顔検出装置、顔検出方法、及びプログラム
【課題】顔を検出するまでの時間を短縮する。
【解決手段】画像中に顔が存在するか否かを判定する顔検出装置であって、指定された座標を中心とする領域を決定する領域決定部104と、前記画像のうち前記領域決定部が決定した領域から顔を検出する顔検出部105と、前記顔検出部が顔の検出に失敗した場合に、前記領域決定部が決定した領域を拡大する領域拡大部106とを備える。これにより、顔検出装置は、顔の有無を判定する際に画像全体を走査する必要がないため、顔を検出するまでの時間を短縮することができる。
【解決手段】画像中に顔が存在するか否かを判定する顔検出装置であって、指定された座標を中心とする領域を決定する領域決定部104と、前記画像のうち前記領域決定部が決定した領域から顔を検出する顔検出部105と、前記顔検出部が顔の検出に失敗した場合に、前記領域決定部が決定した領域を拡大する領域拡大部106とを備える。これにより、顔検出装置は、顔の有無を判定する際に画像全体を走査する必要がないため、顔を検出するまでの時間を短縮することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像中に顔が存在するか否かを判定する顔検出装置、顔検出方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話において簡易に呼を発信する方法として、専用のダイヤルボタンや短縮ダイヤルボタンに、発信先の相手の電話番号を登録しておく方法がある。しかしながら、短縮ダイヤルボタンに電話番号を登録しておくことは面倒な作業であり、また、どの短縮ダイヤルがどの発信先に対応しているかが感覚的に分かりにくく誤発信を招いてしまうおそれがあった。また、操作の手順が少ないため、誤って短縮ダイヤルボタンを押下してしまうことにより誤発信してしまうおそれもあった。
【0003】
そこで、特許文献1や特許文献2には、顔認証機能を用いた発信制御方法が開示されている。具体的には、特許文献1や特許文献2に記載の電話端末は、発信先の相手の顔情報と電話番号とを関連付けて記憶しておく。そして、当該電話端末は、利用者によって選択された画像に対して顔認識処理を行い、画像から検出した顔情報と一致する顔情報に関連付けられた電話番号を読み出す。これにより、利用者は、感覚的に発信先の相手を確認することができ、また画像を選択するという簡易な動作で呼を発信することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−208863号公報
【特許文献2】特開2009−303210号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、画像に対して顔認識処理を行う場合、画像全体を走査して顔の有無を判定する必要があるため、処理に時間がかかるという問題がある。特に、近年の携帯電話に搭載されたカメラは画素数が多いため、撮像された画像のサイズが大きく、処理にかかる時間がより長くなる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、画像中に顔が存在するか否かを判定する顔検出装置であって、指定された座標を中心とする領域を決定する領域決定部と、前記画像のうち前記領域決定部が決定した領域から顔を検出する顔検出部と、前記顔検出部が顔の検出に失敗した場合に、前記領域決定部が決定した領域を拡大する領域拡大部とを備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、画像中に顔が存在するか否かを判定する顔検出装置を用いた顔検出方法であって、領域決定部は、指定された座標を中心とする領域を決定し、顔検出部は、前記画像のうち前記領域決定部が決定した領域から顔を検出し、領域拡大部は、前記顔検出部が顔の検出に失敗した場合に、前記領域決定部が決定した領域を拡大することを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、画像中に顔が存在するか否かを判定する顔検出装置を、指定された座標を中心とする領域を決定する領域決定部、前記画像のうち前記領域決定部が決定した領域から顔を検出する顔検出部、前記顔検出部が顔の検出に失敗した場合に、前記領域決定部が決定した領域を拡大する領域拡大部として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、顔検出部は、領域決定部によって決定された領域内で顔検出を行う。また、顔が検出されなかった場合は、領域拡大部が当該領域を拡大する。これにより、顔検出装置は、顔の有無を判定する際に画像全体を走査する必要がないため、顔を検出するまでの時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施形態による携帯電話端末(顔検出装置)の構成を示す概略ブロック図である。
【図2】個人情報記憶部が記憶する情報の例を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態による携帯電話端末の動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施形態による携帯電話端末の動作例を示す図である。
【図5】第2の実施形態による個人情報参照システムの構成を示す概略ブロック図である。
【図6】本発明の第2の実施形態によるサーバ装置の動作を示すシーケンス図である。
【図7】本発明の第2の実施形態による個人情報参照システムの動作例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
《第1の実施形態》
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態による携帯電話端末100(顔検出装置)の構成を示す概略ブロック図である。
本実施形態による携帯電話端末100は、利用者が、画像中の人物の顔が表示されている座標を指定することで、当該人物へ呼を発することができるものである。携帯電話端末100は、画像記憶部101、表示部102、座標指定部103、領域決定部104、顔検出部105、領域拡大部106、顔存在判定部107、顔情報抽出部108、個人情報記憶部109、個人情報読み出し部110、発呼部111、個人情報入力部112、個人情報記録部113を備える。
【0012】
画像記憶部101は、画像情報を記憶する。
表示部102は、画像記憶部101が記憶する画像情報及び個人情報読み出し部110が読み出した個人情報をディスプレイに表示させる。
座標指定部103は、ポインティングデバイス(タッチパネルやマウスなど)の操作により、ディスプレイに表示された画像情報の座標の指定を受け付ける。
【0013】
領域決定部104は、座標指定部103が指定した座標を中心とする所定の大きさの領域を決定する。また、領域拡大部106の指示により決定した領域を拡大する。
顔検出部105は、領域決定部104が決定した領域に対して顔検出処理を実行し、当該領域内に顔が存在するか否かを判定する。
領域拡大部106は、顔検出部105が顔の検出に失敗したときに領域決定部104が決定した領域を拡大させる。
【0014】
顔存在判定部107は、座標指定部103が指定した座標に顔が存在するか否かを判定する。
顔情報抽出部108は、顔検出部105が検出した顔領域から顔の特徴を示す顔情報を抽出する。
【0015】
図2は、個人情報記憶部109が記憶する情報の例を示す図である。
個人情報記憶部109は、個人情報と顔情報とを関連付けて記憶する。個人情報の例としては、図2に示すように、氏名、電話番号、メールアドレス、住所等が挙げられる。
【0016】
個人情報読み出し部110は、顔情報抽出部108が抽出した顔情報に関連付けられた個人情報を個人情報記憶部109から読み出す。
発呼部111は、個人情報読み出し部110が読み出した個人情報に含まれる電話番号が示す発信先へ呼を発する。
個人情報入力部112は、利用者により個人情報の入力を受け付ける。
個人情報記録部113は、個人情報入力部112が受け付けた個人情報を、顔情報抽出部108が抽出した顔情報に関連付けて個人情報記憶部109に記録する。
【0017】
次に、本実施形態による携帯電話端末100の動作について説明する。
図3は、本発明の第1の実施形態による携帯電話端末100の動作を示すフローチャートである。
図4は、本発明の第1の実施形態による携帯電話端末100の動作例を示す図である。
まず、表示部102は、待ち受け画面など、画像記憶部101が記憶する画像をディスプレイに表示させる(ステップS1、図4(A))。次に、座標指定部103は、利用者による画像中の座標の指定を受け付ける(ステップS2、図4(B))。利用者がタッチパネル等を介して画像中の座標を指定すると、領域決定部104は、座標指定部103によって指定された座標を中心とする所定の領域(例えば、指定された座標を中心とする10ピクセル×10ピクセルの正方領域等)を、顔検出処理の対象とする領域に決定する(ステップS3、図4(C))。
【0018】
次に、顔検出部105は、領域決定部104が決定した領域内で顔検出処理を実行し、当該領域内で顔検出に成功したか否かを判定する(ステップS4)。顔検出部105が顔検出に失敗したと判定した場合(ステップS4:NO)、領域拡大部106は、領域決定部104に領域拡大指示を出力し、領域決定部104は、ステップS3で決定した領域を拡大させる(ステップS5、図4(D))。領域の拡大は、例えばステップS3で決定した領域より外周に1ピクセル大きい領域に決定する方法などを用いることができる。
【0019】
次に、領域決定部104は、拡大した領域が予め定められた領域の最大値より大きいか否かを判定する(ステップS6)。領域が最大でないと判定した場合(ステップS6:NO)、ステップS4に戻り、再度顔検出部105による顔検出の判定を行う。他方、領域が最大であると判定した場合(ステップS6:YES)、表示部102は、指定された座標に顔が無い旨を表示し(ステップS7)、処理を終了する。
【0020】
他方、ステップS4で顔検出部105が顔検出に成功したと判定した場合(ステップS4:YES)、顔検出部105は、検出された顔が含まれる最小の矩形領域である顔領域を特定する(ステップS8、図4(E))。次に、顔存在判定部107は、座標指定部103が指定した座標が、顔検出部105によって特定された顔領域内であるか否かを判定する(ステップS9)。顔存在判定部107によって、座標指定部103が指定した座標が、顔検出部105によって特定された顔領域内にないと判定された場合(ステップS9:NO)、表示部102は、指定された座標に顔が無い旨を表示し(ステップS7)、処理を終了する。
【0021】
他方、顔存在判定部107によって、座標指定部103が指定した座標が、顔検出部105によって特定された顔領域内にあると判定された場合(ステップS9:YES)、顔情報抽出部108は、顔検出部105によって特定された顔領域内から、顔の特徴を示す顔情報を抽出する(ステップS10)。次に、個人情報読み出し部110は、顔情報抽出部108が抽出した顔情報との類似度が所定の閾値以上である顔情報が、個人情報記憶部109に記憶されているか否かを判定する(ステップS11)。
【0022】
個人情報読み出し部110によって、顔情報抽出部108が抽出した顔情報との類似度が所定の閾値以上である顔情報が個人情報記憶部109に記憶されていないと判定された場合(ステップS11:NO)、表示部102は、「新たに個人情報を登録しますか?」など、当該顔情報に関連付けて個人情報を記録するか否かの選択を受け付ける旨をディスプレイに表示させ、個人情報入力部112は、利用者から記録するか否かの選択を受け付ける(ステップS12)。個人情報入力部112が、記録しないことを示す選択を受け付けた場合(ステップS12:NO)、処理を終了する。
【0023】
他方、個人情報入力部112は、記録することを示す選択を受け付けた場合(ステップS12:YES)、利用者から顔情報抽出部108が抽出した顔情報が示す人物の個人情報の入力を受け付け、個人情報記録部113は、当該個人情報を、顔情報抽出部108が抽出した顔情報に関連付けて個人情報記憶部109に記録する(ステップS13)。
【0024】
他方、顔情報抽出部108が抽出した顔情報との類似度が所定の閾値以上である顔情報が個人情報記憶部109に記憶されている場合(ステップS11:YES)、またはステップS13で個人情報記録部113が個人情報記憶部109に個人情報を記録した場合、個人情報読み出し部110は、顔情報抽出部108が抽出した顔情報との類似度が所定の閾値以上である顔情報に関連付けられた個人情報を個人情報記憶部109から読み出す。そして、表示部102は、当該個人情報に含まれる名前を、顔検出部105が特定した顔領域の下方に表示する(図4(F))。そして、利用者が携帯電話端末100の決定キー等を押下すると、表示部102は、個人情報と共に、当該人物に対する操作(例えば、電話、テレビ電話、電子メールなど)を示すボタンを表示する(ステップS14、図4(G))。
【0025】
そして、表示されたボタンの中から利用者が何れかのボタンを選択すると、携帯電話端末100は、当該選択されたボタンに関連付けられた処理を実行する(ステップS15)。例えば、利用者が「電話する」ボタンを押下した場合、発呼部111は、個人情報読み出し部110が読み出した個人情報に含まれる電話番号を発信先として呼を発する。
【0026】
このように、本実施形態によれば、顔検出部105は、領域決定部104によって決定された領域内で顔検出を行う。また、顔が検出されなかった場合は、領域拡大部106が当該領域を拡大する。これにより、顔検出装置は、顔の有無を判定する際に画像全体を走査する必要がないため、顔を検出するまでの時間を短縮することができる。
【0027】
以上、図面を参照してこの発明の第1の実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
例えば、本実施形態では、領域決定部104が決定する領域が矩形領域である場合を説明したが、これに限られず、円形など他の形状の領域を用いても良い。
【0028】
《第2の実施形態》
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図5は、第2の実施形態による個人情報参照システムの構成を示す概略ブロック図である。
個人情報参照システムは、携帯電話端末200とサーバ装置300を備える。携帯電話端末200は、サーバ装置から通知された情報に基づいて発呼等の処理を行う。サーバ装置300は、携帯電話端末200からの要求に基づいて電話番号等の個人情報を検索し、携帯電話端末200に通知する。なお、サーバ装置300は携帯電話端末200と比較して処理速度が高速であることが好ましい。
【0029】
携帯電話端末200は、通信部201、表示部202、座標指定部203、発呼部204を備える。
通信部201は、サーバ装置300との通信を行う。
表示部202は、通信部201がサーバ装置300から受信した情報をディスプレイに表示させる。
座標指定部203は、ポインティングデバイス(タッチパネルやマウスなど)の操作により、ディスプレイに表示された画像情報の座標の指定を受け付ける。
発呼部204は、通信部201がサーバ装置300から受信した情報に含まれる電話番号が示す発信先へ呼を発する。
【0030】
サーバ装置300は、画像記憶部301、顔検出部302、顔情報抽出部303、通信部304、顔存在判定部305、個人情報記憶部306、個人情報読み出し部307、個人情報記録部308を備える。
【0031】
画像記憶部301は、画像情報を記憶する。
顔検出部302は、画像記憶部301が記憶する画像に対して顔検出処理を実行し、検出した顔が含まれる最小の矩形領域である顔領域を特定する。
顔情報抽出部303は、顔検出部302が検出した顔領域から顔の特徴を示す顔情報を抽出する。
【0032】
通信部304は、携帯電話端末200との通信を行う。
顔存在判定部305は、携帯電話端末200によって指定された座標に顔が存在するか否かを判定する。
個人情報記憶部306は、図2に示すように、個人情報と顔情報とを関連付けて記憶する。
個人情報読み出し部307は、顔情報抽出部303が抽出した顔情報に関連付けられた個人情報を個人情報記憶部306から読み出す。
個人情報記録部308は、携帯電話端末200から受け付けた個人情報を、顔情報抽出部303が抽出した顔情報に関連付けて個人情報記憶部306に記録する。
【0033】
次に、本実施形態による個人情報参照システムの動作について説明する。
図6は、本発明の第2の実施形態によるサーバ装置300の動作を示すシーケンス図である。
図7は、本発明の第2の実施形態による個人情報参照システムの動作例を示す図である。
まず、携帯電話端末200は、通信部201を介して待ち受け画面など、ディスプレイに表示させる画像情報をサーバ装置に要求する。サーバ装置300の通信部304は、画像情報の要求を受信すると、顔検出部302は、携帯電話端末200によって要求された画像情報(図7(A))を画像記憶部301から読み出し、当該画像情報に対して顔検出処理を実行し、当該顔検出処理が成功したか否かを判定する(ステップS101)。顔検出処理に失敗した場合(ステップS101:NO)、携帯電話端末200が表示する画像の中に顔情報が含まれないため、サーバ装置300は、処理を終了する。
【0034】
他方、顔検出部302が顔検出処理に成功した場合(ステップS101:YES)、顔検出部302は、検出した顔に対して顔領域を特定する(ステップS102、図7(B))。なお、顔が複数検出された場合は、検出された顔のそれぞれに対して顔領域の特定を行う。次に、顔情報抽出部303は、顔検出部302が特定したそれぞれの顔領域から顔情報を抽出する(ステップS103)。そして、通信部304は、画像記憶部301が記憶する画像情報及び顔検出部302が検出した顔領域を携帯電話端末200に送信する(ステップS104)。携帯電話端末200の通信部201は、サーバ装置300から画像情報を受信し、表示部202は、当該画像情報をディスプレイに表示させる。このとき、表示部202は、顔検出部302が特定した顔領域に相当する座標に枠を表示し、画像中のどこに顔が存在するかを強調することが好ましい。
【0035】
表示部202が画像情報を表示させると、座標指定部203は、利用者による画像中の座標の指定を受け付け、通信部201は、当該座標情報をサーバ装置に送信する。携帯電話端末200が座標情報を送信すると、サーバ装置300の通信部304は、携帯電話端末200から座標情報を受信する(ステップS105)。通信部304が座標情報を受信すると、顔存在判定部305は、受信した座標情報が、顔検出部302がステップS102で特定した何れかの顔領域に含まれるか否かを判定する(ステップS106)。顔存在判定部305によって、顔検出部302がステップS102で特定した何れの顔領域にも受信した座標情報が含まれないと判定された場合(ステップS106:NO)、ステップS105に戻り、携帯電話端末200からの再度の座標情報の受信を待機する。
【0036】
他方、顔存在判定部305によって、顔検出部302がステップS102で特定した何れかの顔領域に受信した座標情報が含まれると判定された場合(ステップS106:YES)、顔存在判定部305は、通信部304が受信した座標情報を含む顔領域から抽出された顔情報を、顔情報抽出部303から読み出す(ステップS107)。次に、個人情報読み出し部307は、顔情報抽出部303が抽出した顔情報との類似度が所定の閾値以上である顔情報が、個人情報記憶部306に記憶されているか否かを判定する(ステップS108)。
【0037】
個人情報読み出し部307によって、顔情報抽出部303が抽出した顔情報との類似度が所定の閾値以上である顔情報が、個人情報記憶部308に記憶されていないと判定された場合(ステップS108:NO)、通信部304は、選択された顔が示す人物の個人情報を記録するか否かの選択を要求する選択要求を携帯電話端末200に送信する(ステップS109)。携帯電話端末200の通信部201が選択要求を受信すると、表示部202は、「新たに個人情報を登録しますか?」など個人情報を記録するか否かの選択を受け付ける旨をディスプレイに表示させ、利用者から記録するか否かの選択を受け付ける。利用者が、個人情報を記録するか否かの何れかを示す選択情報を入力すると、通信部201は、当該選択情報をサーバ装置300に送信する。なお、選択情報が個人情報を記録することを示す場合、通信部201は、当該選択情報に加え、新たに記録する個人情報をサーバ装置300に送信する。
【0038】
サーバ装置300の通信部304が選択情報を受信すると、個人情報記録部308は、当該選択情報が個人情報を記録することを示すか否かを判定する(ステップS110)。選択情報が個人情報を記録しないことを示す場合(ステップS110:NO)、サーバ装置300は、処理を終了する。他方、選択情報が個人情報を記録することを示す場合(ステップS110:YES)、個人情報記録部308は、通信部304が受信した個人情報を、顔情報抽出部303が抽出した顔情報に関連付けて個人情報記憶部306に記録する(ステップS111)。
【0039】
他方、顔情報抽出部303が抽出した顔情報との類似度が所定の閾値以上である顔情報が個人情報記憶部306に記憶されている場合(ステップS108:YES)、またはステップS111で個人情報記録部308が個人情報記憶部306に個人情報を記録した場合、個人情報読み出し部307は、顔情報抽出部303が抽出した顔情報との類似度が所定の閾値以上である顔情報に関連付けられた個人情報を個人情報記憶部306から読み出す。そして、通信部304は、当該個人情報を携帯電話端末200に送信し(ステップS112)、処理を終了する。
【0040】
携帯電話端末200の通信部201が個人情報を受信すると、表示部202は、当該個人情報に含まれる名前を、ステップS104で通信部201が受信した顔領域が示す座標の下方に表示する(図7(C))。そして、利用者が携帯電話端末200の決定キー等を押下すると、表示部202は、個人情報と共に、当該人物に対する操作(例えば、電話、テレビ電話、電子メールなど)を示すボタンを表示する(図7(D))。
【0041】
そして、表示されたボタンの中から利用者が何れかのボタンを選択すると、携帯電話端末200は、当該選択されたボタンに関連付けられた処理を実行する。例えば、利用者が「電話する」ボタンを押下した場合、発呼部204は、通信部201が受信した個人情報に含まれる電話番号を発信先として呼を発する。
【0042】
このように、本実施形態によれば、顔検出処理や顔情報の抽出、比較などの計算量が多い処理をサーバ装置300にて実行する。これにより、携帯電話端末200が比較的、省電力や処理能力の低いCPUによって動作する場合であっても、時間をかけずに顔検出処理の結果を享受することができる。
【0043】
以上、図面を参照してこの発明の第2の実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
例えば、本実施形態では、顔検出処理及び顔情報の抽出を行った後に通信部304が画像情報及び顔領域を送信する場合を説明したが、これに限られず、例えば携帯電話端末200が顔領域に相当する座標に枠を表示しない場合、顔検出処理及び顔情報の抽出を実行する前に画像情報を携帯電話端末200に送信するようにしても良い。
【0044】
上述の携帯電話端末100、200、サーバ装置300は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0045】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0046】
100…携帯電話端末 101…画像記憶部 102…表示部 103…座標指定部 104…領域決定部 105…顔検出部 106…領域拡大部 107…顔存在判定部 108…顔情報抽出部 109…個人情報記憶部 110…個人情報読み出し部 111…発呼部 112…個人情報入力部 113…個人情報記録部
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像中に顔が存在するか否かを判定する顔検出装置、顔検出方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話において簡易に呼を発信する方法として、専用のダイヤルボタンや短縮ダイヤルボタンに、発信先の相手の電話番号を登録しておく方法がある。しかしながら、短縮ダイヤルボタンに電話番号を登録しておくことは面倒な作業であり、また、どの短縮ダイヤルがどの発信先に対応しているかが感覚的に分かりにくく誤発信を招いてしまうおそれがあった。また、操作の手順が少ないため、誤って短縮ダイヤルボタンを押下してしまうことにより誤発信してしまうおそれもあった。
【0003】
そこで、特許文献1や特許文献2には、顔認証機能を用いた発信制御方法が開示されている。具体的には、特許文献1や特許文献2に記載の電話端末は、発信先の相手の顔情報と電話番号とを関連付けて記憶しておく。そして、当該電話端末は、利用者によって選択された画像に対して顔認識処理を行い、画像から検出した顔情報と一致する顔情報に関連付けられた電話番号を読み出す。これにより、利用者は、感覚的に発信先の相手を確認することができ、また画像を選択するという簡易な動作で呼を発信することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−208863号公報
【特許文献2】特開2009−303210号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、画像に対して顔認識処理を行う場合、画像全体を走査して顔の有無を判定する必要があるため、処理に時間がかかるという問題がある。特に、近年の携帯電話に搭載されたカメラは画素数が多いため、撮像された画像のサイズが大きく、処理にかかる時間がより長くなる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、画像中に顔が存在するか否かを判定する顔検出装置であって、指定された座標を中心とする領域を決定する領域決定部と、前記画像のうち前記領域決定部が決定した領域から顔を検出する顔検出部と、前記顔検出部が顔の検出に失敗した場合に、前記領域決定部が決定した領域を拡大する領域拡大部とを備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、画像中に顔が存在するか否かを判定する顔検出装置を用いた顔検出方法であって、領域決定部は、指定された座標を中心とする領域を決定し、顔検出部は、前記画像のうち前記領域決定部が決定した領域から顔を検出し、領域拡大部は、前記顔検出部が顔の検出に失敗した場合に、前記領域決定部が決定した領域を拡大することを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、画像中に顔が存在するか否かを判定する顔検出装置を、指定された座標を中心とする領域を決定する領域決定部、前記画像のうち前記領域決定部が決定した領域から顔を検出する顔検出部、前記顔検出部が顔の検出に失敗した場合に、前記領域決定部が決定した領域を拡大する領域拡大部として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、顔検出部は、領域決定部によって決定された領域内で顔検出を行う。また、顔が検出されなかった場合は、領域拡大部が当該領域を拡大する。これにより、顔検出装置は、顔の有無を判定する際に画像全体を走査する必要がないため、顔を検出するまでの時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施形態による携帯電話端末(顔検出装置)の構成を示す概略ブロック図である。
【図2】個人情報記憶部が記憶する情報の例を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態による携帯電話端末の動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施形態による携帯電話端末の動作例を示す図である。
【図5】第2の実施形態による個人情報参照システムの構成を示す概略ブロック図である。
【図6】本発明の第2の実施形態によるサーバ装置の動作を示すシーケンス図である。
【図7】本発明の第2の実施形態による個人情報参照システムの動作例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
《第1の実施形態》
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態による携帯電話端末100(顔検出装置)の構成を示す概略ブロック図である。
本実施形態による携帯電話端末100は、利用者が、画像中の人物の顔が表示されている座標を指定することで、当該人物へ呼を発することができるものである。携帯電話端末100は、画像記憶部101、表示部102、座標指定部103、領域決定部104、顔検出部105、領域拡大部106、顔存在判定部107、顔情報抽出部108、個人情報記憶部109、個人情報読み出し部110、発呼部111、個人情報入力部112、個人情報記録部113を備える。
【0012】
画像記憶部101は、画像情報を記憶する。
表示部102は、画像記憶部101が記憶する画像情報及び個人情報読み出し部110が読み出した個人情報をディスプレイに表示させる。
座標指定部103は、ポインティングデバイス(タッチパネルやマウスなど)の操作により、ディスプレイに表示された画像情報の座標の指定を受け付ける。
【0013】
領域決定部104は、座標指定部103が指定した座標を中心とする所定の大きさの領域を決定する。また、領域拡大部106の指示により決定した領域を拡大する。
顔検出部105は、領域決定部104が決定した領域に対して顔検出処理を実行し、当該領域内に顔が存在するか否かを判定する。
領域拡大部106は、顔検出部105が顔の検出に失敗したときに領域決定部104が決定した領域を拡大させる。
【0014】
顔存在判定部107は、座標指定部103が指定した座標に顔が存在するか否かを判定する。
顔情報抽出部108は、顔検出部105が検出した顔領域から顔の特徴を示す顔情報を抽出する。
【0015】
図2は、個人情報記憶部109が記憶する情報の例を示す図である。
個人情報記憶部109は、個人情報と顔情報とを関連付けて記憶する。個人情報の例としては、図2に示すように、氏名、電話番号、メールアドレス、住所等が挙げられる。
【0016】
個人情報読み出し部110は、顔情報抽出部108が抽出した顔情報に関連付けられた個人情報を個人情報記憶部109から読み出す。
発呼部111は、個人情報読み出し部110が読み出した個人情報に含まれる電話番号が示す発信先へ呼を発する。
個人情報入力部112は、利用者により個人情報の入力を受け付ける。
個人情報記録部113は、個人情報入力部112が受け付けた個人情報を、顔情報抽出部108が抽出した顔情報に関連付けて個人情報記憶部109に記録する。
【0017】
次に、本実施形態による携帯電話端末100の動作について説明する。
図3は、本発明の第1の実施形態による携帯電話端末100の動作を示すフローチャートである。
図4は、本発明の第1の実施形態による携帯電話端末100の動作例を示す図である。
まず、表示部102は、待ち受け画面など、画像記憶部101が記憶する画像をディスプレイに表示させる(ステップS1、図4(A))。次に、座標指定部103は、利用者による画像中の座標の指定を受け付ける(ステップS2、図4(B))。利用者がタッチパネル等を介して画像中の座標を指定すると、領域決定部104は、座標指定部103によって指定された座標を中心とする所定の領域(例えば、指定された座標を中心とする10ピクセル×10ピクセルの正方領域等)を、顔検出処理の対象とする領域に決定する(ステップS3、図4(C))。
【0018】
次に、顔検出部105は、領域決定部104が決定した領域内で顔検出処理を実行し、当該領域内で顔検出に成功したか否かを判定する(ステップS4)。顔検出部105が顔検出に失敗したと判定した場合(ステップS4:NO)、領域拡大部106は、領域決定部104に領域拡大指示を出力し、領域決定部104は、ステップS3で決定した領域を拡大させる(ステップS5、図4(D))。領域の拡大は、例えばステップS3で決定した領域より外周に1ピクセル大きい領域に決定する方法などを用いることができる。
【0019】
次に、領域決定部104は、拡大した領域が予め定められた領域の最大値より大きいか否かを判定する(ステップS6)。領域が最大でないと判定した場合(ステップS6:NO)、ステップS4に戻り、再度顔検出部105による顔検出の判定を行う。他方、領域が最大であると判定した場合(ステップS6:YES)、表示部102は、指定された座標に顔が無い旨を表示し(ステップS7)、処理を終了する。
【0020】
他方、ステップS4で顔検出部105が顔検出に成功したと判定した場合(ステップS4:YES)、顔検出部105は、検出された顔が含まれる最小の矩形領域である顔領域を特定する(ステップS8、図4(E))。次に、顔存在判定部107は、座標指定部103が指定した座標が、顔検出部105によって特定された顔領域内であるか否かを判定する(ステップS9)。顔存在判定部107によって、座標指定部103が指定した座標が、顔検出部105によって特定された顔領域内にないと判定された場合(ステップS9:NO)、表示部102は、指定された座標に顔が無い旨を表示し(ステップS7)、処理を終了する。
【0021】
他方、顔存在判定部107によって、座標指定部103が指定した座標が、顔検出部105によって特定された顔領域内にあると判定された場合(ステップS9:YES)、顔情報抽出部108は、顔検出部105によって特定された顔領域内から、顔の特徴を示す顔情報を抽出する(ステップS10)。次に、個人情報読み出し部110は、顔情報抽出部108が抽出した顔情報との類似度が所定の閾値以上である顔情報が、個人情報記憶部109に記憶されているか否かを判定する(ステップS11)。
【0022】
個人情報読み出し部110によって、顔情報抽出部108が抽出した顔情報との類似度が所定の閾値以上である顔情報が個人情報記憶部109に記憶されていないと判定された場合(ステップS11:NO)、表示部102は、「新たに個人情報を登録しますか?」など、当該顔情報に関連付けて個人情報を記録するか否かの選択を受け付ける旨をディスプレイに表示させ、個人情報入力部112は、利用者から記録するか否かの選択を受け付ける(ステップS12)。個人情報入力部112が、記録しないことを示す選択を受け付けた場合(ステップS12:NO)、処理を終了する。
【0023】
他方、個人情報入力部112は、記録することを示す選択を受け付けた場合(ステップS12:YES)、利用者から顔情報抽出部108が抽出した顔情報が示す人物の個人情報の入力を受け付け、個人情報記録部113は、当該個人情報を、顔情報抽出部108が抽出した顔情報に関連付けて個人情報記憶部109に記録する(ステップS13)。
【0024】
他方、顔情報抽出部108が抽出した顔情報との類似度が所定の閾値以上である顔情報が個人情報記憶部109に記憶されている場合(ステップS11:YES)、またはステップS13で個人情報記録部113が個人情報記憶部109に個人情報を記録した場合、個人情報読み出し部110は、顔情報抽出部108が抽出した顔情報との類似度が所定の閾値以上である顔情報に関連付けられた個人情報を個人情報記憶部109から読み出す。そして、表示部102は、当該個人情報に含まれる名前を、顔検出部105が特定した顔領域の下方に表示する(図4(F))。そして、利用者が携帯電話端末100の決定キー等を押下すると、表示部102は、個人情報と共に、当該人物に対する操作(例えば、電話、テレビ電話、電子メールなど)を示すボタンを表示する(ステップS14、図4(G))。
【0025】
そして、表示されたボタンの中から利用者が何れかのボタンを選択すると、携帯電話端末100は、当該選択されたボタンに関連付けられた処理を実行する(ステップS15)。例えば、利用者が「電話する」ボタンを押下した場合、発呼部111は、個人情報読み出し部110が読み出した個人情報に含まれる電話番号を発信先として呼を発する。
【0026】
このように、本実施形態によれば、顔検出部105は、領域決定部104によって決定された領域内で顔検出を行う。また、顔が検出されなかった場合は、領域拡大部106が当該領域を拡大する。これにより、顔検出装置は、顔の有無を判定する際に画像全体を走査する必要がないため、顔を検出するまでの時間を短縮することができる。
【0027】
以上、図面を参照してこの発明の第1の実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
例えば、本実施形態では、領域決定部104が決定する領域が矩形領域である場合を説明したが、これに限られず、円形など他の形状の領域を用いても良い。
【0028】
《第2の実施形態》
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図5は、第2の実施形態による個人情報参照システムの構成を示す概略ブロック図である。
個人情報参照システムは、携帯電話端末200とサーバ装置300を備える。携帯電話端末200は、サーバ装置から通知された情報に基づいて発呼等の処理を行う。サーバ装置300は、携帯電話端末200からの要求に基づいて電話番号等の個人情報を検索し、携帯電話端末200に通知する。なお、サーバ装置300は携帯電話端末200と比較して処理速度が高速であることが好ましい。
【0029】
携帯電話端末200は、通信部201、表示部202、座標指定部203、発呼部204を備える。
通信部201は、サーバ装置300との通信を行う。
表示部202は、通信部201がサーバ装置300から受信した情報をディスプレイに表示させる。
座標指定部203は、ポインティングデバイス(タッチパネルやマウスなど)の操作により、ディスプレイに表示された画像情報の座標の指定を受け付ける。
発呼部204は、通信部201がサーバ装置300から受信した情報に含まれる電話番号が示す発信先へ呼を発する。
【0030】
サーバ装置300は、画像記憶部301、顔検出部302、顔情報抽出部303、通信部304、顔存在判定部305、個人情報記憶部306、個人情報読み出し部307、個人情報記録部308を備える。
【0031】
画像記憶部301は、画像情報を記憶する。
顔検出部302は、画像記憶部301が記憶する画像に対して顔検出処理を実行し、検出した顔が含まれる最小の矩形領域である顔領域を特定する。
顔情報抽出部303は、顔検出部302が検出した顔領域から顔の特徴を示す顔情報を抽出する。
【0032】
通信部304は、携帯電話端末200との通信を行う。
顔存在判定部305は、携帯電話端末200によって指定された座標に顔が存在するか否かを判定する。
個人情報記憶部306は、図2に示すように、個人情報と顔情報とを関連付けて記憶する。
個人情報読み出し部307は、顔情報抽出部303が抽出した顔情報に関連付けられた個人情報を個人情報記憶部306から読み出す。
個人情報記録部308は、携帯電話端末200から受け付けた個人情報を、顔情報抽出部303が抽出した顔情報に関連付けて個人情報記憶部306に記録する。
【0033】
次に、本実施形態による個人情報参照システムの動作について説明する。
図6は、本発明の第2の実施形態によるサーバ装置300の動作を示すシーケンス図である。
図7は、本発明の第2の実施形態による個人情報参照システムの動作例を示す図である。
まず、携帯電話端末200は、通信部201を介して待ち受け画面など、ディスプレイに表示させる画像情報をサーバ装置に要求する。サーバ装置300の通信部304は、画像情報の要求を受信すると、顔検出部302は、携帯電話端末200によって要求された画像情報(図7(A))を画像記憶部301から読み出し、当該画像情報に対して顔検出処理を実行し、当該顔検出処理が成功したか否かを判定する(ステップS101)。顔検出処理に失敗した場合(ステップS101:NO)、携帯電話端末200が表示する画像の中に顔情報が含まれないため、サーバ装置300は、処理を終了する。
【0034】
他方、顔検出部302が顔検出処理に成功した場合(ステップS101:YES)、顔検出部302は、検出した顔に対して顔領域を特定する(ステップS102、図7(B))。なお、顔が複数検出された場合は、検出された顔のそれぞれに対して顔領域の特定を行う。次に、顔情報抽出部303は、顔検出部302が特定したそれぞれの顔領域から顔情報を抽出する(ステップS103)。そして、通信部304は、画像記憶部301が記憶する画像情報及び顔検出部302が検出した顔領域を携帯電話端末200に送信する(ステップS104)。携帯電話端末200の通信部201は、サーバ装置300から画像情報を受信し、表示部202は、当該画像情報をディスプレイに表示させる。このとき、表示部202は、顔検出部302が特定した顔領域に相当する座標に枠を表示し、画像中のどこに顔が存在するかを強調することが好ましい。
【0035】
表示部202が画像情報を表示させると、座標指定部203は、利用者による画像中の座標の指定を受け付け、通信部201は、当該座標情報をサーバ装置に送信する。携帯電話端末200が座標情報を送信すると、サーバ装置300の通信部304は、携帯電話端末200から座標情報を受信する(ステップS105)。通信部304が座標情報を受信すると、顔存在判定部305は、受信した座標情報が、顔検出部302がステップS102で特定した何れかの顔領域に含まれるか否かを判定する(ステップS106)。顔存在判定部305によって、顔検出部302がステップS102で特定した何れの顔領域にも受信した座標情報が含まれないと判定された場合(ステップS106:NO)、ステップS105に戻り、携帯電話端末200からの再度の座標情報の受信を待機する。
【0036】
他方、顔存在判定部305によって、顔検出部302がステップS102で特定した何れかの顔領域に受信した座標情報が含まれると判定された場合(ステップS106:YES)、顔存在判定部305は、通信部304が受信した座標情報を含む顔領域から抽出された顔情報を、顔情報抽出部303から読み出す(ステップS107)。次に、個人情報読み出し部307は、顔情報抽出部303が抽出した顔情報との類似度が所定の閾値以上である顔情報が、個人情報記憶部306に記憶されているか否かを判定する(ステップS108)。
【0037】
個人情報読み出し部307によって、顔情報抽出部303が抽出した顔情報との類似度が所定の閾値以上である顔情報が、個人情報記憶部308に記憶されていないと判定された場合(ステップS108:NO)、通信部304は、選択された顔が示す人物の個人情報を記録するか否かの選択を要求する選択要求を携帯電話端末200に送信する(ステップS109)。携帯電話端末200の通信部201が選択要求を受信すると、表示部202は、「新たに個人情報を登録しますか?」など個人情報を記録するか否かの選択を受け付ける旨をディスプレイに表示させ、利用者から記録するか否かの選択を受け付ける。利用者が、個人情報を記録するか否かの何れかを示す選択情報を入力すると、通信部201は、当該選択情報をサーバ装置300に送信する。なお、選択情報が個人情報を記録することを示す場合、通信部201は、当該選択情報に加え、新たに記録する個人情報をサーバ装置300に送信する。
【0038】
サーバ装置300の通信部304が選択情報を受信すると、個人情報記録部308は、当該選択情報が個人情報を記録することを示すか否かを判定する(ステップS110)。選択情報が個人情報を記録しないことを示す場合(ステップS110:NO)、サーバ装置300は、処理を終了する。他方、選択情報が個人情報を記録することを示す場合(ステップS110:YES)、個人情報記録部308は、通信部304が受信した個人情報を、顔情報抽出部303が抽出した顔情報に関連付けて個人情報記憶部306に記録する(ステップS111)。
【0039】
他方、顔情報抽出部303が抽出した顔情報との類似度が所定の閾値以上である顔情報が個人情報記憶部306に記憶されている場合(ステップS108:YES)、またはステップS111で個人情報記録部308が個人情報記憶部306に個人情報を記録した場合、個人情報読み出し部307は、顔情報抽出部303が抽出した顔情報との類似度が所定の閾値以上である顔情報に関連付けられた個人情報を個人情報記憶部306から読み出す。そして、通信部304は、当該個人情報を携帯電話端末200に送信し(ステップS112)、処理を終了する。
【0040】
携帯電話端末200の通信部201が個人情報を受信すると、表示部202は、当該個人情報に含まれる名前を、ステップS104で通信部201が受信した顔領域が示す座標の下方に表示する(図7(C))。そして、利用者が携帯電話端末200の決定キー等を押下すると、表示部202は、個人情報と共に、当該人物に対する操作(例えば、電話、テレビ電話、電子メールなど)を示すボタンを表示する(図7(D))。
【0041】
そして、表示されたボタンの中から利用者が何れかのボタンを選択すると、携帯電話端末200は、当該選択されたボタンに関連付けられた処理を実行する。例えば、利用者が「電話する」ボタンを押下した場合、発呼部204は、通信部201が受信した個人情報に含まれる電話番号を発信先として呼を発する。
【0042】
このように、本実施形態によれば、顔検出処理や顔情報の抽出、比較などの計算量が多い処理をサーバ装置300にて実行する。これにより、携帯電話端末200が比較的、省電力や処理能力の低いCPUによって動作する場合であっても、時間をかけずに顔検出処理の結果を享受することができる。
【0043】
以上、図面を参照してこの発明の第2の実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
例えば、本実施形態では、顔検出処理及び顔情報の抽出を行った後に通信部304が画像情報及び顔領域を送信する場合を説明したが、これに限られず、例えば携帯電話端末200が顔領域に相当する座標に枠を表示しない場合、顔検出処理及び顔情報の抽出を実行する前に画像情報を携帯電話端末200に送信するようにしても良い。
【0044】
上述の携帯電話端末100、200、サーバ装置300は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0045】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0046】
100…携帯電話端末 101…画像記憶部 102…表示部 103…座標指定部 104…領域決定部 105…顔検出部 106…領域拡大部 107…顔存在判定部 108…顔情報抽出部 109…個人情報記憶部 110…個人情報読み出し部 111…発呼部 112…個人情報入力部 113…個人情報記録部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像中に顔が存在するか否かを判定する顔検出装置であって、
指定された座標を中心とする領域を決定する領域決定部と、
前記画像のうち前記領域決定部が決定した領域から顔を検出する顔検出部と、
前記顔検出部が顔の検出に失敗した場合に、前記領域決定部が決定した領域を拡大する領域拡大部と
を備えることを特徴とする顔検出装置。
【請求項2】
前記顔検出部が検出した顔から、当該顔の特徴を示す顔情報を抽出する顔情報抽出部と、
顔情報と個人情報とを関連付けて記憶する個人情報記憶部から、前記顔情報抽出部が抽出した顔情報との一致度が所定の閾値以上となる顔情報に関連付けられた個人情報を読み出す個人情報読み出し部と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の顔検出装置。
【請求項3】
前記顔検出部が検出した顔との一致度が所定の閾値以上となる顔情報が存在しない場合に、当該顔情報が示す人物の前記個人情報の入力を受け付ける個人情報入力部と、
前記個人情報入力部が入力を受け付けた個人情報を、前記顔情報抽出部が抽出した顔情報に関連付けて前記個人情報記憶部に記録する個人情報記録部と
を備えることを特徴とする請求項2に記載の顔検出装置。
【請求項4】
指定された座標に顔が存在するか否かを判定する顔存在判定部を備え、
前記顔存在判定部は、前記顔検出部が顔を検出した場合において、顔であると判定した領域である顔領域内に前記指定された座標が含まれないとき、指定された座標に顔が存在しないと判定する
ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の顔検出装置。
【請求項5】
画像中に顔が存在するか否かを判定する顔検出装置を用いた顔検出方法であって、
領域決定部は、指定された座標を中心とする領域を決定し、
顔検出部は、前記画像のうち前記領域決定部が決定した領域から顔を検出し、
領域拡大部は、前記顔検出部が顔の検出に失敗した場合に、前記領域決定部が決定した領域を拡大する
ことを特徴とする顔検出方法。
【請求項6】
画像中に顔が存在するか否かを判定する顔検出装置を、
指定された座標を中心とする領域を決定する領域決定部、
前記画像のうち前記領域決定部が決定した領域から顔を検出する顔検出部、
前記顔検出部が顔の検出に失敗した場合に、前記領域決定部が決定した領域を拡大する領域拡大部
として機能させるためのプログラム。
【請求項1】
画像中に顔が存在するか否かを判定する顔検出装置であって、
指定された座標を中心とする領域を決定する領域決定部と、
前記画像のうち前記領域決定部が決定した領域から顔を検出する顔検出部と、
前記顔検出部が顔の検出に失敗した場合に、前記領域決定部が決定した領域を拡大する領域拡大部と
を備えることを特徴とする顔検出装置。
【請求項2】
前記顔検出部が検出した顔から、当該顔の特徴を示す顔情報を抽出する顔情報抽出部と、
顔情報と個人情報とを関連付けて記憶する個人情報記憶部から、前記顔情報抽出部が抽出した顔情報との一致度が所定の閾値以上となる顔情報に関連付けられた個人情報を読み出す個人情報読み出し部と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の顔検出装置。
【請求項3】
前記顔検出部が検出した顔との一致度が所定の閾値以上となる顔情報が存在しない場合に、当該顔情報が示す人物の前記個人情報の入力を受け付ける個人情報入力部と、
前記個人情報入力部が入力を受け付けた個人情報を、前記顔情報抽出部が抽出した顔情報に関連付けて前記個人情報記憶部に記録する個人情報記録部と
を備えることを特徴とする請求項2に記載の顔検出装置。
【請求項4】
指定された座標に顔が存在するか否かを判定する顔存在判定部を備え、
前記顔存在判定部は、前記顔検出部が顔を検出した場合において、顔であると判定した領域である顔領域内に前記指定された座標が含まれないとき、指定された座標に顔が存在しないと判定する
ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の顔検出装置。
【請求項5】
画像中に顔が存在するか否かを判定する顔検出装置を用いた顔検出方法であって、
領域決定部は、指定された座標を中心とする領域を決定し、
顔検出部は、前記画像のうち前記領域決定部が決定した領域から顔を検出し、
領域拡大部は、前記顔検出部が顔の検出に失敗した場合に、前記領域決定部が決定した領域を拡大する
ことを特徴とする顔検出方法。
【請求項6】
画像中に顔が存在するか否かを判定する顔検出装置を、
指定された座標を中心とする領域を決定する領域決定部、
前記画像のうち前記領域決定部が決定した領域から顔を検出する顔検出部、
前記顔検出部が顔の検出に失敗した場合に、前記領域決定部が決定した領域を拡大する領域拡大部
として機能させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【公開番号】特開2012−195812(P2012−195812A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−58969(P2011−58969)
【出願日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】
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