説明

風呂蓋

【課題】 隣接する蓋板の端縁部間に隙間が生じても、該隙間を通じて湯気が漏れることがなく保温性が良好に保持される風呂蓋を提供する。
【解決手段】 複数枚の蓋板1から成り、隣接する蓋板1の端縁部2同士を突き合わせて浴槽の開口縁上に設置される風呂蓋において、隣接する蓋板1の対向する端縁部2のうち少なくとも一方に、他方の端縁部2に弾接する軟質のひれ片部4を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、隣接する蓋板の端縁部同士を突き合わせて設置される風呂蓋に関する。
【背景技術】
【0002】
図2、図3には、例えば特許文献1にも記載されるような、一対の分割された蓋板1から成る一般的な風呂蓋を示している。この風呂蓋にあっては、図2に示すように、隣接する蓋板1の端縁部2同士を突き合わせた状態で、浴槽3の開口縁上に設置するようになっている。
【0003】
上記風呂蓋にあっては、図3(a)に示すように端縁部2同士を対向面全体で当接させることが好ましいが、浴槽3内から生じる湯気等の影響によって蓋板1が反りを生じた場合には、図2や図3(b)に示すように、隣接する蓋板1の端縁部2同士の間に2〜3mm程度の隙間Sが生じ易くなる。この隙間Sを通じて浴槽3内から湯気が漏れると、風呂蓋の保温性が大幅に低下するという問題がある。
【特許文献1】特開2004−237065号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記問題点に鑑みて発明したものであって、隣接する蓋板の端縁部同士の間に隙間が生じても、該隙間を通じて湯気が漏れることがなく、保温性が良好に保持される風呂蓋を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明は、複数枚の蓋板1から成り、隣接する蓋板1の端縁部2同士を突き合わせて浴槽3の開口縁上に設置される風呂蓋において、隣接する蓋板1の対向する端縁部2のうち少なくとも一方に、他方の端縁部2に弾接する軟質のひれ片部4を設けている。
【0006】
このようにすることで、蓋板1に反りが生じる等して隣接する端縁部2間に隙間Sが生じても、ひれ片部4が存在することにより、隙間Sを通じて浴槽3内から外部空間に湯気が漏れることは防止される。
【0007】
上記ひれ片部4は、他方の端縁部2に弾接する側の面4aが凹曲面となるように湾曲させて成形したものであることが好適である。
【0008】
このようにすることで、端縁部2同士の間に小さな隙間Sが生じる場合は勿論のこと、大きな隙間Sが生じる場合であっても、ひれ片部4の少なくとも先端側が他方の端縁部2に問題なく弾接することになる。したがって、隙間Sを通じて浴槽3内から外部空間に湯気が漏れることは更に確実に防止される。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に係る発明は、隣接する蓋板の端縁部同士の間に隙間が生じた場合であっても、ひれ片部が存在することにより、該隙間を通じて湯気が漏れることが防止されるという効果を奏する。
【0010】
また請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明の効果に加えて、浴槽内から湯気が漏れることが更に確実に防止されるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。図1には、本発明の実施形態における一例の風呂蓋の要部側面を示している。
【0012】
本例の風呂蓋は、図2,図3に示した従来の風呂蓋と同様に、一対の蓋板1から成り、隣接する蓋板1の端縁部2同士を突き合わせた状態で、浴槽3の開口縁上に設置されるようになっている。
【0013】
図1(a)には端縁部2同士を突き合わせる前の状態、図1(b)には端縁部2同士を突き合わせた状態、図1(c)には突き合わせた端縁部2同士の間に隙間Sが生じた場合を、それぞれ示している。図示のように、隣接する一対の蓋板1の対向する端縁部2のうち図中左側である一方の端縁部2(以下「端縁部2a」という。)の裏面側角部からは、図中右側である他方の端縁部2(以下「端縁部2b」という。)の裏面側に弾接する軟質のひれ片部4を、水平方向全域に亘って設けている。加えて、他方の端縁部2bの表面側角部からは、一方の端縁部2aの表面側に弾接する軟質のひれ片部4を、水平方向全域に亘って設けている。
【0014】
一方の端縁部2aのひれ片部4は、他方の端縁部2bの裏面に弾接する側の面4aが凹曲面となるように湾曲させて成形したものである。また、他方の端縁部2bのひれ片部4は、一方の端縁部2aの表面に弾接する側の面4aが凹曲面となるように湾曲させて成形したものである。
【0015】
上記構成の風呂蓋においては、裏面側にひれ片部4を有する一方の蓋板1を先に浴槽3の開口縁上に設置し、この一方の蓋板1のひれ片部4に対して上方から、表面側にひれ片部4を有する他方の蓋板1の端縁部2bを被せてゆく。これにより、図1(b)に示すように、一方の端縁部2aのひれ片部4の内側の面4aが他方の端縁部2bの裏面に弾接するとともに、他方の端縁部2bのひれ片部4の内側の面4aが一方の端縁部2aの表面に弾接し、表面側と裏面側のひれ片部4により浴槽3内が確実に封止されることになる。
【0016】
ここで、浴槽3内から生じる湯気等の影響により蓋板1が反りを生じた場合には、隣接する蓋板1の端縁部2a,2b同士の間に隙間Sが生じることがある。しかし、図1(c)に示すように、この状態においてもひれ片部4はその先端部において、対向する端縁部2a,2bに弾接する。したがって、隙間Sはその表面側と裏面側の両方のひれ片部4で塞がれた状態に保持されるので、隙間Sを通じて浴槽3内から湯気が漏れることは防止される。
【0017】
なお、本例の風呂蓋においては、隣接する蓋板1の対向する端縁部2a,2bの両方にひれ片部4を設けているが、一方にのみひれ片部4を設けた構造であってもよい。
【0018】
例えば、図中左側の蓋板1の裏面側のひれ片部4のみを設けた場合であっても、端縁部2a,2b同士の間に隙間Sが生じた場合には、裏面側のひれ片部4が隙間Sと浴槽3内との間を塞ぐこととなり、浴槽3内の湯気が漏れることは防止される。
【0019】
また、図中右側の蓋板1の表面側のひれ片部4のみを設けた場合であっても、端縁部2a,2b同士の間に隙間Sが生じた場合には、表面側のひれ片部4が隙間Sと外部空間との間を塞ぐこととなり、浴槽3内の湯気が漏れることは防止される。
【0020】
また、本例の風呂蓋は一対の蓋板1から成るが、三以上の複数枚の蓋板1から成る風呂蓋においても、同様の構成は適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態における一例の風呂蓋の要部を示す側面図であり、(a)は端縁部同士を突き合わせる前の状態、図1(b)は端縁部同士を突き合わせた状態、図1(c)は突き合わせた端縁部間に隙間が生じた場合を示している。
【図2】従来の風呂蓋の設置状態を示す斜視図である。
【図3】同上の風呂蓋の要部を示す側面図である。
【符号の説明】
【0022】
1 蓋板
2 端縁部
3 浴槽
4 ひれ片部
4a 弾接する側の面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数枚の蓋板から成り、隣接する蓋板の端縁部同士を突き合わせて浴槽の開口縁上に設置される風呂蓋において、隣接する蓋板の対向する端縁部のうち少なくとも一方に、他方の端縁部に弾接する軟質のひれ片部を設けていることを特徴とする風呂蓋。
【請求項2】
上記ひれ片部は、他方の端縁部に弾接する側の面が凹曲面となるように湾曲させて成形したものであることを特徴とする請求項1に記載の風呂蓋。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2009−77817(P2009−77817A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−248154(P2007−248154)
【出願日】平成19年9月25日(2007.9.25)
【出願人】(505154956)パナソニック電工バス&ライフ株式会社 (306)
【Fターム(参考)】