頭部装着型育毛装置
【課題】光源から照射された光を効率よく伝播し、最適な範囲に均一性の高い光を照射できる頭部装着型育毛装置を提供する。
【解決手段】柔軟性を有し、頭部に装着可能な保持フレーム１０ａと、毛髪の成長を促進させる光を照射する光源ユニット２０と、柔軟性を有し、保持フレーム１０ａに沿って配置され、光源ユニット２０から照射された光を伝播し、発光面１２ａから頭部に向かって光を照射可能な導光部１２と、光源ユニット２０に電力を供給する制御ユニット３０とを備える。
【解決手段】柔軟性を有し、頭部に装着可能な保持フレーム１０ａと、毛髪の成長を促進させる光を照射する光源ユニット２０と、柔軟性を有し、保持フレーム１０ａに沿って配置され、光源ユニット２０から照射された光を伝播し、発光面１２ａから頭部に向かって光を照射可能な導光部１２と、光源ユニット２０に電力を供給する制御ユニット３０とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、頭皮に光を照射して毛髪の成長を促進させる頭部装着型育毛装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、皮膚に軽い炎症を起こさせることで体毛の発育を加速させるようにした技術が知られている。効果が高いとされているこの手法は、薬剤などで炎症を起こさせるものであるが、このような薬剤の使用は、しばしば軽度の肌荒れを生じさせると共に、痛みや感染症などの問題を有している。
【０００３】
６３０ｎｍ〜６８０ｎｍの波長を発光する赤色レーザーダイオードと７５０ｎｍ〜１０００ｎｍの波長を発光する近赤外線レーザーダイオードを交互に配置したブラシ型のレーザー照射器によって、毛嚢細胞の活性化と血流増加を促す技術がある（例えば、特許文献１参照。）。この技術では、レーザー照射器がブラシ型であるために髪の毛をかきわけて光を頭皮に到達しやすくしている。また、レーザー照射部と頭皮との距離を一定に保つことができる。
【０００４】
しかしながら、レーザー照射器がブラシ型である場合には、手で保持して照射位置を決定するので照射位置が一定に定まらずに、頭皮の各箇所の照射エネルギー量を一定にするのは困難であった。また、ブラシ型のレーザー照射器で照射する場合には、一度に照射できる範囲が限られており、処置に時間と手間がかかるという問題がある。そして、処置に時間と手間がかかるために、長時間手で保持していなければならないという問題があった。
【０００５】
これらの問題を解消するために、育毛を補助するための光を発光する発光ダイオード（ＬＥＤ）をフレームに備えたヘッドフォン型育毛補助装置が提案されている（例えば、特許文献２参照。）。この技術では、ヘッドフォン形状で頭部に固定可能であり、ブラシ型で問題となっていた手で保持するという問題を改善することができる。また、ヘッドフォン型育毛補助装置は、ＬＥＤを広範囲に配置したフレームが前後に動かせるため、頭皮の各箇所の照射エネルギー量を一定にするように頭部の任意の場所に照射可能である。
【０００６】
この様に、ブラシ型のレーザー照射器の問題点は、ヘッドフォン型のように頭部に装着できる構造とすることで改善できる。しかしながら、頭部の形状も脱毛症状の範囲も人によって異なるため、光照射は頭部全体に行うことが好ましいが、頭部全体に光が行き渡るようにするため、多数の光源をアレイ状に配置する必要があり、光源ごとに放熱機構も必要なため装置が大型で頭部に装着するには負担が大きい。あるいは、装置を小型軽量にするため、非常に弱いパワーでの照射か、狭い範囲での照射を時間を掛けて繰り返していかなければならないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００７】
【特許文献１】特表２００７−５３７８１９号公報
【特許文献２】国際公開第２００４／０２６４００号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものである。そして、本発明の目的は、光源から照射された光を効率よく伝播し、最適な範囲に均一性の高い光を照射できる頭部装着型育毛装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
本願発明の一態様によれば、柔軟性を有し、頭部に装着可能な保持フレームと、毛髪の成長を促進させる光を照射する光源ユニットと、柔軟性を有し、保持フレームに沿って配置され、光源ユニットから照射された光を伝播し、発光面から頭部に向かって光を照射可能な導光部と、光源ユニットに電力を供給する制御ユニットとを備えることを特徴とする頭部装着型育毛装置であることを要旨とする。
【発明の効果】
【００１０】
本発明によれば、光源から照射された光を効率よく伝播し、最適な範囲に均一性の高い光を照射できる頭部装着型育毛装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１１】
【図１】本発明の第１の実施の形態に係る頭部装着型育毛装置の模式的概略図である。
【図２】本発明の第１の実施の形態に係る頭部装着型育毛装置の光源ユニットの模式的概略図である。
【図３】本発明の第１の実施の形態に係る頭部装着型育毛装置の導光部の模式的概略図である。
【図４】本発明の第１の実施の形態に係る頭部装着型育毛装置の保持フレームの装着例である。
【図５】本発明の第２の実施の形態に係る頭部装着型育毛装置の模式的概略図である。
【図６】本発明の第３の実施の形態に係る頭部装着型育毛装置の模式的概略図である。
【図７】本発明の第４の実施の形態に係る頭部装着型育毛装置の模式的概略図である。
【発明を実施するための形態】
【００１２】
以下に図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号で表している。但し、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なる。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を照らし合わせて判断するべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【００１３】
（第１の実施の形態）
本発明の第１の実施の形態に係る頭部装着型育毛装置１ａは、図１に示すように、
柔軟性を有し、頭部に装着可能な保持フレーム１０ａと、毛髪の成長を促進させる光を照射する光源ユニット２０と、保持フレーム１０ａに沿って配置され、光源ユニット２０から照射された光を伝播し、発光面１２ａから頭部に向かって光を照射可能な導光部１２と、光源ユニット２０に電力を供給する制御ユニット３０とを備える。
【００１４】
保持フレーム１０ａは、導光部１２を保持する機能を有し、導光部１２側を頭部に密着させた状態で頭部に装着することができる。保持フレーム１０ａは、複数であっても良く、選択的に増減させられる機能を備えていても良い。導光部１２を保持する保持フレーム１０ａが複数であれば、同時に広範囲に光を照射することができるようになる。
【００１５】
光源ユニット２０は、図２に示すように、毛髪の成長を促進させる光を照射する光源２２と、光源２２で照射された光を導光部１２に向かって反射させる反射板２４と、光源２２で放出する熱を放熱する放熱機構２６とを備える。本実施の形態においては、光源ユニット２０は、保持フレーム１０ａ及び導光部１２の端部に設けられている。
【００１６】
光源２２は、図２に示すように、１つであっても構わないし、複数であっても構わない。光源２２は、波長が０．７６〜２．５μｍの近赤外光を発する面実装ＬＥＤ、砲弾型ＬＥＤ、半導体レーザー、及び電界発光（ＥＬ）素子等の光源である。ここで、光源２２が発する光の波長は、水の特異吸収波長と等しいことが好ましい。水の特異吸収波長とは、光が水に吸収される際に、他の波長に比べて強い吸光度を示す波長と定義される。水の特異吸収波長は水のＯ−Ｈ結合に起因するものであり、特に近赤外領域における水の特異吸収波長は、例えば９５０ｎｍ、１１５０ｎｍ、１４５０ｎｍ及び１７９０ｎｍである。そして、光源２２は、これらの水の特異吸収波長の中でも９５０ｎｍ及び／または１４５０ｎｍの波長を発することが好ましい。この波長の光であれば、皮膚に炎症を与えることなく、育毛効果を高めることができる。
【００１７】
光源２２から照射される光は、制御ユニット３０のパルス制御部によってパルス点灯される。また、光源２２から照射される光は、１５分以上照射することによって育毛効果をより発揮できるものと考えられているので、１５分以上照射することが好ましい。
【００１８】
反射板２４は、光源２２から照射される光に対して反射させることができる性能を有する鏡面処理された金属等により形成される。反射板２４で反射された光は、導光部１２の端部に向かって進み、端部より導光部１２内に入射する。
【００１９】
放熱機構２６は、放熱フィン、ファン、及び放熱板等で構成される機構である。放熱機構２６は、光源２２で発生する熱を空気中に放熱することで、光源ユニット２０の温度上昇を抑制できる。放熱機構２６としては、頭部装着型育毛装置１ａの重量の増加を軽減させるために、アルミ等の軽量の金属を用いることが好ましい。
【００２０】
導光部１２には、既知の技術である導光板を使うことができる。また、一般的な導光板は、
発光面に均一に光が放射されるのに対し、拡散部を集中的に配置することで、発光面の一部に光の放射を集中させることもできる。以下、導光部１２に導光板を用いた実施形態について説明する。導光部１２は、光源２２から放射され、導光部１２の端面から入射した光を、全反射による伝播可能な部材で構成される。また、伝播する光に対して高い透過率を有することが望ましい。導光部１２は、図３（ａ）に示すように、発光面１２a、反射面１２bを持ち、反射面１２ｂに設けられた拡散部１４を備える。また、導光部１２には、光を全反射させるための既知の技術である反射部材が、反射シート１６aとして発光面１２ａの光照射箇所以外に接して備えられる。
【００２１】
発光面１２a、反射面１２bは、導光部１２に入射した光Ｈを全反射することで、光を伝播していく。このとき、光Ｈの一部は拡散部１４によって拡散され方向が変わり、全反射角を満たさなくなった成分が発光面１２aより放射される。また、拡散された光の一部は反射面１２bから放射されるが、反射シート１６aにより発光面１２aの方へと反射されて、発光面１２aから放射される。このように光の一部が拡散され、発光面１２aから放射されながら伝播していき、発光面１２a全体から光が放射される。
【００２２】
反射シート１６ａは、高い反射率を有する部材であり、光を全反射させる部材であることが好ましい。反射シート１６ａは、光を放射する発光面１２aとは反対側の、反射面１２bに接して設けられている。反射シート１６ａは、導光部１２の湾曲等により拡散部１４から漏れる光を低減するために、拡散部１４が設けられる箇所にも配置することが好ましい。
【００２３】
拡散部１４は、反射面１２bに設けられ、光の拡散を生じさせるドット状の部材である。拡散部１４は、光の拡散を生じさせることによって、導光部１２に入射した光Ｈを発光面１２aから放射する。拡散部１４は、周知の印刷技術等によって反射面１２b上に形成される。拡散部１４は、印刷のほかにも、アクリル板の裏面にＶ溝などを加工し、光を拡散させるといった方法で形成することもできる。
【００２４】
導光部１２に入射した光Ｈは、光源２２から照射される光Ｈが端部から入射され、発光面１２a及び反射面１２bで全反射し、全反射を繰り返してもう一方の端部に向かって進む。導光部１２に入射した光Ｈのうち拡散部１４に到達した光は、拡散部１４によって拡散されて発光面１２aから放射される。
【００２５】
発光面１２aから放射される光を均一にするため、拡散部１４は反射面１２b上に不均一に形成される。一般的に光源２２に近いところは光が強く、遠いところは拡散により減っていき弱くなるため、図３（ａ）に示すように、光Ｈの入射する端面に近いところほど拡散部１４を形成する拡散ドットは少なく、遠いところほど拡散ドットを密にすることで、発光面１２aから放射される光は均一となる。頭部の広い範囲に光を照射したい場合には、発光面１２aから均一に光を発光させることが望まれるので、拡散部１４をこのように形成することが好ましい。
【００２６】
拡散部１４を反射面１２bの一部に集中させて形成した場合、図３（ｂ）に示すように、拡散部１４で拡散された光は発光面１２aの一部に集中して向かうことになるので、発光面１２aの一部が集中して発光する。頭頂部や前頭葉の生え際など、脱毛症状の現れやすい箇所に光を集中して照射させたい場合には、発光面１２aの一部から集中して光を発光させることが望まれるので、拡散部１４を反射面１２bに一部に集中して形成することが好ましい。
【００２７】
更に、発光面１２aの一部から集中して光を発光させることが望まれる場合には、図３（ｃ）に示すように、拡散部１４を反射面１２bに一部に集中して形成し、且つ、発光面１２aの非照射箇所には、拡散した光を反射する反射シート１６ｂを設けることが好ましい。このように非照射反射シート１６ｂは、反射シート１６ａと同様の部材であって構わない。
【００２８】
制御ユニット３０は、光源ユニット２０に電力及び制御信号を伝送する制御ケーブル３２と、光源ユニット２０を発光させる電源部（図示せず）と、光源ユニット２０の発光パルスを制御するパルス制御部（図示せず）と、オンオフスイッチ（図示せず）とを備える。制御ユニット３０は、電源部として、一次電池や二次電池など出力電圧が一定な直流電源を備えていても良いし、商用電源より得た交流電圧を直流電圧に変換する機能を備えていても良い。パルス制御部は、光源ユニット２０をパルス点灯させるように光源ユニット２０を駆動制御する。パルス制御された光は、例えば、５００Ｈｚで点灯されるのが好ましい。オンオフスイッチは、スイッチをオン又はオフと選択することで、頭部装着型育毛装置１ａの稼動及び停止を選択することができる。
【００２９】
次に、本発明の第１の実施の形態に係る頭部装着型育毛装置１ａを用いた育毛方法について説明する。まず、使用者は、脱毛症状に合わせて、必要な箇所に導光部１２が保持されている保持フレーム１０ａを設置する。そして、保持フレーム１０ａを装着した例を図５に示す。図５では、３個の光源２２を有する光源ユニット２０であり、３個の保持フレーム１０ａが頭部に装着されている。
【００３０】
そして、制御ユニット３０のオンオフスイッチをオンに切り替えることによって、頭部装着型育毛装置１ａを稼動させる。稼動された頭部装着型育毛装置１ａの制御ユニット３０は、まず、光源ユニット２０から光を照射させるために、光源ユニット２０に電圧を印加する。そして、光源ユニット２０は、光源２２から光を照射する。
【００３１】
光源２２から照射される光は、水の特異吸収波長と同じ９５０ｎｍまたは１４５０ｎｍの波長とした光とされる。本実施形態では、９５０ｎｍの波長か１４５０ｎｍの波長の何れかの光を照射するものとする。
【００３２】
光源２２から照射される光は、光源２２を複数用意して９５０ｎｍの波長と１４５０ｎｍの波長の光を、同時または交互に照射するようにしてもよい。特に、光を照射される対象者の年齢に応じて、照射される光の波長を切り替えることが好ましい。例えば、９５０ｎｍの波長の光は、５０歳以下の人を対象として照射し、１４５０ｎｍは全ての年齢の人を対象として照射することで、育毛効果がより一層向上する。これは、１４５０ｎｍの波長の光は、９５０ｎｍの波長の光に比べて水の吸収が強いため、水分の少ない年配者は１４５０ｎｍの波長の光を使用した方が育毛効果をより発揮できるものと考えられている。
【００３３】
光源２２から照射される光は、制御ユニット３０のパルス制御部によってパルス点灯される。また、光源２２から照射される光は、１５分以上照射することによって育毛効果をより発揮できるものと考えられているので、１５分以上照射することが好ましい。
【００３４】
光源２２から照射される光の一部は、その後方に設けられた反射板２４によって反射され、導光部１２の端部へ向かい、導光部１２へ入射する。
【００３５】
光源２２から照射される光は、導光部１２へ入射し、導光部１２によって伝播される。導光部１２で伝播された光は、拡散部１４で拡散されて、発光面１２ａから照射される。発光面１２ａから照射された光は、頭皮に照射される。光が照射された部位（頭皮）は、皮膚内部に存在する体内既存の光吸収成分に光吸収させることで毛髪（体毛）が成長することになる。
【００３６】
本発明の第１の実施の形態に係る頭部装着型育毛装置１ａによれば、光源を集約できるため、頭部全体に渡って光源を配置する構成に比べ装置構成がシンプルになり、効率よく光源の放熱もできることから、装置を小型軽量化することができ、装着者への負担も低減できる。
【００３７】
また、本発明の第１の実施の形態に係る頭部装着型育毛装置１ａによれば、導光部１２は光のみを伝えるため、光源アレイのように電気回路を持たず、電気回路を保護するための防水、絶縁構造も光源ユニット２０にのみ備えればよいため、構造をシンプルにでき、小型軽量化できる。
【００３８】
また、本発明の第１の実施の形態に係る頭部装着型育毛装置１ａによれば、拡散部１４を、導光部１２の中央等に集中させることで、本来均一に発光する導光部１２を、中央付近など任意の箇所に発光を集中させることができる。したがって、頭頂部や前頭部の生え際など、脱毛症状の現れやすい箇所に光を集中して照射することができるため、光を効率的に利用でき、装置を小型軽量、低コスト化できる。
【００３９】
また、本発明の第１の実施の形態に係る頭部装着型育毛装置１ａによれば、保持フレーム１０ａ及び導光部１２が柔軟性を有していることから、頭部の形状によらず、照射面と頭皮との密着性を良くすることができるため、効率的な光照射が行える。
【００４０】
（第２の実施の形態）
本発明の第２の実施の形態に係る頭部装着型育毛装置１ｂは、図５に示すように、図１で示した頭部装着型育毛装置１ａと比して、光源ユニット２０の個数が異なる。その他に関して、実質的に同様である点についての重複する記載を省略する。
【００４１】
導光部１２は、両端から光を入射させることが可能である。導光部１２の両端には、光源ユニット２０が設けられている。光源ユニット２０から照射された光は、導光部１２のそれぞれの端部から入射する。
【００４２】
このように構成された第２の実施の形態に係る頭部装着型育毛装置１ｂでも、第１の実施の形態に係る頭部装着型育毛装置１ａと同様の効果を得ることができる。
【００４３】
また、第２の実施の形態に係る頭部装着型育毛装置１ｂによれば、両側から光を入射することで、導光部１２内の光が均一になりやすく、発光面１２ａから光を均一に照射しやすくなる。
【００４４】
また、第２の実施の形態に係る頭部装着型育毛装置１ｂによれば、頭部の両側に光源ユニット２０を分散して配置することになるので、装着時の安定感が増す。
【００４５】
（第３の実施の形態）
本発明の第３の実施の形態に係る頭部装着型育毛装置１ｃは、図６に示すように、図１及び図４で示した頭部装着型育毛装置１ａと比して、保持フレーム１０ｃの形状が異なり、光源ユニット２０の個数が異なる。その他に関して、実質的に同様である点についての重複する記載を省略する。
【００４６】
頭部装着型育毛装置１ｃでは、保持フレーム１０ｂと光源ユニット２０を２つ繋げて円周形状を形成している。頭部装着型育毛装置１ｃには、光源ユニット２０内にサイズ調整機構が備えられており、頭部の大きさに応じて口径を調節可能となっている。保持フレームの口径が調節可能であることによって、種々の頭部のサイズに適応させることができるようになっている。
【００４７】
このように構成された第３の実施の形態に係る頭部装着型育毛装置１ｃでも、第１の実施の形態に係る頭部装着型育毛装置１ａと同様の効果を得ることができる。
【００４８】
また、第３の実施の形態に係る頭部装着型育毛装置１ｃによれば、前頭部の生え際や側頭部、後頭部といった半円状の保持フレームでは照射しにくい部分にも良く密着でき、効率よい照射が行える。
（第４の実施の形態）
本発明の第４の実施の形態に係る頭部装着型育毛装置１ｄは、図７に示すように、図１及び図４で示した頭部装着型育毛装置１ａの保持フレーム１０ａと比して、保持フレーム１０ｃの形状が異なる。その他に関して、実質的に同様である点についての重複する記載を省略する。
【００４９】
保持フレーム１０ｃは、頭部に広く接するヘアバンド状の円周形状をなし、頭部に巻き付けて装着することができる。保持フレーム１０ｃには、ベルトや面ファスナー等のサイズ調整機構が備えられており、頭部の大きさに応じて口径を調節可能となっている。保持フレームの口径が調節可能であることによって、種々の頭部のサイズに適応させることができるようになっている。
【００５０】
このように構成された第４の実施の形態に係る頭部装着型育毛装置１ｄでも、第１の実施の形態に係る頭部装着型育毛装置１ａと同様の効果を得ることができる。
【００５１】
また、第４の実施の形態に係る頭部装着型育毛装置１ｄによれば、前頭部の生え際や側頭部、後頭部といった半円状の保持フレームでは照射しにくい部分にも良く密着でき、効率よい照射が行える。
【００５２】
（その他の実施の形態）
上記のように、本発明は実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす記述及び図面はこの発明を限定するものであると理解するべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかになるはずである。
【００５３】
例えば、第１〜４の実施の形態に係る頭部装着型育毛装置１ａ〜１ｄの薄く柔軟性を有する導光部１２は、帽子等の裏面に配置して使用することができる。つまり、帽子を保持フレーム１０ａ〜１０ｃの代わりとすることができる。この様に、薄く柔軟性がある導光部１２を帽子の裏に配置しても、頭部を圧迫することなく使用することができる。また、帽子を保持フレーム１０ａ〜１０ｃの代わりとすることによって、外観からは装置が見えない状態にできるため、外出時にも違和感なく装置を使用できる。
【００５４】
また、第１〜４の実施の形態に係る頭部装着型育毛装置１ａ〜１ｄの光源ユニット２０は、保持フレーム１０ａ〜１０ｃ及び導光部１２と接した状態で備えられていたが、光源ユニット２０の位置は限定されない。例えば、光源ユニット２０と導光部１２が離れていても、光ファイバ等の導光部材を用いることで、光源ユニット２０で照射された光を導光部１２に入射させることができるので、同様の効果が得られる。
【００５５】
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を包含するということを理解すべきである。したがって、本発明はこの開示から妥当な特許請求の範囲の発明特定事項によってのみ限定されるものである。
【符号の説明】
【００５６】
１ａ〜１ｄ…頭部装着型育毛装置
１０ａ〜１０ｃ…保持フレーム
１２…導光部
１２ａ…発光面
１２ｂ…反射面
１４…拡散部
１６ａ，１６ｂ…反射シート
２０…光源ユニット
２２…光源
２４…反射板
２６…放熱機構
３０…制御ユニット
３２…制御ケーブル
【技術分野】
【０００１】
本発明は、頭皮に光を照射して毛髪の成長を促進させる頭部装着型育毛装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、皮膚に軽い炎症を起こさせることで体毛の発育を加速させるようにした技術が知られている。効果が高いとされているこの手法は、薬剤などで炎症を起こさせるものであるが、このような薬剤の使用は、しばしば軽度の肌荒れを生じさせると共に、痛みや感染症などの問題を有している。
【０００３】
６３０ｎｍ〜６８０ｎｍの波長を発光する赤色レーザーダイオードと７５０ｎｍ〜１０００ｎｍの波長を発光する近赤外線レーザーダイオードを交互に配置したブラシ型のレーザー照射器によって、毛嚢細胞の活性化と血流増加を促す技術がある（例えば、特許文献１参照。）。この技術では、レーザー照射器がブラシ型であるために髪の毛をかきわけて光を頭皮に到達しやすくしている。また、レーザー照射部と頭皮との距離を一定に保つことができる。
【０００４】
しかしながら、レーザー照射器がブラシ型である場合には、手で保持して照射位置を決定するので照射位置が一定に定まらずに、頭皮の各箇所の照射エネルギー量を一定にするのは困難であった。また、ブラシ型のレーザー照射器で照射する場合には、一度に照射できる範囲が限られており、処置に時間と手間がかかるという問題がある。そして、処置に時間と手間がかかるために、長時間手で保持していなければならないという問題があった。
【０００５】
これらの問題を解消するために、育毛を補助するための光を発光する発光ダイオード（ＬＥＤ）をフレームに備えたヘッドフォン型育毛補助装置が提案されている（例えば、特許文献２参照。）。この技術では、ヘッドフォン形状で頭部に固定可能であり、ブラシ型で問題となっていた手で保持するという問題を改善することができる。また、ヘッドフォン型育毛補助装置は、ＬＥＤを広範囲に配置したフレームが前後に動かせるため、頭皮の各箇所の照射エネルギー量を一定にするように頭部の任意の場所に照射可能である。
【０００６】
この様に、ブラシ型のレーザー照射器の問題点は、ヘッドフォン型のように頭部に装着できる構造とすることで改善できる。しかしながら、頭部の形状も脱毛症状の範囲も人によって異なるため、光照射は頭部全体に行うことが好ましいが、頭部全体に光が行き渡るようにするため、多数の光源をアレイ状に配置する必要があり、光源ごとに放熱機構も必要なため装置が大型で頭部に装着するには負担が大きい。あるいは、装置を小型軽量にするため、非常に弱いパワーでの照射か、狭い範囲での照射を時間を掛けて繰り返していかなければならないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００７】
【特許文献１】特表２００７−５３７８１９号公報
【特許文献２】国際公開第２００４／０２６４００号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものである。そして、本発明の目的は、光源から照射された光を効率よく伝播し、最適な範囲に均一性の高い光を照射できる頭部装着型育毛装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
本願発明の一態様によれば、柔軟性を有し、頭部に装着可能な保持フレームと、毛髪の成長を促進させる光を照射する光源ユニットと、柔軟性を有し、保持フレームに沿って配置され、光源ユニットから照射された光を伝播し、発光面から頭部に向かって光を照射可能な導光部と、光源ユニットに電力を供給する制御ユニットとを備えることを特徴とする頭部装着型育毛装置であることを要旨とする。
【発明の効果】
【００１０】
本発明によれば、光源から照射された光を効率よく伝播し、最適な範囲に均一性の高い光を照射できる頭部装着型育毛装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１１】
【図１】本発明の第１の実施の形態に係る頭部装着型育毛装置の模式的概略図である。
【図２】本発明の第１の実施の形態に係る頭部装着型育毛装置の光源ユニットの模式的概略図である。
【図３】本発明の第１の実施の形態に係る頭部装着型育毛装置の導光部の模式的概略図である。
【図４】本発明の第１の実施の形態に係る頭部装着型育毛装置の保持フレームの装着例である。
【図５】本発明の第２の実施の形態に係る頭部装着型育毛装置の模式的概略図である。
【図６】本発明の第３の実施の形態に係る頭部装着型育毛装置の模式的概略図である。
【図７】本発明の第４の実施の形態に係る頭部装着型育毛装置の模式的概略図である。
【発明を実施するための形態】
【００１２】
以下に図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号で表している。但し、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なる。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を照らし合わせて判断するべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【００１３】
（第１の実施の形態）
本発明の第１の実施の形態に係る頭部装着型育毛装置１ａは、図１に示すように、
柔軟性を有し、頭部に装着可能な保持フレーム１０ａと、毛髪の成長を促進させる光を照射する光源ユニット２０と、保持フレーム１０ａに沿って配置され、光源ユニット２０から照射された光を伝播し、発光面１２ａから頭部に向かって光を照射可能な導光部１２と、光源ユニット２０に電力を供給する制御ユニット３０とを備える。
【００１４】
保持フレーム１０ａは、導光部１２を保持する機能を有し、導光部１２側を頭部に密着させた状態で頭部に装着することができる。保持フレーム１０ａは、複数であっても良く、選択的に増減させられる機能を備えていても良い。導光部１２を保持する保持フレーム１０ａが複数であれば、同時に広範囲に光を照射することができるようになる。
【００１５】
光源ユニット２０は、図２に示すように、毛髪の成長を促進させる光を照射する光源２２と、光源２２で照射された光を導光部１２に向かって反射させる反射板２４と、光源２２で放出する熱を放熱する放熱機構２６とを備える。本実施の形態においては、光源ユニット２０は、保持フレーム１０ａ及び導光部１２の端部に設けられている。
【００１６】
光源２２は、図２に示すように、１つであっても構わないし、複数であっても構わない。光源２２は、波長が０．７６〜２．５μｍの近赤外光を発する面実装ＬＥＤ、砲弾型ＬＥＤ、半導体レーザー、及び電界発光（ＥＬ）素子等の光源である。ここで、光源２２が発する光の波長は、水の特異吸収波長と等しいことが好ましい。水の特異吸収波長とは、光が水に吸収される際に、他の波長に比べて強い吸光度を示す波長と定義される。水の特異吸収波長は水のＯ−Ｈ結合に起因するものであり、特に近赤外領域における水の特異吸収波長は、例えば９５０ｎｍ、１１５０ｎｍ、１４５０ｎｍ及び１７９０ｎｍである。そして、光源２２は、これらの水の特異吸収波長の中でも９５０ｎｍ及び／または１４５０ｎｍの波長を発することが好ましい。この波長の光であれば、皮膚に炎症を与えることなく、育毛効果を高めることができる。
【００１７】
光源２２から照射される光は、制御ユニット３０のパルス制御部によってパルス点灯される。また、光源２２から照射される光は、１５分以上照射することによって育毛効果をより発揮できるものと考えられているので、１５分以上照射することが好ましい。
【００１８】
反射板２４は、光源２２から照射される光に対して反射させることができる性能を有する鏡面処理された金属等により形成される。反射板２４で反射された光は、導光部１２の端部に向かって進み、端部より導光部１２内に入射する。
【００１９】
放熱機構２６は、放熱フィン、ファン、及び放熱板等で構成される機構である。放熱機構２６は、光源２２で発生する熱を空気中に放熱することで、光源ユニット２０の温度上昇を抑制できる。放熱機構２６としては、頭部装着型育毛装置１ａの重量の増加を軽減させるために、アルミ等の軽量の金属を用いることが好ましい。
【００２０】
導光部１２には、既知の技術である導光板を使うことができる。また、一般的な導光板は、
発光面に均一に光が放射されるのに対し、拡散部を集中的に配置することで、発光面の一部に光の放射を集中させることもできる。以下、導光部１２に導光板を用いた実施形態について説明する。導光部１２は、光源２２から放射され、導光部１２の端面から入射した光を、全反射による伝播可能な部材で構成される。また、伝播する光に対して高い透過率を有することが望ましい。導光部１２は、図３（ａ）に示すように、発光面１２a、反射面１２bを持ち、反射面１２ｂに設けられた拡散部１４を備える。また、導光部１２には、光を全反射させるための既知の技術である反射部材が、反射シート１６aとして発光面１２ａの光照射箇所以外に接して備えられる。
【００２１】
発光面１２a、反射面１２bは、導光部１２に入射した光Ｈを全反射することで、光を伝播していく。このとき、光Ｈの一部は拡散部１４によって拡散され方向が変わり、全反射角を満たさなくなった成分が発光面１２aより放射される。また、拡散された光の一部は反射面１２bから放射されるが、反射シート１６aにより発光面１２aの方へと反射されて、発光面１２aから放射される。このように光の一部が拡散され、発光面１２aから放射されながら伝播していき、発光面１２a全体から光が放射される。
【００２２】
反射シート１６ａは、高い反射率を有する部材であり、光を全反射させる部材であることが好ましい。反射シート１６ａは、光を放射する発光面１２aとは反対側の、反射面１２bに接して設けられている。反射シート１６ａは、導光部１２の湾曲等により拡散部１４から漏れる光を低減するために、拡散部１４が設けられる箇所にも配置することが好ましい。
【００２３】
拡散部１４は、反射面１２bに設けられ、光の拡散を生じさせるドット状の部材である。拡散部１４は、光の拡散を生じさせることによって、導光部１２に入射した光Ｈを発光面１２aから放射する。拡散部１４は、周知の印刷技術等によって反射面１２b上に形成される。拡散部１４は、印刷のほかにも、アクリル板の裏面にＶ溝などを加工し、光を拡散させるといった方法で形成することもできる。
【００２４】
導光部１２に入射した光Ｈは、光源２２から照射される光Ｈが端部から入射され、発光面１２a及び反射面１２bで全反射し、全反射を繰り返してもう一方の端部に向かって進む。導光部１２に入射した光Ｈのうち拡散部１４に到達した光は、拡散部１４によって拡散されて発光面１２aから放射される。
【００２５】
発光面１２aから放射される光を均一にするため、拡散部１４は反射面１２b上に不均一に形成される。一般的に光源２２に近いところは光が強く、遠いところは拡散により減っていき弱くなるため、図３（ａ）に示すように、光Ｈの入射する端面に近いところほど拡散部１４を形成する拡散ドットは少なく、遠いところほど拡散ドットを密にすることで、発光面１２aから放射される光は均一となる。頭部の広い範囲に光を照射したい場合には、発光面１２aから均一に光を発光させることが望まれるので、拡散部１４をこのように形成することが好ましい。
【００２６】
拡散部１４を反射面１２bの一部に集中させて形成した場合、図３（ｂ）に示すように、拡散部１４で拡散された光は発光面１２aの一部に集中して向かうことになるので、発光面１２aの一部が集中して発光する。頭頂部や前頭葉の生え際など、脱毛症状の現れやすい箇所に光を集中して照射させたい場合には、発光面１２aの一部から集中して光を発光させることが望まれるので、拡散部１４を反射面１２bに一部に集中して形成することが好ましい。
【００２７】
更に、発光面１２aの一部から集中して光を発光させることが望まれる場合には、図３（ｃ）に示すように、拡散部１４を反射面１２bに一部に集中して形成し、且つ、発光面１２aの非照射箇所には、拡散した光を反射する反射シート１６ｂを設けることが好ましい。このように非照射反射シート１６ｂは、反射シート１６ａと同様の部材であって構わない。
【００２８】
制御ユニット３０は、光源ユニット２０に電力及び制御信号を伝送する制御ケーブル３２と、光源ユニット２０を発光させる電源部（図示せず）と、光源ユニット２０の発光パルスを制御するパルス制御部（図示せず）と、オンオフスイッチ（図示せず）とを備える。制御ユニット３０は、電源部として、一次電池や二次電池など出力電圧が一定な直流電源を備えていても良いし、商用電源より得た交流電圧を直流電圧に変換する機能を備えていても良い。パルス制御部は、光源ユニット２０をパルス点灯させるように光源ユニット２０を駆動制御する。パルス制御された光は、例えば、５００Ｈｚで点灯されるのが好ましい。オンオフスイッチは、スイッチをオン又はオフと選択することで、頭部装着型育毛装置１ａの稼動及び停止を選択することができる。
【００２９】
次に、本発明の第１の実施の形態に係る頭部装着型育毛装置１ａを用いた育毛方法について説明する。まず、使用者は、脱毛症状に合わせて、必要な箇所に導光部１２が保持されている保持フレーム１０ａを設置する。そして、保持フレーム１０ａを装着した例を図５に示す。図５では、３個の光源２２を有する光源ユニット２０であり、３個の保持フレーム１０ａが頭部に装着されている。
【００３０】
そして、制御ユニット３０のオンオフスイッチをオンに切り替えることによって、頭部装着型育毛装置１ａを稼動させる。稼動された頭部装着型育毛装置１ａの制御ユニット３０は、まず、光源ユニット２０から光を照射させるために、光源ユニット２０に電圧を印加する。そして、光源ユニット２０は、光源２２から光を照射する。
【００３１】
光源２２から照射される光は、水の特異吸収波長と同じ９５０ｎｍまたは１４５０ｎｍの波長とした光とされる。本実施形態では、９５０ｎｍの波長か１４５０ｎｍの波長の何れかの光を照射するものとする。
【００３２】
光源２２から照射される光は、光源２２を複数用意して９５０ｎｍの波長と１４５０ｎｍの波長の光を、同時または交互に照射するようにしてもよい。特に、光を照射される対象者の年齢に応じて、照射される光の波長を切り替えることが好ましい。例えば、９５０ｎｍの波長の光は、５０歳以下の人を対象として照射し、１４５０ｎｍは全ての年齢の人を対象として照射することで、育毛効果がより一層向上する。これは、１４５０ｎｍの波長の光は、９５０ｎｍの波長の光に比べて水の吸収が強いため、水分の少ない年配者は１４５０ｎｍの波長の光を使用した方が育毛効果をより発揮できるものと考えられている。
【００３３】
光源２２から照射される光は、制御ユニット３０のパルス制御部によってパルス点灯される。また、光源２２から照射される光は、１５分以上照射することによって育毛効果をより発揮できるものと考えられているので、１５分以上照射することが好ましい。
【００３４】
光源２２から照射される光の一部は、その後方に設けられた反射板２４によって反射され、導光部１２の端部へ向かい、導光部１２へ入射する。
【００３５】
光源２２から照射される光は、導光部１２へ入射し、導光部１２によって伝播される。導光部１２で伝播された光は、拡散部１４で拡散されて、発光面１２ａから照射される。発光面１２ａから照射された光は、頭皮に照射される。光が照射された部位（頭皮）は、皮膚内部に存在する体内既存の光吸収成分に光吸収させることで毛髪（体毛）が成長することになる。
【００３６】
本発明の第１の実施の形態に係る頭部装着型育毛装置１ａによれば、光源を集約できるため、頭部全体に渡って光源を配置する構成に比べ装置構成がシンプルになり、効率よく光源の放熱もできることから、装置を小型軽量化することができ、装着者への負担も低減できる。
【００３７】
また、本発明の第１の実施の形態に係る頭部装着型育毛装置１ａによれば、導光部１２は光のみを伝えるため、光源アレイのように電気回路を持たず、電気回路を保護するための防水、絶縁構造も光源ユニット２０にのみ備えればよいため、構造をシンプルにでき、小型軽量化できる。
【００３８】
また、本発明の第１の実施の形態に係る頭部装着型育毛装置１ａによれば、拡散部１４を、導光部１２の中央等に集中させることで、本来均一に発光する導光部１２を、中央付近など任意の箇所に発光を集中させることができる。したがって、頭頂部や前頭部の生え際など、脱毛症状の現れやすい箇所に光を集中して照射することができるため、光を効率的に利用でき、装置を小型軽量、低コスト化できる。
【００３９】
また、本発明の第１の実施の形態に係る頭部装着型育毛装置１ａによれば、保持フレーム１０ａ及び導光部１２が柔軟性を有していることから、頭部の形状によらず、照射面と頭皮との密着性を良くすることができるため、効率的な光照射が行える。
【００４０】
（第２の実施の形態）
本発明の第２の実施の形態に係る頭部装着型育毛装置１ｂは、図５に示すように、図１で示した頭部装着型育毛装置１ａと比して、光源ユニット２０の個数が異なる。その他に関して、実質的に同様である点についての重複する記載を省略する。
【００４１】
導光部１２は、両端から光を入射させることが可能である。導光部１２の両端には、光源ユニット２０が設けられている。光源ユニット２０から照射された光は、導光部１２のそれぞれの端部から入射する。
【００４２】
このように構成された第２の実施の形態に係る頭部装着型育毛装置１ｂでも、第１の実施の形態に係る頭部装着型育毛装置１ａと同様の効果を得ることができる。
【００４３】
また、第２の実施の形態に係る頭部装着型育毛装置１ｂによれば、両側から光を入射することで、導光部１２内の光が均一になりやすく、発光面１２ａから光を均一に照射しやすくなる。
【００４４】
また、第２の実施の形態に係る頭部装着型育毛装置１ｂによれば、頭部の両側に光源ユニット２０を分散して配置することになるので、装着時の安定感が増す。
【００４５】
（第３の実施の形態）
本発明の第３の実施の形態に係る頭部装着型育毛装置１ｃは、図６に示すように、図１及び図４で示した頭部装着型育毛装置１ａと比して、保持フレーム１０ｃの形状が異なり、光源ユニット２０の個数が異なる。その他に関して、実質的に同様である点についての重複する記載を省略する。
【００４６】
頭部装着型育毛装置１ｃでは、保持フレーム１０ｂと光源ユニット２０を２つ繋げて円周形状を形成している。頭部装着型育毛装置１ｃには、光源ユニット２０内にサイズ調整機構が備えられており、頭部の大きさに応じて口径を調節可能となっている。保持フレームの口径が調節可能であることによって、種々の頭部のサイズに適応させることができるようになっている。
【００４７】
このように構成された第３の実施の形態に係る頭部装着型育毛装置１ｃでも、第１の実施の形態に係る頭部装着型育毛装置１ａと同様の効果を得ることができる。
【００４８】
また、第３の実施の形態に係る頭部装着型育毛装置１ｃによれば、前頭部の生え際や側頭部、後頭部といった半円状の保持フレームでは照射しにくい部分にも良く密着でき、効率よい照射が行える。
（第４の実施の形態）
本発明の第４の実施の形態に係る頭部装着型育毛装置１ｄは、図７に示すように、図１及び図４で示した頭部装着型育毛装置１ａの保持フレーム１０ａと比して、保持フレーム１０ｃの形状が異なる。その他に関して、実質的に同様である点についての重複する記載を省略する。
【００４９】
保持フレーム１０ｃは、頭部に広く接するヘアバンド状の円周形状をなし、頭部に巻き付けて装着することができる。保持フレーム１０ｃには、ベルトや面ファスナー等のサイズ調整機構が備えられており、頭部の大きさに応じて口径を調節可能となっている。保持フレームの口径が調節可能であることによって、種々の頭部のサイズに適応させることができるようになっている。
【００５０】
このように構成された第４の実施の形態に係る頭部装着型育毛装置１ｄでも、第１の実施の形態に係る頭部装着型育毛装置１ａと同様の効果を得ることができる。
【００５１】
また、第４の実施の形態に係る頭部装着型育毛装置１ｄによれば、前頭部の生え際や側頭部、後頭部といった半円状の保持フレームでは照射しにくい部分にも良く密着でき、効率よい照射が行える。
【００５２】
（その他の実施の形態）
上記のように、本発明は実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす記述及び図面はこの発明を限定するものであると理解するべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかになるはずである。
【００５３】
例えば、第１〜４の実施の形態に係る頭部装着型育毛装置１ａ〜１ｄの薄く柔軟性を有する導光部１２は、帽子等の裏面に配置して使用することができる。つまり、帽子を保持フレーム１０ａ〜１０ｃの代わりとすることができる。この様に、薄く柔軟性がある導光部１２を帽子の裏に配置しても、頭部を圧迫することなく使用することができる。また、帽子を保持フレーム１０ａ〜１０ｃの代わりとすることによって、外観からは装置が見えない状態にできるため、外出時にも違和感なく装置を使用できる。
【００５４】
また、第１〜４の実施の形態に係る頭部装着型育毛装置１ａ〜１ｄの光源ユニット２０は、保持フレーム１０ａ〜１０ｃ及び導光部１２と接した状態で備えられていたが、光源ユニット２０の位置は限定されない。例えば、光源ユニット２０と導光部１２が離れていても、光ファイバ等の導光部材を用いることで、光源ユニット２０で照射された光を導光部１２に入射させることができるので、同様の効果が得られる。
【００５５】
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を包含するということを理解すべきである。したがって、本発明はこの開示から妥当な特許請求の範囲の発明特定事項によってのみ限定されるものである。
【符号の説明】
【００５６】
１ａ〜１ｄ…頭部装着型育毛装置
１０ａ〜１０ｃ…保持フレーム
１２…導光部
１２ａ…発光面
１２ｂ…反射面
１４…拡散部
１６ａ，１６ｂ…反射シート
２０…光源ユニット
２２…光源
２４…反射板
２６…放熱機構
３０…制御ユニット
３２…制御ケーブル
【特許請求の範囲】
【請求項１】
柔軟性を有し、頭部に装着可能な保持フレームと、
毛髪の成長を促進させる光を照射する光源ユニットと、
柔軟性を有し、前記保持フレームに沿って配置され、前記光源ユニットから照射された光を伝播し、発光面から頭部に向かって光を照射可能な導光部と、
前記光源ユニットに電力を供給する制御ユニット
とを備えることを特徴とする頭部装着型育毛装置。
【請求項２】
前記導光部は、両端から光を入射させることが可能であり、
前記光源ユニットから照射された光が前記導光部のそれぞれの端部から入射することを特徴とする請求項１に記載の頭部装着型育毛装置。
【請求項３】
前記保持フレームで円周形状を形成し、頭部の大きさに応じて口径を調節可能なことを特徴とする請求項１又は２に記載の頭部装着型育毛装置。
【請求項４】
前記導光部の前記発光面の光照射箇所以外に、伝播する光を反射する反射シートが設けられていることを特徴とする請求項１〜３のいずれか１項に記載の頭部装着型育毛装置。
【請求項５】
前記保持フレームは、帽子であることを特徴とする請求項１〜４のいずれか１項に記載の頭部装着型育毛装置。
【請求項１】
柔軟性を有し、頭部に装着可能な保持フレームと、
毛髪の成長を促進させる光を照射する光源ユニットと、
柔軟性を有し、前記保持フレームに沿って配置され、前記光源ユニットから照射された光を伝播し、発光面から頭部に向かって光を照射可能な導光部と、
前記光源ユニットに電力を供給する制御ユニット
とを備えることを特徴とする頭部装着型育毛装置。
【請求項２】
前記導光部は、両端から光を入射させることが可能であり、
前記光源ユニットから照射された光が前記導光部のそれぞれの端部から入射することを特徴とする請求項１に記載の頭部装着型育毛装置。
【請求項３】
前記保持フレームで円周形状を形成し、頭部の大きさに応じて口径を調節可能なことを特徴とする請求項１又は２に記載の頭部装着型育毛装置。
【請求項４】
前記導光部の前記発光面の光照射箇所以外に、伝播する光を反射する反射シートが設けられていることを特徴とする請求項１〜３のいずれか１項に記載の頭部装着型育毛装置。
【請求項５】
前記保持フレームは、帽子であることを特徴とする請求項１〜４のいずれか１項に記載の頭部装着型育毛装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【公開番号】特開２０１２−１９８６７（Ｐ２０１２−１９８６７Ａ）
【公開日】平成２４年２月２日（２０１２．２．２）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−１５８７６４（Ｐ２０１０−１５８７６４）
【出願日】平成２２年７月１３日（２０１０．７．１３）
【出願人】（０００００５８３２）パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２４年２月２日（２０１２．２．２）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年７月１３日（２０１０．７．１３）
【出願人】（０００００５８３２）パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Ｆターム（参考）】
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