説明

面光源装置及び画像表示装置

【課題】 外部からの収納ケースの内部への塵埃等の異物の侵入を防止して画質の劣化を防止する。
【解決手段】 円筒状に形成された蛍光ランプ9、9、・・・と、蛍光ランプから出射された光を拡散する拡散部材10と、蛍光ランプを挟んで拡散部材の反対側に配置されると共に樹脂材料によって形成され出射された光を反射する複数の反射部材11、11、・・・と、内部に蛍光ランプと拡散部材と複数の反射部材を収納し取付孔5b、5b、・・・を有する収納ケース4とを設け、複数の反射部材を収納ケースの内部において隣接して配置させることにより反射ユニット8を構成し、反射部材に、蛍光ランプが挿入され該蛍光ランプの挿入方向に開口し蛍光ランプの長手方向に延びる凹状部12と、該凹状部の外周部に連続し隣接する反射部材の一部と重ね合わされるオーバーラップ部13、14、15、16とを設け、隣接する反射部材の凹状部間に間隙20、21を形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は面光源装置及び画像表示装置についての技術分野に関する。詳しくは、光源から出射された光を反射する複数の反射部材の一部を重ね合わせることにより外部からの収納ケースの内部への塵埃等の異物の侵入を防止して画質の劣化を防止する技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
冷陰極蛍光ランプ(CCFL:Cold Cathode Fluorescent Lamp)等の蛍光ランプを用いて照明を行う面光源装置がある。面光源装置は、例えば、光源を直接照明として利用し照明機器として使用されたり、光源をバックライト照明として利用しテレビジョン受像器等の画像表示装置に使用される。
【0003】
このような画像表示装置にあっては、画像を表示する液晶パネル等の表示パネルの背面側に面光源装置が配置されている。面光源装置には、例えば、表示パネル側に開口された収納ケースに所要の各部が配置されて成り、表示パネルの背面に対向して配置された拡散部材(拡散板)と該拡散部材の背面側に配置された反射部材とを備え、拡散部材と反射部材との間にバックライト照明として蛍光ランプが配置されたものがある。
【0004】
面光源装置において、蛍光ランプからバックライトとしての光が出射されると、出射された光は拡散板によって拡散されて表示パネルへ向けて照射される。このとき蛍光ランプから反射部材側へも光が出射されるが、反射部材側へ出射された光は反射部材によって反射されて拡散板に入射され、該拡散板によって拡散されて表示パネルへ向けて照射される。
【0005】
従って、蛍光ランプから反射部材側へ出射された光も表示パネルを照射する光として用いられ、反射部材を用いることにより蛍光ランプから出射された光の利用効率の向上を図ることができる。
【0006】
従来の画像表示装置には、表示パネル側に開口された収納ケースを樹脂材料によって形成し、該収納ケースの底面部を上記反射部材と同様の機能を有する反射部として設けたものが存在する(例えば、特許文献1参照)。このような画像表示装置においては、反射部が成形精度の高い樹脂材料によって形成されるため、反射部の良好な機能を確保することができる。
【0007】
しかしながら、画像表示装置は、近年、表示パネルが大型化される傾向にあり、表示パネルの大型化に伴って反射部も大型となってしまい、例えば、蛍光ランプから光が出射されたときの温度の変化時や高温下又は低温下での使用時において、樹脂材料によって形成された反射部が大型であるために、温度条件の変化による膨張又は収縮によって生じる反射部の変形量が大きくなってしまう。特に、収納ケースの一部を反射部として一体に形成しているため、収納ケースに及ぼされる熱的影響が直接反射部に及び、膨張又は収縮による反射部の変形量が大きくなるおそれがある。
【0008】
反射部の膨張又は収縮による変形量が大きくなってしまうと、蛍光ランプに対する反射部の位置が大きく変化してしまい、蛍光ランプから出射され反射部で反射される光が必要とされる方向に反射され難くなり、面光源装置の機能性の低下を来たすおそれがある。
【0009】
そこで、従来の画像表示装置には、反射部材を収納ケースとは異なる材料によって各蛍光ランプ毎にそれぞれ形成し、これらの複数の反射部材を隣接して配置し、反射部材の膨張又は収縮による変形量を低減して面光源装置の機能性の低下を防止するようにしたものがある(例えば、特許文献2参照)。
【0010】
【特許文献1】特許3205373号公報
【特許文献2】特開平1−267690号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、面光源装置の収納ケースには、一般に、回路基板等の各部材を取り付けるための複数の取付孔が形成されており、外部から収納ケースの内部に取付孔を介して塵埃等の異物が侵入するおそれがある。
【0012】
ところが、上記した特許文献2に記載された画像表示装置にあっては、複数の反射部材を隣接して配置しているため、隣接する反射部材間に隙間が生じていると、外部から収納ケースの内部に侵入した塵埃等の異物が拡散部材や蛍光ランプに付着して拡散部材や蛍光ランプの特性に悪影響を及ぼし、表示パネルに表示される画像の品質の低下を来たすおそれがある。
【0013】
特に、隣接する反射部材間に生じ得る隙間は、温度変化による反射部材の膨張及び収縮により大きくなる可能性があり、このような温度変化が生じたときには画質の低下が顕著に生じるおそれがある。
【0014】
そこで、本発明面光源装置及び画像表示装置は、上記した問題点を克服し、外部からの収納ケースの内部への塵埃等の異物の侵入を防止して画質の劣化を防止することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
面光源装置は、上記した課題を解決するために、光源として用いられ所定の方向に長い円筒状に形成された蛍光ランプと、上記蛍光ランプから出射された光を拡散する拡散部材と、上記蛍光ランプを挟んで上記拡散部材の反対側に配置されると共に樹脂材料によって形成され上記蛍光ランプから出射された光を反射する複数の反射部材と、内部に上記蛍光ランプと上記拡散部材と上記複数の反射部材を収納し所定の部材を取り付けるための取付孔を有する収納ケースとを設け、上記複数の反射部材を上記収納ケースの内部において隣接して配置させることにより反射ユニットを構成し、上記反射部材に、上記蛍光ランプが挿入され該蛍光ランプの挿入方向に開口し上記蛍光ランプの長手方向に延びる凹状に形成された凹状部と、該凹状部の外周部に連続し隣接する上記反射部材の一部と重ね合わされるオーバーラップ部とを設け、隣接する反射部材の凹状部間に間隙を形成したものである。
【0016】
従って、面光源装置にあっては、オーバーラップ部によって隣接する反射部材との接触状態が確保される。
【0017】
上記面光源装置にあっては、収納ケースの内部への塵埃等の異物の侵入を防止するために、上記収納ケースの内部における上記反射ユニットを挟んで上記拡散部材の反対側の位置に、上記取付孔を閉塞する防塵フィルムを配置することが可能である。
【0018】
また、上記反射部材に、上記凹状部から上記挿入方向へ突出され上記蛍光ランプを挟持する一対のランプ保持突部を設けることが可能である。
【0019】
さらに、上記反射部材の上記一対のランプ保持突部における互いに対向する面に、それぞれ上記蛍光ランプの外周面と点接触される接触保持部を設けて反射部材と蛍光ランプとの間の熱の移動を行い難くすることが望ましい。
【0020】
また、上記反射部材の上記一対のランプ保持突部の間に、上記凹状部から上記挿入方向へ突出され上記蛍光ランプの外周面と点接触される接触突部を設け、蛍光ランプを一対の接触保持部と接触突部によって点接触した状態で保持することが好ましい。
【0021】
画像表示装置は、上記した課題を解決するために、画像を表示するための表示パネルと、光源として用いられ所定の方向に長い円筒状に形成された蛍光ランプと、上記蛍光ランプから出射された光を拡散する拡散部材と、上記蛍光ランプを挟んで上記拡散部材の反対側に配置されると共に樹脂材料によって形成され上記蛍光ランプから出射された光を反射する複数の反射部材と、内部に上記蛍光ランプと上記拡散部材と上記複数の反射部材を収納し所定の部材を取り付けるための取付孔を有する収納ケースとを設け、上記複数の反射部材が上記収納ケースの内部において隣接して配置させることにより反射ユニットを構成し、上記反射部材に、上記蛍光ランプが挿入され該蛍光ランプの挿入方向に開口し上記蛍光ランプの長手方向に延びる凹状に形成された凹状部と、該凹状部の外周部に連続し隣接する上記反射部材の一部と重ね合わされるオーバーラップ部とを設け、隣接する反射部材の凹状部間に間隙を形成したものである。
【0022】
従って、画像表示装置にあっては、オーバーラップ部によって隣接する反射部材との接触状態が確保される。
【発明の効果】
【0023】
本発明面光源装置は、光源として用いられ所定の方向に長い円筒状に形成された蛍光ランプと、上記蛍光ランプから出射された光を拡散する拡散部材と、上記蛍光ランプを挟んで上記拡散部材の反対側に配置されると共に樹脂材料によって形成され上記蛍光ランプから出射された光を反射する複数の反射部材と、内部に上記蛍光ランプと上記拡散部材と上記複数の反射部材を収納し所定の部材を取り付けるための取付孔を有する収納ケースとを備え、上記複数の反射部材が上記収納ケースの内部において隣接して配置されることにより反射ユニットが構成され、上記反射部材に、上記蛍光ランプが挿入され該蛍光ランプの挿入方向に開口し上記蛍光ランプの長手方向に延びる凹状に形成された凹状部と、該凹状部の外周部に連続し隣接する上記反射部材の一部と重ね合わされるオーバーラップ部とを設け、隣接する反射部材の凹状部間に間隙を形成したことを特徴とする。
【0024】
従って、収納ケースに形成された取付孔を介して塵埃等の異物が収納ケースの内部に侵入してしまった場合においても、塵埃等の異物が反射ユニットより拡散部材側へ侵入して拡散部材や蛍光ランプに付着することがなく、これらの各部の機能性の低下が防止され、表示パネルに表示される画像の品質の低下を防止することができる。
【0025】
請求項2に記載した発明にあっては、上記収納ケースの内部における上記反射ユニットを挟んで上記拡散部材の反対側の位置に、上記取付孔を閉塞する防塵フィルムを配置したので、取付孔からの収納ケースの内部への塵埃等の異物の侵入を防止することができる。
【0026】
請求項3に記載した発明にあっては、上記反射部材に、上記凹状部から上記挿入方向へ突出され上記蛍光ランプを挟持する一対のランプ保持突部を設けたので、蛍光ランプを反射部材によって保持することにより、蛍光ランプの反射部材に対する位置決めを正確に行うことができ、面光源装置の機能性の向上を図ることができる。
【0027】
請求項4に記載した発明にあっては、上記反射部材の上記一対のランプ保持突部における互いに対向する面に、それぞれ上記蛍光ランプの外周面と点接触される接触保持部を設けたので、蛍光ランプと反射部材の間での熱伝達が行われ難く、光の出射時における蛍光ランプの温度低下が抑制されて蛍光ランプの良好な機能を確保することができると共に反射部材の温度上昇が抑制されて該反射部材の熱膨張による変形量を低減することができる。
【0028】
請求項5に記載した発明にあっては、上記反射部材の上記一対のランプ保持突部の間に、上記凹状部から上記挿入方向へ突出され上記蛍光ランプの外周面と点接触される接触突部を設けたので、蛍光ランプと反射部材の間での熱伝達が行われ難く、光の出射時における蛍光ランプの温度低下が抑制されて蛍光ランプの良好な機能を確保することができると共に反射部材の温度上昇が抑制されて該反射部材の熱膨張による変形量を低減することができる。
【0029】
本発明画像表示装置は、画像を表示するための表示パネルと、光源として用いられ所定の方向に長い円筒状に形成された蛍光ランプと、上記蛍光ランプから出射された光を拡散する拡散部材と、上記蛍光ランプを挟んで上記拡散部材の反対側に配置されると共に樹脂材料によって形成され上記蛍光ランプから出射された光を反射する複数の反射部材と、内部に上記蛍光ランプと上記拡散部材と上記複数の反射部材を収納し所定の部材を取り付けるための取付孔を有する収納ケースとを備え、上記複数の反射部材が上記収納ケースの内部において隣接して配置されることにより反射ユニットが構成され、上記反射部材に、上記蛍光ランプが挿入され該蛍光ランプの挿入方向に開口し上記蛍光ランプの長手方向に延びる凹状に形成された凹状部と、該凹状部の外周部に連続し隣接する上記反射部材の一部と重ね合わされるオーバーラップ部とを設け、隣接する反射部材の凹状部間に間隙を形成したことを特徴とする。
【0030】
従って、収納ケースに形成された取付孔を介して塵埃等の異物が収納ケースの内部に侵入してしまった場合においても、塵埃等の異物が反射ユニットより拡散部材側へ侵入して拡散部材や蛍光ランプに付着することがなく、これらの各部の機能性の低下が防止され、表示パネルに表示される画像の品質の低下を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下に、本発明面光源装置及び画像表示装置を実施するための最良の形態を添付図面に従って説明する。
【0032】
以下に示した最良の形態は、本発明画像表示装置を、液晶パネルに画像を表示するテレビジョン受像器に適用したものであり、本発明面光源装置を、このテレビジョン受像器に備えられた面光源装置に適用したものである。
【0033】
尚、本発明の適用範囲は液晶パネルを有するテレビジョン受像器及びこれに備えられた面光源装置に限られることはなく、他の各種のテレビジョン受像器、パーソナルコンピューターに用いられる画像表示装置等やこれらに用いられる各種の面光源装置に広く適用することができる。
【0034】
画像表示装置(テレビジョン受像器)1は図示しない外筐の内部に所要の各部が配置されて成る(図1参照)。
【0035】
外筐は前後に扁平な前方に開口された箱状に形成され、該開口を内側から閉塞する位置に画像を表示する表示パネル2が配置されている。表示パネル2は、例えば、透過型のカラー液晶パネルを前後から2枚の偏光板で挟み込むことにより構成され、アクティブマトリックス方式で駆動することによりフルカラー映像を表示する。
【0036】
表示パネル2には、例えば、その下側に配置された駆動回路2aが接続されている。駆動回路2aは表示パネル2に対する駆動制御を行う回路である。
【0037】
外筐の内部には面光源装置3が配置されている。面光源装置3は収納ケース4に所要の各部が配置されて成る。
【0038】
収納ケース4は、熱伝導性及び剛性の高い金属材料、例えば、鉄、アルミニウム、マグネシウム等によって前後に扁平な前方に開口された箱状に形成され、前後方向を向く底面部5と該底面部5の外周縁から前方へ突出された周面部6とから成る。
【0039】
収納ケース4の底面部5には縦横に等間隔に離隔して複数の保持孔5a、5a、・・・が形成されている。底面部5には取付孔5b、5b、・・・が形成されている。取付孔5b、5b、・・・は、例えば、回路部品等を取り付けるための孔である。
【0040】
収納ケース4の内部における左右両端部には、図示しない複数のランプソケットが設けられている。ランプソケットは後述する蛍光ランプを収納ケース4に取り付ける役割を果たす。
【0041】
収納ケース4の内部には防塵フィルム7、反射ユニット8、蛍光ランプ9、9、・・・及び拡散部材10が順に後方側から配置され、該拡散部材10が表示パネル2に対向して位置されている。
【0042】
防塵フィルム7は取付孔5b、5b、・・・からの収納ケース4の内部への塵埃等の異物の侵入を防止する機能を有する。
【0043】
防塵フィルム7は、例えば、収納ケース4の底面部5の全面を覆う形状及び大きさに形成され、保持孔5a、5a、・・・に対応した位置にそれぞれ挿入孔7a、7a、・・・を有している。従って、防塵フィルム7によって底面部5が前方から覆われた状態においては、底面部5に形成された取付孔5b、5b、・・・が閉塞され、保持孔5a、5a、・・・と挿入孔7a、7a、・・・がそれぞれ一致される。
【0044】
尚、防塵フィルム7は、例えば、取付孔5b、5b、・・・のみを閉塞する形状としてもよいが、収納ケース4に対する配置の容易化を確保するためには、上記したように、防塵フィルム7を底面部5の全体を覆う形状及び大きさに形成することが望ましい。
【0045】
反射ユニット8は複数の反射部材11、11、・・・が組み合わされて成る。
【0046】
反射部材11は、耐熱性の高いフィルム状の樹脂材料によって所定の形状に形成されて成り、熱プレス、真空成形、圧空成形等によって形成される。耐熱性の高いフィルム状の樹脂材料としては、例えば、酸化チタンを含有するポリカーボネートフィルム等が用いられる。また、反射部材11は、蛍光ランプ9、9、・・・から出射された光を表示パネル2へ向けて反射する機能を有し、蛍光ランプ9、9、・・・から出射された光の利用効率の向上を図るために90%以上の反射率を有することが望ましい。
【0047】
反射部材11は、図2に示すように、前方に開口され左右に延びる凹状部12と該凹状部の外周部に連続して設けられたオーバーラップ部13、14、15、16とを有している。
【0048】
凹状部12は、横断面形状が略U字状に形成されたベース部17と、該ベース部17の右側縁から内側斜め右方へ張り出されたU字状を為す段差部18とから成る。凹状部12は、例えば、上側の前縁12aが下側の前縁12bより僅かに後方に位置されている。
【0049】
オーバーラップ部13は凹状部12の右側に連続して設けられ、段差部18の内周縁から右方へ突出され、横断面形状が略U字状に形成されている。
【0050】
オーバーラップ部14は凹状部12の左側に連続して設けられ、ベース部17の左端に連続されている。オーバーラップ部14は横断面形状及びその大きさが、凹状部12の横断面形状及びその大きさと同じにされている。
【0051】
オーバーラップ部15は凹状部12の上側、オーバーラップ部13の上側及びオーバーラップ部14の上側にそれぞれ連続して設けられている。オーバーラップ部15は、ベース部17の上側の前縁及びオーバーラップ部14の上側の前縁から上方へ突出された延設部15aと、段差部18の上側の前縁から上方へ突出された傾斜部15bと、オーバーラップ部13の上側の前縁から上方へ突出された小片部15cとから成る。
【0052】
オーバーラップ部16は凹状部12の下側、オーバーラップ部13の下側及びオーバーラップ部14の下側にそれぞれ連続して設けられている。オーバーラップ部16は、ベース部17の下側の前縁及びオーバーラップ部14の下側の前縁から下方へ突出された延設部16aと、段差部18の下側の前縁から下方へ突出された傾斜部16bと、オーバーラップ部13の下側の前縁から下方へ突出された小片部16cとから成る。
【0053】
オーバーラップ部15の延設部15aと傾斜部15bと小片部15cは、それぞれオーバーラップ部16の延設部16aと傾斜部16bと小片部16cより、例えば、僅かに後方に位置されている。また、オーバーラップ部15、16の延設部15a、16aは、それぞれオーバーラップ部15、16の小片部15c、16cより後方に位置されている。
【0054】
反射部材11には、凹状部12の外周面から後方へ突出された被取付ピン19が設けられている。被取付ピン19は凹状部12の略中央部に設けられている。
【0055】
反射部材11、11、・・・はそれぞれ収納ケース4の底面部5に取り付けられて左右方向及び上下方向に隣接して配置される(図3乃至図6参照)。
【0056】
反射部材11、11、・・・はそれぞれ被取付ピン19、19、・・・が防塵フィルム7に形成された挿通孔7a、7a、・・・を及び収納ケース4の底面部5に形成された保持孔5a、5a、・・・に順に挿入される。底面部5に形成された保持孔5a、5a、・・・にそれぞれ挿入された被取付ピン19、19、・・・は、各先端部が底面部5の後方へ突出され、例えば、この先端部が熱カシメされて反射部材11、11、・・・が収納ケース4に固定される(図5参照)。
【0057】
反射部材11、11が上下方向に隣接して配置された状態においては、図5に示すように、オーバーラップ部15にオーバーラップ部16が重ね合わされる。このときオーバーラップ部15の延設部15aと傾斜部15bと小片部15cには、それぞれオーバーラップ部16の延設部16aと傾斜部16bと小片部16cが重ね合わされる。
【0058】
反射部材11、11が上下方向に隣接して配置された状態においては、上下に位置された凹状部12、12間に所定の大きさの間隙20が形成される。間隙20の大きさは、上下に位置する反射部材11、11が温度変化によって膨張又は収縮したときに、オーバーラップ部15とオーバーラップ部16の重なりが外れない大きさにされている。
【0059】
反射部材11、11が左右方向に隣接して配置された状態においては、図6に示すように、オーバーラップ部14にオーバーラップ部13が重ね合わされる。
【0060】
反射部材11、11が左右方向に隣接して配置された状態においては、左右に位置された凹状部12、12間に所定の大きさの間隙21が形成される。間隙21の大きさは、左右に位置する反射部材11、11が温度変化によって膨張又は収縮したときに、オーバーラップ部13とオーバーラップ部14の重なりが外れない大きさにされている。
【0061】
反射部材11、11が、上記のように、上下左右においてオーバーラップ部13、14、15、16が重ね合わされた状態で隣接して配置されることにより反射ユニット8が構成される(図1参照)。
【0062】
反射ユニット8は外形が収納ケース4の底面部5と略同じ大きさに形成され、収納ケース4に配置された防塵フィルム7を前方から押さえるようにして収納ケース4の内部に配置される。
【0063】
反射ユニット8が収納ケース4の内部に配置された状態において、収納ケース4の周面部6の内面側には反射ユニット8の外周部を覆う図示しない覆い部材が配置される。従って、収納ケース4の周面部6と反射ユニット8の外周部との間に隙間が生じていても、この隙間が覆い部材によって閉塞される。
【0064】
蛍光ランプ9、9、・・・は、例えば、冷陰極蛍光ランプであり、長い円筒状に形成され、長手方向が左右となる向きで収納ケース4の内部に配置される。蛍光ランプ9、9、・・・は上下に等間隔に離隔して配置され、長手方向における両端部が収納ケース4の内部に設けられたランプソケットにそれぞれ保持される。
【0065】
収納ケース4の内部に配置された蛍光ランプ9は、左右で組み合わされた反射部材11、11、11に挿入された状態で位置される。反射部材11、11、11に挿入された蛍光ランプ9は反射部材11、11、11と接触されておらず、図5に示すように、蛍光ランプ9の外周面と凹状部12、12、12の内周面との距離が略一定とされている。従って、蛍光ランプ9、9、・・・に生じる熱が反射ユニット8に伝達し難いため、その分、蛍光ランプ9、9、・・・の光学特性の劣化を抑制することができると共に反射ユニット8の温度変化による膨張及び収縮を抑制することができる。
【0066】
拡散部材10は板状又はシート状に形成され、蛍光ランプ9、9、・・・を前方から覆うようにして収納ケース4の内部に配置される。拡散部材10は、蛍光ランプ9、9、・・・から出射された光を拡散し、表示パネル2へ向かう光の量が該表示パネル2の面内で均一化されるようにする機能を有する。
【0067】
拡散部材10は収納ケース4の内部に配置された状態において、その前方に位置された表示パネル2に対向して位置される。
【0068】
以上のように構成された画像表示装置1において、蛍光ランプ9、9、・・・からバックライトとしての光が出射されると、出射された光は拡散部材10によって拡散されて表示パネル2へ向けて照射される。このとき蛍光ランプ9、9、・・・から反射ユニット8側へも光が出射されるが、反射ユニット8側へ出射された光は該反射ユニット8によって反射されて拡散部材10に入射され、該拡散部材10によって拡散されて表示パネル2へ向けて照射される。
【0069】
同時に、駆動回路2aによる表示パネル2の駆動によって該表示パネル2に画像が表示され、画像の表示が行われている表示パネル2に、上記したように、蛍光ランプ9、9、・・・から出射された光が背面側から照射される。
【0070】
上記した画像の表示時には、蛍光ランプ9、9、・・・から光が出射されたときの発熱等により面光源装置3に温度上昇が生じ、反射ユニット8の各反射部材11、11が膨張されるが、反射ユニット8にあっては、隣接する反射部材11、11、・・・のオーバーラップ部13、14、15、16が重ね合わされた状態とされているため、隣接する反射部材11、11、・・・が熱膨張により前後上下左右へ変位した場合においても、隣接する反射部材11、11、・・・の変位に応じてオーバーラップ部13、14、15、16が摺動され、隣接する反射部材11、11、・・・間に隙間が生じることがない。
【0071】
また、画像の表示が終了し、蛍光ランプ9、9、・・・からの光の出射が終了したときには面光源装置3に温度低下が生じ、反射ユニット8の各反射部材11、11が収縮されて前後上下左右へ変位されるが、この場合においても、隣接する反射部材11、11、・・・の変位に応じてオーバーラップ部13、14、15、16が摺動され、隣接する反射部材11、11、・・・間に隙間が生じることがない。
【0072】
従って、収納ケース4の底面部5に形成された取付孔5b、5b、・・・を介して塵埃等の異物が収納ケース4の内部に侵入してしまった場合においても、塵埃等の異物が反射ユニット8の前面側へ侵入して拡散部材10や蛍光ランプ9、9、・・・に付着することがなく、これらの各部の機能性の低下が防止され、表示パネル2に表示される画像の品質の低下を防止することができる。
【0073】
また、収納ケース4の内部には、底面部5に形成された取付孔5b、5b、・・・を覆う防塵フィルム7が配置されているため、取付孔5b、5b、・・・からの収納ケース4の内部への塵埃等の異物の侵入を防止することができる。
【0074】
さらに、上記したように、蛍光ランプ9、9、・・・からの光の出射時に反射部材11、11、・・・間に隙間が生じないため、蛍光ランプ9、9、・・・から出射された光が反射ユニット8の後方側へ漏れ光として達することを防止することができ、光の利用効率の向上を図ることができる。
【0075】
以下に、反射部材の変形例について説明する(図7及び図8参照)。尚、以下に示す変形例に係る反射部材11Aは、上記した反射部材11と比較して、凹状部に前方へ向けて突出された複数の突部が設けられていることのみが相違するため、反射部材11Aと比較して異なる部分についてのみ詳細に説明をし、その他の部分については反射部材11における同様の部分に付した符号と同じ符号を付して簡単に説明する。
【0076】
変形例に係る反射部材11Aは、耐熱性の高いフィルム状の樹脂材料によって所定の形状に形成されて成り、熱プレス、真空成形、圧空成形等によって形成される。耐熱性の高いフィルム状の樹脂材料としては、例えば、酸化チタンを含有するポリカーボネートフィルム等が用いられる。反射部材11Aは、蛍光ランプ9、9、・・・から出射された光を表示パネル2へ向けて反射する機能を有し、蛍光ランプ9、9、・・・から出射された光の利用効率の向上を図るために90%以上の反射率を有することが望ましい。
【0077】
反射部材11Aは、図7に示すように、前方に開口され上下に延びる凹状部12と該凹状部12の外周部に連続して設けられたオーバーラップ部13、14、15、16とを有している。
【0078】
凹状部12の内面からは前方へ向けて一対のランプ保持突部22、22が上下に離隔して突出されている。ランプ保持突部22、22は凹状部12の略中央部から突出され、例えば、角柱状に形成されている。
【0079】
ランプ保持突部22の互いに対向する面22a、22aには、それぞれ前後に延びる接触保持部23、23が設けられている。接触保持部23、23は互いに近付く方向へ突出され、横断面形状が半円状に形成されている。
【0080】
凹状部12の内面には、一対のランプ保持突部22、22間に、前方へ向けて突出された接触突部24が設けられている。接触突部24は半球状に形成されている。
【0081】
以上のように構成された反射部材11Aにおいて、蛍光ランプ9は一対のランプ保持突部22、22間に圧入により挿入され、外周面が一対のランプ保持突部22、22によって挟持されて反射部材11Aに保持される。蛍光ランプ9が反射部材11Aに保持された状態においては、一対のランプ保持突部22、22の接触保持部23、23と接触突部24が蛍光ランプ9の外周面に点接触される(図8参照)。
【0082】
上記のように蛍光ランプ9、9、・・・を反射部材11A、11A、・・・によって保持することにより、蛍光ランプ9、9、・・・の反射部材11A、11A、・・・に対する位置決めを正確に行うことができ、面光源装置3の機能性の向上を図ることができる。
【0083】
また、一対のランプ保持突部22、22の互いに対向する面22a、22aに、それぞれ蛍光ランプ9の外周面と点接触される接触保持部23、23を設けているため、蛍光ランプ9と反射部材11Aの間での熱伝達が行われ難く、光の出射時における蛍光ランプ9の温度低下が抑制されて蛍光ランプ9の良好な機能を確保することができると共に反射部材11Aの温度上昇が抑制されて該反射部材11Aの熱膨張による変形量を低減することができる。
【0084】
さらに、反射部材11Aに蛍光ランプ9の外周面と点接触される接触突部24を設けているため、蛍光ランプ9と反射部材11Aの間での熱伝達が行われ難く、光の出射時における蛍光ランプ9の温度低下が抑制されて蛍光ランプ9の良好な機能を確保することができると共に反射部材11Aの温度上昇が抑制されて該反射部材11Aの熱膨張による変形量を低減することができる。
【0085】
加えて、接触突部24は凹状部12に対する蛍光ランプ9の挿入方向(前後方向)における位置決めを行う機能を有しているため、接触突部24が設けられた反射部材11Aを用いることにより、蛍光ランプ9の反射部材11Aに対する位置決め精度の向上を図ることができる。
【0086】
尚、反射部材11Aには収納ケース4の底面部5に反射部材11Aを取り付けるための被取付ピン19が設けられていてもよく、この場合には反射部材11Aが被取付ピン19によって収納ケース4に取り付けられるため、収納ケース4の内部に蛍光ランプ9を保持するためのランプソケットを設ける必要がない。
【0087】
逆に、反射部材11Aに収納ケース4の底面部5に反射部材11Aを取り付けるための被取付ピン19を設けなくてもよく、この場合には蛍光ランプ9がランプソケット及び一対のランプ保持突部22、22によって収納ケース4に保持されるため、別に、反射部材11Aの収納ケース4に対する取付構造を必要としない。
【0088】
尚、上記には、収納ケース4を鉄、アルミニウム、マグネシウム等の金属材料によって形成した例を示したが、収納ケース4を金属材料によって形成することにより収納ケース4からの放熱性の向上を図ることができ、蛍光ランプ9の光の出射時における温度上昇を抑制することができる。
【0089】
また、収納ケース4を、例えば、ポリカーボネート等の樹脂材料によって形成した場合には、蛍光ランプ9、9、・・・から出射された光が収納ケース4を透過するおそれがあるが、上記のように、収納ケース4を金属材料によって形成することにより蛍光ランプ9、9、・・・から出射された光の収納ケース4の透過を防止することができる。
【0090】
尚、上記には、反射部材11又は反射部材11Aの凹状部12に1本の蛍光ランプ9を挿入して配置する例を示したが、一つの凹状部12に複数の蛍光ランプ9、9、・・・を挿入して配置することも可能である。このような構成とすることにより、部品点数の低減を図ることができる。
【0091】
上記した発明を実施するための最良の形態において示した各部の具体的な形状及び構造は、何れも本発明を実施する際の具体化のほんの一例を示したものにすぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】図2乃至図8と共に本発明を実施するための最良の形態を示すものであり、本図は画像表示装置を示す分解斜視図である。
【図2】反射部材の拡大斜視図である。
【図3】複数の反射部材が分離された状態を示す拡大斜視図である。
【図4】複数の反射部材が組み合わされた状態を示す拡大斜視図である。
【図5】反射部材の組み合わされた状態を示す拡大断面図である。
【図6】反射部材の組み合わされた状態を図5とは別の方向から見た状態で示す拡大断面図である。
【図7】変形例に係る反射部材を示す拡大斜視図である。
【図8】変形例に係る反射部材に蛍光ランプが保持された状態を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
【0093】
1…画像表示装置、2…表示パネル、3…面光源装置、4…収納ケース、5b…取付孔、7…防塵フィルム、8…反射ユニット、9…蛍光ランプ、10…拡散部材、11…反射部材、12…凹状部、13…オーバーラップ部、14…オーバーラップ部、15…オーバーラップ部、16…オーバーラップ部、20…間隙、21…間隙、11A…反射部材、22…ランプ保持突部、*22a…対向する面、23…接触保持部、24…接触突部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源として用いられ所定の方向に長い円筒状に形成された蛍光ランプと、
上記蛍光ランプから出射された光を拡散する拡散部材と、
上記蛍光ランプを挟んで上記拡散部材の反対側に配置されると共に樹脂材料によって形成され上記蛍光ランプから出射された光を反射する複数の反射部材と、
内部に上記蛍光ランプと上記拡散部材と上記複数の反射部材を収納し所定の部材を取り付けるための取付孔を有する収納ケースとを備え、
上記複数の反射部材が上記収納ケースの内部において隣接して配置されることにより反射ユニットが構成され、
上記反射部材に、上記蛍光ランプが挿入され該蛍光ランプの挿入方向に開口し上記蛍光ランプの長手方向に延びる凹状に形成された凹状部と、該凹状部の外周部に連続し隣接する上記反射部材の一部と重ね合わされるオーバーラップ部とを設け、
隣接する反射部材の凹状部間に間隙を形成した
ことを特徴とする面光源装置。
【請求項2】
上記収納ケースの内部における上記反射ユニットを挟んで上記拡散部材の反対側の位置に、上記取付孔を閉塞する防塵フィルムを配置した
ことを特徴とする請求項1に記載の面光源装置。
【請求項3】
上記反射部材に、上記凹状部から上記挿入方向へ突出され上記蛍光ランプを挟持する一対のランプ保持突部を設けた
ことを特徴とする請求項1に記載の面光源装置。
【請求項4】
上記反射部材の上記一対のランプ保持突部における互いに対向する面に、それぞれ上記蛍光ランプの外周面と点接触される接触保持部を設けた
ことを特徴とする請求項3に記載の面光源装置。
【請求項5】
上記反射部材の上記一対のランプ保持突部の間に、上記凹状部から上記挿入方向へ突出され上記蛍光ランプの外周面と点接触される接触突部を設けた
ことを特徴とする請求項4に記載の面光源装置。
【請求項6】
画像を表示するための表示パネルと、
光源として用いられ所定の方向に長い円筒状に形成された蛍光ランプと、
上記蛍光ランプから出射された光を拡散する拡散部材と、
上記蛍光ランプを挟んで上記拡散部材の反対側に配置されると共に樹脂材料によって形成され上記蛍光ランプから出射された光を反射する複数の反射部材と、
内部に上記蛍光ランプと上記拡散部材と上記複数の反射部材を収納し所定の部材を取り付けるための取付孔を有する収納ケースとを備え、
上記複数の反射部材が上記収納ケースの内部において隣接して配置されることにより反射ユニットが構成され、
上記反射部材に、上記蛍光ランプが挿入され該蛍光ランプの挿入方向に開口し上記蛍光ランプの長手方向に延びる凹状に形成された凹状部と、該凹状部の外周部に連続し隣接する上記反射部材の一部と重ね合わされるオーバーラップ部とを設け、
隣接する反射部材の凹状部間に間隙を形成した
ことを特徴とする画像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−117247(P2009−117247A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−291071(P2007−291071)
【出願日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】