説明

食品容器

【課題】 印刷が施された使用済み食品容器を、手間の掛かる洗浄処理などを行わず、容易に再資源化できるようにすることである。特に、被膜を容器本体部からスムーズに剥離させることができ、しかも、この際、印刷層を形成するインキが容器本体部側に残留しないようにすることである。
【解決手段】 ポリスチレン系樹脂からなる基材層1と、この基材層1の少なくとも一面側に設けられた、厚さ10〜50μmの生分解性透明フィルム層4と、この生分解性透明フィルム層4と基材層1との間に介在させられた印刷層3と、を具備してなる積層シートを、生分解性透明フィルム層4側が内面となるよう熱成型して構成された食品容器について、基材層1と印刷層3との間には、融点が80〜130℃であるポリブチレンアジペート・テレフタレート100重量部に対して、脂肪族ポリエステル25〜250重量部を含む樹脂材料からなる、厚さ1〜25μmの接着層2をさらに介在させるとともに、基材層1と接着層2との間の接着強度を、30〜150gf/15mmとする。

【考案の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
 本考案は、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、デパートの食品売り場などにおいて、弁当、惣菜、生鮮食品(魚介類や食肉)、納豆などを流通販売する際に、こうした食品を収容するのに用いられる食品容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
 昨今、弁当や惣菜、生鮮食品などは、合成樹脂製のトレーに盛り付けられた状態、あるいは蓋付きの容器に収容された状態で販売されることが多い。こうした用途に使用されるトレーや容器(以下、食品容器と言う)としては、成型性に優れ、しかも安価であることから、ポリスチレン系樹脂を素材とするものが主流となっている。従来、こうした食品容器は、容器としての役目を終えた後、そのまま廃棄物として埋立て、もしくは焼却処分されていた。しかしながら最近では、環境問題の高まりを反映して、また、リサイクル技術が向上してきたこともあって、使用済み食品容器の再資源化を望む声が強くなっている。
【0003】
 さて、使用済み食品容器には、言うまでもなく食品の残滓が付着しており、そのままでは樹脂原料として再利用することはできない。したがって、食品の残滓をきれいに洗い流さなければならないが、こうした洗浄処理を行うと大量の水を浪費することになる。また、洗剤や食品残滓を含む汚水による環境汚染も無視できない。そのうえ、洗浄処理が不十分な場合には、汚れが容器から完全に除去されないため、再生材料中に不純物(油分や塩分、洗浄成分など)が混じることがある。
【0004】
 そこで、こうした問題を解決するため、容器本体部(基材層)の内面に樹脂フィルムを貼り付けることで、剥離可能な被膜を設けた食品容器が提案されている(たとえば特許文献1および特許文献2参照)。この改良型の食品容器では、食品残滓などの汚れが付着するのは被膜部分だけであるから、使用後は、この汚れた被膜を容器本体部から剥離させて捨てればよい。こうして容器本体部は洗浄処理を施すことなく、そのまま樹脂原料として再利用が可能となる。
【特許文献1】実開平6−37138号公報
【特許文献2】実公平7−56190号公報
【0005】
 だが、理想を言えば、容器本体部から剥離させた被膜は、プラスチック系廃棄物として、食品残滓とは別に処分されなければならない。たとえば、コンビニエンスストアなどで賞味期限が経過して廃棄される食品や、食べ残しなどをコンポストとして再資源化する場合には、こうしたことが特に重要となる。しかし、そうすると今度は、食品残滓を被膜から分離させる必要が生じるため、剥離可能な被膜を設けたことによる利便性が著しく減殺されてしまう。
【0006】
 こうした実情に鑑みて、本考案者は、容器本体部の表面に設けられる剥離可能な被膜を、生分解性プラスチックから形成してなる食品容器を開発した(特許文献3参照)。こうした食品容器では、食品残滓で汚れた被膜を食品残滓と一緒に処分することが、すなわち、そのままコンポストとして再資源化することができる。このため、容器使用後に、多大な労力を費やして食品残滓を被膜から分離させる必要はなく、その処分にかかる手間を大幅に軽減できる。
【特許文献3】実用新案登録第3076516号公報
【考案の開示】
【考案が解決しようとする課題】
【0007】
 ところで、この食品容器にも、次のような改善を要する点が残されている。すなわち、意匠性を高めるため、一般的な食品容器と同様の絵柄などを付与する場合、印刷は必然的に被膜の裏面側に施されることになる。このため、容器使用後に被膜を容器本体部から剥離させた際、インキ(印刷層)が容器本体部側に残ってしまい、その再資源化に支障を来たすことがある。また、上記食品容器では、生分解性の被膜を容器本体部から剥離させることができる構造となっているにもかかわらず、容器取扱い者がそのことに気付かず、両者を分離させずに処分してしまうことがある。
【0008】
 したがって、本考案が解決しようとする課題は、印刷が施された使用済み食品容器を、手間の掛かる洗浄処理などを行わず、容易に再資源化できるようにすることである。特に、被膜を容器本体部からスムーズに剥離させることができ、しかも、この際、印刷層を形成するインキが容器本体部側に残留しないようにすることである。また、本考案が解決しようとする課題は、容器取扱い者が不慣れな場合でも、被膜を容器本体部から剥離させずに、使用済みの食品容器をそのまま処分してしまうといった好ましくない事態を招かないようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
 本考案では、上記の課題を解決するため、ポリスチレン系樹脂からなる基材層と、この基材層の少なくとも一面側に設けられた、厚さ10〜50μmの生分解性透明フィルム層と、この生分解性透明フィルム層と基材層との間に介在させられた印刷層と、を具備してなる積層シートを、生分解性透明フィルム層側が内面となるよう熱成型して構成された食品容器について、基材層と印刷層との間には、融点が80〜130℃であるポリブチレンアジペート・テレフタレート100重量部に対して、脂肪族ポリエステル25〜250重量部を含む樹脂材料からなる、厚さ1〜25μmの接着層をさらに介在させてなるとともに、基材層と接着層との間の接着強度を、30〜150gf/15mmとしたことを特徴とする。
【0010】
 また本考案では、上記の課題を解決するため、ポリスチレン系樹脂からなる基材層と、この基材層の少なくとも一面側に設けられた生分解性透明フィルム層と、この生分解性透明フィルム層と基材層との間に介在させられた印刷層と、この印刷層と基材層との間に介在させられた接着層と、を具備してなる積層シートを、生分解性透明フィルム層側が内面となるよう熱成型して構成された食品容器について、印刷層には、生分解性透明フィルム層が基材層から剥離可能であることを示唆する旨の、あるいは生分解性透明フィルム層を基材層から剥離して処分することを促す旨の情報を記録したことを特徴とする。
【0011】
 特に本考案では、上記の課題を解決するため、ポリスチレン系樹脂からなる基材層と、この基材層の少なくとも一面側に設けられた、厚さ10〜50μmの生分解性透明フィルム層と、この生分解性透明フィルム層と基材層との間に介在させられた印刷層と、を具備してなる積層シートを、生分解性透明フィルム層側が内面となるよう熱成型して構成された食品容器について、基材層と印刷層との間には、融点が80〜130℃であるポリブチレンアジペート・テレフタレート100重量部に対して、脂肪族ポリエステル25〜250重量部を含む樹脂材料からなる、厚さ1〜25μmの接着層をさらに介在させてなるとともに、基材層と接着層との間の接着強度を、30〜150gf/15mmとし、かつ、印刷層には、生分解性透明フィルム層が基材層から剥離可能であることを示唆する旨の、あるいは生分解性透明フィルム層を基材層から剥離して処分することを促す旨の情報を記録したことを特徴とする。
【0012】
 なお、本考案に係る食品容器にあっては、その基材層を未発泡のポリスチレン系樹脂から構成しても、あるいは発泡させたポリスチレン系樹脂から構成してもよい。ポリスチレン系樹脂の発泡・未発泡の別は、容器の大きさや形状、収容対象食品、容器の使われ方などを考慮して決定される。基材層を形成するポリスチレン系樹脂としては、ポリスチレンを80〜100重量%、スチレンブタジエン共重合体を0〜20重量%含むものが挙げられる。こうした組成のポリスチレン系樹脂からなる基材層は、適度な柔軟性を有するので、破損がさらに起きにくくなる。また、同じく基材層を形成するポリスチレン系樹脂としては、ポリプロピレンを20〜40重量%含むアロイが挙げられる。こうした組成のポリスチレン系樹脂からなる基材層は、特に耐熱性に優れるので、電子レンジなどでの加熱にも十分に耐えうるものとなる。
【0013】
 上記生分解性透明フィルム層の原料としては、ポリ乳酸、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、およびポリブチレンサクシネート・アジペートの群の中より選ばれるいずれかが好ましい。また、上記接着層を形成する脂肪族ポリエステルとしては、ポリ乳酸、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、およびポリブチレンサクシネート・アジペートの群の中より選ばれるいずれかが好ましい。そしてさらに、上記印刷層を形成するインキとしては、ウレタン樹脂、ポリエステル、ニトロセルロース、ポリアミド、およびアクリル樹脂の群の中より選ばれた少なくとも一つを成分として含むものが好ましい。なお、本明細書で用いた接着強度の単位についてであるが、たとえば100gf/15mmは、国際単位系(SI)では約0.98N/15mmとなる。
【考案の効果】
【0014】
 本考案に係る食品容器は、印刷層の存在により、従来の一般的な食品容器と同様、多種多様な絵柄を付与することができ、意匠性に優れる。そして使用後にあっては、食品残滓で汚れた生分解性透明フィルム層(被膜)を剥離させることができるので、汚れの付着していない基材層(容器本体部)は、洗浄処理などを施さずに再資源化することが可能である。特に本考案では、基材層と印刷層との間に、上記組成の樹脂材料からなる特徴的な接着層を介在させ、基材層と接着層との間の接着強度を上記範囲内に収まるようにした。このため、容器使用後に生分解性透明フィルム層を基材層から剥離させた際には、樹脂原料としてリサイクルが困難な印刷層や接着層は、生分解性透明フィルム層とともに基材層から剥離する。つまり、印刷層や接着層が、樹脂原料となる基材層側に残りにくく、その再資源化にはなんら支障を来たさない。
【0015】
 一方、基材層から剥離させられたフィルム部分についても、基本的に生分解性材料から構成されているので、食品残滓と一緒に処分することが、すなわち、そのままコンポストとして再資源化することができる。このため、容器使用後に、多大な労力を費やして食品残滓をフィルム部分から分離させる必要はなく、その処分にかかる手間を大幅に軽減できる。このように本考案によれば、印刷が施された使用済み食品容器を、手間の掛かる洗浄処理などを行わず、容易に再資源化できるようになる。特に、本考案に係る食品容器では、生分解性透明フィルム層を基材層からスムーズに剥離させることができ、しかも、この際、印刷層を形成するインキが基材層側に残留しにくい。
【0016】
 さらに本考案では、印刷層に、生分解性透明フィルム層が基材層から剥離可能であることを示唆する旨の、あるいは生分解性透明フィルム層を基材層から剥離して処分することを促す旨の情報を記録しているので、一見して、生分解性透明フィルム層が剥離可能であることがわかり、あるいは食品容器の処分法についての知識を得ることができる。したがって本考案に係る食品容器では、容器取扱い者が不慣れな場合でも、生分解性透明フィルム層を基材層から剥離させずに、使用済みの食品容器をそのまま処分してしまうといった好ましくない事態を招くことはない。つまり、生分解性の被膜を容器本体部から剥離させることができる構造となっているにもかかわらず、容器取扱い者がそのことに気付かず、両者を分離させずに処分してしまうといった問題は起きない。
【考案を実施するための形態】
【0017】
 以下、図1および図2を用いて、本考案の一実施形態について具体的に説明する。ここで、図1は本実施形態に係る食品容器の、被膜の一部を剥離させた状態での外観図、図2はこの食品容器の素材となる積層シートの概略断面図である。なお、以下で説明するのはあくまで本考案の一実施形態であり、したがって本考案はこれに限定されるものではなく、その技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更を加えて実施することができる。
【0018】
 本実施形態に係る食品容器(以下、本食品容器と言う)は、後に詳述するように複数の層から構成されている。このため本食品容器は、図1に示すごとく、内面を覆う生分解性の被膜(裏面に印刷が施された生分解性透明フィルム層)Aを、容器本体部(基材層)Bから剥離させることができるようになっている。剥離された被膜Aについては、食品残滓などと一緒にコンポストとして再資源化され、一方、容器本体部Bについては樹脂原料として再資源化される。
【0019】
 本食品容器は、断面構造を図2に示す積層シートから構成されている。すなわち本食品容器は、この積層シートを所定の形状に熱成型することによって得られたものである。本食品容器したがって積層シートは、同図からわかるように計四つの層からなる。すなわち本食品容器は、上記容器本体部Bを構成する基材層1、この基材層1の上に設けられた接着層2、この接着層2の上に設けられた印刷層3、そしてこの印刷層3の上に設けられた生分解性透明フィルム層4よりなる積層シートからできている。
【0020】
 このうち基材層1は、発泡させたポリスチレン系樹脂から構成されている。ただし、未発泡のポリスチレン系樹脂から基材層1を構成してもよい。すなわち、本考案の他実施形態として、未発泡のポリスチレン系樹脂から基材層1を構成したものが挙げられる。なお、ここで用いたポリスチレン系樹脂は、ポリスチレンを80〜100重量%、スチレンブタジエン共重合体を0〜20重量%を含むものであり、取扱い時に簡単に割れてしまわないよう適度な柔軟性を有している。しかしながら、基材層1に高い耐熱性が要求される場合などには、それを形成するポリスチレン系樹脂として、ポリプロピレンを20〜40重量%含むアロイが用いられることになる。言い換えれば、基材層1がこうした組成のポリスチレン系樹脂からなる食品容器を、本考案のさらに他の実施形態として挙げることができる。
【0021】
 次に、基材層1の一面側に設けられた生分解性透明フィルム層4についてであるが、同層4の厚さは10〜50μmであり、ここでは、ポリ乳酸、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、およびポリブチレンサクシネート・アジペートの群の中より選ばれるいずれかから構成している。
【0022】
 生分解性透明フィルム層4と基材層1との間に介在させられた印刷層3は、具体的には、生分解性透明フィルム層4の裏面側に形成したインキの層である。この印刷層3は、容器内面に絵柄(図示せず)など付与するために存在するが、本実施形態では所定の情報を容器取扱い者に伝達する役割をも果たしている。すなわち印刷層3には、生分解性透明フィルム層4が基材層1から剥離可能であることを示唆する旨の情報、たとえば「表面フィルムは容器本体から剥離させることができます」といった文字情報や、あるいは生分解性透明フィルム層4を基材層1から剥離して処分することを促す旨の情報、たとえば「使用後は表面フィルムを容器本体から剥離させ、それぞれ別個に処分して下さい」といった文字情報もしくは一見してわかる絵柄情報が記録される。
【0023】
 つまり印刷層3の存在により、こうした文言や絵柄が、使用後の容器内側にて視認できるようになっている。なお、この印刷層3を形成するインキは、ウレタン樹脂、ポリエステル、ニトロセルロース、ポリアミド、およびアクリル樹脂の群の中より選ばれた少なくとも一つを成分として含むものであり、上記生分解性透明フィルム層4と一緒に剥離させられ処理される。
【0024】
 接着層2は、基材層1と印刷層3との間に介在させられており、その厚さは1〜25μmである。接着層2は、融点が80〜130℃の、脂肪族芳香族ポリエステルの一種であるポリブチレンアジペート・テレフタレート100重量部に対して、脂肪族ポリエステル25〜250重量部を含む混合樹脂材料からなる。接着層2は、印刷層3を生分解性透明フィルム層4とともに、基材層1から剥離させるために設けられたものであり、本実施形態では基材層1と接着層2との間の接着強度を、30〜150gf/15mmとしている。なお、接着層2を形成する上記脂肪族ポリエステルは、ポリ乳酸、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、およびポリブチレンサクシネート・アジペートの群の中より選ばれた一つまたは2種以上のブレンド体であり、印刷層3や生分解性透明フィルム層4と一緒に剥離させられ処理される(たとえば自然分解される)。
【0025】
 本食品容器は、上述した計四つの層を具備してなる積層シートを、生分解性透明フィルム層4側が内面となるよう熱成型して構成されたものである。熱成型法としては、真空成型法や圧空成型法、プレス成型法など公知の方法が挙げられる。
【0026】
 以下、一部記述内容が重複するが、上記積層シートの各層を構成する材料について、さらに詳しく説明する。まず、基材層1を構成するポリスチレン系樹脂は、シート成形可能なものであればよく、さまざまな公知の材料を用いることができる。こうしたポリスチレン系樹脂には、たとえば、スチレンホモポリマー(スチレンの単独重合体:GP−PS)、ハイインパクトポリスチレン(HI−PS)、スチレン−アクリル酸系共重合体などが包含される。
【0027】
 このうちスチレンホモポリマーについては、未発泡の未延伸シートでは実用上耐衝撃性が不十分であるので、これを改善するため通常は、二軸延伸シート(OPS)または発泡シート(PSP)として用いられる。また、ハイインパクトポリスチレンを単体で、あるいはスチレンホモポリマーとブレンドして用いる場合、通常、それらのメルトインデックス(MI)が、30g/10min以下(200℃、5kgf)のものが選ばれる。一方、スチレンホモポリマーとスチレンブタジエンゴム(SBR)とのブレンド体を採用する場合には、スチレンホモポリマーとしてメルトインデックスが30g/10min以下(200℃、5kgf)のものが80〜100重量%、一方、スチレンブタジエンゴムとしてメルトインデックスが20g/10min以下(190℃、2.16kgf)のものが0〜20重量%用いられる。
【0028】
 上記基材層1を構成する樹脂材料としては、上述したとおり、ポリスチレン系樹脂に対して他の種類の樹脂を混合したブレンド体(混合樹脂)を用いることができる。ここで、ポリスチレン系樹脂に対して混合される他の種類の樹脂としては、たとえば耐熱性、耐油性の向上を目的とする場合には、ポリプロピレン系樹脂(プロピレンホモポリマー、プロピレン−エチレン共重合体)が採用される。また、このブレンド体には、通常、相溶化剤として、スチレンブタジエンゴムや水添SBS(スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体)などの補助成分が配合される。
【0029】
 ところで、ポリスチレン系樹脂とポリプロピレン系樹脂とのブレンド体においては、後者の比率が増加するにしたがって接着性が次第に低下する。よって、ポリプロピレン系樹脂を添加することによる得失を考慮すると、その添加比率は20〜40重量%とするのが好ましい。また、積層シートを構成する基材層1として、発泡させた形態のものを採用する場合、発泡倍率は20倍までとするのが好ましい。
【0030】
 生分解性透明フィルム層4の厚さは、上述したとおり10〜50μmである。最終的には、印刷絵柄や印刷層3に記録された文字情報を認識できるだけの透明性が必要となるため、この厚みの範囲内で、内部ヘイズ20%以下、好ましくは10%以下に設定される。なお、生分解性透明フィルム層4の厚みが10μm以下であると、使用中、それに穴があき、基材層1を汚損する恐れがある。一方、厚みが100μmを超えると、生分解速度が過度に遅くなり、食品残滓などの生ゴミと一緒にコンポストとして再資源化を図るのが難しくなる。
【0031】
 生分解性透明フィルム層4の成分としては、生分解性試験(OECD 301C,JIS K 6950,JIS K 6951,JIS K 6953)において、60%以上の生分解度を示すものが好ましい。参考までに例示すると、生分解性プラスチック研究会のグリーンプラ識別表示制度のA分類に登録されている、ポリ乳酸(PLA)、ポリエチレンテレフタレートサクシネート(PETS)、ポリエチレンサクシネート(PES)、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリブチレンサクシネートアジペート(PBSA)などが挙げられる。
【0032】
 接着層2は、融点が80〜130℃の脂肪族芳香族ポリエステル、なかでもポリブチレンアジペート・テレフタレート(PBAT)100重量部、および脂肪族ポリエステル25〜250重量部からなる。ここで、ポリブチレンアジペート・テレフタレートに脂肪族ポリエステルを添加するのは、印刷層3との接着性および生分解性を保持しつつ、ポリブチレンアジペート・テレフタレートのポリスチレン系樹脂製基材層1への接着性を抑制する方向に調節するためである。
【0033】
 ところで、ポリブチレンアジペート・テレフタレートの融点は、テレフタレート含有量の増加とともに上昇するが、融点が80℃未満であると、2次加工時の冷却固化に時間がかかり加工性が低下する。一方、融点が130℃を超えると、ポリスチレン系樹脂製基材層1への接着性が低下するとともに、生分解性も低下する傾向が見られる。このため、上述したように融点が80〜130℃のポリブチレンアジペート・テレフタレートを使用するのが望ましい。
【0034】
 ポリブチレンアジペート・テレフタレートに添加する脂肪族ポリエステルとしては、生分解性透明フィルム層4についての説明箇所で例示したもの、すなわちポリ乳酸、ポリエチレンテレフタレートサクシネート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペートなどが挙げられる。なかでも特に好ましいのは、最適加工温度がポリブチレンアジペート・テレフタレートのそれに近い融点150℃以下、もしくは非晶性のポリ乳酸、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、またはそれらのブレンド体である。
【0035】
 印刷層3を構成するインキは、接着層2や生分解性透明フィルム層4との接着性を考慮して選定される。特に、インキとしては、その溶剤が生分解性透明フィルム層4を侵さないものを選ぶ必要があるが、ポリエステルへの印刷に使用可能なグラビアインキであれば、いかなるものが用いられてもよい。具体的には、ビヒクル中に樹脂としてロジン、ギルソナイトなどの天然樹脂や、ライムロジン、エステルガム、ニトロセルロースなどの天然物誘導体や、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、アルキド樹脂、塩素化樹脂、ポリエステル、ポリアミドなどの合成樹脂が含まれているものが挙げられる。
【0036】
 なかでも好ましいのは、ウレタン樹脂、ポリエステル、ニトロセルロース、ポリアミド、アクリル樹脂のいずれかが含まれているものである。参考までに言うと、上述した生分解性プラスチック研究会のグリーンプラ識別表示制度のB−9分類に登録されているものが、さらに好ましい。また、その使用量については、インキ自身に生分解性があれば特に制限はないが、そうでない場合には同制度の使用限度内に収めることが好ましい。
【0037】
 熱成型によって食品容器となる積層シートは、接着層2を基材層1と共押出しすることで、これら2層を同時に形成し、その後、さらに印刷済みの生分解性透明フィルム(裏面側に印刷層3が設けられた生分解性透明フィルム層4)をラミネートすることによって製造できる。この際に使用する押出機について、基材層用の押出機は通常使用されているものでよく、一方、接着層用にはL/Dが20以上の押出機が使用される。ダイスは、基材層1を押し出すのに通常用いられているT−ダイ、サーキュラダイ、インフレダイといった形態のものでよいが、積層状態を得るためにフィードブロックまたはダイ内構造が必要となる。印刷済みの生分解性透明フィルムのラミネートは、押出機ライン内やライン外、あるいは2次成型機直前において、たとえば誘電ロール方式にて実施可能である。特に、基材層1が未発泡のもので、かつ、T−ダイ方式を採用する場合には、キャストロール−タッチロール間にフィルムを挿入することでサーマルラミネートを行える。
【0038】
 また、熱成型によって食品容器となる積層シートは、まず接着層2となる材料をフィルム状のものとして基材層1へラミネートし、さらに印刷済みの生分解性透明フィルムをラミネートする手法によって得ることも可能である。この場合には、接着層2をラミネートフィルムとして、押出機ライン内あるいはライン外にて誘電ロール方式でラミネートする方法や、押出ラミのように接着層2となる材料を溶融状態で基材層1へラミネートする方法を採用できる。印刷済みの生分解性透明フィルムのラミネートは、押出機ライン内やライン外、あるいは2次成型機直前において、たとえば誘電ロール方式にて実施可能である。
【0039】
 さらにまた、熱成型によって食品容器となる積層シートは、接着層2をラミネート前の印刷済み生分解性透明フィルム上に形成した後、それを基材層1へラミネートする手法によっても製造可能である。この場合には、接着層2となる材料をフィルム状のものとして印刷済みの生分解性透明フィルムに貼り合わせる方法や、最終的に接着層2となる組成物をエマルジョン状態として印刷済みの生分解性透明フィルム上に塗布し、乾燥させる方法を利用できる。接着層付き印刷済み生分解性透明フィルムのラミネートは、押出機ライン内やライン外、あるいは2次成型機直前において、たとえば誘電ロールを用いて実施できる。特に、基材層1が未発泡のもので、かつ、T−ダイ方式を採用する場合には、キャストロール−タッチロール間にフィルムを挿入することでラミネートを行える。
【0040】
 積層シート状態での基材層1と接着層2との間の接着強度は、2次成型直前まで剥離が起きない程度のものであればよく、具体的には20〜200gf/15mm、好ましくは30〜150gf/15mmである。仮にこの時点で、接着強度が30〜150gf/15mmの範囲から逸脱していても、2次成型での熱履歴により最終的な接着強度は、基材層1および接着層2の組成特有の値に変化する。すなわち、接着層2の組成を(基材層1の素組成・容器の形状により接着強度を調整するために)請求項1に記載の範囲内で調整し、最終的な接着強度を30〜150gf/15mmの範囲内で制御する。
【0041】
 上記接着強度(剥離強度)は、次のようにして測定される。まず、成型品すなわち食品容器の平坦部から短冊状(長さ100mm、幅15mm)の試験片を切り出す。続いて、この試験片の180度接着強度(剥離強度)を計測する。具体的には、引張試験機(島津製作所社製 オートグラフAGS−500S)を使用し、200mm/minの速度で生分解性透明フィルム層4を基材層1から剥離させる。なお、剥離の進行にともなって計測値は増減を繰り返すので、ここではその平均値を採用した。
【0042】
 さて、上記のごとく構成された本食品容器は、印刷層3の存在により、従来の一般的な食品容器と同様、多種多様な絵柄を付与することができ、意匠性に優れる。そして使用後にあっては、食品残滓で汚れた生分解性透明フィルム層4(被膜A)を剥離させることができるので、汚れの付着していない基材層1(容器本体部B)は、洗浄処理などを施さずに再資源化することが可能である。特に本実施形態では、基材層1と印刷層3との間に特徴的な接着層2を介在させたので、容器使用後に生分解性透明フィルム層4を基材層1から剥離させた際には、樹脂原料としてリサイクル困難な印刷層3および接着層2は、生分解性透明フィルム層4とともに基材層1から剥離する。つまり、接着層2が基材層1から分離するので、接着層2や印刷層3が樹脂原料となる基材層1側に残りにくく、その再資源化にはなんら支障を来たさない。
【0043】
 一方、基材層1から剥離させられたフィルム部分についても、基本的に生分解性材料から構成されているので、食品残滓と一緒に処分することが、言い換えれば、そのままコンポストとして再資源化することができる。このため、容器使用後に、多大な労力を費やして食品残滓をフィルム部分から分離させる必要はなく、その処分にかかる手間を大幅に軽減できる。このように本考案の技術によれば、印刷が施された使用済み食品容器を、手間の掛かる洗浄処理などを行わず、容易に再資源化できるようになる。特に本食品容器では、生分解性透明フィルム層4を基材層1からスムーズに剥離させることができ、しかも、この際、印刷層3を形成するインキが基材層1側に残留しにくい。
【0044】
 さらに本食品容器では、印刷層3に、生分解性透明フィルム層4(被膜A)が基材層1(容器本体部B)から剥離可能であることを示唆する旨の、あるいは生分解性透明フィルム層4を基材層1から剥離して処分することを促す旨の情報を記録しているので、一見して、生分解性透明フィルム層4が剥離可能であることがわかり、あるいは食品容器の処分法についての知識を得ることができる。したがって、容器取扱い者が不慣れな場合でも、生分解性透明フィルム層4を基材層1から剥離させずに、使用済みの食品容器をそのまま処分してしまうといった好ましくない事態を招くことはない。
【実施例】
【0045】
〔実施例1〕
 基材層としては、ポリスチレン(PSジャパン社製 YG−357)85重量%、スチレンブタジエンゴム(JSR社製 TR2003)15重量%からなるものを用いた。また、接着層としては、ポリブチレンアジペート・テレフタレート(BASF社製 エコフレックスF:融点110℃)100重量部、ポリブチレンサクシネート(昭和高分子社製 ビオノーレ#1010)150重量部からなるものを用いた。すなわち、これらの材料を、それぞれスクリュー径50mm、45mmのT−ダイ付き押出機にて、ともに樹脂温度190℃にて共押出しする。そして、溶融樹脂がキャストロール−タッチロール間で冷却される直前に、厚さ25μmのポリ乳酸製二軸延伸フィルムにグラビアインキ(大日本インキ化学工業社製 パナシアSLG−Y草)で印刷を施してなる印刷済みの生分解性透明フィルムをエクスパンダーロールを介して挿入し、ラミネートした。
【0046】
 このようにして、基材層の厚さが480μm、接着層の厚さが10μm、そして生分解性透明フィルム層の厚さが25μmの積層シートを得た。続いて、この積層シートを間接加熱真空成型して、縦200mm、横130mm、高さ40mmの食品容器原形体(半完成品)を形成し、さらにこれを裁断して食品容器を得た。この食品容器における、基材層と接着層との間の接着強度を測定したところ150gf/15mmであった。このため、成型時や裁断時に両者が剥離することはなく、その一方、手で力を加えた場合には、被膜が裂けることなく、容易にそれを剥離させることが可能であった。
【0047】
〔実施例2〕
 基材層としては、ポリスチレン(PSジャパン社製 YG−357)62重量%、ポリプロピレン(日本ポリケム社製 EA7B)30重量%、相溶化剤(旭化成社製 タフテックH1043)5重量%、そして重曹クエン酸系発泡剤3重量%からなるものを用いた。すなわちスクリュー径50mmのサーキュラダイ付き押出機を使用して、これらの材料から、発泡倍率2.5倍の耐熱性に優れたポリスチレン系発泡シート(積層シートの基材層)を形成した。
【0048】
 続いて、こうして得た発泡シートに、誘電ロール方式ラミネート装置を用いて、ポリブチレンアジペート・テレフタレート(BASF社製 エコフレックスF)100重量部、ポリ乳酸(島津製作所社製 ラクティ9400)43重量部からなる厚さ20μmの、接着層となるフィルムをラミネートする。その後、さらに、厚さ25μmのポリ乳酸製二軸延伸フィルムにグラビアインキ(大日精化工業社製 バイオテックカラーHGP紺青)で印刷を施してなる印刷済み生分解性透明フィルムを、誘電ロール方式ラミネート装置を用いてラミネートする。
【0049】
 このようにして、基材層の厚さが700μm、接着層の厚さが20μm、そして生分解性透明フィルム層の厚さが25μmの積層シートを得た。続いて、この積層シートを間接加熱真空成型して、縦200mm、横130mm、高さ40mmの食品容器原形体を形成し、さらにこれを裁断して食品容器を得た。この食品容器における、基材層と接着層との間の接着強度を測定したところ80gf/15mmであった。ゆえに、成型時や裁断時に両者が剥離することはなく、その一方、手で力を加えた場合には、被膜が裂けることなく、容易にそれを剥離させることが可能であった。
【0050】
〔実施例3〕
 上記実施例1で用いた印刷済み生分解性透明フィルムに、上記実施例2で用いた接着層用フィルムを誘電ロールにてラミネートし、積層フィルムを形成した。その後、誘電ロール方式ラミネート装置を用い、基材層となる発泡ポリスチレンシート(発泡倍率10倍、厚さ約2mm)に、この積層フィルムをラミネートした。このようにして、基材層の厚さが2000μm、接着層の厚さが20μm、そして生分解性透明フィルム層の厚さが25μmの積層シートを得た。続いて、この積層シートを間接加熱真空成型して、縦200mm、横130mm、高さ40mmの食品容器原形体を形成し、さらにこれを裁断して食品容器を得た。この食品容器における、基材層と接着層との間の接着強度を測定したところ140gf/15mmであった。このため、成型時や裁断時に両者が剥離することはなく、その一方、手で力を加えた場合には、被膜が裂けることなく、容易にそれを剥離させることが可能であった。
【0051】
〔比較例1〕
 上記実施例3において、接着層用フィルムの組成をポリブチレンアジペート・テレフタレート(エコフレックスF)100重量%とした以外は、実施例3と同じ条件にて食品容器を作製した。この食品容器における、基材層と接着層との間の接着強度を測定したところ230gf/15mmであった。こうした食品容器では、成型時や裁断時に問題は起きないが、接着強度が過大であるため、手で力を加えても簡単には被膜を剥離させることができなかった。
【0052】
〔比較例2〕
 上記実施例3において、接着層用フィルムの組成をポリ乳酸100重量%とした以外は、実施例3と同じ条件にて食品容器を作製した。この食品容器における、基材層と接着層との間の接着強度を測定したところ、わずか10gf/15mmであった。この食品容器には、成型時や裁断時に生じる僅かな変形によって、使用前に被膜が剥離するという不具合が発生した。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本考案の実施形態に係る食品容器の、被膜の一部を剥離させた状態での外観図である。
【図2】本考案の実施形態に係る食品容器の素材となる積層シートの概略断面図である。
【符号の説明】
【0054】
 A 被膜(接着層および裏面に印刷が施された生分解性透明フィルム層)
 B 容器本体部(基材層)
 1 積層シートの基材層
 2 積層シートの接着層
 3 積層シートの印刷層
 4 積層シートの生分解性透明フィルム層
                    実用新案登録出願人  中央化学株式会社
                    代   理   人  宇 高  克 己

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】
ポリスチレン系樹脂からなる基材層と、
 この基材層の少なくとも一面側に設けられた、厚さ10〜50μmの生分解性透明フィルム層と、
 この生分解性透明フィルム層と前記基材層との間に介在させられた印刷層と
を具備してなる積層シートを、前記生分解性透明フィルム層側が内面となるよう熱成型して構成された食品容器であって、
 前記基材層と前記印刷層との間には、融点が80〜130℃であるポリブチレンアジペート・テレフタレート100重量部に対して、脂肪族ポリエステル25〜250重量部を含む樹脂材料からなる、厚さ1〜25μmの接着層がさらに介在させられてなるとともに、前記基材層と前記接着層との間の接着強度が、30〜150gf/15mmであることを特徴とする食品容器。
【請求項2】
ポリスチレン系樹脂からなる基材層と、
 この基材層の少なくとも一面側に設けられた生分解性透明フィルム層と、
 この生分解性透明フィルム層と前記基材層との間に介在させられた印刷層と、
 この印刷層と前記基材層との間に介在させられた接着層と
を具備してなる積層シートを、前記生分解性透明フィルム層側が内面となるよう熱成型して構成された食品容器であって、
 前記印刷層には、前記生分解性透明フィルム層が前記基材層から剥離可能であることを示唆する旨の、あるいは前記生分解性透明フィルム層を前記基材層から剥離して処分することを促す旨の情報が記録されてなることを特徴とする食品容器。
【請求項3】
ポリスチレン系樹脂からなる基材層と、
 この基材層の少なくとも一面側に設けられた、厚さ10〜50μmの生分解性透明フィルム層と、
 この生分解性透明フィルム層と前記基材層との間に介在させられた印刷層と
を具備してなる積層シートを、前記生分解性透明フィルム層側が内面となるよう熱成型して構成された食品容器であって、
 前記基材層と前記印刷層との間には、融点が80〜130℃であるポリブチレンアジペート・テレフタレート100重量部に対して、脂肪族ポリエステル25〜250重量部を含む樹脂材料からなる、厚さ1〜25μmの接着層がさらに介在させられてなるとともに、前記基材層と前記接着層との間の接着強度が、30〜150gf/15mmであり、かつ、前記印刷層には、前記生分解性透明フィルム層が前記基材層から剥離可能であることを示唆する旨の、あるいは前記生分解性透明フィルム層を前記基材層から剥離して処分することを促す旨の情報が記録されてなることを特徴とする食品容器。
【請求項4】
基材層は未発泡のポリスチレン系樹脂からなることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の食品容器。
【請求項5】
基材層は発泡させたポリスチレン系樹脂からなることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の食品容器。
【請求項6】
基材層を形成するポリスチレン系樹脂は、ポリスチレンを80〜100重量%、スチレンブタジエン共重合体を0〜20重量%含むものであることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の食品容器。
【請求項7】
基材層を形成するポリスチレン系樹脂は、ポリプロピレンを20〜40重量%含むアロイであることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の食品容器。
【請求項8】
生分解性透明フィルム層は、ポリ乳酸、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、およびポリブチレンサクシネート・アジペートの群の中より選ばれるいずれかであることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の食品容器。
【請求項9】
接着層を形成する脂肪族ポリエステルは、ポリ乳酸、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、およびポリブチレンサクシネート・アジペートの群の中より選ばれるいずれかであることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載の食品容器。
【請求項10】
印刷層を形成するインキは、ウレタン樹脂、ポリエステル、ニトロセルロース、ポリアミド、およびアクリル樹脂の群の中より選ばれた少なくとも一つを成分として含むことを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれかに記載の食品容器。

【図1】
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【図2】
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【登録番号】実用新案登録第3099577号(U3099577)
【登録日】平成15年11月19日(2003.11.19)
【発行日】平成16年4月8日(2004.4.8)
【考案の名称】食品容器
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願2003−270305(U2003−270305)
【出願日】平成15年7月30日(2003.7.30)
【出願人】(391011825)中央化学株式会社 (32)