説明

頭髪用繊維及び頭飾製品

【課題】良好な品質を維持しつつ光沢が抑制された頭髪用繊維を備える頭飾製品の提供。
【解決手段】本発明の頭髪用繊維は、蛋白繊維、合成繊維、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される繊維と、水性樹脂、コロイダルシリカ含有シリコーンオイル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される化合物を含む頭髪用繊維である。本発明の頭髪用繊維は、蛋白繊維、合成繊維、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される繊維を、水性樹脂、コロイダルシリカ含有シリコーンオイル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される化合物0.01重量%〜0.8重量%含有する処理液で処理して得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、頭髪用繊維及びこれを含んでなる頭飾製品に関する。
【背景技術】
【0002】
頭飾製品に用いられる頭髪用繊維としては、ヒトの天然毛髪である人毛繊維や獣毛繊維などの天然繊維のほか、再生コラーゲン繊維や、ポリ塩化ビニル系合成繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、及びポリオレフィン繊維などの合成繊維、並びにこれらを組み合わせた繊維が用いられる(例えば、特許文献1〜3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−27318号公報
【特許文献2】特開2007−169806号公報
【特許文献3】特開2007−177370号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、再生コラーゲン繊維や合成繊維は、人毛繊維に比べて光沢(艶)が強く、頭髪用繊維として頭飾製品に用いた場合に外観上の違和感を生じさせやすいという問題点がある。また、酸化チタンを含有する従来の無機系艶消し剤を用いてこれらの繊維の光沢を抑制しようとした場合には、触感、櫛通り、色相などの品質が損なわれるという問題があった。
【0005】
本発明は、良好な品質を維持しつつ光沢が抑制された頭髪用繊維及び頭飾製品、また、頭髪用繊維の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の頭髪用繊維は、蛋白繊維、合成繊維、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される繊維と、水性樹脂、コロイダルシリカ含有シリコーンオイル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される化合物を含む頭髪用繊維である。
【0007】
本発明の頭髪用繊維は、さらに、アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、カルボン酸変性シリコーン、及びポリエーテル変性シリコーンからなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含む頭髪用繊維である。
【0008】
本発明の頭髪用繊維は、さらに、ポリエーテルを含む頭髪用繊維である。
【0009】
本発明の頭飾製品は、本発明の頭髪用繊維を含んでなる頭飾製品である。
【0010】
また、本発明の頭髪用繊維の製造方法は、(A)水性樹脂、コロイダルシリカ含有シリコーンオイル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される化合物を0.01重量%〜0.8重量%含み、さらに(B)アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、カルボン酸変性シリコーン、及びポリエーテル変性シリコーンからなる群から選択される少なくとも1つの化合物、並びに、(C)ポリエーテルを含有する処理液を用いて、蛋白繊維、合成繊維、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される繊維を処理する工程を含む、頭髪用繊維の製造方法である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、例えば、触感、櫛通り、色相などについての良好な品質と低減された艶とを備える頭髪用繊維及びこれを含む頭飾製品を提供できる。本発明の頭髪用繊維及び頭飾製品は、外観上の違和感が低減されるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、処理液中の成分Aの含有量と光沢低減効果との関係を示すグラフの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
通常、頭飾製品の製造プロセスには、ある程度進行した段階、例えば、ウィッグ製品等であれば頭髪用繊維を腰蓑状に加工するウェフティング工程の後の段階で、前記頭髪用繊維をコンディショニングする工程が含まれる。前記コンディショニング工程において使用されるコンディショナーには、一般的に、櫛通り性の向上のための変性シリコーン、及び頭髪用繊維の集束性を向上するためのポリエーテルなどの成分が含有される。本発明は、このコンディショニング工程において、少量の水性樹脂エマルジョン又はコロイダルシリカ含有シリコーンオイルを添加したコンディショナーを使用することで、良好な品質を維持したまま頭髪用繊維の光沢(艶)を低減できるという知見に基づく。頭髪用繊維の光沢(艶)を低減できるメカニズムは不明であるが、前記樹脂又はコロイダルシリカが頭髪用繊維を全体又は部分的にコーティング又は付着することにより屈折率の変化をもたらし、その結果、光沢が低減されると推定される。ただし、これらの推測に本発明は限定されない。
【0014】
本発明の頭髪用繊維は、上述したとおり、蛋白繊維、合成繊維、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される繊維を含み、前記繊維が、水性樹脂、コロイダルシリカ含有シリコーンオイル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される化合物を0.01重量%〜0.8重量%で含有する処理液によって処理された頭髪用繊維である。
【0015】
本発明の頭飾製品は、上述したとおり、上記頭髪用繊維を含んでなる頭飾製品である。
【0016】
また、本発明の頭髪用繊維の製造方法は、上述したとおり、(A)水性樹脂、コロイダルシリカ含有シリコーンオイル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される化合物を0.01重量%〜0.8重量%含み、さらに(B)アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、カルボン酸変性シリコーン、及びポリエーテル変性シリコーンからなる群から選択される少なくとも1つの化合物、並びに、(C)ポリエーテルを含有する処理液を用いて、蛋白繊維、合成繊維、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される繊維を処理する工程を含む、頭髪用繊維の製造方法である。
【0017】
[処理液]
本発明における処理液(以下、本発明の処理液ともいう)は、頭髪用繊維の処理に用いることが出来る液体であって、水性樹脂、コロイダルシリカ含有シリコーンオイル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される化合物を0.01重量%〜0.8重量%で含む。本発明の処理液は、例えば、従来のコンディショニング工程におけるコンディショナーの代替物又は併用物として使用できる。あるいは、従来のコンディショナーに所定量の水性樹脂、コロイダルシリカ含有シリコーンオイル、及びこれらの組み合わせを添加して処理液としてもよい。本発明の処理液における水性樹脂、コロイダルシリカ含有シリコーンオイル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される化合物の含有量は、0.01重量%以上であって、頭髪用繊維の光沢(艶)低減の観点から、好ましくは0.02重量%以上、より好ましくは0.04重量%以上、さらに好ましくは0.08重量%以上、さらにより好ましくは0.16重量%以上である。また、本発明の処理液における前記化合物の含有量は、0.8重量%以下であって、頭髪用繊維の品質(触感、櫛通り、色相など)を維持する観点から、好ましくは0.6重量%以下、より好ましくは0.4重量%以下、さらに好ましくは0.32重量%以下、さらにより好ましくは0.24重量%以下、さらにより好ましくは0.16重量%以下である。したがって、本発明の処理液における前記化合物の含有量は、頭髪用繊維の光沢(艶)低減及び品質維持の観点から、0.01〜0.8重量%であり、0.01〜0.6重量%が好ましく、0.02〜0.4重量%がより好ましく、0.04〜0.32重量%がさらに好ましく、0.08〜0.24重量%がさらにより好ましく、0.16重量%がさらに好ましい。本発明の処理液は、例えば、水などの水系媒体や従来のコンディショナーに、水性樹脂エマルジョン、水性樹脂溶液、又はコロイダルシリカ含有シリコーンオイルを所定量添加することで製造できる。
【0018】
[処理液中の頭髪用繊維処理量]
本発明の処理液において、処理液中の頭髪用繊維処理量は、1Lの処理液に対して例えば100〜300g、好ましくは150〜250g、より好ましくは約200g、さらに好ましくは200gであることが好ましい。すなわち、処理する頭髪用繊維に応じて頭髪用繊維処理量を調整、あるいは、処理液量を調整することが好ましい。
【0019】
[水性樹脂]
本発明において水性樹脂とは、水系媒体に分散又は溶解、好ましくは分散して存在する樹脂をいう。処理液中の前記水性樹脂としては、水性樹脂エマルジョン又は水性樹脂溶液が好ましく、水性樹脂エマルジョンがより好ましい。前記水性樹脂エマルジョンとしては、従来公知の水性樹脂エマルジョンが使用でき、水性アクリル樹脂エマルジョン、水性ポリウレタン樹脂エマルジョン、水性エポキシ樹脂エマルジョン、水性ポリエステル樹脂エマルジョン、水性アルキド樹脂エマルジョン、水性メラミン樹脂エマルジョン、水性フッ素樹脂エマルジョン、又はこれらの組み合わせなどが挙げられる。これらのなかでも、頭髪用繊維の光沢(艶)低減の観点から、前記水性樹脂エマルジョンとしては水性アクリル樹脂エマルジョン、水性ポリウレタン樹脂エマルジョン、又はこれらの組み合わせが好ましい。なお、水性樹脂エマルジョンにおける粒径は水系媒体でエマルジョンを形成できる大きさであれば特に制限されず、例えば、0.1〜10μmである。また、水性樹脂エマルジョン又は溶液を使用する場合であっても、処理液における含有量は、前記エマルジョンの分散質又は溶質の重量に基づくものとする。
【0020】
前記水性アクリル樹脂エマルジョンとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチルなどの(メタ)アクリル酸エステル;ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタアクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシブチルメタアクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリエチレングリコールメタアクリレートなどのヒドロキシル基含有のアクリル系モノマー;(メタ)アクリロニトリル、アクリルアミド、N−(ヒドロキシメチル)アクリルアミドなどのアクリル系モノマー;必要に応じさらにスチレン、酢酸ビニル、ビニルトルエン、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマール酸などのモノマーの加えられたものが、界面活性剤を乳化剤とするか、あるいはPVAを保護コロイドとして公知な方法により乳化(共)重合されたものなどが挙げられる。
【0021】
前記ポリウレタン樹脂エマルジョンとしては、ポリオール成分とポリイソシアネート成分からなるものであり、ポリオール成分としては、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリ−2−メチルテトラメチレングリコール、ポリブタンジオールアジペート、ポリ−3−メチルペンタンジオールアジペート、ポリ−1,6−ヘキサンジオールアジペート、ポリネオペンチルグリコールアジペート、ポリ−3−メチルペンタンジオールカーボネート、ポリノナンジオールカーボネート、ポリエチレングリコールアジペート、ポリカプロラクトン、ポリ−β−メチルバレロラクトン、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、3−メチルペンタンジオール、ノナンジオール、オクタンジオール、ジメチロールヘプタン、又はこれらの組み合わせ等が使用できる。また、前記ポリイソシアネートとしては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’− ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジクロロ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−シクロヘキシレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチレンキシリレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、又はこれらの組み合わせ等が使用できる。
【0022】
[コロイダルシリカ含有シリコーンオイル]
処理液中の前記コロイダルシリカ含有シリコーンオイルとしては、前記シリコーンオイルを水性媒体に添加した場合に前記コロイダルシリカが分散可能なものであれば特に制限されない。このようなコロイダルシリカ含有シリコーンオイルとしては、例えば、商品名シュワットTR−502(北広ケミカル製)などが挙げられる。なお、処理液中のコロイダルシリカ含有シリコーンオイルの含有量は、シリコーンオイルを含む全体の重量に基づく。
【0023】
[処理液の媒体]
処理液の媒体は、水系媒体であって、好ましくは水であり、例えば、蒸留水、イオン交換水、又は超純水等が使用できる。処理液における水の含有量は、例えば、95重量%以上であって、好ましくは97重量%以上、より好ましくは98重量%以上、さらに好ましくは99重量%以上である。
【0024】
[処理液のその他の成分]
処理液は、上述した水性樹脂、コロイダルシリカ含有シリコーンオイル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される化合物に加えて、変性シリコーンやポリエーテルなどを含んでもよい。
【0025】
変性シリコーンとしては、頭髪用繊維のコンディショナー成分として従来使用されているものが使用でき、例えば、アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、カルボン酸変性シリコーン、及びポリエーテル変性シリコーンが使用できる。これらの変性シリコーンの官能基当量は、例えば通常アミン当量で500以上〜4000未満、且つ平均分子量は5000〜100000の範囲である。処理液における変性シリコーンの含有量は、頭髪用繊維の品質(触感、櫛通り、色相など)を維持する観点から、好ましくは0.04重量%以上、より好ましくは0.08重量%以上である。また、処理液における変性シリコーンの含有量は、頭髪用繊維の光沢(艶)低減の観点から、好ましくは0.4重量%以下であって、より好ましくは、0.32重量%以下である。したがって、処理液における変性シリコーンの含有量は、頭髪用繊維の光沢(艶)低減及び品質維持の観点から、好ましくは0.04〜0.4重量%であって、より好ましくは0.08〜0.32重量%である。
【0026】
ポリエーテルとしては、頭髪用繊維のコンディショナー成分として従来使用されているものが使用でき、例えば、重量平均分子量が15000程度の、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロック共重合体、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのランダム共重合体、又はエチレンオキシドとプロピレンオキシドのアルキルエーテルが好ましい。処理液におけるポリエーテルの含有量は、頭髪用繊維の集束性や静電気防止の観点から0.01〜0.5重量%が好ましい。
【0027】
[頭髪用繊維]
本発明の頭髪用繊維に用いる繊維は、蛋白繊維、合成繊維、及びこれらの組み合わせであり、従来の頭飾製品において頭髪として用いられる繊維を処理液で処理したものである。蛋白繊維は、好ましくは、再生コラーゲン繊維、人毛繊維、獣毛繊維を含む。また、合成繊維は、好ましくは、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維などのポリ塩化ビニル系合成繊維;ナイロンなどのポリアミド繊維;ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル繊維;ポリアクリロニトリル繊維、モダクリル繊維などのアクリル繊維;及びポリオレフィン繊維を含む。これらのなかでも、本発明の頭髪用繊維に用いる繊維としては、再生コラーゲン繊維、再生コラーゲン繊維と人毛繊維との組み合わせ、これらと合成繊維との組み合わせが好ましい。本発明の頭飾製品は、未処理の繊維、例えば、未処理の人毛繊維を含んでもよい。前記未処理の繊維は、光沢低減に影響を及ぼさない範囲で含むことが好ましい。モダクリル繊維としては、商品名KL−S、FS−TEX、WEAVY、AFRELLE、ENDURE(カネカ社製)などが挙げられる。PET繊維としては、商品名FUTURA(カネカ社製)、商品名WIGLON(大斗社製)、商品名ベガロン(バーグマン社製)、商品名NATURA(UNO社製)、商品名WaWa(青和社製)などが挙げられる。ポリ塩化ビニル繊維としては、商品名AD70、ADM60、ADW(カネカ社製)、商品名TOYO−R、TOYO−M、TOYO−T(電気化学社製)、商品名MODLON(大鯨社製)、商品名FALANG(UNO社製)などが挙げられる。また、ナイロンとしては、商品名サイバーヘアー(アデランス社製)、商品名BIOTEX(青和社製)などが挙げられる。
【0028】
[再生コラーゲン繊維]
本発明に用いられる再生コラーゲン繊維は、従来から再生コラーゲン繊維として知られているものを使用できる。前記再生コラーゲン繊維の単繊維繊度としては、例えば30〜90dtexである。再生コラーゲン繊維は、従来公知の方法で得ることができ、例えば、牛等の皮からなるコラーゲン原料を溶解処理することにより、可溶化して得られるコラーゲン溶液を、溶液紡糸することにより得ることができる。
【0029】
[処理方法]
処理液を用いて繊維を処理して頭髪用繊維を製造する方法(以下、本発明の処理方法ともいう)は、処理液を前記繊維に接触させる方法であれば特に制限されず、従来のコンディショニング工程におけるコンディショナーによる処理と同様に行うことができ、例えば、前記繊維を前記処理液に浸漬する方法、前記繊維に前記処理液をスプレーする方法などが挙げられる。浸漬により処理する場合、例えば、処理液1Lに対し100〜300g、好ましくは150〜250g、より好ましくは約200g、さらに好ましくは200gの繊維を10〜40℃で3〜20分浸漬し、その後、自然乾燥又は乾熱風により40〜50℃で乾燥することで処理出来る。処理液による処理の後、さらに、前述の変性シリコーンを含有する第2の処理液で第2の処理をすることが好ましい。この第2の処理により頭髪用繊維の触感、櫛通り、色彩などの品質が向上できるからである。第2の処理液における変性シリコーンの含有量は、例えば、0.16〜0.32重量%である。第2の処理方法は、例えば、前述と同様に、浸漬やスプレーが挙げられる。
【0030】
[光沢]
上述した本発明の処理方法により頭髪用繊維の光沢は、好ましく低減される。本発明における頭髪用繊維の光沢は、下記光沢測定方法で測定できる。
【0031】
(光沢測定方法)
測定サンプル: 20cm、5gの測定対象繊維の毛束(25万dtex)を準備し、コームで梳きながら下記測定機に付属の毛髪取付板に測定面が平らになる様に固定し、下記測定機にセットする。
測定機: 商品名GONIOPHOTOMETER GP−200型、村上色彩技術研究所製。
測定条件: 測定モード:反射、測定項目:変角とし、入射角30°、受光角0〜90°の時の最大反射率(%)を求める。n=5。光束絞り条件:VS1=5 VS3=3、感度:SENSITIVITY=950 HIGH VOLT=570。
【0032】
本発明の頭飾製品における頭髪用繊維のハンターLab表色系のL値が22未満である場合、光度計を用いて入射角30°、受光角0〜90°で測定した前記頭髪用繊維の束の最大反射率は、光沢抑制の点から、22%以下であることが好ましく、20%以下がより好ましく、18%以下がさらに好ましく、17%以下がさらにより好ましい。前記頭髪用繊維には、再生コラーゲン繊維が含まれることが好ましく、前記最大反射率は、前記再生コラーゲン繊維の束のものであることが好ましい。また、前記最大反射率は、上記光沢測定方法で測定した値であることが好ましい。
【0033】
本発明の頭飾製品における頭髪用繊維のハンターLab表色系のL値が22以上76以下である場合、光度計を用いて入射角30°、受光角0〜90°で測定した前記頭髪用繊維の束の最大反射率は、光沢抑制の点から、24%以下であることが好ましく、23%以下がより好ましく、22%以下がさらに好ましく、18%以下がさらにより好ましい。前記頭髪用繊維には、再生コラーゲン繊維が含まれることが好ましく、前記最大反射率は、前記再生コラーゲン繊維の束のものであることが好ましい。また、前記最大反射率は、上記光沢測定方法で測定した値であることが好ましい。
【0034】
本発明の頭飾製品における頭髪用繊維のハンターLab表色系のL値が76を越える場合、光度計を用いて入射角30°、受光角0〜90°で測定した前記頭髪用繊維の束の最大反射率は、光沢抑制の点から、55%以下であることが好ましく、50%以下がより好ましく、48%以下がさらに好ましく、39%以下がさらにより好ましい。前記頭髪用繊維には、再生コラーゲン繊維が含まれることが好ましく、前記最大反射率は、前記再生コラーゲン繊維の束のものであることが好ましい。また、前記最大反射率は、上記光沢測定方法で測定した値であることが好ましい。
【0035】
したがって、本発明は、その他の態様として、上記のハンターLab表色系のL値の値を満たし、かつ、上記最大反射率を満たす頭髪用繊維を含む頭飾製品である。前記頭飾用繊維は、再生コラーゲン繊維を含むことが好ましい。前記最大反射率は、前期再生コラーゲン繊維の束のものであることが好ましい。また、前記最大反射率は、上記光沢測定方法で測定した値であることが好ましい。この態様の本発明の頭飾製品は、一種類又は複数種類の頭髪用繊維を含むが、本発明の処理方法の未処理の繊維を含んでもよい。
【0036】
[頭飾製品]
本発明の頭飾製品の形態は特に制限されず、例えば、頭髪用繊維束(バンドル)、ウィービング、ウィッグ、ブレード、ツーペ、ヘアーエクステンション、及びヘアアクセサリーなどの形態を含む。
【0037】
[頭髪用繊維の製造方法]
本発明の製造方法は、(A)水性樹脂、コロイダルシリカ含有シリコーンオイル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される化合物を0.01重量%〜0.8重量%含み、さらに(B)アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、カルボン酸変性シリコーン、及びポリエーテル変性シリコーンからなる群から選択される少なくとも1つの化合物、並びに、(C)ポリエーテルを含有する処理液を用いて、蛋白繊維、合成繊維、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される繊維を処理する工程を含む頭髪用繊維の製造方法である。本発明の製造方法であれば、本発明の頭髪用繊維を製造できる。前記成分(A)〜(C)、蛋白繊維、合成繊維は、上述したものが使用でき、処理方法も上述のように行うことができる。本発明の製造方法は、前記工程の後、さらに、変性シリコーンを含有する第2の処理液で第2の処理を行う工程を含むことが好ましい。上記第2の処理により、頭髪用繊維の品質(触感、櫛通り、色相など)を一層向上できる。
【0038】
以下、実施例を用いて本発明をさらに説明する。
【実施例】
【0039】
実施例1〜8/比較例1〜2
これらの実施例・比較例においては、下記A〜Cの成分を含む処理液を用いて所定の繊維を処理し、処理後の頭髪用繊維の光沢、触感、櫛通り、及び色相を評価した。
【0040】
(処理液の調製)
まず、下記表1に示す成分A、B、及びCを同表に示す含有量になるようにイオン交換水に添加して処理液を調製した。実施例1〜5の成分Aとして、水性アクリル樹脂エマルジョン(水性アクリル樹脂成分40重量%、CAS番号27082−10−6)を使用した。前記水性アクリル樹脂は、アクリル酸、アクリル酸ブチル、アクリル酸エチル、N−(ヒドロキシメチル)アクリルアミド、及びメタクリル酸メチルをモノマーとするコポリマーである。レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置(商品名:LA−920、HORIBA社製)で測定した前記水性アクリル樹脂の算術平均径は0.234μmであった。実施例6の成分Aとして、コロイダルシリカ含有シリコーンオイル(商品名:シュワットTR−502、北広ケミカル社製)を使用した。前述と同様に測定した前記コロイダルシリカの算術平均径は、0.310μmであった。実施例7及び8の成分Aとして、水性ポリウレタン樹脂エマルジョン(水性ポリウレタン樹脂成分30重量%、商品名:BAYDERM Bottom 10 UD、LANXESS社製)を使用した。比較例1の処理液には、成分Aが入っておらず、比較例2では、成分Aとして、酸化チタンを使用した。実施例1〜8及び比較例1〜2において、成分Bとしてアミノ変性シリコーン(商品名:FZ−4645、東レダウコーニング社製)を使用し、成分Cとしてポリエーテル(重量平均分子量15000、商品名:KWC−Q、丸菱油化工業社製)を使用した。
【0041】
(処理方法)
繊維として、ウェフティングした再生コラーゲン繊維(商品名:ULTIMA7WT、KANEKA社製、65dtex)を用いた。この再生コラーゲン繊維を前記実施例1〜8及び比較例1〜2の処理液を用いてそれぞれ処理した。具体的には、25℃の前記処理液1L中に前記再生コラーゲン繊維(40cm、200g)を10分間浸漬した後、一昼夜自然乾燥した。実施例1〜2においては、前記処理液で処理して乾燥した頭髪用繊維を、さらに、成分Bを含む水溶液(0.18重量%)に10分間浸漬した後、一昼夜吊るした状態で自然乾燥を行った。
【0042】
(評価方法)
前記処理後の頭髪用繊維について、光沢、触感、櫛通り、色相について評価した。それらの評価基準を以下に示し、その結果を下記表1に示す。
【0043】
【表1】

光沢
L・・・艶が抑制され、人毛に近似した光沢
M・・・艶がある程度抑制される
H・・・艶が著しい
触感
5・・・非常に良好(ベタツキなく、非常に良好な触感)
4・・・良好(ベタツキが少なく、良好な触感)
3・・・普通
2・・・やや不良(ベタツキ気味の触感)
1・・・不良(ベタツキが顕著)
櫛通り
5・・・非常に良好
4・・・良好
3・・・普通
2・・・やや不良
1・・・不良
色相
5・・・非常に良好(鮮やかな色相)
4・・・良好
3・・・普通
2・・・やや不良
1・・・不良(死毛調が著しい)
【0044】
上記表1に示すとおり、成分A(水性アクリル樹脂、コロイダルシリカ含有シリコーンオイル、又は水性ポリウレタン樹脂)を含む処理液で処理した頭髪用繊維は(実施例1〜8)、繊維の光沢、すなわち、艶が抑制され、かつ、品質良好な繊維であった。また、処理液で処理した後にさらに成分B(アミノ変性シリコーン)を含む液で処理した実施例1〜3の繊維では、より一層触感、櫛通り、及び色相が向上する傾向が確認された。
【0045】
実施例9〜14
これらの実施例においては、下記表2に示す成分A、B、及びCを含む処理液を用いて所定の繊維を処理した後に最大反射率を測定し、未処理のものの最大反射率と比較した。
【0046】
(処理液の調製)
下記表2に示す成分A、B、及びCを同表に示す含有量になるようにイオン交換水に添加して実施例9〜14で使用する処理液を調製した。下記表2において、成分A(水性アクリル樹脂、水性ポリウレタン樹脂)、成分B(アミノ変性シリコーン)、及び成分C(ポリエーテル)については、上記実施例1で使用したものと同じものを使用した。
【0047】
(繊維)
繊維は、下記表2に示す繊維を使用した。実施例9及び12で使用した繊維は、上記実施例1と同じ再生コラーゲン繊維である。実施例10で使用した繊維は、ポリ塩化ビニル系繊維(商品名:ADM、KANEKA社製、70dtex)(40cm、200g)である。実施例11で使用した繊維は、ナイロン繊維(商品名:BIOTEX、青和社製、72dtex)(40cm、200g)である。実施例13で使用した繊維は、実施例1と同じの再生コラーゲン繊維とポリエステル繊維(商品名:FUTURA、KANEKA社製、65dtex)(40cm、200g)を重量比で50:50にブレンドした繊維である。実施例14で使用した繊維は、実施例1と同じの再生コラーゲン繊維とモダクリル繊維(商品名:FS−TEX、KANEKA社製、50dtex)(40cm、200g)を重量比で50:50にブレンドした繊維である。
【0048】
(処理方法)
ウェフティングした前記繊維を実施例9〜14の前記処理液を用いて下記表2の組み合わせで処理した。具体的には、25℃の前記処理液1L中に前記繊維を10分間浸漬した後、一昼夜自然乾燥した。
【0049】
(光沢測定方法)
上述の実施例9〜14における処理前後の繊維について光沢を測定した。光沢は、下記の測定方法により最大反射率として測定した。測定サンプルは、20cm、5gの前記処理前後の繊維の毛束(25万dtex)となるように準備した。前記毛束をコームで梳きながら下記測定機に付属の毛髪取付板に測定面が平らになる様に固定し、下記測定機にセットし、測定した。その結果を下記表2に示す。
測定機
商品名:GONIOPHOTOMETER GP−200型、村上色彩技術研究所製。
測定条件
測定モード:反射、測定項目:変角とし、入射角30°、受光角0〜90°の時の最大反射率(%)を求める。n=5。光束絞り条件:VS1=5 VS3=3、感度:SENSITIVITY=950 HIGH VOLT=570。
【0050】
【表2】

【0051】
上記表2に示すとおり、水性アクリル樹脂又は水性ポリウレタン樹脂を含む処理液で処理した場合、再生コラーゲン繊維(実施例9及び12)のほか、ポリ塩化ビニル系合成繊維及びナイロン繊維(実施例10及び11)などの合成繊維、並びに再生コラーゲン繊維とポリエステル又はモダクリル繊維との混用物(実施例13及び14)についても、頭髪用繊維の光沢、すなわち、艶を抑制できることが確認された。
【0052】
実施例15〜37/比較例3〜5
これらの実施例及び比較例では、異なる色相の繊維に対して本発明の処理方法を行い、その艶抑制効果(光沢抑制効果)を確認した。
【0053】
(処理液の調製)
処理液における濃度が、成分A(実施例1と同じ水性アクリル樹脂)は下記表3に示す濃度、成分B(実施例1と同じアミノ変性シリコーン)は0.32重量%、成分C(実施例1と同じポリエーテル)は0.08重量%となるように、成分A〜Cをイオン交換水に添加して処理液を調製して実施例15〜37及び比較例3〜5で使用する処理液を調製した。
【0054】
(繊維)
繊維は、実施例1と同じ再生コラーゲン繊維であって、濃色、中色、又は淡色に着色された3種類の繊維を使用した。ここで、濃色とは、ハンターLab表色系のL値が22未満の色をいい、中色とは、ハンターLab表色系のL値が22以上、76以下の色をいい、淡色とは、ハンターLab表色系のL値が76を越える色をいう。具体的には、濃色の繊維として商品名:TS7WT(ColorN0.2L)、(株)カネカ社製(ハンターLab L=20.4)を使用し、中色の繊維として商品名:TS7WT(ColorN0.27LA)(株)カネカ社製(ハンターLab L=41.7)を使用し、淡色の繊維として、商品名:TS7WT(ColorN0.613LA)(株)カネカ社製(ハンターLab L=77.8)を使用した。
【0055】
(処理方法)
ウェフティングした前記繊維を実施例15〜37及び比較例3〜5の前記処理液を用いて下記表3〜5の組み合わせで処理した。具体的には、25℃の前記処理液1L中に前記繊維200gを10分間浸漬した後、一昼夜自然乾燥した。
【0056】
(光沢測定方法)
上述の実施例15〜37及び比較例3〜5における処理前後の繊維について光沢を測定した。光沢は、下記の測定方法により最大反射率として測定した。測定サンプルは、20cm、5gの前記処理前後の繊維の毛束(25万dtex)となるように準備した。前記毛束をコームで梳きながら下記測定機に付属の毛髪取付板に測定面が平らになる様に固定し、下記測定機にセットして測定した。濃色の繊維の結果を下記表3に示し、中色の繊維の結果を下記表4に示し、淡色の繊維の結果を下記表5に示し、これらの結果をまとめて図1に示した。
【0057】
測定機
商品名:GONIOPHOTOMETER GP−200型、村上色彩技術研究所製。
【0058】
測定条件
測定モード:反射、測定項目:変角とし、入射角30°、受光角0〜90°の時の最大反射率(%)を求める。n=5。光束絞り条件:VS1=5 VS3=3、感度:SENSITIVITY=950 HIGH VOLT=570。
【0059】
【表3】

【0060】
【表4】

【0061】
【表5】

【0062】
上記表3〜5及び図1に示すとおり、成分A(水性樹脂)による頭髪用繊維の光沢(艶)低減効果は、0.01重量%付近から発現し、0.32重量%付近でプラトーに達することが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0063】
以上説明したとおり、本発明によれば、例えば、光沢が抑制され良好な品質の頭髪用繊維を備え、外観上の違和感が低減された頭飾製品を提供できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蛋白繊維、合成繊維、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される繊維と、水性樹脂、コロイダルシリカ含有シリコーンオイル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される化合物を含む頭髪用繊維。
【請求項2】
さらに、アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、カルボン酸変性シリコーン、及びポリエーテル変性シリコーンからなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含む、請求項1記載の頭髪用繊維。
【請求項3】
さらに、ポリエーテルを含む、請求項1又は2のいずれかに記載の頭髪用繊維。
【請求項4】
前記水性樹脂が、水性アクリル樹脂及び/又は水性ポリウレタン樹脂である、請求項1から3のいずれかに記載の頭髪用繊維。
【請求項5】
前記蛋白繊維が、再生コラーゲン繊維である、請求項1から4のいずれかに記載の頭髪用繊維。
【請求項6】
前記合成繊維が、ポリ塩化ビニル系繊維、ナイロン繊維、モダクリル繊維、及び、ポリエステル繊維から選択される少なくとも1つの合成繊維である、請求項1から5のいずれかに記載の頭髪用繊維。
【請求項7】
蛋白繊維、合成繊維、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される繊維を、水性樹脂、コロイダルシリカ含有シリコーンオイル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される化合物0.01重量%〜0.8重量%含有する処理液で処理して得られることを特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載の頭髪用繊維。
【請求項8】
前記処理液が、アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、カルボン酸変性シリコーン、及びポリエーテル変性シリコーンからなる群から選択される少なくとも1つの化合物、及び、ポリエーテルを含む、請求項7記載の頭髪用繊維。
【請求項9】
前記水性樹脂が、水性アクリル樹脂及び/又は水性ポリウレタン樹脂である、請求項7又は8のいずれかに記載の頭髪用繊維。
【請求項10】
前記頭髪用繊維のハンターLab表色系のL値が22未満であって、光度計を用いて入射角30°、受光角0〜90°で測定した前記頭髪用繊維の束の最大反射率が、22%以下である、請求項1から9のいずれかに記載の頭髪用繊維。
【請求項11】
前記頭髪用繊維のハンターLab表色系のL値が22以上76以下であって、光度計を用いて入射角30°、受光角0〜90°で測定した前記頭髪用繊維の束の最大反射率が、24%以下である、請求項1から9のいずれかに記載の頭髪用繊維。
【請求項12】
前記頭髪用繊維のハンターLab表色系のL値が76を越え、光度計を用いて入射角30°、受光角0〜90°で測定した前記頭髪用繊維の束の最大反射率が、55%以下である、請求項1から9のいずれかに記載の頭髪用繊維。
【請求項13】
前記頭髪用繊維の再生コラーゲン繊維を含み、前記最大反射率が、前記再生コラーゲン繊維の束の最大反射率である、請求項10から12のいずれかに記載の頭髪用繊維。
【請求項14】
請求項1から13のいずれかに記載の頭髪用繊維を用いてなる頭飾製品。
【請求項15】
前記頭飾製品が、頭髪用繊維束、ウィービング、ウィッグ、ブレード、ツーペ、ヘアーエクステンション、又はヘアアクセサリーである、請求項14に記載の頭飾製品。
【請求項16】
請求項1から13のいずれか一項に記載の頭髪用繊維の製造方法であって、
処理液を用いて蛋白繊維、合成繊維、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される繊維を処理する工程を含み、
前記処理液は、水性樹脂、コロイダルシリカ含有シリコーンオイル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される化合物を0.01重量%〜0.8重量%含み、
前記処理液は、さらに、アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、カルボン酸変性シリコーン、及びポリエーテル変性シリコーンからなる群から選択される少なくとも1つの化合物、並びに、ポリエーテルを含む、頭髪用繊維の製造方法。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2012−251264(P2012−251264A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−125745(P2011−125745)
【出願日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(000000941)株式会社カネカ (3,932)