説明

飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋及びその製造方法

【課題】伸縮性を損なうことなく、金属探知材14が脱離する虞なしに、金属探知機に対する検知感度が高い飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋2を提供する。
【解決手段】樹脂素材4、樹脂糸素材4aでそれぞれ作成される表シート10と裏シート12との積層体で形成され、裏シート中に金属探知機により探知可能な金属探知材14を混入してなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋及びその製造方法に関し、特に、飲料・食品・薬品の製造加工処理作業において、精度良く金属探知可能な飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋及びその製造方法に係わる。
【背景技術】
【0002】
従来から、飲料・食品・薬品の製造加工処理作業において、作業者の手指に生傷や火傷、膿部を持っている場合、絆創膏をその周りに巻回したり、或いは手、指表面、爪からの垢、汚れ、生傷、火傷、膿部等を製造加工処理製品に転移するのを防止するために絆創膏を装着して製造加工処理作業を行なっている。
【0003】
この場合に、絆創膏の一部が脱離して、食品等に誤って混入した場合、その検知のために、検査機により検出可能な絆創膏が知られている。
【0004】
この絆創膏は、支持体上に、プライマー層を介した粘着剤層と、パッドとを有し、支持体の一部に、金属材を配設したり、また支持体として、金属材を混入した樹脂フィルムや、合成樹脂及び金属樹脂の織成品や樹脂間に金属粉体を介在させたものとして知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、柔軟性及び伸縮性を有するテープの表面に、該テープの伸縮性を損なわない程度に、金属層(金属粒子付着層)を一体に形成してなる絆創膏が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】実公平3−13304号公報
【特許文献2】特開2006−6669号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示された絆創膏は、基材を形成する支持体の一部に金属材を均一に配設しているが、金属材の種類や形態が制限され、検査機に対する感度が低いという難点が見られた。
【0008】
また、特許文献2に開示された絆創膏は、その伸縮性を損なわない程度に、金属層(金属粒子付着層)が基材表面に積層されているものの、金属層が、基材表面から剥離しやすく、検査機に対する感度がばらつき易いばかりか、検査機に対する感度が低く、その検知は検査機では不可能であった。
【0009】
一方、従来の絆創膏において、検査機に対する感度を高めるために、基材中に大きな平均粒径の金属粒子や金属樹脂を添加しようとすると、絆創膏の伸縮性を著しく損なったり、所定位置への配置が困難であったり、或いは異物感を生ずるという新たな難点も見られた。
【0010】
本発明は、このような難点を解消するためになされたもので、伸縮性を損なわないで、金属探知材が脱離することなく、金属探知機に対する検知感度が高い飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋を提供することを目的とする。
【0011】
また、本発明は、伸縮性を損なわないで、金属探知材が脱離することなく、金属探知機に対する検知感度が高い飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋の効率的な製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この目的を達成するために、本発明の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋は、樹脂素材でそれぞれ作成される少なくとも表シートと裏シートとの積層体で形成され、裏シート中に金属探知機により探知可能な金属探知材を全体的又は部分的に混入してなるものである。
【0013】
また、本発明の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋は、樹脂糸素材でそれぞれ編成される少なくとも表シートと裏シートとの積層体で形成され、裏シート中に金属探知機により探知可能な金属探知材を全体的又は部分的に混入し、表シートに防水加工を施してなるものである。
【0014】
また、本発明の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋は、樹脂素材でそれぞれ作成される少なくとも表シートと裏シートとの積層体で形成され、表シートと裏シート間に金属探知機により探知可能な金属探知材を全体的又は部分的に間挿してなるものである。
【0015】
本発明の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋において、表シート及び裏シートのそれぞれの厚さは、30〜100μmの範国内の値とされる。
【0016】
本発明の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋において、表シート及び裏シートのそれぞれの厚さは、好ましくは35〜80μmの範国内の値とされる。
【0017】
本発明の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋において、表シート及び裏シートのそれぞれの厚さは、より好ましくは40〜60μmの範国内の値とされる。
【0018】
本発明の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋において、樹脂素材は、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリオレフイン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、コットン樹脂及びパルプ樹脂からなる群から選択される少なくとも一つから構成される。
【0019】
本発明の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋において、金属探知材は、鉄、ステンレス、アルミニウム、銅、半田及びニッケルからなる群から選択される少なくとも一つである。
【0020】
金属探知材は、円盤状、粒状又は球状であって、その平均径、平均高を20〜30μmの範囲内の値とされる。
【0021】
本発明の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋において、金属探知材は、フイラメント状であって、その平均線径を20〜30μm、平均長さを200〜300μmの範囲内の値とされる。
【0022】
本発明の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋において、金属探知材は、粉状であって、その平均粒径を0.5〜30μmの範囲内の値とし、裏シートに分散されている。
【0023】
本発明の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋において、金属探知材は、金属箔である。
【0024】
本発明の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋において、金属探知材は、樹脂素材に対して重量比で5%〜70%含有する。
【0025】
本発明の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋において、金属探知材は、樹脂素材に対して好ましくは重量比で30%〜60%含有する。
【0026】
本発明の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋において、金属探知材は、樹脂素材に対してより好ましくは重量比で45%〜55%含有する。
【0027】
本発明の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋において、表シートは、着色される。
【0028】
本発明の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋の製造方法は、樹脂素材で作成される表シートを形成する工程と、樹脂素材で作成され、金属探知機により探知可能な金属探知材を全体的又は部分的に混入して裏シートを形成する工程と、表シートと裏シートを積層した1組を2組準備し、その4枚を裏シート同士が対面するように積層し、手袋形状に対応する端縁部をヒートシールする工程と、ヒートシールされた外縁を切抜く工程とからなる。
【0029】
また、本発明の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋の製造方法は、樹脂糸素材で編成され、防水加工を施してなる表シートを形成する工程と、樹脂糸素材で編成され、金属探知機により探知可能な金属探知材を全体的又は部分的に混入して裏シートを形成する工程と、表シートと裏シートを積層した1組を2組準備し、その4枚を裏シート同士が対面するように積層し、両層の手袋形状に対応する端縁部をヒートシールする工程と、ヒートシールされた外縁を切抜く工程とからなる。
【0030】
また、本発明の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋の製造方法は、樹脂素材で作成される表シートを形成する工程と、樹脂素材で作成される裏シートを形成する工程と、表シートと裏シート間に金属探知機により探知可能な金属探知材を全体的又は部分的に間挿し、表シートと裏シートを金属探知材を挟んで積層した1組を2組準備し、その4枚を裏シート同士が対面するように積層し、手袋形状に対応する端縁部をヒートシールする工程と、ヒートシールされた外縁を切抜く工程とからなる。
【発明の効果】
【0031】
本発明の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋によれば、樹脂素材でそれぞれ作成される少なくとも表シートと裏シートとの積層体で形成され、裏シート中に金属探知機により探知可能な金属探知材を全体的又は部分的に混入してなるので、伸縮性を損なわない上に、金属探知材が脱離しにくく、金属探知機に対する検知感度が高く、飲料・食品・薬品の製造加工処理作業の安全性を大きく向上させることができる。
【0032】
また、本発明の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋を構成するにあたり、樹脂糸素材でそれぞれ編成される少なくとも表シートと裏シートとの積層体で形成され、裏シート中に金属探知機により探知可能な金属探知材を全体的又は部分的に混入し、表シートに防水加工を施してあるので、金属探知材を固定することが容易になるとともに、所定位置からずれることを有効に防止することができ、伸縮性を損なわない上に、金属探知材が脱離しにくく、金属探知機に対する検知感度が高く、飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋の一部が食品等に誤って混入したような場合でも、金属探知機によって正確に検知することができ、飲料・食品・薬品の製造加工処理作業の安全性を大きく向上させることができ、防水機能をもつ飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋を効率的に製造することが可能となる。
【0033】
また、本発明の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋を構成するにあたり、樹脂素材でそれぞれ作成される少なくとも表シートと裏シートとの積層体で形成され、表シートと裏シート間に金属探知機により探知可能な金属探知材を全体的又は部分的に間挿してなるので、飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋における金属探知材の固定性が向上し、所定位置からずれることを有効に防止することができる。また、所定の金属探知材を、複数の表シートと裏シート間に挟み込むため、金属探知材を外部側から認識されないように構成することができるとともに、飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋として用いた場合に、異物感をさらに和らげることができる。
【0034】
本発明の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋を構成するにあたり、表シート及び裏シートのそれぞれの厚さは、30〜100μmの範国内の値とされるので、飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋として用いた場合に、異物感を和らげることができる。
【0035】
本発明の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋を構成するにあたり、表シート及び裏シートのそれぞれの厚さは、好ましくは35〜80μmの範国内の値とされるので、飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋として用いた場合に、異物感をさらに和らげることができる。
【0036】
本発明の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋を構成するにあたり、表シート及び裏シートのそれぞれの厚さは、より好ましくは40〜60μmの範国内の値とされるので、飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋として用いた場合に、異物感をさらに大きく和らげることができる。
【0037】
また、本発明の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋を構成することにあたり、裏シートは、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリオレフイン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、コットン樹脂及びパルプ樹脂からなる群から選択される少なくとも一つから構成されるので、このような樹脂を用いれば、金属探知材の存在位置の確認が容易になるばかりか、裏シート中への混入が容易になり、かつ金属探知機に対する感度を安定的に高めることができる。
【0038】
また、本発明の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋を構成することにあたり、金属探知材は、鉄、ステンレス、アルミニウム、銅、半田及びニッケルからなる群から選択される少なくとも一つとされるので、金属探知機に対する感度をさらに高めることができるとともに、比較的安価で、所定形状に加工しやすい金属探知材を含有した飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋として好適である。
【0039】
また、本発明の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋を構成することにあたり、金属探知材は、円盤状、粒状又は球状であって、その平均径、平均高を20〜30μmの範囲内の値とされるので、金属探知機に対する所定の感度を得ることができる。また、金属探知材が円盤状、粒状又は球状であれば、検出時に、どのような角度に存在していたとしても、所定の感度を得ることができる。
【0040】
また、本発明の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋を構成することにあたり、金属探知材は、フイラメント状であって、その平均線径を20〜30μm、平均長さを200〜300μmの範囲内の値とされるので、金属探知機による感度を高めることができる一方、平面方向に配列しやすいため、異物感を和らげたり、手袋の機能低下を少なくしたりすることができる。
【0041】
また、本発明の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋を構成することにあたり、金属探知材は、粉状であって、その平均粒径を0.5〜30μmの範囲内の値とし、裏シートに分散されているので、金属探知機に対する感度がばらつかず、確実に高い感度が得られるばかりか、正確に認識することができる。
【0042】
金属探知材は金属箔であるので、飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋における金属探知材の固定性が向上し、所定位置からずれることを有効に防止することができる上に、所定の金属探知材を、複数の表シートと裏シート間に挟み込むため、金属探知材を外部側から認識されないように構成することができるとともに、飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋として用いた場合に、異物感をさらに和らげることができる。
【0043】
本発明の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋において、金属探知材は、樹脂素材に対して重量比で5%〜70%含有するので、このように構成することにより、伸縮性を損なわない上に、金属探知機に対する検知感度が高く、飲料・食品・薬品の製造加工処理作業の安全性を大きく向上させることができる。
【0044】
本発明の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋において、金属探知材は、樹脂素材に対して好ましくは重量比で30%〜60%含有するので、このように構成することにより、伸縮性を損なわない上に、金属探知機に対する検知感度が高く、飲料・食品・薬品の製造加工処理作業の安全性をいっそう大きく向上させることができる。
【0045】
本発明の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋において、金属探知材は、樹脂素材に対してより好ましくは重量比で45%〜55%含有するので、このように構成することにより、伸縮性を損なわない上に、金属探知機に対する検知感度が高く、飲料・食品・薬品の製造加工処理作業の安全性を更にいっそう大きく向上させることができる。
【0046】
また、本発明の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋を構成するにあたり、表シートは、着色されているので、飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋の一部が食品等に混入した場合であっても、目視によって容易に識別しやすくすることができる。
【0047】
本発明の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋の製造方法によれば、樹脂素材で作成される表シートを形成する工程と、樹脂素材で作成され、金属探知機により探知可能な金属探知材を全体的又は部分的に混入して裏シートを形成する工程と、表シートと裏シートを積層した1組を2組準備し、その4枚を裏シート同士が対面するように積層し、手袋形状に対応する端縁部をヒートシールする工程と、ヒートシールされた外縁を切抜く工程とを含むとからなるので、伸縮性を損なわない上に、金属探知材が脱離しにくく、金属探知機に対する検知感度が高く、飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋の一部が食品等に誤って混入したような場合でも、金属探知機によって正確に検知することができ、飲料・食品・薬品の製造加工処理作業の安全性を大きく向上させることができる飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋を効率的に製造することが可能となる。
【0048】
また、本発明の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋の製造方法によれば、樹脂糸素材で編成され、防水加工を施してなる表シートを形成する工程と、樹脂糸素材で編成され、金属探知機により探知可能な金属探知材を全体的又は部分的に混入して裏シートを形成する工程と、表シートと裏シートを積層した1組を2組準備し、その4枚を裏シート同士が対面するように積層し、両層の手袋形状に対応する端縁部をヒートシールする工程と、ヒートシールされた外縁を切抜く工程とからなるので、伸縮性を損なわない上に、金属探知材が脱離しにくく、金属探知機に対する検知感度が高く、飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋の一部が食品等に誤って混入したような場合でも、金属探知機によって正確に検知することができ、飲料・食品・薬品の製造加工処理作業の安全性を大きく向上させることができ、防水機能をもつ飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋を効率的に製造することが可能となる。
【0049】
さらに、本発明の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋の製造方法によれば、樹脂素材で作成される表シートを形成する工程と、樹脂素材で作成される裏シートを形成する工程と、表シートと裏シート間に金属探知機により探知可能な金属探知材を全体的又は部分的に間挿し、表シートと裏シートを金属探知材を挟んで積層した1組を2組準備し、その4枚を裏シート同士が対面するように積層し、手袋形状に対応する端縁部をヒートシールする工程と、ヒートシールされた外縁を切抜く工程とからなるので、伸縮性を損なわない上に、金属探知材が脱離しにくく、金属探知機に対する検知感度が高く、飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋の一部が食品等に誤って混入したような場合でも、金属探知機によって正確に検知することができ、飲料・食品・薬品の製造加工処理作業の安全性を大きく向上させることができ、金属探知材の固定性が向上し、所定位置からずれることを有効に防止することができ、所定の金属探知材を、複数の表シートと裏シート間に挟み込むため、金属探知材を外部側から認識されない飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋を効率的に製造することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0050】
以下、本発明の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋について、その最良の実施形態を図面を参照して説明する。
【0051】
図1に示すように、本発明の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋2は、樹脂素材4で形成して作成されるものである。
【0052】
飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋2は、手首部6と、そこから延びる手指部8を有している。
【0053】
飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋2には、第1の態様として、樹脂素材4でそれぞれ作成される少なくとも表シート10と裏シート12との積層体で形成され、裏シート12中に金属探知機(図示せず)により探知可能な金属探知材14を全体的又は部分的に混入してなるものである。
【0054】
本発明の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋2において、裏シート12は、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリオレフイン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、コットン樹脂及びパルプ樹脂からなる群から選択される少なくとも一つから構成される。
【0055】
このような種類の樹脂から構成することにより、裏シート12としての安定的な製造が容易になるばかりか、飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋2として用いた場合に、体液や汗又は薬液の吸収性が優れることになる。
【0056】
また、表シート10及び裏シート12のそれぞれの厚さを30〜100μmの範国内の値とされる。かかる裏シート12の厚さが30μm未満の値になると、機械的強度が低下したり、取り扱い性が低下したりして、飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋2の用途に適さなくなる場合があるためである。一方、かかる表シート10及び裏シート12のそれぞれの厚さが100μmを超えると、過度に厚くなって、逆に、取り扱いが困難となるばかりか、飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋2等の一部を構成した場合に、手から容易に離脱する場合があるためである。
【0057】
表シート10及び裏シート12のそれぞれの厚さを35〜80μmの範囲内の値とすることがより好ましく、優れた使用感が得られ、40〜60μmの範囲内の値とすると、最良の使用感が得られやすい。
【0058】
本発明の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋2において、金属探知材14は、金属探知機により探知可能な鉄、ステンレス、アルミニウム、銅、半田及びニッケルからなる群から選択される少なくとも一つである。
【0059】
このような金属探知材14を用いることにより、金属探知機に対する感度をさらに高めることができるとともに、比較的安価で、所定形状に加工しやすい金属探知材4を混入した裏シート12として提供することができる。
【0060】
但し、強磁性であって、金属探知機に対する感度がさらに高く、かつ安価であることから、金属探知材として、鉄(メッキ鉄を含む〉を用いることがより好ましい。
【0061】
なお、鉄は環境条件によっては、一般的に錆びやすいものの、本発明の場合、鉄は飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋に周囲を包含された状態で存在し、乾燥しているため、殆ど錆びないことが判明している。
【0062】
また、金属探知機に対する感度を長時間にわたって発揮させたり、滑り易く、長尺物中にさらに包含しやすかったりすることから、メッキ鉄やステンレスを用いることも好ましい。
【0063】
本発明の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋2において、金属探知材14は、扁平状(楕円状、円盤状)、粒状又は球状であって(図2(b))、その平均径、平均高を20〜30μmの範囲内の値とされる。なお、金属探知材12として扁平状(楕円状、円盤状)にするときは、例えば、アルミニウム、銅、鉄、半田等の比較的柔らかい球状粒子を扁平化させたものであることが好ましい。
【0064】
かかる金属探知材14の平均径、平均高が20μm未満の値になると、金属探知機等による検知感度が著しく低下する場合があり、一方、かかる金属探知材14の平均粒径が30μmを超えると、飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋2として使用した場合に、異物感が大きくなったり、長尺物中に安定的に包含することが困難となったりする場合がある。
【0065】
本発明の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋2において、金属探知材14は、フイラメント状(図2(c))であって、その平均線径を20〜30μm、平均長さを200〜300μmの範囲内の値とされる。
【0066】
ここで、フイラメント状とは、概ね円柱状、単尺線条体であって、例えば金属探知材14が金属で構成される場合、上記の平均線径の金属線を上記の平均長で切断することによって作成される。
【0067】
フイラメント状の金属探知材14は、例えば、断面楕円状の円柱状体の場合、その長径方向が指又は手首の周方向に一致するように等間隔で配列してなるのが好ましい。
【0068】
このように構成することにより、金属探知機による検知感度を高めることができる一方、飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋2における機能低下を少なくすることができる。
【0069】
本発明の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋2において、金属探知材14は、粉状(図2(a))であって、その平均粒径を0.5〜30μmの範囲内の値とし、裏シートに分散されている。
【0070】
金属探知材12として、粉状のものを裏シート12に分散して使用することにより、金属探知機に対する感度がばらつかない飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋2を得ることができる。また、金属探知材14が連続的であることから、飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋2の伸縮性を損なわない金属探知材14を含む裏シート12を提供することができる。
【0071】
図3(a)に示すように、本発明の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋2の第2の態様において、樹脂糸素材4aでそれぞれ編成される少なくとも表シート10と裏シート12との積層体で形成され、裏シート12中に金属探知機により探知可能な金属探知材14を全体的又は部分的に混入し、表シート10に防水加工膜16を施してなるものである。
【0072】
このように構成することにより、金属探知材14の裏シート内への編み込みが容易になるとともに、所定位置からずれることを有効に防止することができ、伸縮性を損なわない上に、金属探知材14が脱離しにくく、金属探知機に対する検知感度が高く、飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋の一部が食品等に誤って混入したような場合でも、金属探知機によって正確に検知することができ、飲料・食品・薬品の製造加工処理作業の安全性を大きく向上させることができ、防水機能をもつ飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋を効率的に製造することが可能となる。
【0073】
図3(b)に示すように、本発明の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋2の第3の態様において、樹脂素材4でそれぞれ作成される少なくとも表シート10と裏シート12との積層体で形成され、表シート10と裏シート12間に金属探知機により探知可能な金属探知材14を全体的又は部分的に間挿してなるものである。
【0074】
このように構成することにより、飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋における金属探知材14の固定性が向上し、所定位置からずれることを有効に防止することができる。また、所定の金属探知材14を、表シート10と裏シート12間に挟み込むため、金属探知材14を外部側から認識されないように構成することができるとともに、飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋として用いた場合に、異物感を和らげることができる。
【0075】
図3(c)に示すように、本発明の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋2の第4の態様において、樹脂素材4でそれぞれ作成される少なくとも表シート10と裏シート12との積層体で形成され、表シート10と裏シート12間に金属探知機により探知可能な金属探知材として金属箔14aを全体的又は部分的に間挿してなるものである。
【0076】
このように構成することにより、飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋における金属探知材14の固定性が向上し、所定位置からずれることを有効に防止することができる。また、所定の金属探知材14を、表シート10と裏シート12間に挟み込むため、金属探知材14としての金属箔14aを外部側から認識されないように構成することができるとともに、飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋として用いた場合に、異物感をさらに和らげることができる。
【0077】
第3−4の態様において、このように構成することにより、金属探知材14の組み込みが容易になるとともに、金属探知材14が所定位置からずれることを有効に防止することができるためである。
【0078】
したがって、このような飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋2において、金属探知材14の位置ずれを有効に防止することができる。その結果、手袋2の一部が非金属パッケージで包装された飲食物品内に誤って混入した場合であっても、それぞれ金属探知機に対する検知感度を効果的に高めることができる。
【0079】
本発明の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋において、金属探知材は、樹脂素材に対して重量比で5%〜70%含有する。
【0080】
このように構成することにより、伸縮性を損なわない上に、金属探知機に対する検知感度が高く、飲料・食品・薬品の製造加工処理作業の安全性を大きく向上させることができる。
【0081】
本発明の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋において、金属探知材は、樹脂素材に対して好ましくは重量比で30%〜60%含有する。
【0082】
このように構成することにより、伸縮性を損なわない上に、金属探知機に対する検知感度が高く、飲料・食品・薬品の製造加工処理作業の安全性をいっそう大きく向上させることができる。
【0083】
本発明の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋において、金属探知材は、樹脂素材に対してより好ましくは重量比で45%〜55%含有する。
【0084】
このように構成することにより、伸縮性を損なわない上に、金属探知機に対する検知感度が高く、飲料・食品・薬品の製造加工処理作業の安全性を更にいっそう大きく向上させることができる。
【0085】
本発明の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋において、表シート10は、着色される。
【0086】
このように表シート10を着色することにより、飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋の一部が食品等に混入した場合であっても、目視によって容易に識別しやすくすることができる。
【0087】
また、飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋2の表面に、識別マークや装飾層(図示せず)が設けてあることが好ましい。
【0088】
数字マーク、漢字マーク、絵文字マーク、或いは点字マーク等を設けることにより、最適サイズの飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋2を一目瞭然で選別することができ、飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋2を使用する際の使い勝手を著しく向上させることができる。また、このような装飾層として、数字柄、漢字柄、絵文字柄、或いは写真絵柄等を表す装飾層を設けることにより、飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋2を使用する際の使い勝手性が向上するばかりか、ファッシヨン性についての価値も向上させることができる。特に、蛍光剤を含む装飾層とすることにより、夜間における認識性を高めることも可能である。
【0089】
次に、本発明の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋の製造方法について説明する。
【0090】
図4(a)に示すように、樹脂素材20aであるシートコンパウンドホッパ20にシートコンパウンド、金属探知材ホッパ22に金属探知材14を投入し、これをホッパ24に供給する。なお、ホッパ24に供給されるシートコンパウンド、金属探知材の供給を計量して上述の金属探知材の樹脂素材に対して重量比を決定する手段については図示を省略する。ホッパ24に供給されるシートコンパウンド、金属探知材はシリンダ26内に導入され、駆動装置28によるスクリュー30の回転に応じた加熱とヒータ32によりシートコンパウンドは溶融され、金属探知材はシートコンパウンドと混練される。このようにして、金属探知材はシートコンパウンドに均等に分散又は配置されて混入される。この混練物はスクリュー30の回転によりダイ34から、金属探知材は裏シート12として押し出される。これは上述した第1、第3、第4の態様において使用される。
【0091】
なお、ダイ34を取り替えることにより、金属探知材は樹脂糸4aとして押し出すこともできる。これは上述した第2の態様において使用される。
【0092】
<第1の態様の製法>
このようにして金属探知材14を混入した裏シート12と金属探知材を混入しない表シート10を積層した1組を2組準備し、その4枚を裏シート12同士が対面するように積層する(図4(b))。手袋形状に対応する端縁部2aをヒートシールし、次いで、ヒートシールされた外縁2bを切抜くことにより、本発明の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋2が製造される(図1、図5)。
【0093】
<第2の態様の製法>
上述の樹脂糸4aで編成され、金属探知材14を混入した裏シート12と金属探知材を混入しないで防水加工膜16を施した表シート10を積層した1組を2組準備し、その4枚を裏シート12同士が対面するように積層する(図4(b))。手袋形状に対応する端縁部2aをヒートシールし、次いで、ヒートシールされた外縁2bを切抜くことにより、本発明の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋2が製造される(図3(a)、図6)。
【0094】
<第3の態様の製法>
金属探知材を混入しない裏シート12と金属探知材を混入しない表シート10間に金属探知機により探知可能な金属探知材を間挿し、これらを積層した1組を2組準備し、その4枚を裏シート12同士が対面するように積層する(図4(b))。手袋形状に対応する端縁部2aをヒートシールし、次いで、ヒートシールされた外縁2bを切抜くことにより、本発明の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋2が製造される(図3(b)、図7)。
【0095】
<第4の態様の製法>
金属探知材を混入しない裏シート12と金属探知材を混入しない表シート10間に金属探知機により探知可能な金属箔14aを間挿し、これらを積層した1組を2組準備し、その4枚を裏シート12同士が対面するように積層する(図4(b))。手袋形状に対応する端縁部2aをヒートシールし、次いで、ヒートシールされた外縁2bを切抜くことにより、本発明の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋2が製造される(図3(c)、図7)。
【0096】
<実験例1>
金属探知材として鉄粉を以下の条件で混入した裏シートと金属探知材を混入しない表シートを積層した1組を2組準備し、その4枚を裏シート同士が対面するように積層した。
【0097】
表シート、裏シートの各厚さ:50μm
金属探知材としての鉄粉の平均粒径:3μm
金属探知材の樹脂素材(裏シート)に対する重量比:50%
手袋形状に対応する端縁部をヒートシールし、次いで、ヒートシールされた外縁を切抜くことにより、本発明の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋を製造した。
【0098】
得られた飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋の一部を切断し、その切片を100gのポテトサラダの中に埋設し、その状態で、金属探知機HA−01(アンリツ産機システム社製)を用いて検査した。サンプル100個のうち手袋の一部の総てを完全に検出することができた。
【0099】
<実験例2>
金属探知材を混入しない裏シートと金属探知材を混入しない表シート間に金属探知機により探知可能な金属探知材を以下の条件で間挿し、これらを積層した。
【0100】
表シート、裏シートの各厚さ:50μm
金属探知材としての鉄粒の平均粒径:25μm
金属探知材の樹脂素材(表シート、裏シート)に対する重量比:30%
手袋形状に対応する端縁部をヒートシールし、次いで、ヒートシールされた外縁を切抜くことにより、本発明の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋を製造した。
【0101】
得られた飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋の一部を切断し、その切片を100gのミートソースの中に埋設し、その状態で、金属探知機HA−01(アンリツ産機システム社製)を用いて検査した。サンプル100個のうち手袋の一部の総てを完全に検出することができた。
【0102】
<実験例3>
金属探知材を混入しない裏シートと金属探知材を混入しない表シート間に金属探知機により探知可能な金属箔を以下の条件で間挿し、これらを積層した。
【0103】
表シート、裏シートの各厚さ:50μm
金属探知材としての金属箔の厚さ:15μm
金属探知材の樹脂素材(表シート、裏シート)に対する重量比:17%
手袋形状に対応する端縁部をヒートシールし、次いで、ヒートシールされた外縁を切抜くことにより、本発明の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋を製造した。
【0104】
得られた飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋の一部を切断し、その切片を100gの米飯の中に埋設し、その状態で、金属探知機HA−01(アンリツ産機システム社製)を用いて検査した。サンプル100個のうち手袋の一部の総てを完全に検出することができた。
【産業上の利用可能性】
【0105】
本発明の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋によれば、金属探知機によって、感度良く検知することが可能であることから、飲料、食品、薬品、樹脂製品内に異物が混入した場合に、異物を探知して安全性の確保に利用が期待される。
【0106】
また、本発明の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋によれば、裏シート中に、金属探知材を混入してあることより、使い勝手が良いばかりか、金属探知機によって、感度良く検知することが可能となる。
【0107】
したがって、飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋の一部が誤ってパッケージ内等に混入した場合であっても、金属探知機により検出して、異物の混入を容易に防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】金属探知材を含む本発明の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋の第1の態様を肉厚部を破断して示すための説明図である。
【図2】(a)、(b)、(c)は、本発明の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋において、裏シート内での金属探知材の形態を示すための説明図である。
【図3】(a)、(b)、(c)は、金属探知材を含む本発明の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋の第2の態様〜第4の態様を肉厚部を破断して説明するための断面図である。
【図4】(a)、(b)は、本発明の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋の製造方法における工程を示すための工程説明図である。
【図5】本発明の第1の態様による飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋の製造方法における工程を説明するためのフローチャートである。
【図6】本発明の第2の態様による飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋の製造方法における工程を説明するためのフローチャートである。
【図7】本発明の第3の態様〜第4の態様による飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋の製造方法における工程を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0109】
2・・・飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋
2a・・・端縁部
2b・・・外縁
4・・・樹脂素材
4a・・・樹脂糸素材
6・・・手首部
8・・・手指部
10・・・表シート
12・・・裏シート
14・・・金属探知材
14a・・・金属箔
16・・・防水加工膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂素材でそれぞれ作成される少なくとも表シートと裏シートとの積層体で形成され、前記裏シート中に金属探知機により探知可能な金属探知材を混入してなることを特徴とする飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋。
【請求項2】
樹脂糸素材でそれぞれ編成される少なくとも表シートと裏シートとの積層体で形成され、前記裏シート中に金属探知機により探知可能な金属探知材を混入し、前記表シートに防水加工を施してなることを特徴とする飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋。
【請求項3】
樹脂素材でそれぞれ作成される少なくとも表シートと裏シートとの積層体で形成され、前記表シートと前記裏シート間に金属探知機により探知可能な金属探知材を間挿してなることを特徴とする飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋。
【請求項4】
前記表シート及び裏シートのそれぞれの厚さは、30〜100μmの範国内の値とすることを特徴とする請求項1乃至請求項3何れか1項記載の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋。
【請求項5】
前記表シート及び裏シートのそれぞれの厚さは、好ましくは35〜80μmの範国内の値とすることを特徴とする請求項1乃至請求項3何れか1項記載の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋。
【請求項6】
前記表シート及び裏シートのそれぞれの厚さは、より好ましくは40〜60μmの範国内の値とすることを特徴とする請求項1乃至請求項3何れか1項記載の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋。
【請求項7】
前記樹脂素材は、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリオレフイン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、コットン樹脂及びパルプ樹脂からなる群から選択される少なくとも一つから構成されることを特徴とする請求項1乃至請求項3何れか1項記載の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋。
【請求項8】
前記金属探知材は、鉄、ステンレス、アルミニウム、銅、半田及びニッケルからなる群から選択される少なくとも一つであることを特徴とする請求項1乃至請求項3何れか1項記載の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋。
【請求項9】
前記金属探知材は、円盤状、粒状又は球状であって、その平均径、平均高を20〜30μmの範囲内の値とすることを特徴とする請求項1乃至請求項3何れか1項記載の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋。
【請求項10】
前記金属探知材は、フイラメント状であって、その平均線径を20〜30μm、平均長さを200〜300μmの範囲内の値とされることを特徴とする請求項1乃至請求項3何れか1項記載の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋。
【請求項11】
前記金属探知材は、粉状であって、その平均粒径を0.5〜30μmの範囲内の値とし、前記裏シートに分散されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3何れか1項記載の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋。
【請求項12】
前記金属探知材は、金属箔であることを特徴とする請求項3記載の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋。
【請求項13】
前記金属探知材は、前記樹脂素材に対して重量比で5%〜70%含有することを特徴とする請求項1乃至請求項3何れか1項記載の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋。
【請求項14】
前記金属探知材は、前記樹脂素材に対して好ましくは重量比で30%〜60%含有することを特徴とする請求項1乃至請求項3何れか1項記載の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋。
【請求項15】
前記金属探知材は、前記樹脂素材に対してより好ましくは重量比で45%〜55%含有することを特徴とする請求項1乃至請求項3何れか1項記載の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋。
【請求項16】
前記表シートは、着色されることを特徴とする請求項1乃至請求項3何れか1項記載の飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋。
【請求項17】
樹脂素材で作成される表シートを形成する工程と、樹脂素材で作成され、金属探知機により探知可能な金属探知材を混入して裏シートを形成する工程と、前記表シートと前記裏シートを積層した1組を2組準備し、その4枚を前記裏シート同士が対面するように積層し、手袋形状に対応する端縁部をヒートシールする工程と、ヒートシールされた外縁を切抜く工程とからなることを特徴とする飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋の製造方法。
【請求項18】
樹脂糸素材で編成され、防水加工を施してなる表シートを形成する工程と、樹脂糸素材で編成され、金属探知機により探知可能な金属探知材を混入して裏シートを形成する工程と、前記表シートと前記裏シートを積層した1組を2組準備し、その4枚を前記裏シート同士が対面するように積層し、両層の手袋形状に対応する端縁部をヒートシールする工程と、ヒートシールされた外縁を切抜く工程とからなることを特徴とする飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋の製造方法。
【請求項19】
樹脂素材で作成される表シートを形成する工程と、樹脂素材で作成される裏シートを形成する工程と、前記表シートと前記裏シート間に金属探知機により探知可能な金属探知材を間挿し、前記表シートと前記裏シートを前記金属探知材を挟んで積層した1組を2組準備し、その4枚を前記裏シート同士が対面するように積層し、手袋形状に対応する端縁部をヒートシールする工程と、ヒートシールされた外縁を切抜く工程とからなることを特徴とする飲料・食品・薬品の製造加工処理作業手袋の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−120974(P2009−120974A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−293383(P2007−293383)
【出願日】平成19年11月12日(2007.11.12)
【出願人】(000185411)小津産業株式会社 (8)
【Fターム(参考)】