説明

音声処理システム、音声処理装置及びそのプログラム

【課題】 煩雑なユーザ操作を要することなく、放送受信装置のチャンネル番号を変更した際にAVアンプのボリューム値を適切な値に変更すること。
【解決手段】 ユーザ操作によって出力ボリューム値が変更されると、ボリューム値登録手段は、出力ボリューム値を現在のチャンネル番号のボリューム値として登録する。放送受信装置が受信する放送のチャンネル番号が変更された場合、チャンネル番号を含むチャンネル変更通知が音声処理装置に送信される。音声処理装置は、チャンネル変更通知に含まれるチャンネル番号に対応するボリューム値をボリューム値登録手段から読み出して、出力ボリューム値として設定する。従って、放送受信装置が受信するチャンネル番号が変更された場合、音声処理装置の出力ボリューム値を自動的に適切な値に変更することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放送受信装置が受信した音声データを音声処理装置に送信し、音声処理装置においてボリューム値を調整して出力する音声処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
放送受信装置とAVアンプとをHDMIケーブルを介して接続し、放送受信装置が受信した放送データの音声データを、HDMIケーブルを介してAVアンプに送信し、AVアンプにおいて、音声データを増幅し、外部に接続されたスピーカーから音声を再生するシステムが利用されている。放送受信装置は複数のチャンネル番号の放送データを受信可能であり、選択されるチャンネル番号に応じて受信する音声データのレベル(振幅値)が異なっている。従って、放送受信装置が受信するチャンネル番号を変更する毎に、ユーザ操作によって、AVアンプのボリューム値を適切なボリューム値に調整する必要があり、その操作が煩雑である。
【0003】
【特許文献1】特開2001−54037号公報
【特許文献2】特開2007−214678号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、煩雑なユーザ操作を要することなく、放送受信装置のチャンネル番号を変更した際にAVアンプのボリューム値を適切な値に変更することができる音声処理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の好ましい実施形態による音声処理システムは、放送受信装置と、前記放送受信装置に接続可能な音声処理装置とを備え、前記放送受信装置が、複数のチャンネル番号の中からユーザ操作によって1つのチャンネル番号を選択する選択手段と、選択されたチャンネル番号の音声データを含む放送データを受信する受信手段と、前記受信手段が受信した音声データを前記音声処理装置に送信する送信手段と、前記選択手段によって選択されたチャンネル番号を含むチャンネル変更通知を前記音声処理装置に送信する通知送信手段とを有し、前記音声処理装置が、音声データを受信する受信手段と、受信した音声データを設定されている出力ボリューム値に基づいて調整するボリューム調整手段と、前記チャンネル変更通知を受信する通知受信手段と、チャンネル番号に対応付けてボリューム値を登録するボリューム値登録手段と、前記チャンネル変更通知に含まれるチャンネル番号に対応するボリューム値を前記ボリューム値登録手段から読み出して、前記出力ボリューム値に設定する第1ボリューム値設定手段と、ユーザ操作によって出力ボリューム値を設定する第2ボリューム値設定手段とを有し、前記ボリューム値登録手段が、前記チャンネル変更通知に含まれるチャンネル番号について、前記出力ボリューム値と、前記ボリューム値登録手段に登録されているボリューム値とが異なる場合に、前記出力ボリューム値を前記ボリューム値登録手段に登録されているボリューム値として登録する。
【0006】
ユーザ操作によって出力ボリューム値が変更されると、ボリューム値登録手段は、出力ボリューム値を現在のチャンネル番号のボリューム値として登録する。放送受信装置が受信する放送のチャンネル番号が変更された場合、チャンネル番号を含むチャンネル変更通知が音声処理装置に送信される。音声処理装置は、チャンネル変更通知に含まれるチャンネル番号に対応するボリューム値をボリューム値登録手段から読み出して、出力ボリューム値として設定する。従って、放送受信装置が受信するチャンネル番号が変更された場合、音声処理装置の出力ボリューム値を自動的に適切な値に変更することができる。
【0007】
好ましい実施形態においては、前記ボリューム値登録手段が、前記チャンネル変更通知に含まれるチャンネル番号について、前記出力ボリューム値と、前記ボリューム値登録手段に登録されているボリューム値とが異なる状態が所定時間以上継続した場合に、前記出力ボリューム値を前記ボリューム値登録手段に登録されているボリューム値として登録する。
【0008】
この場合、ユーザ操作によって頻繁にチャンネル番号又は出力ボリューム値が変更された場合であっても、ボリューム値登録手段のボリューム値が頻繁に変更されるという問題を防止することができる。
【発明の効果】
【0009】
煩雑なユーザ操作を要することなく、放送受信装置のチャンネル番号を変更した際にAVアンプのボリューム値を適切な値に変更することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の好ましい実施形態によるAVアンプ(音声処理装置)20、及び、放送受信装置(音声送信装置)30を備える音声処理システムついて、図面を参照して具体的に説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
【0011】
放送受信装置30は、複数チャンネルの放送データの中から選択されたチャンネルの放送データ(音声データを含む)を受信し、音声データをHDMIデータに変換して、AVアンプ20に送信する。AVアンプ20は、放送受信装置から受信した音声データをD/A変換、ボリューム調整処理および増幅処理し、接続されているスピーカーに出力し、音声を再生する。
【0012】
図1は、AVアンプ20及び放送受信装置30の構成を示すブロック図である。AVアンプ20及び放送受信装置30は、例えばHDMI規格に準拠しており、HDMIケーブルを介して相互に接続されている。
【0013】
[放送受信装置30の構成]
放送受信装置30は、制御部31と、メモリ32と、チューナ33と、HDMI送信部34と、操作部35と、表示部36と、HDMI端子37とを備える。
【0014】
チューナ33は、複数のチャンネル番号の放送データ(音声データを含む)の中からユーザ操作によって選択された1つのチャンネル番号の放送データを受信して、HDMI送信部34に供給する。
【0015】
HDMI送信部34は、チューナから供給された音声データからHDMIデータを生成し、HDMI端子を介してHDMIデータをAVアンプ20に送信する。なお、放送データに映像データが含まれる場合には、HDMIデータに映像データも含まれる。
【0016】
操作部35はユーザ操作を受け付けるものであり、リモコン送受信機や、放送受信装置30の筐体に設けられた操作ボタン等である。操作部35は、ユーザ操作によってチャンネル番号を変更(選択)する指示が入力されると、選択されたチャンネル番号を制御部31に供給する。表示部36は、選択されているチャンネル番号等を表示するものであり、LCDやFL管等である。
【0017】
制御部31は、メモリ32に格納されている放送受信装置30の動作プログラムに基づいて後述する各処理を実行するものであり、マイコンやCPU等である。制御部31は、HDMIケーブルのCECラインを介してAVアンプ20の制御部21に接続されており、CECラインを介してAVアンプ20の制御部21との間でコマンドや通知を送受信する。なお、HDMIケーブルのCECラインの代わりに、その他の通信ラインを用いてコマンドや通知を送受信することもできる。
【0018】
制御部31は、チューナ33が受信するチャンネル番号が変更されたとき、変更後のチャンネル番号(現在のチャンネル番号)を含むチャンネル変更通知を、CECラインを介してAVアンプ20の制御部21に送信する。
【0019】
[AVアンプの構成]
AVアンプ20は、制御部21と、メモリ22と、HDMI受信部23と、音声処理部24と、操作部25と、表示部26と、HDMI端子27とを有している。
【0020】
HDMI受信部23は、放送受信装置30のHDMI送信部34から送信されたHDMIデータを、HDMI端子27を介して受信して、受信したHDMIデータから元の音声データを生成し、音声処理部24に供給する。
【0021】
音声処理部24は、HDMI受信部23から供給された音声データに対して、D/A変換、信号処理、ボリューム調整処理、増幅処理等の処理を実行し、外部に接続されたスピーカー60に音声信号を供給する。音声処理部24が音声データに対して調整するボリューム値(このボリューム値を出力ボリューム値という。)は、制御部21の指示によって設定される。
【0022】
メモリ22には、図2に示すボリューム値テーブルが格納されている。ボリューム値テーブルは、各チャンネル番号に対して、ユーザ操作によって設定された出力ボリューム値を登録し、かつ、チャンネル番号が変更された際に変更後のチャンネル番号に対応するボリューム値が読み出されて、出力ボリューム値として設定されるためのテーブルである。ボリューム値テーブルは、放送受信装置30が受信する放送データのチャンネル番号に対応付けて、ボリューム値と読み出し回数とが登録される。ボリューム値には、現在のチャンネル番号の音声データをAVアンプ20が受信してスピーカーに出力している際に、ユーザ操作によって設定された出力ボリューム値が登録される。読み出し回数は、放送受信装置30が受信する放送データのチャンネル番号が変更された際に、変更後のチャンネル番号のボリューム値が読み出されて、出力ボリューム値として設定された回数である。
【0023】
操作部25は、ユーザ操作を受け付けるものであり、リモコン送受信機や、AVアンプ20の筐体に設けられた操作ボタン等である。操作部25は、ユーザ操作によってボリューム値が入力され、ボリューム値を制御部21に供給する。
【0024】
表示部26は、ボリューム値(このボリューム値を表示ボリューム値という。)を表示するものであり、LCDやFL管等である。
【0025】
制御部21は、メモリ22に格納されているAVアンプの動作プログラムに基づいて、後述する各処理を実行するものであり、マイコンやCPU等である。制御部21は、HDMIケーブルのCECラインを介して放送受信装置30の制御部31に接続されており、CECラインを介して放送受信装置30の制御部31とコマンドや通知を送受信する。なお、HDMIケーブルのCECラインの代わりに、その他の通信ラインを用いてコマンドや通知を送受信することもできる。
【0026】
制御部21は、放送受信装置30の制御部31からチャンネル変更通知を受信したとき、ボリューム値テーブルから変更後のチャンネルに対応するボリューム値を読み出して、出力ボリューム値に設定する。また、制御部31は、ユーザ操作によってボリューム値が変更された場合に出力ボリューム値を変更する。また、制御部31は、出力ボリューム値と、ボリューム値テーブルに登録されているボリューム値とが異なる場合に、ボリューム値テーブルのボリューム値を出力ボリューム値に変更する。
【0027】
[動作]
以下、本実施形態の動作を説明する。図3は、放送受信装置30の制御部31の処理を示すフローチャートであり、図4は、AVアンプ20の制御部21の処理を示すフローチャートである。
【0028】
図3に示すように、放送受信装置30の制御部31は、ユーザ操作によって放送データのチャンネル番号を変更する指示が入力されたか否かを判断する(S31)。チャンネル番号を変更する指示が入力された場合(S31でYES)、制御部31は、受信するチャンネル番号をユーザ操作によって選択されたチャンネル番号に変更するようにチューナ33を制御する(S32)。これに応じて、チューナ33は受信する放送データのチャンネル番号を制御部31から指定されたチャンネル番号に変更する。続いて、制御部31は、変更後のチャンネル番号を含むチャンネル変更通知を、CECラインを介してAVアンプ20の制御部21に送信する(S33)。例えば、チャンネル番号1に変更(又は選択)された場合には、チャンネル番号1を含むチャンネル変更通知が送信される。
【0029】
図4に示すように、AVアンプ20の制御部21は、CECラインを介して放送受信装置30の制御部31から、チャンネル変更通知を受信したか否かを判断する(S1)。チャンネル変更通知を受信しない場合には(S1でNO)、制御部21は、ユーザ操作によってボリューム値を変更する指示が入力されたか否かを判断する(S9)。ボリューム値を変更する指示が入力されない場合には(S9でNO)、出力ボリューム値と、ボリューム値テーブルに登録されているボリューム値とが異なる状態が、所定時間継続したかを判断する(S11)。出力ボリューム値と、ボリューム値テーブルに登録されているボリューム値とが異なる状態が、所定時間継続していない場合には、S1に戻る。すなわち、制御部21は、S1、S9及びS11の判断処理を繰り返して実行している。
【0030】
S1でチャンネル変更通知を受信した場合(S1でYES)、制御部21は、チャンネル変更通知に含まれているチャンネル番号を読み出して、そのチャンネル番号をボリューム値テーブルの中から検索し(S2)、チャンネル番号がボリューム値テーブルに登録されているか否かを判断する(S3)。なお、制御部21は、チャンネル変更通知に含まれているチャンネル番号を現在のチャンネル番号として表示部26に表示させる。
【0031】
[ボリューム値テーブルに現在のチャンネル番号が登録されていない場合]
はじめて選択されたチャンネル番号等の理由で、ボリューム値テーブルにチャンネル番号が登録されていない場合(S3でNO)、制御部21は、ボリューム値テーブルに空き領域(このチャンネル番号のボリューム値を登録可能な領域)が存在するか否かを判断する(S6)。ボリューム値テーブルに空き領域が存在する場合(S6でYES)、S8に進む。
【0032】
一方、ボリューム値テーブルに空き領域が存在しない場合(S6でNO)、制御部21は、ボリューム値テーブルから読み出し回数が最小のチャンネル番号の情報を削除することによって、空き領域を生成する(S7)。S8において、制御部21は、現在のチャンネル番号のボリューム値を登録するためにボリューム値テーブルに現在のチャンネル番号の欄を作成し、現在の出力ボリューム値を作成した欄に登録する。例えば、チャンネル変更通知にチャンネル番号1が含まれており、ボリューム値テーブルにチャンネル番号1の欄が存在しない場合には、チャンネル番号1の欄が生成され、例えば現在の出力ボリューム値40が登録される。
【0033】
続いて、S9において、ユーザ操作によってボリューム値を変更する指示が入力されると(S9でYES)、制御部21は、出力ボリューム値及び表示ボリューム値を変更する。例えば、現在のチャンネル番号が1のときに、出力ボリューム値が40、表示ボリューム値が40の状態から、ユーザ操作によってボリューム値が10増加されて50に変更されると、出力ボリューム値が50、表示ボリューム値が50に変更される。
【0034】
続いて、S11において、現在のチャンネル番号に関して、出力ボリューム値と、ボリューム値テーブルに登録されているボリューム値とが異なる状態が所定時間以上継続した場合(S11でYES)、出力ボリューム値を、ボリューム値テーブルの現在のチャンネル番号のボリューム値として登録する(S12)。例えば、チャンネル番号1の出力ボリューム値が50であり、ボリューム値テーブルに現在のチャンネル番号に対応付けられて登録されているボリューム値が40である状態が所定時間継続したとき、出力ボリューム値50がボリューム値テーブルのチャンネル番号1のボリューム値として登録される。
【0035】
[ボリューム値テーブルに現在のチャンネル番号が登録されている場合]
S3において、現在のチャンネル番号がボリューム値テーブルに登録されている場合(S3でYES)、現在のチャンネル番号に対応するボリューム値をボリューム値テーブルから読み出して、出力ボリューム値に設定する(S4)。なお、このとき、本例においては、表示ボリューム値は変更しない。例えば、現在の出力ボリューム値が30、表示ボリューム値が40であり、現在のチャンネル番号1に対応するボリューム値テーブルのボリューム値が50である場合、ボリューム値50が読み出されて、出力ボリューム値が50に変更され、表示ボリューム値は40のままである。
【0036】
続いて、制御部2は、ボリューム値テーブルにおいて現在のチャンネル番号に対応する読み出し回数を1増加させる(S5)。
【0037】
続いて、S9において、ユーザ操作によってボリューム値を変更する指示が入力されると(S9でYES)、制御部21は、出力ボリューム値及び表示ボリューム値を変更する。例えば、現在のチャンネル番号が1のときに、出力ボリューム値50、表示ボリューム値40の状態から、ユーザ操作によってボリューム値が5増加され55に変更されると、出力ボリューム値55、表示ボリューム値45に変更される。
【0038】
続いて、S11において、現在のチャンネル番号に関して、出力ボリューム値と、ボリューム値テーブルに登録されているボリューム値とが異なる状態が所定時間以上継続した場合(S11でYES)、出力ボリューム値を、ボリューム値テーブルの現在のチャンネル番号のボリューム値として登録する(S12)。例えば、チャンネル番号1の出力ボリューム値が55であり、ボリューム値テーブルに現在のチャンネル番号に対応付けられて登録されているボリューム値が50である状態が所定時間継続したとき、出力ボリューム値55がボリューム値テーブルのチャンネル番号1のボリューム値として登録される。
【0039】
次に、図4のフローチャートに基づく処理の実施例を説明する。
(1)チャンネル変更通知に含まれるチャンネル番号が1であるとき、現在のチャンネル番号としてチャンネル番号1が表示部26に表示される。ボリューム値テーブルにチャンネル番号1の欄が新たに生成される。現在の出力ボリューム値が40、表示ボリューム値が40である場合、出力ボリューム値40がボリューム値テーブルのチャンネル番号1のボリューム値として登録される。ユーザ操作によってボリューム値が10増加され50に変更されると、出力ボリューム値が50、表示ボリューム値が50に変更される。この状態が所定時間以上継続すると、出力ボリューム値50がボリューム値テーブルのチャンネル番号1のボリューム値として登録される。
【0040】
(2)次のチャンネル番号通知に含まれるチャンネル番号が2であるとき、現在のチャンネル番号としてチャンネル番号2が表示部26に表示される。ボリューム値テーブルにチャンネル番号2の欄が新たに生成される。現在の出力ボリューム値が50、表示ボリューム値が50であるので、出力ボリューム値50がボリューム値テーブルのチャンネル番号2のボリューム値として登録される。ユーザ操作によってボリューム値が20減少され30に変更されると、出力ボリューム値が30、表示ボリューム値が30に変更される。この状態が所定時間以上継続すると、出力ボリューム値30がボリューム値テーブルのチャンネル番号2のボリューム値として登録される。
【0041】
(3)次のチャンネル番号通知に含まれるチャンネル番号が3であるとき、現在のチャンネル番号としてチャンネル番号3が表示部26に表示される。ボリューム値テーブルにチャンネル番号3の欄が新たに生成される。現在の出力ボリューム値が30、表示ボリューム値が30であるので、出力ボリューム値30がボリューム値テーブルのチャンネル番号3のボリューム値として登録される。ユーザ操作によってボリューム値が10増加され40に変更されると、出力ボリューム値が40、表示ボリューム値が40に変更される。この状態が所定時間以上継続すると、出力ボリューム値40がボリューム値テーブルのチャンネル番号3のボリューム値として登録される。
【0042】
(4)次のチャンネル変更通知に含まれるチャンネル番号が1であるとき、現在のチャンネル番号としてチャンネル番号1が表示部26に表示される。ボリューム値テーブルに(1)で生成したチャンネル番号1の欄が既に存在するので、ボリューム値50を読み出して、出力ボリューム値が50に変更される。このとき、表示ボリューム値は40のままである。ユーザ操作によってボリューム値が5増加され55に変更されると、出力ボリューム値が55、表示ボリューム値が45に変更される。この状態が所定時間以上継続すると、出力ボリューム値55がボリューム値テーブルのチャンネル番号1のボリューム値として登録される。
【0043】
(5)次のチャンネル変更通知に含まれるチャンネル番号が2であるとき、現在のチャンネル番号としてチャンネル番号2が表示部26に表示される。ボリューム値テーブルに(2)で生成したチャンネル番号2の欄が既に存在するので、ボリューム値30を読み出して、出力ボリューム値が30に変更される。このとき、表示ボリューム値は45のままである。
【0044】
図5は、別の好ましい実施形態によるAVアンプ20の制御部21の処理を示すフローチャートである。図5の処理は図4の処理と比較してS4がS24に変更された点のみで異なる。S24では、制御部21は、現在のチャンネル番号に対応するボリューム値をボリューム値テーブルから読み出して、出力ボリューム値及び表示ボリューム値の両方を読み出したボリューム値に変更する。
【0045】
図5のフローチャートに基づく処理の実施例を説明する。
(1)チャンネル変更通知に含まれるチャンネル番号が1であるとき、現在のチャンネル番号としてチャンネル番号1が表示部26に表示される。ボリューム値テーブルにチャンネル番号1の欄が新たに生成される。現在の出力ボリューム値が40、表示ボリューム値が40である場合、出力ボリューム値40がボリューム値テーブルのチャンネル番号1のボリューム値として登録される。ユーザ操作によってボリューム値が10増加され50に変更されると、出力ボリューム値が50、表示ボリューム値が50に変更される。この状態が所定時間以上継続すると、出力ボリューム値50がボリューム値テーブルのチャンネル番号1のボリューム値として登録される。
【0046】
(2)次のチャンネル番号通知に含まれるチャンネル番号が2であるとき、現在のチャンネル番号としてチャンネル番号2が表示部26に表示される。ボリューム値テーブルにチャンネル番号2の欄が新たに生成される。現在の出力ボリューム値が50、表示ボリューム値が50であるので、出力ボリューム値50がボリューム値テーブルのチャンネル番号2のボリューム値として登録される。ユーザ操作によってボリューム値が20減少され30に変更されると、出力ボリューム値が30、表示ボリューム値が30に変更される。この状態が所定時間以上継続すると、出力ボリューム値30がボリューム値テーブルのチャンネル番号2のボリューム値として登録される。
【0047】
(3)次のチャンネル番号通知に含まれるチャンネル番号が3であるとき、現在のチャンネル番号としてチャンネル番号3が表示部26に表示される。ボリューム値テーブルにチャンネル番号3の欄が新たに生成される。現在の出力ボリューム値が30、表示ボリューム値が30であるので、出力ボリューム値30がボリューム値テーブルのチャンネル番号3のボリューム値として登録される。ユーザ操作によってボリューム値が10増加され40に変更されると、出力ボリューム値が40、表示ボリューム値が40に変更される。この状態が所定時間以上継続すると、出力ボリューム値40がボリューム値テーブルのチャンネル番号3のボリューム値として登録される。
【0048】
(4)次のチャンネル変更通知に含まれるチャンネル番号が1であるとき、現在のチャンネル番号としてチャンネル番号1が表示部26に表示される。ボリューム値テーブルに(1)で生成したチャンネル番号1の欄が既に存在するので、ボリューム値50を読み出して、出力ボリューム値及び表示ボリューム値が50に変更される。ユーザ操作によってボリューム値が5増加され55に変更されると、出力ボリューム値及び表示ボリューム値が共に55に変更される。この状態が所定時間以上継続すると、出力ボリューム値55がボリューム値テーブルのチャンネル番号1のボリューム値として登録される。
【0049】
(5)次のチャンネル変更通知に含まれるチャンネル番号が2であるとき、現在のチャンネル番号としてチャンネル番号2が表示部26に表示される。ボリューム値テーブルに(2)で生成したチャンネル番号2の欄が既に存在するので、ボリューム値30を読み出して、出力ボリューム値及び表示ボリューム値が30に変更される。
【0050】
以上の処理によって、各チャンネル番号に対応付けてボリューム値を記憶させておき、チャンネル番号が変更されたときに、チャンネル変更通知に含まれるチャンネル番号に対応するボリューム値を読み出して出力ボリューム値に設定することによって、チャンネル変更の度にユーザ操作によってボリューム値を変更する必要がない。
【0051】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。AVアンプ、放送受信装置の上記動作をコンピュータに実行させるためのプログラムおよびこれを記録した記録媒体という形態で提供されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、AVアンプおよび放送受信装置等に好適に採用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の好ましい実施形態によるAVアンプ20および放送受信装置30の構成を示すブロック図である。
【図2】ボリューム値テーブルを示す図である。
【図3】放送受信装置30の制御部31の処理を示すフローチャートである。
【図4】AVアンプ20の制御部31の処理を示すフローチャートである。
【図5】AVアンプ20の制御部31の処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0054】
20 AVアンプ
21 制御部
22 メモリ
23 HDMI受信部
24 音声処理部
25 操作部
26 表示部
27 HDMI端子
30 放送受信装置
31 制御部
32 メモリ
33 チューナ
34 HDMI送信部
35 操作部
36 表示部
37 HDMI端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送受信装置と、前記放送受信装置に接続可能な音声処理装置とを備え、
前記放送受信装置が、
複数のチャンネル番号の中からユーザ操作によって1つのチャンネル番号を選択する選択手段と、
選択されたチャンネル番号の音声データを含む放送データを受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した音声データを前記音声処理装置に送信する送信手段と、
前記選択手段によって選択されたチャンネル番号を含むチャンネル変更通知を前記音声処理装置に送信する通知送信手段とを有し、
前記音声処理装置が、
音声データを受信する受信手段と、
受信した音声データを設定されている出力ボリューム値に基づいて調整するボリューム調整手段と、
前記チャンネル変更通知を受信する通知受信手段と、
チャンネル番号に対応付けてボリューム値を登録するボリューム値登録手段と、
前記チャンネル変更通知に含まれるチャンネル番号に対応するボリューム値を前記ボリューム値登録手段から読み出して、前記出力ボリューム値に設定する第1ボリューム値設定手段と、
ユーザ操作によって前記出力ボリューム値を設定する第2ボリューム値設定手段とを有し、
前記ボリューム値登録手段が、前記チャンネル変更通知に含まれるチャンネル番号について、前記出力ボリューム値と、前記ボリューム値登録手段に登録されているボリューム値とが異なる場合に、前記出力ボリューム値を前記ボリューム値登録手段に登録されているボリューム値として登録する、音声処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の音声処理システムに適用される音声処理装置であって、
音声データを受信する受信手段と、
受信した音声データを出力ボリューム値に基づいて調整するボリューム調整手段と、
前記チャンネル変更通知を受信する通知受信手段と、
チャンネル番号に対応付けてボリューム値を登録するボリューム値登録手段と、
前記チャンネル変更通知に含まれるチャンネル番号に対応するボリューム値を前記ボリューム値登録手段から読み出して、前記出力ボリューム値に設定する第1ボリューム値設定手段と、
ユーザ操作によって前記出力ボリューム値を設定する第2ボリューム値設定手段とを備え、
前記ボリューム値登録手段が、前記チャンネル変更通知に含まれるチャンネル番号について、前記出力ボリューム値と、前記ボリューム値登録手段に登録されているボリューム値とが異なる場合に、前記出力ボリューム値を前記ボリューム値登録手段に登録されているボリューム値として登録する、音声処理装置。
【請求項3】
前記ボリューム値登録手段が、前記チャンネル変更通知に含まれるチャンネル番号について、前記出力ボリューム値と、前記ボリューム値登録手段に登録されているボリューム値とが異なる状態が所定時間以上継続した場合に、前記出力ボリューム値を前記ボリューム値登録手段に登録されているボリューム値として登録する、請求項2に記載の音声処理装置。
【請求項4】
請求項2または3に記載の音声処理装置の各手段をコンピュータに実行させる、音声処理装置の動作プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−141846(P2010−141846A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−318933(P2008−318933)
【出願日】平成20年12月15日(2008.12.15)
【出願人】(000000273)オンキヨー株式会社 (502)
【Fターム(参考)】