面発色装置
【課題】中空セル連続体とLEDを用いて、薄型、省電力、且つ安価な面発光装置を提供する。
【解決手段】開口部を有する中空セル(11)が複数隣接した形態を有し且つ複数の隔壁(12、13、14、15)を有する中空セル連続体(10)と、中空セルの開口部から光を入射する光源(31)と、中空セルの開口部から入射された光により中空セル連続体の隔壁を発色させるために隔壁に配置された光偏向手段を有することを特徴とする面発光装置。
【解決手段】開口部を有する中空セル(11)が複数隣接した形態を有し且つ複数の隔壁(12、13、14、15)を有する中空セル連続体(10)と、中空セルの開口部から光を入射する光源(31)と、中空セルの開口部から入射された光により中空セル連続体の隔壁を発色させるために隔壁に配置された光偏向手段を有することを特徴とする面発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、面発色装置に関し、特に中空セル連続体を用いた面発色装置に関する。
【背景技術】
【0002】
美しく繊細な単色の表現力は配色の美学にも及んでおり、過去にさかのぼると、季節のうつろいを衣服で表現した「襲の色目」という欧米の配色論とは違う「日本独自の色とすばらしい配色」がある。
【0003】
かさねの色目つまり、着物の表と裏や、重ね着にあらわれる色の組み合わせで、調和美がえられる(金子隆芳「色彩の心理学」著書の中)。色彩調和に関する情緒価値については、D.B.juddアメリカの色彩学者 ジャッドは1955年ISCCのニューズレターに発表した論文で、「色彩調和は好き嫌いの問題であり、情緒反応は人によって異なり、また同一人でもときによって異なる。われわれは古い配合にあきて、どんな変化も好ましく思う事がよくある。また一方、もともと無関心であった色の配合を、たびたび見ているうちに、好ましく思う事もある。」としながら、先人たちの研究を次の4つの要素にまとめている。
1.秩序(秩序性)の原理 規則的に選ばれた色は調和する
2.なじみ(親近性)の原理 日常の自然の中で慣れ親しんだ色合は調和的であり、それに逆らいすぎないこと。
3.類似性(共通性)の原理 どんな色も、共通性があれば調和する
4.明瞭性の原理 色同士に適度な対比があること
【0004】
つまり、日本における重要な配色をあらわしているのは、2、の「なじみの原理」と3の「類似性の原理」といえる。
【0005】
また、O.N.Rood1879「現代色彩学」アメリカの自然学者 ルードの色彩調和論にも自然の観察の中から導きだされた「自然の色の見えの効果」の原理があり、「自然光のもとで観察した色の見え方には一定の法則がある。樹木の葉や草の葉は日光の当たっている部分は明るく黄みの緑に、陰では暗く青みの緑に見える。赤い花弁の日光の当たっている部分は明るく黄みの赤に、陰の部分は暗く青み(紫み)に見える」この考え方は現在の色彩調和論にとって重要な原理のひとつとされている。
【0006】
ところで、液晶ディスプレイ等のバックライトに用いられる面発光装置では、冷陰極管等の線状光源からの光を平板状の導光板を用いて拡散させることによって面発光照明を実現している(例えば、特許文献1)。これらは、液晶ディスプレイの発光源とするために導光板および拡散板やシートを用いて均一な輝度の白色光の出射面を得ることを目的とするものである。このような面発光装置に、液晶、カラーフィルタ、及びブラックマトリックス等の多くの層を積層した液晶ユニットを組み合わせる事により、有色のディスプレイとすることも可能であるが、全体として構造が複雑且つ高コストのもとなってしまう。
【0007】
また、比較的安価なLEDを基板上に等間隔で複数配置し、看板等を裏側から直接照明するための面発光照明装置として利用することも知られている。しかしながら、このような面発光照明装置は発色面内に輪郭のはっきりした色柄を表現するのは難しいものであった。
【0008】
面状発光体をケースと発光ダイオードおよびプリント基板とで構成する面状発光体が知られている(例えば、特許文献2)。しかしながら、当該面状発光体は、均一で明るい照明を得ることを目的とするものであるため、面全体において均一な光を発するための構成であり、面の一部分で異なる色に発色させ、輪郭のはっきりした色柄を表現するのは難しいものであった。
【0009】
【特許文献1】特開平11−237629号公報
【特許文献2】実開平6−15006号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、本発明は、中空セル連続体を用いた面発色装置を提供することを目的とする。
【0011】
また、本発明は、中空セル連続体とLEDを用いて、薄型、省電力、軽量、且つ安価な面発色装置を提供することを目的とする。
【0012】
さらに、本発明は、繧繝彩色での白地の上に同色色相で、淡い色、やや濃い色、濃い色と段階的な配列や、ぼかしの効果の彩色法での配色技法で色相だけでなく、トーン(明度・彩度)の共通性も含まれており、曖昧で微妙な日本の情緒的な季節感を色で表現できる面発色可能な装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、本発明に係る面発色装置は、開口部を有する中空セルが複数隣接した形態を有し且つ複数の隔壁を有する中空セル連続体と、中空セルの開口部から光を入射する光源と、中空セルの開口部から入射された光により中空セル連続体の隔壁を発色させるために隔壁に配置された光偏向手段を有することを特徴とする。
【0014】
また、上記課題を解決するために、本発明に係る面発光装置は、共通天板に対して複数の部材が結合することによって開口部を有する複数の中空セルを有するように構成され且つ複数の隔壁を有する中空セル連続体と、中空セルの開口部から光を入射する光源と、中空セルの開口部から入射された光により中空セル連続体の隔壁を発色させるために隔壁に配置された光偏向手段を有することを特徴とする。
【0015】
さらに、上記課題を解決するために、共通板に対して複数の部材が結合することによって開口部を有する複数の中空セルを有するように構成され且つ複数の隔壁を有する中空セル連続体と、中空セルの開口部から光を入射する光源と、中空セルの開口部から入射された光を中空セル連続体の前記隔壁を発色させるために隔壁に配置された光偏向手段を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、中空セル連続体の中空セルの開口を有する側面からの光によって面発色を行うことから、薄型、省電力、軽量、且つ安価な面発色装置を提供することが可能となった。
【0017】
また、本発明によれば、光源からの光が中空セル連続体の中空セルの開口から入射され、中空セル連続体の出光面から間接的に出射されるため、人に働きかけて心地よさという心理的効果を与えるような情緒価値を有する面発色装置を提供することが可能となった。
【0018】
さらに、本発明によれば、透光性のある隔壁によって分割された複数の中空セルの各々に入射した異なった色の光を混色させて中空セル連続体の表の面へ出射させることができるので、いままでになかった色彩や明度の光の配列による発色を行うことが可能となった。
【0019】
さらに、本発明によれば、不透明な隔壁によって分割された複数の中空セルの各々に入射した異なった色の光を、混色させずに、中空セル毎に中空セル連続体の表の面へ出射させることができるので、いままでになかった色彩や明度の光の配列による発色を行うことが可能となった。
【0020】
さらに、本発明によれば、共通板(または共通天板)に対して複数の部材を結合させた中空連続体とすることで、曲面の壁面等に容易に沿わせることが出来るので平面以外の場所への面発色パネルの設置を可能とした。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明に係る面発色装置を図面を参照しながら説明する。しかしながら、本発明が、図面又は以下に記載される実施形態に限定されるものではないことを理解されたい。
【0022】
図1は、本発明に係る面発色装置を壁掛けパネルとして構成した壁掛けパネル型面発色装置1の発色面側から見た正面図である。また、図2は、図1におけるAA´断面図である。
【0023】
図1及び2に示すように、壁掛けパネル型面発色装置1は、中空セル連続体10、開口部21を有する枠体20、LED回路基板30、LED31等から構成されている。また、中空セル連続体10の出光面側(枠体20の開口部21側)には、第1拡散シート40、レンズシート41及び第2拡散シート42が、この順番で積層配置されている。また、中空セル連続体10の裏側には反射シート43が配置されている。
【0024】
図3は、LED31から構成される光源及びLED回路基板30の概略を示した図である。なお、実装の回路図は省略する。
【0025】
LED回路基板30上には、複数のLED31が等間隔で配置されている。各LED31は、R色発光LED素子32、G色発光LED素子33及びB色発光LED素子34が一つにパッケージされたLEDであって、多彩な発色ができる。また、光源部の各LED31は、制御部50により任意の色で発色が可能である。なお、センサ52の利用については後述するが、必ずしも必要なものではない。なお、各LED31は、R色の単色LED、G色の単色LED、B色の単色LED又はW(ホワイト)色の単色LEDであっても良い。単色LEDを使用する場合には、複数のLEDを1つの中空セルに対応するように配置することが、多彩な発色が可能となる点で好ましい。また、これに用いるLEDとしては、上述のチップ型のほか、オーバル型や砲弾型の各種のLEDを使用することができる。
【0026】
図4は、中空セル連続体10を示す斜視図である。
【0027】
中空セル連続体10は、複数の中空セル11が、それらの長手方向に沿って一体化した構造を有している。ここで長手方向とは、筒状の多角柱状に形成された中空セルの長軸方向をいう。各中空セル11は、長手方向の両端が開放され、中空で、四角柱状であって、天板12、底板13、側面板14及び15から構成されている。隔壁とは、空間や他の中空セルから当該セルを仕切るものである。四角柱状の場合は、部位によって、天板、底板、側面板と呼ぶ。ここで、天板12側が、パネル型面発色装置1の出光面側、即ち発光面側である。なお、中空セル連続体とは、複数の中空セルが長手方向の側面において隣接したものを指すものとする。
【0028】
図4の場合、中空セル11は、縦(a)が750mm、横(b)が6mm、幅(高さ)(c)が6mmに設定されおり、天板12、底板13及び側面板14及び15は全て厚さ0.33mmの透明のポリカーボネート樹脂(以下、PC樹脂という。)によって構成されている。なお、上記の中空セル11の大きさは一例であって、他の値を採用することもできるが、横(b)は、3〜100mm、幅(高さ)(c)は、3〜80mmである事が中空セルの大きさに対応した適度な大きさのストライプ柄の面発色ができる点で好ましい。また、中空セル11の本数も任意に選択することができるが、中空セルが4〜250本隣接している事が好ましく、さらに好ましくは15〜150本、よりさらに好ましくは20〜100本である事が、中空セルの数に対応した多数のストライプ柄で面発色を行うことができる点において好ましい。また、中空セルの縦/横の割合は、30〜200倍であることが、ストライプ柄を視認しやすい点において好ましい。
【0029】
さらに、中空セル11は、PMMA樹脂、MS樹脂、PET等のポリエステル樹脂、PSt樹脂、COP樹脂、COC樹脂、PP樹脂やPE樹脂等のオレフィン樹脂、PVC樹脂、アイオノマー樹脂、ガラス等によって構成しても良い。
【0030】
図4に示すように、各LED31は、各中空セル11に挿入可能な形状をしており、図2に示すように、壁掛けパネル型面発色体1として組み立てる際には、各LED31を各中空セル11の開口から内部に挿入するようにして配置している。その点で、中空セル11の横b×幅cの大きさは、光源として利用するLED31が入る程度の大きさであることが好ましい。
【0031】
各LED31の光の放射中心が、各中空セル11の長手方向と略平行になるように各LED31が配置されていることが好ましく、各LED31の光の放射中心が、各中空セル11空間の長手方向の中心線と一致するように各LED31が配置されていることが更に好ましい。LEDが中空セルの開口から内部へ挿入するように配置されていると、組立時や使用時の振動による中空セル開口部とLEDのずれを防止する、又、LEDからの光がセル外へ拡散を防止して光の出射効率を高める、又、LEDと中空セルを挿入させることで組み立て作業を効率化する等の利点がある。
【0032】
上述の例では、1つの中空セル11に1つのLED31が対応して構成されているが、必ずしも全てのセルにLEDを設ける必要はない。例えば、1つ置きに、LEDを配置するようにしても良く、安価にできる。また、例えば、中空セルの横(b)又は幅(c)の異なる大小の中空セルが交互に配置される中空セル連続体を形成し、大きい中空セルのみにLEDを設け、小さい中空セルにはLEDを設けないようにしても良い。このような中空セル連続体において、大きい中空セルのみにLEDを配置した場合でも、大きい中空セルから小さい中空セルへと拡散した光が小さい中空セルの隔壁でも発色し、面発色装置として機能させることができる。
【0033】
次に、中空セル11の開口部から中空セル11内に入射した光が、中空セル連続体10の隔壁を発色させるための光偏向手段について説明する。
【0034】
図2に示すように、LED31から放射した光60の多くは、中空セル11の長手方向に沿って、中空セル11内を反射しながら反対側に配置されたLED31に向かって進んで行く(例えば、光61)。したがって、そのままでは中空セル連続体10の出光面側から多くの光が出射することは望めない。そこで、本発明に係る面発色装置では、中空セル連続体10の出光面側の表面(即ち、各中空セル11の天板12となる側面の出光面側上面)全体に、中空セルの長手方向と垂直な方向Xに沿ってV字状の溝62(深さ3μm、幅20μm)を複数配置した。また、V字状の溝62は、LED31に近い側では5mmピッチ、中空セル11の中央部分では50μmピッチとなるように連続的にピッチを変更しながら設けた。LED31から放射され、中空セル11内を進んできた光60が、天板12に入射し、さらにこのようなV字状の溝62に入射すると、入射光が中空セル連続体10の出光面側に向けて出射される。このようにして、中空セル連続体10の表面全体に設けられたV字状の溝62によって、LED31から放射された光が、中空セル連続体10の出光面側に出射されようになり、光偏向手段を設けた面が発色することとなる。この時、観察者は、発色された面、すなわち発色面を見ることとなる。v字状の溝62のピッチを上記のように設けたことにより、中空セルの長手方向の中央部と光源側近傍の明るさ(例えば、輝度)の比率を1:3〜1:9にすることができる。明るさの比率がこのような範囲にあると自然の中にある色彩や明度の調和の取れた表現ができ、観察者は心地よさを感じることができる。各LED31から放射された光は、主に各LED31が挿入された各中空セルの発光面側の長手方向に延びる面全体から出射するが、中空セル11の側面板14及び15が透明な場合には、隣接する中空セルの発光面へ向かっても拡散して行くため、側面板14及び15の近傍では光の加法混色が起こり、自然な発色となるとともに、概ねストライプ柄が形成される(図6参照)。また、側面板14及び15が不透明な場合は、隣接する中空セルへ向かって光が拡散することがないので、はっきりとしたストライプ柄が形成される(図8参照)。
【0035】
図2の例では、中空セル11の長手方向の両側に設けられた開口部にそれぞれLED31を設けたが、一方にのみLED31を設けても良い。その場合、LED31を設けていない中空セル11の開口部には、光を反射させる為の反射シートを配置することが好ましい。
【0036】
なお、中空セル連続体10の出光面側には、出光面側より前述の出射光を得るための第1及び第2の拡散シート40、42、及び中空セル連続体10からの散乱光を発光面に垂直方向に偏向させるためのレンズシート41が設けられている。なお、図2の例では、1枚のレンズシートを設けたが、XY方向用に2枚のレンズシートを設けるようにしても良い。なお、レンズシートは任意であり、使用しなくても良い。また、V字状の溝で出射される光は必ずしも中空セル連続体の出光面側のみに向かうとは限らないことから、中空セル連続体10の裏側に反射シート43を設けることによって、光量の有効利用を図り、中空セル連続体10の出光面側から出射する光量を高める構成としている。なお、反射シートを使用しない場合には、発色された面は、明度や彩度を低く調整することができ、暗さを伴う発色がしやすくなる。また、その場合には、中空セル中に微妙な陰影ができることを利用してクリスタルのような透明感と奥行き感のある発色を行うこともできる。
【0037】
第1及び第2の拡散シート40、42は、PC樹脂及びPET樹脂等の透明樹脂により構成されていることが好ましく、全光線透過率は80%以上でヘーズは70%以上のものがより好ましい。また、レンズシート41としては、BEFシート又はDBEFシート(共に3M社製)を用いることが好ましい。さらに、反射シート43としては、可視光の反射率が50%以上(より好ましくは80%以上)である、PETフィルムに酸化チタン等を含有させたシート、PETフィルムにアルミニウムや銀等を蒸着させたシート、又はPC樹脂、PET樹脂等の低発泡体等を用いることが、光の反射を多くして出射する光量を高めることができる点で好ましい。
【0038】
なお、第1及び第2の拡散シート40、42、レンズシート41、及び反射シート43は必ずしも設ける必要はなく、用途に応じて適宜必要に応じて利用すれば良い。
【0039】
また、上述した例では、中空セル11の天板12の表面全体に、光偏向手段の一例として中空セルの長手方向と垂直な方向Xで複数のV字状の溝を設けた。しかしながら、V字状の溝を設ける方向は、必ずしも、中空セルの長手方向と垂直な方向Xに限らず、中空セルの長手方向と平行な方向Yや中空セルの長手方向と35〜55度の角度を持って、好ましくは45度の角度を持って傾いている方向Z等の方向に沿って設けても良い(図5参照)。また、V字状の溝は連続するもののみならず、断続的に形成しても良い。
【0040】
さらに、上述した例では、深さ3μm、幅20μmのV字状の溝102をピッチ5mm〜50μmで設けたが、V字状の溝の形状やピッチはこの値に限定されるものではなく、適宜他の最適な値を取ることが可能である。その中でも、V字状の溝の深さは3〜6μm、幅は20〜40μmが好ましい。さらに、ピッチについても、中空セル11の長手方向全体に渡って同じピッチとしても良い。
【0041】
光偏向手段として、上述したV字状の溝以外にも、U字状の溝、レーザによって刻印されるか印刷されたドット形状(ドット状の微細な凹凸)、逆四角錘状の凹を配列したもの、溶剤、プラズマ又は電子線照射等によるエッチング加工により得られるランダムな凹凸、逆V字状の凸部、及び逆U字状の凸部等を用いることもできる。さらに、V字状の溝、U字状の溝、ドット形状、逆四角錘状の凹を配列したもの、エッチング加工により得られるランダムな凹凸、逆V字状の凸部、及び逆U字状の凸部等の光偏向手段は、中空セル11の出光面である天板12の表の面だけでなく、天板12の裏の面、出光面の反対側に配置された底板13の表の面又は裏の面や側面板14に設けることも、それらの内の複数の面に設けることもできる。特に底板13の表の面または裏の面に設けた場合、中空セル11の長手方向に沿って、中空セル11内を反射しながら反対側に配置されたLED31に向かって進んできた光は、底板13における光偏向手段で偏向され、出光面から出射される。この時、光偏向手段を有する底板13の表面(表の面または裏の面)が発色面となり、面発色装置が発色する。
【0042】
また、光偏向手段は、中空セル11の出光面である天板12の表面(表の面または裏の面)に設けられたランダムな凹凸形状であっても良い。ランダムな凹凸形状は、サンドブラスト加工によって中空セル連続体の表面を荒らすことによって、あるいは熱された凹凸形状を有するプレス板で天板12の表面に刻印することによって形成することが可能である。また、その場合の凹凸は、Rz(JIS 2001−B0601)が0.04μm以上、中空セル11の天板12の厚さの2/3以下であることが好ましい。凹凸が、0.04μm未満であると光源から来る色の光の散乱性や光の出射特性が十分に発揮できなくなり、中空セル11の天板12の厚さの2/3より大きいと複層体としての十分な強度を保持できなくなるからである。また、ランダムな凹凸形状は、中空セル11の天板12の裏面、出光面の反対側に配置された底板13の表の面又は裏の面や側面板14に設けることも、それらの内の複数の面に設けることもできる。
【0043】
さらに、光偏向手段は、中空セル11の天板12に、熱硬化性あるいは熱可塑性の樹脂、ゴムまたはゲル状物を含む溶液を中空セル連続体に吹き付けた後、当該溶液の溶剤の揮散及び/または当該溶液の熱硬化により固化させることによって形成した(光透過性を有する)凸部であって良い。
【0044】
さらに、光偏向手段は、中空セル11の天板12等にレーザ照射やヒーター等で加工された気泡であっても良い。
【0045】
さらに、光偏向手段は、中空セル11の天板12等に添加された拡散材であっても良い。添加される拡散材としては、ガラス、シリカ、マイカ、合成マイカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、モンモリロナイト、カオリンクレー、ベントナイト、ヘクトライト等の無機粒子、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、アルミナ等の金属酸化物粒子、アクリルビーズ、スチレンビーズ、ベンゾグアナミン、シリコーン等のポリマー粒子を用いることができる。例えば、中空セル11をPC樹脂で形成した場合、PC樹脂100部に対して、拡散材として平均粒径2μmのシリコーンを0.05部添加した場合のヘーズは67.3%、同シリコーンを0.1部添加した場合のヘーズは83%、同シリコーンを0.5部添加した場合のヘーズは93%となる。なお、拡散材を添加した場合のヘーズは、10%以上99%以下であることが好ましい。10%未満であると光の散乱効果が十分ではなく、99%以上であると光の出射特性が低くなってしまうからである。また、光偏向手段として、中空セルの隔壁に貼付された不織布や紙を用いることが出来る。
【0046】
図6に、LEDから入射される光の色と中空セル連続体の発色面が彩色された状態の一例を示す。
【0047】
図6に示す例では、中空セル連続体10は、図4に示すように複数の中空セル11の側面板14及び15が透明である。また、図6に示すように、各中空セル11に対応したLED31から交互にR色とB色の光が入射しているものとする。この場合、各中空セル11に入射したR色及びB色は、側面板14及び15近傍(領域302)でのみ加法混色し、赤紫色となって、中空セル連続体10の出光面側から出射する。また、中空セル連続体10の出光面側の各中空セルの中央部分(領域301がR色、領域303がB色)では、R色及びB色の概ねストライプ柄が表現できる。
【0048】
このように、側面板14及び15が透明な中空セル11を用いた壁掛けパネル型面発色装置1では、複数のLED31が異なる色の光を放射する場合に放射された光が混色するので、個々のLED31が放射する色に比べて更に多彩で表現豊かな色で発色させることが可能となった。
【0049】
図7に、他の中空セル連続体の斜視図を示す。
【0050】
図7に示す中空セル連続体100と図4に示す中空セル連続体10との差異は、図7に示す中空セル連続体100の側面板104及び105が不透明である点である。中空セル連続体100は、複数の中空セル101が、それらの長手方向に沿って一体化した構造を有している。各中空セル101は、長手方向の両端が開放され、中空で、四角柱状であって、天板102、底板103、側面板104及び105から構成される。ここで、天板102側が、パネル型面発色装置1の出光面側である。
【0051】
なお、図7に示す中空セル連続体100における中空セル101のサイズ、材質、設けられた光偏向手段としてのV字状の溝等は、図4に示す中空セル11と同様であるので、説明を省略する。また、図7に示す中空セル連続体100は、図1〜図4に示す壁掛けパネル型面発色装置1の中空セル連続体10として用いることができる。
【0052】
側面板104及び105は、可視光線の反射率50%以上、望ましくは70%以上であることが好ましい。具体的には、側面板104及び105の部分を酸化チタン含有の塗料を被覆させる、側面板104及び105の部分にAg又はAlの蒸着膜を形成すること等によって実現できる。
【0053】
図8に、LEDから放射される光の色と中空セル連続体が表示する色の他の例を示す。
【0054】
図8に示す例では、図7に示す中空セル連続体100を用い、各中空セル101に対応したLED31から交互にR色とB色の光を入射させた。この場合、各中空セルに入射したR色及びB色は隣接した中空セル間では混色せず、1つの中空セル毎にR色及びB色を中空セル連続体100の出光面側から出射する。
【0055】
このように、側面板104及び105が不透明な中空セル連続体100を用いた壁掛けパネル型面発色装置1では、複数のLED31が放射する光を中空セル毎に混色しないように発色させることが可能となった。例えば、連続するLED31から、同じ色相で明度が異なった色の光を放射すれば、面発色装置の発色面をグラデション調に表現することができる。また、所定間隔で複数のLED31から放射する光を時間の経過に応じて変化させれば、色が移動するような表現を行うこともできる。
【0056】
図9に、更に他の中空セル連続体の斜視図を示す。
【0057】
図9に示す中空セル連続体110と図4に示す中空セル連続体10との差異は、その結合方法が異なるだけであって、構成自体に変わるところは無い。したがって、中空セル連続体110は、複数の中空セル111が、それらの長手方向に沿って結合されて一体化した構造を有している。各中空セル111は、長手方向の両端に開口部を有し、中空で、四角柱状であって、天板112、底板113、側面板114及び115から構成される。ここで、天板112側が、パネル型面発色装置1の出光面側である。
【0058】
中空セル111のサイズ、材質、設けられた光偏向手段としてのV字状の溝等は、図4に示す中空セル11と同様であるので、説明を省略する。また、図7に示す中空セル連続体110は、図1〜図4に示す壁掛けパネル型面発色装置1の中空セル連続体10として用いることができる。
【0059】
図9に示す例では、中空セル111が、始めから四角柱状ではなく、コの字状の第1部材116と側面板114が別体として当初構成され、合体しながら、中空セル連続体110を構成するように設定されている。なお、中空セル連続体は、結合方法によらず、結合後の構成が中空セルが長手方向において複数隣接した形態のものであり、発色面と開口部を有するものであれば、中空セル連続体として用いる事が可能である。上記の例では、側面板114を使用せず、断面形状がコの字状の第一部材116を順次同方向に結合することによっても中空セル連続体を形成することができる。
【0060】
図10に、更に他の中空セル連続体の斜視図を示す。
【0061】
図10に示す中空セル連続体120と図4に示す中空セル連続体10との差異は、その結合方法が異なるだけであって、構成自体に変わるところは無い。したがって、中空セル連続体120は、複数の中空セル121が、それらの長手方向に沿って一体化した構造を有している。各中空セル121は、長手方向の両端に開口部を有し、中空で、四角柱状であって、底板123、側面板124及び125から構成される。しかしながら、パネル型面発色装置1の出光面側である天板122は、各中空セルに共通の1枚板である。
【0062】
中空セル121のサイズ、材質、設けられた光偏向手段としてのV字状の溝等は、図4に示す中空セル11と同様であるので、説明を省略する。また、図7に示す中空セル連続体120は、図1〜図4に示す壁掛けパネル型面発色装置1の中空セル連続体10として用いることができる。
【0063】
図10に示す例では、中空セル121が、始めから四角柱状ではなく、Lの字状の第1部材126と側面板124が別体として当初構成され、共通の天板122と合体しながら、中空セル連続体120を構成するように設定されている。なお、図10に示す中空セル連続体120は、天板122が各中空セル121に共通であるため、光偏向手段としてのV字状の溝等を一度に形成し易いという利点がある。なお、中空セル連続体は、結合方法によらず、結合後の構成が中空セルが長手方向において複数隣接した形態のものであり、発色面と開口部を有するものであれば、中空セル連続体として用いる事が可能である。上記の例では、側面板124を使わず、天板122と断面形状がL字状の第一部材を順次同方向に結合することによっても中空セル連続体を形成することができる。
【0064】
図11に、更に他の中空セル連続体の斜視図を示す。
【0065】
図11(a)は中空セル連続体130の斜視図であり、図11(b)は中空セル連続体130の構成図である。
【0066】
図11に示す中空セル連続体130は、複数の中空セル131を有しているが、複数の中空セル131は、共通天板132、共通底板133及びそれらの間に間隔を空けて配置された中空セル131から構成されている。各中空セル131は、長手方向の両端に開口部を有し、中空で、四角柱状であって、天板135、底板136、側面板137及び138から構成される。したがって、中空セル連続体130は、各中空セル131自体の他に、共通天板132、共通底板133、及び各中空セル131の側面板137及び138によって構成される中空セル134を有することとなる。
【0067】
なお、中空セル連続体は、結合方法によらず、結合後の構成が、中空セルが長手方向において複数隣接した形態のものであり、発色面と開口部を有するものであれば、中空セル連続体として用いる事が可能である。上記の例では、中空セル131に換えて天板135がなく断面形状がU字状の部材を使用することによっても、中空セル連続体を形成することができる。
共通天板132、共通底板133、及び中空セル131のサイズ、材質等は、図4に示す中空セル11と同様であるので、説明を省略する。また、図7に示す中空セル連続体130は、図1〜図4に示す壁掛けパネル型面発色装置1の中空セル連続体10に代りに用いることができる。
【0068】
また、図11に示す中空セル連続体130では、各中空セル131及び中空セル134の各々にLED31が対応するように構成されている。また、中空セル連続体130では、共通天板132の上面に、図4に示す中空セル11で説明したものと同じ光偏向手段としてのV字状の溝が構成されている。
【0069】
さらに、図11では、中空セル131は、ほぼ中空セル131の横(b)と同じ間隔だけ空けて配置されているが、他の間隔としても良い。
【0070】
図12に、更に他の中空セル連続体の斜視図を示す。
【0071】
図12(a)は中空セル連続体140の斜視図であり、図12(b)は中空セル連続体140の構成図である。
【0072】
図12に示す中空セル連続体140は、複数の中空セル141を有している。各中空セル141は、共通天板142と部材144から構成される。部材144は、長手方向の両端及び上方の天板側が開放された断面U字形状を有し、湾曲した底板146、側面板147及び148から構成される。
【0073】
中空セル141のサイズ、共通天板142及び部材144の材質等は、図4に示す中空セル11と同様であるので、説明を省略する。
【0074】
また、図12に示す中空セル連続体140では、各中空セル141の各々にLED31が対応するように構成されている。また、中空セル連続体140では、共通天板142の上面に、図4に示す中空セル11で説明したものと同じ光偏向手段としてのV字状の溝が構成されている。また、図7に示す中空セル連続体140は、図1〜図4に示す壁掛けパネル型面発色装置1の中空セル連続体10に代りに用いることができる。また、本実施例における中空セル連続体は、中空セルが1枚の共通天板で結合した構成であるので、図における上方が凹曲面となるように変形させることができる。この変形に対応可能なように、屈曲可能なLED回路基板を選択し、パネルに使用する枠体を屈曲可能なものを適宜選択すれば、上記中空セル連続体を用いて曲面に設置可能な面発色パネルを構成することができる。また、本実施例における中空連続体は、複数の部材により構成されたもののみならず、一つの部材として成形されたものも使用することができる。
【0075】
図13に、更に他の中空セル連続体の斜視図を示す。
【0076】
図13(a)は中空セル連続体150の斜視図であり、図13(b)は中空セル連続体150の構成図である。
【0077】
図13に示す中空セル連続体150は、複数の中空セル151を有している。各中空セル151は、部材154と共通底板153とから構成される。部材154は、長手方向の両端及び下方の底面側が開放された断面U字形状を有し、湾曲した天板155、側面板157及び158から構成される。
【0078】
中空セル151のサイズ、部材154と共通底板153の材質等は、図4に示す中空セル11と同様であるので、説明を省略する。また、図13に示す中空セル連続体150は、図1〜図4に示す壁掛けパネル型面発色装置1の中空セル連続体10に代りに用いることができる。また、本実施例における中空セル連続体は、中空セルが1枚の共通底板で結合した構成であるので、図における上方が凸曲面となるように変形させることができる。この変形に対応可能なように、屈曲可能なLED回路基板を選択し、パネルに使用する枠体を屈曲可能なものを適宜選択すれば、上記中空セル連続体を用いて曲面に設置可能な面発色パネルを構成することができる。また、本実施例における中空連続体は、複数の部材により構成されたもののみならず、一つの部材として成形されたものも使用することができる。
【0079】
また、図13に示す中空セル連続体150では、各中空セル151の各々にLED31が対応するように構成されている。また、中空セル連続体150では、各部材154の湾曲した天板155の上面に、図4に示す中空セル11で説明したものと同じ光偏向手段としてのV字状の溝が構成されている。しかしながら、中空セル連続体150では、共通底板153のみに図4に示す中空セル11で説明したものと同じ光偏向手段としてのV字状の溝を構成しても良い。
【0080】
図14に、更に他の中空セル連続体の斜視図を示す。
【0081】
図14(a)は中空セル連続体160の斜視図であり、図14(b)は中空セル連続体160の構成図である。
【0082】
図14に示す中空セル連続体160は、複数の中空セル164及び165を有し、共通天板162、共通底板163及びそれらの間に間隔を空けて配置された部材161から構成されている。部材161は、長手方向の両端及び一方の側面側が開放された断面U字形状を有し、湾曲した底板166、側面板167及び168から構成される。中空セル164は、共通天板162と部材161とが結合されることによって構成され、中空セル165は、共通天板162、共通天板163、及び部材166の側面板167及び168によって構成される。
【0083】
中空セル161のサイズ、共通天板162、共通底板163及び部材161の材質等は、図4に示す中空セル11と同様であるので、説明を省略する。また、図14に示す中空セル連続体160は、図1〜図4に示す壁掛けパネル型面発色装置1の中空セル連続体10として用いることができる。
【0084】
また、図14に示す中空セル連続体160では、各中空セル164及び165の各々にLED31が対応するように構成されている。また、中空セル連続体160では、共通天板162の上面に、図4に示す中空セル11で説明したものと同じ光偏向手段としてのV字状の溝が構成されている。さらに、図14では、部材161は、ほぼ部材161の横(b)と同じ間隔だけ空けて配置されているが、他の間隔としても良い。
【0085】
図15は、他の中空セル連続体の例を示す図である。
【0086】
図12〜図14に示した中空セル連続体140〜160は、長手方向の両端及び一方の側面側が開放された断面U字形状を有し、湾曲した天板又は底板、側面板から構成される部材を用いて構成されている。そして、図12〜図14に示した中空セル連続体140〜160に示した部材141、151及び161の代わりに、図15に示す部材170、171及び172を利用することもできる。
【0087】
部材170は、長手方向の両端及び一方の側面側が開放された断面U字形状であって、湾曲した天板又は底板のみから構成される。また、部材171は、長手方向の両端及び一方の側面側が開放された断面V字形状であって、2枚の側面板から構成される。部材172は、長手方向の両端及び一方の側面側が開放された断面台形状であって、天板又は底板、及び2枚の側面板から構成される。本実施例により構成された上記中空セル連続体は、中空セルが1枚の共通天板ないし底板で結合した構成であるので、上方が凹曲面ないし凸曲面となるように変形させることができる。この変形に対応可能なように、屈曲可能なLED回路基板を選択し、パネルに使用する枠体を屈曲可能なものを適宜選択すれば、上記中空セル連続体を用いて曲面に設置可能な面発色パネルを構成することができる。また、本実施例における中空連続体は、複数の部材により構成されたもののみならず、一つの部材として成形されたものも使用することができる。
【0088】
図16は、更に他の中空セル連続体の例を示す図である。
【0089】
図12〜図14に示した中空セル連続体140〜160の代わりに、図16に示す中空セル連続体180、181、182、183及び184を利用することもできる。
【0090】
図16(a)に示す中空セル連続体180は、長手方向の両端及び一方の側面側が開放され、離間した断面台形形状であって、天板又は底板が一連となった構造を有する。また、図16(b)に示す中空セル連続体181は、長手方向の両端及び一方の側面側が開放され、離間した断面長方形形状であって、天板又は底板が一連となった構造を有する。さらに、図16(c)に示す中空セル連続体182は、長手方向の両端及び一方の側面側が開放され、離間した断面U字形状であって、天板又は底板が一連となった構造を有する。さらに、図16(d)に示す中空セル連続体183は、長手方向の両端及び一方の側面側が開放され、離間した断面五角形形状であって、天板又は底板が一連となった構造を有する。
【0091】
図16(e)に示す中空セル連続体184は、長手方向の両端及び一方の側面側が開放され、離間した断面四角形状であって、天板又は底板が一連となった構造を有する。また、中空セル連続体184の一部の中空セルの側面には、スリット状の開口部185が設けられている。中空セル連続体184を湾曲させたとしても、開口部185が適切に開いたり閉じたりして、中空セル連続体184の全体の形状を保持することが可能となる。
【0092】
図17は、図16(a)に示した中空セル連続体の斜視図である。
【0093】
図17では、図16(a)に示した中空セル連続体180が、曲面を形成するように配置されている。これは、断面台形形状の中空セルと中空セルとの間に空間が存在することを利用したものである。また、このように曲面状に配置された中空セル連続体180に応じて、複数のLEDが配置された光源190を設け、各LEDが夫々の中空セルに対応するように構成した。
【0094】
図18は、図16(b)に示した中空セル連続体の斜視図である。
【0095】
図18では、図16(b)に示した中空セル連続体181が、曲面を形成するように配置されている。ここでは、天板又は底板上に構成されている断面四角形状の中空セルが略扇状に広がるように中空セル連続体181を湾曲させた。また、このように曲面状に配置された中空セル連続体181に応じて、複数のLEDが配置された光源191を設け、各LEDが夫々の中空セルに対応するように構成した。
【0096】
図19に、更に他の中空セル連続体の斜視図を示す。
【0097】
図19に示す中空セル連続体200は、複数の中空セル201を有している。各中空セル201は、長手方向の両端に開口部を有し、中空で、八角柱状であって、8枚の側面板202〜209から構成される。図19の例では、出光面側に側面板202が配置され、側面板202に対向する位置に側面板206が配置されている。また、複数の中空セル201は、その左右の位置する側面板204及び208が互いに結合しあって、中空セル連続体200を形成している。
【0098】
中空セル201のサイズ、材質等は、図4に示す中空セル11と同様であるので、説明を省略する。また、図7に示す中空セル連続体200は、図1〜図4に示す壁掛けパネル型面発色装置1の中空セル連続体10に代りに用いることができる。
【0099】
また、図19に示す中空セル連続体200では、各中空セル201の各々にLED31が対応するように構成されている。また、中空セル連続体200では、中空セル201の出光面側の3つの側面板202、203及び209の上面に、図4に示す中空セル11で説明したものと同じ光偏向手段としてのV字状の溝が構成されている。しかしながら、中空セル201の出光面側の1つの側面板202の上面のみに、図4に示す中空セル11で説明したものと同じ光偏向手段としてのV字状の溝を構成しても良い。
【0100】
図20に、更に他の中空セル連続体の斜視図を示す。
【0101】
図20に示す中空セル連続体210は、図19に示すように中空セル201を前後二列(前列は、201−1,201−3等の末尾が奇数番号の中空セル列であり、後列は、201−2,201−4等の末尾が偶数番号の中空セル列である。)に整列させて複数の中空セルが相互に一部重なり合いながら隣接した形態を有するように配置したものである。中空セル連続体210では、中空セル201が八角柱状であることを利用して、互いの側面板を互い違いに結合することによって形成した。なお、図20では、便宜上4つの中空セル201−1〜201−4を記載したが、中空セル201の結合個数は任意であって、面発色装置の形状や用途に応じて、自由に定めることができる。
【0102】
中空セル201のサイズ、材質等は、図4に示す中空セル11と同様であるので、説明を省略する。また、図7に示す中空セル連続体210は、図1〜図4に示す壁掛けパネル型面発色装置1の中空セル連続体10に代りに用いることができる。
【0103】
また、図20に示す中空セル連続体210では、各中空セル201の各々にLED31が対応するように構成されている。したがって、LED31も中空セル連続体210に対応するようにLED回路基板35上に配置されることとなる。また、中空セル連続体210では、中空セル201−1の出光面側の5つの側面板208、209、202、203及び204と、中空セル201−2の出光面側の1つの側面板201との上面に、図4に示す中空セル11で説明したものと同じ光偏向手段としてのV字状の溝が構成されている。しかしながら、中空セル201の出光面側の1つの側面板202の上面のみに、図4に示す中空セル11で説明したものと同じ光偏向手段としてのV字状の溝を構成しても良い。この中空セル連続体を使った面発色パネルでは、正面から見た場合セル間の境界が重なるので、この重なった部分で加法混色が起こり、立体感のある、今までにないストライプ柄の発色を行うことができる。
【0104】
図21に、更に他の中空セル連続体の斜視図を示す。
【0105】
図21に示す中空セル連続体220は、複数の中空セル221を有している。各中空セル221は、長手方向の両端に開口部を有し、中空で、六角柱状であって、6枚の側面板222〜227から構成される。図21の例では、出光面側に側面板222が配置され、側面板222に対向する位置に側面板225が配置されている。また、複数の中空セル221は、その左右の位置する頂線部分が互いに結合しあって、中空セル連続体220を形成している。
【0106】
中空セル221のサイズ、材質等は、図4に示す中空セル11と同様であるので、説明を省略する。また、図7に示す中空セル連続体220は、図1〜図4に示す壁掛けパネル型面発色装置1の中空セル連続体10に代りに用いることができる。本実施例により構成された中空セル連続体は、複数の中空セル221は、その左右の位置する頂線部分が互いに結合しあった構成であるので、上方が凹曲面ないし凸曲面となるように変形させることができる。この変形に対応可能なように、屈曲可能なLED回路基板を選択し、パネルに使用する枠体を屈曲可能なものを適宜選択すれば、上記中空セル連続体を用いて曲面に設置可能な面発色パネルを構成することができる。
【0107】
また、図21に示す中空セル連続体220では、各中空セル221の各々にLED31が対応するように構成されている。また、中空セル連続体220では、中空セル221の出光面側の3つの側面板222、223及び227の上面に、図4に示す中空セル11で説明したものと同じ光偏向手段としてのV字状の溝が構成されている。しかしながら、中空セル221の出光面側の1つの側面板222の上面のみに、図4に示す中空セル11で説明したものと同じ光偏向手段としてのV字状の溝を構成しても良い。また、本実施例における中空連続体は、複数の部材により構成されたもののみならず、一つの部材として成形されたものも使用することができる。
【0108】
図22に、更に他の中空セル連続体の斜視図を示す。
【0109】
図22に示す中空セル連続体230は、図21に示したものと同様な複数の中空セル221を有している。図22の例では、出光面側に側面板222及び227が配置され、裏面側に側面板224及び225が配置されている。また、複数の中空セル221は、その左右の位置する側面板223及び226が互いに結合しあって、中空セル連続体230を形成している。
【0110】
中空セル221のサイズ、材質等は、図4に示す中空セル11と同様であるので、説明を省略する。また、図7に示す中空セル連続体230は、図1〜図4に示す壁掛けパネル型面発色装置1の中空セル連続体10に代りに用いることができる。
【0111】
また、図22に示す中空セル連続体230では、各中空セル221の各々にLED31が対応するように構成されている。また、中空セル連続体230では、中空セル221の出光面側の2つの側面板222及び227の上面に、図4に示す中空セル11で説明したものと同じ光偏向手段としてのV字状の溝が構成されている。
【0112】
図23に、更に他の中空セル連続体の斜視図を示す。
【0113】
図23に示す中空セル連続体240は、図21に示した中空セル221を前後二列(前列は、221−1,221−3等の末尾が奇数番号の中空セル列であり、後列は、221−2,221−4等の末尾が偶数番号の中空セル列である。)に整列させて複数の中空セルが相互に一部重なり合いながら隣接した形態を有するように配置したものである。中空セル連続体240では、中空セル221が六角柱状であることを利用して、互いの側面板を互い違いに結合することによって形成した。なお、図23では、便宜上4つの中空セル221−1〜221−4を記載したが、中空セル221の結合個数は任意であって、面発色装置の形状や用途に応じて、自由に定めることができる。
【0114】
中空セル221のサイズ、材質等は、図4に示す中空セル11と同様であるので、説明を省略する。また、図23に示す中空セル連続体240は、図1〜図4に示す壁掛けパネル型面発色装置1の中空セル連続体10に代りに用いることができる。
【0115】
また、図23に示す中空セル連続体240では、各中空セル221の各々にLED31が対応するように構成されている。したがって、LED31も中空セル連続体240に対応するようにLED回路基板35上に配置されることとなる。また、中空セル連続体240では、中空セル221−1の出光面側の3つの側面板227、222及び223と、中空セル221−2の出光面側の1つの側面板222との上面に、図4に示す中空セル11で説明したものと同じ光偏向手段としてのV字状の溝が構成されている。しかしながら、中空セル221の出光面側の1つの側面板222の上面のみに、図4に示す中空セル11で説明したものと同じ光偏向手段としてのV字状の溝を構成しても良い。この中空セル連続体を使った面発色パネルでは、正面から見た場合セル間の境界が重なるので、この重なった部分で加法混色が起こり、立体感のある、今までにないストライプ柄の発色を行うことができる。
【0116】
図24に、更に他の中空セル連続体の斜視図を示す。
【0117】
図24に示す中空セル連続体250は、図21に示した中空セル221を円形に配置したものである。中空セル連続体250では、中空セル221が六角柱状であることを利用して、6個の中空セル221の側面板を略円形状に結合することによって形成した。中空セル221のサイズ、材質等は、図4に示す中空セル11と同様であるので、説明を省略する。
【0118】
また、図24に示す中空セル連続体250では、各中空セル221の各々にLED31が対応するように構成されている。したがって、LED31も円形状にLED基板36上に配置されることとなる。また、中空セル連続体250では、中空セル連続体250の外周面を形成する中空セル221の側面板の上面に、図4に示す中空セル11で説明したものと同じ光偏向手段としてのV字状の溝が構成されている。
【0119】
なお、図24に示す中空セル連続体250は、図1に示すパネル型面発色装置に用いられるものではなく、円柱状の面発色装置として利用されるものである。
【0120】
図25は、本発明に係る面発色装置を床置きパネルとして構成した床置きパネル型面発色装置2を出光面側から見た正面図である。また、図26は、図25におけるBB´断面図である。
【0121】
図25及び図26に示す床置きパネル型面発色装置2において、前述した壁掛けパネル型面発色装置1と同様の構成には同じ番号を付して説明を省略する。図25及び22に示すように、床置きパネル型面発色装置1は、中空セル連続体10、枠体22、LED回路基板30、LED31等から構成されている。また、中空セル連続体10は全体形状が異なっているだけで、詳細は壁掛けパネル型面発色装置1について説明したものと同様である。
【0122】
図26に示すように、床置きパネル型面発色装置2では、中空セル連続体10の出光面(図13において上側)に、出光面の色相調整のためのカラーフィルタ70及び保護用のPC樹脂製の板72が配置され、中空セル連続体10の裏側には反射シート43が配置されている。また、回路基板30と枠体22との間には補強ブロック23が配置されている。さらに、床置きパネル型面発色装置4の中央部で中空セル連続体10の裏側の部分には圧力センサ52が配置されている。なお、センサについては、公知の各種のセンサを使用することができ、圧力センサの他には例えば赤外線、光電、音、温度、振動、磁気、湿度を検知するセンサを用いることもできる。
【0123】
床置きパネル型面発色装置2は、公共施設の通路や廊下等の床に埋め込まれるようにして使用される。床置きパネル型面発色装置2は、定常的に通路を照明する照明装置として機能させても良いし、緊急時にのみ点灯して避難経路を示す誘導灯として機能させても良いし、ユーザが床置きパネル型面発色装置2を踏んだ場合のみ圧力センサ52の働きで点灯するように機能させても良い。
【0124】
以上、本発明に係る面発色装置を、壁掛けパネル型及び床置きパネル型に構成したものを用いて説明を行ったが、本発明に係る面発色装置は軽量且つ簡易な構成である利点を生かし、パネル型以外の多くの屋内、屋外用の照明器具、建材等として利用することもできる。また、本発明に係る面発色装置は、壁面を始めとして柱、天井、床、腰板などの平面や曲面の室内、室外のあらゆる面やオブジェクトにも使用できる。複数の部材を結合することにより中空セル連続体を構成することを示したが、異なる形状の部材を使用しても、結合後の形状において中空セル連続体を構成すれば、本発明の趣旨に含まれるものである。
【0125】
上述したように、本発明に係る面発色装置を用いると中空セルごとに異なった色で発色させることにより、ストライプ状の面発色を行うことができるため、等間隔で成り立つ色空間というストライプによって秩序のある、または単純幾何学的関係によって選ばれた色は調和するという「秩序の原理」を満たすことができる。さらに、「近親性の原理」に沿うように通常見慣れた自然界の色とその変化を表すように各中空セルをストライプ状の配色で発色させて面発色させることにより、人の情緒への心地よさの働きかけをより顕著なものにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0126】
【図1】本発明に係る壁掛けパネル型面発色装置の出光面側から見た正面図である。
【図2】図1に示す壁掛けパネル型面発色装置の断面図である。
【図3】壁掛けパネル型面発色装置に用いられる光源の概略構成を示す図である。
【図4】中空セル連続体の斜視図である。
【図5】中空セル連続体に設けられる溝の方向を示す図である。
【図6】LEDから放射される光の色と中空セル連続体が表示する色の一例を示す図である。
【図7】他の中空セル連続体の斜視図である。
【図8】LEDから放射される光の色と中空セル連続体が表示する色の他の例を示す図である。
【図9】他の中空セル連続体の斜視図である。
【図10】他の中空セル連続体の斜視図である。
【図11】他の中空セル連続体の斜視図である。
【図12】他の中空セル連続体の斜視図である。
【図13】他の中空セル連続体の斜視図である。
【図14】他の中空セル連続体の斜視図である。
【図15】図12〜図14の中空セル連続体に利用することが可能な他の部材を示す図である。
【図16】図12〜図14の中空セル連続体に利用することが可能な更に他の部材を示す図である。
【図17】図16(a)に示す部材を利用した中空セル連続体の斜視図である。
【図18】図16(b)に示す部材を利用した中空セル連続体の斜視図である。
【図19】他の中空セル連続体の斜視図である。
【図20】他の中空セル連続体の斜視図である。
【図21】他の中空セル連続体の斜視図である。
【図22】他の中空セル連続体の斜視図である。
【図23】他の中空セル連続体の斜視図である。
【図24】他の中空セル連続体の斜視図である。
【図25】本発明に係る床置きパネル型面発色装置の発光面側から見た正面図である。
【図26】図25に示す床置きパネル型面発色装置の一部断面図である。
【符号の説明】
【0127】
1 壁掛けパネル型面発色装置
2 床置きパネル型面発色装置
10、100、110、120、130、140、150、160、200、210、220、230、240、250 中空セル連続体
11、111、121、131、134、141、151、164、165、201、221 中空セル
31 LED
40、42 拡散シート
41 レンズシート
43 反射シート
52 V字状溝
【技術分野】
【0001】
本発明は、面発色装置に関し、特に中空セル連続体を用いた面発色装置に関する。
【背景技術】
【0002】
美しく繊細な単色の表現力は配色の美学にも及んでおり、過去にさかのぼると、季節のうつろいを衣服で表現した「襲の色目」という欧米の配色論とは違う「日本独自の色とすばらしい配色」がある。
【0003】
かさねの色目つまり、着物の表と裏や、重ね着にあらわれる色の組み合わせで、調和美がえられる(金子隆芳「色彩の心理学」著書の中)。色彩調和に関する情緒価値については、D.B.juddアメリカの色彩学者 ジャッドは1955年ISCCのニューズレターに発表した論文で、「色彩調和は好き嫌いの問題であり、情緒反応は人によって異なり、また同一人でもときによって異なる。われわれは古い配合にあきて、どんな変化も好ましく思う事がよくある。また一方、もともと無関心であった色の配合を、たびたび見ているうちに、好ましく思う事もある。」としながら、先人たちの研究を次の4つの要素にまとめている。
1.秩序(秩序性)の原理 規則的に選ばれた色は調和する
2.なじみ(親近性)の原理 日常の自然の中で慣れ親しんだ色合は調和的であり、それに逆らいすぎないこと。
3.類似性(共通性)の原理 どんな色も、共通性があれば調和する
4.明瞭性の原理 色同士に適度な対比があること
【0004】
つまり、日本における重要な配色をあらわしているのは、2、の「なじみの原理」と3の「類似性の原理」といえる。
【0005】
また、O.N.Rood1879「現代色彩学」アメリカの自然学者 ルードの色彩調和論にも自然の観察の中から導きだされた「自然の色の見えの効果」の原理があり、「自然光のもとで観察した色の見え方には一定の法則がある。樹木の葉や草の葉は日光の当たっている部分は明るく黄みの緑に、陰では暗く青みの緑に見える。赤い花弁の日光の当たっている部分は明るく黄みの赤に、陰の部分は暗く青み(紫み)に見える」この考え方は現在の色彩調和論にとって重要な原理のひとつとされている。
【0006】
ところで、液晶ディスプレイ等のバックライトに用いられる面発光装置では、冷陰極管等の線状光源からの光を平板状の導光板を用いて拡散させることによって面発光照明を実現している(例えば、特許文献1)。これらは、液晶ディスプレイの発光源とするために導光板および拡散板やシートを用いて均一な輝度の白色光の出射面を得ることを目的とするものである。このような面発光装置に、液晶、カラーフィルタ、及びブラックマトリックス等の多くの層を積層した液晶ユニットを組み合わせる事により、有色のディスプレイとすることも可能であるが、全体として構造が複雑且つ高コストのもとなってしまう。
【0007】
また、比較的安価なLEDを基板上に等間隔で複数配置し、看板等を裏側から直接照明するための面発光照明装置として利用することも知られている。しかしながら、このような面発光照明装置は発色面内に輪郭のはっきりした色柄を表現するのは難しいものであった。
【0008】
面状発光体をケースと発光ダイオードおよびプリント基板とで構成する面状発光体が知られている(例えば、特許文献2)。しかしながら、当該面状発光体は、均一で明るい照明を得ることを目的とするものであるため、面全体において均一な光を発するための構成であり、面の一部分で異なる色に発色させ、輪郭のはっきりした色柄を表現するのは難しいものであった。
【0009】
【特許文献1】特開平11−237629号公報
【特許文献2】実開平6−15006号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、本発明は、中空セル連続体を用いた面発色装置を提供することを目的とする。
【0011】
また、本発明は、中空セル連続体とLEDを用いて、薄型、省電力、軽量、且つ安価な面発色装置を提供することを目的とする。
【0012】
さらに、本発明は、繧繝彩色での白地の上に同色色相で、淡い色、やや濃い色、濃い色と段階的な配列や、ぼかしの効果の彩色法での配色技法で色相だけでなく、トーン(明度・彩度)の共通性も含まれており、曖昧で微妙な日本の情緒的な季節感を色で表現できる面発色可能な装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、本発明に係る面発色装置は、開口部を有する中空セルが複数隣接した形態を有し且つ複数の隔壁を有する中空セル連続体と、中空セルの開口部から光を入射する光源と、中空セルの開口部から入射された光により中空セル連続体の隔壁を発色させるために隔壁に配置された光偏向手段を有することを特徴とする。
【0014】
また、上記課題を解決するために、本発明に係る面発光装置は、共通天板に対して複数の部材が結合することによって開口部を有する複数の中空セルを有するように構成され且つ複数の隔壁を有する中空セル連続体と、中空セルの開口部から光を入射する光源と、中空セルの開口部から入射された光により中空セル連続体の隔壁を発色させるために隔壁に配置された光偏向手段を有することを特徴とする。
【0015】
さらに、上記課題を解決するために、共通板に対して複数の部材が結合することによって開口部を有する複数の中空セルを有するように構成され且つ複数の隔壁を有する中空セル連続体と、中空セルの開口部から光を入射する光源と、中空セルの開口部から入射された光を中空セル連続体の前記隔壁を発色させるために隔壁に配置された光偏向手段を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、中空セル連続体の中空セルの開口を有する側面からの光によって面発色を行うことから、薄型、省電力、軽量、且つ安価な面発色装置を提供することが可能となった。
【0017】
また、本発明によれば、光源からの光が中空セル連続体の中空セルの開口から入射され、中空セル連続体の出光面から間接的に出射されるため、人に働きかけて心地よさという心理的効果を与えるような情緒価値を有する面発色装置を提供することが可能となった。
【0018】
さらに、本発明によれば、透光性のある隔壁によって分割された複数の中空セルの各々に入射した異なった色の光を混色させて中空セル連続体の表の面へ出射させることができるので、いままでになかった色彩や明度の光の配列による発色を行うことが可能となった。
【0019】
さらに、本発明によれば、不透明な隔壁によって分割された複数の中空セルの各々に入射した異なった色の光を、混色させずに、中空セル毎に中空セル連続体の表の面へ出射させることができるので、いままでになかった色彩や明度の光の配列による発色を行うことが可能となった。
【0020】
さらに、本発明によれば、共通板(または共通天板)に対して複数の部材を結合させた中空連続体とすることで、曲面の壁面等に容易に沿わせることが出来るので平面以外の場所への面発色パネルの設置を可能とした。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明に係る面発色装置を図面を参照しながら説明する。しかしながら、本発明が、図面又は以下に記載される実施形態に限定されるものではないことを理解されたい。
【0022】
図1は、本発明に係る面発色装置を壁掛けパネルとして構成した壁掛けパネル型面発色装置1の発色面側から見た正面図である。また、図2は、図1におけるAA´断面図である。
【0023】
図1及び2に示すように、壁掛けパネル型面発色装置1は、中空セル連続体10、開口部21を有する枠体20、LED回路基板30、LED31等から構成されている。また、中空セル連続体10の出光面側(枠体20の開口部21側)には、第1拡散シート40、レンズシート41及び第2拡散シート42が、この順番で積層配置されている。また、中空セル連続体10の裏側には反射シート43が配置されている。
【0024】
図3は、LED31から構成される光源及びLED回路基板30の概略を示した図である。なお、実装の回路図は省略する。
【0025】
LED回路基板30上には、複数のLED31が等間隔で配置されている。各LED31は、R色発光LED素子32、G色発光LED素子33及びB色発光LED素子34が一つにパッケージされたLEDであって、多彩な発色ができる。また、光源部の各LED31は、制御部50により任意の色で発色が可能である。なお、センサ52の利用については後述するが、必ずしも必要なものではない。なお、各LED31は、R色の単色LED、G色の単色LED、B色の単色LED又はW(ホワイト)色の単色LEDであっても良い。単色LEDを使用する場合には、複数のLEDを1つの中空セルに対応するように配置することが、多彩な発色が可能となる点で好ましい。また、これに用いるLEDとしては、上述のチップ型のほか、オーバル型や砲弾型の各種のLEDを使用することができる。
【0026】
図4は、中空セル連続体10を示す斜視図である。
【0027】
中空セル連続体10は、複数の中空セル11が、それらの長手方向に沿って一体化した構造を有している。ここで長手方向とは、筒状の多角柱状に形成された中空セルの長軸方向をいう。各中空セル11は、長手方向の両端が開放され、中空で、四角柱状であって、天板12、底板13、側面板14及び15から構成されている。隔壁とは、空間や他の中空セルから当該セルを仕切るものである。四角柱状の場合は、部位によって、天板、底板、側面板と呼ぶ。ここで、天板12側が、パネル型面発色装置1の出光面側、即ち発光面側である。なお、中空セル連続体とは、複数の中空セルが長手方向の側面において隣接したものを指すものとする。
【0028】
図4の場合、中空セル11は、縦(a)が750mm、横(b)が6mm、幅(高さ)(c)が6mmに設定されおり、天板12、底板13及び側面板14及び15は全て厚さ0.33mmの透明のポリカーボネート樹脂(以下、PC樹脂という。)によって構成されている。なお、上記の中空セル11の大きさは一例であって、他の値を採用することもできるが、横(b)は、3〜100mm、幅(高さ)(c)は、3〜80mmである事が中空セルの大きさに対応した適度な大きさのストライプ柄の面発色ができる点で好ましい。また、中空セル11の本数も任意に選択することができるが、中空セルが4〜250本隣接している事が好ましく、さらに好ましくは15〜150本、よりさらに好ましくは20〜100本である事が、中空セルの数に対応した多数のストライプ柄で面発色を行うことができる点において好ましい。また、中空セルの縦/横の割合は、30〜200倍であることが、ストライプ柄を視認しやすい点において好ましい。
【0029】
さらに、中空セル11は、PMMA樹脂、MS樹脂、PET等のポリエステル樹脂、PSt樹脂、COP樹脂、COC樹脂、PP樹脂やPE樹脂等のオレフィン樹脂、PVC樹脂、アイオノマー樹脂、ガラス等によって構成しても良い。
【0030】
図4に示すように、各LED31は、各中空セル11に挿入可能な形状をしており、図2に示すように、壁掛けパネル型面発色体1として組み立てる際には、各LED31を各中空セル11の開口から内部に挿入するようにして配置している。その点で、中空セル11の横b×幅cの大きさは、光源として利用するLED31が入る程度の大きさであることが好ましい。
【0031】
各LED31の光の放射中心が、各中空セル11の長手方向と略平行になるように各LED31が配置されていることが好ましく、各LED31の光の放射中心が、各中空セル11空間の長手方向の中心線と一致するように各LED31が配置されていることが更に好ましい。LEDが中空セルの開口から内部へ挿入するように配置されていると、組立時や使用時の振動による中空セル開口部とLEDのずれを防止する、又、LEDからの光がセル外へ拡散を防止して光の出射効率を高める、又、LEDと中空セルを挿入させることで組み立て作業を効率化する等の利点がある。
【0032】
上述の例では、1つの中空セル11に1つのLED31が対応して構成されているが、必ずしも全てのセルにLEDを設ける必要はない。例えば、1つ置きに、LEDを配置するようにしても良く、安価にできる。また、例えば、中空セルの横(b)又は幅(c)の異なる大小の中空セルが交互に配置される中空セル連続体を形成し、大きい中空セルのみにLEDを設け、小さい中空セルにはLEDを設けないようにしても良い。このような中空セル連続体において、大きい中空セルのみにLEDを配置した場合でも、大きい中空セルから小さい中空セルへと拡散した光が小さい中空セルの隔壁でも発色し、面発色装置として機能させることができる。
【0033】
次に、中空セル11の開口部から中空セル11内に入射した光が、中空セル連続体10の隔壁を発色させるための光偏向手段について説明する。
【0034】
図2に示すように、LED31から放射した光60の多くは、中空セル11の長手方向に沿って、中空セル11内を反射しながら反対側に配置されたLED31に向かって進んで行く(例えば、光61)。したがって、そのままでは中空セル連続体10の出光面側から多くの光が出射することは望めない。そこで、本発明に係る面発色装置では、中空セル連続体10の出光面側の表面(即ち、各中空セル11の天板12となる側面の出光面側上面)全体に、中空セルの長手方向と垂直な方向Xに沿ってV字状の溝62(深さ3μm、幅20μm)を複数配置した。また、V字状の溝62は、LED31に近い側では5mmピッチ、中空セル11の中央部分では50μmピッチとなるように連続的にピッチを変更しながら設けた。LED31から放射され、中空セル11内を進んできた光60が、天板12に入射し、さらにこのようなV字状の溝62に入射すると、入射光が中空セル連続体10の出光面側に向けて出射される。このようにして、中空セル連続体10の表面全体に設けられたV字状の溝62によって、LED31から放射された光が、中空セル連続体10の出光面側に出射されようになり、光偏向手段を設けた面が発色することとなる。この時、観察者は、発色された面、すなわち発色面を見ることとなる。v字状の溝62のピッチを上記のように設けたことにより、中空セルの長手方向の中央部と光源側近傍の明るさ(例えば、輝度)の比率を1:3〜1:9にすることができる。明るさの比率がこのような範囲にあると自然の中にある色彩や明度の調和の取れた表現ができ、観察者は心地よさを感じることができる。各LED31から放射された光は、主に各LED31が挿入された各中空セルの発光面側の長手方向に延びる面全体から出射するが、中空セル11の側面板14及び15が透明な場合には、隣接する中空セルの発光面へ向かっても拡散して行くため、側面板14及び15の近傍では光の加法混色が起こり、自然な発色となるとともに、概ねストライプ柄が形成される(図6参照)。また、側面板14及び15が不透明な場合は、隣接する中空セルへ向かって光が拡散することがないので、はっきりとしたストライプ柄が形成される(図8参照)。
【0035】
図2の例では、中空セル11の長手方向の両側に設けられた開口部にそれぞれLED31を設けたが、一方にのみLED31を設けても良い。その場合、LED31を設けていない中空セル11の開口部には、光を反射させる為の反射シートを配置することが好ましい。
【0036】
なお、中空セル連続体10の出光面側には、出光面側より前述の出射光を得るための第1及び第2の拡散シート40、42、及び中空セル連続体10からの散乱光を発光面に垂直方向に偏向させるためのレンズシート41が設けられている。なお、図2の例では、1枚のレンズシートを設けたが、XY方向用に2枚のレンズシートを設けるようにしても良い。なお、レンズシートは任意であり、使用しなくても良い。また、V字状の溝で出射される光は必ずしも中空セル連続体の出光面側のみに向かうとは限らないことから、中空セル連続体10の裏側に反射シート43を設けることによって、光量の有効利用を図り、中空セル連続体10の出光面側から出射する光量を高める構成としている。なお、反射シートを使用しない場合には、発色された面は、明度や彩度を低く調整することができ、暗さを伴う発色がしやすくなる。また、その場合には、中空セル中に微妙な陰影ができることを利用してクリスタルのような透明感と奥行き感のある発色を行うこともできる。
【0037】
第1及び第2の拡散シート40、42は、PC樹脂及びPET樹脂等の透明樹脂により構成されていることが好ましく、全光線透過率は80%以上でヘーズは70%以上のものがより好ましい。また、レンズシート41としては、BEFシート又はDBEFシート(共に3M社製)を用いることが好ましい。さらに、反射シート43としては、可視光の反射率が50%以上(より好ましくは80%以上)である、PETフィルムに酸化チタン等を含有させたシート、PETフィルムにアルミニウムや銀等を蒸着させたシート、又はPC樹脂、PET樹脂等の低発泡体等を用いることが、光の反射を多くして出射する光量を高めることができる点で好ましい。
【0038】
なお、第1及び第2の拡散シート40、42、レンズシート41、及び反射シート43は必ずしも設ける必要はなく、用途に応じて適宜必要に応じて利用すれば良い。
【0039】
また、上述した例では、中空セル11の天板12の表面全体に、光偏向手段の一例として中空セルの長手方向と垂直な方向Xで複数のV字状の溝を設けた。しかしながら、V字状の溝を設ける方向は、必ずしも、中空セルの長手方向と垂直な方向Xに限らず、中空セルの長手方向と平行な方向Yや中空セルの長手方向と35〜55度の角度を持って、好ましくは45度の角度を持って傾いている方向Z等の方向に沿って設けても良い(図5参照)。また、V字状の溝は連続するもののみならず、断続的に形成しても良い。
【0040】
さらに、上述した例では、深さ3μm、幅20μmのV字状の溝102をピッチ5mm〜50μmで設けたが、V字状の溝の形状やピッチはこの値に限定されるものではなく、適宜他の最適な値を取ることが可能である。その中でも、V字状の溝の深さは3〜6μm、幅は20〜40μmが好ましい。さらに、ピッチについても、中空セル11の長手方向全体に渡って同じピッチとしても良い。
【0041】
光偏向手段として、上述したV字状の溝以外にも、U字状の溝、レーザによって刻印されるか印刷されたドット形状(ドット状の微細な凹凸)、逆四角錘状の凹を配列したもの、溶剤、プラズマ又は電子線照射等によるエッチング加工により得られるランダムな凹凸、逆V字状の凸部、及び逆U字状の凸部等を用いることもできる。さらに、V字状の溝、U字状の溝、ドット形状、逆四角錘状の凹を配列したもの、エッチング加工により得られるランダムな凹凸、逆V字状の凸部、及び逆U字状の凸部等の光偏向手段は、中空セル11の出光面である天板12の表の面だけでなく、天板12の裏の面、出光面の反対側に配置された底板13の表の面又は裏の面や側面板14に設けることも、それらの内の複数の面に設けることもできる。特に底板13の表の面または裏の面に設けた場合、中空セル11の長手方向に沿って、中空セル11内を反射しながら反対側に配置されたLED31に向かって進んできた光は、底板13における光偏向手段で偏向され、出光面から出射される。この時、光偏向手段を有する底板13の表面(表の面または裏の面)が発色面となり、面発色装置が発色する。
【0042】
また、光偏向手段は、中空セル11の出光面である天板12の表面(表の面または裏の面)に設けられたランダムな凹凸形状であっても良い。ランダムな凹凸形状は、サンドブラスト加工によって中空セル連続体の表面を荒らすことによって、あるいは熱された凹凸形状を有するプレス板で天板12の表面に刻印することによって形成することが可能である。また、その場合の凹凸は、Rz(JIS 2001−B0601)が0.04μm以上、中空セル11の天板12の厚さの2/3以下であることが好ましい。凹凸が、0.04μm未満であると光源から来る色の光の散乱性や光の出射特性が十分に発揮できなくなり、中空セル11の天板12の厚さの2/3より大きいと複層体としての十分な強度を保持できなくなるからである。また、ランダムな凹凸形状は、中空セル11の天板12の裏面、出光面の反対側に配置された底板13の表の面又は裏の面や側面板14に設けることも、それらの内の複数の面に設けることもできる。
【0043】
さらに、光偏向手段は、中空セル11の天板12に、熱硬化性あるいは熱可塑性の樹脂、ゴムまたはゲル状物を含む溶液を中空セル連続体に吹き付けた後、当該溶液の溶剤の揮散及び/または当該溶液の熱硬化により固化させることによって形成した(光透過性を有する)凸部であって良い。
【0044】
さらに、光偏向手段は、中空セル11の天板12等にレーザ照射やヒーター等で加工された気泡であっても良い。
【0045】
さらに、光偏向手段は、中空セル11の天板12等に添加された拡散材であっても良い。添加される拡散材としては、ガラス、シリカ、マイカ、合成マイカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、モンモリロナイト、カオリンクレー、ベントナイト、ヘクトライト等の無機粒子、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、アルミナ等の金属酸化物粒子、アクリルビーズ、スチレンビーズ、ベンゾグアナミン、シリコーン等のポリマー粒子を用いることができる。例えば、中空セル11をPC樹脂で形成した場合、PC樹脂100部に対して、拡散材として平均粒径2μmのシリコーンを0.05部添加した場合のヘーズは67.3%、同シリコーンを0.1部添加した場合のヘーズは83%、同シリコーンを0.5部添加した場合のヘーズは93%となる。なお、拡散材を添加した場合のヘーズは、10%以上99%以下であることが好ましい。10%未満であると光の散乱効果が十分ではなく、99%以上であると光の出射特性が低くなってしまうからである。また、光偏向手段として、中空セルの隔壁に貼付された不織布や紙を用いることが出来る。
【0046】
図6に、LEDから入射される光の色と中空セル連続体の発色面が彩色された状態の一例を示す。
【0047】
図6に示す例では、中空セル連続体10は、図4に示すように複数の中空セル11の側面板14及び15が透明である。また、図6に示すように、各中空セル11に対応したLED31から交互にR色とB色の光が入射しているものとする。この場合、各中空セル11に入射したR色及びB色は、側面板14及び15近傍(領域302)でのみ加法混色し、赤紫色となって、中空セル連続体10の出光面側から出射する。また、中空セル連続体10の出光面側の各中空セルの中央部分(領域301がR色、領域303がB色)では、R色及びB色の概ねストライプ柄が表現できる。
【0048】
このように、側面板14及び15が透明な中空セル11を用いた壁掛けパネル型面発色装置1では、複数のLED31が異なる色の光を放射する場合に放射された光が混色するので、個々のLED31が放射する色に比べて更に多彩で表現豊かな色で発色させることが可能となった。
【0049】
図7に、他の中空セル連続体の斜視図を示す。
【0050】
図7に示す中空セル連続体100と図4に示す中空セル連続体10との差異は、図7に示す中空セル連続体100の側面板104及び105が不透明である点である。中空セル連続体100は、複数の中空セル101が、それらの長手方向に沿って一体化した構造を有している。各中空セル101は、長手方向の両端が開放され、中空で、四角柱状であって、天板102、底板103、側面板104及び105から構成される。ここで、天板102側が、パネル型面発色装置1の出光面側である。
【0051】
なお、図7に示す中空セル連続体100における中空セル101のサイズ、材質、設けられた光偏向手段としてのV字状の溝等は、図4に示す中空セル11と同様であるので、説明を省略する。また、図7に示す中空セル連続体100は、図1〜図4に示す壁掛けパネル型面発色装置1の中空セル連続体10として用いることができる。
【0052】
側面板104及び105は、可視光線の反射率50%以上、望ましくは70%以上であることが好ましい。具体的には、側面板104及び105の部分を酸化チタン含有の塗料を被覆させる、側面板104及び105の部分にAg又はAlの蒸着膜を形成すること等によって実現できる。
【0053】
図8に、LEDから放射される光の色と中空セル連続体が表示する色の他の例を示す。
【0054】
図8に示す例では、図7に示す中空セル連続体100を用い、各中空セル101に対応したLED31から交互にR色とB色の光を入射させた。この場合、各中空セルに入射したR色及びB色は隣接した中空セル間では混色せず、1つの中空セル毎にR色及びB色を中空セル連続体100の出光面側から出射する。
【0055】
このように、側面板104及び105が不透明な中空セル連続体100を用いた壁掛けパネル型面発色装置1では、複数のLED31が放射する光を中空セル毎に混色しないように発色させることが可能となった。例えば、連続するLED31から、同じ色相で明度が異なった色の光を放射すれば、面発色装置の発色面をグラデション調に表現することができる。また、所定間隔で複数のLED31から放射する光を時間の経過に応じて変化させれば、色が移動するような表現を行うこともできる。
【0056】
図9に、更に他の中空セル連続体の斜視図を示す。
【0057】
図9に示す中空セル連続体110と図4に示す中空セル連続体10との差異は、その結合方法が異なるだけであって、構成自体に変わるところは無い。したがって、中空セル連続体110は、複数の中空セル111が、それらの長手方向に沿って結合されて一体化した構造を有している。各中空セル111は、長手方向の両端に開口部を有し、中空で、四角柱状であって、天板112、底板113、側面板114及び115から構成される。ここで、天板112側が、パネル型面発色装置1の出光面側である。
【0058】
中空セル111のサイズ、材質、設けられた光偏向手段としてのV字状の溝等は、図4に示す中空セル11と同様であるので、説明を省略する。また、図7に示す中空セル連続体110は、図1〜図4に示す壁掛けパネル型面発色装置1の中空セル連続体10として用いることができる。
【0059】
図9に示す例では、中空セル111が、始めから四角柱状ではなく、コの字状の第1部材116と側面板114が別体として当初構成され、合体しながら、中空セル連続体110を構成するように設定されている。なお、中空セル連続体は、結合方法によらず、結合後の構成が中空セルが長手方向において複数隣接した形態のものであり、発色面と開口部を有するものであれば、中空セル連続体として用いる事が可能である。上記の例では、側面板114を使用せず、断面形状がコの字状の第一部材116を順次同方向に結合することによっても中空セル連続体を形成することができる。
【0060】
図10に、更に他の中空セル連続体の斜視図を示す。
【0061】
図10に示す中空セル連続体120と図4に示す中空セル連続体10との差異は、その結合方法が異なるだけであって、構成自体に変わるところは無い。したがって、中空セル連続体120は、複数の中空セル121が、それらの長手方向に沿って一体化した構造を有している。各中空セル121は、長手方向の両端に開口部を有し、中空で、四角柱状であって、底板123、側面板124及び125から構成される。しかしながら、パネル型面発色装置1の出光面側である天板122は、各中空セルに共通の1枚板である。
【0062】
中空セル121のサイズ、材質、設けられた光偏向手段としてのV字状の溝等は、図4に示す中空セル11と同様であるので、説明を省略する。また、図7に示す中空セル連続体120は、図1〜図4に示す壁掛けパネル型面発色装置1の中空セル連続体10として用いることができる。
【0063】
図10に示す例では、中空セル121が、始めから四角柱状ではなく、Lの字状の第1部材126と側面板124が別体として当初構成され、共通の天板122と合体しながら、中空セル連続体120を構成するように設定されている。なお、図10に示す中空セル連続体120は、天板122が各中空セル121に共通であるため、光偏向手段としてのV字状の溝等を一度に形成し易いという利点がある。なお、中空セル連続体は、結合方法によらず、結合後の構成が中空セルが長手方向において複数隣接した形態のものであり、発色面と開口部を有するものであれば、中空セル連続体として用いる事が可能である。上記の例では、側面板124を使わず、天板122と断面形状がL字状の第一部材を順次同方向に結合することによっても中空セル連続体を形成することができる。
【0064】
図11に、更に他の中空セル連続体の斜視図を示す。
【0065】
図11(a)は中空セル連続体130の斜視図であり、図11(b)は中空セル連続体130の構成図である。
【0066】
図11に示す中空セル連続体130は、複数の中空セル131を有しているが、複数の中空セル131は、共通天板132、共通底板133及びそれらの間に間隔を空けて配置された中空セル131から構成されている。各中空セル131は、長手方向の両端に開口部を有し、中空で、四角柱状であって、天板135、底板136、側面板137及び138から構成される。したがって、中空セル連続体130は、各中空セル131自体の他に、共通天板132、共通底板133、及び各中空セル131の側面板137及び138によって構成される中空セル134を有することとなる。
【0067】
なお、中空セル連続体は、結合方法によらず、結合後の構成が、中空セルが長手方向において複数隣接した形態のものであり、発色面と開口部を有するものであれば、中空セル連続体として用いる事が可能である。上記の例では、中空セル131に換えて天板135がなく断面形状がU字状の部材を使用することによっても、中空セル連続体を形成することができる。
共通天板132、共通底板133、及び中空セル131のサイズ、材質等は、図4に示す中空セル11と同様であるので、説明を省略する。また、図7に示す中空セル連続体130は、図1〜図4に示す壁掛けパネル型面発色装置1の中空セル連続体10に代りに用いることができる。
【0068】
また、図11に示す中空セル連続体130では、各中空セル131及び中空セル134の各々にLED31が対応するように構成されている。また、中空セル連続体130では、共通天板132の上面に、図4に示す中空セル11で説明したものと同じ光偏向手段としてのV字状の溝が構成されている。
【0069】
さらに、図11では、中空セル131は、ほぼ中空セル131の横(b)と同じ間隔だけ空けて配置されているが、他の間隔としても良い。
【0070】
図12に、更に他の中空セル連続体の斜視図を示す。
【0071】
図12(a)は中空セル連続体140の斜視図であり、図12(b)は中空セル連続体140の構成図である。
【0072】
図12に示す中空セル連続体140は、複数の中空セル141を有している。各中空セル141は、共通天板142と部材144から構成される。部材144は、長手方向の両端及び上方の天板側が開放された断面U字形状を有し、湾曲した底板146、側面板147及び148から構成される。
【0073】
中空セル141のサイズ、共通天板142及び部材144の材質等は、図4に示す中空セル11と同様であるので、説明を省略する。
【0074】
また、図12に示す中空セル連続体140では、各中空セル141の各々にLED31が対応するように構成されている。また、中空セル連続体140では、共通天板142の上面に、図4に示す中空セル11で説明したものと同じ光偏向手段としてのV字状の溝が構成されている。また、図7に示す中空セル連続体140は、図1〜図4に示す壁掛けパネル型面発色装置1の中空セル連続体10に代りに用いることができる。また、本実施例における中空セル連続体は、中空セルが1枚の共通天板で結合した構成であるので、図における上方が凹曲面となるように変形させることができる。この変形に対応可能なように、屈曲可能なLED回路基板を選択し、パネルに使用する枠体を屈曲可能なものを適宜選択すれば、上記中空セル連続体を用いて曲面に設置可能な面発色パネルを構成することができる。また、本実施例における中空連続体は、複数の部材により構成されたもののみならず、一つの部材として成形されたものも使用することができる。
【0075】
図13に、更に他の中空セル連続体の斜視図を示す。
【0076】
図13(a)は中空セル連続体150の斜視図であり、図13(b)は中空セル連続体150の構成図である。
【0077】
図13に示す中空セル連続体150は、複数の中空セル151を有している。各中空セル151は、部材154と共通底板153とから構成される。部材154は、長手方向の両端及び下方の底面側が開放された断面U字形状を有し、湾曲した天板155、側面板157及び158から構成される。
【0078】
中空セル151のサイズ、部材154と共通底板153の材質等は、図4に示す中空セル11と同様であるので、説明を省略する。また、図13に示す中空セル連続体150は、図1〜図4に示す壁掛けパネル型面発色装置1の中空セル連続体10に代りに用いることができる。また、本実施例における中空セル連続体は、中空セルが1枚の共通底板で結合した構成であるので、図における上方が凸曲面となるように変形させることができる。この変形に対応可能なように、屈曲可能なLED回路基板を選択し、パネルに使用する枠体を屈曲可能なものを適宜選択すれば、上記中空セル連続体を用いて曲面に設置可能な面発色パネルを構成することができる。また、本実施例における中空連続体は、複数の部材により構成されたもののみならず、一つの部材として成形されたものも使用することができる。
【0079】
また、図13に示す中空セル連続体150では、各中空セル151の各々にLED31が対応するように構成されている。また、中空セル連続体150では、各部材154の湾曲した天板155の上面に、図4に示す中空セル11で説明したものと同じ光偏向手段としてのV字状の溝が構成されている。しかしながら、中空セル連続体150では、共通底板153のみに図4に示す中空セル11で説明したものと同じ光偏向手段としてのV字状の溝を構成しても良い。
【0080】
図14に、更に他の中空セル連続体の斜視図を示す。
【0081】
図14(a)は中空セル連続体160の斜視図であり、図14(b)は中空セル連続体160の構成図である。
【0082】
図14に示す中空セル連続体160は、複数の中空セル164及び165を有し、共通天板162、共通底板163及びそれらの間に間隔を空けて配置された部材161から構成されている。部材161は、長手方向の両端及び一方の側面側が開放された断面U字形状を有し、湾曲した底板166、側面板167及び168から構成される。中空セル164は、共通天板162と部材161とが結合されることによって構成され、中空セル165は、共通天板162、共通天板163、及び部材166の側面板167及び168によって構成される。
【0083】
中空セル161のサイズ、共通天板162、共通底板163及び部材161の材質等は、図4に示す中空セル11と同様であるので、説明を省略する。また、図14に示す中空セル連続体160は、図1〜図4に示す壁掛けパネル型面発色装置1の中空セル連続体10として用いることができる。
【0084】
また、図14に示す中空セル連続体160では、各中空セル164及び165の各々にLED31が対応するように構成されている。また、中空セル連続体160では、共通天板162の上面に、図4に示す中空セル11で説明したものと同じ光偏向手段としてのV字状の溝が構成されている。さらに、図14では、部材161は、ほぼ部材161の横(b)と同じ間隔だけ空けて配置されているが、他の間隔としても良い。
【0085】
図15は、他の中空セル連続体の例を示す図である。
【0086】
図12〜図14に示した中空セル連続体140〜160は、長手方向の両端及び一方の側面側が開放された断面U字形状を有し、湾曲した天板又は底板、側面板から構成される部材を用いて構成されている。そして、図12〜図14に示した中空セル連続体140〜160に示した部材141、151及び161の代わりに、図15に示す部材170、171及び172を利用することもできる。
【0087】
部材170は、長手方向の両端及び一方の側面側が開放された断面U字形状であって、湾曲した天板又は底板のみから構成される。また、部材171は、長手方向の両端及び一方の側面側が開放された断面V字形状であって、2枚の側面板から構成される。部材172は、長手方向の両端及び一方の側面側が開放された断面台形状であって、天板又は底板、及び2枚の側面板から構成される。本実施例により構成された上記中空セル連続体は、中空セルが1枚の共通天板ないし底板で結合した構成であるので、上方が凹曲面ないし凸曲面となるように変形させることができる。この変形に対応可能なように、屈曲可能なLED回路基板を選択し、パネルに使用する枠体を屈曲可能なものを適宜選択すれば、上記中空セル連続体を用いて曲面に設置可能な面発色パネルを構成することができる。また、本実施例における中空連続体は、複数の部材により構成されたもののみならず、一つの部材として成形されたものも使用することができる。
【0088】
図16は、更に他の中空セル連続体の例を示す図である。
【0089】
図12〜図14に示した中空セル連続体140〜160の代わりに、図16に示す中空セル連続体180、181、182、183及び184を利用することもできる。
【0090】
図16(a)に示す中空セル連続体180は、長手方向の両端及び一方の側面側が開放され、離間した断面台形形状であって、天板又は底板が一連となった構造を有する。また、図16(b)に示す中空セル連続体181は、長手方向の両端及び一方の側面側が開放され、離間した断面長方形形状であって、天板又は底板が一連となった構造を有する。さらに、図16(c)に示す中空セル連続体182は、長手方向の両端及び一方の側面側が開放され、離間した断面U字形状であって、天板又は底板が一連となった構造を有する。さらに、図16(d)に示す中空セル連続体183は、長手方向の両端及び一方の側面側が開放され、離間した断面五角形形状であって、天板又は底板が一連となった構造を有する。
【0091】
図16(e)に示す中空セル連続体184は、長手方向の両端及び一方の側面側が開放され、離間した断面四角形状であって、天板又は底板が一連となった構造を有する。また、中空セル連続体184の一部の中空セルの側面には、スリット状の開口部185が設けられている。中空セル連続体184を湾曲させたとしても、開口部185が適切に開いたり閉じたりして、中空セル連続体184の全体の形状を保持することが可能となる。
【0092】
図17は、図16(a)に示した中空セル連続体の斜視図である。
【0093】
図17では、図16(a)に示した中空セル連続体180が、曲面を形成するように配置されている。これは、断面台形形状の中空セルと中空セルとの間に空間が存在することを利用したものである。また、このように曲面状に配置された中空セル連続体180に応じて、複数のLEDが配置された光源190を設け、各LEDが夫々の中空セルに対応するように構成した。
【0094】
図18は、図16(b)に示した中空セル連続体の斜視図である。
【0095】
図18では、図16(b)に示した中空セル連続体181が、曲面を形成するように配置されている。ここでは、天板又は底板上に構成されている断面四角形状の中空セルが略扇状に広がるように中空セル連続体181を湾曲させた。また、このように曲面状に配置された中空セル連続体181に応じて、複数のLEDが配置された光源191を設け、各LEDが夫々の中空セルに対応するように構成した。
【0096】
図19に、更に他の中空セル連続体の斜視図を示す。
【0097】
図19に示す中空セル連続体200は、複数の中空セル201を有している。各中空セル201は、長手方向の両端に開口部を有し、中空で、八角柱状であって、8枚の側面板202〜209から構成される。図19の例では、出光面側に側面板202が配置され、側面板202に対向する位置に側面板206が配置されている。また、複数の中空セル201は、その左右の位置する側面板204及び208が互いに結合しあって、中空セル連続体200を形成している。
【0098】
中空セル201のサイズ、材質等は、図4に示す中空セル11と同様であるので、説明を省略する。また、図7に示す中空セル連続体200は、図1〜図4に示す壁掛けパネル型面発色装置1の中空セル連続体10に代りに用いることができる。
【0099】
また、図19に示す中空セル連続体200では、各中空セル201の各々にLED31が対応するように構成されている。また、中空セル連続体200では、中空セル201の出光面側の3つの側面板202、203及び209の上面に、図4に示す中空セル11で説明したものと同じ光偏向手段としてのV字状の溝が構成されている。しかしながら、中空セル201の出光面側の1つの側面板202の上面のみに、図4に示す中空セル11で説明したものと同じ光偏向手段としてのV字状の溝を構成しても良い。
【0100】
図20に、更に他の中空セル連続体の斜視図を示す。
【0101】
図20に示す中空セル連続体210は、図19に示すように中空セル201を前後二列(前列は、201−1,201−3等の末尾が奇数番号の中空セル列であり、後列は、201−2,201−4等の末尾が偶数番号の中空セル列である。)に整列させて複数の中空セルが相互に一部重なり合いながら隣接した形態を有するように配置したものである。中空セル連続体210では、中空セル201が八角柱状であることを利用して、互いの側面板を互い違いに結合することによって形成した。なお、図20では、便宜上4つの中空セル201−1〜201−4を記載したが、中空セル201の結合個数は任意であって、面発色装置の形状や用途に応じて、自由に定めることができる。
【0102】
中空セル201のサイズ、材質等は、図4に示す中空セル11と同様であるので、説明を省略する。また、図7に示す中空セル連続体210は、図1〜図4に示す壁掛けパネル型面発色装置1の中空セル連続体10に代りに用いることができる。
【0103】
また、図20に示す中空セル連続体210では、各中空セル201の各々にLED31が対応するように構成されている。したがって、LED31も中空セル連続体210に対応するようにLED回路基板35上に配置されることとなる。また、中空セル連続体210では、中空セル201−1の出光面側の5つの側面板208、209、202、203及び204と、中空セル201−2の出光面側の1つの側面板201との上面に、図4に示す中空セル11で説明したものと同じ光偏向手段としてのV字状の溝が構成されている。しかしながら、中空セル201の出光面側の1つの側面板202の上面のみに、図4に示す中空セル11で説明したものと同じ光偏向手段としてのV字状の溝を構成しても良い。この中空セル連続体を使った面発色パネルでは、正面から見た場合セル間の境界が重なるので、この重なった部分で加法混色が起こり、立体感のある、今までにないストライプ柄の発色を行うことができる。
【0104】
図21に、更に他の中空セル連続体の斜視図を示す。
【0105】
図21に示す中空セル連続体220は、複数の中空セル221を有している。各中空セル221は、長手方向の両端に開口部を有し、中空で、六角柱状であって、6枚の側面板222〜227から構成される。図21の例では、出光面側に側面板222が配置され、側面板222に対向する位置に側面板225が配置されている。また、複数の中空セル221は、その左右の位置する頂線部分が互いに結合しあって、中空セル連続体220を形成している。
【0106】
中空セル221のサイズ、材質等は、図4に示す中空セル11と同様であるので、説明を省略する。また、図7に示す中空セル連続体220は、図1〜図4に示す壁掛けパネル型面発色装置1の中空セル連続体10に代りに用いることができる。本実施例により構成された中空セル連続体は、複数の中空セル221は、その左右の位置する頂線部分が互いに結合しあった構成であるので、上方が凹曲面ないし凸曲面となるように変形させることができる。この変形に対応可能なように、屈曲可能なLED回路基板を選択し、パネルに使用する枠体を屈曲可能なものを適宜選択すれば、上記中空セル連続体を用いて曲面に設置可能な面発色パネルを構成することができる。
【0107】
また、図21に示す中空セル連続体220では、各中空セル221の各々にLED31が対応するように構成されている。また、中空セル連続体220では、中空セル221の出光面側の3つの側面板222、223及び227の上面に、図4に示す中空セル11で説明したものと同じ光偏向手段としてのV字状の溝が構成されている。しかしながら、中空セル221の出光面側の1つの側面板222の上面のみに、図4に示す中空セル11で説明したものと同じ光偏向手段としてのV字状の溝を構成しても良い。また、本実施例における中空連続体は、複数の部材により構成されたもののみならず、一つの部材として成形されたものも使用することができる。
【0108】
図22に、更に他の中空セル連続体の斜視図を示す。
【0109】
図22に示す中空セル連続体230は、図21に示したものと同様な複数の中空セル221を有している。図22の例では、出光面側に側面板222及び227が配置され、裏面側に側面板224及び225が配置されている。また、複数の中空セル221は、その左右の位置する側面板223及び226が互いに結合しあって、中空セル連続体230を形成している。
【0110】
中空セル221のサイズ、材質等は、図4に示す中空セル11と同様であるので、説明を省略する。また、図7に示す中空セル連続体230は、図1〜図4に示す壁掛けパネル型面発色装置1の中空セル連続体10に代りに用いることができる。
【0111】
また、図22に示す中空セル連続体230では、各中空セル221の各々にLED31が対応するように構成されている。また、中空セル連続体230では、中空セル221の出光面側の2つの側面板222及び227の上面に、図4に示す中空セル11で説明したものと同じ光偏向手段としてのV字状の溝が構成されている。
【0112】
図23に、更に他の中空セル連続体の斜視図を示す。
【0113】
図23に示す中空セル連続体240は、図21に示した中空セル221を前後二列(前列は、221−1,221−3等の末尾が奇数番号の中空セル列であり、後列は、221−2,221−4等の末尾が偶数番号の中空セル列である。)に整列させて複数の中空セルが相互に一部重なり合いながら隣接した形態を有するように配置したものである。中空セル連続体240では、中空セル221が六角柱状であることを利用して、互いの側面板を互い違いに結合することによって形成した。なお、図23では、便宜上4つの中空セル221−1〜221−4を記載したが、中空セル221の結合個数は任意であって、面発色装置の形状や用途に応じて、自由に定めることができる。
【0114】
中空セル221のサイズ、材質等は、図4に示す中空セル11と同様であるので、説明を省略する。また、図23に示す中空セル連続体240は、図1〜図4に示す壁掛けパネル型面発色装置1の中空セル連続体10に代りに用いることができる。
【0115】
また、図23に示す中空セル連続体240では、各中空セル221の各々にLED31が対応するように構成されている。したがって、LED31も中空セル連続体240に対応するようにLED回路基板35上に配置されることとなる。また、中空セル連続体240では、中空セル221−1の出光面側の3つの側面板227、222及び223と、中空セル221−2の出光面側の1つの側面板222との上面に、図4に示す中空セル11で説明したものと同じ光偏向手段としてのV字状の溝が構成されている。しかしながら、中空セル221の出光面側の1つの側面板222の上面のみに、図4に示す中空セル11で説明したものと同じ光偏向手段としてのV字状の溝を構成しても良い。この中空セル連続体を使った面発色パネルでは、正面から見た場合セル間の境界が重なるので、この重なった部分で加法混色が起こり、立体感のある、今までにないストライプ柄の発色を行うことができる。
【0116】
図24に、更に他の中空セル連続体の斜視図を示す。
【0117】
図24に示す中空セル連続体250は、図21に示した中空セル221を円形に配置したものである。中空セル連続体250では、中空セル221が六角柱状であることを利用して、6個の中空セル221の側面板を略円形状に結合することによって形成した。中空セル221のサイズ、材質等は、図4に示す中空セル11と同様であるので、説明を省略する。
【0118】
また、図24に示す中空セル連続体250では、各中空セル221の各々にLED31が対応するように構成されている。したがって、LED31も円形状にLED基板36上に配置されることとなる。また、中空セル連続体250では、中空セル連続体250の外周面を形成する中空セル221の側面板の上面に、図4に示す中空セル11で説明したものと同じ光偏向手段としてのV字状の溝が構成されている。
【0119】
なお、図24に示す中空セル連続体250は、図1に示すパネル型面発色装置に用いられるものではなく、円柱状の面発色装置として利用されるものである。
【0120】
図25は、本発明に係る面発色装置を床置きパネルとして構成した床置きパネル型面発色装置2を出光面側から見た正面図である。また、図26は、図25におけるBB´断面図である。
【0121】
図25及び図26に示す床置きパネル型面発色装置2において、前述した壁掛けパネル型面発色装置1と同様の構成には同じ番号を付して説明を省略する。図25及び22に示すように、床置きパネル型面発色装置1は、中空セル連続体10、枠体22、LED回路基板30、LED31等から構成されている。また、中空セル連続体10は全体形状が異なっているだけで、詳細は壁掛けパネル型面発色装置1について説明したものと同様である。
【0122】
図26に示すように、床置きパネル型面発色装置2では、中空セル連続体10の出光面(図13において上側)に、出光面の色相調整のためのカラーフィルタ70及び保護用のPC樹脂製の板72が配置され、中空セル連続体10の裏側には反射シート43が配置されている。また、回路基板30と枠体22との間には補強ブロック23が配置されている。さらに、床置きパネル型面発色装置4の中央部で中空セル連続体10の裏側の部分には圧力センサ52が配置されている。なお、センサについては、公知の各種のセンサを使用することができ、圧力センサの他には例えば赤外線、光電、音、温度、振動、磁気、湿度を検知するセンサを用いることもできる。
【0123】
床置きパネル型面発色装置2は、公共施設の通路や廊下等の床に埋め込まれるようにして使用される。床置きパネル型面発色装置2は、定常的に通路を照明する照明装置として機能させても良いし、緊急時にのみ点灯して避難経路を示す誘導灯として機能させても良いし、ユーザが床置きパネル型面発色装置2を踏んだ場合のみ圧力センサ52の働きで点灯するように機能させても良い。
【0124】
以上、本発明に係る面発色装置を、壁掛けパネル型及び床置きパネル型に構成したものを用いて説明を行ったが、本発明に係る面発色装置は軽量且つ簡易な構成である利点を生かし、パネル型以外の多くの屋内、屋外用の照明器具、建材等として利用することもできる。また、本発明に係る面発色装置は、壁面を始めとして柱、天井、床、腰板などの平面や曲面の室内、室外のあらゆる面やオブジェクトにも使用できる。複数の部材を結合することにより中空セル連続体を構成することを示したが、異なる形状の部材を使用しても、結合後の形状において中空セル連続体を構成すれば、本発明の趣旨に含まれるものである。
【0125】
上述したように、本発明に係る面発色装置を用いると中空セルごとに異なった色で発色させることにより、ストライプ状の面発色を行うことができるため、等間隔で成り立つ色空間というストライプによって秩序のある、または単純幾何学的関係によって選ばれた色は調和するという「秩序の原理」を満たすことができる。さらに、「近親性の原理」に沿うように通常見慣れた自然界の色とその変化を表すように各中空セルをストライプ状の配色で発色させて面発色させることにより、人の情緒への心地よさの働きかけをより顕著なものにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0126】
【図1】本発明に係る壁掛けパネル型面発色装置の出光面側から見た正面図である。
【図2】図1に示す壁掛けパネル型面発色装置の断面図である。
【図3】壁掛けパネル型面発色装置に用いられる光源の概略構成を示す図である。
【図4】中空セル連続体の斜視図である。
【図5】中空セル連続体に設けられる溝の方向を示す図である。
【図6】LEDから放射される光の色と中空セル連続体が表示する色の一例を示す図である。
【図7】他の中空セル連続体の斜視図である。
【図8】LEDから放射される光の色と中空セル連続体が表示する色の他の例を示す図である。
【図9】他の中空セル連続体の斜視図である。
【図10】他の中空セル連続体の斜視図である。
【図11】他の中空セル連続体の斜視図である。
【図12】他の中空セル連続体の斜視図である。
【図13】他の中空セル連続体の斜視図である。
【図14】他の中空セル連続体の斜視図である。
【図15】図12〜図14の中空セル連続体に利用することが可能な他の部材を示す図である。
【図16】図12〜図14の中空セル連続体に利用することが可能な更に他の部材を示す図である。
【図17】図16(a)に示す部材を利用した中空セル連続体の斜視図である。
【図18】図16(b)に示す部材を利用した中空セル連続体の斜視図である。
【図19】他の中空セル連続体の斜視図である。
【図20】他の中空セル連続体の斜視図である。
【図21】他の中空セル連続体の斜視図である。
【図22】他の中空セル連続体の斜視図である。
【図23】他の中空セル連続体の斜視図である。
【図24】他の中空セル連続体の斜視図である。
【図25】本発明に係る床置きパネル型面発色装置の発光面側から見た正面図である。
【図26】図25に示す床置きパネル型面発色装置の一部断面図である。
【符号の説明】
【0127】
1 壁掛けパネル型面発色装置
2 床置きパネル型面発色装置
10、100、110、120、130、140、150、160、200、210、220、230、240、250 中空セル連続体
11、111、121、131、134、141、151、164、165、201、221 中空セル
31 LED
40、42 拡散シート
41 レンズシート
43 反射シート
52 V字状溝
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有する中空セルが複数隣接した形態を有し、複数の隔壁を有する中空セル連続体と、
前記中空セルの開口部から光を入射する光源と、
前記中空セルの開口部から入射された光により、前記中空セル連続体の前記隔壁を発色させるために、前記隔壁に配置された光偏向手段と、
を有することを特徴とする面発色装置。
【請求項2】
前記中空セルが、長手方向の両端部に前記開口部を有し、セル形状が多角柱形状である、請求項1に記載の面発色装置。
【請求項3】
前記中空セル連続体が、複数のセルが長手方向の側面において隣接した形態である、請求項1又は2に記載の面発色装置。
【請求項4】
前記中空セル連続体は、二列に整列した複数の前記中空セルが相互に一部が重なり合いながら隣接した形態を有している、請求項1〜3の何れか一項に記載の面発色装置。
【請求項5】
前記中空セル連続体は、複数の前記中空セルが略円形状に隣接した形態である、請求項1〜3の何れか一項に記載の面発色装置。
【請求項6】
前記中空セル連続体が曲面状に形成されている、請求項1〜3の何れか一項に記載の面発色装置。
【請求項7】
共通天板に対して複数の部材が結合することによって、開口部を有する複数の中空セルを有するように構成され、複数の隔壁を有する中空セル連続体と、
前記中空セルの開口部から光を入射する光源と、
前記中空セルの開口部から入射された光により、前記中空セル連続体の前記隔壁を発色させるために、前記隔壁に配置された光偏向手段と、
を有することを特徴とする面発色装置。
【請求項8】
共通板に対して、複数の部材が結合することによって、開口部を有する複数の中空セルを有するように構成され、複数の隔壁を有する中空セル連続体と、
前記中空セルの開口部から光を入射する光源と、
前記中空セルの開口部から入射された光を、前記中空セル連続体の前記隔壁を発色させるために、前記隔壁に配置された光偏向手段と、
を有することを特徴とする面発色装置。
【請求項9】
前記光偏向手段が、中空セル連続体の前記天板又は前記共通天板の表面に設けられたランダムな凹凸形状である、請求項1〜8の何れか一項に記載の面発色装置。
【請求項10】
前記光偏向手段が、中空セル連続体の前記天板又は前記共通天板の表面に設けられたドット形状、V字状又はU字状の溝である、請求項1〜8の何れか一項に記載の面発色装置。
【請求項11】
前記光源が、複数のLEDから構成される、請求項1〜10の何れか一項に記載の面発色装置。
【請求項12】
前記複数のLEDが、それぞれ前記複数の中空セル内に配置される、請求項11に記載の面発色装置。
【請求項13】
前記中空セルの少なくとも一方の開口部において、前記複数のLEDが、前記複数の中空セル内に1対1で配置される、請求項11に記載の面発色装置。
【請求項1】
開口部を有する中空セルが複数隣接した形態を有し、複数の隔壁を有する中空セル連続体と、
前記中空セルの開口部から光を入射する光源と、
前記中空セルの開口部から入射された光により、前記中空セル連続体の前記隔壁を発色させるために、前記隔壁に配置された光偏向手段と、
を有することを特徴とする面発色装置。
【請求項2】
前記中空セルが、長手方向の両端部に前記開口部を有し、セル形状が多角柱形状である、請求項1に記載の面発色装置。
【請求項3】
前記中空セル連続体が、複数のセルが長手方向の側面において隣接した形態である、請求項1又は2に記載の面発色装置。
【請求項4】
前記中空セル連続体は、二列に整列した複数の前記中空セルが相互に一部が重なり合いながら隣接した形態を有している、請求項1〜3の何れか一項に記載の面発色装置。
【請求項5】
前記中空セル連続体は、複数の前記中空セルが略円形状に隣接した形態である、請求項1〜3の何れか一項に記載の面発色装置。
【請求項6】
前記中空セル連続体が曲面状に形成されている、請求項1〜3の何れか一項に記載の面発色装置。
【請求項7】
共通天板に対して複数の部材が結合することによって、開口部を有する複数の中空セルを有するように構成され、複数の隔壁を有する中空セル連続体と、
前記中空セルの開口部から光を入射する光源と、
前記中空セルの開口部から入射された光により、前記中空セル連続体の前記隔壁を発色させるために、前記隔壁に配置された光偏向手段と、
を有することを特徴とする面発色装置。
【請求項8】
共通板に対して、複数の部材が結合することによって、開口部を有する複数の中空セルを有するように構成され、複数の隔壁を有する中空セル連続体と、
前記中空セルの開口部から光を入射する光源と、
前記中空セルの開口部から入射された光を、前記中空セル連続体の前記隔壁を発色させるために、前記隔壁に配置された光偏向手段と、
を有することを特徴とする面発色装置。
【請求項9】
前記光偏向手段が、中空セル連続体の前記天板又は前記共通天板の表面に設けられたランダムな凹凸形状である、請求項1〜8の何れか一項に記載の面発色装置。
【請求項10】
前記光偏向手段が、中空セル連続体の前記天板又は前記共通天板の表面に設けられたドット形状、V字状又はU字状の溝である、請求項1〜8の何れか一項に記載の面発色装置。
【請求項11】
前記光源が、複数のLEDから構成される、請求項1〜10の何れか一項に記載の面発色装置。
【請求項12】
前記複数のLEDが、それぞれ前記複数の中空セル内に配置される、請求項11に記載の面発色装置。
【請求項13】
前記中空セルの少なくとも一方の開口部において、前記複数のLEDが、前記複数の中空セル内に1対1で配置される、請求項11に記載の面発色装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【公開番号】特開2008−210567(P2008−210567A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−44166(P2007−44166)
【出願日】平成19年2月23日(2007.2.23)
【出願人】(000108719)タキロン株式会社 (421)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年2月23日(2007.2.23)
【出願人】(000108719)タキロン株式会社 (421)
【Fターム(参考)】
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