説明

面会管理システム,処理方法およびプログラム

【課題】 面会予約の管理・確認の支援を,高セキュリティで行えるようにする。
【解決手段】 面会管理サーバ100の面会申請受付部101は面会申請者PC301から面会申請を受信し,面会承認依頼部102は被面会者PC151へ面会申請を送信して回答を受信する。情報作成部103は,回答が承認であれば,面会予約の管理情報を作成し管理情報記憶部110に記憶し,面会申請者PCへ面会予約を送信する。面会申請者は,ゲートに設置されたゲート装置200に面会予約を読み取らせる。情報読取部201は面会予約を面会管理サーバ100へ送信し,面会予約照合部106は面会予約と管理情報を照合し,両者が一致したらゲート装置200へ照合済みを送信する。開閉制御部204は照合済みを受信して当該ゲートを開状態にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,コンピュータを利用して面会予約の管理および確認業務を支援する面会管理システム,処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
予約面会の管理業務には,承認された面会予約を管理し,面会者の来訪時に面会予約を確認し,面会場所へ案内するという業務が含まれる。多くの面会者が来訪する状況では,面会予約の管理や確認をできる限り効率的に行う必要がある。また,入門時に来訪者(面会者)の入門許可証待ちの行列ができることは,被面会企業にとっても望ましいことではない。
【0003】
従来技術の一つとして,訪問者へ面会場所を自動的に案内するシステムが知られている(特許文献1参照)。特許文献1のシステムでは,社内担当者から面会の予約データを受信すると,予約された打ち合わせ場所(会議室,応接室)の予約管理番号に対応する暗証キーを作成し,システムサーバに登録すると共に,来訪者の携帯電話に暗証キーを含む電子メールを送信する。そして,面会当日に,来訪者が受付でこの暗証キーを端末に入力することによって,登録された暗証キーと入力された暗証キーとを照合し,これらが照合できた(一致した)場合に,予約された面会場所の位置を示す案内情報をディスプレイに表示する。
【特許文献1】特開2003−288432号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年では,セキュリティの観点から,面会予約を確認して入場させた来訪者(面会者)が,目的外の場所へ立ち入ることができない仕組みが必要となっている。また,面会場所へ的確に誘導することは,面会者のためにもなる。
【0005】
また,面会予約の内容のうち,面会場所などは,来訪者へ通知後に,予約状態や応接室の収容人数の多寡,設備状態などによって,しばしば変更されることがある。したがって,面会者の来訪時には,変更された面会予約を確実に確認できるようにする必要がある。
【0006】
特許文献1のシステムは,来訪者に対して面会場所(打ち合わせ場所)の案内情報を自動的に提示することができる。しかし,来訪者が目的外の区域へ立ち入ることを防止することはできない。
【0007】
本発明の目的は,ネットワークを利用して面会申請を受け付け,承認された面会予約を組織内で一括して管理できるようにし,さらに,通用門や出入り口など部外者の入場をチェックするためのゲートを利用して,面会者の来訪時に,面会予約を簡単に確認でき,さらに,面会者への通知後,面会の直前に目的場所が変更された場合であっても,目的外の区域へ立ち入ることを防止できるセキュリティの高い面会予約処理の支援を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的のために,本発明は,面会管理装置と,出入り口の開閉を行うゲートに設置されたゲート装置とで構成される面会管理システムであって,以下の処理部を備えるものである。
【0009】
本発明の面会管理システムの面会管理装置は,面会申請者の端末から被面会者を特定した面会申請を受信する面会申請受付部と,前記被面会者の端末へ面会申請を送信し,その承認と面会日時と面会場所とが設定された回答を受信する面会承認依頼部と,回答された面会予約の識別情報と面会申請者と被面会者と面会日時と面会場所とを設定した管理情報を作成する情報作成部と,管理情報を記憶する管理情報記憶部とを備える。
【0010】
さらに,面会申請者の端末へ,識別情報を含む面会予約を送信する面会予約返信部と,ゲートにおいて取得された識別情報を含む面会予約を管理情報と照合し,識別情報が一致する場合にそのゲートに設置されたゲート装置へ照合済みを送信する面会予約照合部とを備える。
【0011】
さらに,ゲート装置において,識別情報を含む面会予約を読み取り,面会管理装置へ送信する情報読取部と,ゲートの開閉を制御し,照合済みを受信すると当該ゲートを開状態にする開閉制御部とを備える。
【0012】
本発明にかかる面会管理システムの面会管理装置では,面会申請者の端末から被面会者を特定した面会申請を受信すると,被面会者の端末へ面会申請を送信し,その承認と面会日時と面会場所とが設定された回答を受信する。そして,回答された面会予約の識別情報と面会申請者と被面会者と面会日時と面会場所とを設定した管理情報を作成して,管理情報記憶部に記憶しておく。さらに,面会申請者の端末へ,識別情報を含む面会予約を返信する。
【0013】
通用門,建屋の出入り口,応接室の出入り口などのゲートに設置されたゲート装置において,識別情報を含む面会予約を読み取り,面会管理装置へ送信する。すると,このゲート装置において取得された識別情報を含む面会予約を管理情報と照合し,識別情報が一致する場合にそのゲートに設置されたゲート装置へ照合済みを送信する。ゲート装置では,照合済みを受信すると当該ゲートを開状態にする。
【0014】
これにより,面会予約を一元的に管理でき,また,面会者の来訪時に,予め来訪者に送信しておいた面会予約をゲート装置の情報読取部で読み取ることによって,面会予約を簡単に確認することができる。また,面会予約を読み取ったゲート装置が設置されたゲートのみ面会者を入場させるように作用するため,面会者が目的外の区域へ立ち入ることを防止することができる。また,面会場所が面会者へ通知後に変更された場合に,変更後の区域への立ち入りのみを許可することができる。
【0015】
さらに,本発明の面会システムは,面会申請者の音声データから声紋情報を生成し,声紋情報記憶部に登録する声紋情報登録部と,前記ゲート装置に構成されて,面会申請者の音声を録音し,音声データから声紋情報を生成して前記面会管理装置へ送信する音声データ入力部と,ゲート装置から送信された声紋情報を,声紋情報記憶部に記憶されている管理情報に設定された面会申請者の声紋情報と照合する声紋照合部とを備えてもよい。そして,面会予約照合部は,これらの声紋情報が一致した場合に,そのゲート装置へ照合済みを送信する処理を行うことができる。
【0016】
これにより,面会者に予め送信した面会予約だけでなく,面会者の声紋情報を用いて面会者の本人確認を行うことができ,面会予約の確認でのセキュリティレベルで向上させることができる。
【0017】
また,本発明の面会管理システムは,面会場所への経路上に設置されている一または複数のゲートを記録したゲート情報を記憶するゲート情報記憶部を備えてもよい。そして,前記情報作成部は,管理情報に面会場所への経路上のゲートを設定し,前記面会予約照合部は,面会予約の識別情報が照合できた場合に,この面会予約が読み取られたゲート装置が管理情報に設定されたゲートのゲート装置であるときは,このゲート装置へ照合済みを送信する処理を行うことができる。
【0018】
これにより,面会場所に応じて通行ができるゲートを設定できるため,面会者が目的外の区域へ立ち入ることができず,部外者の入場時のセキュリティレベルを高めることができる。
【0019】
また,本発明の面会管理システムでは,前記情報作成部は,管理情報の面会場所が変更された場合に,変更後の面会場所と変更後の面会場所への経路上のゲートとを設定した変更済み管理情報を,変更前の管理情報と関連付けて作成し,前記面会予約照合部は,ゲート装置で取得された面会予約の識別情報が変更前の管理情報のものと一致し,かつ当該面会予約を取得したゲート装置が変更済み管理情報に設定されたゲートと一致する場合に,そのゲートのゲート装置へ照合済みを送信する処理を行うことができる。
【0020】
これにより,面会者に面会場所を通知後,面会場所が変更される状況にも対応でき,変更が生じている面会予約についても簡単に面会内容を確認することができ,面会者を変更後の面会場所へ確実に誘導することができる。
【0021】
また,本発明の面会管理システムでは,前記ゲート装置に構成されて,面会予約が照合された場合に,管理情報に設定された面会申請者,被面会者,面会場所を表示する入門証を出力する入門証出力部を備えてもよい。
【0022】
これにより,面会予約を確認して入門証の発行を自動的に行うことができ,入門管理業務の負担を軽減することができる。
【0023】
また,本発明の面会管理システムでは,面会場所への経路案内を示す案内情報を記憶する案内情報記憶部を備えてもよい。そして,前記入門証出力部は,案内情報をもとに面会場所までの経路案内を作成し,この経路案内を表示する前記入門証を出力することができる。
【0024】
これにより,面会場所までの経路案内を表した入門証を発行して,面会者が確実に面会場所へ到達できるように支援することができる。
【0025】
また,本発明は,別の態様として,上記の処理手段によって実行される各処理を,面会管理システムが実行する処理方法,および,前記処理を面会管理システムに実行させるためのプログラムである。
【0026】
本発明にかかるプログラムは,コンピュータが読み取り可能な可搬媒体メモリ,半導体メモリ,ハードディスクなどの適当な記録媒体に格納することができ,これらの記録媒体に記録して提供され,または,通信インタフェースを介して種々の通信網を利用した送受信により提供される。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば,通用門,建屋の出入り口など,部外者の通過をチェックするゲートを設けて入場管理の一環として面会予約を確認する場合に,多数の面会者が来訪するときでも,受付での面会者の滞留による行列を解消し,面会予約の確認の効率化を図ることができる。これにより,入門管理業務の人的コストとイメージダウンとを軽減することもできる。
【0028】
また,面会予約時に設定されたゲートのみ通過を許可するため,面会者が許可された場所以外に立ち入ることを制限することができる。
【0029】
また,面会申請者の声紋情報を保持しておくことができるので,面会予約の確認時に面会申請者の本人確認を確実に行うことができる。よって,面会申請者以外の者が面会者として来訪した場合には面会を拒絶することができ,面会予約の確認におけるセキュリティの向上を図ることができる。
【0030】
また,面会場所を一元的に管理し,面会予約の変更を管理情報に反映させることができるため,面会場所の直前の変更にも対応できる面会予約確認を行うことができる。
【0031】
また,面会予約の情報を用いて自動的に入門証を作成でき,部外者(面会者)の識別が容易になる。また,入門証に面会場所への経路案内を表示でき,面会者を面会場所までスムーズに誘導することができる。よって,入場管理業務,受付業務の負担を軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
図1は,本発明の最良の実施形態における構成例を示す図である。
【0033】
面会管理システム1は面会管理装置(サーバ)100,ゲート装置200,210から構成される。面会管理サーバ100は,被面会者端末(PC)151,152,および面会申請者端末(PC)301,302とネットワークNを介してデータ通信を行う。
【0034】
面会管理システム1は,図2に示すような構内であって部外者の立ち入りを原則的に禁止している区域を処理対象とする。
【0035】
図2に示すように,構内への通用門である第1入門ゲートG1,第2入門ゲートG2各々に,ゲート装置200が設置される。また,建屋B1,B2,B3の出入り口G10,G20,G30,各建屋内の応接室R11,R12,R13,R21,R22,R23各々の出入り口G101,G102,G103,G201,G202,G203には,それぞれ,ゲート装置210が設置される。
【0036】
図1の面会管理サーバ100は,CPUおよびメモリからなるコンピュータであり,ソフトウェアプログラムなどによって構成される面会申請受付部101,面会承認依頼部102,情報作成部103,声紋登録部104,声紋照合部105,面会予約照合部106,面会予約返信部107,管理情報記憶部110,声紋情報記憶部120,ゲート情報記憶部130,経路案内記憶部140を備える。
【0037】
面会申請受付部101は,面会申請者PC301(または302)から,被面会者,面会日時などを特定した面会申請を受信する。
【0038】
図3に,面会申請のデータ例を示す。面会申請のデータは,面会申請者(面会者)の氏名,会社名,所属名,連絡先(例えば電子メールアドレス),面会を希望する相手(被面会者)の氏名,面会日時,用件,備考などのデータ項目で構成される。備考には,面会時の同伴者数などが記される。
【0039】
面会承認依頼部102は,面会申請者PC301から送信された面会申請を被面会者PC151(または152)へ送信し,面会申請の承認と面会日時と面会場所とが設定された回答を受信する。
【0040】
図4に,面会申請に対する被面会者の回答のデータ例を示す。回答のデータは,図3に示す面会申請のデータとほぼ同じ構成であり,面会申請の承認の可否の項目が追加される。また,面会場所に,確保できた応接室番号,備考に,承認許否の理由などが記される。
【0041】
情報作成部103は,被面会者PC151から送信された承認の回答をもとに,この面会予約の識別情報,面会申請者,被面会者,面会日時,面会場所などを設定した管理情報を作成し,管理情報記憶部110に記憶する。
【0042】
また,情報作成部103は,管理情報の面会場所が変更された場合に,変更後の面会場所と変更後の面会場所への経路上のゲートとを設定した変更済み管理情報を,変更前の管理情報と関連付けて作成し,管理情報記憶部110に記憶する。
【0043】
また,面会予約返信部107は,被面会者PC151から回答された面会申請に対し,面会予約の管理情報の識別情報などを含む情報作成部103が作成した面会予約を,面会申請者PC301へ返信する。
【0044】
図5に,承認された面会予約の管理情報のデータ例を示す。管理情報のデータは,図3に示す面会申請のデータとほぼ同じ構成であり,面会予約の識別番号,内容に変更があった場合の関連する管理情報の識別番号(旧番号(更新前の面会予約の識別番号),新番号(更新された面会予約の識別番号)),面会場所への経路上に設置されているゲートを示すゲート番号,声紋情報が登録されている場合の声紋情報への対応情報(ポインタ)の項目などが追加される。
【0045】
なお,管理情報に,面会終了予定時間の項目を設定して,面会者の退場可能な時間を限定するようにしてもよい。
【0046】
ゲート番号は,ゲート情報記憶部130に記憶されたゲート情報をもとに設定される。
【0047】
図6に,ゲート情報のデータ例を示す。ゲート情報は,面会場所(応接室)ごとに,照合済みの場合に開状態で制御する(すなわち通行が許可される)ゲートの番号が登録されている。例えば,面会場所が応接室R13である場合に,管理情報のゲート番号には,G1,G2,G10,G103が設定される。
【0048】
図7に,面会申請者へ返信する面会予約のデータ内容例を示す。面会内容には,面会予約の識別情報(面会予約番号),管理情報の識別情報,面会申請者の会社名,氏名(訪問者氏名),面会日時,被面会者氏名,面会場所(応接室番号),ゲート番号,声紋情報などが設定される。なお,面会内容が変更された場合は,旧管理情報の識別情報(旧番号)を含めた面会予約を,再度返信してもよい。
【0049】
図7の面会予約は,例えばQRコード形式のデータとして生成され,電子メールに記載または添付されて面会申請者PC301へ送信される。
【0050】
声紋登録部104は,ネットワークまたは電話網と所定の録音装置とを用いて取得した面会申請者の音声データから,公知の特徴ベクトル算出技術を用いて,特徴ベクトルを求め,求まった特徴ベクトルを,声紋データとして,声紋情報記憶部120に登録する。
【0051】
声紋照合部105は,ゲート装置200に備えられた音声入力部202から送信された来訪した面会申請者(面会者)の音声データから,公知の特徴ベクトル算出技術を用いて,特徴ベクトルを求め,求まった特徴ベクトルを,声紋情報記憶部120に記憶されている面会申請者の声紋情報と照合する。すなわち,来訪者の特徴ベクトルと,登録されている面会申請者の声紋情報(特徴ベクトル)との類似度を,公知のベクトル間の類似度を求める技術によって算出し,両者を比較することで照合する。これら2つの声紋データが一致すると判定した場合に,面会予約照合部106へ通知する。
【0052】
面会予約照合部106は,ゲート装置200,210において取得された,識別情報を含む面会予約を管理情報記憶部110に記憶された管理情報と照合し,識別情報が一致する場合に,このゲートに設置されたゲート装置200,210へ照合済みを送信する。
【0053】
また,面会予約照合部106は,管理情報に,面会場所への経路上に設置されている一または複数のゲートが設定されている場合に,面会予約の識別情報が照合できたときは,この面会予約を読み取ったゲート装置が設置されたゲートが,管理情報に設定されたゲートであるときは,当該ゲート装置へ照合済みを送信する。
【0054】
管理情報記憶部110は,面会予約ごとの管理情報を記憶する。
【0055】
声紋情報記憶部120は,面会申請者(面会者)の声紋情報(音声データの特徴ベクトル)を記憶する。
【0056】
ゲート情報記憶部130は,面会場所への経路上に設置されている一または複数のゲートを記録したゲート情報を記憶する。
【0057】
経路案内記憶部140は,面会管理システムが管理対象とする構内での面会場所への経路案内情報(案内図)を記憶する。
【0058】
ゲート装置200は,CPUおよびメモリからなるコンピュータであり,ソフトウェアプログラムなどによって構成される情報読取部201,音声入力部202,音声出力部203,開閉制御部204,入門証出力部205を備える。
【0059】
ゲート装置210は,情報読取部201,開閉制御部204を備える。
【0060】
情報読取部201は,面会申請者が持参した,識別情報を含む面会予約を読み取り,面会管理サーバ100へ送信する。情報読取部201は,面会申請者PC301へ送信された面会予約のデータ形式に対応した読み取り機能を備える。例えば,面会予約がQRコード形式であれば,QRコードリーダとして実施される。
【0061】
音声入力部202は,面会申請者(面会者)の音声を録音して音声データを生成し,この音声データを面会管理サーバ100へ送信する。
【0062】
音声出力部203は,面会申請者に,音声録音操作を促すアナウンスを出力する。例えば,面会申請者の名前および会社名を,情報読取部201で読み取った面会予約から抽出し,所定のフォーマット文に組み込み,図8に示すような文データを音声出力する。
【0063】
開閉制御部204は,各ゲートの開閉を制御し,面会管理サーバ100から照合済みを受信すると,ゲートを開状態にする。具体的には,照合済みの面会予約の識別番号を一時的に保持し,自ゲート装置の情報読取部201で読み取った面会予約の識別番号が,照合済みの面会予約の識別番号と一致すれば,ゲートを開状態に制御し,面会人が通行・入室できるようにする。
【0064】
入門証出力部205は,管理情報に設定された面会申請者,被面会者,面会場所などを表示する入門証を出力する。
【0065】
図9に,入門証の出力例を示す。入門証出力部205は,図9に示すように,情報読取部201で読み取った面会予約から抽出した所定の情報(面会者の氏名および会社名,面会場所,面会日時など),また,経路案内記憶部140の経路案内情報をもとに作成した面会場所(応接室R13)までの案内図,「入門許可証」と表示した入門証を印刷出力する。
【0066】
図10〜図14を用いて,本発明の処理の流れを説明する。
【0067】
図10は,面会申請者PC301,302の処理フローを示す図である。
【0068】
面会申請者PC301は,面会申請処理を行う(ステップS1)。面会申請として,面会管理サーバ100の所定のサイトからダウンロードした所定のフォーマットデータを用いてもよい。必要事項を入力した面会申請データを,ネットワークNを通じて面会管理サーバ100へ送信する。
【0069】
面会管理システム1において面会申請が承認され,面会予約の返信を受信したかどうかを判断する(ステップS2)。例えば,QRコード形式の面会予約が含まれた電子メールとして受信する。
【0070】
面会申請者は,面会予約を受信していれば(ステップS2のYES),面会時に面会予約を持参するために,受信した面会予約(QRコード)をプリント出力する。または,携帯電話にコピーする(ステップS3)。
【0071】
その後,面会申請者は,自己の声紋情報が未だ登録されていなければ(ステップS4のNO),音声データ録音処理を実行する(ステップS5)。
【0072】
なお,ステップS2で,所定の期間内に面会予約の返信を受信していなければ(ステップS2のNO),面会申請は承認されなかったとみなして,処理を終了する。
【0073】
図11は,面会管理システム1の面会予約の管理処理フローを示す図である。
【0074】
面会管理サーバ100の面会申請受付部101は,面会申請を待機し,面会申請を受信したら(ステップS10のYES),面会承認依頼部102は,面会申請に設定されている被面会者PC151宛へ受信した面会申請を送信する(ステップS11)。
【0075】
被面会者PC151からの回答を待機し,面会申請の回答があれば(ステップS12のYES),回答が承認かどうかを判断し(ステップS13),回答が承認であれば(ステップS13のYES),情報作成部103は,面会予約の管理情報を作成し,回答に設定された面会場所(応接室番号)を書き込む。管理情報は管理情報記憶部110へ格納する(ステップS14)。そして,面会予約の管理情報から面会予約(QRコード)を作成し(ステップS15),面会予約返信部107は,面会申請者PC301へ送信する(ステップS16)。
【0076】
声紋登録部104は,面会申請者の声紋情報が声紋情報記憶部120に登録済みであるかを調べて(ステップS17),登録済みでなければ(ステップS17のNO),面会申請者へ声紋情報の登録を通知し,ネットワーク/電話網と所定の録音装置とを用いて面会申請者の音声を録音し,その録音データから声紋情報(特徴ベクトル)を作成する(ステップS18)。なお,声紋情報のもとになる音声データは,面会申請者から被面会者への通話時の録音データ(音声データ)を用いてもよい。そして,面会予約の管理情報に該当する面会申請者の声紋情報へのリンクを設定して(ステップS19),処理を終了する。
【0077】
なお,被面会者の回答が承認でなければ(ステップS13のNO),処理を終了する。
【0078】
図12は,被面会者PC151の処理フローを示す図である。
【0079】
被面会者PC151は,面会管理サーバ100からネットワークNを通じて面会申請を受信すると(ステップS20),面会の内容を検討して承認の可否を決め,承認であれば(ステップS21のYES),応接室(面会場所)の予約処理を行う(ステップS22)。ここで,応接室予約処理は,既存の応接室予約システムによって面会日時に使用可能な応接室を選択・予約して行う。または,応接室予約リストなどを参照して予約してもよい。
【0080】
面会時間に使用可能な場所(応接室)が確保できれば,回答する面会申請データの承認に可を,面会場所として予約した応接室番号を設定し(ステップS23),面会管理サーバ100へ回答のデータを返信する(ステップS24)。
【0081】
そして,面会申請者の声紋情報が登録されていなければ(ステップS25のNO),電話によって面会申請者の音声を録音し,音声データを面会管理サーバ100へ送信する(ステップS26)。
【0082】
図13および図14は,面会管理システム1の面会予約の確認処理フローを示す図である。なお,本処理フローでは,建屋B1,B2の出入り口,応接室R11〜R23の出入り口に設置されるゲート装置210は,音声入力部202,音声出力部203を備えるものとする。
【0083】
ゲート装置200,210の情報読取部201は,面会予約を待機しているとする。ゲート装置200,210のいずれかで,面会者(面会申請者)が持参した面会予約が読み取られる。読み取ったゲートが入門ゲートG1,G2(ゲート装置200)であれば(ステップS30のYES),ステップS31の処理へ進む。
【0084】
そして,面会予約照合部106は,読み取った面会予約が管理情報と一致するかを調べる(ステップS31)。面会予約と管理情報とが一致しなければ(ステップS31のNO),さらに,面会予約照合部106は,管理情報の旧識別番号から変更前の内容の管理情報を取得し,面会予約と旧識別番号の管理情報との内容が一致するかを調べる(ステップS32)。面会予約と管理情報との内容が一致すれば(ステップS31のYES),または,面会予約と旧識別番号の管理情報との内容が一致すれば(ステップS32のYES),ステップS33の処理を行う。
【0085】
音声入力部202は,面会者の音声データを録音し(ステップS33),音声データを面会管理サーバ1へ送信し(ステップS34),声紋照合部105は,ゲート装置200から送信された音声データの声紋情報(特徴ベクトル)が,声紋情報記憶部120に記憶された面会申請者の音声データの声紋情報(特徴ベクトル)と一致するかを調べる(ステップS35)。両者の声紋情報が一致すれば(ステップS35のYES),入門証出力処理を行う(ステップS36)。
【0086】
ステップS36の処理では,面会予約または管理情報をもとに所定の内容が印刷された入門証(入門許可証)を印刷出力する。そして,開閉制御部204は,所定の時間ゲートを開状態にして(ステップS37),処理を終了する。
【0087】
一方,面会予約と旧識別番号の管理情報との内容が一致せず(ステップS32のNO),または,両者の声紋データが一致しなければ(ステップS35のNO),例えば音声出力部203によって,面会者に入門許否を通知して(ステップS38),処理を終了する。
【0088】
さらに,ステップS30の処理において,読み取ったゲートが入門ゲート以外(ゲート装置210)であれば(ステップS30のNO),ステップS40の処理へ進む。
【0089】
ステップS40で,面会予約照合部106は,読み取った面会予約が管理情報と一致するかを調べる。面会予約と管理情報との内容が一致すれば(ステップS40のYES),音声入力部202は,面会者の音声(音声データ)を録音する(ステップS41)。
【0090】
一方,面会予約と管理情報との内容が一致しなければ(ステップS40のNO),さらに,面会予約照合部106は,管理情報の旧識別番号から更新前の内容の管理情報を取得し,面会予約と旧識別番号の管理情報との内容が一致するかを調べる(ステップS42)。面会予約と管理情報との内容が一致すれば(ステップS42のYES),新識別番号の管理情報をもとに面会予約を確認し(ステップS43),面会者の音声(音声データ)を録音する(ステップS44)。そして,音声データを面会管理サーバ100へ送信する(ステップS45)。
【0091】
声紋照合部105は,ゲート装置200から送信された音声データの声紋情報が声紋情報記憶部120の声紋情報と一致するかを調べ(ステップS46),両者の声紋情報が一致すれば(ステップS46のYES),開閉制御部204は,所定の時間ゲートを開状態にして(ステップS47),処理を終了する。
【0092】
一方,面会予約と旧識別番号の管理情報との内容が一致せず(ステップS42のNO),または,両者の声紋情報が一致しなければ(ステップS46のNO),面会者に入門許否を通知して(ステップS48),処理を終了する。
【0093】
以上,本発明をその実施の形態により説明したが,本発明はその主旨の範囲において種々の変形が可能であることは当然である。
【0094】
例えば,音声入力部202は,面会者の音声データを録音し,録音した音声データを面会管理サーバ100へ送信し,面会管理サーバ100で音声データから声紋情報(特徴ベクトル)を生成するようにしている。しかし,別の実施例として,処理フローのステップS33,S41,S44の処理において,ゲート装置200,210の音声入力部202は,面会者の音声データを録音して声紋情報(特徴ベクトル)を生成し,面会管理サーバ100へ生成した声紋情報を送信するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明の最良の実施形態における構成例を示す図である。
【図2】面会管理システムが対象とする区域の例を示す図である。
【図3】面会申請のデータ例を示す図である。
【図4】面会申請に対する被面会者の回答のデータ例を示す図である。
【図5】承認された面会予約の管理情報のデータ例を示す図である。
【図6】ゲート情報のデータ例を示す図である。
【図7】面会申請者へ送信する面会予約のデータ内容例を示す図である。
【図8】音声出力する文データの例を示す図である。
【図9】入門証の出力例を示す図である。
【図10】面会申請者PCの処理フローを示す図である。
【図11】面会管理システムの面会予約の管理処理フローを示す図である。
【図12】被面会者PCの処理フローを示す図である。
【図13】面会管理システムの面会予約の確認処理フローを示す図である。
【図14】面会管理システムの面会予約の確認処理フローを示す図である。
【符号の説明】
【0096】
1 面会管理システム
100 面会管理装置(サーバ)
101 面会申請受付部
102 面会承認依頼部
103 情報作成部
104 声紋登録部
105 声紋照合部
106 面会予約照合部
107 面会予約返信部
110 管理情報記憶部
120 声紋情報記憶部
130 ゲート情報記憶部
140 経路案内記憶部
151,152 被面会者端末(PC)
200,210 ゲート装置
201 情報読取部
202 音声入力部
203 音声出力部
204 開閉制御部
205 入門証出力部
301,302 面会申請者端末(PC)
N ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
面会予約の管理および確認を支援するために,面会管理装置と,出入り口の開閉を行うゲートに設置されたゲート装置とで構成される面会管理システムであって,
前記面会管理装置は,
面会申請者の端末から,被面会者を特定した面会申請を受信する面会申請受付部と,
前記被面会者の端末へ前記面会申請を送信し,当該面会申請の承認と面会日時と面会場所とが設定された回答を受信する面会承認依頼部と,
前記回答された面会予約の識別情報と前記面会申請者と前記被面会者と前記面会日時と前記面会場所とを設定した管理情報を作成する管理情報作成部と,
前記管理情報を記憶する管理情報記憶部と,
前記面会申請者の端末へ,前記識別情報を含む面会予約を送信する面会予約返信部と,
出入り口の開閉を行うゲートにおいて取得された,識別情報を含む面会予約を前記管理情報と照合し,当該識別情報が一致する場合に当該ゲートに設置されたゲート装置へ照合済みを送信する面会予約照合部と,
前記ゲート装置に構成されて,前記識別情報を含む面会予約を読み取り,前記面会管理装置へ送信する情報読取部と,
前記ゲート装置に構成されて,前記ゲートの開閉を制御し,前記照合済みを受信すると当該ゲートを開状態にするゲート開閉制御部とを備える
ことを特徴とする面会管理システム。
【請求項2】
前記面会申請者の音声データから声紋情報を生成し,声紋情報記憶部に登録する声紋情報登録部と,
前記ゲート装置に構成されて,前記面会申請者の音声を録音し,当該音声データから声紋情報を生成して前記面会管理装置へ送信する音声データ入力部と,
前記ゲート装置から送信された声紋情報を,前記声紋情報記憶部に記憶されている前記管理情報に設定された面会申請者の声紋情報と照合する声紋照合部とを備えるとともに,
前記面会予約照合部は,前記声紋照合部によって,前記ゲート装置で生成された声紋情報が声紋情報記憶部の前記面会申請者の声紋情報と一致した場合に,前記ゲート装置へ照合済みを送信する
ことを特徴とする請求項1に記載の面会管理システム。
【請求項3】
前記面会場所への経路上に設置されている一または複数のゲートを記録したゲート情報を記憶するゲート情報記憶部を備えるとともに,
前記管理情報作成部は,前記ゲート情報をもとに,前記管理情報に,前記面会場所への経路上のゲートを設定し,
前記面会予約照合部は,前記面会予約の識別情報が照合できた場合に,当該面会予約が読み取られたゲート装置が前記管理情報に設定されたゲートのゲート装置であるときは,当該ゲート装置へ照合済みを送信する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の面会管理システム。
【請求項4】
前記管理情報作成部は,前記管理情報の面会場所が変更された場合に,変更後の面会場所と変更後の面会場所への経路上のゲートとを設定した変更済み管理情報を,変更前の管理情報と関連付けて作成し,
前記面会予約照合部は,前記ゲート装置で取得された面会予約の識別情報が前記変更前の管理情報の識別情報と一致し,かつ当該面会予約を取得したゲート装置が当該変更済み管理情報に設定されたゲートと一致する場合に,当該ゲートのゲート装置へ照合済みを送信する
ことを特徴とする請求項3に記載の面会管理システム。
【請求項5】
前記ゲート装置に構成されて,前記面会予約が照合された場合に,前記管理情報に設定された前記面会申請者,前記被面会者,前記面会場所を表示する入門証を出力する入門証出力部を備える
ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の面会管理システム。
【請求項6】
前記面会場所への経路案内を示す案内情報を記憶する案内情報記憶部を備えるとともに,
前記入門証出力部は,前記案内情報をもとに前記面会場所までの経路案内を作成し,当該経路案内を表示する前記入門証を出力する
ことを特徴とする請求項5に記載の面会管理システム。
【請求項7】
面会予約の管理および確認を支援するために,出入り口の開閉を行うゲートに設置したゲート装置を備えた面会管理システムが実行する面会管理処理方法であって,
面会申請者の端末から,被面会者を特定した面会申請を受信し,
前記被面会者の端末へ前記面会申請を送信し,当該面会申請の承認と面会日時と面会場所とが設定された回答を受信し,
前記面会申請者の端末へ,前記回答された面会申請に対する前記識別情報を含む面会予約を送信し,
前記面会申請者の音声データを取得して声紋情報を生成し,声紋情報記憶部に記憶し,
前記回答された面会予約の識別情報と前記面会申請者と前記被面会者と面会日時と面会場所と前記面会申請者の声紋情報への対応情報を設定した管理情報を作成し,前記管理情報記憶部へ記憶し,
前記ゲート装置において,前記識別情報を含む面会予約を読み取り,前記面会管理装置へ送信し,
前記ゲート装置において,前記面会申請者の音声を録音し,当該音声データから声紋情報を生成して前記面会管理装置へ送信し,
前記ゲート装置から送信された面会予約の識別情報を前記管理情報と照合し,
前記ゲート装置から送信された声紋情報を,前記生成された声紋情報を前記管理情報と照合し,
前記面会予約と前記声紋情報との両方が照合できた場合に,前記ゲート装置へ照合済みを送信し,
前記ゲート装置が設置されているゲートの開閉を制御し,前記照合済みを受信した場合に当該ゲートを開状態に制御する
ことを特徴とする面会管理処理方法。
【請求項8】
面会予約の管理および確認を支援する処理を,出入り口の開閉を行うゲートに設置したゲート装置を備えた面会管理システムに実行させるための面会管理プログラムであって,
面会申請者の端末から,被面会者を特定した面会申請を受信する処理と,
前記被面会者の端末へ前記面会申請を送信し,当該面会申請の承認と面会日時と面会場所とが設定された回答を受信する処理と,
前記面会申請者の端末へ,前記回答された面会申請に対する前記識別情報を含む面会予約を送信する処理と,
前記面会申請者の音声データを取得して声紋情報を生成し,声紋情報記憶部に記憶する処理と,
前記回答された面会予約の識別情報と前記面会申請者と前記被面会者と面会日時と面会場所と前記面会申請者の声紋情報への対応情報を設定した管理情報を作成し,前記管理情報記憶部へ記憶する処理と,
前記ゲート装置において,前記識別情報を含む面会予約を読み取り,前記面会管理装置へ送信する処理と,
前記ゲート装置において,前記面会申請者の音声を録音し,当該音声データから声紋情報を生成して前記面会管理装置へ送信する処理と,
前記ゲート装置から送信された面会予約の識別情報を前記管理情報と照合する処理と,
前記ゲート装置から送信された声紋情報を,前記生成された声紋情報を前記管理情報と照合する処理と,
前記面会予約と前記声紋情報との両方が照合できた場合に,前記ゲート装置へ照合済みを送信する処理と,
前記ゲート装置が設置されているゲートの開閉を制御し,前記照合済みを受信した場合に当該ゲートを開状態に制御する処理とを,
前記面会管理システムに実行させるための面会管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−305315(P2008−305315A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−153999(P2007−153999)
【出願日】平成19年6月11日(2007.6.11)
【出願人】(598057291)株式会社富士通エフサス (147)