説明

頭皮ケア装置

【課題】より安定的に頭皮への光照射が可能な頭皮ケア装置を提供すること。
【解決手段】光照射部20が設けられたノズル15の先端には、当該光照射部20とその照射対象、即ち頭皮との距離を測定可能な距離センサ22が設けられる。また、本体ケース2内には、その前方開口部8に取着されたノズル15をその軸線方向に沿って移動させることが可能なアクチュエータ23が設けられる。そして、このアクチュエータ23によって、上記距離センサ22による測定距離に基づきノズル15を軸線方向に移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送風の吹き付けとともに光照射を行なうことにより頭皮の活性化や育毛を図る頭皮ケア装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ノズル先端の吹出口から送風を吹き付けることにより頭皮のマッサージを行なう頭皮ケア装置がある。そして、そのなかには、さらなる付加的機能を加えることにより、その相乗効果を得ることを可能としたものがある。
【0003】
即ち、例えば、特許文献1に示されるように、その付加的機能部としてマイナスイオン装置を加えることで、頭髪のトリートメント効果を得ることできる。また、特許文献2に示されるような光照射機能を付加することにより、効果的に地肌や毛根に刺激を与えることが可能になる。そして、これにより、その血行と新陳代謝を促進して頭皮の活性化や育毛を図ることができるようになる。
【特許文献1】特許第3402323号明細書
【特許文献2】特開2007−54595号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来例のような、使用者が装置を保持することによりそのノズルを頭部へ向けた状態で光照射を行なう構成では、その保持位置の変化によって、その照射対象面における光量が安定しないという問題がある。そして、さらに、頭部に対する光照射の場合、その多くが頭髪により遮られてしまうことで、その照射対象である頭皮まで照射光が届かない可能性もあり、この点において、なお改善の余地を残すものとなっていた。
【0005】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、より安定的に頭皮への光照射が可能な頭皮ケア装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、送風機を収容するとともに該送風機により圧送された送風が吹き出される吹出口を有する本体ケースと、前記送風の吹出方向に光照射を行なう光照射部とを備えた頭皮ケア装置であって、前記光照射部とその照射対象との距離を測定する距離センサと、前記距離センサによる測定距離に基づいて、前記光照射部を前記照射対象に対して接離する方向に移動させることが可能な移動手段とを備えること、を要旨とする。
【0007】
上記構成によれば、容易に、光照射部とその照射対象である頭皮との距離を最適化して、その頭皮に対する照射光の光強度を安定化させることができる。
請求項2に記載の発明は、前記光照射部は、前記吹出口が形成されたノズルの先端に設けられるものであって、前記移動手段は、前記吹出方向に沿って前記ノズルの先端位置を移動させることが可能なアクチュエータと、該アクチュエータの作動を制御する制御部とを備えてなること、を要旨とする。
【0008】
上記構成によれば、装置が頭部から離れた位置にある場合には、そのノズルの伸張により、頭皮により近い位置で送風を頭髪に吹き付けて、効果的に頭髪を掻き分けることが可能になる。これにより、当該頭髪に遮られることなく、直接的に頭皮への光照射を行なうことができる。その結果、より安定的に頭皮への光照射を行なうことができるようになる。
【0009】
請求項3に記載の発明は、送風機を収容するとともに該送風機により圧送された送風が吹き出される吹出口を有する本体ケースと、前記送風の吹出方向に光照射を行なう光照射部とを備えた頭皮ケア装置であって、前記光照射部とその照射対象との距離を測定する距離センサと、前記距離センサによる測定距離に基づいて、前記光照射部による光照射の光量を制御する光量制御手段とを備えること、を要旨とする。
【0010】
上記構成によれば、光照射部とその照射対象である頭皮との距離が離れている場合には、その光量を増大させることで、使用者による装置の保持位置によらず、安定的に頭皮への光照射を行なうことができるようになる。
【0011】
請求項4に記載の発明は、送風機を収容するとともに該送風機により圧送された送風が吹き出される吹出口を有する本体ケースと、前記送風の吹出方向に光照射を行なう光照射部とを備えた頭皮ケア装置であって、前記吹出口の形成位置から前記吹出方向に延伸されるとともに可撓性を有して形成された複数の突出部を備え、前記光照射部は、前記各突出部の先端に形成されること、を要旨とする。
【0012】
上記構成によれば、常に、照射対象である頭皮近傍において、その光照射が行なわれる。従って、その頭皮への光照射をより安定させることができるとともに、併せて目等への誤照射の発生を防止することができる。更に、各突出部の可撓性を確保することにより、容易且つ効果的に頭髪を掻き分けて、各光照射部を頭皮近傍に配置することができる。そして、これにより、当該頭髪に遮られることなく直接的に頭皮への光照射を行なうことができ、その結果、より安定的に頭皮への光照射を行なうことができるようになる。
【0013】
請求項5に記載の発明は、前記距離センサによる測定距離に基づいて、前記送風機の送風量を制御する風量制御手段を備えること、を要旨とする。
上記構成によれば、装置が頭部から離れた位置にある場合には、その送風量を大とすることによって、より効果的に頭髪を掻き分けることが可能になり、当該頭髪に遮られることなく、直接的に頭皮への光照射を行なうことができる。その結果、より安定的に頭皮への光照射を行なうことができるようになる。
【0014】
請求項6に記載の発明は、前記送風を加熱するヒータを備え、前記距離センサによる測定距離に基づいて、前記ヒータの発熱量を制御する熱量制御手段を備えること、を要旨とする。
【0015】
上記構成によれば、装置が頭部に近い位置にある場合には、ヒータの発生する熱量を低減することで、その送風温が頭髪や頭皮に与えるダメージを低減することができる。また、併せて、高温の送風による光源の劣化を抑制することができる。
【0016】
請求項7に記載の発明は、前記光照射部による照射光は赤色光であること、を要旨とする。
上記構成によれば、毛乳頭細胞を賦活化することができ、その結果、高い育毛効果を期待することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、より安定的に頭皮への光照射が可能な頭皮ケア装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、本実施形態の頭皮ケア装置1は、略円筒状に形成された本体ケース2を備えており、同本体ケース2内には、モータ3によりファン4を回転駆動する送風機5が設けられている。
【0019】
本実施形態では、本体ケース2の軸方向端部の一方(後方開口部6、同図中、右の端部)が、空気の吸入口7となっており、送風機5は、そのファン4の回転により、同吸入口7から本体ケース2内に吸入された空気を他方側の軸方向端部(前方開口部8、同図中、左側の端部)方向へと圧送する構成となっている。
【0020】
尚、本体ケース2の側面には、その軸線と略直交する方向に延設されたハンドル部10が設けられている。そして、同ハンドル部10には、使用者により操作されるスイッチ11、制御基板12、及び同制御基板12と外部電源とを接続する給電コード13が内蔵されている。
【0021】
また、本体ケース2の前方開口部8には、略円筒状に形成されたノズル15が設けられている。尚、本実施形態では、ノズル15の外径は、本体ケース2の内径と略等しく(僅かに小さく)設定されており、同ノズル15は、本体ケース2の前方開口部8に内嵌されることにより、同前方開口部8から前方(同図中、左側)に向って延設されている。そして、このノズル15の先端(同図中、左側の端部)には、送風機5により圧送された送風が吹き出される吹出口17が形成されている。
【0022】
更に、本実施形態では、本体ケース2内には、送風機5の送風を加熱するヒータ18が設けられており、これにより、ノズル15の吹出口17から同ヒータ18により加熱された温風を吹き出すことが可能となっている。
【0023】
即ち、使用者は、そのノズル15の先端を頭部に向けた状態でハンドル部10を把持し、同ハンドル部10に設けられたスイッチ11を操作する。そして、吹出口17から吹き出される送風を頭皮に吹き付けることにより、その風圧によるマッサージ、及び頭髪の乾燥を行なうことができる。
【0024】
また、本実施形態では、ノズル15の先端、詳しくは、その吹出口17の内部には、当該吹出口17から吹き出される送風の吹出方向(同図中、左側)、即ち同ノズル15の軸線方向に光照射を行なうことが可能な光照射部20が設けられている。尚、本実施形態では、この光照射部20の光源としてはLEDが用いられている。そして、その光照射により、血行及び新陳代謝を促進して、頭皮の活性化と育毛を図ることが可能な構成となっている。
【0025】
ここで、本実施形態では、上記光照射部20が設けられたノズル15の先端には、当該光照射部20とその照射対象、即ち頭皮との距離を測定可能な距離センサ22が設けられている。尚、本実施形態では、この距離センサ22には、赤外線センサが用いられている。また、本体ケース2内には、その前方開口部8に取着されたノズル15をその軸線方向(同図中、左右方向)に沿って移動、即ち照射対象である頭皮に対して接離する方向に移動させることが可能なアクチュエータ23が設けられている。尚、本実施形態では、このアクチュエータ23は、モータ及び減速機、並びに当該モータの回転を上記ノズル15の軸線方向への移動に変換する変換機構(ラック&ピニオン等)により構成されている。そして、本実施形態では、上記距離センサ22による測定距離に基づきノズル15を軸線方向に移動させることにより、容易に、光照射部20とその照射対象である頭皮との距離を最適化することが可能な構成となっている。
【0026】
図2は、本実施形態の頭皮ケア装置1の電気的構成を概略的に示すブロック図である。
同図に示すように、上記ハンドル部10に内蔵された制御基板12には、上記送風機5(のモータ3)、及びヒータ18、光照射部20(のLED)、及びノズル15のアクチュエータ23にそれぞれ対応する各制御部、即ち、風量制御部32、熱量制御部33、光量制御部34、及び位置制御部35が設けられている。また、制御基板12には、電源部36が設けられており、電源部36は、上記給電コード13(図1参照)から供給される外部電源に基づいて、上記各制御部(32〜35)に対し、それぞれ調整された電源電圧を供給する。そして、これら各制御部(32〜35)は、上記ハンドル部10に設けられたスイッチ11及び距離センサ22から入力される各信号S1,S2に基づいて、それぞれ、その電力供給を通じて制御対象の作動を制御する構成となっている。
【0027】
具体的には、本実施形態では、風量制御部32、熱量制御部33、及び光量制御部34には、上記スイッチ11に対する操作入力を示す信号S1が入力されるようになっており、これらの各制御部(32〜34)は、同信号S1に基づいて、その制御対象に対する電力供給を開始する。即ち、本実施形態の頭皮ケア装置1では、使用者がハンドル部10を把持し、そのスイッチ11を操作することにより、送風(温風)及び光照射が開始されるようになっている。
【0028】
また、アクチュエータ23の作動を制御する位置制御部35には、上記距離センサ22の出力する信号S2、即ち同距離センサ22よる距離測定の結果、つまり光照射部20とその照射対象である頭皮との距離(測定距離)が入力されるようになっている。そして、位置制御部35は、その距離センサ22による測定距離に基づいて、アクチュエータ23の作動を制御、即ち、ノズル15をその軸線方向に沿って移動させる構成となっている。
【0029】
より具体的には、図3に示すように、位置制御部35は、距離センサ22による測定距離Xが遠いほど、ノズル15を本体ケース2の前方開口部8から前方方向(図1参照、左方向)に移動させる、即ちその伸張量X1が大となるようにアクチュエータ23の作動を制御する。そして、その光照射部20が設けられたノズル15先端を頭皮に近づけることにより、当該光照射部20と照射対象である頭皮との距離を最適化する構成となっている。
【0030】
以上、本実施形態によれば、以下のような作用・効果を得ることができる。
光照射部20が設けられたノズル15の先端には、当該光照射部20とその照射対象、即ち頭皮との距離を測定可能な距離センサ22が設けられる。また、本体ケース2内には、その前方開口部8に取着されたノズル15をその軸線方向に沿って移動させることが可能なアクチュエータ23が設けられる。そして、このアクチュエータ23によって、上記距離センサ22による測定距離に基づきノズル15を軸線方向に移動させる。
【0031】
上記構成のように光照射部20をその照射対象となる頭皮に対して接離する方向に移動させることのできる移動手段を設けることにより、容易に、光照射部とその照射対象である頭皮との距離を最適化して、その頭皮に対する照射光の光強度を安定化させることができる。また、ノズル15が伸張することにより、頭皮により近い位置で送風を頭髪に吹き付けて、効果的に頭髪を掻き分けることが可能になる。そして、これにより、当該頭髪に遮られることなく、直接的に頭皮への光照射を行なうことができ、その結果、より安定的に頭皮への光照射を行なうことができるようになる。
【0032】
(第2の実施形態)
以下、本発明を具体化した第2の実施形態を図面に従って説明する。尚、説明の便宜上、上記第1の実施形態と同一の構成については、同一の符号を付すことにより、その説明を省略する。
【0033】
図4に示すように、本実施形態の頭皮ケア装置41では、上記第1の実施形態の頭皮ケア装置1におけるノズル15及びそのアクチュエータ23に相当する部材が廃されている(図1参照)。即ち、本実施形態では、本体ケース2の前方開口部8により、その送風の吹出口17が構成されており、光照射部20及び距離センサ22は、その吹出口17内に設けられている。そして、図5に示すように、制御基板42についても、その上記第1の実施形態の制御基板12における位置制御部35に相当する制御部が廃されている(図2参照)。
【0034】
ここで、本実施形態では、距離センサ22の出力する信号S2、即ち同距離センサ22よる距離測定の結果は、光量制御部34に入力されるようになっている。そして、光量制御部34は、その距離センサ22よる距離測定に基づいて、光照射部20による照射光の光量(光強度)を制御する構成となっている。具体的には、図6に示すように、光量制御部34は、距離センサ22による測定距離Xが遠いほど、その光照射部20の照射光の光強度Lxを大とするように制御する。そして、本実施形態では、これにより、安定的な頭皮への光照射を行なうことが可能な構成となっている。
【0035】
尚、その可変範囲(同図中、MIN〜MAX)については、例えば、装置(吹出口17)の保持位置が頭部から60mmであるときの光強度を1000ルクスとして、約250ルクス〜2250ルクス程度の幅で可変可能とするとよい。
【0036】
また、本実施形態では、この距離センサ22による距離測定の結果(信号S2)は、熱量制御部33にも入力されるようになっている。そして、熱量制御部33は、その距離センサ22よる距離測定に基づいて、ヒータ18の発生する熱量を制御する構成となっている。具体的には、距離センサ22による測定距離Xが所定距離X2よりも近い場合には、そのヒータ18の発生する熱量Qを低減(略半減)するように構成されている。そして、本実施形態では、これにより、その送風温が頭髪や頭皮に与えるダメージの低減を図る構成となっている。
【0037】
以上、本実施形態によれば、以下のような作用・効果を得ることができる。
(1)距離センサ22による測定距離Xが遠いほど、その光照射部20の照射光の光強度Lxを大とすることで、使用者による装置の保持位置によらず、安定的に頭皮への光照射を行なうことができるようになる。また、上記第1の実施形態のような、光照射部20の移動手段(ノズル15及びアクチュエータ23)を廃することで、小型・軽量化、及び低コスト化を図ることができる。
【0038】
(2)距離センサ22による測定距離Xが所定距離X2よりも近い場合には、そのヒータ18の発生する熱量Qを低減することで、その送風温が頭髪や頭皮に与えるダメージを低減することができる。また、併せて、高温の送風による光源の劣化を抑制することができる。
【0039】
(第3の実施形態)
以下、本発明を具体化した第3の実施形態を図面に従って説明する。尚、説明の便宜上、上記第2の実施形態と同一の構成については、同一の符号を付すことにより、その説明を省略する。
【0040】
図8に示すように、本実施形態の頭皮ケア装置51では、送風の吹出口17を構成する本体ケース2の前方開口部8には、当該前方開口部8から前方側(同図中、左側)、即ち送風の吹出方向に延伸された複数の突出部52が設けられており、光照射部20は、これら各突出部52の先端にそれぞれ設けられている。具体的には、これらの各突出部52は、棒状に形成されるとともに、その材質に軟性樹脂等を用いることによって可撓性が担保されている。
【0041】
また、本実施形態では、上記距離センサ22の出力信号(S2)に基づいて、各突出部52の先端、即ち各光照射部20とその光照射の対象である頭皮との近接判定が行なわれる。尚、本実施形態では、この近接判定は、制御基板42に設けられた光量制御部34において行なわれる(図5参照)。そして、本実施形態では、これら各突出部52の先端が、その光照射の対象である頭皮近傍まで接近した場合にのみ、当該各光照射部20による光照射が開始されるようになっている。
【0042】
以上、本実施形態によれば、以下のような作用・効果を得ることができる。
(1)上記構成によれば、常に、照射対象である頭皮近傍において、その光照射が行なわれる。従って、その頭皮への光照射をより安定させることができるとともに、併せて目等への誤照射の発生を防止することができる。
【0043】
(2)更に、各突出部52の可撓性を確保することにより、容易且つ効果的に頭髪を掻き分けて、各光照射部20を頭皮近傍に配置することが可能になる。そして、これにより、当該頭髪に遮られることなく直接的に頭皮への光照射を行なうことができ、その結果、より安定的に頭皮への光照射を行なうことができるようになる。
【0044】
なお、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記各実施形態では、光照射部20の光源にはLEDが用いられることとしたが、キセノンランプ等、その他を光源として用いてもよい。また、その数は複数であってもよく、照射方法は、間欠照射(パルス照射)であってもよい。
【0045】
・上記第2の実施形態における光量の制御については、図6に示される態様に限るものではなく、距離センサ22による測定距離Xが遠いほど、その光照射部20の照射光の光強度Lxを大とする構成であれば、例えば、測定距離Xの二乗に反比例してその光量を変化させる等、その他の態様であってもよい。また、ヒータ18の発生する熱量Qの制御についても同様であり、必ずしも図7に示されるような二段階制御である必要はない。
【0046】
・また、各制御部(32〜35)の具体的構成、及びその供給電力の制御態様(例えば、PWM制御等)についても特に限定されない。
・更に、図9に示される頭皮ケア装置61のように、距離センサ22の出力信号(S2)を制御基板62に設けられた各制御部(32〜35)に入力する。そして、その距離センサ22による測定距離に基づいて、それぞれ、その制御を実行する構成としてもよい。
【0047】
例えば、上記第2の実施形態のようなノズル15及びアクチュエータ23を持たない構成においては、風量制御部32は、その距離センサ22よる距離測定に基づいて、送風機5の送風量を制御する。具体的には、図10に示すように、距離センサ22による測定距離Xが遠いほど、その送風機5の送風量Wを大とするように制御する。このような構成とすれば、その送風によって、より効果的に頭髪を掻き分けることが可能になる。そして、これにより、当該頭髪に遮られることなく、直接的に頭皮への光照射を行なうことができ、その結果、より安定的に頭皮への光照射を行なうことができるようになる。
【0048】
・上記第1の実施形態では、ノズル15の先端に光照射部20及び距離センサ22を設け、アクチュエータ23により同ノズル15を軸線方向に移動(伸張)させることにより光照射部20を、その照射対象である頭皮に対して接離する方向に移動させることが可能な移動手段を形成した。しかし、これに限らず、例えば、図11に示される頭皮ケア装置71のように、本体ケース2の前方開口部8により送風の吹出口17が形成されるものについて、その前方開口部8から前方側(同図中、左側)にアーム72を伸張可能なアクチュエータ73を設ける。そして、そのアーム72の先端に光照射部20を設ける構成としてもよい。このような構成としても、容易に、光照射部20とその照射対象である頭皮との距離を最適化して、その頭皮に対する照射光の光強度を安定化させることができる。
【0049】
・また、図12に示されるように、光照射部20による照射光を赤色光(例えば、同図中、630nm近傍の領域αに示される波長を有する光)とするとよい。これにより、毛乳頭細胞を賦活化することができ、その結果、高い育毛効果を期待することができる。
【0050】
・上記第1の実施形態では、アクチュエータ23は、ノズル15自体をその軸線方向に移動させることにより、光照射部20をその照射対象である頭皮に対して接離する方向に移動させることとした。しかし、これに限らず、例えば、ノズル15を蛇腹状として、その全長を伸縮させることにより、その光照射部20が設けられた先端位置を移動させる構成としてもよい。
【0051】
・上記各実施形態では、風量制御手段、熱量制御手段、光量制御手段、及び移動手段を構成する各制御部(32〜34,35)は、ハンドル部10に内蔵された制御基板12(42,62)に設けられることとした。しかし、これに限らず、本体ケース2内にサブ基板を設ける等、各制御部を分散配置する構成であってもよい。
【0052】
・上記第1の実施形態のように、ノズル15の先端に光照射部20が設けられる場合には、同ノズル15を着脱可能とする構成であってもよい。このような構成とすれば、ドライヤーとしての用途のみの使用時には、そのノズル15を外すことで、温風による光源の劣化を防止することができる。その結果、長寿命化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】第1の実施形態における頭皮ケア装置の概略構成図。
【図2】第1の実施形態における頭皮ケア装置の電気的構成を概略的に示すブロック図。
【図3】距離センサによる測定距離とノズルの伸張量との関係を示す説明図。
【図4】第2の実施形態における頭皮ケア装置の概略構成図。
【図5】第2の実施形態における頭皮ケア装置の電気的構成を概略的に示すブロック図。
【図6】距離センサによる測定距離と光照射部による照射光の光量(光強度)との関係を示す説明図。
【図7】距離センサによる測定距離とヒータ熱量との関係を示す説明図。
【図8】第3の実施形態における頭皮ケア装置の概略構成図。
【図9】別例の頭皮ケア装置の電気的構成を概略的に示すブロック図。
【図10】距離センサによる測定距離と送風機の送風量との関係を示す説明図。
【図11】別例の頭皮ケア装置の概略構成図。
【図12】別例の頭皮ケア装置による光照射の態様(赤色光照射)を示す説明図。
【符号の説明】
【0054】
1,41,51,61,71…頭皮ケア装置、2…本体ケース、3…モータ、4…ファン、5…送風機、8…前方開口部、10…ハンドル部、11…スイッチ、12,42,62…制御基板、15…ノズル、17…吹出口、18…ヒータ、20…光照射部、22…距離センサ、23,73…アクチュエータ、32…風量制御部、33…熱量制御部、34…光量制御部、35…位置制御部、36…電源部、52…突出部、72…アーム、S1,S2…信号、X…測定距離、X1…伸張距離、X2…距離、Lx…光強度、W…送風量、Q…熱量。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送風機を収容するとともに該送風機により圧送された送風が吹き出される吹出口を有する本体ケースと、前記送風の吹出方向に光照射を行なう光照射部とを備えた頭皮ケア装置であって、
前記光照射部とその照射対象との距離を測定する距離センサと、
前記距離センサによる測定距離に基づいて、前記光照射部を前記照射対象に対して接離する方向に移動させることが可能な移動手段とを備えること、
を特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項2】
請求項1に記載の頭皮ケア装置において、
前記光照射部は、前記吹出口が形成されたノズルの先端に設けられるものであって、
前記移動手段は、前記吹出方向に沿って前記ノズルの先端位置を移動させることが可能なアクチュエータと、該アクチュエータの作動を制御する制御部とを備えてなること、
を特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項3】
送風機を収容するとともに該送風機により圧送された送風が吹き出される吹出口を有する本体ケースと、前記送風の吹出方向に光照射を行なう光照射部とを備えた頭皮ケア装置であって、
前記光照射部とその照射対象との距離を測定する距離センサと、
前記距離センサによる測定距離に基づいて、前記光照射部による光照射の光量を制御する光量制御手段とを備えること、を特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項4】
送風機を収容するとともに該送風機により圧送された送風が吹き出される吹出口を有する本体ケースと、前記送風の吹出方向に光照射を行なう光照射部とを備えた頭皮ケア装置であって、
前記吹出口の形成位置から前記吹出方向に延伸されるとともに可撓性を有して形成された複数の突出部を備え、前記光照射部は、前記各突出部の先端に形成されること、
を特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4の何れか一項に記載の頭皮ケア装置において、
前記距離センサによる測定距離に基づいて、前記送風機の送風量を制御する風量制御手段を備えること、を特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項6】
請求項1〜請求項5の何れか一項に記載の頭皮ケア装置において、
前記送風を加熱するヒータを備え、
前記距離センサによる測定距離に基づいて、前記ヒータの発熱量を制御する熱量制御手段を備えること、を特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項7】
請求項1〜請求項6の何れか一項に記載の頭皮ケア装置において、
前記光照射部による照射光は赤色光であること、
を特徴とする頭皮ケア装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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