説明

顔料分散体の製造方法

【課題】高濃度で、小粒径で分散した顔料分散体を低コストで得ることができる顔料分散体の製造方法の提供。
【解決手段】顔料が溶解した溶液より顔料を析出させ、析出した顔料が分散媒中に分散する顔料分散体の製造方法であって、前記顔料を有機酸に溶解させた溶液を用意する工程と、前記溶液中の顔料の溶解度を低下させる反応液4を用意する工程と、前記溶液と前記反応液とを下記一般式(1)で示される添加剤の存在下で混合する工程と、を有する顔料分散体の製造方法。


(式中、mは14より大きく18より小さい整数、nは15以上25以下の整数を表す。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種機能物質材料として有用な顔料分散体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
機能性物質を含有する分散体材料には、従来から機能性材料として、除草剤、殺虫剤等の農薬、抗がん剤、抗アレルギー剤、消炎剤等の医薬、また着色剤を有するインク、トナー等の色材が良く知られている。その中でもキノリン化合物においては農薬、医薬の中間体としてや有機EL材料として知られている。また、そのうちキナクリドン化合物は色材としての利用も盛んに行なわれ、中でも顔料としての用途も知られている。近年、デジタル印刷技術は非常な勢いで進歩している。このデジタル印刷技術は、電子写真技術、インクジェット技術と言われるものがその代表例であるが、近年オフィス、家庭等における画像形成技術としてその存在感をますます高めてきている。
【0003】
インクジェット技術はその中でも直接記録方法として、コンパクト、低消費電力という大きな特徴がある。また、ノズルの微細化等により急速に高画質化が進んでいる。インクジェット技術の一例は、インクタンクから供給されたインクをノズル中のヒーターで加熱することで蒸発発泡し、インクを吐出させて記録媒体に画像を形成させるという方法である。他の例はピエゾ素子を振動させることでノズルからインクを吐出させる方法である。
【0004】
これらの方法に使用されるインクは通常染料水溶液が用いられるため、色の重ね合わせ時ににじみが生じたり、記録媒体上の記録箇所に紙の繊維方向にフェザリングと言われる現象が現れたりする場合があった。これらを改善するために顔料分散インクを使用することが、特許文献1に開示されている。
【0005】
ところが顔料分散インクは染料インクと比較して発色が劣る場合が多い。それは、顔料粒子による光散乱や光反射が生じるため、一般に顔料インクにより形成された画像は染料インクによる画像と比較して発色性が低いという傾向がある。また、粗大顔料粒子はインクジェットヘッドのノズル詰まりの要因となる。これら顔料インクの課題を改善する方法のひとつとして顔料粒子を微細化する試みがなされている。100nm以下に微細化された顔料は、光散乱の影響が小さく、かつ比表面積が増大するため、発色性の改善が期待されている。
【0006】
一般的に顔料分散インクは、通常水不溶性の顔料を水性媒体に分散して得られるが、顔料を分散剤を含む水性媒体に添加後、硬質ビーズを使用し、サンドミル、ボールミルなどの分散機によって微細化する工程を経る。そこで、いかに微細かつ安定な顔料分散物を得るかが大きな課題になっている。特許文献2には、ビーズを用い、高速ミル分散により、粒径100nm以下の顔料粒子分散物を得る方法が記載されている。この手法によれば、確かに微細な分散物が得られるが、分散に多大なるエネルギーを要し、煩雑な分散液とビーズの分離工程も必要である。
【0007】
一方、顔料を一度溶解させた後に再び析出させて顔料の微粒子を作るという方法が提案されている。特許文献3では硫酸を用いて一度顔料を溶解させるアシッドペースティング法による微粒子化が提案されているが、100ナノメートル以下の顔料を得るには至っていない。また、特許文献4、特許文献5には塩基存在下の非プロトン性極性溶剤に顔料を溶解した後、酸で中和して微細な顔料粒子を得る方法が記載されているが、顔料の微細化と分散安定化処理を同時に行っていないため、始め微細であった顔料粒子も分散時には既に凝集を起こしており、実質ナノメートルオーダーの顔料分散体を得ることは必ずしも容易ではない。
【0008】
また、特許文献6、特許文献7、特許文献8ではアルカリ存在下で非プロトン性極性溶剤に顔料と界面活性剤や樹脂などの分散剤を一緒に溶解させた後、酸で中和して顔料を析出させて微細な顔料粒子を得ている。これらの方法は溶解性の乏しい顔料を溶解しているため、顔料を溶解するのに必要な溶媒量が多くなり高濃度で分散体を生成するのは必ずしも容易ではない。多量の有機溶媒を使用することはコスト高につながり、また廃液の処理費用もかかる。また、分散体生成後に溶媒の減圧留去や限外ろ過等により濃縮をすることは可能ではあるが、高濃度の分散体にしていくには多大な労力と時間を要すため、なお多くの改善が望まれている。
【0009】
また、特許文献9ではキャピラリーを反応器として用いて2,9−ジメチルキナクリドンを合成にて生成させることが開示されている。この合成反応においては原料と常温では固体のp−トルエンスルホン酸とジメチルホルムアミドとエチレングリコールとを混合した溶液をオイルバスで加熱されたキャピラリー中を流通させて2,9−ジメチルキナクリドンを合成している。
【特許文献1】米国特許第5085698号明細書
【特許文献2】特開平9−176543号公報
【特許文献3】特開平9−221616号公報
【特許文献4】特公平4−29707号公報
【特許文献5】特公平6−4476号公報
【特許文献6】特公平5−27664号公報
【特許文献7】特公平6−96679号公報
【特許文献8】特公平6−33353号公報
【特許文献9】特開2005−307154号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、常温では固体のp−トルエンスルホン酸はそのままではキャピラリー内を流通させることは困難であり、溶媒を使用していることから高濃度で2,9−ジメチルキナクリドンを得ることは必ずしも容易ではない。また水を分散媒とした2,9−ジメチルキナクリドンを得るには水への転相が必要であり、さらに濃度が低下する。また分散剤共存下での合成を行なうにあたっては高温酸性条件下で分散剤が分解する懸念もあり、扱える分散剤も限られたものになってしまう可能性がありなお多くの改善が望まれている。
本発明は、この様な背景技術を鑑みてなされたものであり、高濃度で、小粒径で分散した顔料分散体を低コストで製造する方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決する顔料分散体の製造方法は、顔料が溶解した溶液より顔料を析出させて、析出した顔料が分散媒中に分散する顔料分散体の製造方法であって、前記顔料を有機酸に溶解させた溶液を用意する工程と、前記溶液中の顔料の溶解度を低下させる反応液を用意する工程と、前記溶液と前記反応液とを下記一般式(1)で示される添加剤の存在下で混合する工程と、を有することを特徴とする。
【0012】
【化1】

【0013】
(式中、mは14より大きく18より小さい整数、nは15以上25以下の整数を表す。)
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、高濃度で、小粒径で分散した顔料分散体を低コストで製造する方法を提供することができる。また、本発明においては、高濃度にて顔料分散体を生成できることと溶媒量を減らすことができ、製造コストの低減への効果も奏する。本発明の顔料分散体の製造方法を利用すれば、小粒径分散した色材として有用な顔料分散体を生成することができるため高発色な顔料分散体を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明に係る顔料分散体の製造方法は、顔料が溶解した溶液より顔料を析出させて、析出した顔料が分散媒中に分散する顔料分散体の製造方法であって、前記顔料を有機酸に溶解させた溶液を用意する工程と、前記溶液中の顔料の溶解度を低下させる反応液を用意する工程と、前記溶液と前記反応液とを下記一般式(1)で示される添加剤の存在下で混合する工程と、を有することを特徴とする。
【0016】
【化2】

【0017】
(式中、mは14より大きく18より小さい整数、nは15以上25以下の整数を表す。)
【0018】
前記顔料を有機酸に溶解させた溶液に前記一般式(1)で示される添加剤を添加した後、前記溶液と前記反応液とを混合場にて混合して顔料の析出と分散を行うことが好ましい。
【0019】
前記顔料がキナクリドン顔料であることが好ましい。
前記顔料を有機酸に溶解させた溶液と前記反応液のどちらか一方がマイクロ流路から供給されることが好ましい。
【0020】
前記混合場に供給される前記顔料を有機酸に溶解させた溶液と前記反応液の両方がマイクロ流路から供給されることが好ましい。
前記混合場がマイクロ流路であることが好ましい。
【0021】
前記マイクロ流路の内径の短辺が50μm以上3000μm以下であることが好ましい。
前記有機酸が有機スルホン酸であることが好ましい。
【0022】
以上が本発明の基本的な構成要素及びより具体的な態様であり、その詳細及び作用について典型的な例によって以下に説明する。
本発明は、顔料が溶解した溶液より顔料を析出させて分散媒中に添加剤を伴って顔料が分散する顔料分散体の製造方法である。
【0023】
本発明で使用する顔料の種類は特に限定されず、有機酸に溶解するものであれば公知の顔料を用いることができる。特に、顔料は有機顔料が好ましい。例示すると、無金属フタロシアニン、銅フタロシアニンおよびその誘導体、ハロゲン化銅フタロシアニン、チタニルフタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料およびその誘導体;不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、アゾレーキ、キレートアゾ顔料などのアゾ系顔料;キナクリドン系顔料;イソインドリノン系顔料;インダンスロン系顔料;ジケトピロロピロール系顔料;ジオキサジン系顔料;ペリレン系顔料;ペリノン系顔料;アントラキノン系顔料等が挙げられるが、使用可能な顔料はこれらに限定されるわけではない。
【0024】
上記顔料としては、市販されている顔料を用いても良く市販されている顔料を以下に例示した。
シアン色の顔料としては、C.I.Pigment Blue−1、C.I.Pigment Blue−2、C.I.Pigment Blue−3、C.I.Pigment Blue−15、C.I.Pigment Blue−15:2、C.I.Pigment Blue−15:3、C.I.Pigment Blue−15:4、C.I.Pigment Blue−16、C.I.Pigment Blue−22、C.I.Pigment Blue−60等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0025】
マゼンタやレッドの顔料としては、C.I.Pigment Red−5、C.I.Pigment Red−7、C.I.Pigment Red−12、C.I.Pigment Red−48、C.I.Pigment Red−48:1、C.I.Pigment Red−57、C.I.Pigmen Red−112、C.I.Pigment Red−123、C.I.Pigment Red−146、C.I.Pigment Red−168、C.I.Pigment Red−184、C.I.Pigment Red−210、C.I.Pigment Red−242、C.I.Pigment Red−253、C.I.Pigment Red−254、C.I.Pigment Red−256等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0026】
グリーンの顔料としては、C.I.Pigment Green−7、C.I.Pigment Green−36等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0027】
本発明に係る顔料分散体の製造方法は、下記の一般式(2)に示すような構造のキナクリドン顔料分散体の製造方法として特に好ましい。
【0028】
【化3】

【0029】
(式中、AおよびBは水素原子、アルキル基またはハロゲン原子を表す。)
【0030】
本発明で用いられるキナクリドン顔料としては、無置換キナクリドン、ジメチルキナクリドン、ジハロゲン化キナクリドン等が挙げられる。これらは、C.I.Pigment Violet 19、C.I.Pigment Red 122、C.I.Pigment Red 202、C.I.Pigment Red 207、C.I.Pigment Red 209等である。これらは単独使用でも二種以上を併用しても良い。
【0031】
本発明の顔料分散体の製造方法は、顔料を有機酸に溶解させた溶解液を用意する工程を行う。顔料は酸への溶解性は高いため高濃度に顔料が溶解した溶解液を調製することができる。また、濃硫酸のような無機酸を使った場合においては非イオン性界面活性剤を加えると、非イオン性界面活性剤は分解しやすい。有機酸でも顔料を溶解するだけの溶解性を有しており、非イオン性界面活性剤を加えても非イオン性界面活性剤は分解しにくい。特に低温条件で非イオン性界面活性剤を加えれば分解を回避することが可能になる。従って使用することができる非イオン性界面活性剤の選択の幅が拡がるという効果が生じる。
【0032】
本発明で使用される有機酸の一例として、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ブタンスルホン酸等のアルキルスルホン酸;これらがハロゲンで置換されたハロゲン化アルキルスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、p−クロロベンゼンスルホン酸、p−キシレン−2−スルホン酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸等が使用することができるがこれらに限定されるものではない。また、これらは1種類単独でまたは2種類以上を併用して用いることができる。
【0033】
溶解においてはこれら有機酸が常温で固体である場合はその融点以上に加熱し溶解を行なっても良い。また顔料の溶解においては常温または加熱を行なっても良い。
また、これら有機酸に溶媒を加え溶解液の流動性を増してもよい。溶媒の一例として、ジメチルスルホキシド、ジメチルイミダゾリジノン、スルホラン、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクトン、酢酸、アセトニトリル等が好ましい溶媒として挙げられ、これらは1種類単独でまたは2種類以上を併用して用いることができる。
【0034】
本発明の顔料分散体の製造方法の一実施態様としては、顔料を有機酸に溶解させた溶解液に、下記一般式(1)に示される非イオン性界面活性剤からなる添加剤を添加し、顔料を有機酸に溶解させた溶液を用意する工程を行う。
【0035】
【化4】

【0036】
(式中、mは14より大きく18より小さい整数、nは15以上25以下の整数を表す。)
【0037】
上記一般式(1)で示される非イオン性界面活性剤からなる添加剤はポリオキシエチレンアルキルエーテルと呼ばれ、水に溶かしたときに、イオンに解離しない界面活性剤であり広いpH域において分散剤として寄与する。分散剤共存下において顔料が析出することによって粗大な粒子に成長する前に分散剤にて顔料に分散性が付与されるため小粒径の分散体として得ることが可能となる。非イオン性界面活性剤の添加はそのまま、もしくは溶媒で希釈して添加する。希釈する溶媒としては、有機酸を使用することができ、一例として、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ブタンスルホン酸等のアルキルスルホン酸;これらがハロゲンで置換されたハロゲン化アルキルスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、p−クロロベンゼンスルホン酸、p−キシレン−2−スルホン酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸等が使用することができるがこれらに限定されるものではない。また、これらは1種類単独でまたは2種類以上を併用して用いることができる。
【0038】
また、前記有機酸の他に、ジメチルスルホキシド、ジメチルイミダゾリジノン、スルホラン、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクトン、酢酸、アセトニトリル等が好ましい溶媒として挙げられ、これらは1種類単独でまたは2種類以上を併用して用いることができる。
【0039】
添加剤の非イオン性界面活性剤の添加は、顔料を有機酸で溶解させた溶解液を用意する工程の後に行なうことが好ましいが、非イオン性界面活性剤の添加後に顔料を有機酸で溶解させても良い。顔料を有機酸で溶解させる際に加熱を行なう場合は、顔料を有機酸で溶解させた溶解液を用意した後に非イオン性界面活性剤の添加する方が好ましい。なぜなら、有機酸存在下の加熱によって非イオン性界面活性剤が分解してしまう可能性があるからである。使用する非イオン性界面活性剤が有機酸存在下の加熱によって分解されないものであれば非イオン性界面活性剤の添加後に顔料を有機酸で溶解させても良い。
【0040】
本発明で使用される非イオン性界面活性剤は前記一般式(1)に示されることを特徴とし、疎水性のユニットとなるアルキル鎖(C2m+1)におけるmは14より大きく18より小さく(14<m<18)、好ましくは15もしくは16であるのが望ましい。
【0041】
また、親水性ユニットとなるポリオキシエチレン鎖((OCHCH)におけるnは15以上25以下、好ましくは17以上23以下であるのが望ましい。
本発明においては、上記の範囲の(mとn)の非イオン性界面活性剤を用いることにより、顔料分散体生成時において高濃度でかつ小粒径の顔料分散体を安定に生成すること特徴とする。高濃度かつ有機酸による酸性条件下での水溶性溶媒の反応液との混合による顔料の析出において、疎水性の顔料表面に速やかに非イオン性界面活性剤の疎水性ユニットが吸着する。
【0042】
一方、非イオン性界面活性剤の親水性ユニットは水溶性溶媒との親和性により分散に機能する。ところが顔料分散体生成時において顔料濃度が高い状態で析出させると互いの有機分子同士の間隔も近いため粒子成長しやすいし、凝集もしやすい。そこで、本発明者らはmとnの最適な範囲の非イオン性界面活性剤を用いることによって上記課題を克服する方法を見出した。
【0043】
本発明においては、非イオン性界面活性剤の親水性ユニットのnが大きい場合はその分、分子鎖も長くなり近接する他の非イオン性界面活性剤と互いに絡み合い顔料分散体同士の凝集も起こってしまう。またnが小さい場合は親水性ユニット数が小さいため水溶性溶媒との親和性が低下し凝集を誘発する。本発明のポリオキシエチレン鎖((OCHCH)のnを15以上25以下の非イオン性界面活性剤を用いることにより、これらを抑制することが可能になる。一方、mが大きい場合、疎水性ユニットの分子鎖が長くなり、顔料析出時において流体中におけるモビリティが低下し、顔料析出時に速やかに顔料表面に吸着できず顔料粒子の成長し顔料自体の粒径が大きくなってしまう。また分子鎖が長いとひとつの分子鎖に複数個の顔料粒子が吸着し凝集形態をとってしまう可能性もある。またmが小さいと顔料表面への吸着性が乏しくなるため安定に分散させにくい。本発明のアルキル鎖(C2m+1)におけるmを14より大きく18より小さい非イオン性界面活性剤を用いることにより、これらを抑制することが可能になることを本発明者らの検討で見出した。
【0044】
本発明において、添加剤の非イオン性界面活性剤の添加量は、顔料の重量に対して0.1倍以上10倍以下、好ましくは0.1倍以上6倍以下であるのが望ましい。0.1倍未満では小粒径の分散が困難且つ分散安定性に影響があり、10倍を越えると分散液の粘度が向上しハンドリングの面で好ましくない。
【0045】
本発明の顔料分散体の製造方法は、水溶性溶媒からなる反応液を用意する工程を有する。水溶性溶媒としては、顔料を有機酸に溶解させた溶液に溶解している顔料の溶解度を低下させ析出させるものを用いる。こうすることによって顔料を有機酸に溶解させた溶液に溶解していた顔料は反応液との混合によって溶解度が低下し析出する。
【0046】
本発明で使用される水溶性溶媒として一例として、水、ジメチルスルホキシド、ジメチルイミダゾリジノン、スルホラン、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクトン、アセトン、アセトニトリル等が好ましい溶剤として挙げられ、これらは1種類単独でまたは2種類以上を併用して用いることができる。これら水溶性溶媒に界面活性剤を加えても良い。界面活性剤は分散安定性や粘度調整の目的で使用する。界面活性剤の添加量は、水溶性溶媒の重量に対してに対して0.01倍以上3倍以下、好ましくは0.1倍以上1倍以下であるのが望ましい。
【0047】
界面活性剤としては、アニオン性、非イオン性、カチオン性、両イオン性活性剤を用いることができる。
アニオン性界面活性剤としては、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルジアリールエーテルジスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸塩、ナフタレンスルホン酸フォルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル塩、グリセロールボレイト脂肪酸エステル等が挙げられる。
【0048】
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、が挙げられる。
【0049】
カチオン性活性剤の例としては、アルキルアミン塩、第4級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、アルキルイミダゾリウム塩等が挙げられる。
両イオン性界面活性剤としては、アルキルベタイン、アルキルアミンオキサイド、ホスファジルコリン等が挙げられる。また両親媒性のブロック共重合体もまた用いることができるがこれらに限定されるものではない。
【0050】
また、反応液の水溶性溶媒に酸やアルカリを添加して生成する顔料の分散液のpHを調整しても良い。
【0051】
本発明の顔料分散体の製造方法は、上記顔料を有機酸に溶解させた溶液と反応液とを混合場にて混合し、顔料の析出と分散を行うことを特徴とする。顔料を有機酸に溶解させた溶液には有機酸を用いることにより高濃度に顔料が溶解しているため、反応液との混合によって得られる顔料分散液中の顔料濃度を高くすることができる。すなわち使用する溶媒量を低減することもでき、その後の濃縮時間や精製時間の短縮できることから低コスト化への効果を奏する。
【0052】
混合場としては超音波振動子やフルゾーン撹拌羽、内部循環型撹拌装置、外部循環型撹拌装置、流量およびイオン濃度制御装置等の従来公知の撹拌、混合、分散、晶析に使用される装置を用いることができる。
【0053】
本発明の顔料分散体の製造方法は、上記混合場に顔料を有機酸に溶解させた溶液と反応液のどちらか一方もしくは両方がマイクロ流路から供給されることを特徴とする。これによりどちらか一方もしくは両方の流体量を調整しながら顔料分散体を製造することができる。顔料を有機酸に溶解させた溶液の流動性を上げるために加熱を行ないながら行なっても良いが分散剤が分解しない温度で行なうことが好ましい。
【0054】
さらに両方をマイクロ流路から供給しお互いの流体同士を図1に示すような方法で混合すれば常に両流体は同じタイミングで混合されるため秩序性が上がり分散体の粒径は揃いやすくなる。またマイクロ流路から供給される流体同士は絶対量が小さいため速やかな混合が行なわれ小粒径になりやすい。速やかな混合が行なわれると小粒径になりやすい理由は、瞬間的な混合により多数の核が生じ、それに基づき多数の粒子が成長するため、結晶化(粒子化)がスムーズに行なわれ一次粒径の小さい粒子が形成されるからである。反応場へ供給するマイクロ流路の開口部の開口径の短辺は混合効率の観点から好ましくは3000μm以下であり、より好ましくは1000μm以下であり、さらに好ましくは500μm以下であり、最も好ましくは100μm以下である。また、マイクロ流路からの流出のさせやすさと流体の粘性等の観点から好ましくは10μm以上であり、より好ましくは50μm以上である。ここでいう開口径の短辺とは開口部の開口面における最も短い辺を指す。例えば100μm×1cm長方形の開口形状であった場合の短辺は100μmとなる。開口径が小さいほど、反応場に供給される流体の液幅が小さくなり、混合が効率良く行なわれる。一方、開口径が大きくなると液幅も大きくなり混合の効率は低下してしまう。ただし、反応液の粘性が高いものを扱う場合、開口径の小さいものを用いると圧力損失が大きくなり吐出できないこともあるので、扱う反応液に応じた開口径を設定する必要がある。
【0055】
なお、開口部の断面形状は、例えば円、楕円、正方形等の多角形、長方形の形状のものが挙げられる。
本発明の顔料分散体の製造方法は、上記混合場がマイクロ流路であることを特徴とする。混合場として用いるマイクロ流路としてはマイクロリアクターを用いても良い。マイクロリアクターは、マイクロスケールの複数の流路を有する反応や混合装置を一般に総称するものである。例えば、“Microreactors New Technologyfor Modern Chemistry”(Wolfgang Ehrfeld、Volker Hessel、Holger Loewe著、WILEY−VCH社 2000年発行)等に詳細に記載されている。マイクロリアクターの流路は流路幅が数μmから数百μmないし数千μmのマイクロスケールであり、寸法が小さく流路内を流れる流体の流速も小さいためレイノルズ数は小さい。ここでいうレイノルズ数とは慣性力と粘性力との比で一般に層流と乱流を区別する際に用いられる指標である。一般にレイノルズ数が1000を超えると不安定な層流となり2000を超えると乱流といわれる。
【0056】
マイクロスケールの流路内を流れる流体は一般的な反応装置のような乱流支配でなく層流支配となりやすい。層流支配下では2つの液体の流れを接触させても界面を通じた拡散が支配的となる。また、マイクロスケール空間では単位体積あたりの表面積が大きいため2液の層流が接触する界面での拡散混合に非常に有利といわれている。またFickの法則により混合に要する時間は拡散距離の2乗に比例する。すなわち分子拡散による混合は流路幅を小さくすればするほど混合時間は速くなる。具体的には流路幅が1/10になれば混合時間は1/100になる。したがって複数の流体の接触させて混合を行なう混合流路の流路幅として好ましくは3000μm以下、より好ましくは500μm以下、更に好ましくは200μm以下、望ましくは、100μm以下である。流路幅の下限は、流路製造上の制約と得られる分散物の粒径を考慮すると30μm程度とされる。流路幅が狭くなるにつれ、拡散距離が短くなり、混合時間の短縮、反応時間の短縮につながる。
【実施例】
【0057】
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
実施例1
本実施例は顔料として2,9−ジメチルキナクリドンを用いる。300mlの茄子型フラスコに2,9−ジメチルキナクリドンを10重量部入れ、そこにメタンスルホン酸80重量部に常温にて加える。その茄子型フラスコを80℃に加熱されたオイルバスに浸しアルゴンガス雰囲気下10分間加熱攪拌を行なう。2,9−ジメチルキナクリドンが溶解し青紫色したキナクリドン顔料溶解液を調製する。
【0058】
キナクリドン顔料溶解液50mlに非イオン性界面活性剤としてポリオキシエチレンセチルエーテル(C1633(OCHCH20OH)を6.86重量部をアセトニトリル30重量部に溶解した溶液を添加し顔料を有機酸に溶解させた溶液を調製する。反応液として1重量%のポリオキシエチレンラウリルエーテル(C1225(OCHCH41OH)水溶液を用いる。
【0059】
混合場1への供給は図1に示すようなマイクロ流路2を利用する。混合場1に顔料を有機酸に溶解させた溶液を供給するマイクロ流路2はテフロン(登録商標)製の円形パイプで形成し、その開口部3の開口径は250μm(直径)である。混合場へはシリンジポンプを用いて流量5ml/minで供給した。
【0060】
もう一方のマイクロ流路はテフロン(登録商標)製の円形パイプで形成し、その開口部3の開口径は250μm(直径)である。混合場へはシリンジポンプを用いて流量8ml/minで供給した。
【0061】
これらの顔料を有機酸に溶解させた溶液と反応液は空中に設けられた混合場1で合流し、2,9−ジメチルキナクリドンの粒子の生成と分散が瞬時に起こりマゼンタの色を呈する分散体が高濃度で得られる。得られる分散液を限外ろ過にて精製と濃縮を行なう。元々分散体が高濃度で得られていたため短時間で済む。DLS−8000(大塚電子社製)を用いて顔料微粒子の平均粒子径を測定すると得られる分散体の粒径も非常に揃った均一なものになり平均粒子径は90nmである。得られるキナクリドン顔料を10日間静置しておいても沈殿は生じない。得られるキナクリドン顔料を色材顔料(C.I.Pigment Red−122)として用い、分散された分散体をインクジェット用インクとして用いBJプリンターBJ F900(キヤノン社製)のインクタンクに充填し、普通紙に記録すると文字がきれいに印字できる。
【0062】
比較例1
顔料を有機酸に溶解させた溶液に添加する非イオン性界面活性剤としてポリオキシエチレンラウリルエーテル(C1225(OCHCH41OH)(n=41)を用いた以外は第1実施例と同様に行なう。得られる分散液を限外ろ過にて精製と濃縮を行なう。DLS−8000(大塚電子社製)を用いて顔料微粒子の平均粒子径を測定すると得られる分散体の粒径分布の幅が大きく平均粒子径は160nmである。得られるキナクリドン顔料を10日間静置しておくと沈殿は目視で確認できる沈殿物が確認される。
【0063】
実施例2
本実施例は顔料として無置換キナクリドンを用いる。300mlの茄子型フラスコに無置換キナクリドンを10重量部入れ、そこにメタンスルホン酸60重量部とトリフルオロ酢酸30重量部を常温にて加える。その茄子型フラスコを45℃に加熱されたオイルバスに浸しアルゴンガス雰囲気下10分間加熱攪拌を行なう。無置換キナクリドンが溶解し青紫色したキナクリドン顔料溶解液を調製する。キナクリドン顔料溶解液50mlに非イオン性界面活性剤としてポリオキシエチレンセチルエーテル(C1633(OCHCH15OH)を6.86重量部をアセトニトリル30重量部に溶解した溶液を添加し顔料を有機酸に溶解させた溶液を調製する。
【0064】
反応液として1重量%のポリオキシエチレンラウリルエーテル(C1225(OCHCH41OH)水溶液を用いる。
混合場としては三角フラスコを用いる。反応液を三角フラスコに80ml加えメカニカルスターラーを用いて攪拌を行なう。顔料を有機酸に溶解させた溶液の混合場への供給はマイクロ流路を用いる。混合場1に顔料を有機酸に溶解させた溶液を供給するマイクロ流路2はテフロン(登録商標)製の円形パイプで形成し、その開口部3の開口径は170μm(直径)である。
【0065】
混合場へはシリンジポンプを用いて流量3ml/minで17分間供給する。三角フラスコ内で2,9無置換キナクリドンの粒子の生成と分散が瞬時に起こり赤紫の色を呈する分散体が高濃度で得られる。得られる分散液を限外ろ過にて精製と濃縮を行なう。元々分散体が高濃度で得られていたため短時間で済む。DLS−8000(大塚電子社製)を用いて顔料微粒子の平均粒子径を測定すると得られる分散体の平均粒子径は100nmである。得られるキナクリドン顔料を色材顔料(C.I.Pigment Violet19)として用い、分散された分散体をインクジェット用インクとして用いBJプリンターBJ F900(キヤノン社製)のインクタンクに充填し、普通紙に記録すると文字がきれいに印字できる。
【0066】
実施例3
本実施例は顔料として2,9−ジメチルキナクリドンを用いる。100mlの茄子型フラスコに2,9−ジメチルキナクリドンを10部入れ、そこにメタンスルホン酸80部に常温にて加える。その茄子型フラスコを80℃に加熱されたオイルバスに浸しアルゴンガス雰囲気下10分間加熱攪拌を行なう。2,9−ジメチルキナクリドンが溶解し青紫色したキナクリドン顔料溶解液を調製する。キナクリドン顔料溶解液50mlに非イオン性界面活性剤としてポリオキシエチレンセチルエーテル(C1633(OCHCH25OH)を6.86部をアセトニトリル25重量部と酢酸5重量部に溶解した溶液を添加し顔料を有機酸に溶解させた溶液を調製する。
【0067】
反応液として1重量%のポリオキシエチレンラウリルエーテル(C1225(OCHCH41OH)水溶液を用いる。
混合場は、図2に示すような2液を混合できるマイクロリアクター5を利用する。マイクロリアクター内の混合場1の流路幅は300μmであり深さは200μmである。マイクロリアクター5の供給口6から顔料を有機酸に溶解させた溶液を混合場へ流量3ml/minで供給した。もう一方の供給口6からは反応液を混合場へ流量4.8ml/minで供給した。これらの両反応液は空中に設けられた混合場1で合流し、2,9−ジメチルキナクリドンの粒子の生成と分散が瞬時に起こりマゼンタの色を呈する分散体が高濃度で得られる。
【0068】
得られる分散液を限外ろ過にて精製と濃縮を行なう。元々分散体が高濃度で得られていたため短時間で済む。DLS−8000(大塚電子社製)を用いて顔料微粒子の平均粒子径を測定すると得られる分散体の粒径も非常に揃った均一なものになり平均粒子径は95nmである。得られるキナクリドン顔料を色材顔料(C.I.Pigment Red−122)として用い、分散された分散体をインクジェット用インクとして用いBJプリンターBJ F900(キヤノン社製)のインクタンクに充填し、普通紙に記録すると文字がきれいに印字できる。
【0069】
比較例2
顔料を有機酸に溶解させた溶液に添加する非イオン性界面活性剤としてポリオキシエチレンラウリルエーテル(C1225(OCHCH25OH)(m=12)を用いた以外は第3実施例と同様に行なう。得られる分散液を限外ろ過にて精製と濃縮を行なう。DLS−8000(大塚電子社製)を用いて顔料微粒子の平均粒子径を測定すると得られる分散体の粒径分布の幅が大きく平均粒子径は160nmである。得られるキナクリドン顔料を10日間静置しておくと沈殿は目視で確認できる沈殿物が確認される。
【0070】
実施例4
本実施例は顔料として銅フタロシアニンを用いる。300mlの茄子型フラスコに銅フタロシアニンを10重量部入れ、そこにメタンスルホン酸80重量部に常温にて加える。その茄子型フラスコを80℃に加熱されたオイルバスに浸しアルゴンガス雰囲気下10分間加熱攪拌を行なう。銅フタロシアニンが溶解し濃緑色した銅フタロシアニン顔料溶解液を調製する。銅フタロシアニン顔料溶解液50mlに非イオン性界面活性剤としてポリオキシエチレンセチルエーテル(C1633(OCHCH20OH)を6.86重量部をアセトニトリル30重量部に溶解した溶液を添加し顔料を有機酸に溶解させた溶液を調製する。
【0071】
反応液として1重量%のポリオキシエチレンラウリルエーテル(C1225(OCHCH41OH)水溶液を用いる。
混合場への供給は図1に示すようなマイクロ流路2を利用する。混合場1に顔料を有機酸に溶解させた溶液を供給するマイクロ流路2はテフロン(登録商標)製の円形パイプで形成し、その開口部3の開口径は250μm(直径)である。混合場へはシリンジポンプを用いて流量5ml/minで供給した。もう一方のマイクロ流路はテフロン(登録商標)製の円形パイプで形成し、その開口部3の開口径は250μm(直径)である。混合場へはシリンジポンプを用いて流量8ml/minで供給した。これらの両反応液は空中に設けられた混合場1で合流し、銅フタロシアニンの粒子の生成と分散が瞬時に起こりシアンの色を呈する分散体が高濃度で得られ第1実施例と同様な効果が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明の顔料分散体の製造方法は、高濃度で、小粒径で分散した顔料分散体を低コストで得ることができるので、インク、トナー等の色材の製造に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の実施例1で使用することが可能なマイクロ流路を模式的に表した図である。
【図2】本発明の実施例3で使用することが可能なマイクロリアクターを模式的に表した図である。
【符号の説明】
【0074】
1 混合場
2 マイクロ流路
3 開口部
4 反応液
5 マイクロリアクター
6 供給口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
顔料が溶解した溶液より顔料を析出させて、析出した顔料が分散媒中に分散する顔料分散体の製造方法であって、前記顔料を有機酸に溶解させた溶液を用意する工程と、前記溶液中の顔料の溶解度を低下させる反応液を用意する工程と、前記溶液と前記反応液とを下記一般式(1)で示される添加剤の存在下で混合する工程と、を有することを特徴とする顔料分散体の製造方法。
【化1】

(式中、mは14より大きく18より小さい整数、nは15以上25以下の整数を表す。)
【請求項2】
前記顔料を有機酸に溶解させた溶液に前記一般式(1)で示される添加剤を添加した後、前記溶液と前記反応液とを混合場にて混合して顔料の析出と分散を行うことを特徴とする請求項1に記載の顔料分散体の製造方法。
【請求項3】
前記顔料がキナクリドン顔料であることを特徴とする請求項1または2に記載の顔料分散体の製造方法。
【請求項4】
前記顔料を有機酸に溶解させた溶液と前記反応液のどちらか一方がマイクロ流路から供給されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかの項に記載の顔料分散体の製造方法。
【請求項5】
前記混合場に供給される前記顔料を有機酸に溶解させた溶液と前記反応液の両方がマイクロ流路から供給されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかの項に記載の顔料分散体の製造方法。
【請求項6】
前記混合場がマイクロ流路であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかの項に記載の顔料分散体の製造方法。
【請求項7】
前記マイクロ流路の内径の短辺が50μm以上3000μm以下であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかの項に記載の顔料分散体の製造方法。
【請求項8】
前記有機酸が有機スルホン酸であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかの項に記載の顔料分散体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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