風呂蓋
【課題】優れた曲げ強度を有しかつ薄く軽量性に優れた風呂蓋を提供する。
【解決手段】 複数本の中空棒状体(10)(10)…が平行状に配置され、隣接する中空棒状体(10)(10)が軟質合成樹脂製連結用部材(20)によって連結されてなる風呂蓋において、
少なくとも一部の中空棒状体は、幅方向において、硬質合成樹脂製中空本体(11)の一端または両端にアルミニウム製強度骨(12)が連結されてなる複合中空棒状体(10)であることを特徴とする。
【解決手段】 複数本の中空棒状体(10)(10)…が平行状に配置され、隣接する中空棒状体(10)(10)が軟質合成樹脂製連結用部材(20)によって連結されてなる風呂蓋において、
少なくとも一部の中空棒状体は、幅方向において、硬質合成樹脂製中空本体(11)の一端または両端にアルミニウム製強度骨(12)が連結されてなる複合中空棒状体(10)であることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
この発明は、風呂蓋、特に、蛇腹状に折り畳まれるいわゆる折り畳み式風呂蓋あるいは巻き込むようにして丸められるいわゆるシャッター式風呂蓋に関する。
に関する。
【背景技術】
【０００２】
浴槽上面を覆う風呂蓋としては、硬質合成樹脂製の長尺の中空棒状体が複数本平行状に配置され、隣り合う中空棒状体同士が側縁で軟質合成樹脂製連結片によって連結一体化されたものが公知である。即ち、シャッター式風呂蓋と呼ばれるものでは、幅の狭い中空棒状体を用いて巻き込んでおくことができ、折り畳み式風呂蓋と呼ばれるものでは、幅の広い中空棒状体を用いて、隣接する中空棒状体の上面同士と下面同士を交互に重ねて蛇腹状に折り畳むことが可能となるものである。
【０００３】
ところで、風呂蓋には、使用者の安全を十分に確保するために、優れた曲げ強度を有していることが要請されており、ＳＧ規格においても風呂蓋の曲げたわみ量に関し基準が定められている。
【０００４】
従来の風呂蓋では、曲げ強度を向上させるために、中空棒状体を厚くするするとともに、中空棒状体の中空空間内に補強壁を設けた構成、あるいは中空棒状体の構成壁の肉厚を大きくする構成等が採用されていた（特許文献１，２，３，４参照）。
【特許文献１】特開２００１−３０９８６３号公報
【特許文献２】特開２００１−２３８８０８号公報
【特許文献３】特開２０００−０９３３３７号公報
【特許文献４】特開平１１−０８９７３６号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかしながら、上述した従来の風呂蓋は重くかつ厚いものであり、取り扱い易さに欠けるものであった。また、巻き込み時や折り畳み時にも嵩張るために、浴室内での取り扱いはもとより、商品搬送時や展示時にも不便であった。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
この発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであって、優れた曲げ強度を有しかつ薄く軽量性に優れた風呂蓋を提供することを目的とする。
【０００７】
即ち、本発明の風呂蓋は下記〔１〕〜〔６〕に記載の構成を有する。
【０００８】
〔１〕 複数本の中空棒状体が平行状に配置され、隣接する中空棒状体が軟質合成樹脂製連結用部材によって連結されてなる風呂蓋において、少なくとも一部の中空棒状体は、幅方向において、硬質合成樹脂製中空本体の一端または両端にアルミニウム製強度骨が連結されてなる複合中空棒状体であることを特徴とする風呂蓋。
【０００９】
〔２〕 前記複合中空棒状体において、前記中空本体に溝部または凸条が設けられる一方、前記強度骨に前記中空本体の溝部または凸条に対応する凸条または溝部が設けられ、前記中空本体と強度骨とが前記溝部と凸条の嵌合によって連結されている〔１〕に記載の風呂蓋。
【００１０】
〔３〕 中空棒状体として、前記複合中空棒状体と、全体が硬質合成樹脂からなる樹脂製中空棒状体とが併用されている〔１〕また〔２〕に記載の風呂蓋。
【００１１】
〔４〕 隣接する複合中空棒状体の中空本体が、これらを連結する連結用部材と一体に成形されてなる〔１〕〜〔３〕のいずれか１項に記載の風呂蓋。
【００１２】
〔５〕 前記強度骨に中空部が形成されている〔１〕〜〔４〕のいずれか１項に記載の風呂蓋。
【００１３】
〔６〕 前記中空棒状体の両端面に、下面に滑り止め部材が設けられた閉塞用キャップが装着されている〔１〕〜〔５〕のいずれかに記載の風呂蓋。
【発明の効果】
【００１４】
〔１〕の発明にかかる風呂蓋では、アルミニウムを用いることによって優れた曲げ強度を有し、ひいては薄く軽量化される。また、アルミニウムと合成樹脂という異種材料を用いることによって斬新な外観を得ることができる。
【００１５】
〔２〕の発明にかかる風呂蓋では、中空半体と強度骨と効率良く連結することができる。
【００１６】
〔３〕の発明にかかる風呂蓋では、所要の曲げ強度を確保しつつ斬新な外観を得ることができる。
【００１７】
〔４〕の発明にかかる風呂蓋では、部品点数や連結作業工数を減らして効率良く風呂蓋が製造される。
【００１８】
〔５〕の発明にかかる風呂蓋では、重量増加を最小限にとどめつつ、曲げ強度を向上させることができる。
【００１９】
〔６〕の発明にかかる風呂蓋では、滑り止めが必要な部分に対して効率良く滑り止め効果を付与することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００２０】
以下に、この発明に係る風呂蓋の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【００２１】
図１および図２に示されるように、風呂蓋(1)は、複数の複合中空棒状体(10)が連結用部材(20)で連結され、各複合中空棒状体(10)の両端面に閉塞用キャップ(30)が装着されたものである。この風呂蓋(1)は、複合中空棒状体(10)が一方方向に巻き込まれる所謂シャッター式風呂蓋である。
【００２２】
各複合中空棒状体(10)は、幅方向において硬質合成樹脂製中空本体(11)の両端にアルミニウム製強度骨(12)(12)が連結されたものである。
【００２３】
前記中空本体(11)は、ポリプロピレン等の硬質合成樹脂からなる押出成形品からなる。前記中空本体(11)は、補強壁(13)で仕切られた中空部を有し、前記強度骨(12)との連結面には先端に鈎部(14a)を有する２つの凸条(14)(14)が設けられている。
【００２４】
一方、前記強度骨(12)はアルミニウム押出成形品からなり、前記中空本体(11)との連結面には、前記凸条(14)(14)に対応して開口部が狭くなった鈎状の溝部(15)(15)が設けられている。また、隣接する複合中空棒状体(10)との連結面には、前記連結用部材(20)を係合するための溝部(16)が形成されている。
【００２５】
そして、前記中空本体(11)の各凸条(14)(14)を強度骨(12)(12)の溝部(15)(15)の一端から挿入して嵌合させ、さらにスライドさせると鈎部(14a)(14a)が幅方向に抜け止め状態となって係合される。これにより、樹脂製中空本体(11)の両端にアルミニウム製強度骨(12)(12)が連結された複合中空棒状体(10)となる。
【００２６】
連結用部材(20)は軟質合成樹脂製押出形材からなり、自在に曲げ可能な帯状部(21)の両端に前記強度骨(12)の溝部(16)の形状に対応する断面円形の膨大部(22)(22)が形成されてなる。そして、前記膨大部(22)を前記溝部(16)の端部から嵌め入れてスライドさせることにより、図面の左右方向に抜け止め状態に係合される。そして、所要数の複合中空棒状体(10)を連結用部材(20)を介して連結する。
【００２７】
キャップ(30)は、硬質合成樹脂成型品からなり、キャップ本体(31)が前記中空棒状体(10)の強度骨(12)を含む開放端面と同じ形状に形成され、該開放端面を完全に覆いうるものとなされている。
【００２８】
前記キャップ本体(31)の内面の上下両端部には、複合中空棒状体(10)の中空本体(11)の上面板の内面または下面板の内面に当接する複数本の嵌合用脚部(32)が突設されている。また、前記キャップ本体(31)の外面下縁には、中空本体(11)の下面に当接し、前記嵌合用脚部(32)と協働して下面板を挟着する延長板部(33)が延設されている。該延長板部(33)は、その長さが前記嵌合用脚部(32)の長さよりも大に設定されるとともに、下面にシート状滑り止め部材(34)が設けられている。図中、(35)はキャップ本体(31)に穿設された水抜き孔である。前記キャップ(30)は、複合中空棒状体(10)に対して接着ないしは高周波による熱溶着により接合されている。
【００２９】
前記キャップ(30)は例えば射出成形によって製作され、前記滑り止め部材(34)とその他の部分（キャップ本体、嵌合用脚部、延長板部）とをいわゆるダブルインジェクションにより二色成形することにより同一工程で製作することができる。また、滑り止め部材(34)の材料として軟質ポリプロピレン樹脂、熱可塑性エラストマー等が好適に用いられ、その他の部分の材料としてポリプロピレン等の硬質樹脂が好適に用いられる。
【００３０】
上述した風呂蓋(1)によれば、複合中空棒状体(10)のアルミニウム製の強度骨(12)による強度と補強壁(13)とによって高い曲げ強度が得られ、薄く（中空棒状体の高さを低く）しても所要の曲げ強度を確保することができる。そして、薄くしたことで軽量となり折り畳み時の嵩も小さくなる。また、複合中空棒状体(10)が硬質合成樹脂製の中空本体(11)とアルミニウム製の強度骨(12)という異種材によって構成されるため、斬新な外観を呈する風呂蓋となる。なお、中空本体(11)の補強壁(13)の有無も任意に選択することができるが、補強壁(13)で曲げ強度を確保することによって薄肉化できるため、風呂蓋全体として軽量化を図ることができる。
【００３１】
また、前記中空本体(11)と強度骨(12)との組付け構造として凸条(14)と溝部(15)の嵌合構造を採用することにより、組付け作業を簡単に行うことができる。しかも、前記中空本体(11)または強度骨(12)として押出形材を用いれば、押出時に凸条(14)および溝部(15)、さらに補強壁(13)を成形を行うことができ、効率良くこれらの部材を製作することができる。なお、前記中空本体(11)と強度骨(12)とで溝部と凸部を逆転させても良く、また中空本体(11)の左右の連結面に溝部と凸条とを設け、強度骨(12)にこれらと係合する凸条と溝部とを設けても良い。さらに、前記中空本体(11)と強度骨(12)の連結構造は上述した嵌合構造に限定されない。
【００３２】
さらに、前記キャップ(30)の下面に滑り止め部材(34)を設けることによって、浴槽上縁に接して滑り止めが必要な部分に対して効率良く滑り止め効果を付与することができる。
【００３３】
本発明の風呂蓋は、所要の曲げ強度を確保できる限り上記実施形態に限定されない。
【００３４】
例えば図３および図４に示すように、複合中空棒状体(40)は中空本体(41)の一端にのみ強度骨(12)を連結したものであっても良い。この場合、隣接する複合中空棒状体で左右を反転させて強度骨(12)(12)同士を連結用部材(20)を介して連結し、隣接する中空本体(41)(41)は連結用部材(23)を介して一体に連結した成形体（Ｓ１）として製作すれば良い（図３参照）。具体的には、中空本体(41)(41)を構成するポリプロピレン等の硬質合成樹脂と、連結用部材(23)を構成する軟質合成樹脂とを二色成形することにより一工程で製作されている。また図４に示すように、中空本体(42)と強度骨(43)とが連結した複合中空棒状体(44)と全体が硬質合成樹脂からなる樹脂製中空棒状体(45)を併用しても良い。この場合は、樹脂部分、即ち中空本体(42)−連結用部材(23)−樹脂製中空棒状体(45)−連結用部材(23)−中空本体(42)を一体物（Ｓ２）として製作し、中空本体(42)に強度骨(43)を連結し、さらに隣接する強度骨(43)(43)同士を連結用部材(20)を介して連結すれば良い。なお、複合中空棒状体(10)(40)(44)と樹脂製中空棒状体(45)とを併用する場合、図４の配列に限定されず、高い曲げ強度が要求される浴槽中央部分に複合中空棒状体(10)(40)(44)を連続配置するとともに、両端部に樹脂製中空棒状体(40)を配置するといった配置も自由に選択できる。
【００３５】
また、強度骨の形状も限定されず、図４に示すような、幅を大きくして中空部(46)を設けた強度骨(43)であっても良い。中空部(46)を形成することにより、強度骨(43)の幅を大きくして強度を向上させた場合でも重量増加を最小限にとどめることができる。
【００３６】
さらに、上述したシャッター式風呂蓋にも限定されず、中空棒状体の幅、連結用部材の幅や取付位置等を適宜設定して折り畳み式風呂蓋としても良い。
【図面の簡単な説明】
【００３７】
【図１】本発明にかかる風呂蓋の一実施形態を示す全体斜視図である。
【図２】図１の風呂蓋の要部分解斜視図である。
【図３】本発明にかかる風呂蓋の他の実施形態を示す要部断面図である。
【図４】他の複合中空棒状体を示す断面図である。
【符号の説明】
【００３８】
1…風呂蓋
10,40,44…複合中空棒状体（中空棒状体）
11,41,42…中空本体
12,43…強度骨
13…補強壁
14…凸条
15…溝部
20,23…軟質合成樹脂製連結用部材
30…キャップ
34…滑り止め部材
45…樹脂製中空棒状体（中空棒状体）
46…中空部
【技術分野】
【０００１】
この発明は、風呂蓋、特に、蛇腹状に折り畳まれるいわゆる折り畳み式風呂蓋あるいは巻き込むようにして丸められるいわゆるシャッター式風呂蓋に関する。
に関する。
【背景技術】
【０００２】
浴槽上面を覆う風呂蓋としては、硬質合成樹脂製の長尺の中空棒状体が複数本平行状に配置され、隣り合う中空棒状体同士が側縁で軟質合成樹脂製連結片によって連結一体化されたものが公知である。即ち、シャッター式風呂蓋と呼ばれるものでは、幅の狭い中空棒状体を用いて巻き込んでおくことができ、折り畳み式風呂蓋と呼ばれるものでは、幅の広い中空棒状体を用いて、隣接する中空棒状体の上面同士と下面同士を交互に重ねて蛇腹状に折り畳むことが可能となるものである。
【０００３】
ところで、風呂蓋には、使用者の安全を十分に確保するために、優れた曲げ強度を有していることが要請されており、ＳＧ規格においても風呂蓋の曲げたわみ量に関し基準が定められている。
【０００４】
従来の風呂蓋では、曲げ強度を向上させるために、中空棒状体を厚くするするとともに、中空棒状体の中空空間内に補強壁を設けた構成、あるいは中空棒状体の構成壁の肉厚を大きくする構成等が採用されていた（特許文献１，２，３，４参照）。
【特許文献１】特開２００１−３０９８６３号公報
【特許文献２】特開２００１−２３８８０８号公報
【特許文献３】特開２０００−０９３３３７号公報
【特許文献４】特開平１１−０８９７３６号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかしながら、上述した従来の風呂蓋は重くかつ厚いものであり、取り扱い易さに欠けるものであった。また、巻き込み時や折り畳み時にも嵩張るために、浴室内での取り扱いはもとより、商品搬送時や展示時にも不便であった。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
この発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであって、優れた曲げ強度を有しかつ薄く軽量性に優れた風呂蓋を提供することを目的とする。
【０００７】
即ち、本発明の風呂蓋は下記〔１〕〜〔６〕に記載の構成を有する。
【０００８】
〔１〕 複数本の中空棒状体が平行状に配置され、隣接する中空棒状体が軟質合成樹脂製連結用部材によって連結されてなる風呂蓋において、少なくとも一部の中空棒状体は、幅方向において、硬質合成樹脂製中空本体の一端または両端にアルミニウム製強度骨が連結されてなる複合中空棒状体であることを特徴とする風呂蓋。
【０００９】
〔２〕 前記複合中空棒状体において、前記中空本体に溝部または凸条が設けられる一方、前記強度骨に前記中空本体の溝部または凸条に対応する凸条または溝部が設けられ、前記中空本体と強度骨とが前記溝部と凸条の嵌合によって連結されている〔１〕に記載の風呂蓋。
【００１０】
〔３〕 中空棒状体として、前記複合中空棒状体と、全体が硬質合成樹脂からなる樹脂製中空棒状体とが併用されている〔１〕また〔２〕に記載の風呂蓋。
【００１１】
〔４〕 隣接する複合中空棒状体の中空本体が、これらを連結する連結用部材と一体に成形されてなる〔１〕〜〔３〕のいずれか１項に記載の風呂蓋。
【００１２】
〔５〕 前記強度骨に中空部が形成されている〔１〕〜〔４〕のいずれか１項に記載の風呂蓋。
【００１３】
〔６〕 前記中空棒状体の両端面に、下面に滑り止め部材が設けられた閉塞用キャップが装着されている〔１〕〜〔５〕のいずれかに記載の風呂蓋。
【発明の効果】
【００１４】
〔１〕の発明にかかる風呂蓋では、アルミニウムを用いることによって優れた曲げ強度を有し、ひいては薄く軽量化される。また、アルミニウムと合成樹脂という異種材料を用いることによって斬新な外観を得ることができる。
【００１５】
〔２〕の発明にかかる風呂蓋では、中空半体と強度骨と効率良く連結することができる。
【００１６】
〔３〕の発明にかかる風呂蓋では、所要の曲げ強度を確保しつつ斬新な外観を得ることができる。
【００１７】
〔４〕の発明にかかる風呂蓋では、部品点数や連結作業工数を減らして効率良く風呂蓋が製造される。
【００１８】
〔５〕の発明にかかる風呂蓋では、重量増加を最小限にとどめつつ、曲げ強度を向上させることができる。
【００１９】
〔６〕の発明にかかる風呂蓋では、滑り止めが必要な部分に対して効率良く滑り止め効果を付与することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００２０】
以下に、この発明に係る風呂蓋の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【００２１】
図１および図２に示されるように、風呂蓋(1)は、複数の複合中空棒状体(10)が連結用部材(20)で連結され、各複合中空棒状体(10)の両端面に閉塞用キャップ(30)が装着されたものである。この風呂蓋(1)は、複合中空棒状体(10)が一方方向に巻き込まれる所謂シャッター式風呂蓋である。
【００２２】
各複合中空棒状体(10)は、幅方向において硬質合成樹脂製中空本体(11)の両端にアルミニウム製強度骨(12)(12)が連結されたものである。
【００２３】
前記中空本体(11)は、ポリプロピレン等の硬質合成樹脂からなる押出成形品からなる。前記中空本体(11)は、補強壁(13)で仕切られた中空部を有し、前記強度骨(12)との連結面には先端に鈎部(14a)を有する２つの凸条(14)(14)が設けられている。
【００２４】
一方、前記強度骨(12)はアルミニウム押出成形品からなり、前記中空本体(11)との連結面には、前記凸条(14)(14)に対応して開口部が狭くなった鈎状の溝部(15)(15)が設けられている。また、隣接する複合中空棒状体(10)との連結面には、前記連結用部材(20)を係合するための溝部(16)が形成されている。
【００２５】
そして、前記中空本体(11)の各凸条(14)(14)を強度骨(12)(12)の溝部(15)(15)の一端から挿入して嵌合させ、さらにスライドさせると鈎部(14a)(14a)が幅方向に抜け止め状態となって係合される。これにより、樹脂製中空本体(11)の両端にアルミニウム製強度骨(12)(12)が連結された複合中空棒状体(10)となる。
【００２６】
連結用部材(20)は軟質合成樹脂製押出形材からなり、自在に曲げ可能な帯状部(21)の両端に前記強度骨(12)の溝部(16)の形状に対応する断面円形の膨大部(22)(22)が形成されてなる。そして、前記膨大部(22)を前記溝部(16)の端部から嵌め入れてスライドさせることにより、図面の左右方向に抜け止め状態に係合される。そして、所要数の複合中空棒状体(10)を連結用部材(20)を介して連結する。
【００２７】
キャップ(30)は、硬質合成樹脂成型品からなり、キャップ本体(31)が前記中空棒状体(10)の強度骨(12)を含む開放端面と同じ形状に形成され、該開放端面を完全に覆いうるものとなされている。
【００２８】
前記キャップ本体(31)の内面の上下両端部には、複合中空棒状体(10)の中空本体(11)の上面板の内面または下面板の内面に当接する複数本の嵌合用脚部(32)が突設されている。また、前記キャップ本体(31)の外面下縁には、中空本体(11)の下面に当接し、前記嵌合用脚部(32)と協働して下面板を挟着する延長板部(33)が延設されている。該延長板部(33)は、その長さが前記嵌合用脚部(32)の長さよりも大に設定されるとともに、下面にシート状滑り止め部材(34)が設けられている。図中、(35)はキャップ本体(31)に穿設された水抜き孔である。前記キャップ(30)は、複合中空棒状体(10)に対して接着ないしは高周波による熱溶着により接合されている。
【００２９】
前記キャップ(30)は例えば射出成形によって製作され、前記滑り止め部材(34)とその他の部分（キャップ本体、嵌合用脚部、延長板部）とをいわゆるダブルインジェクションにより二色成形することにより同一工程で製作することができる。また、滑り止め部材(34)の材料として軟質ポリプロピレン樹脂、熱可塑性エラストマー等が好適に用いられ、その他の部分の材料としてポリプロピレン等の硬質樹脂が好適に用いられる。
【００３０】
上述した風呂蓋(1)によれば、複合中空棒状体(10)のアルミニウム製の強度骨(12)による強度と補強壁(13)とによって高い曲げ強度が得られ、薄く（中空棒状体の高さを低く）しても所要の曲げ強度を確保することができる。そして、薄くしたことで軽量となり折り畳み時の嵩も小さくなる。また、複合中空棒状体(10)が硬質合成樹脂製の中空本体(11)とアルミニウム製の強度骨(12)という異種材によって構成されるため、斬新な外観を呈する風呂蓋となる。なお、中空本体(11)の補強壁(13)の有無も任意に選択することができるが、補強壁(13)で曲げ強度を確保することによって薄肉化できるため、風呂蓋全体として軽量化を図ることができる。
【００３１】
また、前記中空本体(11)と強度骨(12)との組付け構造として凸条(14)と溝部(15)の嵌合構造を採用することにより、組付け作業を簡単に行うことができる。しかも、前記中空本体(11)または強度骨(12)として押出形材を用いれば、押出時に凸条(14)および溝部(15)、さらに補強壁(13)を成形を行うことができ、効率良くこれらの部材を製作することができる。なお、前記中空本体(11)と強度骨(12)とで溝部と凸部を逆転させても良く、また中空本体(11)の左右の連結面に溝部と凸条とを設け、強度骨(12)にこれらと係合する凸条と溝部とを設けても良い。さらに、前記中空本体(11)と強度骨(12)の連結構造は上述した嵌合構造に限定されない。
【００３２】
さらに、前記キャップ(30)の下面に滑り止め部材(34)を設けることによって、浴槽上縁に接して滑り止めが必要な部分に対して効率良く滑り止め効果を付与することができる。
【００３３】
本発明の風呂蓋は、所要の曲げ強度を確保できる限り上記実施形態に限定されない。
【００３４】
例えば図３および図４に示すように、複合中空棒状体(40)は中空本体(41)の一端にのみ強度骨(12)を連結したものであっても良い。この場合、隣接する複合中空棒状体で左右を反転させて強度骨(12)(12)同士を連結用部材(20)を介して連結し、隣接する中空本体(41)(41)は連結用部材(23)を介して一体に連結した成形体（Ｓ１）として製作すれば良い（図３参照）。具体的には、中空本体(41)(41)を構成するポリプロピレン等の硬質合成樹脂と、連結用部材(23)を構成する軟質合成樹脂とを二色成形することにより一工程で製作されている。また図４に示すように、中空本体(42)と強度骨(43)とが連結した複合中空棒状体(44)と全体が硬質合成樹脂からなる樹脂製中空棒状体(45)を併用しても良い。この場合は、樹脂部分、即ち中空本体(42)−連結用部材(23)−樹脂製中空棒状体(45)−連結用部材(23)−中空本体(42)を一体物（Ｓ２）として製作し、中空本体(42)に強度骨(43)を連結し、さらに隣接する強度骨(43)(43)同士を連結用部材(20)を介して連結すれば良い。なお、複合中空棒状体(10)(40)(44)と樹脂製中空棒状体(45)とを併用する場合、図４の配列に限定されず、高い曲げ強度が要求される浴槽中央部分に複合中空棒状体(10)(40)(44)を連続配置するとともに、両端部に樹脂製中空棒状体(40)を配置するといった配置も自由に選択できる。
【００３５】
また、強度骨の形状も限定されず、図４に示すような、幅を大きくして中空部(46)を設けた強度骨(43)であっても良い。中空部(46)を形成することにより、強度骨(43)の幅を大きくして強度を向上させた場合でも重量増加を最小限にとどめることができる。
【００３６】
さらに、上述したシャッター式風呂蓋にも限定されず、中空棒状体の幅、連結用部材の幅や取付位置等を適宜設定して折り畳み式風呂蓋としても良い。
【図面の簡単な説明】
【００３７】
【図１】本発明にかかる風呂蓋の一実施形態を示す全体斜視図である。
【図２】図１の風呂蓋の要部分解斜視図である。
【図３】本発明にかかる風呂蓋の他の実施形態を示す要部断面図である。
【図４】他の複合中空棒状体を示す断面図である。
【符号の説明】
【００３８】
1…風呂蓋
10,40,44…複合中空棒状体（中空棒状体）
11,41,42…中空本体
12,43…強度骨
13…補強壁
14…凸条
15…溝部
20,23…軟質合成樹脂製連結用部材
30…キャップ
34…滑り止め部材
45…樹脂製中空棒状体（中空棒状体）
46…中空部
【特許請求の範囲】
【請求項１】
複数本の中空棒状体が平行状に配置され、隣接する中空棒状体が軟質合成樹脂製連結用部材によって連結されてなる風呂蓋において、
少なくとも一部の中空棒状体は、幅方向において、硬質合成樹脂製中空本体の一端または両端にアルミニウム製強度骨が連結されてなる複合中空棒状体であることを特徴とする風呂蓋。
【請求項２】
前記複合中空棒状体において、前記中空本体に溝部または凸条が設けられる一方、前記強度骨に前記中空本体の溝部または凸条に対応する凸条または溝部が設けられ、前記中空本体と強度骨とが前記溝部と凸条の嵌合によって連結されている請求項１に記載の風呂蓋。
【請求項３】
中空棒状体として、前記複合中空棒状体と、全体が硬質合成樹脂からなる樹脂製中空棒状体とが併用されている請求項１また２に記載の風呂蓋。
【請求項４】
隣接する複合中空棒状体の中空本体が、これらを連結する連結用部材と一体に成形されてなる請求項１〜３のいずれか１項に記載の風呂蓋。
【請求項５】
前記強度骨に中空部が形成されている請求項１〜４のいずれか１項に記載の風呂蓋。
【請求項６】
前記中空棒状体の両端面に、下面に滑り止め部材が設けられた閉塞用キャップが装着されている請求項１〜５のいずれかに記載の風呂蓋。
【請求項１】
複数本の中空棒状体が平行状に配置され、隣接する中空棒状体が軟質合成樹脂製連結用部材によって連結されてなる風呂蓋において、
少なくとも一部の中空棒状体は、幅方向において、硬質合成樹脂製中空本体の一端または両端にアルミニウム製強度骨が連結されてなる複合中空棒状体であることを特徴とする風呂蓋。
【請求項２】
前記複合中空棒状体において、前記中空本体に溝部または凸条が設けられる一方、前記強度骨に前記中空本体の溝部または凸条に対応する凸条または溝部が設けられ、前記中空本体と強度骨とが前記溝部と凸条の嵌合によって連結されている請求項１に記載の風呂蓋。
【請求項３】
中空棒状体として、前記複合中空棒状体と、全体が硬質合成樹脂からなる樹脂製中空棒状体とが併用されている請求項１また２に記載の風呂蓋。
【請求項４】
隣接する複合中空棒状体の中空本体が、これらを連結する連結用部材と一体に成形されてなる請求項１〜３のいずれか１項に記載の風呂蓋。
【請求項５】
前記強度骨に中空部が形成されている請求項１〜４のいずれか１項に記載の風呂蓋。
【請求項６】
前記中空棒状体の両端面に、下面に滑り止め部材が設けられた閉塞用キャップが装着されている請求項１〜５のいずれかに記載の風呂蓋。
【図２】
【図３】
【図４】
【図１】
【図３】
【図４】
【図１】
【公開番号】特開２００６−４３０３５（Ｐ２００６−４３０３５Ａ）
【公開日】平成１８年２月１６日（２００６．２．１６）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００４−２２６５３９（Ｐ２００４−２２６５３９）
【出願日】平成１６年８月３日（２００４．８．３）
【出願人】（３９００２９９１９）株式会社オーエ (24)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１８年２月１６日（２００６．２．１６）
【国際特許分類】
【出願日】平成１６年８月３日（２００４．８．３）
【出願人】（３９００２９９１９）株式会社オーエ (24)
【Ｆターム（参考）】
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