説明

飛散装置

【課題】 周囲との違和感を生じさせることなく融和した装飾性豊かな構造物の外観を呈し、同時に鳥の羽根等の異形物についても十分な飛距離、高さ、拡散度で周囲に飛散体を吹出すことのできる飛散装置を提供する。
【解決手段】 ケース体と、ケース体内部に配置され、一端開口からケース体の外部に飛散体を吹出させると共に、ケース体の外部からアクセス可能で飛散体を供給させる供給口に、他端側が連通する案内ダクトと、供給口から供給される飛散体を案内ダクトを介してケース体の外部に強制的に吹出させる吹き出し駆動手段と、を備える。ケース体内の案内ダクトを介して飛散体は吹出し駆動されケース体の外部でその周囲に飛散される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飛散体の飛散装置に関し、特に、結婚披露宴、種々イベントの開会式、壮行会、その他の場の雰囲気を盛り上げるため等を主要な目的として用いられる飛散装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近時、結婚式や披露宴が行なわれる建造物付設のチャペルや結婚、披露宴会場は、天井高の高い建物の室内である場合が多い。このような祝事の際の人物の入場、進行の区切り目、挨拶の際などに音楽、音響、音声とともに紙吹雪、テープ、風船等をスポットライトを浴びる人やその周辺に放出してその場の雰囲気を盛り上げることが行なわれる。また、このような結婚式や披露宴に限らず、建造物の起工式、発表会、種々のセレモニー、イベント等においてその場の雰囲気を盛り上げるために紙吹雪や風船等が用いられる。従来このような紙吹雪、風船等を放出するのには、例えば会場に大型の扇風機や複数のファンを配置させ、適宜のタイミングで始動スイッチのオン操作と、紙片や風船の気流への投入を手動により行なうことにより実施するものがあった。また、これに対し、このような紙吹雪の小片や、テープ、サイリューム等を動力で飛散させるものが提案されている(特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】実開平7−31100号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の飛散機は、圧縮気体を収容したタンク本体の両側を枠の側板に回動可能に取り付けると共に、圧縮気体を収容したタンク本体の吐出口に、一定の長さを有する飛散筒の基端を取り付けた構造であり、圧縮気体タンクを支持基台として該タンク自体に飛散筒を上向きに取り付けたものであるから、地面、床面あるいはそれらに近い低位置に配置使用する場合が多く、このため、目出度い雰囲気の中に違和感を有する機械的構造物を目立つ状態で設置せざるを得なかった。また、圧縮タンク自体に直に飛散筒を接続させるので、タンクを小型化するとこれに支持される飛散筒も小型とせざるを得ず、この場合圧縮空気の大気開放時の噴出力で吹き飛ばされる対象物を飛散させる力が弱く、遠く、高く、できるだけ多数の対象物を同時に吹き飛ばすための能力として不十分な点があった。一方圧縮タンク大型化は紙吹雪やテープ等の飛散を必要とする目出度い席あるいは会場では違和感があり、また、飛散筒が銃器類の弾丸の砲筒を直感させて公序を害する行為とも錯覚されるおそれがある。さらには、特許文献1の飛散筒は一端側がタンクに直結されて他端側を斜め上方に向けた状態で支持するものであるから、筒自体は剛体構造とならざるを得ず、このため、例えば塩化ビニール製の成型品で製作する場合には、その内壁は滑面状の壁面となっている。この場合、内部に充填した飛散体にはほとんど抵抗が加わることなく吹出されるので、飛散筒から出る対象物の噴出される力は弱く、十分な飛距離、高さ、拡散度合いを得ることができにくいという問題があった。さらに、例えば、鳥の羽根等の異形物を飛ばすことは困難であり、飛散物自体にも単調で物足りなさがあった。
【0005】
本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、その1つの目的は、簡単な構成により、周囲との違和感を生じさせることなく融和した装飾性豊かな構造物の外観を呈し、同時に、紙吹雪、テープ等は勿論、鳥の羽根等の異形物についても十分な飛距離、高さ、拡散度で周囲に飛散体を吹出して雰囲気を盛り上げることのできる飛散装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明は、ケース体10と、ケース体内部に配置され、一端開口(16)からケース体の外部に飛散体2を吹出させると共に、ケース体の外部からアクセス可能で飛散体を供給させる供給口49に、他端側が連通する案内ダクト30と、供給口49から供給される飛散体2を案内ダクト30を介してケース体10の外部に強制的に吹出させる吹き出し駆動手段60と、を備えた飛散装置1から構成される。ケース体の形状は基本的に任意に設定できる。ケース体自体を装飾的に種々の外観形状としてもよいし、外部から付加して装置の設置自体を感じさせないような周囲の雰囲気に融和した外観、あるいは外形とするのがよい。案内ダクトは、基本的には伸縮、可撓性のダクトであるのがよいが、塩化ビニル管のような硬質の合成樹脂を成型した直管で構成してもよい。また、材質も、軽金属その他の素材を用いることができる。
【0007】
上記の飛散装置1の案内ダクト30は、供給管機構40に接続されており、該供給管機構は、案内ダクト30に連通接続される共通管部41と、共通管部から分岐して連通接続され、他端側が吹出し駆動手段に接続される駆動管部45と、前記供給口49を有する供給管部48と、を有する構造であるとよく、例えば縦長の柱状構造体内に効率よく駆動用ファン等を収容でき、かつ、柱状構造体の外観を損なうことがない。
【0008】
また、駆動管部45は案内ダクト30に直状に連通接続されると共に供給管部41は案内ダクト30に対して横方向に分岐して延設させるとよい。
【0009】
また、ケース体10は、少なくとも案内ダクト30よりも大きな径の中空柱状構造体から構成すると、具体的に案内ダクト、供給管機構、吹出し駆動手段をケース体内部に収容した状態で、ケース体の外観をすっきりしたものとして構成することができる。
【0010】
さらに、案内ダクト30は、ケース体10の内部で略直状に配置され、飛散体2の吹出し開口16が周囲に対し自在な角度で吹出し方向設定が可能なように設けられるとよい。
【0011】
また、ケース体10の上端部に案内ダクト30の先端開口(16)周囲の装飾用支持部(13)を設けると良い。
【0012】
さらに、駆動管部45には絞り流路部47を設けるとよく、例えば、空気の圧送元側から流れ方向側に対してしだいに先細り状として先端開口を小さくしたノズルを流路本管内に二重に設けることにより、流速を大きくして負圧吸引力を増加させるとともに、二重筒構造により消音効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の飛散装置によれば、ケース体と、ケース体内部に配置され、一端開口からケース体の外部に飛散体を吹出させると共に、ケース体の外部からアクセス可能で飛散体を供給させる供給口に、他端側が連通する案内ダクトと、供給口から供給される飛散体を案内ダクトを介してケース体の外部に強制的に吹出させる吹き出し駆動手段と、を備えた構成であるから、簡単な構造で低廉に製作でき、かつ、使用時に周囲の祝事等雰囲気との違和感を生じさせることなく融和した装飾性豊かな構造物の外観を呈し、同時に、紙吹雪、テープ等は勿論、鳥の羽根等の異形物についても十分な飛距離、高さ、拡散度で周囲に飛散体を吹出して雰囲気を盛り上げることができる。
【0014】
また、案内ダクトが、伸縮性を有する可撓性ダクトを含むことにより、ケース体内への組付けや取り扱いが容易であり、また、筐体のケース体の形状や構造に対応して自在に案内ダクトの収納形態、配置構成を設定でき、外部への飛散体吹出し構成の自由度が高い。また、軽量で装置全体の運搬移動も軽易にできる。
【0015】
また、案内ダクトは、供給管機構に接続されており、該供給管機構は、案内ダクトに連通接続される共通管部と、共通管部から分岐して連通接続され、他端側が吹出し駆動手段に接続される駆動管部と、前記供給口を有する供給管部と、を有する構造であるから、例えばフレキシブルな案内ダクトと、吹出し駆動装置と飛散体の供給機構との連結接続を具体的に実現し、かつそれらをケース体内に無理なく収容配置させることができる。
【0016】
また、駆動管部は案内ダクトに直状に連通接続されると共に供給管部は案内ダクトに対して横方向に分岐して延設された構成であるから、例えば縦長中空柱状のケース体内部に配置させて飛散体の外部からの供給及び吹出し駆動手段による駆動を実現しうる。
【0017】
また、ケース体は、少なくとも案内ダクトよりも大きな径の中空柱状構造体からなる構成とすることにより、ケース体の形状や構造に対応して自在に案内ダクトの収納形態、配置構成を設定しつつ、具体的に案内ダクトをケース体内に収容して飛散体を吹出し案内させる。
【0018】
また、その際、案内ダクトは、ケース体の内部で略直状に配置され、飛散体の吹出し開口が周囲に対し自在な角度で吹出し方向設定が可能なように設けられていることにより、例えばフレキシブルなダクトで構成した場合の案内ダクトの可撓性、柔軟性を利用して案内ダクトの吹出し開口側を長手軸周りに回転したり、ダクトの直径方向一端側を固定し、他端側を蛇腹状に伸縮させる等の簡易な操作で簡単に飛散体の吹出し、あるいは吹き上げ方向を設定できる。
【0019】
また、ケース体の上端部に案内ダクトの先端開口周囲の装飾用支持部が設けられている構成とすることにより、案内ダクトの吹出し開口の目隠しと装飾効果を高めて装置全体を確実に周囲の祝事の雰囲気に融合させるようにし得る。
【0020】
また、駆動管部には絞り流路部が設けられている構成とすることにより、負圧吸引力を増大させて吹出し駆動を確実に行なえるとともに、二重管構成とすることにより空気流量変動時の騒音抑制効果を奏し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、添付図面を参照しつつ本発明を実施するための最良の形態について説明する。本発明の飛散装置は、種々の飛散体を周囲の人々の間あるいは周囲に飛散させて結婚披露宴、種々イベントの開会式、壮行会、その他の場の雰囲気を盛り上げるすべての環境において、用いられる装置である。飛散体としては、紙吹雪、テープ、発光物、反射材、その他の物品が考えられるが、本実施形態においては、例えば鳥類の羽根を用いる例を示す。鳥類の羽根は、例えば軸からたくさんの枝が劣勢して、細長い紀の葉のような形の大羽といわれるものなどがあり、オーストリッチのものやカラーフェザーなどがあり、それぞれ、天然物及び加工品がある。
【0022】
図1ないし図5は、本発明の飛散装置1の実施形態を示しており、図1は、飛散装置1の縦断面説明図である。図において、飛散装置1は、ケース体10と、ケース体内に配置された案内ダクト30と、案内ダクトを介して飛散体2を吹出させる吹き出し駆動手段60と、を備えている。
【0023】
ケース体10は、本装置の諸構成部位を収容する筐体であって、それ自体が装飾的構造物あるいは置物等として装飾的効果を発揮させる構成部位収容支持装飾手段であり、本実施形態では、特に、該ケース体10は、中空柱状の構造体から形成されている。本実施形態のケース体は、さらに、断面略円形の中空円柱構造体であり、このように、中空の柱状あるいはタワー状の筐体とすることにより、図2に示すように、例えば柱の胴側部に縦長の凹部を複数条形成させることにより、古代ヨーロッパ等の神殿の構造用柱を想起させ、荘厳な雰囲気を出して結婚披露宴、種々の受賞式、式典等で室内の人の集まる部分や中央位置に配置させても周囲との違和感を生じさせずに使用することができる。該ケース体10は、本実施形態において、例えば合成樹脂成型体よりなり、例えば胴側部直径300mm、高さ2,200mm程度の縦長の構造体で形成されている。そして、その中空内部には、後述する案内ダクト30、吹出し駆動手段60等が配設されている。すなわち、言い換えると、ケース体10は、少なくとも案内ダクトよりも大きな径の中空柱状構造体から構成されている。ケース体10は、本実施形態のように縦長中空柱状とすることにより、案内ダクトを収容しかつ縦長状に支持する。ケース体10は、周壁11と底板台部12と、天壁13と、からなり、天壁13は、図4に示すように略平面板により閉鎖されており、その中央に孔14が開口され、案内ダクト30の吹出開口31が支持された状態で外部に露出している。天壁13は、その平面板上に花、草木、その他の装飾物等を載置させて案内ダクトの先端開口周囲を囲む装飾用支持部としても機能する。案内ダクトの先端開口すなわち、吹出し開口16の周囲に花等の装飾物を配置させて同吹出し開口16が外部に露出しないように隠すことにより、飛散装置を物理的、機械的な装置として外部に認識させないようにし、周囲の祝事の雰囲気に違和感を確実に起こさせないようにし得る。なお、図1,2中、18は、ケース体10の下端側である底板台部付近に設けられた外気の吸込み口18であり、例えば口を塞ぐ金網等の保護具が張設されている。
【0024】
案内ダクト30は、ケース体10内に収容されて、一端開口側から飛散体を充填されるとともに、該飛散体を案内して他端開口側から吹出させる飛散体の吹出し案内手段であり、本実施形態において、該案内ダクト30は、可撓性、伸縮性を有するフレキシブルなダクトからなり、例えば、合成樹脂製の柔軟なダクト本体に細い鋼線を介してダクト形状を保持しつつ長手方向に大きな伸縮率で伸縮するダクト構造を有している。そして、直状の縦長のケース体内に縦長の状態で配置支持される。案内ダクトの内側壁には、伸縮に対応して予めある程度の凹凸が形成されている。該案内ダクト30の上端側にはケース体10の天壁13の孔14の径よりも大きな外径の剛性管部材15がフレキシブルな案内ダクト本体を外部に少許引き出した状態で、一体的に連通接続されており、単管部材15が孔14からの抜け落ちを防止して、該案内ダクト30の吹出し開口16を常時ケース体の外部に位置させるように支持している。案内ダクトは、ケース体の内部で略直状に配置されているが、案内ダクトは、形状保持用リングあるいはスパイラルリングにより、自在な曲げ位置で形状を保持させるから、吹出し開口16は周囲に対し自在な角度にその吹出し方向設定が可能となっている。フレキシブルなダクトで構成した案内ダクトの可撓性、柔軟性を利用して案内ダクトの吹出し開口側を長手軸周りに回転したり、ダクトの直径方向一端側を固定し、他端側を蛇腹状に伸縮させる等の簡易な操作で簡単に飛散体の吹出し、あるいは吹き上げ方向を設定できる。なお、ケース体内に配置した案内ダクト部分を骨組み部材を内装した極薄のビニル製とし、該案内ダクトの上端吹出し開口部分をある程度の剛性を有する蛇腹管とし、それらを例えば金属製ジョイントリング等で接続する等の具体的な設計事項の範囲で任意の接続を行なって構成しても良い。案内ダクト30の下端側はケース体内で直状に垂下して供給管機構と接続されている。
【0025】
図1において、供給管機構40は、案内ダクト30に連通して該案内ダクトへの飛散体の充填と、充填される飛散体の吹出し駆動とを行なわせる際の中継手段であり、本実施形態では、一端側を案内ダクト30に連通し、他端側を分岐させてそれぞれ飛散体の供給側と吹出し駆動手段側に連通接続させた分岐管構造から構成されている。
【0026】
すなわち、本実施形態において、供給管機構40は、共通管部41と、駆動管部45と、供給管部48と、を含む。本実施形態において、これら共通管部41と、駆動管部45と、供給管部48とは、例えば合成樹脂材を一体成型により構成した2入力、1出力の分岐管である。共通管部41は、一端側をフレキシブルな案内ダクト30に連通接続するとともに、分岐される他端側の駆動管部45と、供給管部48と、に共通に連通接続される共通管部分である。
【0027】
供給管部48は、ケース体の外部からアクセスして飛散体2を案内ダクト30に供給させる供給口49を含む部位であり、本実施形態において、共通管部41に連通するように共通管部の縦の流路から横方向に伸びる横管50と、その端部においてさらに縦方向に曲げられて上方に向けた開口を有する供給口49と、を含む。横管50は、図1、3に示すように、ケース体10の下端寄り位置に設けられた横孔17を貫通してその端部側をケース体の外部に延設させている。なお、使用に際しては、供給口49から飛散体を充填した後で図示しない蓋を被嵌させて閉鎖させるとよい。
【0028】
駆動管部45は、一端側が共通管部41に連通接続され、他端側が吹出し駆動手段に接続される管の部位であり、本実施形態では共通管部41に縦に直状に連通され、駆動装置65から圧送される空気を共通管部に導入させる。本実施形態では、この駆動管部45内には送給される空気の流路を絞って中央部分のみに本体流路より小さな流路46を形成した絞り流路部47が設けられており、圧送空気がこの絞り流路部47を通過するとき、この部分で高圧となり大きな噴出力を得ることにより横方向から飛散体2を確実に負圧吸引すると共に、駆動装置としてのファンの運転時の騒音を低減させることができる。
【0029】
そして、駆動管部45には圧送空気を供給する駆動装置65が接続されている。駆動装置65は、供給口49から供給される飛散体2を案内ダクト30を介してケース体10の外部に強制的に吹出させる吹き出し駆動手段であり、本実施形態では図示しない電源から電力を供給されて羽根を回転駆動させるシロッコファン等の遠心ファンが用いられ、ケース体10の下端側である底板台部付近に設けられた外気の吸込み口18から外気を吸込みながら空気を案内ダクト30側に圧送する。なお、図3中、66は、電力供給用の電線コードである。
【0030】
なお、図示しないが、駆動装置65のON、OFFは、催事等の時間に対応させたタイマにより駆動開始、運転時間等を設定して駆動させるようにしたり、操作者の手動あるいはフットペダル式のスイッチにより行なわせる等任意の構成を採用しうる。
【0031】
次に、本実施形態の飛散装置の使用方法について、説明すると、供給口の開口から例えばオーストリッチ等の羽根を複数枚充填しておき、供給管部の供給口49から飛散体を充填し、飛び出し防止用のネット体を含む蓋を被嵌させて閉鎖させる。この状態で、ファンモータをONさせて空気を駆動管部45から案内ダクト30側に圧送する。駆動管路45の絞り流路47を出て流速を増加させた空気は横方向に連通する供給管部48から空気を負圧吸引し、その際、充填した鳥羽根を吸込んで案内ダクト30内を上昇させる。この際、案内ダクト30内は、円滑な内壁面ではなく、凹凸を有した壁面であるから鳥羽根のような軽くて変則的な形状のものでも滑ることなく確実に上昇させることができる。そして、図5に示すように、十分な高さに支持された案内ダクト30の上端側の吹出し開口16から大きな吹き出し力で例えば斜め上方F方向に飛散体2を吹出させる。
【0032】
上述したように、本実施形態の飛散装置は、ケース体と案内ダクトと、吹出し駆動手段の簡単な構成により、周囲との違和感を生じさせることなく融和した装飾性豊かな構造物の外観を呈し、同時に、紙吹雪、テープ等は勿論、鳥の羽根等の異形物についても十分な飛距離、高さ、拡散度で周囲に飛散体を吹出して雰囲気を盛り上げることができる。そして、結婚披露宴、その他の催事、イベント時にその会場に配置させて周囲の環境、状況に違和感なく配置させ、種々の飛散体をケース体の上端側から吹き上げてゆっくりと降下させ大きな演出効果を発揮させることができる。特に、鳥羽根のような軸と羽根部を有する異形の飛散体であっても確実に、かつ、遠くに吹き飛ばすことができる。
【0033】
以上説明した本発明の飛散装置は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の本質を逸脱しない範囲において、任意の改変を行ってもよい。例えば、供給口はある程度大きな口径として充填しやすくしても良い。ケース体の外形形状は、縦長の円柱形状に限らず、四角柱、その他の多角柱形状、その他任意の縦、横、高さ比の立体形状、ブロック形状としてもよい。また、ケース体の表面に人形を配置したり一体に付加したり、その他の任意の装飾構成を採用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明の飛散装置は、結婚披露宴、種々イベントの開会式、壮行会、その他の場の雰囲気を盛り上げることを目的とする会等において、有効に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施形態に係る飛散装置の縦断面説明図である。
【図2】図1の飛散装置の供給口側から見た外観図である。
【図3】図1の飛散装置のケース体の下部側の拡大斜視説明図である。
【図4】図1の飛散装置のケース体の天壁部の拡大斜視説明図である。
【図5】図1の飛散装置の使用状態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0036】
1 飛散装置
2 飛散体
10 ケース体
16 吹出し開口
30 案内ダクト
40 供給管機構
41 共通管部
45 駆動管部
47 絞り流路部
48 供給管部
49 供給口
60 吹出し駆動手段


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケース体と、
ケース体内部に配置され、一端開口からケース体の外部に飛散体を吹出させると共に、ケース体の外部からアクセス可能で飛散体を供給させる供給口に、他端側が連通する案内ダクトと、
供給口から供給される飛散体を案内ダクトを介してケース体の外部に強制的に吹出させる吹き出し駆動手段と、を備えたことを特徴とする飛散装置。
【請求項2】
案内ダクトが、伸縮性を有する可撓性ダクトを含むことを特徴とする請求項1記載の飛散装置。
【請求項3】
案内ダクトは、供給管機構に接続されており、
該供給管機構は、
案内ダクトに連通接続される共通管部と、
共通管部から分岐して連通接続され、他端側が吹出し駆動手段に接続される駆動管部と、
前記供給口を有する供給管部と、を有する構造であることを特徴とする請求項1又は2記載の飛散装置。
【請求項4】
駆動管部は案内ダクトに直状に連通接続されると共に供給管部は案内ダクトに対して横方向に分岐して延設されていることを特徴とする請求項3記載の飛散装置。
【請求項5】
ケース体は、少なくとも案内ダクトよりも大きな径の中空柱状構造体からなる請求項1ないし4のいずれかに記載の飛散装置。
【請求項6】
案内ダクトは、ケース体の内部で略直状に配置され、飛散体の吹出し開口が周囲に対し自在な角度で吹出し方向設定が可能なように設けられていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の飛散装置。
【請求項7】
ケース体の上端部に案内ダクトの先端開口周囲の装飾用支持部が設けられていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の飛散装置。
【請求項8】
駆動管部には絞り流路部が設けられていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の飛散装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−325808(P2007−325808A)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−160397(P2006−160397)
【出願日】平成18年6月9日(2006.6.9)
【出願人】(505233871)有限会社ミリオンプランニング (4)