説明

面状照明装置

【課題】広い出射面を有する導光板を、高い寸法精度を要することなく安定に保持することが可能なハウジングフレームを有する面状照明装置を提供する。
【解決手段】
面状照明装置10において、ハウジングフレーム14は、導光板13が搭載される第1の床部31を有する第1のフレーム11と、第1のフレーム13が搭載される第2の床部41を有する第2のフレーム12とを含み、第1のフレーム11は、一対の分割フレーム21a、21bを、互いの対向面が間隔d、dをおいて対向するように配置して構成され、一対の分割フレーム21a、21bに含まれる側壁34には、第2のフレーム12の側壁44、45との間で、一方の分割フレーム21a、21bを他方の分割フレーム21b、21aの方向に付勢するための弾性力を発生する、第1の弾性作用部50a、50bが設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サイドライト方式の面状照明装置に関し、特に、液晶表示装置の照明手段として用いられる面状照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、導光板の側端面に白色LED等の点状光源を備えたサイドライト方式の面状照明装置において、点状光源から発生する熱を効率的に放熱するために、導光板及び点状光源を金属製のフレームに収容し、点状光源を金属性のフレームに接触させることによりその放熱性を高めた面状照明装置が提案されている。
【0003】
このような面状照明装置では、点状光源からの熱が導光板に伝達されると、導光板の膨張により導光板と点状光源との位置ズレを誘発して、出射光の効率的な利用の妨げとなると共に面状照明装置の照明輝度の変動の要因となり、また、導光板がフレームに収容されている場合には、導光板とフレームとの熱膨張係数の違いにより導光板が変形するという不具合が発生する場合もあるといった問題があることが知られている。
そこで、本出願人は、先に、点状光源からの熱を効率良く放熱すると共に、導光板の伸縮を吸収して導光板と点状光源との結合を安定に保持することが可能な面状照明装置を提案した(特許文献1参照)。
【0004】
ここで、図6を参照して、特許文献1に記載された面状照明装置200の構成及び作用効果を説明すれば、次の通りである。
面状照明装置200は、導光板213と、導光板213の一側端面213aに配置された点状光源215と、それらを保持するフレーム211、212とを備えており、このフレーム211、212は、上面視略コ字状に形成された内枠部材212と、平板状の座部211e及び座部211eの外縁部に立設された側壁211a、211b、211c、211dを有する外枠部材211から構成されている。
【0005】
ここで、内枠部材212は、白色顔料として酸化チタンを混入したポリカーボネート樹脂等の白色樹脂により成形されてなるものであり、外枠部材211は、例えばアルミニウム等の高熱伝導性の金属材料により形成される。
【0006】
面状照明装置200において、導光板213は、内枠部材212に収容されて、内枠部材212と共に外枠部材211の座部211e上に載置されており、点状光源215は、導光板213の、内枠部材212の開放辺側の側端面(以下、入光面ともいう)213aに沿って配置されて、入光面213aと、入光面213aに対向する、外枠フレーム211の側壁211aとで挟持されている。
【0007】
そして、内枠部材212の構成する3辺の側壁のうち、底辺を構成する側壁212bには、外枠フレーム211の側壁211bと接触して弾性的に変形し、この変形によって、内枠部材212(したがって、内枠部材212に一体に収容された導光板213)を点状光源215側へ付勢する、一対の弾性作用部220が形成されている。
【0008】
弾性作用部220は、内枠部材212の側壁212bに、その延長方向と略平行に貫通孔223を設けることによって形成される弾性変形可能な薄肉状の梁部222と、梁部222の略中央から内枠部材212の外方に突出する突起部221とからなり、内枠部材212は、弾性作用部220の突起部221が外枠部材211の側壁211bに接触し、その梁部222が内枠部材212の内方に撓むように配置されている。これによって、内枠部材212の底辺212bには、弾性作用部220が側壁211bに及ぼす弾性力の反作用として、側壁211bから突起部221に対して抗力Fが作用することになる。
【0009】
以上のように構成された面状照明装置200では、抗力Fによって内枠部材212及び導光板213が点状光源215側に付勢されることにより、導光板213の入光面213aと外枠部材211の側壁211aとで挟持された点状光源215が、導光板213に対して良好かつ安定に結合され、かつ、熱伝導性の金属材料からなる側壁211aとの接触により効率的な放熱が実施されるものである。また、周囲温度の変動等によって、導光板213が膨張・収縮しても、その縦方向の伸縮は、弾性作用部220の梁部222の弾性変形により吸収される。
【0010】
さらに、面状照明装置200では、内枠部材212の相対向する2辺を構成する側壁212c、212dにも、弾性作用部220と同様の構成を有して、それぞれ外枠部材211の側壁211c、211dに接触して弾性変形する弾性作用部220’が形成されており、それぞれ、抗力F及びFによって、内枠部材212が外枠部材211に安定に保持されるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2006−309986号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
図6に示す面状照明装置200のようなサイドライト型の面状照明装置は、従来、携帯端末機器が備える表示装置のバックライトとして多用されてきたが、近年、車載用ディスプレイやタブレット端末の表示装置等の、携帯端末機器の表示装置よりも大きな表示領域を有する表示装置のバックライトとしての用途が拡大している。そして、サイドライト型の面状照明装置には、このような表示領域の拡大にともなって、次のような課題が生じてきている。
【0013】
まず、表示領域の拡大、ひいては、面状照明装置に使用する導光板の大型化にともなって、導光板を収納するフレームの樹脂成形部材を製作するための金型が大型化し、これによって金型の製造コストが増大する。
【0014】
また、導光板をフレームに高精度に位置決めし、かつ、安定に保持するためには、フレームに高い寸法精度が求められる。例えば、図6に示す面状照明装置200において、樹脂成形される内枠部材212に導光板213を安定に保持し、さらに、弾性作用部220’により内枠部材212と外枠部材211との間で所定の弾性力を発生して内枠部材212を外枠部材211に安定に保持するためには、内枠部材211の対向する一対の側壁212c、212dの内側面間の寸法L11(及び導光板213の対応箇所の寸法)、外側面間の寸法L12、及び、各側壁212c、212dに設けられた弾性作用部220’の突起部221の端面間の寸法L13(及び外枠部材211の対応箇所の寸法)に、高い寸法精度が求められる。しかしながら、表示領域が拡大してこれらの寸法L11、L12、L13が増大した場合、これらの寸法L11、L12、L13が増すにつれて、必要な精度を達成することが困難になっていく。
【0015】
さらに、面状照明装置では、その各構成要素に温度変化による膨張/収縮等の変形が生じる可能性がある。この点に関して、図6に示す面状照明装置200では、弾性作用部220、220’の弾性変形によって、このような変形に伴う寸法変化を吸収することが可能であり、弾性作用部220、220’は、温度変化に伴う各構成要素の変形に対応して導光板213及び光源215をフレーム211、212に安定に保持するために、一定の効果を奏するものである。しかしながら、表示領域の拡大に伴って各構成要素の外形(例えば上記の寸法L11、L12、L13等)が増大すれば、変形にともなうその寸法変化も増大するため、弾性作用部220’の弾性変形のみによってこのような寸法変化を吸収することが困難になる場合も生じ得る。
【0016】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、高い寸法精度を要することなく、比較的大型の導光板を安定に保持することが可能なハウジングフレームを有する面状照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
以下の発明の態様は、本発明の構成を例示するものであり、本発明の多様な構成の理解を容易にするために、項別けして説明するものである。各項は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、発明を実施するための最良の形態を参酌しつつ、各項の構成要素の一部を置換し、削除し、又は、さらに他の構成要素を付加したものについても、本願発明の技術的範囲に含まれ得るものである。
【0018】
(1)第1の光源と、該第1の光源が配置される側端面を有する板状の導光板と、前記第1の光源及び前記導光板を収納するハウジングフレームと、を備える面状照明装置において、前記ハウジングフレームは、前記導光板が搭載される第1の床部、及び、前記導光板の前記第1の光源が配置される側端面と交差して延び、互いに対向して起立する一対の第1の側壁を有する第1のフレームと、前記第1のフレームが搭載される第2の床部、及び、前記一対の第1の側壁とそれぞれ対向して延びる一対の第2の側壁を有する第2のフレームと、を含み、前記第1のフレームは、前記一対の第1の側壁をそれぞれ含む一対の分割フレームを、互いの対向面が間隔をおいて対向するように配置して構成され、前記一対の第1の側壁の少なくとも一方には、第1の弾性作用部が設けられており、前記第1の弾性作用部は、当該第1の弾性作用部が設けられた前記第1の側壁と対向する前記第2の側壁との間で、当該第1の弾性作用部が設けられた前記第1の側壁を有する前記分割フレームを、他方の前記分割フレームの方向に付勢するための弾性力を発生させることを特徴とする面状照明装置(請求項1)。
【0019】
本項に記載の面状照明装置によれば、第1のフレームが一対の分割フレームからなり、一対の分割フレームは、それぞれ一対の第1の側壁のそれぞれを含み、かつ、互いの対向面が間隔を置いて対向するように配置されるとともに、一対の第1の側壁の少なくとも一方には、第1の弾性作用部が設けられており、第1の弾性作用部が、その第1の弾性作用部が設けられた第1の側壁と対向する第2の側壁との間で、その第1の弾性作用部が設けられた第1の側壁を含む分割フレームを、他方の分割フレームの方向に付勢させるための弾性力を発生させることによって、導光板、第1のフレーム、及び第2のフレームの各構成要素について、一対の第1の側壁に交差する方向の寸法にばらつきがあった場合でも、それらのばらつきは、面状照明装置の組立状態において、第1の弾性作用部の弾性変形と、一対の分割フレームの互いに対向する端面の間の間隔の変動によって吸収されるため、面状照明装置の各構成要素の一対の第1の側壁に交差する方向の寸法に対して、高い寸法精度を要することなく、導光板をハウジングフレームに安定に保持することが可能となる。
【0020】
さらに、本項に記載の面状照明装置では、このように、第1の弾性作用部の弾性変形だけでなく、一対の分割フレームの対向面の間の間隔の変動による寸法の調整機構も備えているため、例えば温度変化等によって、導光板、第1のフレーム、及び第2のフレーム等の構成要素に変形が生じた場合でも、その変形に伴う寸法変化を、第1の弾性作用部の弾性変形とともに、一対の分割フレームの対向面の間の間隔の変動によって吸収し、導光板をハウジングフレームに安定に保持し続けることが可能となる。
【0021】
(2)(1)項に記載の面状照明装置において、前記第1の床部には、前記第1のフレームを前記第1の光源方向に付勢するための弾性力を、前記第2の床部との間で発生させる第2の弾性作用部が設けられていることを特徴とする面状照明装置(請求項2)。
【0022】
本項に記載の面状照明装置によれば、第1のフレームの第1の床部に搭載される導光板と第1の光源との光学的結合を安定に保持し、面状照明装置の高輝度化および輝度の安定化を達成することが可能となる。
【0023】
また、本項に記載の面状照明装置では、第1のフレームが、導光板が搭載される第1の床部を有しており、第2のフレームの第2の床部との間で導光板を第1の光源方向に付勢するための弾性力を発生させる弾性作用部が、第1の床部に設けられていることにより、第1のフレームの、第1の光源が配置される側端面とは反対側の縁部に側壁を設け、その側壁に同様の機能を有する弾性作用部を設けた従来の面状照明装置と比較して、その側壁を薄肉化するか、または、その側壁を設けることなく第1のフレームを形成することが可能となる。
【0024】
これによって、与えられた第2のフレームの外形に対して、導光板の第1の光源が配置される側端面に略直交する方向の寸法を増大させることなく、第1のフレーム上により広い出射面積を有する導光板を搭載することが可能となり、ひいては、面状照明装置の装置外形を小型に維持しつつ、照明領域を拡大することが可能となる。
【0025】
(3)(1)または(2)項に記載の面状照明装置において、前記一対の分割フレームは、互いに同一形状であることを特徴とする面状照明装置(請求項3)。
【0026】
本項に記載の面状照明装置によれば、一対の分割フレームが互いに同一形状であることにより、第1のフレームを樹脂成形によって製作する場合、第1のフレームを一体の部材として成形する場合と比較して、成形のための金型を小型化することができるため、金型の製造コストを低減させることが可能となる。また、一対の分割フレームのそれぞれの形状が異なる場合と比較して、成形のための金型を1種類とすることができるため、金型の製造コスト及びその管理コストを低減させることが可能となるとともに、分割フレームの部材管理コストを低減させ、かつ、面状照明装置の組立性を向上せることが可能となる。
【0027】
(4)(3)項に記載の面状照明装置において、前記第2の弾性作用部は、一対の単位作用部を対向配置させてなり、前記第2の床部には、前記一対の単位作用部のいずれか一方と接触する係止部が形成されていることを特徴とする面状照明装置(請求項4)。
【0028】
(5)(4)項に記載の面状照明装置において、前記単位作用部は、前記第1のフレームと一体に形成された薄肉状の梁部と、該梁部から突出する突起部とを含み、該突起部が前記係止部に接触することを特徴とする面状照明装置(請求項5)。
【0029】
(6)(4)または(5)項に記載の面状照明装置において、前記係止部は、前記第2の床部を切り起こして形成されていることを特徴とする面状照明装置(請求項6)。
【0030】
(4)〜(6)項に記載の面状照明装置によれば、容易かつ安価に形成可能な第2の弾性作用部及び係止部を用いて、導光板を第1の光源方向に付勢するための弾性力を発生させることが可能となる。
【0031】
(7)(3)〜(6)のいずれか1項に記載の面状照明装置において、前記一対の分割フレームの互いに対向する端面のそれぞれは、前記端面の長手方向に沿って偶数個の領域に分割されており、それぞれの前記領域には、前記端面の短手方向の一部に、前記端面から突出する凸部及び前記端面から窪む凹部のいずれか一方が、前記一対の分割フレームを互いの前記端面を対向させて配置したときに、前記凸部と凹部が相補的な形状となるように形成されていることを特徴とする面状照明装置(請求項7)。
【0032】
本項に記載の面状照明装置によれば、一対の分割フレームを、互いに対向する端面に形成された相補的な凹凸形状を組み合わせて配置することにより、第1のフレームに必要な構造強度を確保しつつ、一対の分割フレームの、互いの対向面を間隔を置いて対向させた配置を達成することが可能となる。
【0033】
また、本項に記載の面状照明装置では、一対の分割フレームを、互いに対向する端面に形成された相補的な凹凸形状を組み合わせて配置することにより、一対の分割フレームの間に厚み方向に貫通する隙間を生じさせることなく、または、上記隙間の大きさを最小限に留めて、一対の分割フレームの、互いの端面を間隔を置いて対向させた配置を達成することが可能となるため、導光板から上記隙間を通じて第2のフレーム側(すなわち、装置の裏面側)へ漏れる光を低減し、光の利用効率を向上させるとともに、導光板の出射面から出射する光の均一性を向上させることができる。
【0034】
(8)(1)〜(7)項に記載の面状照明装置において、前記導光板の前記第1の光源が配置される側端面と対向する側端面に、第2の光源が配置されていることを特徴とする面状照明装置(請求項8)。
【発明の効果】
【0035】
本発明は、このように構成したため、安価に製造可能であって、かつ、高い寸法精度を要することなく、比較的大型の導光板を安定に保持することが可能なハウジングフレームを有する面状照明装置を提供することが可能となる。
【0036】
また、本発明に係る面状照明装置は、薄型であるサイドライト型の面状照明装置の特徴を維持しつつ、広い出射面を有する導光板を使用することを可能とするものであるため、車載用ディスプレイやタブレット端末の表示装置等の、薄型であってかつ比較的大きな表示領域を有する表示装置のバックライトとして、有利に適用されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の第1の実施形態における面状照明装置の要部を示す上面図である。
【図2】図1に示す面状照明装置の第1のフレームを示す図であり、(a)は上面図、(b)は、(a)のB−B断面図、(c)は、(a)のC−C断面図である。
【図3】図1に示す面状照明装置の第2のフレームを示す図であり、(a)は部分上面図、(b)は、(a)のB−B断面図である。
【図4】(a)及び(b)は、図1に示す面状照明装置において、第1及び第2の弾性作用部を、それぞれ模式的に示す上面図である。
【図5】(a)及び(b)は、本発明の第1の実施形態における面状照明装置において、第1の弾性作用部及び第2の弾性作用部の別の例の態様を、それぞれ模式的に示す上面図である。
【図6】従来の面状照明装置の構成例を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。尚、面状照明装置の全体または部分を示す各図は、説明のために特徴を強調して示す模式図であって、図示された各部分の相対的な寸法は、必ずしも実際の縮尺を反映するものではない。
【0039】
図1〜図3を参照して、本発明の一実施形態における面状照明装置10の構成について説明する。面状照明装置10は、導光板13と、導光板13の一側端面(以下、第1の入光面ともいう)13aに配置された第1の光源15と、第1の入光面13aに対向する側端面(以下、第2の入光面ともいう)13bに配置された第2の光源105と、導光板13、第1の光源15、及び第2の光源105を収納するハウジングフレーム14とを備えており、ハウジングフレーム14は、第1のフレーム11と、第1のフレーム11が搭載される第2のフレーム12を含む2重構造をなすものである。
【0040】
導光板13は、例えばアクリル樹脂やポリカーボネート樹脂等の透明樹脂を略矩形状に成形してなる板状の導光体であり、第1及び第2の入光面13a、13bから入射した光を、導光板13の内部へと伝播させつつ、一主面である光出射面13eから均一に出射させるものである。また、導光板13の第1の入光面13aには、複数の突起部16が設けられており、さらに、第1及び第2の入光面13a、13bに交差して延びる一対の側端面13c、13dには、それぞれ突起部17、17が設けられている。
【0041】
第1のフレーム11は、互いに同一の形状に形成された一対の分割フレーム21a、21bから構成される。それぞれの分割フレーム21a、21bは、例えば、白色顔料として酸化チタンを混入したポリカーボネート樹脂等の白色樹脂により成形されてなり、図2に示すように、上面視略矩形状に形成された床部31と、床部31の一端面側に設けられた側壁34とを有している。
【0042】
面状照明装置10において、一対の分割フレーム21a、21bは、それぞれの側壁34が設けられた側の端面とは反対側の端面72が互いに対向するように配置されるものであり、これによって、一対の分割フレーム21a、21bの床部31により、第1のフレーム11の、導光板13が搭載される第1の床部(同様に、符号31で示す)が構成される。
【0043】
導光板13は、第1及び第2の入光面13a、13bに交差して延びる2つの側端面13c、13dが、それぞれ一方の分割フレーム21aの側壁34及び他方の分割フレーム21bの側壁34に対向するように、第1の床部31上に搭載される。この配置により、一方の分割フレーム21aが有する側壁34と他方の分割フレーム21bが有する側壁34とは、第1のフレーム11において、導光板13の第1の入光面13a(及び第2の入光面13b)と交差して延び、互いに対向して起立する一対の第1の側壁(同様に、符号34で示す)を構成する。
【0044】
また、それぞれの分割フレーム21a、21bが有する一対の側壁34には、それぞれ凹部32が設けられており、導光板13の側端面13c、13dに設けられた突起部17、17は、それぞれ対応する側壁34の凹部32に収容され、その底面上に載置される。
【0045】
以下、説明の便宜のため、面状照明装置10の各構成要素に関して、面状照明装置10の組立状態において導光板13の第1の入光面13a側を前方、第2の入光面13b側を後方として、導光板13の第1及び第2の入光面13a、13bと直交する方向を前後方向という。同様に、導光板13の側端面13c側を左方、13d側を右方として、導光板13の第1及び第2の入光面13a、13bの長手方向を左右方向という。
【0046】
ここで、分割フレーム21a、21bにおいて、側壁34の床部31側の面(以下、内側面ともいう)から端面72までの寸法Lは、導光板13の左右方向の全長の2分の1よりも小さくなるように設定されている。したがって、一対の分割フレーム21a、21bを対向配置し、第1の床部31に導光板13を搭載した状態において、一対の分割フレーム21a、21bの互いの端面72は、間隔d(図1参照)をおいて対向することになる。
【0047】
さらに、面状照明装置10において、それぞれの分割フレーム21a、21bの互いに対向する端面72は、端面72の長手方向に沿って2つの領域A、Aに分割されており、一方の領域Aには、端面72の短手方向の一部(図2に示す例では、図2(b)において上側の半分)に、端面72から突出する凸部75が形成され、他方の領域Aには、端面72の短手方向の同様の一部に、端面72から窪む凹部71が形成されている。
【0048】
そして、一対の分割フレーム21a、21bは、一方の分割フレーム(例えば、21a)が、他方の分割フレーム(例えば、21b)に対して、分割フレーム21a、21bの前後方向の中心線c上の間隔dの中点を中心として、図2(a)の平面内で180°回転した状態で(言い換えれば、第1のフレーム11が、上記中点を対称の中心として点対称の形状を有する状態で)、互いに対向するように配置される。この所定の配置状態において、一対の分割フレーム21a、21bの凸部75及び凹部71は、互いに組み合う相補的な形状をなすものである。
【0049】
詳しくは、分割フレーム21a、21bにおいて、凸部75の突出量(例えば、側壁34の内側面から端面72までの寸法Lに対する、側壁34の内側面から凸部75の端面76までの寸法L)は、一対の分割フレーム21a、21bの所定の配置状態において、凸部75の先端側の部分が間隔dを越えて対向する端面72に形成された凹部71の底面73上に載置されるように、設定されている。
【0050】
さらに、この際、凹部71の窪み量(例えば、側壁34の内側面から端面72までの寸法Lに対する、側壁34の内側面から凹部71の段差面74までの寸法L)は、凹部71の段差面74と、凹部71の底面73に載置された凸部75の端面76とが、間隔d(図1参照)をおいて対向するように、設定されている。
【0051】
このように、面状照明装置10において、一対の分割フレーム21a、21bは、互いの凸部75の先端側の一部がそれぞれ他方の凹部71の底面73上に載置されるとともに、互いの対向面(すなわち、端面72、凸部75の端面76、及び凹部71の段差面74)が、間隔d、dをおいて対向するように配置される。
【0052】
尚、図1及び図2に示す例では、分割フレーム21a、21bの端面72のうち、凸部75が形成される領域Aの長さは、凹部71が形成される領域Aの長さよりも短くなるように設定されており、これによって、一対の分割フレーム21a、21bを所定の状態に配置したときに、一対の分割フレーム21a、21bの凸部75の間に、前後方向の間隔d(図1参照)も形成される。
【0053】
ここで、面状照明装置10において、それぞれの分割フレーム21a、21bの互いに対向する端面72は、2以上の偶数N個の領域に分割され、N/2個の凹部71とN/2個の凸部75が、相補的な形状となるように形成されているものであってもよい。
【0054】
そして、分割フレーム21a、21bの側壁34には、第1の弾性作用部50a、50bが形成され、床部31には、第2の弾性作用部60a、60bが形成されており、これらの第1及び第2の弾性作用部50a、50b、60a、60bの構成及び作用の詳細については、後述する。
【0055】
面状照明装置10において、第2のフレーム12は、例えばアルミニウム等の高熱伝導性の金属材料により形成され、平板状の床部(本実施形態における第2の床部)41と、絞り加工等により床部41の外縁部を囲むように立設された側壁42〜45とを有している。第1のフレーム11は、分割フレーム21aの側壁34が第2のフレーム12の側壁44に対向し、分割フレーム21bの側壁34が第2のフレーム12の側壁45に対向するように、第2のフレーム12の床部41上に搭載される。すなわち、面状照明装置10では、側壁44、45が、一対の第1の側壁34、34とそれぞれ対向して延びる一対の第2の側壁を構成する。
【0056】
後述するように、分割フレーム21aの第1の弾性作用部50a、50bは、第2のフレーム12の側壁44との間で、分割フレーム21aを分割フレーム21bの方向に付勢するための弾性力を発生し、分割フレーム21bの第1の弾性作用部50a、50bは、第2のフレーム12の側壁45との間で、分割フレーム21bを分割フレーム21aの方向に付勢するための弾性力を発生させるものである。
【0057】
また、第2のフレーム12の床部41には、床部41を切り起こすことにより複数(図示の例では4つ)の壁状の係止部46が形成されており、第1のフレーム11の第2の弾性作用部60a、60bは、後述するように、その一部を係止部46と接触させることにより、第2のフレーム12の床部41との間で、第1のフレーム11を第1の光源15方向に付勢するための弾性力を発生させるものである。
【0058】
尚、図1及び図3に示した例では、第2のフレーム12の側壁42〜45は、床部41を囲んで継ぎ目なく連続する壁として形成されているが、例えば、プレス加工による折り曲げ等により、それぞれ個別の側壁42〜45を形成するものであってもよい。
【0059】
面状照明装置10において、第1及び第2の光源15、105は、典型的には白色LEDからなり、好ましくはフレキシブルプリント基板からなる回路基板18、108上に実装され、回路基板18、108を、それぞれ第2のフレーム12の側壁42、43に沿って配置することにより、導光板13の第1及び第2の入光面13a、13bにそれぞれ配置される。この際、回路基板18、108は、側壁42、43に密着するように配置されることが好ましく、例えば、回路基板18、108を、熱伝導性の粘着テープ等の適切な固着手段(図示は省略する)によって、側壁42、43に固着するものであってもよい。このような構成によって、金属材料により形成される第2のフレーム12は、第1及び第2の光源15、105から発生する熱の放熱体としても、有効に機能するものである。
【0060】
次に、面状照明装置10における第1及び第2の弾性作用部50a、50b、60a、60bの構成及びその作用効果について詳述する。
面状照明装置10において、分割フレーム21a、21bの側壁34には、2つの第1の弾性作用部50a、50bが、前後方向の中心線cに対して対称な位置に設けられている。第1の弾性作用部50a、50bのそれぞれは、図2に示すように、側壁34に前後方向に延在する貫通孔53を設けることによって、貫通孔53の床部31とは反対側に形成される弾性変形可能な薄肉状の梁部51と、梁部51の略中央から外方(床部31と反対方向)に突出する突起部52からなる。そして、第2のフレーム12の側壁44、45の内側面間の寸法は、導光板13を搭載した第1のフレーム11を第2のフレーム12に搭載した組立状態において、分割フレーム21a、21bの第1の弾性作用部50a、50bの突起部52が、それぞれ対向する第2のフレーム12の側壁44、45の内側面と接触して、その梁部51がそれぞれ内方(床部31方向)に撓むように設定されている。
【0061】
このように梁部51が撓むことによって、例えば、分割フレーム21aの第1の弾性作用部50a、50bには、第2のフレーム12の側壁44との間で、分割フレーム21aを、分割フレーム21bの方向に付勢するための弾性力が発生する。すなわち、図4(a)に示すように、分割フレーム21aには、その第1の弾性作用部50a、50bが側壁44に及ぼす弾性力の反作用として、側壁44から右方向への抗力Nが作用し、この抗力Nによって、分割フレーム21aは、第2のフレーム12に対して右方(すなわち、分割フレーム21bの方向)に付勢される。図示は省略するが、同様にして、分割フレーム21bの第1の弾性作用部50a、50bには、第2のフレーム12の側壁45との間で、分割フレーム21bを、分割フレーム21aの方向に付勢するための弾性力が発生する。
【0062】
これによって、導光板13が第1のフレーム11の一対の第1の側壁34、34によって挟持されるとともに、導光板13が搭載された第1のフレーム11が、第2のフレーム12に対して左右方向に位置決めされ、安定に保持されることになる。
【0063】
この際、面状照明装置10では、導光板13、第1のフレーム11を、一対の分割フレーム21a、21bの左右方向の寸法にばらつきがあった場合でも、それらのばらつきは、面状照明装置10の組立状態において、第1の弾性作用部50a、50bの梁部51の弾性変形と、一対の分割フレーム21a、21bの対向面72、74、76間の間隔(端面72間の間隔d、及び、凹部71の段差面74と凸部75の端面76との間隔d)の変動によって吸収されるため、面状照明装置の各構成要素の左右方向の寸法に対して高い寸法精度を要することなく、導光板13をハウジングフレーム14に安定に保持することが可能となる。
【0064】
特に、面状照明装置10では、組立状態における第1のフレーム11に関して、一対の第1の側壁34、34の内側面間の寸法、一対の第1の側壁34、34間の外側面間の寸法、及び、一対の第1の側壁34の第1の弾性作用部50a、50bの突起部52の端面間の寸法は、第1の弾性作用部50a、50bの梁部51の弾性変形と、一対の分割フレーム21a、21bの対向面72、74、76間の間隔d、dの変動によって、導光板13の左右方向の寸法及び第2のフレーム12の側壁44、45の内側面間の寸法のばらつきに応じて調整されるため、図6に示す従来の面状照明装置200の内枠部材212とは異なり、導光板13をハウジングフレーム14に安定に保持するために、それぞれの分割フレーム21a、21bの左右方向の寸法(例えば、側壁34の内側面から対向面までの寸法L、側壁34の外側面から対向面までの寸法L、弾性作用部50a、50bの突起部52の端面から対向面までの寸法L)を、高精度に形成する必要はない。
【0065】
尚、図2(a)では、各寸法L、L、Lの基準となる対向面72、74、76を、端面72で代表させて示しているが、凸部75の端面76及び凹部71の段差面74に対するそれぞれ対応する寸法についても同様である。
【0066】
さらに、面状照明装置10では、このように、第1の弾性作用部50a、50bの梁部51の弾性変形だけでなく、一対の分割フレーム21a、21bの対向面72、74、76の間の間隔d、dの変動による寸法の調整機構も備えているため、例えば温度変化等によって、導光板13、第1のフレーム11、及び第2のフレーム12等の構成要素に変形が生じた場合でも、その変形に伴う寸法変化を、第1の弾性作用部50a、50bの弾性変形とともに、間隔d、dの変動によってより効果的に吸収し、導光板13をハウジングフレーム14に安定に保持し続けることが可能となる。
【0067】
面状照明装置10において、それぞれの分割フレーム21a、21bの床部31には、左右方向に間隔をおいて2つの第2の弾性作用部60a、60bが設けられており、弾性作用部60a、60bのそれぞれは、前後方向の中心線cに対して対称な位置に設けられた第1の単位作用部65と第2の単位作用部66から構成される。第1の単位作用部65は、左右方向に延在する貫通孔68、69を前後に所定の間隔をおいて設けることによって形成される弾性変形可能な薄肉状の梁部61と、梁部61の略中央から貫通孔69内に突出する突起部65からなる。第2の単位作用部66は、貫通孔69と、貫通孔69に対して貫通孔68とは反対側に設けられた貫通孔67によって形成される弾性変形可能な薄肉状の梁部63と、梁部63の略中央から貫通孔69内に突出する突起部64からなる。
【0068】
そして、第2のフレーム12の床部41には、4つの係止部46が、それぞれの分割フレーム21a、21bが有する第2の弾性作用部60a、60bの、前方に位置する単位作用部65、66と対応する位置に形成されている。詳しくは、左方の分割フレーム21aの弾性作用部60a、60bに対応する係止部46は、図4(b)に示すように、第1のフレーム11を第2のフレーム12の床部41上に搭載したときに、係止部46が貫通孔69内に挿通されるとともに、前方に位置する第1の単位作用部65の突起部62が係止部46に接触し、かつ、後方に位置する第2の単位作用部66の突起部64は係止部46に接触することなく対向し、第1の単位作用部65の梁部61が前方に撓むように配置されている。
【0069】
同様に、右方の分割フレーム21bの第2の弾性作用部60a、60bに対応する係止部46は、第1のフレーム11を第2のフレーム12の床部41上に搭載したときに、係止部46が貫通孔69内に挿通されるとともに、前方に位置する第2の単位作用部66の突起部64が係止部46に接触し、かつ、後方に位置する第1の単位作用部65の突起部62は係止部46に接触することなく対向し、第2の単位作用部66の梁部63が前方に撓むように配置されている。
【0070】
このように梁部61、63が撓むことによって、第2の弾性作用部60a、60bには、第2のフレーム11との間で、第1のフレーム11を前方(すなわち、第1の光源15方向)に付勢するための弾性力が発生する。すなわち、分割フレーム21a、21bには、それぞれの第2の弾性作用部60a、60bが係止部46に及ぼす弾性力の反作用として、係止部46から前方向への抗力Nが作用し、この抗力Nによって、分割フレーム21a、21bは、第2のフレーム12に対して前方に付勢される。
【0071】
尚、図4(a)には、分割フレーム21aの第2の弾性作用部60a、60bを例として、第1の単位作用部65の梁部61の弾性変形の結果として作用する抗力Nが示されているが、分割フレーム21bの第2の弾性作用部60a、60bにおいて、第2の単位作用部66の梁部63の弾性変形の結果として、同様の抗力Nが作用することは言うまでもない。
【0072】
そして、これらの付勢力は、導光板13の側端面13c、13dに設けられた突起部17、17と、それぞれ対応する第1のフレーム11の一対の側壁34、34の凹部32、32との結合を介して導光板13に伝達され、第1のフレーム11とともに導光板13が前方に付勢されることになる。この結果、導光板13の第1の入光面13aに形成された突起部16が、回路基板18を介して第2のフレーム12の側壁42に圧接されて、第1のフレーム11及び導光板13が、第2のフレーム12に対して前後方向に位置決めされるとともに、安定に保持される。
【0073】
これによって、第1の光源15と、導光板13の第1の入光面13aとの間に、突起部16の前後方向の長さによって定まる所定の間隔を維持して、第1の光源15から導光板13の入光面13aに伝達される熱を最小限に抑制しつつ、導光板13と第1の光源15の光学的結合を、良好かつ安定に保持することが可能となる。また、面状照明装置10では、この際、第2の光源105と、導光板13の第2の入光面13bとの間にも所定の間隔が形成されるように設定されており、第2の光源105から導光板13の入光面13bに伝達される熱を最小限に抑制しつつ、導光板13と第2の光源105の光学的結合を、良好かつ安定に保持することが可能となる。
【0074】
また、第2の弾性作用部60a、60bは、周囲温度の変動等によって、導光板13が膨張・収縮しても、その前後方向の伸縮を、梁部61、63の弾性変形により吸収する作用効果も奏するものである。
【0075】
さらに、面状照明装置10において、第2の弾性作用部60a、60bを、第1のフレーム11の第1の床部31に設けた構成は、第1のフレーム11に、図6に示す従来の面状照明装置200の側壁212bのような、弾性作用部が設けられる後方の側壁を備える必要がない点で、面状照明装置10のような、導光板13の前後方の両側端面に第1及び第2の光源15、105をそれぞれ配置した面状照明装置に、好適に適用されるものである。
【0076】
但し、本発明に係る面状照明装置は、第2の光源105を有しないものであってもよく、その場合でも、第2の弾性作用部60a、60bを、第1のフレーム11の第1の床部31に設けた構成は、後方の側壁を設けることなく第1のフレーム11を形成するか、また、光学的な理由等により後方の側壁を設けた場合でも、それを薄肉化することが可能となり、これによって、第2のフレーム12を拡大することなく、出射面13eの面積の広い導光板13を使用し、ひいては、装置を大型化することなく、その照明領域を拡大することが可能となる点で、有利なものである。
【0077】
ここで、面状照明装置10において、第1のフレーム11の第1の弾性作用部の構成は、上述した第1の弾性作用部50a、50bの構成に限定されるものではない。例えば、図5(a)に示すように、第1のフレーム11とは別体の弾性部材(例えば、ゴム材料、エラストマー樹脂、またはバネ)により第1の弾性作用部82を構成するものであってもよい。この場合、分割フレーム21a、21bの側壁34に、第1の弾性作用部82を収納する凹部81を設けるとともに、凹部81の底面と、側壁34に対向する第2のフレーム12の側壁44、45との間に、第1の弾性作用部82を弾性変形した状態で挟持することにより、一方の分割フレーム(例えば、21a)を、他方の分割フレーム(例えば、21b)の方向に付勢するための弾性力を発生させるものである。
【0078】
同様に、第2の弾性作用部についても、図5(b)に示すように、第1のフレーム11とは別体の弾性部材(例えば、ゴム材料、エラストマー樹脂、またはバネ)により第2の弾性作用部83を構成するものであってもよい。この場合、分割フレーム21a、21bの床部31に、係止部46が挿通される貫通孔84を設けるとともに、係止部46と貫通孔84の係止部46に対向する前方の側面との間に、第2の弾性作用部83を弾性変形した状態で挟持することにより、第1のフレーム11を前方に付勢するための弾性力を発生させるものである。
【0079】
また、面状照明装置10において、係止部46は、第2のフレーム12の床部41をプレス加工により押し出して形成した凸部であってもよく、または、第2のフレーム12とは別体に形成した凸状体を、床部41上に固定して形成するものであってもよい。
【0080】
以上のように構成された本実施形態における面状照明装置10によれば、上述した作用効果に加えて、次のような効果も奏するものである。
すなわち、第1のフレーム11が、互いに同一の形状を有する一対の分割フレーム21a、21bからなることにより、第1のフレーム11を一体の部材として成形する場合と比較して、成形のための金型を小型化することが可能となり、金型製造コストを低減することができる。
【0081】
また、一対の分割フレーム21a、21bが互いに同一形状であることは、一対の分割フレームのそれぞれの形状が異なる場合と比較して、一対の分割フレーム21a、21bからなる第1のフレーム11を成形するための金型を1種類とすることができるため、金型の製造コスト及びその管理コストを低減させることが可能となるとともに、分割フレーム21a、21bの部材管理コストを低減させ、かつ、面状照明装置10の組立性を向上せることが可能となる点でも有利なものである。
【0082】
また、分割フレーム21a、21bの互いに対向する端面72に相補的な形状に凹部71及び凸部75が形成されていることにより、第1のフレーム11を組み立てる際に、互いの凹部71と凸部75とを組み合わせて、必要な構造強度を確保しつつ、一対の分割フレーム21a、21bの互いの対向面72、74、76が間隔をおいて対向する配置を達成することが可能となる。
【0083】
さらに、この構成によれば、第1のフレーム11を組み立てる際に、その第1の床部31に形成される隙間を、端面72間の左右方向の間隔dと、凸部75同士の前後方向の間隔dとの交差部分程度の最小限にとどめつつ、一対の分割フレーム21a、21bの互いの対向面72、74、76が間隔をおいて対向する配置を達成することが可能となる。これは、導光板13から第1の床部31の隙間を通じて第2のフレーム12側へ漏れる光を低減させ、光の利用効率を向上させるとともに、導光板13の出射面から出射する照明光の均一性を向上させることができる点で、有利な構成である。
【0084】
ここで、面状照明装置10において、分割フレーム21a、21bは、凸部75同士の前後方向には間隔が生じない(d=0)ように形成されていてもよく、この場合には、第1のフレーム11を組み立てる際に、その第1の床部31に隙間を形成することなく、一対の分割フレーム21a、21bの互いの対向面72、74、76が間隔をおいて対向する配置を達成することが可能となり、光の利用効率と照明光の均一性を一層向上させることができる。
【0085】
尚、面状照明装置10では、通常、導光板13の裏面側に反射シート(図示は省略する)が配置されるが、反射シートには一定量の透過光が存在するため、面状照明装置10のこの構成は、この場合でも、第1の床部31の隙間を通じて第2のフレーム12側へ漏れる反射シートの透過光を低減または解消することで、光の利用効率と照明光の均一性を向上させる効果を奏するものである。
【0086】
以上、本発明を好ましい実施形態に基づいて説明したが、本発明に係る面状照明装置は、上述した実施形態に限定されるものではない。
例えば、面状照明装置10において、図2に示した例では、分割フレーム21a、21bの側壁34に、2つの第1の弾性作用部50a、50bが、前後方向の中心線cに対して対称な位置に設けられるものとした。この構成は、同一形状の一対の分割フレーム21a、21bを用いて点対称な形状を有する第1のフレーム11を構成する場合に、それぞれの分割フレーム20a、20bの第1の弾性作用部50a、50bからの右方向及び右方向への付勢力の前後のバランスを保つ上で、有利な構成である。
【0087】
但し、本発明に係る面状照明装置は、分割フレーム21a、21bの側壁34に設けられる第1の弾性作用部50a、50bの数及び配置位置によって限定されるものではなく、設計上の必要に応じて、任意の数の第1の弾性作用部50a、50bを任意の位置に配置するものであってもよい。特に、一対の分割フレーム21a、21bのそれぞれを異なる形状とする場合、第1の弾性作用部50a、50bは、一対の分割フレーム21a、21bのうちの一方(例えば、分割フレーム21a)の側壁34のみに設けられるものであってもよい。
【0088】
また、面状照明装置10において、図2に示した例では、分割フレーム21a、21bの床部31に設けられる第2の弾性作用部60a、60bは、前後方向の中心線cに対して対称な位置に設けられた第1の単位作用部65と第2の単位作用部66から構成されるものとした。この構成は、上述したように、同一形状の一対の分割フレーム21a、21bを用いて点対称な形状を有する第1のフレーム11を構成する場合に、それぞれの分割フレーム21a、21bの第2の弾性作用部60a、60bからの前方方向の付勢力の、左右のバランスを保つ上で、有利な構成である。
【0089】
但し、本発明に係る面状照明装置において、第2の弾性作用部60a、60bの前後方向の配置位置は、第2のフレーム12の床部41との間で前方方向への付勢力を発生する限り、設計上の必要等に応じて、任意の適切な位置とすることができる。特に、一対の分割フレーム21a、21bのそれぞれを異なる形状とする場合には、第2の弾性作用部60a、60bは、図1及び図2に示す例において、所定の配置状態において前方に位置する単位作用部(分割フレーム21aの単位作用部65、分割フレーム21bの単位作用部66)のみを有するものであってもよい。
尚、いずれの場合についても、本発明に係る面状照明装置は、第2の弾性作用部60a、60bの数及び左右方向の配置位置に限定されないことは、言うまでもない。
【0090】
また、本発明に係る面状照明装置は、上述した構成要素以外の任意の適切な構成要素(例えば、反射シート、拡散シート、プリズムシート等の光学シート類)を有するものであってもよいことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0091】
10:面状照明装置、11:第1のフレーム、12:第2のフレーム、13:導光板、14:ハウジングフレーム、15:第1の光源、31:第1の床部、34:第1の側壁、50a,50b:第1の弾性作用部、60a,60b:第2の弾性作用部、41:第2の床部、44,45:第2の側壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の光源と、該第1の光源が配置される側端面を有する板状の導光板と、前記第1の光源及び前記導光板を収納するハウジングフレームと、を備える面状照明装置において、
前記ハウジングフレームは、前記導光板が搭載される第1の床部、及び、前記導光板の前記第1の光源が配置される側端面と交差して延び、互いに対向して起立する一対の第1の側壁を有する第1のフレームと、前記第1のフレームが搭載される第2の床部、及び、前記一対の第1の側壁とそれぞれ対向して延びる一対の第2の側壁を有する第2のフレームと、を含み、
前記第1のフレームは、前記一対の第1の側壁をそれぞれ含む一対の分割フレームを、互いの対向面が間隔をおいて対向するように配置して構成され、前記一対の第1の側壁の少なくとも一方には、第1の弾性作用部が設けられており、前記第1の弾性作用部は、当該第1の弾性作用部が設けられた前記第1の側壁と対向する前記第2の側壁との間で、当該第1の弾性作用部が設けられた前記第1の側壁を有する前記分割フレームを、他方の前記分割フレームの方向に付勢するための弾性力を発生させることを特徴とする面状照明装置。
【請求項2】
前記第1の床部には、前記第1のフレームを前記第1の光源方向に付勢するための弾性力を、前記第2の床部との間で発生させる第2の弾性作用部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の面状照明装置。
【請求項3】
前記一対の分割フレームは、互いに同一形状であることを特徴とする請求項1または2に記載の面状照明装置。
【請求項4】
前記第2の弾性作用部は、一対の単位作用部を対向配置させてなり、前記第2の床部には、前記一対の単位作用部のいずれか一方と接触する係止部が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の面状照明装置。
【請求項5】
前記単位作用部は、前記第1のフレームと一体に形成された薄肉状の梁部と、該梁部から突出する突起部とを含み、該突起部が前記係止部に接触することを特徴とする請求項4に記載の面状照明装置。
【請求項6】
前記係止部は、前記第2の床部を切り起こして形成されていることを特徴とする請求項4または5に記載の面状照明装置。
【請求項7】
前記一対の分割フレームの互いに対向する端面のそれぞれは、前記端面の長手方向に沿って偶数個の領域に分割されており、それぞれの前記領域には、前記端面の短手方向の一部に、前記端面から突出する凸部及び前記端面から窪む凹部のいずれか一方が、前記一対の分割フレームを互いの前記端面を対向させて配置したときに、前記凸部と凹部が相補的な形状となるように形成されていることを特徴とする請求項3から6のいずれか1項に記載の面状照明装置。
【請求項8】
前記導光板の前記第1の光源が配置される側端面と対向する側端面に、第2の光源が配置されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の面状照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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