説明

頭髪処理剤塗布具

【課題】視覚で確認しなくても櫛部の位置が簡単に判り、所望の部位への頭髪処理剤の塗布を正確且つ簡便に行うことのできる頭髪処理剤塗布具を提供すること。
【解決手段】本発明の頭髪処理剤塗布具1は、複数の櫛歯22からなる櫛部23を備えている。また、頭皮Sに押し付けることによって、前記櫛歯22の先端よりも突出した前進状態から、該櫛歯22が頭皮Sに接触する状態となるまで後退するガイド部材3を備えている。ガイド部材3は、弾性部材により前進方向に常時付勢されていることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、頭髪処理剤塗布具に関する。
【背景技術】
【0002】
多数の櫛歯からなる櫛部を有する塗布具を用いて頭髪に染毛剤等の頭髪処理剤を塗布する技術が知られている。
例えば、本出願人は、櫛歯が直列した複数の櫛歯列によって両側を挟まれた中央部分から塗布液を吐出させ、該塗布液を、櫛歯列で頭髪を梳きながら頭髪に塗布できるようにした櫛歯付き塗布用具を提案している(特許文献1参照)。この櫛歯付き塗布用具によれば、櫛歯列間に塗布液を吐出させた後、櫛歯列間に塗布液を一旦保持した状態で、塗布用具を頭髪に当てることができる。
【0003】
特許文献2には、櫛歯の先端側の側面に、容器内の流体を排出する滴下孔の開口部を設けるともに、該開口部より先端側に該開口部に近接して瘤部を形成した塗布具が記載され、特許文献3には、複数の櫛歯が直線状に配列された櫛部における櫛歯の上端に、下面が櫛歯片の中心軸心に対して直角近傍の角度をなすように形成された突片を設けることが記載されている。
【0004】
しかし、上述した従来の頭髪処理剤塗布具によっては、自分自身で頭髪の処理を行おうとした場合に、櫛部が当たるところが確認しづらく、自己の頭髪の所望の部位のみに頭髪処理剤を塗布しようとしても、当該所望の部位に頭髪処理剤を思い通りに塗布できなかったり、処理したくない部位に頭髪処理剤を塗布してしまう場合があった。
例えば、自分の後頭部は、三面鏡でも確認し難いため、自分自身で、自己の後頭部の頭髪や後ろ髪に筋状の部分染色を綺麗に施すことは困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−160240号公報
【特許文献2】実開平1−158729号公報
【特許文献3】特開2001−275752号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、視覚で確認しなくても櫛部の位置が簡単に判り、所望の部位への頭髪処理剤の塗布を正確且つ簡便に行うことのできる頭髪処理剤塗布具に関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、複数の櫛歯からなる櫛部を備えた頭髪処理剤塗布具であって、頭皮に押し付けることによって、前記櫛歯の先端よりも突出した前進状態から、該櫛歯が頭皮に接触する状態となるまで後退するガイド部材を備えている頭髪処理剤塗布具を提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の頭髪処理剤塗布具は、視覚で確認しなくても櫛部の位置を的確に把握でき、所望の部位への頭髪処理剤の塗布を正確且つ簡便に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本発明の頭髪処理剤塗布具の第1実施形態を示す一部破断側面図である。
【図2】図2は、図1の頭髪処理剤塗布具の剤塗布部及びその近傍の拡大斜視図である。
【図3】図3は、図1の頭髪処理剤塗布具の剤塗布部の櫛歯台を、櫛部が突出する面側から見た平面図である。
【図4】図4は、図1の頭髪処理剤塗布具の剤塗布部及びその近傍の部分断面斜視図であり、(a)は、ガイド部材が頭皮に当たる直前の状態を示す図、(b)は、ガイド部材が後退して櫛部が頭皮に当接した状態を示す図である。
【図5】図5は、図1の頭髪処理剤塗布具における櫛歯に囲まれた空間内に液状又は泡状の頭髪処理剤を貯留させた状態を示す斜視図である。
【図6】図6は、図1の頭髪処理剤塗布具を用いて頭髪に頭髪処理剤を塗布する様子を示す図である。
【図7】図7は、本発明の他の実施形態を示す図(図3相当図)である。
【図8】図8は、本発明の更に他の実施形態を示す図であり、図8(a)は、剤塗布部の側面図、図8(b)は、剤塗布部を櫛歯が突出する方向から見た平面図である。
【図9】図9は、本発明の更に他の実施形態を示す図(図3相当図)である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明をその好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
本発明の第1実施形態である頭髪処理剤塗布具1は、複数の櫛歯22からなる櫛部23を備えている。また、頭皮Sに押し付けることによって、櫛歯22の先端よりも突出した前進状態〔図4(a)参照〕から、該櫛歯22が頭皮Sに接触する状態〔図4(b)参照〕となるまで後退するガイド部材3を備えている。
【0011】
第1実施形態の頭髪処理剤塗布具1について、より詳細に説明する。
頭髪処理剤塗布具1は、図1に示すように、複数の櫛歯22からなる櫛部23を有する剤塗布部2と、頭髪処理剤の塗布作業を行う際に手に持つ部分である把持部4とを有している。また、頭髪処理剤塗布具1は、把持部4と剤塗布部2との間に延長部5を有している。延長部5は、把持部4と剤塗布部2との間に間隔を設けて、後頭部等への頭髪処理剤6の塗布作業を容易とするものである。
【0012】
剤塗布部2は、頭髪に接触させる部分であり、頭髪を櫛部23で梳きながら該頭髪に頭髪処理剤6を塗布可能である。
本実施形態における剤塗布部2は、図2及び図3に示すように、平面視円形状の櫛歯台20を備えており、複数本の櫛歯22が、該櫛歯台20の中央部の周囲を囲むように立設されている。これらの櫛歯22によって、櫛歯台20上に、円筒状の櫛部23が形成されている。
櫛部23を構成する櫛歯22は、相隣接する櫛歯どうし間に所定の間隔Pを設けて、平面視略円形の環状に配置されている。櫛歯22及び櫛歯台20は、合成樹脂により一体成形されている。櫛歯22は、嵌合、融着、接着又はこれらの組み合わせ等によって櫛歯台20に固定されていても良い。
【0013】
本実施形態の頭髪処理剤塗布具1は、図1に示すように、頭髪処理剤6を収容する容器部40を備えており、前記把持部4は該容器部40の一部からなる。容器部40は、内部に収容した頭髪処理剤6を剤塗布部2に供給可能であり、延長部5を形成する延長部材50には、頭髪処理剤6を容器部40内から剤塗布部2に供給するための剤導出路51が形成されている。櫛歯台20における、櫛歯22に囲まれた中央部分には、頭髪処理剤6が吐出される剤吐出口21が開口している。換言すれば、櫛部23を構成する櫛歯22は、剤吐出口21の周囲を囲むように環状に配置されている。
【0014】
なお、本実施形態の頭髪処理剤塗布具1は、頭髪処理剤6を収容する容器部40を有すると共に剤塗布部2に頭髪処理剤6を吐出させる剤吐出口21を有するものであるが、本発明の頭髪処理剤塗布具は、容器部40や剤吐出口21を有しないものでも良い。剤塗布部2に剤吐出口21を有しない場合であっても、櫛歯22で囲まれた空間25内(以下、筒状の櫛部23内ともいう)に、頭髪処理剤を別の容器等から直接注入等することにより、本実施形態と同様にして頭髪処理剤の塗布を行うことができる。
【0015】
本実施形態の頭髪処理剤塗布具1は、図4に示すように、剤塗布部2に、ガイド部材3を有している。ガイド部材3は、丸棒状をなしており、剤塗布部2は、そのガイド部材3を、進退可能に支持する進退機構30を備えている。図3、図4に示すガイド部材3は、平面状の先端面を有し、その先端面の周縁部の角が頭髪処理剤6を塗布する際、頭皮を傷つけないように丸められているものであるが、先端部が、半球状又は球状のものも好ましい。
【0016】
ガイド部材3は、図3及び図4に示すように、櫛歯台2における、複数の櫛歯22に囲まれた領域20aから、櫛歯22の突出方向と同方向に突出するように設けられている。ガイド部材3の進退機構30は、図4に示すように、ガイド部材3が挿通された第1及び第2の挿通孔31,32と、ガイド部材3を、常時、前進方向(図4中矢印F方向)に付勢するコイルバネ(弾性部材)33とを備えている。第1の挿通孔31は、櫛歯台2における、複数の櫛歯22に囲まれた領域20aに形成されており、ガイド部材3の周囲に、前述した剤吐出口21として機能する隙間が生じるように設けられている。第2の挿通孔32は、延長部材50の内面近傍に設けられており、ガイド部材3が摺動可能であるが、頭髪処理剤が漏出しない程度に、その周囲に殆ど隙間が生じないように設けられている。コイルバネ33は、ガイド部材3が櫛歯台2から突出する方向とは逆向きに突出するように設けられた付勢体収容ケース34内に収容されており、少なくとも、ガイド部材3が、図4(b)に示すように後退した状態においては、その一端が、付勢体収容ケース34の一端に当接し、他端が、ガイド部材3の後端を押圧する。
【0017】
頭髪処理剤塗布具1における前記容器部40は、図1に示すように、スクイズ可能な有底筒状の外容器42と、外容器42内に配置され、口部が外容器42の円筒状の口部内面に気密に接合された内袋43とを有する容器本体41と、容器本体41の口部に取り付けられる逆止弁44付きの接続キャップ45とからなり、外容器42を片手で把持してその片手でスクイズすることにより、外容器42自体又は外容器42と内袋43との間の空気が、内部の内袋43を押圧し、それにより内袋43内の頭髪処理剤6が押し出され、液導出路51を介して剤塗布部2に供給され、剤塗布部2内の流路を通って剤吐出口21から吐出される。剤塗布部2内の流路は、前記液導出路51と連通した櫛歯台20の裏面空間と、該裏面空間と櫛歯台20の表面とを連通する、ガイド部材3の周囲の隙間とから形成されている。
【0018】
図1に示す頭髪処理剤塗布具1においては、外容器42の円筒状の口部に、外容器42と内袋43との間の空間と、外容器42の外部とを連通する吸入孔42aが形成されている。そして、押圧されて変形した外容器42が、弾性復元力により元の状態に戻るときに、容器部40の外部の空気が、接続キャップ45の下端と外容器42との間に設けた隙間42b及び前記の吸入孔42aを通って、外容器42と内袋43との間に流入する。容器部40は、このような構成を有することで、外周面を押圧して変形させる操作を繰り返すことにより、内容物である頭髪処理剤を徐徐に剤吐出口から吐出させることができる。
【0019】
容器部40に、このような2重構造の容器を用いることにより、内部の頭髪処理剤6の残量が減っても、容器部40がしぼんで把持しにくくなることを防止できる。また、接続キャップ45や、容器部40内の空間と剤吐出口21とを連通する液導出路51等に逆止弁44を設けて、剤の吐出後に空気が液導出路51や容器部40に逆流することを防止することにより、次回の吐出の際に、剤が出にくくなったり剤が飛び散ったりすることを防止することができる。
なお、把持部4(容器部40の外容器42における接続キャップ45に覆われていない部分)から櫛部23までの距離L(図1参照)は、後頭部等への塗布作業の容易等の観点から、40〜200mmであることが好ましく、より好ましくは70〜120mmである。
【0020】
第1実施形態の頭髪処理剤塗布具1を用いた頭髪処理剤の塗布方法の好ましい一例について説明する。
先ず、容器部40の容器本体41から接続キャップ45を取り外して、容器部40内に頭髪処理剤6を充填した後、再び接続キャップ45を取り付ける。
そして、把持部4を片手で把持して繰り返しスクイズすることにより、容器部400内の頭髪処理剤6を剤塗布部2に送り、剤吐出口21から頭髪処理剤6を吐出させる。そして、図5に示すように、筒状の櫛部23の内側に所望の量の頭髪処理剤6を溜め、その状態を維持したまま、剤塗布部2を頭部に移動させる。
そして、櫛部23を、その先端側から頭皮Sに押し当てようとすると、図4(a)に示すように、櫛部23が頭皮Sに当たるのに先立ち、ガイド部材3が頭皮Sに当たる。そのため、自分自身で頭髪の処理を行う者は、目視により櫛部23の位置を確認しづらい場合であっても、当該櫛部23の位置を的確に把握することができる。そして、その状態で、櫛部23を更に頭皮Sに押し付けると、ガイド部材3が後退して、櫛部23が、頭皮Sに当たり、櫛歯22間に頭髪Hが挿入される。
そして、剤塗布部2を、図6に示すように、頭髪の毛先方向に向けて移動させ、櫛部23で頭髪を梳きながら、櫛歯22間に挿入された頭髪に対して頭髪処理剤6を塗布する。
【0021】
第1実施形態の頭髪処理剤塗布具1によれば、このようにして、視覚で確認しなくても櫛部23の位置を的確に把握でき、所望の部位への頭髪処理剤6の塗布を正確且つ簡便に行うことができる。
また、櫛部23で梳きながら頭髪処理剤6を塗布可能であるため、頭髪の長い範囲に亘って、同様の幅で頭髪処理剤を塗工することも容易である。
そのため、例えば、図6に示すように、自分自身で、自己の後頭部の頭髪や後ろ髪に、筋状の部分染色を綺麗に施すことも容易である。
【0022】
頭髪処理を行う際に、頭髪に頭髪処理剤を付着させる以前に、櫛部23の位置を確認できるようにする観点から、ガイド部材3を頭皮S等で押す前の状態において、ガイド部材3が、櫛部23の先端から突出する長さL1〔図4(a)参照〕は、5〜60mmであることが好ましく、より好ましくは20〜50mmである。また、最大限後退したときのガイド部材3は、櫛部23の先端からの突出長さが5mm以下、より好ましくは1mm以下であることが好ましく、ガイド部材3の先端の位置が、櫛部23の先端の位置と同じか、それよりも低くなるまで後退可能であることが、更により好ましい。また、ガイド部材3は、最も突出した状態と、最も後退した状態との高低差が、好ましくは5mm以上であり、より好ましくは20mm以上である。
【0023】
櫛部23及び頭髪処理剤6は、図5に示すように、櫛部23を上方に向けて、頭髪処理剤6を吐出させたとき、あるいは櫛部23を上方に向けて、櫛部23の内側の空間内に頭髪処理剤6を注入したときに、筒状の櫛部23の内側の空間内に、頭髪処理剤6を所定量貯留可能であることが好ましい。
頭髪処理剤6としては、ヘアカラー等の染毛剤、ブリーチ剤、整髪剤、育毛剤、ヘアケア剤等の各種公知の頭髪処理剤を用いることができ、そのそれぞれの組成も特に制限されない。しかし、頭部から離れた位置において、筒状の櫛部23内に、頭髪処理剤6を吐出させたり、頭髪処理剤6を別の容器等から注入したりした後に、その剤を筒状の櫛部23内からこぼれないようにしながら頭部まで運べるようにする観点からは、頭髪処理剤6は、ある程度の粘度を有する液状(クリーム状のものや固形分や気体分を含む液状のものを含む)のもの又は泡状のものであることが好ましい。剤吐出口21から泡状に吐出する頭髪処理剤は、容器部40に充填する時点で泡状のもの、容器部40内で泡状に変化したもの、容器部40と剤吐出口21との間等で泡状に変化したもの等の何れであってもよい。
【0024】
次に、本発明の第2及び第3実施形態について説明する。
第2及び第2実施形態の頭髪処理剤塗布具については、主として第1実施形態と異なる点について説明し、同様の点については説明を省略する。第2及び第3実施形態について、特に説明しない点については、第1実施形態について上述した説明(より好ましい構成の説明等も含む)が適宜適用される。
【0025】
第2実施形態(図7参照)の頭髪処理剤塗布具における剤塗布部2Aにおいては、ガイド部材3が、平面視円形の櫛歯台20の周囲に、該櫛歯台20に近接させて複数本(図示例は3本)設けられている。ガイド部材3は、それぞれ、第1実施形態と同様に、コイルバネ等の弾性部材により常時、前進方向に付勢されている。また、頭皮Sに押し付けることにより、ガイド部材3を、その先端が、櫛歯22の先端位置と略同じ位置又はそれより低い位置となるまで後退させることができる。剤塗布部2Aの櫛歯台20の中央部には、ガイド部材3が挿通されていない剤吐出口21が開口している。
【0026】
第3実施形態(図8参照)の頭髪処理剤塗布具における剤塗布部2Bにおいては、直列に配置された複数本の櫛歯22からなる櫛部23Bの前後にガイド部材3が設けられている。第3実施形態における剤塗布部2Bにおけるガイド部材3も、第1実施形態と同様に、コイルバネ等の弾性部材により常時、前進方向に付勢されている。また、頭皮Sに押し付けることにより、ガイド部材3を、その先端が、櫛歯22の先端位置と略同じ位置又はそれより低い位置となるまで後退させることができる。
また、第3実施形態における剤塗布部2Bは、縦長の櫛歯台20Bを有し、櫛歯台20Bの長手方向における、櫛歯22どうし間に剤吐出口21が開口している。
【0027】
第2及び第3実施形態の頭髪処理剤塗布具によれば、第1実施形態と同様の作用効果が奏し得られる。また、第2及び第3実施形態によれば、複数のガイド部材3の存在により、視覚で確認しなくても櫛部23の大きさや頭髪処理剤の塗布幅(仕上がり幅)も容易に把握することができる。
【0028】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に制限されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。
【0029】
例えば、櫛歯は、円形ライン24上に配列するのに代えて、楕円形状のライン上に配列していても良いし、六角形等の多角形状のライン上に配列していても良い。
また、第1実施形態における櫛歯22は、一つの円形ライン24上に配列していたが、図9に示すように、環状に並ぶ複数本の櫛歯を周方向の一つ置き又は二つおきに、櫛部23の中心軸Cからの距離がやや異なる別の円形ライン24’上に配することもできる。図9には、複数本の櫛歯22を周方向の一つ置きに、円形ライン24とは別の円形ライン24’上に配した櫛歯台20Cを示した。
櫛歯22を、円形ライン24上に配列する場合、櫛歯22の基端部の断面中心が通る円状ライン24の内径L4(図3参照)は、例えば、5〜30mmとすることが好ましい。
【0030】
また、第1の実施形態では、第1の挿通孔31に、ガイド部材3を貫通させてあったが、第1の挿通孔31は、剤吐出口21とする貫通孔とは別の位置に設けることができる。
コイルバネ等の弾性部材は、ガイド部材の後端より前方に配して、伸びた状態から収縮した状態へと戻ろうとする収縮力を利用して、ガイド部材を、前進方向に常時付勢された状態とすることもできる。また、弾性部材としては、コイルバネに代えて、弾性材料を用いた蛇腹(ベローズ)、弾性材料を用いたひも(ゴムひも等)、板バネ等を用いることもできる。
【0031】
また、櫛歯22は、図示例では、断面円形の棒状であるが、断面円形の櫛歯に代えて、断面半円形、断面三角形、断面正方形、断面台形等の任意の断面形状の櫛歯を設けることもできる。また、ガイド部材も、図示例では、断面円形の棒状であるが、それに代えて、断面半円形、断面三角形、断面正方形、断面台形等の任意の断面形状のガイド部材を設けることもできる。また、ガイド部材は、複数の櫛歯が環状に配置された櫛歯台における、櫛歯が突出する平面と同一平面から突出していても良いし、櫛歯が突出する平面との間に段差を有する部位から突出していても良い。
【0032】
また、容器部は、2重構造を有しないものであっても良いし、また、押し潰したり、巻き上げたりして内容物を押し出し可能なチューブ容器であっても良い。また、接続キャップは逆止弁を有しないものであっても良い。また、容器部として、エアゾール容器を用いても良い。
また、前述したように、本発明の頭髪処理剤塗布具は、頭髪処理剤の収容部や剤吐出口を有しないものであっても良く、例えば、延長部5や把持部4が、中実な合成樹脂、木材、金属等から形成されているものであっても良い。
【符号の説明】
【0033】
1 頭髪処理剤塗布具
2,2A,2B 剤塗布部
20 櫛歯台
21 剤吐出口
22 櫛歯
23 櫛部
3 ガイド部材
31 第1の挿通孔
32 第2の挿通孔
33 弾性部材
34 付勢体収容ケース
4 把持部
40 容器部
5 延長部
6 頭髪処理剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の櫛歯からなる櫛部を備えた頭髪処理剤塗布具であって、
頭皮に押し付けることによって、前記櫛歯の先端よりも突出した前進状態から、該櫛歯が頭皮に接触した状態となるまで後退するガイド部材を備えている頭髪処理剤塗布具。
【請求項2】
前記ガイド部材は、弾性部材により前進方向に常時付勢されており、自然状態においては前記前進状態となっている一方、頭皮に押し付けることによって、前記弾性部材の付勢力に抗して前記ガイド部材を後退させることが可能である、請求項1記載の頭髪処理剤塗布具。
【請求項3】
前記複数の櫛歯が環状に配置された櫛歯台を有し、前記ガイド部材は、該櫛歯台における、前記複数の櫛歯に囲まれた領域から突出するように設けられている、請求項1記載の頭髪処理剤塗布具。
【請求項4】
頭髪処理剤の収容部及び該頭髪処理剤を吐出する剤吐出口を備えている、請求項1〜3の何れか1項記載の頭髪処理剤塗布具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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