面積階調画像形成方法
【課題】 例えば、印刷物の作成に用いる面積階調画像を、透明媒体と反射層とが積層された画像媒体上に、例えば、プルーフを作成する際にも共通に用いることができる画像形成方法を提供する。
【解決手段】 面積階調画像を構成するドットごとの1ビットデータの集合体を用い、1の出力手段から1の画像を出力する第1の工程と、集合体を用い、他の出力手段から透明媒体と反射層とが積層された画像媒体に、反射層から0.5μm以上離れた位置に他の画像を出力する第2の工程とを有し、第2の工程は、面積階調画像に含まれる網点の網%が調整される網%調整ステップを含んで、他の画像が1の画像に近似化されることを特徴とする画像形成方法。
【解決手段】 面積階調画像を構成するドットごとの1ビットデータの集合体を用い、1の出力手段から1の画像を出力する第1の工程と、集合体を用い、他の出力手段から透明媒体と反射層とが積層された画像媒体に、反射層から0.5μm以上離れた位置に他の画像を出力する第2の工程とを有し、第2の工程は、面積階調画像に含まれる網点の網%が調整される網%調整ステップを含んで、他の画像が1の画像に近似化されることを特徴とする画像形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷物等の作成に用いられる面積階調画像を用い、透明媒体と反射層とが積層された銀塩感光材料のごとき画像媒体を用いて、例えば、印刷物の色校正として適する面積階調画像を形成する画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷原稿がコンピュータ上でデジタルデータとして作成され、RIPを通して印刷用の面積階調画像を形成することが普通に行われるようになってきた。通常のカラー印刷では、少なくともシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、墨(K)の4版の印刷用の面積階調画像が、印刷原稿からRIPを通して作成され、印刷に使用される。
【0003】
この面積階調画像は、ドット(画素)の集合体として構成され、画像の階調は網点面積の大小により表現される。各ドットには、対応する印刷物においてインキが置かれる網点部のドットであるか、インキのないヌケ部のドットであるかのいずれかを意味する1ビット(2値)のデータが貼り付けられている。
【0004】
ところで、印刷版を作成・試し刷りした後に修正を施すのは無駄が多い。そのため、印刷版の作成前に、印刷物と同じ面積階調画像を出力し、あらかじめ印刷物の文字や色調の仕上がりをチェックするプルーフが作成されるのが通常である。つまりプルーフは、印刷物の画質をシミュレートすることが目的であり、印刷物の画質を正確に再現することが求められる
【0005】
プルーフの作成を行うプルーファとしての画像形成装置では、必要作成枚数などの相違から本印刷機とは異なる出力方式が用いられる。その際、用いられる面積階調画像は、印刷用とは異なるプルーフ用の調整がなされたRIPを通したものが用いられるのが通常である。これは、本印刷機では色材としてインキが用いられ、印刷時に網点が太るドットゲインが生じるのに対して、画像形成装置では出力方式の違いからインキとは異なる色材が用いられるため、必ずしも同じようなドットゲインは生じない等の理由による。そのため、従来は、コンピュータで作成された印刷原稿が印刷用RIPとプルーフ用RIPの両方に送られ、それぞれで面積階調画像が生成されるのが通常であった。
【0006】
ところで、昨今では、画像形成装置として、透明媒体である感光剤層と反射層とが積層された銀塩感光材料を画像媒体として用い、これをLED等を用いて光量を多段階に調整しながら露光する方式が、性能の高さなどから広く用いられつつある。このような画像形成装置から得られるプルーフの全体的な画質を印刷物にほぼ合致させた場合には、上記のRIP処理の違いに起因して、細部の網点形状や大きさが印刷物と異なることがあった。それため、プルーフの網100%のベタ部の色調(ベタ色)をあわせると、網%が50%程度の部分の色調がずれてしまい、ベタ部の色調をずらせてバランスをとるようなことも行われていた。さらに、RIPが違うことにより、指定するフォントの設定の誤り、網点形状の設定の誤りなどの人為的なミスが生じることもあった。
【0007】
さらに、一般に印刷物の仕上がりは、プルーフの仕上がりよりも種々の条件変動の影響を受けやすく不安定であると言われる。例えば、カラー印刷では、複数の印刷版が、互いに正確に位置合わせされて順次刷り重ねられることになるが、これらの印刷版の位置に若干のずれが生じることもある。上記の画像形成装置と、感光剤層と反射層との間に一定の層間距離がある通常の銀塩感光材料とを用いて、印刷板の若干のズレに対応してプルーフで画像をわずかにずらして形成したところ、上記の網点構造の違いに起因して、印刷物とプルーフとの仕上がりがまったく異なってしまい、印刷においてわずかな版の位置ずれが生じた場合の印刷物の画質は、上記の画像形成装置では再現できないことも判明した。
【0008】
このようなプルーフは、先にも述べたように、試し刷りに変わる簡易なチェック手段であった。しかし、最近ではベタの濃度を調整するなどの機能を持つことにより、印刷の条件が変化した場合の仕上がりをシミュレーションすることさえ可能になってきた。こうした事情に鑑みると、種々の変動要因に対して印刷と同じような挙動を示すことが、より強く求められていると言える。
【0009】
ここで、透明媒体と反射層とが積層された画像媒体に関する記載はないが、特許文献1には、印刷機と同じ面積階調画像を用いて、印刷におけるドットゲインを他の出力装置で表現できる画像校正方法が開示されている。具体的には、中間調ビットマップ画像を提供するステップと、ドット網%を推定するステップと、所定の色校正関数によって目標となるドット網%を計算するステップと、修正された画像を形成するためにon状態、off状態に変換するドット数Nを計算するステップとN個のドットをon、off状態を変換するステップを備える中間調ビットマップ画像の校正方法が開示されている。この方法によれば、色校正関数を適切に設定することにより、印刷物の網%に一致するプルーフ画像を得ることが可能となるという。
【0010】
また、RIPに関する記載はないが、色材としてハロゲン化銀感光材料を用いた場合に、濃度とドットゲインとを各々独立に制御して面積階調画像を形成する面積階調画像の形成方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2004−40781号公報
【特許文献2】特開2002−341470号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、1の画像(例えば、印刷物)の作成に用いる面積階調画像を、透明媒体と反射層とが積層された画像媒体上に他の画像(例えば、プルーフ)を作成する際にも共通に用いることができ、例えば、複数の画像(印刷版)の重ね合わせにずれが生じた場合の画質の変化を、前記の他の画像で確かめることができる画像形成方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、面積階調画像を構成するドットごとの1ビットデータの集合体を用い、1の出力手段から1の画像を出力する第1の工程と、前記の集合体を用い、他の出力手段から透明媒体と反射層とが積層された画像媒体に、前記反射層から0.5μm以上離れた位置に他の画像を出力する第2の工程とを有し、前記第2の工程は、前記面積階調画像に含まれる網点の網%が調整される網%調整ステップを含んで、前記他の画像が前記1の画像に近似化されることを特徴とする画像形成方法である。
【0013】
ここで、前記画像媒体が銀塩感光材料で、かつ前記透明媒体が画像形成層であり、前記画像形成層の少なくとも一つが、前記反射層から0.5μm以上離れていることは好ましい。また、前記画像媒体が銀塩カラー感光材料であり、前記感光剤層が少なくともマゼンタ発色層を含んでおり、前記他の画像がマゼンタ画像を含むことを特徴とすることは好ましい。また、前記第2の工程が、さらにドットの色を調整するステップを含むことを特徴とすることは好ましい。
【発明の効果】
【0014】
1の画像と同じ1ビットデータの集合体を用い、1の画像とほぼ同じ網点構造が、透明媒体と反射層とが積層された画像媒体上に再現される。また、印刷版の重なり位置がずれたような場合にも、その色調の変動の挙動をシミュレートすることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。図1は、本発明の画像形成方法を具体化した場合の処理流れの全体を示した図である。なお、図1は、1の出力手段の例として本印刷機30を用い、他の出力手段の例としてプルーファと呼ばれる画像形成装置を用いた例である。また、1の画像の例としては印刷物31を、他の画像の例としてはプルーフ41を用いている。また、面積階調画像を構成するドットごとの1ビットデータの集合体の例としては、DTPシステム10により作成された印刷原稿がRIP20により分版、2値化されて得られた1ビットデータの集合体21を用いる。また、第1の工程の例は、印刷原稿11から印刷物31を得る工程であり、第2の工程の例は、印刷原稿11からプルーフ41を得る工程に該当する。
【0016】
図1の処理流れでは、まず、コンピュータにより印刷原稿11が作成される。コンピュータとしては、ポストスクリプトなる記述言語を用いたDTP(Desk Top Publishing)システム10が多く使用される。印刷原稿11は、例えば、PDF(Portable Document Format)等のファイルとして作成され、文章の部分に関しては、テキストデータとフォントデータの組み合わせで構成される。これに図形表示のための図形部品のデータと書式データとが組み合わされて、全体が構成されている。
【0017】
RIP20は、図形を構成するベクトルデータを含む印刷原稿を、要素色に色分解すると共に、印刷や表示が可能な1ビットデータの集合であるビットマップデータに展開する。RIPにより得られたビットマップデータは、ドットの集合である網点(またはセル)の大きさにより階調表現を行うため、面積階調画像を構成する。RIP処理では膨大な量のデータを処理する必要があるため、RIPは専用のハードウェアで構成されることが多いが、コンピュータ上のソフトウェアで構成されていても良い。なお、同じ印刷原稿を用いても異なるRIPを通した場合には必ずしも同じ結果は得られない。それぞれのRIPに搭載されているフォントが異なっていたり、ソフトウェアのバージョンが違うなどにより、予期せぬエラーを生じることもある。
【0018】
図2は、RIP処理により得られた1ビットデータの集合体のデータ構造を示した概念図である。各ドットごとに、各版でインキが置かれる(刷られる)か否かを示す「1(インキを置く)」か「0(インキを置かない)」かの、1ビットのデータが貼り付けられている。なお、以下、説明を簡単化するために、いずれか一つの版(例えばY版)について説明し、必要により複数の版に言及する。
【0019】
図3は、いずれか一つの版の面積階調画像の一部を模式的に示した図である。図3では、標準的な線数の場合に略対応した画像を例として示した。画像はドットの集合体として構成され、インキが置かれる部分である網点5は、インキが置かれることを意味する斜線が付されたドット2の集合により構成されている。ここで、太線の略正方形の枠6は、網点が出現する周期の一つ分に相当する大きさの領域を意味する。この枠内の領域を基準として網%を求める処理を行う。後述する。
【0020】
RIP処理20を経て得られた1ビットデータの集合体21は、そのまま本印刷機30と画像形成装置40に送られて、それぞれから印刷物31とプルーフ41が得られる。ここで、RIP20における処理は、印刷機30と画像形成装置40とで共通であるから、両者で網点形状や線数の違い等の基本的な網点構造は同じとなる。しかし、一方で、印刷時に生じるドットゲインや色材の違いによる色調の変化等に対応するため、画像形成装置40では、以下に図4から図17または図18を用いて説明する処理を行う。後述する。
【0021】
本印刷機30は、プロセスカラーであるY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)K(黒)の各版と必要により用いられる特色版とを用い、あらかじめ定めた順序で印刷用紙上にそれぞれのインキを刷り重ねていく。インキの刷り重ねにより、種々の色調を表現する。例えば、YMCKの組み合わせでは、それぞれの単独の4色と、複数の版の組み合わせで11色、これに白地を入れた合計16色が表現される。
【0022】
図4は、印刷物においてプロセスカラーであるYMCKの版を用いた場合に、色名の列に示された印刷物上の網%が100%のベタ色が、同じ行の白丸で示された印刷版の刷り重ねで表現されることを意味している。ここで「+」は、色を刷り重ねていることを意味する。以下の説明に使用する版の色の表示は、図4の記載に従うものとする。これに特色版を加えるのは任意である。
【0023】
画像形成装置40の例としては、画像媒体として、Y、M、C各色のハロゲン化銀カラー感光剤層である透明媒体と、反射層とが積層された感光材料を用い、図4の色名の列の色を、感光材料の要素色であるY、M、C各発色層の組み合わせで発色させるものを例に挙げて説明する。このような画像形成装置は、例えば、1ビットデータの集合体21からプルーフ形成に適した面積階調画像を生成する変換装置と、変換装置から出力された画像を用いてハロゲン化銀感光材料をLED等で露光する出力装置と、出力装置で露光されたハロゲン化銀感光材料を現像する現像装置とを備えてなる。変換装置は、汎用のコンピュータ上に設けられており、その制御出力に出力装置が接続され、さらに出力装置には現像装置が接続されている。
【0024】
このような画像形成装置では、図4の白(W)を除いた15色の各々に関して、ハロゲン化銀感光材料の各要素色に対するR(赤)、G(緑)、B(青)の各LEDの露光量を多段階に変化させることにより、ほぼ連続的に濃度変化させることが可能である。これにより、インキや印刷用紙のグレードの違い等に伴う多様な色の違いに対応することができる。
【0025】
図5は、画像形成装置40で画像媒体として使用するハロゲン化銀カラー感光材料50の層構造を示した模式断面図である(図を見やすくするために断面を示す斜線は省いた)。これを用いて当該感光材料に特有に生じる現象を説明する。この感光材料50は、表面層51からイエロー発色層56までの感光剤層と、酸化チタン層57と酸化チタン含有ポリエチレン層58とからなる反射層と、紙層59と裏面層60とからなる感光剤層および反射層の支持体層とからなり、それらが順次積層されて構成されている。このような感光材料は、従来公知の材料および製造方法を用いて製造することができる。例えば、特開2002−341470号公報の実施例1に記載のハロゲン化銀感光材料No.101およびその製造方法を例示することができるが、これに限定されるものでもない。
【0026】
ここで、感光剤層のうちマゼンタ発色層54に注目する。図5では、特にマゼンタ画像61が生じている部分を図示している。マゼンタに着目するのは、いずれの発色層でも同様の現象が生じるものの、人間の視覚がもっとも敏感なマゼンタで特に現象が顕著なためである。
【0027】
このような感光材料50に、外部からの光線A〜Cが図5のように入射した場合、光線は図示したように反射層57の表面で反射される。なお、反射光の図5で示した矢印方向には図示されない観測装置があるものとする。光線Aは、入射時にはマゼンタ画像61を透過しないで反射層57に到達するが、出射時にはマゼンタ画像61を透過する。また、光線Bは、感光材料50への入射時と出射時のいずれでもマゼンタ画像61を透過してから観測装置に到達する。さらに、光線Cは、入射時にマゼンタ画像61を透過するが、出射時にはマゼンタ画像61を透過しないで観測装置に到達する。
【0028】
感光材料50を使用して画像形成した場合には、図5に示したように、光線Aは、本来画像がないにも係わらず、マゼンタ画像を透過して観測装置に到達する。このように画像の周縁部では、実際の画像の濃度とは異なる情報を持つこととなる。印刷物の場合には、印刷用紙上に薄いインキの膜が形成されるため、インキの表面及び紙の表面で光線が反射されることとなり、こうした現象は起こりにくい。このため、感光材料50のような場合には、印刷物にない特有のドットゲインや色の滲みが生じることになる。
【0029】
同様な現象は、反射層56に直接接しているように見えるイエロー発色層56でも生じる。これは感光材料の発色層は、透明層の内部に発色点が浮かんでいるような構造を取っていることと、反射層57が酸化チタン粒子をコートした層であり、完全な反射面とは言えないこととによる。特に、反射層57と発色層との距離dが0.5μm以上となった場合に、この現象が顕著になる傾向があり、その対策が必要となる。なお、距離dは反射層57の表面から、各発色層の反射層側の表面(図5では発色層の下端)までの距離である。図5には、マゼンタ発色層54に関する距離dを例示した。
【0030】
図1の画像形成装置40で行われる処理の概略流れを図6に示した。RIP20を経た1ビットデータの集合体21が画像形成装置40に入力されると、合わせて標準印刷物を用いて測定された印刷時のドットゲインのデータが入力される(S10)。ここで、印刷物のドットゲインは、標準印刷物の網%が0%の白地と100%のベタ地と、それらの中間である網%が50%の濃度をそれぞれ光学的に測定し、これらから標準印刷物の面積階調画像において網%が50%の網点の印刷物における太り量を演算して、あらかじめ求められたものである。
【0031】
また、色材の違いに由来する画質の変化を調整するための、調整色の色調レベルが入力される(S10)。ここで、色調レベルとは、後述する掛け率テーブルを介して、プルーフのベタ部のYMC濃度に対する掛け率を特定するコードを意味する。これにより調整色を特定することができる。特定される調整色は、印刷物とプルーフとの色材の違いに起因する画質の違いを調整するために用いられる。印刷条件(インキの種類や紙質等)ごとに掛け率は変化し、標準印刷物と同じ面積階調画像を用いて画像形成装置40から出力されたプルーフの画質が、標準印刷物の画質に合致するように、あらかじめ設定される。従って、印刷条件が特定されれば、掛け率も特定される。
【0032】
プルーフの網100%のベタ色は、印刷物のベタ色に可能な限り合致させるのが好ましい。以下、このベタ色を、上記の調整色と対比して標準色ということがある。プルーフの網点の大きさや形状等の網点構造を印刷物に合致させた場合、上記の感光材料特有の現象を反映して、この調整色により網点を構成するいずれかのドットの色をずらすことにより画質の調整を行う。その際、上記で触れた掛け率を用いる。詳しくは後述する。
【0033】
次に、1ビットデータの集合体21を用いて、図3の領域6の各々に関して、領域内の画像の網%が求められる(S20)。具体的には、1ビットデータの集合体21から構成される面積階調画像において、図3の14×14=196ドットの同じ大きさの領域6に分割して、それぞれの領域6の中で、1ビットデータが「1(インキを置く)」となっているドット(斜線が付されている)が占める割合を求める。得られた網%を、その領域の網%とし、図7に示した網%テーブルに領域ごとに格納する。これにより、画像の網%に対応した調整が可能となる。
【0034】
このように面積階調画像の領域ごとの網%を求めるのは、印刷物におけるドットゲインが、図8に示したごとく網%により変化し、1ドットの増減が網%の変化に与える大きさが異なるためである。なお、網50%近傍のトーンジャンプは、説明を簡単にするために無視した。領域6の分割に伴う意図せぬムラの発生を防止するために、領域間の移動平均を求めるようにしても良い。また、領域6の大きさを適宜拡大縮小することもできるが、この領域が大きすぎると、網%を求める精度は高くなるが演算の負荷は大きくなり、さらに前述のムラを低減するための処理により画像の鮮鋭度が損なわれる。一方、小さすぎると演算の負荷は小さいが調整の精度が劣化する。そのため、網点が出現する周期(この例では14×14ドット)に対して約60%程度の領域とすることが好ましい。さらに、領域ごとに網%を定めるのではなく、各ドットを中心として領域6を定義して領域内の網%を求め、この網%を当該中心ドットの網%と定義しても良い。この場合、ドットごとに網%が定義されることになる。
【0035】
なお、S10ステップで入力された標準印刷物の網50%におけるドットゲインを基準とし、図8のドットゲインカーブに従って網%に対するドットゲインが演算されて、網%が5%刻みで図9のドットゲインテーブルにドットゲインの値が格納される。なお、図9で網%が50%の行のドットゲインの欄に「×1.0」と記載されているのは、S10ステップで入力されたドットゲインのデータを1.0倍してこの欄に格納する意味である。他の欄は、図8のカーブに従って、求められた値が格納される。
【0036】
次に、網点の境界ドットを特定する(S30)。網点の境界ドットとは、面積階調画像の各網点に含まれているドットのうち、網点の最外周に位置するドットである。具体的には、図10に示したフィルタを用い、フィルタの中央ドット70の1ビットデータが「1(インキを置く)」であり、中央ドット70に対して4近傍に位置する検査ドット71のいずれかの1ビットデータが「0(インキを置かない)」である場合に、その中央ドット70を境界ドットと言う。境界ドットの特定結果は、図11に示した境界ドットテーブルに格納される。ここでは、全ドットの各々に対して、境界ドットである場合には「1」が、境界ドットでない場合には「0」が格納されている。このように境界ドットを特定するのは、印刷物のドットゲインに対応して網点太りをプルーフで表現するに際し、境界ドットの外側に網点を大きくする際に用いるためと、印刷物とプルーフの色材の違いによる画質の違いを、この境界ドットの色を変化させることで調整するためである。
【0037】
次に、図7の領域ごとの網%を格納した網%テーブルから、図9のドットゲインテーブルを参照して、領域ごとのドットゲインを求める。さらに、このドットゲインから図12の増加ドット数テーブルを参照して、領域ごとに網点を太らせるためのドット列の数を特定する(S40)。
【0038】
ここで、図12の増加ドット数テーブルは、印刷物のドットゲインにより太った網点とほぼ同じ大きさの網点をプルーフにおいて再現するために、プルーフの網点境界の外側に増加せしめるべき、つまり1ビットデータを「1」にすべきドット数を格納したテーブルである。このドット数のデータは、面積階調画像の線数に対応してあらかじめ定められている。当然ながら、印刷物のドットゲインが大きくなるにつれ、プルーフの網点の外側に増加すべき、1ビットデータが「1」のドット数も増加する。これにより、プルーフの網点の大きさを印刷物とほぼ同じ大きさにすることができる。
【0039】
次に、S40ステップで特定された領域ごとの増加ドット数と、図11の境界ドットテーブルとを用いて、増加ドット3の位置を特定することで、面積階調画像の網点を領域ごとに太らせる(S50)。この際、増加ドットの位置は、まず網点5に接する位置からランダムに埋めていき、接する位置が埋まって一列分増加した段階で、二列めにランダムに配置するようにする。このようにして得た面積階調画像22の、図3に対応する部分の模式図を図13に示す。増加したドット3を太線で示した。図13を図3と比較すると、網点5の外側に一列分に満たない増加ドット3がランダムに配置されていることがわかる。この結果、図13では、網点7が網点5より約一回り分大きくなっており、印刷における網点太りをプルーフで再現している。なお、図6のS10ステップからS50ステップは、第2の画像の網%が調整される網%調整ステップを構成する例である。
【0040】
このようにすることで、印刷版の位置合わせがずれた場合にも、プルーフにおける網点構造のずれが近似したものとなり、このような場合にも近似した画像が得られるようになる。さらに上記した感光材料特有の現象に対応して、画質をより近似したものにするために、いずれか若しくは全部の網点ドットの色調の調整を行うのが好ましい。そこで、網点7内のドットの色を、ベタ色を基本としながら、先に特定した境界ドットに関しては調整色とする。これについて続いて説明する。
【0041】
次のS60ステップでは、ベタ色のYMC濃度をルックアップテーブルから特定する。ルックアップテーブルは、画像形成装置40のいわゆるデバイスプロファイルを格納したテーブルであり、印刷物の15色の色をプルーフで再現するために必要な、ハロゲン化銀感光材料の要素色であるYMCの色濃度の組み合わせを特定するテーブルである。このテーブルは、出力装置において、あらかじめY、M、Cの各層の発色を多段階に変えた条件で組み合わせ、それらの条件で露光・現像により作成されたカラーパッチに対して、CIELAB色空間におけるL*、a*、b*座標及びステータスT条件下で測定されたY、M、C濃度を測定することで、印刷物の色に対応する適切なYMC濃度のデータが結びつけられて格納されたものである。このテーブル例を図14に示す。なお、説明を簡単にするために、印刷条件により決まる印刷物の色は、すでにL*a*b*座標系の値を用いて指定されているものとした。さらに、印刷物で使用される色版の全部について、面積階調画像が求められているものとする。
【0042】
次に、図13の網点7を構成するドットごとに、図14のルックアップテーブルを用いてYMC濃度を指定する。このようにして生成された露光テーブルの例を図15に示す。図15のテーブルでは、ドットごとに出力機で用いられるY、M、Cの各濃度が格納されている。これで網点7を構成するドットの色が、印刷物のベタ色に合致する色となる。
【0043】
次に、図13の網点7を構成するドットのうち、S30ステップで特定して図11のテーブルに結果が格納された境界ドットについて、S10ステップで入力された色調レベルに対応する掛け率が、図16の掛け率テーブルから読み出される。この掛け率とルックアップテーブルのYMC濃度から、調整色のYMC濃度が特定される(S70ステップ)。
【0044】
なお、掛け率テーブルは、色調レベルに応じて0.1倍から2.0倍までのあらかじめ定められた掛け率が格納されている。この掛け率は、ルックアップテーブルで特定されるYMC濃度の各々に対して乗ぜられることで、ベタ色に対する調整色のYMC濃度を生成することができる。掛け率が1.0より小さい場合、境界ドットの色はベタ色より薄くなり、掛け率が1.0より大きい場合には境界ドットの色はベタ色より濃くなる。
【0045】
次に、この調整色のYMC濃度のデータが、図11のテーブルを参照しながら、図15のドットごとのYMC濃度テーブルに格納される。これにより、境界ドットのYMC濃度が、ベタ色のYMC濃度から調整色のYMC濃度に置き換えられる(S80ステップ)。このようにして形成された面積階調画像23の模式図を図17に示す。図17は、図3、図13とも対応する部分の模式図である。図13と図17を対比すると、図13の網点7のドットのうち、増加ドット3の色がベタ色となり、かつ図3で網点境界に位置していたドット4の色が、ベタ色(太めの斜線で表示)から調整色(細めの縦線で表示)に変更されているのがわかる。これにより、色材の違いによる感光材料特有の現象の影響を除去することができる。S30ステップ、S70ステップ、S80ステップは、色調調整ステップの例を構成する。
【0046】
図17の画像では、網点の形状、大きさ共に印刷物に近似したものとなるから、印刷版のズレに対して、プルーフでも同様な網点構造のズレを再現できることになる。また、網点中央部と周辺部に存在するベタ色も、印刷物のベタ色に可能な限り近似されている。さらに、感光材料特有の現象に対する色調調整も行われているから、画像全体の画質も印刷物に近似したものに調整される。
【0047】
次に、図19に示した露光量コードテーブルにより、YMCの各濃度に関して、図示されない出力装置に対応した露光量コードが特定され(S90ステップ)、この露光コードが出力装置に出力される(S100ステップ)。出力装置では、RGBの各LEDがハロゲン化銀感光材料を二次元に走査しながら、送られたドットごとの露光量コードに従ってハロゲン化銀感光材料を露光する。続いて図示されない現像装置で、この露光済み感光材料に対して現像と定着の処理がなされてプルーフが作成される。これで画像形成装置における処理が終了する。
【0048】
このような画像形成方法により得られるプルーフは、本印刷機と同じRIPを経た面積階調画像を、そのまま画像形成装置40で用いているにも係わらず、目標とする印刷物に網点の形状や大きさの網点構造がきわめて近似し、網100%のベタ色もほぼ同じ色とすることができる。また、色材の違いにも係わらず、画像全体の画質もきわめて近似した優れたプルーフとなる。さらに、印刷版の位置ずれにも対応して、近似した画像を得ることができる。
【0049】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は以上に示された発明の具体的態様に限定されるものではない。例えば、上記の説明では、画像形成装置40の制御装置の機能は、汎用コンピュータ上で実行されるコンピュータプログラムにより実現されているが、専用のハードウェアにより実現しても良いことは言うまでもない。また、このプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納しても良い。プログラムを記録媒体に格納する際には、複数の部分に分割し、分割したものをそれぞれに記憶媒体に格納することも可能である。ここで、記録媒体とは、フレキシブルディスク、光磁気ディクス、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等を言う。
【0050】
また、調整色とするドットは、元の網点の境界ドットには限定されず、変換された後の網点、例えば、図13で表された増加ドット3であっても良いし、網点の中央部に集中して配置しても良い。いずれにせよ、調整色をベタ部の色と分けることでベタ色が確認でき、かつモアレなどが生じないように調整色のドットを配置すればよい。なお、特定のドットのみを調整色にするのではなく、網点を構成するドットの全部の色を別途定めた調整色としても良い。上記の例で、このようにした画像の例を図18に示す。図18では網点9を構成するドットの全部が調整色(細めの斜線で表示)となっている。この場合、調整色がベタ色からずれることになるが、このずれが許容できる範囲内であれば、このようにしても良い。この場合、画像形成装置の演算負荷が減少する。
【0051】
また、上記では、掛け率はYMC濃度のいずれにも同じ率としているが、Y、M、Cの各々に対して調整色ごとに異なる掛け率となるようにしても良い。また、掛け率テーブルを用いるのではなく、それぞれの調整色に対してルックアップテーブルを別途用意しても良い。また、調整色を色調レベルを入力することにより特定するのではなく、印刷条件に従って、色調レベルがあらかじめ定められていても良い。また、スクリーニング方式は、AMスクリーニングに限定されず、FMスクリーニングであっても良い。図5の処理フローは、これに限定されるものではなく、必要によりステップの順番を入れ替えることもできる。また、画像媒体は感光材料に限定されるものではなく、反射層状に透明なコーティング層を設け、その上にインキジェット方式などの画像形成装置によりプルーフ画像を形成するものであっても良い。以下、実施例、比較例により、さらに具体的に説明する。
【実施例1】
【0052】
まず、網%が0%から100%に渡り5%刻みの平網でスクリーニング化された100×100mmの標準パッチの印刷物と、その標準パッチの元データ(印刷原稿)からRIPにより分版化された印刷用の面積階調画像の2値データの集合体を準備した。なお、面積階調画像の網点の形状はスクエア、線数は175線である。また、標準パッチの印刷物において、マゼンタの印刷版を若干ずらした印刷物も合わせて用意した。これらの印刷物の色調を測定し、版のズレがある場合と無い場合との色差を求めたところ、2.3であった。結果を表1に示す。ここで、色調の測定は、ミノルタ社製分光測色計CM−2022を用い、照明と受光の幾何条件d−n、キセノンパルス光源を用いて各印刷物を側光し、2°視野補助標準の光D50でのL*a*b*の値を求めることによって行った。また、標準パッチの印刷物の網50%におけるドットゲインを測定した。
【0053】
次に、特開2002−341470号公報の実施例1に記載のハロゲン化銀感光材料No.101において、第1層(反射層)と第3層(マゼンタ発色層)の間の第2層のゼラチン量を種々変更して、下記表1に示す反射層と画像形成層の間の距離が、0.00μm(ア)、0.39μm(イ)、0.53μm(ウ)、0.65μm(エ)、0.95μm(オ)の各試料を作成した。なお、このマゼンタ発色層は、最も反射層に近い感光剤層であり、常法に従い、マゼンタカプラーに少量のイエローカプラーを混入して色調を調整してある。
【0054】
次に、以下のような変換装置と出力装置と現像装置とからなる画像形成装置を準備した。まず、変換装置のルックアップテーブルは、プルーフのベタ色が、上記の標準パッチのベタ色に合致するように、YMC濃度をあらかじめ調整した。次に、上記で準備した面積階調画像を修飾した。面積階調画像を15×15ドットの領域に分割し、各領域で網点の占めるドット数から網%を推定した。また、上記で測定した網50%における標準パッチのドットゲインと、図8のカーブとから、各網%におけるドットゲインを求めた。さらに、このドットゲインに対応して各領域で増加すべきドット数を、あらかじめ定めた図12のテーブルを用いて領域ごとに求めた。この増加すべきドット数に基づいて、領域ごとに網点の外側に、増加すべきドット数分のドットをランダムに付加して修飾された面積階調画像を得た。さらに、このように網点が大きくなったプルーフのうち、版のズレがない場合に対応するものに対してドットゲインを測定した場合に、ドットゲインが版のズレのない印刷物と同じ値となるように、網点を構成するドットのべタ濃度を一律に調整(濃度を低下)した。
【0055】
出力装置は、光源としてBのLEDを主走査方向に10個並べ、露光のタイミングを少しずつ遅延させることによって同じ場所を10個のLEDで露光できるように調整した。また、副走査方向にも10個のLEDを並べ隣接する10ドット分の露光が1度にできる露光ヘッドを準備した。G、Rも同様にLEDを組み合わせて露光ヘッドを準備した。各ビームの径は約10μmで、この問隔でビームを配列し、副走査のピッチは約100μmとした。1ドット当たりの露光時間は約100ナノ秒とした。さらに、現像装置は、露光後のハロゲン化銀感光材料に対して、前記公報実施例1に記載の現像処理と同様の現像処理を行えるように準備した。
【0056】
このようにして準備した修飾された面積階調画像と画像形成装置と上記の(ア)から(オ)の感光材料とを用いて、Y、M、Cの面積階調画像をそれぞれ出力装置に出力して現像し、マゼンタ版のズレがない標準パッチの印刷物に対応するプルーフと、マゼンタ版のズレがある場合の印刷物に対応してM画像をずらしたプルーフとを得た。これらのプルーフの色調を上記と同様にして測定して、第2層の厚みが同じだが、版のズレの有無が異なるプルーフどうしで比較し、それらの色差を求めた。なお、印刷版のズレの大きさに対応して、プルーフにおけるM画像のずれは3ドット分とした。結果を表1に示す。また、プルーフどうしの色差と、印刷版どうしの色差との差異をもとめ、(プルーフと)印刷との色差のズレとして合わせて表1に示した。
【0057】
いずれの試料においても、印刷物に近似な色差を得ることができ、印刷版のズレがプルーフでも再現できていることがわかる。特に第2層の厚さが0.5μm以上の試料でも、色差が近似しており、好ましい態様であることが分かる。
【0058】
[比較例1] 調整色を用いず、また、面積階調画像の修飾を行なわなかったこと以外は実施例1と同様にして、(ア)から(オ)の感光材料を用いて、同様に版のズレの有無を反映したプルーフを作成して色差を求めた。結果を表1に示す。印刷物と比べ全体に色差は小さい傾向を示すことがわかるが、第2層の厚みが厚くなるほど色差が小さくなり、印刷物の挙動とのずれが大きくなる。
【実施例2】
【0059】
網点の形状をチェーンドットとした以外は、実施例1と同様にして実験を行った。結果を表1に示す。面積階調化の条件によって色差にバラツキを生じることがわかるが、全体に安定した改良効果が得られ好ましい。
【実施例3】
【0060】
網点の形状をスクエア、チェーンドット、ラウンドとし、線数を150線、175線、200線として、実施例1と同様の実験を行った。印刷の色差変動との差の標準偏差を求めた結果を表1に示す。全体に良好な結果が得られるが、特に、第2層の厚さが0.5μm以上の試料において、安定した効果が得られることがわかる。
【0061】
【表1】
【実施例4】
【0062】
プルーフで測定したドットゲインを、ベタ濃度を調整することで調整するのではなく、上記で説明した境界ドットの濃度だけを調整してドットゲインを調整するように変更した以外は実施例1と同様にして、実施例1〜3の評価を繰り返した。実施例1〜3と同様な効果が再び得られることが確認できた。さらに、この方法にてフルカラー画像を作成したところ、従来の方式で作成されたと同様の高画質なプルーフ画像が得られることが確かめられた。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】画像形成方法の全体流れを示した概略ブロック図である。
【図2】面積階調画像のデータ構造の例を示した概念図である。
【図3】いずれか1版に関する面積階調画像の例を示した模式図である。
【図4】本印刷機において表現できる色ごとの、色版の刷りを示した図である。
【図5】感光材料の層構造の概略を模式的に示した断面図である。
【図6】画像形成装置における処理フローの概略を示したフローチャートである。
【図7】網%テーブルの例を示した概念図である。
【図8】網%に対するドットゲインカーブの例を示した図である。
【図9】ドットゲインテーブルの例を示した概念図である。
【図10】フィルタの例を示した概念図である。
【図11】境界ドットを特定するテーブルの例を示した概念図である。
【図12】増加ドット数テーブルの例を示した概念図である。
【図13】ドットゲインを反映した面積階調画像の例を示した模式図である。
【図14】ルックアップテーブルの例を示した概念図である。
【図15】露光テーブルの例を示した概念図である。
【図16】掛け率テーブルの例を示した概念図である。
【図17】修飾された面積階調画像の例を示した模式図である。
【図18】修飾された面積階調画像の他の例を示した模式図である。
【図19】露光量コードテーブルの例を示した概念図である。
【符号の説明】
【0064】
1 ドット(非網点部)
2 ドット(網点部)
3 ドット(網点太り部)
4 ドット(元の網点境界部)
5 網点
6 領域
7 網点
8、9 網点
70 中央ドット
71 検査ドット
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷物等の作成に用いられる面積階調画像を用い、透明媒体と反射層とが積層された銀塩感光材料のごとき画像媒体を用いて、例えば、印刷物の色校正として適する面積階調画像を形成する画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷原稿がコンピュータ上でデジタルデータとして作成され、RIPを通して印刷用の面積階調画像を形成することが普通に行われるようになってきた。通常のカラー印刷では、少なくともシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、墨(K)の4版の印刷用の面積階調画像が、印刷原稿からRIPを通して作成され、印刷に使用される。
【0003】
この面積階調画像は、ドット(画素)の集合体として構成され、画像の階調は網点面積の大小により表現される。各ドットには、対応する印刷物においてインキが置かれる網点部のドットであるか、インキのないヌケ部のドットであるかのいずれかを意味する1ビット(2値)のデータが貼り付けられている。
【0004】
ところで、印刷版を作成・試し刷りした後に修正を施すのは無駄が多い。そのため、印刷版の作成前に、印刷物と同じ面積階調画像を出力し、あらかじめ印刷物の文字や色調の仕上がりをチェックするプルーフが作成されるのが通常である。つまりプルーフは、印刷物の画質をシミュレートすることが目的であり、印刷物の画質を正確に再現することが求められる
【0005】
プルーフの作成を行うプルーファとしての画像形成装置では、必要作成枚数などの相違から本印刷機とは異なる出力方式が用いられる。その際、用いられる面積階調画像は、印刷用とは異なるプルーフ用の調整がなされたRIPを通したものが用いられるのが通常である。これは、本印刷機では色材としてインキが用いられ、印刷時に網点が太るドットゲインが生じるのに対して、画像形成装置では出力方式の違いからインキとは異なる色材が用いられるため、必ずしも同じようなドットゲインは生じない等の理由による。そのため、従来は、コンピュータで作成された印刷原稿が印刷用RIPとプルーフ用RIPの両方に送られ、それぞれで面積階調画像が生成されるのが通常であった。
【0006】
ところで、昨今では、画像形成装置として、透明媒体である感光剤層と反射層とが積層された銀塩感光材料を画像媒体として用い、これをLED等を用いて光量を多段階に調整しながら露光する方式が、性能の高さなどから広く用いられつつある。このような画像形成装置から得られるプルーフの全体的な画質を印刷物にほぼ合致させた場合には、上記のRIP処理の違いに起因して、細部の網点形状や大きさが印刷物と異なることがあった。それため、プルーフの網100%のベタ部の色調(ベタ色)をあわせると、網%が50%程度の部分の色調がずれてしまい、ベタ部の色調をずらせてバランスをとるようなことも行われていた。さらに、RIPが違うことにより、指定するフォントの設定の誤り、網点形状の設定の誤りなどの人為的なミスが生じることもあった。
【0007】
さらに、一般に印刷物の仕上がりは、プルーフの仕上がりよりも種々の条件変動の影響を受けやすく不安定であると言われる。例えば、カラー印刷では、複数の印刷版が、互いに正確に位置合わせされて順次刷り重ねられることになるが、これらの印刷版の位置に若干のずれが生じることもある。上記の画像形成装置と、感光剤層と反射層との間に一定の層間距離がある通常の銀塩感光材料とを用いて、印刷板の若干のズレに対応してプルーフで画像をわずかにずらして形成したところ、上記の網点構造の違いに起因して、印刷物とプルーフとの仕上がりがまったく異なってしまい、印刷においてわずかな版の位置ずれが生じた場合の印刷物の画質は、上記の画像形成装置では再現できないことも判明した。
【0008】
このようなプルーフは、先にも述べたように、試し刷りに変わる簡易なチェック手段であった。しかし、最近ではベタの濃度を調整するなどの機能を持つことにより、印刷の条件が変化した場合の仕上がりをシミュレーションすることさえ可能になってきた。こうした事情に鑑みると、種々の変動要因に対して印刷と同じような挙動を示すことが、より強く求められていると言える。
【0009】
ここで、透明媒体と反射層とが積層された画像媒体に関する記載はないが、特許文献1には、印刷機と同じ面積階調画像を用いて、印刷におけるドットゲインを他の出力装置で表現できる画像校正方法が開示されている。具体的には、中間調ビットマップ画像を提供するステップと、ドット網%を推定するステップと、所定の色校正関数によって目標となるドット網%を計算するステップと、修正された画像を形成するためにon状態、off状態に変換するドット数Nを計算するステップとN個のドットをon、off状態を変換するステップを備える中間調ビットマップ画像の校正方法が開示されている。この方法によれば、色校正関数を適切に設定することにより、印刷物の網%に一致するプルーフ画像を得ることが可能となるという。
【0010】
また、RIPに関する記載はないが、色材としてハロゲン化銀感光材料を用いた場合に、濃度とドットゲインとを各々独立に制御して面積階調画像を形成する面積階調画像の形成方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2004−40781号公報
【特許文献2】特開2002−341470号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、1の画像(例えば、印刷物)の作成に用いる面積階調画像を、透明媒体と反射層とが積層された画像媒体上に他の画像(例えば、プルーフ)を作成する際にも共通に用いることができ、例えば、複数の画像(印刷版)の重ね合わせにずれが生じた場合の画質の変化を、前記の他の画像で確かめることができる画像形成方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、面積階調画像を構成するドットごとの1ビットデータの集合体を用い、1の出力手段から1の画像を出力する第1の工程と、前記の集合体を用い、他の出力手段から透明媒体と反射層とが積層された画像媒体に、前記反射層から0.5μm以上離れた位置に他の画像を出力する第2の工程とを有し、前記第2の工程は、前記面積階調画像に含まれる網点の網%が調整される網%調整ステップを含んで、前記他の画像が前記1の画像に近似化されることを特徴とする画像形成方法である。
【0013】
ここで、前記画像媒体が銀塩感光材料で、かつ前記透明媒体が画像形成層であり、前記画像形成層の少なくとも一つが、前記反射層から0.5μm以上離れていることは好ましい。また、前記画像媒体が銀塩カラー感光材料であり、前記感光剤層が少なくともマゼンタ発色層を含んでおり、前記他の画像がマゼンタ画像を含むことを特徴とすることは好ましい。また、前記第2の工程が、さらにドットの色を調整するステップを含むことを特徴とすることは好ましい。
【発明の効果】
【0014】
1の画像と同じ1ビットデータの集合体を用い、1の画像とほぼ同じ網点構造が、透明媒体と反射層とが積層された画像媒体上に再現される。また、印刷版の重なり位置がずれたような場合にも、その色調の変動の挙動をシミュレートすることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。図1は、本発明の画像形成方法を具体化した場合の処理流れの全体を示した図である。なお、図1は、1の出力手段の例として本印刷機30を用い、他の出力手段の例としてプルーファと呼ばれる画像形成装置を用いた例である。また、1の画像の例としては印刷物31を、他の画像の例としてはプルーフ41を用いている。また、面積階調画像を構成するドットごとの1ビットデータの集合体の例としては、DTPシステム10により作成された印刷原稿がRIP20により分版、2値化されて得られた1ビットデータの集合体21を用いる。また、第1の工程の例は、印刷原稿11から印刷物31を得る工程であり、第2の工程の例は、印刷原稿11からプルーフ41を得る工程に該当する。
【0016】
図1の処理流れでは、まず、コンピュータにより印刷原稿11が作成される。コンピュータとしては、ポストスクリプトなる記述言語を用いたDTP(Desk Top Publishing)システム10が多く使用される。印刷原稿11は、例えば、PDF(Portable Document Format)等のファイルとして作成され、文章の部分に関しては、テキストデータとフォントデータの組み合わせで構成される。これに図形表示のための図形部品のデータと書式データとが組み合わされて、全体が構成されている。
【0017】
RIP20は、図形を構成するベクトルデータを含む印刷原稿を、要素色に色分解すると共に、印刷や表示が可能な1ビットデータの集合であるビットマップデータに展開する。RIPにより得られたビットマップデータは、ドットの集合である網点(またはセル)の大きさにより階調表現を行うため、面積階調画像を構成する。RIP処理では膨大な量のデータを処理する必要があるため、RIPは専用のハードウェアで構成されることが多いが、コンピュータ上のソフトウェアで構成されていても良い。なお、同じ印刷原稿を用いても異なるRIPを通した場合には必ずしも同じ結果は得られない。それぞれのRIPに搭載されているフォントが異なっていたり、ソフトウェアのバージョンが違うなどにより、予期せぬエラーを生じることもある。
【0018】
図2は、RIP処理により得られた1ビットデータの集合体のデータ構造を示した概念図である。各ドットごとに、各版でインキが置かれる(刷られる)か否かを示す「1(インキを置く)」か「0(インキを置かない)」かの、1ビットのデータが貼り付けられている。なお、以下、説明を簡単化するために、いずれか一つの版(例えばY版)について説明し、必要により複数の版に言及する。
【0019】
図3は、いずれか一つの版の面積階調画像の一部を模式的に示した図である。図3では、標準的な線数の場合に略対応した画像を例として示した。画像はドットの集合体として構成され、インキが置かれる部分である網点5は、インキが置かれることを意味する斜線が付されたドット2の集合により構成されている。ここで、太線の略正方形の枠6は、網点が出現する周期の一つ分に相当する大きさの領域を意味する。この枠内の領域を基準として網%を求める処理を行う。後述する。
【0020】
RIP処理20を経て得られた1ビットデータの集合体21は、そのまま本印刷機30と画像形成装置40に送られて、それぞれから印刷物31とプルーフ41が得られる。ここで、RIP20における処理は、印刷機30と画像形成装置40とで共通であるから、両者で網点形状や線数の違い等の基本的な網点構造は同じとなる。しかし、一方で、印刷時に生じるドットゲインや色材の違いによる色調の変化等に対応するため、画像形成装置40では、以下に図4から図17または図18を用いて説明する処理を行う。後述する。
【0021】
本印刷機30は、プロセスカラーであるY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)K(黒)の各版と必要により用いられる特色版とを用い、あらかじめ定めた順序で印刷用紙上にそれぞれのインキを刷り重ねていく。インキの刷り重ねにより、種々の色調を表現する。例えば、YMCKの組み合わせでは、それぞれの単独の4色と、複数の版の組み合わせで11色、これに白地を入れた合計16色が表現される。
【0022】
図4は、印刷物においてプロセスカラーであるYMCKの版を用いた場合に、色名の列に示された印刷物上の網%が100%のベタ色が、同じ行の白丸で示された印刷版の刷り重ねで表現されることを意味している。ここで「+」は、色を刷り重ねていることを意味する。以下の説明に使用する版の色の表示は、図4の記載に従うものとする。これに特色版を加えるのは任意である。
【0023】
画像形成装置40の例としては、画像媒体として、Y、M、C各色のハロゲン化銀カラー感光剤層である透明媒体と、反射層とが積層された感光材料を用い、図4の色名の列の色を、感光材料の要素色であるY、M、C各発色層の組み合わせで発色させるものを例に挙げて説明する。このような画像形成装置は、例えば、1ビットデータの集合体21からプルーフ形成に適した面積階調画像を生成する変換装置と、変換装置から出力された画像を用いてハロゲン化銀感光材料をLED等で露光する出力装置と、出力装置で露光されたハロゲン化銀感光材料を現像する現像装置とを備えてなる。変換装置は、汎用のコンピュータ上に設けられており、その制御出力に出力装置が接続され、さらに出力装置には現像装置が接続されている。
【0024】
このような画像形成装置では、図4の白(W)を除いた15色の各々に関して、ハロゲン化銀感光材料の各要素色に対するR(赤)、G(緑)、B(青)の各LEDの露光量を多段階に変化させることにより、ほぼ連続的に濃度変化させることが可能である。これにより、インキや印刷用紙のグレードの違い等に伴う多様な色の違いに対応することができる。
【0025】
図5は、画像形成装置40で画像媒体として使用するハロゲン化銀カラー感光材料50の層構造を示した模式断面図である(図を見やすくするために断面を示す斜線は省いた)。これを用いて当該感光材料に特有に生じる現象を説明する。この感光材料50は、表面層51からイエロー発色層56までの感光剤層と、酸化チタン層57と酸化チタン含有ポリエチレン層58とからなる反射層と、紙層59と裏面層60とからなる感光剤層および反射層の支持体層とからなり、それらが順次積層されて構成されている。このような感光材料は、従来公知の材料および製造方法を用いて製造することができる。例えば、特開2002−341470号公報の実施例1に記載のハロゲン化銀感光材料No.101およびその製造方法を例示することができるが、これに限定されるものでもない。
【0026】
ここで、感光剤層のうちマゼンタ発色層54に注目する。図5では、特にマゼンタ画像61が生じている部分を図示している。マゼンタに着目するのは、いずれの発色層でも同様の現象が生じるものの、人間の視覚がもっとも敏感なマゼンタで特に現象が顕著なためである。
【0027】
このような感光材料50に、外部からの光線A〜Cが図5のように入射した場合、光線は図示したように反射層57の表面で反射される。なお、反射光の図5で示した矢印方向には図示されない観測装置があるものとする。光線Aは、入射時にはマゼンタ画像61を透過しないで反射層57に到達するが、出射時にはマゼンタ画像61を透過する。また、光線Bは、感光材料50への入射時と出射時のいずれでもマゼンタ画像61を透過してから観測装置に到達する。さらに、光線Cは、入射時にマゼンタ画像61を透過するが、出射時にはマゼンタ画像61を透過しないで観測装置に到達する。
【0028】
感光材料50を使用して画像形成した場合には、図5に示したように、光線Aは、本来画像がないにも係わらず、マゼンタ画像を透過して観測装置に到達する。このように画像の周縁部では、実際の画像の濃度とは異なる情報を持つこととなる。印刷物の場合には、印刷用紙上に薄いインキの膜が形成されるため、インキの表面及び紙の表面で光線が反射されることとなり、こうした現象は起こりにくい。このため、感光材料50のような場合には、印刷物にない特有のドットゲインや色の滲みが生じることになる。
【0029】
同様な現象は、反射層56に直接接しているように見えるイエロー発色層56でも生じる。これは感光材料の発色層は、透明層の内部に発色点が浮かんでいるような構造を取っていることと、反射層57が酸化チタン粒子をコートした層であり、完全な反射面とは言えないこととによる。特に、反射層57と発色層との距離dが0.5μm以上となった場合に、この現象が顕著になる傾向があり、その対策が必要となる。なお、距離dは反射層57の表面から、各発色層の反射層側の表面(図5では発色層の下端)までの距離である。図5には、マゼンタ発色層54に関する距離dを例示した。
【0030】
図1の画像形成装置40で行われる処理の概略流れを図6に示した。RIP20を経た1ビットデータの集合体21が画像形成装置40に入力されると、合わせて標準印刷物を用いて測定された印刷時のドットゲインのデータが入力される(S10)。ここで、印刷物のドットゲインは、標準印刷物の網%が0%の白地と100%のベタ地と、それらの中間である網%が50%の濃度をそれぞれ光学的に測定し、これらから標準印刷物の面積階調画像において網%が50%の網点の印刷物における太り量を演算して、あらかじめ求められたものである。
【0031】
また、色材の違いに由来する画質の変化を調整するための、調整色の色調レベルが入力される(S10)。ここで、色調レベルとは、後述する掛け率テーブルを介して、プルーフのベタ部のYMC濃度に対する掛け率を特定するコードを意味する。これにより調整色を特定することができる。特定される調整色は、印刷物とプルーフとの色材の違いに起因する画質の違いを調整するために用いられる。印刷条件(インキの種類や紙質等)ごとに掛け率は変化し、標準印刷物と同じ面積階調画像を用いて画像形成装置40から出力されたプルーフの画質が、標準印刷物の画質に合致するように、あらかじめ設定される。従って、印刷条件が特定されれば、掛け率も特定される。
【0032】
プルーフの網100%のベタ色は、印刷物のベタ色に可能な限り合致させるのが好ましい。以下、このベタ色を、上記の調整色と対比して標準色ということがある。プルーフの網点の大きさや形状等の網点構造を印刷物に合致させた場合、上記の感光材料特有の現象を反映して、この調整色により網点を構成するいずれかのドットの色をずらすことにより画質の調整を行う。その際、上記で触れた掛け率を用いる。詳しくは後述する。
【0033】
次に、1ビットデータの集合体21を用いて、図3の領域6の各々に関して、領域内の画像の網%が求められる(S20)。具体的には、1ビットデータの集合体21から構成される面積階調画像において、図3の14×14=196ドットの同じ大きさの領域6に分割して、それぞれの領域6の中で、1ビットデータが「1(インキを置く)」となっているドット(斜線が付されている)が占める割合を求める。得られた網%を、その領域の網%とし、図7に示した網%テーブルに領域ごとに格納する。これにより、画像の網%に対応した調整が可能となる。
【0034】
このように面積階調画像の領域ごとの網%を求めるのは、印刷物におけるドットゲインが、図8に示したごとく網%により変化し、1ドットの増減が網%の変化に与える大きさが異なるためである。なお、網50%近傍のトーンジャンプは、説明を簡単にするために無視した。領域6の分割に伴う意図せぬムラの発生を防止するために、領域間の移動平均を求めるようにしても良い。また、領域6の大きさを適宜拡大縮小することもできるが、この領域が大きすぎると、網%を求める精度は高くなるが演算の負荷は大きくなり、さらに前述のムラを低減するための処理により画像の鮮鋭度が損なわれる。一方、小さすぎると演算の負荷は小さいが調整の精度が劣化する。そのため、網点が出現する周期(この例では14×14ドット)に対して約60%程度の領域とすることが好ましい。さらに、領域ごとに網%を定めるのではなく、各ドットを中心として領域6を定義して領域内の網%を求め、この網%を当該中心ドットの網%と定義しても良い。この場合、ドットごとに網%が定義されることになる。
【0035】
なお、S10ステップで入力された標準印刷物の網50%におけるドットゲインを基準とし、図8のドットゲインカーブに従って網%に対するドットゲインが演算されて、網%が5%刻みで図9のドットゲインテーブルにドットゲインの値が格納される。なお、図9で網%が50%の行のドットゲインの欄に「×1.0」と記載されているのは、S10ステップで入力されたドットゲインのデータを1.0倍してこの欄に格納する意味である。他の欄は、図8のカーブに従って、求められた値が格納される。
【0036】
次に、網点の境界ドットを特定する(S30)。網点の境界ドットとは、面積階調画像の各網点に含まれているドットのうち、網点の最外周に位置するドットである。具体的には、図10に示したフィルタを用い、フィルタの中央ドット70の1ビットデータが「1(インキを置く)」であり、中央ドット70に対して4近傍に位置する検査ドット71のいずれかの1ビットデータが「0(インキを置かない)」である場合に、その中央ドット70を境界ドットと言う。境界ドットの特定結果は、図11に示した境界ドットテーブルに格納される。ここでは、全ドットの各々に対して、境界ドットである場合には「1」が、境界ドットでない場合には「0」が格納されている。このように境界ドットを特定するのは、印刷物のドットゲインに対応して網点太りをプルーフで表現するに際し、境界ドットの外側に網点を大きくする際に用いるためと、印刷物とプルーフの色材の違いによる画質の違いを、この境界ドットの色を変化させることで調整するためである。
【0037】
次に、図7の領域ごとの網%を格納した網%テーブルから、図9のドットゲインテーブルを参照して、領域ごとのドットゲインを求める。さらに、このドットゲインから図12の増加ドット数テーブルを参照して、領域ごとに網点を太らせるためのドット列の数を特定する(S40)。
【0038】
ここで、図12の増加ドット数テーブルは、印刷物のドットゲインにより太った網点とほぼ同じ大きさの網点をプルーフにおいて再現するために、プルーフの網点境界の外側に増加せしめるべき、つまり1ビットデータを「1」にすべきドット数を格納したテーブルである。このドット数のデータは、面積階調画像の線数に対応してあらかじめ定められている。当然ながら、印刷物のドットゲインが大きくなるにつれ、プルーフの網点の外側に増加すべき、1ビットデータが「1」のドット数も増加する。これにより、プルーフの網点の大きさを印刷物とほぼ同じ大きさにすることができる。
【0039】
次に、S40ステップで特定された領域ごとの増加ドット数と、図11の境界ドットテーブルとを用いて、増加ドット3の位置を特定することで、面積階調画像の網点を領域ごとに太らせる(S50)。この際、増加ドットの位置は、まず網点5に接する位置からランダムに埋めていき、接する位置が埋まって一列分増加した段階で、二列めにランダムに配置するようにする。このようにして得た面積階調画像22の、図3に対応する部分の模式図を図13に示す。増加したドット3を太線で示した。図13を図3と比較すると、網点5の外側に一列分に満たない増加ドット3がランダムに配置されていることがわかる。この結果、図13では、網点7が網点5より約一回り分大きくなっており、印刷における網点太りをプルーフで再現している。なお、図6のS10ステップからS50ステップは、第2の画像の網%が調整される網%調整ステップを構成する例である。
【0040】
このようにすることで、印刷版の位置合わせがずれた場合にも、プルーフにおける網点構造のずれが近似したものとなり、このような場合にも近似した画像が得られるようになる。さらに上記した感光材料特有の現象に対応して、画質をより近似したものにするために、いずれか若しくは全部の網点ドットの色調の調整を行うのが好ましい。そこで、網点7内のドットの色を、ベタ色を基本としながら、先に特定した境界ドットに関しては調整色とする。これについて続いて説明する。
【0041】
次のS60ステップでは、ベタ色のYMC濃度をルックアップテーブルから特定する。ルックアップテーブルは、画像形成装置40のいわゆるデバイスプロファイルを格納したテーブルであり、印刷物の15色の色をプルーフで再現するために必要な、ハロゲン化銀感光材料の要素色であるYMCの色濃度の組み合わせを特定するテーブルである。このテーブルは、出力装置において、あらかじめY、M、Cの各層の発色を多段階に変えた条件で組み合わせ、それらの条件で露光・現像により作成されたカラーパッチに対して、CIELAB色空間におけるL*、a*、b*座標及びステータスT条件下で測定されたY、M、C濃度を測定することで、印刷物の色に対応する適切なYMC濃度のデータが結びつけられて格納されたものである。このテーブル例を図14に示す。なお、説明を簡単にするために、印刷条件により決まる印刷物の色は、すでにL*a*b*座標系の値を用いて指定されているものとした。さらに、印刷物で使用される色版の全部について、面積階調画像が求められているものとする。
【0042】
次に、図13の網点7を構成するドットごとに、図14のルックアップテーブルを用いてYMC濃度を指定する。このようにして生成された露光テーブルの例を図15に示す。図15のテーブルでは、ドットごとに出力機で用いられるY、M、Cの各濃度が格納されている。これで網点7を構成するドットの色が、印刷物のベタ色に合致する色となる。
【0043】
次に、図13の網点7を構成するドットのうち、S30ステップで特定して図11のテーブルに結果が格納された境界ドットについて、S10ステップで入力された色調レベルに対応する掛け率が、図16の掛け率テーブルから読み出される。この掛け率とルックアップテーブルのYMC濃度から、調整色のYMC濃度が特定される(S70ステップ)。
【0044】
なお、掛け率テーブルは、色調レベルに応じて0.1倍から2.0倍までのあらかじめ定められた掛け率が格納されている。この掛け率は、ルックアップテーブルで特定されるYMC濃度の各々に対して乗ぜられることで、ベタ色に対する調整色のYMC濃度を生成することができる。掛け率が1.0より小さい場合、境界ドットの色はベタ色より薄くなり、掛け率が1.0より大きい場合には境界ドットの色はベタ色より濃くなる。
【0045】
次に、この調整色のYMC濃度のデータが、図11のテーブルを参照しながら、図15のドットごとのYMC濃度テーブルに格納される。これにより、境界ドットのYMC濃度が、ベタ色のYMC濃度から調整色のYMC濃度に置き換えられる(S80ステップ)。このようにして形成された面積階調画像23の模式図を図17に示す。図17は、図3、図13とも対応する部分の模式図である。図13と図17を対比すると、図13の網点7のドットのうち、増加ドット3の色がベタ色となり、かつ図3で網点境界に位置していたドット4の色が、ベタ色(太めの斜線で表示)から調整色(細めの縦線で表示)に変更されているのがわかる。これにより、色材の違いによる感光材料特有の現象の影響を除去することができる。S30ステップ、S70ステップ、S80ステップは、色調調整ステップの例を構成する。
【0046】
図17の画像では、網点の形状、大きさ共に印刷物に近似したものとなるから、印刷版のズレに対して、プルーフでも同様な網点構造のズレを再現できることになる。また、網点中央部と周辺部に存在するベタ色も、印刷物のベタ色に可能な限り近似されている。さらに、感光材料特有の現象に対する色調調整も行われているから、画像全体の画質も印刷物に近似したものに調整される。
【0047】
次に、図19に示した露光量コードテーブルにより、YMCの各濃度に関して、図示されない出力装置に対応した露光量コードが特定され(S90ステップ)、この露光コードが出力装置に出力される(S100ステップ)。出力装置では、RGBの各LEDがハロゲン化銀感光材料を二次元に走査しながら、送られたドットごとの露光量コードに従ってハロゲン化銀感光材料を露光する。続いて図示されない現像装置で、この露光済み感光材料に対して現像と定着の処理がなされてプルーフが作成される。これで画像形成装置における処理が終了する。
【0048】
このような画像形成方法により得られるプルーフは、本印刷機と同じRIPを経た面積階調画像を、そのまま画像形成装置40で用いているにも係わらず、目標とする印刷物に網点の形状や大きさの網点構造がきわめて近似し、網100%のベタ色もほぼ同じ色とすることができる。また、色材の違いにも係わらず、画像全体の画質もきわめて近似した優れたプルーフとなる。さらに、印刷版の位置ずれにも対応して、近似した画像を得ることができる。
【0049】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は以上に示された発明の具体的態様に限定されるものではない。例えば、上記の説明では、画像形成装置40の制御装置の機能は、汎用コンピュータ上で実行されるコンピュータプログラムにより実現されているが、専用のハードウェアにより実現しても良いことは言うまでもない。また、このプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納しても良い。プログラムを記録媒体に格納する際には、複数の部分に分割し、分割したものをそれぞれに記憶媒体に格納することも可能である。ここで、記録媒体とは、フレキシブルディスク、光磁気ディクス、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等を言う。
【0050】
また、調整色とするドットは、元の網点の境界ドットには限定されず、変換された後の網点、例えば、図13で表された増加ドット3であっても良いし、網点の中央部に集中して配置しても良い。いずれにせよ、調整色をベタ部の色と分けることでベタ色が確認でき、かつモアレなどが生じないように調整色のドットを配置すればよい。なお、特定のドットのみを調整色にするのではなく、網点を構成するドットの全部の色を別途定めた調整色としても良い。上記の例で、このようにした画像の例を図18に示す。図18では網点9を構成するドットの全部が調整色(細めの斜線で表示)となっている。この場合、調整色がベタ色からずれることになるが、このずれが許容できる範囲内であれば、このようにしても良い。この場合、画像形成装置の演算負荷が減少する。
【0051】
また、上記では、掛け率はYMC濃度のいずれにも同じ率としているが、Y、M、Cの各々に対して調整色ごとに異なる掛け率となるようにしても良い。また、掛け率テーブルを用いるのではなく、それぞれの調整色に対してルックアップテーブルを別途用意しても良い。また、調整色を色調レベルを入力することにより特定するのではなく、印刷条件に従って、色調レベルがあらかじめ定められていても良い。また、スクリーニング方式は、AMスクリーニングに限定されず、FMスクリーニングであっても良い。図5の処理フローは、これに限定されるものではなく、必要によりステップの順番を入れ替えることもできる。また、画像媒体は感光材料に限定されるものではなく、反射層状に透明なコーティング層を設け、その上にインキジェット方式などの画像形成装置によりプルーフ画像を形成するものであっても良い。以下、実施例、比較例により、さらに具体的に説明する。
【実施例1】
【0052】
まず、網%が0%から100%に渡り5%刻みの平網でスクリーニング化された100×100mmの標準パッチの印刷物と、その標準パッチの元データ(印刷原稿)からRIPにより分版化された印刷用の面積階調画像の2値データの集合体を準備した。なお、面積階調画像の網点の形状はスクエア、線数は175線である。また、標準パッチの印刷物において、マゼンタの印刷版を若干ずらした印刷物も合わせて用意した。これらの印刷物の色調を測定し、版のズレがある場合と無い場合との色差を求めたところ、2.3であった。結果を表1に示す。ここで、色調の測定は、ミノルタ社製分光測色計CM−2022を用い、照明と受光の幾何条件d−n、キセノンパルス光源を用いて各印刷物を側光し、2°視野補助標準の光D50でのL*a*b*の値を求めることによって行った。また、標準パッチの印刷物の網50%におけるドットゲインを測定した。
【0053】
次に、特開2002−341470号公報の実施例1に記載のハロゲン化銀感光材料No.101において、第1層(反射層)と第3層(マゼンタ発色層)の間の第2層のゼラチン量を種々変更して、下記表1に示す反射層と画像形成層の間の距離が、0.00μm(ア)、0.39μm(イ)、0.53μm(ウ)、0.65μm(エ)、0.95μm(オ)の各試料を作成した。なお、このマゼンタ発色層は、最も反射層に近い感光剤層であり、常法に従い、マゼンタカプラーに少量のイエローカプラーを混入して色調を調整してある。
【0054】
次に、以下のような変換装置と出力装置と現像装置とからなる画像形成装置を準備した。まず、変換装置のルックアップテーブルは、プルーフのベタ色が、上記の標準パッチのベタ色に合致するように、YMC濃度をあらかじめ調整した。次に、上記で準備した面積階調画像を修飾した。面積階調画像を15×15ドットの領域に分割し、各領域で網点の占めるドット数から網%を推定した。また、上記で測定した網50%における標準パッチのドットゲインと、図8のカーブとから、各網%におけるドットゲインを求めた。さらに、このドットゲインに対応して各領域で増加すべきドット数を、あらかじめ定めた図12のテーブルを用いて領域ごとに求めた。この増加すべきドット数に基づいて、領域ごとに網点の外側に、増加すべきドット数分のドットをランダムに付加して修飾された面積階調画像を得た。さらに、このように網点が大きくなったプルーフのうち、版のズレがない場合に対応するものに対してドットゲインを測定した場合に、ドットゲインが版のズレのない印刷物と同じ値となるように、網点を構成するドットのべタ濃度を一律に調整(濃度を低下)した。
【0055】
出力装置は、光源としてBのLEDを主走査方向に10個並べ、露光のタイミングを少しずつ遅延させることによって同じ場所を10個のLEDで露光できるように調整した。また、副走査方向にも10個のLEDを並べ隣接する10ドット分の露光が1度にできる露光ヘッドを準備した。G、Rも同様にLEDを組み合わせて露光ヘッドを準備した。各ビームの径は約10μmで、この問隔でビームを配列し、副走査のピッチは約100μmとした。1ドット当たりの露光時間は約100ナノ秒とした。さらに、現像装置は、露光後のハロゲン化銀感光材料に対して、前記公報実施例1に記載の現像処理と同様の現像処理を行えるように準備した。
【0056】
このようにして準備した修飾された面積階調画像と画像形成装置と上記の(ア)から(オ)の感光材料とを用いて、Y、M、Cの面積階調画像をそれぞれ出力装置に出力して現像し、マゼンタ版のズレがない標準パッチの印刷物に対応するプルーフと、マゼンタ版のズレがある場合の印刷物に対応してM画像をずらしたプルーフとを得た。これらのプルーフの色調を上記と同様にして測定して、第2層の厚みが同じだが、版のズレの有無が異なるプルーフどうしで比較し、それらの色差を求めた。なお、印刷版のズレの大きさに対応して、プルーフにおけるM画像のずれは3ドット分とした。結果を表1に示す。また、プルーフどうしの色差と、印刷版どうしの色差との差異をもとめ、(プルーフと)印刷との色差のズレとして合わせて表1に示した。
【0057】
いずれの試料においても、印刷物に近似な色差を得ることができ、印刷版のズレがプルーフでも再現できていることがわかる。特に第2層の厚さが0.5μm以上の試料でも、色差が近似しており、好ましい態様であることが分かる。
【0058】
[比較例1] 調整色を用いず、また、面積階調画像の修飾を行なわなかったこと以外は実施例1と同様にして、(ア)から(オ)の感光材料を用いて、同様に版のズレの有無を反映したプルーフを作成して色差を求めた。結果を表1に示す。印刷物と比べ全体に色差は小さい傾向を示すことがわかるが、第2層の厚みが厚くなるほど色差が小さくなり、印刷物の挙動とのずれが大きくなる。
【実施例2】
【0059】
網点の形状をチェーンドットとした以外は、実施例1と同様にして実験を行った。結果を表1に示す。面積階調化の条件によって色差にバラツキを生じることがわかるが、全体に安定した改良効果が得られ好ましい。
【実施例3】
【0060】
網点の形状をスクエア、チェーンドット、ラウンドとし、線数を150線、175線、200線として、実施例1と同様の実験を行った。印刷の色差変動との差の標準偏差を求めた結果を表1に示す。全体に良好な結果が得られるが、特に、第2層の厚さが0.5μm以上の試料において、安定した効果が得られることがわかる。
【0061】
【表1】
【実施例4】
【0062】
プルーフで測定したドットゲインを、ベタ濃度を調整することで調整するのではなく、上記で説明した境界ドットの濃度だけを調整してドットゲインを調整するように変更した以外は実施例1と同様にして、実施例1〜3の評価を繰り返した。実施例1〜3と同様な効果が再び得られることが確認できた。さらに、この方法にてフルカラー画像を作成したところ、従来の方式で作成されたと同様の高画質なプルーフ画像が得られることが確かめられた。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】画像形成方法の全体流れを示した概略ブロック図である。
【図2】面積階調画像のデータ構造の例を示した概念図である。
【図3】いずれか1版に関する面積階調画像の例を示した模式図である。
【図4】本印刷機において表現できる色ごとの、色版の刷りを示した図である。
【図5】感光材料の層構造の概略を模式的に示した断面図である。
【図6】画像形成装置における処理フローの概略を示したフローチャートである。
【図7】網%テーブルの例を示した概念図である。
【図8】網%に対するドットゲインカーブの例を示した図である。
【図9】ドットゲインテーブルの例を示した概念図である。
【図10】フィルタの例を示した概念図である。
【図11】境界ドットを特定するテーブルの例を示した概念図である。
【図12】増加ドット数テーブルの例を示した概念図である。
【図13】ドットゲインを反映した面積階調画像の例を示した模式図である。
【図14】ルックアップテーブルの例を示した概念図である。
【図15】露光テーブルの例を示した概念図である。
【図16】掛け率テーブルの例を示した概念図である。
【図17】修飾された面積階調画像の例を示した模式図である。
【図18】修飾された面積階調画像の他の例を示した模式図である。
【図19】露光量コードテーブルの例を示した概念図である。
【符号の説明】
【0064】
1 ドット(非網点部)
2 ドット(網点部)
3 ドット(網点太り部)
4 ドット(元の網点境界部)
5 網点
6 領域
7 網点
8、9 網点
70 中央ドット
71 検査ドット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
面積階調画像を構成するドットごとの1ビットデータの集合体を用い、1の出力手段から1の画像を出力する第1の工程と、前記の集合体を用い、他の出力手段から透明媒体と反射層とが積層された画像媒体に、前記反射層から0.5μm以上離れた位置に他の画像を出力する第2の工程とを有し、前記第2の工程は、前記面積階調画像に含まれる網点の網%が調整される網%調整ステップを含んで、前記他の画像が前記1の画像に近似化されることを特徴とする画像形成方法。
【請求項2】
前記画像媒体が銀塩感光材料で、かつ前記透明媒体が画像形成層であり、前記画像形成層の少なくとも一つが、前記反射層から0.5μm以上離れていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
【請求項3】
前記画像媒体が銀塩カラー感光材料であり、前記感光剤層が少なくともマゼンタ発色層を含んでおり、前記他の画像がマゼンタ画像を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成方法。
【請求項4】
前記第2の工程が、さらにドットの色を調整するステップを含むことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の画像形成方法。
【請求項1】
面積階調画像を構成するドットごとの1ビットデータの集合体を用い、1の出力手段から1の画像を出力する第1の工程と、前記の集合体を用い、他の出力手段から透明媒体と反射層とが積層された画像媒体に、前記反射層から0.5μm以上離れた位置に他の画像を出力する第2の工程とを有し、前記第2の工程は、前記面積階調画像に含まれる網点の網%が調整される網%調整ステップを含んで、前記他の画像が前記1の画像に近似化されることを特徴とする画像形成方法。
【請求項2】
前記画像媒体が銀塩感光材料で、かつ前記透明媒体が画像形成層であり、前記画像形成層の少なくとも一つが、前記反射層から0.5μm以上離れていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
【請求項3】
前記画像媒体が銀塩カラー感光材料であり、前記感光剤層が少なくともマゼンタ発色層を含んでおり、前記他の画像がマゼンタ画像を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成方法。
【請求項4】
前記第2の工程が、さらにドットの色を調整するステップを含むことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の画像形成方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2006−38973(P2006−38973A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−215212(P2004−215212)
【出願日】平成16年7月23日(2004.7.23)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年7月23日(2004.7.23)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
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