらの中心が図中の左右方向に延びる線分L1上を通過するように配置されている。1次コイルユニットU1bは、自身を中央として1次コイルユニットU1a,U1cと接している。
【0028】
また、残りの2つの1次コイルユニットU1d,U1eは、その中心が上記線分L1と平行をなす線分L2上を通過するように配置されている。1次コイルユニットU1dは、1次コイルユニットU1a,U1b,U1eに接した状態であって、1次コイルユニットU1a,U1bの中間に位置する。また、1次コイルユニットU1eは、1次コイルユニットU1b〜U1dに接した状態であって、1次コイルユニットU1b,U1cの中間に位置する。
【0029】
(受電装置)
図1に示すように、受電装置40は、整流回路46と、2次コイルユニットU2と、DC/DCコンバータ45とを備える。
【0030】
図4に示すように、2次コイルユニットU2は、それぞれ円板状でなる2次コイルL2及びコア47から構成される。2次コイルL2は、素線φ0.08mmのものを49本よったリッツ線が10ターン巻かれてなる。
【0031】
フェライト等の磁性体でなるコア47は、2次コイルL2より若干大きい径でなる。そして、コア47の下面(図4の給電面6側の面)には2次コイルL2が設置される。
なお、コア47及び2次コイルL2の構成はこれに限らず、コア47の下面の中央に、コア47の径より小さい中心部を形成し、その中心部の外周に2次コイルL2が巻き付けられる構成であってもよい。
【0032】
2次コイルL2は、1次コイルL1a〜L1eからの磁束の変化に基づき交流電流を誘起する。図1に示すように、整流回路46は、2次コイルL2に誘起される交流電力を整流する。DC/DCコンバータ45は、整流回路46からの直流電圧を電気機器50の動作に適切な値に変換する。この直流電圧は、電気機器50の動作電力又は充電電力として利用される。
【0033】
以下、給電面6上の1次コイルユニットU1d,U1e間に受電装置40の2次コイルL2が設置されたときの作用について説明する。
共通制御回路12は、上記存在検知を通じて1次コイルL1d,L1eに対応する位置に2次コイルL2が存在する旨判断したとき、それら1次コイルL1d,L1eを励磁する。これにより、図4の矢印で示す磁束が形成される。磁束は中心部22から底部23及び外周部24に沿って受電装置40側に向かう。そして、この磁路に2次コイルL2に対応するコア47が存在する場合には、磁束はそのコア47を通過して、1次コイルL1d,L1eの軸方向に向かう。なお、1次コイルには高周波電流が供給されるところ、磁束の方向は経時的に変化する。
【0034】
以上、説明した実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)コアポット20a〜20eは、1次コイルL1a〜L1eの外周を覆う外周部24を有する。このため、1次コイルL1a〜L1eの巻線径(ひいては1次コイルの軸方向のサイズ)に関わらず、磁性体である外周部24と、2次コイルL2に対応するコア47との距離を小さく保つことができる。これにより、両コイルL1、L2間の結合度、ひいては送電効率を向上させることができる。
【0035】
(2)コアポット20a〜20eは、1次コイルL1a〜L1eの中心に中心部22を有する。このため、1次コイルL1a〜L1eの巻線径(ひいては1次コイルの軸方向のサイズ)に関わらず、磁性体である中心部22と、2次コイルL2に対応するコア47との距離を小さく保つことができる。これにより、両コイルL1、L2間の結合度、ひいては送電効率を向上させることができる。
【0036】
(第2の実施形態)
以下、本発明にかかる非接触給電装置を非接触給電システムに具体化した第2の実施形態について、図5〜図7を参照しつつ説明する。この実施形態の非接触給電システムは、
コアポットの外周部の外周が上記第1の実施形態と異なっている。その他の点は、第1の実施形態の非接触給電システムと同様の構成を備えている。本実施形態では、図5〜図7にそれぞれ異なる第1〜第3の構成が示されている。
【0037】
まず、第1の構成について説明する。
図5(a)に示すように、1次コイルL1a〜L1eの軸方向からみて、外周部26の外周は正六角形に形成される。この外周部26の内周は、第1の実施形態と同様に、1次コイルL1a〜L1eの外周に応じた円形に形成される。図5(b)に示すように、底部23及び中心部22は第1の実施形態と同様に形成される。
【0038】
図5(a)に示すように、3つの1次コイルユニットU1a〜U1cは、その中心が図中の斜め上方向に延びる線分L3上を通過するように配置される。また、各1次コイルユニットU1a〜U1cは、互いに平行をなす2つの側面が線分L3に直交するように設けられている。1次コイルユニットU1bにおける互いに平行をなす2つの側面には、それぞれ1次コイルユニットU1a,U1cの一側面が面接触している。
【0039】
また、2つの1次コイルユニットU1d,U1eは、その中心が上記線分L3と平行をなす線分L4上を通過するように配置される。また、各1次コイルユニットU1d,U1eは、互いに平行をなす2つの側面が線分L4に直交するように設けられている。1次コイルユニットU1dは1次コイルユニットU1a,U1bの中間に位置し、1次コイルユニットU1eは1次コイルユニットU1b,U1cの中間に位置する。1次コイルユニットU1dの3つの側面はそれぞれ1次コイルユニットU1a,U1b,U1eの側面に接し、1次コイルユニットU1eの3つの側面はそれぞれ1次コイルユニットU1b〜U1dの側面に接している。
【0040】
次に、第2の構成について説明する。
図6(a)に示すように、1次コイルL1a〜L1hの軸方向からみて、外周部27の外周は正四角形に形成される。この外周部27の内周は、第1の実施形態と同様に、1次コイルL1a〜L1hの外周に応じた円形に形成されている。図6(b)に示すように、底部23及び中心部22は第1の実施形態と同様に形成される。本実施形態においては、1次コイルユニットU1a〜U1hは2行×4列で、各外周部27が面接触する態様で配列されている。
【0041】
最後に第3の構成について説明する。
図7(a)に示すように、1次コイルL1a〜L1lの軸方向からみて、外周部25の外周は正三角形に形成される。この外周部25の内周は、第1の実施形態と同様に1次コイルL1a〜L1lの外周に応じた円形に形成されている。図7(b)に示すように、底部23及び中心部22は第1の実施形態と同様に形成される。
【0042】
以下、1次コイルユニットU1a〜U1lの配置態様について説明する。
1次コイルユニットU1f,U1h,U1j,U1lは、その外周部25の底辺が同一直線上であって、かつ上側に突出する態様で図中の右側から順に配置されている。そして、1次コイルユニットU1f,U1h間には1次コイルユニットU1gが嵌め込まれ、1次コイルユニットU1h,U1j間には1次コイルユニットU1iが嵌め込まれ、1次コイルユニットU1j,U1l間には1次コイルユニットU1kが嵌め込まれる。そして、1次コイルユニットU1a,U1c,U1eは、それぞれ1次コイルユニットU1g,U1i,U1kに一辺が接触した状態で配置される。また、1次コイルユニットU1a,U1c間には1次コイルユニットU1bが嵌め込まれ、1次コイルユニットU1c,U1e間には1次コイルユニットU1dが嵌め込まれる。これにより、1次コイルユニットU1a〜U1lは空隙がない状態で全体として台形形状となる。
【0043】
なお、1次コイルユニットの数に応じて図1の給電ユニットの数が決まる。
以上、説明した実施形態によれば、特に以下の効果を奏することができる。
(3)図5に示すように、外周部26が正六角形に形成されたコアポット20a〜20eを採用する場合、外周部26の側面を接触させる態様で1次コイルユニットU1a〜U1eを配列することで、1次コイルユニットU1a〜U1e間の空隙が埋まる。これにより、磁束量が空隙にて低下することがないため送電効率が向上する。これは、図6及び図7の構成においても1次コイルユニット間の空隙が埋まるため同様である。
【0044】
(4)1次コイルL1a〜L1lの外周と、1次コイルユニットU1a〜U1lの外周とを異なる形状とすることができる。従って、1次コイルを生産性が高い円形コイルとしつつ、組み合わせたときに空隙が生じないように1次コイルユニットU1a〜U1lの外周を多角形とすることができる。ここで、円形コイルは、コイルとしては一般的であるため、特殊形状のコイルに比べて安価に手に入る。よって、1次コイルユニットU1a〜U1hのコストを低減することができる。
【0045】
(5)外周部25を多角形に形成することで、それらを組み合わせた形状を多様化できる。
(第3の実施形態)
以下、本発明にかかる非接触給電装置を非接触給電システムに具体化した第3の実施形態について、図8及び図9を参照しつつ説明する。この実施形態の非接触給電システムは、1次コイル及び外周部が同一の多角形である点が上記第2の実施形態と異なっている。その他の点は、第2の実施形態の非接触給電システムと同様の構成を備えている。本実施形態では、図8及び図9にそれぞれ異なる第1及び第2の構成が示されている。
【0046】
まず、第1の構成について説明する。
図8(a),(b)に示すように、1次コイルL1a〜L1eは、その軸方向からみて外周が正六角形に形成される。また、1次コイルL1a〜L1eにおいて中心部22を囲む内周30も、外周と同様に正六角形に形成される。なお、中心部22は、第1の実施形態と同様に円柱状である。
【0047】
また、コアポット20a〜20eにおける外周部29の外周は、図5に示される上記第2の実施形態の第1の構成と同様に正六角形に形成される。また、外周部29の内周29aは、1次コイルL1a〜L1eの外周に応じた正六角形に形成される。従って、外周部29は、1次コイルの周方向の全域に亘って一定の厚さTに形成される。
【0048】
本実施形態の第1の構成を有する1次コイルユニットU1a〜U1eは、例えば、上記第2の実施形態の第1の構成と同様に図5に示されるパターンで配置される。
次に、第2の構成について説明する。
【0049】
また、図9(a),(b)に示すように、1次コイルL1a〜L1hは、外周が正四角形に形成される。また、1次コイルL1a〜L1hの内周31も、外周と同様に正四角形に形成される。なお、中心部22は、第1の実施形態と同様に円柱状である。
【0050】
また、コアポット20a〜20hにおける外周部33の外周は、図6に示される上記第2の実施形態の第2の構成と同様に正四角形に形成される。また、外周部33の内周33aは、1次コイルL1a〜L1hの外周に応じた正四角形に形成される。従って、外周部33は、1次コイルの周方向の全域に亘って一定の厚さTに形成される。
【0051】
本実施形態の第2の構成を有する1次コイルユニットU1a〜U1hは、例えば、上記第2の実施形態の第2の構成と同様に図6に示されるパターンで配置される。
以上、説明した実施形態によれば、第2の実施形態の効果に加え、特に以下の効果を奏することができる。
【0052】
(6)図8の構成においては、1次コイルの軸方向からみて、外周部29における外周及び内周29aはそれぞれ正六角形に形成される。そして、1次コイルL1a〜L1eは、外周部29の内周29aの形状に対応した正六角形に形成される。よって、1次コイルの軸方向からみた外周部29の面積に対する1次コイルL1a〜L1eの占有面積を大きく確保できる。このように、1次コイルL1a〜L1eの占有面積を大きくすることで1次コイルL1a〜L1eからの磁束量、ひいては送電効率が向上する。なお、図9の構成においてもこれと同様の作用効果が得られる。
【0053】
(第4の実施形態)
以下、本発明にかかる非接触給電装置を非接触給電システムに具体化した第4の実施形態について、図10を参照しつつ説明する。この実施形態の非接触給電システムは、コアポットの中心部の外周が1次コイルの内周に応じた形状である点が上記第3の実施形態と異なっている。その他の点は、第3の実施形態の非接触給電システムと同様の構成を備えている。本実施形態では、図10(a)〜(c)にそれぞれ異なる第1〜第3の構成が示されている。
【0054】
まず、第1の構成について説明する。
図10(a)に示すように、1次コイルユニットU1a〜U1eは、図8の1次コイルユニットU1a〜U1eとほぼ同様の構成でなる。以下、相違点を中心に説明する。図10(a)に示すように、1次コイルL1a〜L1eにおける内周30は正六角形で形成されている。中心部41の外周は、上記1次コイルの内周30に応じた正六角形で形成されている。このため、中心部41の外周に1次コイルL1a〜L1eが位置している状態においては、中心部41と1次コイルL1a〜L1eとの間に隙間が生じない。
【0055】
次に、第2の構成について説明する。
図10(b)に示すように、1次コイルユニットU1a〜U1hは、図9の1次コイルユニットU1a〜U1hとほぼ同様の構成でなる。以下、相違点を中心に説明する。図10(b)に示すように、1次コイルL1a〜L1hにおける内周31は正四角形で形成されている。中心部42の外周は、上記1次コイルの内周31に応じた正四角形で形成されている。このため、中心部42の外周に1次コイルL1a〜L1hが位置している状態においては、中心部42と1次コイルL1a〜L1hとの間に隙間が生じない。
【0056】
最後に、第3の構成について説明する。
図10(c)に示すように、1次コイルユニットU1a〜U1lは、図7の1次コイルユニットU1a〜U1lとほぼ同様の構成でなる。以下、相違点を中心に説明する。図10(c)に示すように、外周部32は一定の厚さの正三角形状でなる。また中心部43は、外周部32と相似の正三角形でなる。1次コイルL1a〜L1lの外周は外周部32の内周32aに応じた三角形状でなる。そして、1次コイルL1a〜L1lの内周34は、中心部43の外周に応じた三角形状でなる。このため、中心部43の外周に1次コイルL1a〜L1lが位置している状態においては、中心部43と1次コイルL1a〜L1lとの間に隙間が生じない。
【0057】
以上、説明した実施形態によれば、特に以下の効果を奏することができる。
(7)図10(a)の構成においては、コアポット20a〜20eの中心部41の外周は、1次コイルL1a〜L1eの内周30と同一形状でなる。従って、中心部41の外周に1次コイルL1a〜L1eが位置している状態においては、中心部41と1次コイルL1a〜L1eとの間の隙間が埋められる。これにより、磁束量が隙間にて低下することが抑制されて、送電効率が向上する。これは、図10(b),(c)の構成においても同様である。
【0058】
(8)中心部41〜43の外周と、1次コイルL1a〜L1lの内周30,31,34とが同一形状である。よって、1次コイルL1a〜L1l(正確にはそのリッツ線)のコアポット20a〜20lへの装着が容易となる。
【0059】
(第5の実施形態)
以下、本発明にかかる非接触給電装置を非接触給電システムに具体化した第5の実施形態について、図11を参照しつつ説明する。この実施形態の非接触給電システムは、中心部にサーミスタ等を設置可能な収納穴が形成されている点が上記第2の実施形態と異なっている。その他の点は、第2の実施形態における図5の構成と同様である。
【0060】
ここで、給電面6に金属が載った状態で、1次コイルが励磁されると、磁束の変化によりその金属の温度が上昇するおそれがある。この金属の温度上昇を抑制するために、本実施形態では以下のような構成を採用している。
【0061】
図11(a),(b)に示すように、中心部22における給電面6側の面には、円柱状の収納穴55が形成されている。この収納穴55には、温度を検出するサーミスタ56が収納される。図1に2点鎖線で示すように、共通制御回路12は、サーミスタ56の検出結果に基づき、励磁されて温度上昇した金属が給電面6上に存在するか否かを判断する。共通制御回路12は、金属が給電面6上に存在する旨判断したとき、1次コイルL1a〜L1eへの電力供給を停止する。これにより、金属の温度上昇が抑制される。
【0062】
以上、説明した実施形態によれば、特に以下の効果を奏することができる。
(9)中心部22に収納穴55を設け、その収納穴55にサーミスタ56を収納することで、給電装置10のサイズをコンパクトに保ちつつ、サーミスタ56の検出結果を通じた金属検知機能を給電装置10に付加することができる。
【0063】
(10)サーミスタ56が収納される収納穴55は、中心部22において給電面6側に形成されている。このため、金属の温度上昇がサーミスタ56に伝達し易い。よって、共通制御回路12は、サーミスタ56の検出結果を通じて、早期に金属の温度上昇を検知し、1次コイルL1a〜L1eへの電力供給を停止することができる。
【0064】
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することができる。
・第2及び第3の実施形態においては、外周部25,26,27,29,33の外周は正三角形、正四角形又は正六角形に形成されていた。しかし、外周部は多角形であれば、これに限らず、正五角形又は正七角以上の多角形であってもよい。また、外周部は正多角形でなくてもよく、各辺の長さが異なっていてもよい。
【0065】
例えば、図12に示すように、外周部28を1次コイルの軸方向からみて正八角形で形成してもよい。1次コイルユニットU1a〜U1fは2行×3列で各外周部28が面接触する態様で配列されている。そして、2行×2列をなす1次コイルユニットU1a,U1b,U1d,U1eの中央、並びに同じく2行×2列をなす1次コイルユニットU1b,U1c,U1e,U1fの中央にはそれぞれ空間49が形成される。この両空間49には、小型コイルユニットUsが設けられる。小型コイルユニットUsは、図6(a),(b)の1次コイルユニットU1a〜U1hとほぼ同様の形状でなる。なお、本例の小型コイルユニットUsでは、図6(a),(b)の構成に比べて、1次コイルが収容される中心部22と外周部28との隙間が小さく形成されている。このように、空間49が小型コイルユニットUsにて埋められることで、空間49において磁束量が低減することが抑制され、送電効率を向上させることができる。
【0066】
さらに、外周部の外周を円形として、1次コイルの外周を多角形としてもよい。
・上記各実施形態における中心部22を省略して構成してもよい。この場合であっても、外周部24〜29,32,33を通じて送電効率を向上させることができる。この構成においては、1次コイルにおいて中心部22が挿通される孔(内周)が不要となる。
【0067】
・第5の実施形態における収納穴55は1次コイル及びコアポットの形状に関わらず適用することができる。具体的には、第5の実施形態において適用した図5の構成に加えて、図3、図6、図7、図8、図9、図10(a)〜(c)及び図12の構成に適用することができる。
【0068】
・第5の実施形態においては、収納穴55には、素子としてサーミスタ56が収納されていたが、これに限らず、例えばLED等を設けてもよい。このLEDは照明として利用してもよい。また、共通制御回路12は、このLEDの光に対する反射の有無を受光素子を通じて検出し、その検出結果に基づき、給電面6における受電装置40の有無を判断してもよい。この場合、受光素子も収納穴55に収納してもよい。
【0069】
・上記各実施形態における1次コイルユニットの数は一例であって、給電面6の大きさや形状に合わせて1次コイルユニットのレイアウトを適宜変更可能である。さらに、上記各実施形態における異なる形状の1次コイルユニットを組み合わせて使用してもよい。これにより、給電面6をより多様な形状とすることができる。
【0070】
・上記各実施形態においては、中心部22,41〜43と、外周部24〜29,32,33との上端面が同一の高さであったが、これらが異なる高さであってもよい。
・上記各実施形態においては、外周部24〜29,32,33は、中心部22,41〜43の外周を全域に亘って覆っていたが、当該外周において外周部の一部が省略されている構成であってもよい。
【0071】
・上記各実施形態においては、1次コイルの軸は給電面6に直交していたが、1次コイルの軸が給電面6に交わっていれば直交していなくてもよい。この場合、給電面6を傾斜して構成すること、又は1次コイルユニットを給電面6に対して傾斜して配置することが考えられる。
【符号の説明】
【0072】
L1a〜L1l…1次コイル、U1a〜U1l…1次コイルユニット、2…筐体、6…給電面、10…給電装置、11…共通ユニット、12…共通制御回路、13…電源回路、15a〜15e…給電ユニット、16…励磁駆動回路、20a〜20i…コアポット(磁性体コア)、22…中心部、23…底部、24〜29,32,33…外周部、40…受電装置、41〜43…中心部、45…DC/DCコンバータ、46…整流回路、47…コア、50…電気機器、55…収納穴、56…サーミスタ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
受電装置が設置される給電面と、前記給電面に交わる軸を有するとともに、前記給電面に沿って装置内部に複数設けられる1次コイルと、前記1次コイルに対応して設けられる磁性体コアと、を備え、前記1次コイルに交流電流が供給されることで発生する磁束を介した電磁誘導によって前記受電装置に非接触で給電する非接触給電装置において、
前記磁性体コアは、前記1次コイルの外周を覆う外周部を有することを特徴とする非接触給電装置。
【請求項2】
請求項1に記載の非接触給電装置において、
前記磁性体コアは、前記1次コイルが挿通される中心部を有することを特徴とする非接触給電装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の非接触給電装置において、
前記1次コイルの軸方向からみた前記外周部の外周を多角形とし、1次コイルの外周を円形としたことを特徴とする非接触給電装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の非接触給電装置において、
前記1次コイルの軸方向からみた前記外周部は前記1次コイルの周方向の全域に亘って一定の厚さの多角形で形成され、
1次コイルの外周は、前記外周部の内周に対応した形状とされることを特徴とする非接触給電装置。
【請求項5】
請求項2に記載の非接触給電装置において、
前記1次コイルの軸方向からみた前記中心部の外周は、前記1次コイルの内周と同一形状でなることを特徴とする非接触給電装置。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか一項に記載の非接触給電装置において、
前記1次コイルの軸方向からみた前記外周部の外周は三角形に形成されることを特徴とする非接触給電装置。
【請求項7】
請求項2又は5に記載の非接触給電装置において、
前記中心部における前記給電面側の面には、素子を設置可能とした収納穴が形成されることを特徴とする非接触給電装置。
【請求項1】
受電装置が設置される給電面と、前記給電面に交わる軸を有するとともに、前記給電面に沿って装置内部に複数設けられる1次コイルと、前記1次コイルに対応して設けられる磁性体コアと、を備え、前記1次コイルに交流電流が供給されることで発生する磁束を介した電磁誘導によって前記受電装置に非接触で給電する非接触給電装置において、
前記磁性体コアは、前記1次コイルの外周を覆う外周部を有することを特徴とする非接触給電装置。
【請求項2】
請求項1に記載の非接触給電装置において、
前記磁性体コアは、前記1次コイルが挿通される中心部を有することを特徴とする非接触給電装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の非接触給電装置において、
前記1次コイルの軸方向からみた前記外周部の外周を多角形とし、1次コイルの外周を円形としたことを特徴とする非接触給電装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の非接触給電装置において、
前記1次コイルの軸方向からみた前記外周部は前記1次コイルの周方向の全域に亘って一定の厚さの多角形で形成され、
1次コイルの外周は、前記外周部の内周に対応した形状とされることを特徴とする非接触給電装置。
【請求項5】
請求項2に記載の非接触給電装置において、
前記1次コイルの軸方向からみた前記中心部の外周は、前記1次コイルの内周と同一形状でなることを特徴とする非接触給電装置。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか一項に記載の非接触給電装置において、
前記1次コイルの軸方向からみた前記外周部の外周は三角形に形成されることを特徴とする非接触給電装置。
【請求項7】
請求項2又は5に記載の非接触給電装置において、
前記中心部における前記給電面側の面には、素子を設置可能とした収納穴が形成されることを特徴とする非接触給電装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−115200(P2013−115200A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−259348(P2011−259348)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
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