説明

飲料供給機

【課題】 PET製等の飲料ボトルが口を下側にして冷却室に傾倒収納された状態で、こ
の口に取り付けた手動開閉式バルブの開成によって飲料供給を行う飲料供給機に関し、そ
の場合、飲料ボトルは冷却室内に斜めに収納されるが、手動開閉式バルブの操作によって
、飲料ボトルが冷却室内で上方へ移動して飲料供給操作が不安定になることがある。この
ため、手動開閉式バルブの操作時の飲料ボトルの移動を防止する技術を提供するものであ
る。
【解決手段】飲料ボトルが口を下にして斜めに収納される冷却室の前面側開口を開閉する
ように上部が回動可能に支持された扉を備え、飲料ボトルの口に取り付けた手動開閉式バ
ルブ体の開成操作によって冷却室外に露出した飲料取り出し口から飲料供給が行われる飲
料供給機であって、扉には、扉が閉じた状態で冷却室に傾倒収納された飲料ボトルの底面
部を口側へ押す弾力性押し圧部を設け、弾力性押し圧部は、扉が開いたときは底面部から
離れて非押し圧状態に復帰すること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PET製等のボトル容器に飲料を収容した飲料ボトルが口を下側にして冷却
室に傾倒収納された状態で、飲料ボトルの口に取り付けた手動開閉式バルブの開成によっ
て飲料供給が行われる飲料供給機に関する。
【背景技術】
【0002】
飲料水を収容したボトル6が口を下側にして上部空間4に斜めに収納され、この飲料水
を供給するものがある。これは、ボトル6がエバポレータ5に重力によって押し付けられ
るようになっており、上部空間4にはボトル6の出し入れ用の断熱性上部扉1bが設けら
れ、上部扉1bは、ボトル6内の飲料の残量が見えるようにその一部がガラスになってい
る。そして、ボトル6の口は、リザーブタンク8に臨み、ボトル6の口がリザーブタンク
8の水面と接触して塞がれる状態まで、ボトル6からリザーブタンク8へ飲料が供給され
る。
【0003】
ボトル6からリザーブタンク8へ飲料が供給される仕組みは、ボトル6の口のキャップ
に設けたバネ付勢されたバルブ42が、リザーブタンク8内のピン48によって上方へ押
されることによってバルブ42が開くようになっている。リザーブタンク8の飲料は、リ
ザーブタンク8に接続した注出バルブ9を開くことによって、リザーブタンク8の水頭圧
によって冷水が注出されるようになっている。注出バルブ9の下方には、供給時のこぼれ
る飲料水を受けるドリップパン10が設けられている。(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−327593号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この従来技術のものは、ボトル6の飲料がリザーブタンク8へ供給され、このリザーブ
タンク8の飲料が、リザーブタンク8に接続した注出バルブ9を開くことによって、リザ
ーブタンク8の水頭圧によって冷水が注出されるようになっている。このため、ボトル6
の飲料のみならずリザーブタンク8の飲料も冷却状態に保つ必要があり、構造的に複雑化
する。
【0005】
本発明は、このようなリザーブタンク8を設けず、PET製等のボトル容器に飲料を収
容した飲料ボトルの口に手動開閉式バルブを取り付けた状態とし、この飲料ボトルの口を
下側にして冷却室に傾倒収納することによって、前記手動開閉式バルブが冷却室外に配置
され、この手動開閉式バルブの開成によって飲料供給が行われるようにする飲料供給機を
提供するものである。その場合、飲料ボトルは冷却室内に斜めに収納されるが、前記手動
開閉式バルブの操作によって、飲料ボトルが冷却室内で上方へ移動して飲料供給操作が不
安定になることがある。このため、冷却室内への飲料ボトルの収納と取り出しはし易く、
且つ前記手動開閉式バルブの操作時の飲料ボトルの移動を防止する技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1発明の飲料供給機は、PET製等のボトル容器に飲料を収容した飲料ボトルが口を
下側にし底を上後方に位置させた傾倒状態で収納されるよう飲料供給機本体に形成された
冷却室と、前記飲料ボトルの収納取り出し用として前記冷却室の前面側開口を開閉するよ
うに上部が前記飲料供給機本体に回動可能に支持された扉を備え、前記飲料ボトルが前記
冷却室に収納された状態で、前記飲料ボトルの口に取り付けた手動開閉式バルブ体の開成
操作によって前記冷却室外に露出した飲料取り出し口から飲料供給が行われる飲料供給機
であって、前記扉には、前記扉が閉じた状態で前記冷却室に傾倒収納された前記飲料ボト
ルの底を前記口側へ押す弾力性押し圧部を設け、前記弾力性押し圧部は、前記扉が開いた
ときは前記底から離れて非押し圧状態に復帰することを特徴とする。
【0007】
第2発明の飲料供給機は、PET製等のボトル容器に飲料を収容した飲料ボトルが口を
下側にし底を上後方に位置させた傾倒状態で収納されるよう飲料供給機本体に形成された
冷却室と、前記飲料ボトルの収納取り出し用として前記冷却室の前面側開口を開閉するよ
うに上部が前記飲料供給機本体に回動可能に支持された扉を備え、前記飲料ボトルが前記
冷却室に収納された状態で、前記飲料ボトルの口に取り付けた手動開閉式バルブ体の開成
操作によって前記冷却室外に露出した飲料取り出し口から飲料供給が行われる飲料供給機
であって、前記冷却室は、傾倒状態に収納された飲料ボトルの胴部の後側部分を包むよう
に冷却面が冷却室に露出した冷却器と、前記傾倒状態に収納された飲料ボトルの口部分が
挿入される挿入部を下部に備えると共に、前記挿入部の奥側部分には前記飲料ボトルの口
に近い肩部に当接する環状シール材が前記飲料供給機本体と前記扉に二分される状態に配
置され、前記扉には、前記扉が閉じた状態で前記冷却室に傾倒収納された前記飲料ボトル
の底を前記挿入部側へ押す弾力性押し圧部を設け、前記弾力性押し圧部は、前記扉が開い
たときは前記底から離れて非押し圧状態に復帰することを特徴とする。
【0008】
第3発明の飲料供給機は、第1発明または第2発明において、前記冷却室は、傾倒状態
に収納された前記飲料ボトルの略半分の後側部分を包むように前記飲料ボトルの外形に近
似した飲料供給機本体側部分と、傾倒収納された前記飲料ボトルの略半分の前側部分を前
記扉が包む縦長形態をなす扉側部分とで、前記飲料ボトル1個を収納する容積の縦長形態
をなし、前記冷却器は前記飲料ボトルの後側部分を包むよう前記飲料ボトルの外形に近似
した冷却面が前記冷却室に露出し後側が断熱材で覆われたことを特徴とする。
【0009】
第4発明の飲料供給機は、第1発明乃至第3発明のいずれかにおいて、前記弾力性押し
圧部は、前記扉の開閉に伴って屈伸作動するよう前記飲料供給機本体と前記扉とに亘るア
ームと、このアームに取り付けた弾性部材を備え、前記弾性部材は、前記扉が閉じたとき
は前記弾性部材が前記飲料ボトルの底を押して圧縮状態となり、前記扉が開いたときは前
記底から離れて非圧縮状態に復帰することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
第1発明の飲料供給機は、飲料ボトルが冷却室に傾倒状態に収納された状態で、その口
に取り付けた手動開閉式バルブ体を押し内部のバルブを開く操作によって飲料取り出しを
行なう際に、特に飲料ボトル内の飲料が少なくなった状態では、このバルブを開くときの
押し圧力によって、飲料ボトルが冷却室の上方へ移動しようとするが、扉が閉じた状態で
は飲料ボトルの底面部を弾力性押し圧部が押しているため、この上方への移動が抑止され
、バルブを開く操作が安定して行なえるものとなる。そして、飲料ボトルを冷却室から取
り出すときや、飲料ボトルを冷却室に収納するときは、扉を開いてそれを行なうが、この
場合、弾力性押し圧部は飲料ボトルの底面部から離れて非押し圧状態になっているため、
冷却室に対する飲料ボトルの取り出しや収納の作業に支障はない。また、冷却室の長さを
飲料ボトルの長さよりも十分長くして、冷却室に対する飲料ボトルの取り出しや収納の作
業をし易くすることができ、更に、冷却室の設計や飲料供給機本体の対する扉の開閉関係
の設計の誤差も、弾力性押し圧部の弾力性の範囲で吸収できるものとなり、この設計およ
び組み立ての自由度が増し、設計および組み立てがし易くなる。
【0011】
第2発明の飲料供給機は、第1発明の効果に加えて、冷却室に傾倒収納された飲料ボト
ルの口に近い肩部に当接する環状シール材が、飲料供給機本体と扉に二分される状態に配
置されているため、扉を閉じた状態で、弾力性押し圧部による飲料ボトルの押し圧によっ
て、この環状シール材と飲料ボトルとの密着が増し、挿入部からの冷気漏れを防止できる
効果が向上するものとなる。
【0012】
第3発明は、第1発明または第2発明の効果に加えて、冷却室に傾倒収納された飲料ボ
トルの略半分の前側部分を扉が包む形態とすることにより、冷却室を広く開放できるため
、扉を開いて行なう冷却室への飲料ボトルの出し入れがし易くなる。そして、冷却器は飲
料ボトルの後側部分を包むように飲料ボトルの外形に近似した冷却面を形成しているため
、飲料ボトルの冷却は冷却器から直接冷却によって行われるため、その冷却も良好となる

【0013】
第4発明は、第1発明乃至第3発明の効果に加えて、弾力性押し圧部は、扉の開閉に伴
って屈伸作動するアームと、このアームに取り付けた弾性部材を備えることにより、特に
飲料ボトル内の飲料が少なくなった状態では、このバルブを開くときの押し圧力によって
、飲料ボトルが冷却室の上方へ移動しようとするが、扉が閉じた状態では飲料ボトルの底
面部を弾性部材が押しているため、この上方への移動が抑止され、バルブを開く操作が安
定して行なえるものとなる。また、弾性部材は、扉が閉じたときは飲料ボトルの底面部を
押して圧縮状態となり、扉が開いたときは底面部から離れて非圧縮状態に復帰することに
より、扉の裏側に露出してこの弾性部材を取り付けることができるため、取り付け構造の
制限条件が少なく、且つ、冷却室で冷却されても弾性および復帰機能は失われず、繰り返
し行なわれる扉の開閉においても安定した作用が得られるものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の飲料供給機は、PET製等のボトル容器に飲料を収容した飲料ボトルが口を下
側にし底を上後方に位置させた傾倒状態で収納されるよう飲料供給機本体に形成された冷
却室と、前記飲料ボトルの収納取り出し用として前記冷却室の前面側開口を開閉するよう
に上部が前記飲料供給機本体に回動可能に支持された扉を備え、前記飲料ボトルが前記冷
却室に収納された状態で、前記飲料ボトルの口に取り付けた手動開閉式バルブ体の開成操
作によって前記冷却室外に露出した飲料取り出し口から飲料供給が行われる飲料供給機で
あって、前記扉には、前記扉が閉じた状態で前記冷却室に傾倒収納された前記飲料ボトル
の底を前記口側へ押す弾力性押し圧部を設け、前記弾力性押し圧部は、前記扉が開いたと
きは前記底から離れて非押し圧状態に復帰する構成であり、以下に、本発明の実施例を記
載する。
【実施例1】
【0015】
本発明に係る飲料供給機の実施形態について説明する。図1は本発明に係る飲料供給機
の扉を開いた状態の分解斜視図、図2は本発明に係る飲料供給機の扉を閉じた状態の縦断
側面図、図3は本発明に係る飲料供給機の扉を開いた状態の縦断側面図、図4の(イ)(
ロ)は本発明に係る飲料供給機の扉を閉じた状態に保持するための保持装置の一例を示す
説明図である。
【0016】
図において、1は飲料供給機であり、上部に冷却室3が形成され前面に飲料供給部30
を形成した飲料供給機本体1Aと、冷却室3の前側開口を開閉する扉7で構成している。
飲料供給機本体1Aには、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETという)製等のボ
トル容器に飲料を収容した飲料ボトル2が、その口2Aを下側にし、その底を上後方に位
置させた状態で冷却室3に傾倒収納され、この状態で飲料ボトル2の口2A部に取り付け
た手動開閉式バルブ体4が飲料供給部30に臨むように冷却室3外に露出している。飲料
供給部30において、手動開閉式バルブ体4の開成操作によって、冷却室3外に露出した
飲料取り出し口5から飲料供給が行われる。飲料取り出し口5部分から落下する水滴等を
受ける水受け皿6を下部に備えている。
【0017】
冷却室3は、飲料ボトル2が口2A部を下にして傾倒状態に収納されるように、飲料供
給機本体1Aに傾斜状態に形成されており、その前側開口部分(斜め上側開口部分または
斜め前側開口部分といってもよい)1Kが飲料ボトル2の収納取り出し用扉7で開閉可能
に覆われている。この傾倒状態に収納された飲料ボトル2をその姿勢のままで冷却室3か
ら取り出し、また、飲料ボトル2を傾倒状態の姿勢でもって冷却室3へ収納するために、
冷却室3の前側開口部分1Kが広く開放された状態である。また、冷却室3は、その下部
に、傾倒状態に収納された飲料ボトル2の口2A部分(首部分と称してもよい)が挿入さ
れる挿入部8を備え、飲料ボトル2が冷却室3へ収納された状態で、飲料ボトル2の口2
A部分に取り付けた手動開閉式バルブ体4の前部が飲料供給機本体1Aの前面側へ突出状
態に露出する。また、冷却室3は、挿入部8から後方に向かって飲料ボトル2の肩部2B
を受ける受け部9を形成しており、冷却室3の周囲は断熱構成である。この断熱構成は、
後述のように、冷却室3の内殻40Aと冷却器16の後側(背面側)が断熱材URで覆わ
れた状態である。
【0018】
飲料ボトル2の収納・取り出し用の扉7は、後方に向けて傾斜した冷却室3の前側開口
部分1Kを開閉するように、上部の後部が飲料供給機1の本体1Aに軸支持部22によっ
て回動可能に支持されている。扉7は、一体または別体に構成された内殻41Aと外殻4
1Bが透明性の合成樹脂で形成され、冷却室3の冷却温度維持のために、内殻41Aと外
殻41Bの間が中空構成である。また、飲料ボトル2は内部の飲料の量が透視できる透明
性の容器である。このような構成によって、冷却室3に収容した飲料ボトル2内の飲料の
量は、透明性の扉7と透明性の飲料ボトル2によって外部から透視できるようになる。扉
7は、後述の弾力性押し圧部50に対応した範囲から上方を不透明とするように、内殻4
1Aと外殻41Bの一部分を不透明とすれば、見栄えがよくなる。
【0019】
冷却室3は、1個の飲料ボトル2の全体が斜めに収納される深さと長さをもつ大きさに
形成され、その前側開口部分(斜め上側開口部分または斜め前側開口部分といってもよい
)が扉7で開閉可能に覆われる形態でもよいが、実施例では、冷却室3への飲料ボトル2
の収納取り出しを容易にするために、冷却室3に収納された飲料ボトル2の前記前側部分
が冷却室3の前側開口部分1Kよりも前側(斜め前方向)へ突出した露出状態とし、この
露出部分を扉7が覆うように、扉7の裏側面が窪んだ形態としている。
【0020】
この形態の好ましい実施例を図1乃至図3に示す。図示の形態では、扉7は、扉7の裏
側面、即ちその周縁部7Aで囲まれた内側7Bが飲料ボトルの前側部分(斜め上側部分ま
たは斜め前側部分といってもよい)を覆うように上方へ窪んだ形態であり、扉7の周縁部
7Aが冷却室3の周縁部3Aに当接し、冷却室3はその略半分ずつ飲料供給機本体1A側
と扉7側とで構成されたものである。このため、図2および図3に示すように、挿入部8
の中心部を通る直線状のPLラインが、冷却室3の開口端縁3Aであり、扉7と冷却室3
の分離ライン(扉7の周縁部7Aと冷却室3の周縁部3Aの当接部分)となるものである
。なお、扉7を閉じたときの冷却室3の冷気漏れを抑制するために、扉7の周縁部7Aに
は弾性パッキン7Pを設けており、扉7の周縁部7Aはこのパッキン7Pで形成されるこ
ととなり、扉7と冷却室3の分離ラインPLが形成される。
【0021】
これによって、扉7で開放される飲料供給機本体1A側の冷却室3の部分は、傾倒収納
された飲料ボトル2の略半分の後側部分(斜め下側部分または斜め後側部分といってもよ
い))を包むように、飲料ボトル2の外形に近似した縦長形態をなしたものである。一方
、傾倒収納された飲料ボトル2の略半分の前側部分を扉7が包むように、扉7の周縁部7
Aで囲まれた内側7Bも、飲料ボトル2の外形に近似した縦長形態をなしたものである。
この場合、冷却器16は飲料供給機本体1A側の冷却室部分に設けられ、飲料ボトル2の
後側部分を包むように飲料ボトル2の外形に近似した冷却面が内殻40Aから冷却室3に
露出し、後側が断熱材URで覆われた状態である。
【0022】
飲料ボトル2を冷却するための冷却器16は、冷却室3に傾倒収納された飲料ボトル2
の胴部の後側部分(飲料ボトル2の斜め背面とその左右両側部分)を包むように、飲料ボ
トル2の外形に近似した形状に形成した冷却面の表側面が内殻40Aから冷却室3に露出
しており、内殻40Aと冷却器16の後側(背面側)が断熱材URで覆われた状態である
。これによって、冷却室3に傾倒収納された飲料ボトル2は、冷却器16の冷却面に接触
して冷却が促進されるため、冷却室3の冷気循環用のファンを設けなくてもよい。冷却室
3で冷却される飲料ボトル2内の飲料は、略6℃〜10℃に冷却されるように構成されて
いる。
【0023】
冷却室3に傾倒状態で収納された飲料ボトル2の肩部2Bに対応する冷却室3の底部(
実施例では受け部9に相当する)には、排水口10が形成され、この排水口10に集まる
冷却室3の結露水は、この排水口10に連設した排水管11によって水受け皿6へ導入さ
れる。飲料供給機本体1Aは、冷却室3の後側に冷却装置12を配置している。冷却装置
12は、圧縮機13で圧縮した冷媒が放熱器14で放熱し減圧部15で減圧され冷却室3
を冷却する冷却器16で蒸発した後、再び圧縮機13へ帰還する冷媒サイクルを構成し、
放熱器14によって水受け皿6の水を加温蒸発させる構成である。清掃等のために水受け
皿6の出し入れがし易いようにするために、水受け皿6は前面から飲料供給機1の下部の
収納部20へ左右のガイド部21、21に載せてスライド式に挿入することにより、放熱
器14の上へ移動載置できる。水受け皿6の取り出しは、スライドにて引き出すことにて
行える。
【0024】
冷却室3に傾倒状態で収納された飲料ボトル2内の飲料は、手動開閉式バルブ体4の開
成操作によって自然落下でもって、手動開閉式バルブ体4の下部に一体形成した飲料取り
出し口5から、コップ載置部材17に載せたコップ18へ供給される。コップ載置部材1
7はスノコ状になっており、コップ18から零れた飲料や、飲料取り出し口5から垂れる
飲料や、手動開閉式バルブ体4の外面に付着した結露水は、このコップ載置部材17の排
水スリット17Aから下方の水受け皿6へ導入される。コップ載置部材17は、取り外し
て洗浄できるように、飲料供給機1に着脱自在に取り付ける構成でもよいが、水受け皿6
に着脱自在に載置したスノコ板で構成してもよい。
【0025】
水受け皿6へ導入された水は、放熱器14の熱によって加温され蒸発が促進され水蒸気
となる。この水蒸気は、飲料供給機本体1A内へ自然放出してもよいが、飲料供給機本体
1A内へ放出すれば、飲料供給機1内の各部に水滴を生じ、これに黴等の発生やごみの付
着により不衛生になるため、実施例ではこれを防止する構成となっている。このため、図
示の構成では、この水蒸気を飲料供給機1の外へ導くために、コップ載置部材17の奥側
で飲料供給機1内に位置する水受け皿6の上面は、カバー25で覆われており、このカバ
ー25を貫通した水蒸気排出管19が飲料供給機1の天面を貫通して延びており、水受け
皿6内の水蒸気が水蒸気排出管19にて飲料供給機1の上方空間へ放出される。水受け皿
6は、ガイド部21、21に載せてスライド式にて、カバー25の下側へ挿入することが
できる。なお、圧縮機13の熱の排出も含めて、飲料供給機本体1Aの放熱が良好な構成
であれば、カバー25と水蒸気排出管19は省略することができる。
【0026】
予め飲料ボトル2の口2Aに手動開閉式バルブ体4を取り付けた状態で、扉7を開いて
、手動開閉式バルブ体4が挿入部8の前方へ冷却室3から露出する状態で、飲料ボトル2
の口2A部分を挿入部8に嵌めるようにして、冷却室3に飲料ボトル2を傾倒状態に収納
する。これによって、図示のようにバルブの開閉操作部4Bのボタン部4Bを使用者が指
で押すことによりバルブが開き、指で押している間に飲料が供給されるプッシュ式を採用
している。この他に、手動開閉式バルブ体4は、使用者が持ったコップ18で押すことに
よりバルブが開く構成のものや、また使用者が指でレバーを左右方向へ回動させることに
よりバルブが開く構成のもの等、いろいろな形態の手動開閉式バルブ体4を適用すること
ができる。
【0027】
なお、飲料ボトル2を冷却室3に傾倒状態に収納する前に、予め飲料ボトル2の口2A
に手動開閉式バルブ体4を取り付けた状態で、手動開閉式バルブ体4が挿入部8を通り抜
ける大きさとし、手動開閉式バルブ体4が挿入部8を通り抜けるように、冷却室3に傾倒
状態に飲料ボトル2を収納する構成とするものでもよい。この場合、手動開閉式バルブ体
4は外形を小さくするために、図示のように、使用者が指でボタン部4Bを押すことによ
りバルブが開き、指で押している間に飲料が供給されるプッシュ式を採用すればよい。
【0028】
また、飲料ボトル2の口2Aがシール材で塞がれた状態の飲料ボトル2を採用した場合
は、この飲料ボトル2をその口2Aが冷却室3外に露出するように冷却室3に傾倒状態に
収納する。この状態で、飲料ボトル2の口2Aの外周面に形成した螺旋部2Rへ、飲料供
給部30側から手動開閉式バルブ体4を螺合させる。この螺合の最終段階において、飲料
ボトル2の口2Aを塞いだ前記シール材を突き破る先鋭部を手動開閉式バルブ体4に形成
しておけば、この螺合によって、飲料ボトル2内から飲料取り出し口5に至る一連の飲料
通路が形成されることとなり、手動開閉式バルブ体4が無い分、飲料ボトル2のコスト低
下を図ることができる。
【0029】
予め飲料ボトル2の口2Aに手動開閉式バルブ体4を取り付けた場合と、飲料ボトル2
を冷却室3に傾倒状態に収納した後に手動開閉式バルブ体4を取り付ける場合のいずれに
おいても、扉7を閉じた状態で、挿入部8からの冷却室3内の冷気漏れを防ぐために、扉
7の前面部が飲料ボトル2の口2A上部側周囲に適合して、この部分からの冷気漏れを防
止している。この挿入部8からの冷気漏れ防止効果向上のために、挿入部8の奥側部分に
は弾力性の環状シール材23が取り付けられている。環状シール材23は、挿入部8の奥
側部分に配置すればよく、図示のものは、挿入部8と飲料ボトル2の肩部2Bを受ける受
け部9との接合部分において主として受け部9に配置されている。環状シール材23は、
扉7側と冷却室3側に二分されており、扉7と冷却室3の分離ラインPLにおいて、扉7
と冷却室3の接合によって環状となってシールが達成される。そして、飲料ボトル2を冷
却室3に傾倒状態に収納したとき、飲料ボトル2の口2Aに近い側で肩部2Bによって、
環状シール材23が飲料ボトル2の荷重によって押し圧状態となり、挿入部8における冷
気漏れが良好に防止される。
【0030】
図示の構成では、例えば、3.78L(リットル)の飲料を充填した飲料ボトル2の1
個が、その全体が冷却室3内に入り込むように、冷却室3の大きさが形成されており、環
状シール材23は、扉7側と飲料供給機本体1A側に分離ラインPLで二分された構成で
ある。このため、飲料供給機本体1A側では、飲料ボトル2の口2Aに近い肩部2Bによ
って、飲料供給機本体1A側の環状シール材23部が飲料ボトル2の荷重によって押し圧
状態となり、扉7を閉じることによって、扉7側では扉7側の環状シール材23部が飲料
ボトル2の口2Aに近い肩部2Bに当接することとなる。このように、扉7を閉じた状態
では、この両方の環状シール材23が接合して、環状シール材23を形成し、飲料ボトル
2の口2A部分の基部または肩部2Bが当接して、挿入部8における冷却室3と外気とが
シールされる。
【0031】
このように、冷却室3に傾倒収納された飲料ボトル2の口2Aに近い肩部2Bに当接す
る環状シール材23が、飲料供給機本体1Aと扉7に二分される状態に配置されているた
め、扉7を閉じた状態で、弾力性押し圧部50による飲料ボトル2の押し圧によって、こ
の環状シール材23と飲料ボトル2との密着が増し、挿入部8からの冷気漏れを防止でき
る効果が向上するものとなる。
【0032】
本発明では、飲料ボトル2が冷却室3内に斜めに収納された状態で、飲料注出を行なう
べく手動開閉式バルブ体4のボタン部4Bを押したときや、上記のように、手動開閉式バ
ルブ体4が使用者が持ったコップ18で押してバルブを開くときや、使用者が指でレバー
を左右方向へ回動させてバルブを開くとき等において、その操作によって、飲料ボトル2
が冷却室3内で上方へ移動して、飲料供給操作が不安定になることがあるため、これを防
止する技術を提供する。
【0033】
この技術は、扉7に、扉7が閉じた状態で冷却室3に傾倒収納された飲料ボトル2の底
面部2Tを飲料ボトル2の口2A側へ押す弾力性押し圧部50を設け、この弾力性押し圧
部50は、扉7が開いたときは飲料ボトル2の底面部2Tから離れて非押し圧状態に復帰
するものである。
【0034】
弾力性押し圧部50の1つの構成を図1乃至図3に基づき説明する。弾力性押し圧部5
0は、扉7の開閉に伴って屈伸作動するよう飲料供給機本体1Aと扉7との亘るアームと
、このアームに取り付けた弾性部材で構成した押し圧部材50Sを備え、この押し圧部材
50Sは、扉7が閉じたときは飲料ボトル2の底を押して圧縮状態となり、扉7が開いた
ときは前記底から離れて非圧縮状態に復帰するものである。この具体的な構成として、弾
力性押し圧部50は、扉7の軸支持部22近傍位置に配置され、その構成は、扉7の裏側
の内殻41Aに設けた軸支持部51に一端が回動可能に軸支持された第1アーム52と、
冷却室3内上部において内殻40Aに設けた軸支持部53に一端が回動可能に軸支持され
た第2アーム54を備え、第1アーム52の他端と第2アーム54の他端が回動可能に軸
55にて連結され、第2アーム54の前面側には押し圧部材50Sが取り付けられている

【0035】
押し圧部材50Sは、ゴム製の弾性部材で構成している。冷却室3内で冷却されること
を考慮して、押し圧部材50Sをシリコンゴム等の耐冷却性の弾性部材で構成してもよい
が、冷却室3内に収納した飲料ボトル2内の飲料は、凍結しない10℃以下の所定温度に
冷却されるように冷却装置12を制御するため、押し圧部材50Sは、耐冷却性でないゴ
ム製の弾性部材ても所期の目的を達成できる。
【0036】
このような構成によって、扉7が閉じた状態で、冷却室3に傾倒収納された飲料ボトル
2の底面部2Tを押し圧部材50Sが飲料ボトル2をその口2A側へ押す。飲料ボトル2
がPET製等のプラスチックス製であるときは、ボトル容器の底面部2Tに円弧状に窪み
2Kが形成されており、押し圧部材50Sも窪み2Kに嵌り合う形状に形成している。図
2に示すように、扉7が閉じた状態で、この窪み2Kに押し圧部材50Sが嵌り込み、飲
料ボトル2を押す押し圧力が略均等化され、飲料ボトル2をその口2A側、即ち挿入部8
側へ押す押し圧が安定する。
【0037】
このように飲料ボトル2が挿入部8側へ押されることによって、飲料ボトル2の肩部2
Bが環状シール材23に強く当接することとなるため、挿入部8における冷気漏れ防止の
シールが良好となる。そして、扉7を開いたときは、図1および図3に示すように、押し
圧部材50Sが飲料ボトル2の底面部2Tから離れて非押し圧状態に復帰するため、冷却
室3の前側開口部分1Kが全体的に開放され、飲料ボトル2の前側半分が冷却室3から突
出状態に露出するため、飲料ボトル2の交換等がし易くなる。
【0038】
なお、扉7が閉じた状態を安定して保持するための保持装置として、扉7の周縁部7A
の前部と冷却室3の開口端縁3Aの前部のいずれか一方に磁石Mg、他方にこれに吸着す
る磁性材MFを設けることによって、扉7が閉じた状態を磁石Mgと磁性材MFの吸着に
よって保持できる。また、扉7が閉じた状態を保持するための保持装置の他の形態を図4
に示す。図4において、扉7の周縁部7Aの前部と冷却室3の開口端縁3Aの前部のいず
れか一方にキャッチャKT、他方にこれに嵌り合う係止部KSを設ける。キャッチャKT
は、左右一対のアームKT1の一端部が回動可能に軸KT2で結合され、一対のアームK
T1の他端部にそれぞれローラKT3が回転可能に軸支持され、常時一対のローラKT3
が当接するように一対のアームKT1がバネKT4によって付勢されている。図4の(イ
)は扉7が開いた状態であり、図4の(ロ)は扉7が閉じた状態である。扉7が閉じた状
態で鏃状の係止部KSがバネKT4の付勢に抗して一対のローラKT3間に侵入し、一対
のローラKT3にて保持されるものである。
【実施例2】
【0039】
図5、図6に、扉7が閉じた状態を安定して保持するための保持装置の一つを示してお
り、扉7を閉じる方向へ付勢するバネ56を備えた構成である。実施例1と同様の部分に
は同一符号を付している。図示のものは、コイル状バネ56の一端が第1アーム52に係
止し、コイル状バネ56の他端が第2アーム54の軸支持部53に係止し、図5は扉7が
閉じた状態であり、図6は扉7が開いた状態である。なお、コイル状バネ56の一端が第
1アーム52の軸支持部51に係止し、コイル状バネ56の他端が第2アーム54に係止
した構成でもよく、また、コイル状バネ56の一端が第1アーム52に係止し、コイル状
バネ56の他端が第2アーム54に係止した構成でもよく、更に、コイル状バネ56の一
端が軸支持部51に係止し、コイル状バネ56の他端が軸支持部53に係止した構成でも
よい。また、バネ56をコイル状の形態のバネとして軸支持部22に取り付けて、扉7を
閉じる方向へ付勢する構成とするか、またはコイル状の形態のバネ56の両端が、それぞ
れ第1アーム52と第2アーム54に作用するように軸55に取り付けて、扉7を閉じる
方向へ付勢する構成でもよい。
【実施例3】
【0040】
図7、図8には、扉7が閉じた状態を安定して保持すると共に、扉7が大きく開いたと
きはその開いた状態を安定して保持するための保持装置の一つを示している。実施例1と
同様の部分には同一符号を付している。図7は扉7が閉じた保持状態であり、図8は扉7
が開いた保持状態である。図7の扉7が閉じた状態から扉7を開いて行く途中で、軸支持
部22を中心として見たときの扉7の荷重方向が、扉7を閉じる方向から扉7を開く方向
へ反転するように構成している。このため、図7の扉7が閉じた状態から扉7を開いて行
く途中に、軸55に対する第1アーム52と第2アーム54との向きが図7の状態から図
8の状態へ転換する時点を越えたとき、バネ56の引っ張り付勢の作用方向が、扉7を開
く方向へ転換し、扉7がストッパ57に当接して開いた状態を保持することとなる。
【0041】
これによって、扉7が閉じた状態をバネ56の引っ張り付勢にて安定して保持すると共
に、扉7が大きく開いたときはその開いた状態をバネ56の引っ張り付勢にて安定して保
持することができるものとなる。また、扉7を閉じるときは、第1アーム52と第2アー
ム54との向き、及びバネ56の引っ張り付勢の作用方向が、図8の状態から図7の状態
へ転換する。このような転換動作が円滑に行なわれるようにするために、第1アーム52
には軸55が移動する長孔55Aを形成しているが、この長孔55Aは第2アーム54に
形成した構成でも同様である。
【実施例4】
【0042】
図9乃至図13には、本発明に係る飲料供給機1の他の実施形態を示しており、図9は
本発明に係る飲料供給機の扉を閉じた状態の正面斜視図、図10は飲料供給機1の扉7を
開いた状態の正面斜視図、図11は飲料供給機1の扉7を閉じた状態の縦断側面図、図1
2は飲料供給機1の扉7を開いた状態の縦断側面図、図13は飲料供給機1の扉7を閉じ
た状態に保持する保持装置(ラッチ機構)68の構成を示す縦断側面図である。
【0043】
図9乃至図13において、実施例1と同様の機能部分には同一符号を付している。実施
例1とは飲料供給機1の外観形態が異なり、また、冷却室3は、飲料ボトル2の略全体が
収納される深さに形成され、収納した状態で僅かに飲料ボトル2の底部の上端部が冷却室
3から上方へ突出状態に露出し、図10に示すように、扉7が閉じた状態でこの飲料ボト
ル2の底部の突出部を覆って冷却室3が覆われるものである。また、冷却室3が実施例1
のものに比して深いので、挿入部8が下方位置となり、これに合わせるように扉7の前面
7Fがこの挿入部8に向けて長く延びており、扉7が閉じた状態で扉7の前面7Fが傾倒
状態に収納された飲料ボトル2の口2A部分(首部分と称してもよい)の上部側周囲に適
合して、この部分からの冷気漏れを防止している。なお、この挿入部8からの冷却室3内
の冷気漏れを防ぐために、実施例1のように挿入部8に弾力性の環状シール材23を取り
付けてもよい。
【0044】
また、実施例1と異なるところは、水受け皿6の水を放熱器14で加熱するのではなく
、放熱器14は飲料供給機本体1A内に縦長に配置され、この熱と圧縮機13の熱をファ
ン14Fによって飲料供給機本体1Aの背面に形成した放熱孔1Sから排出するようにし
ている。また、実施例1では、冷却室3の冷気漏れ防止のためのパッキン7Pが扉7に取
り付けられているが、実施例4では、冷却室3の冷気漏れ防止のためのパッキン3Pが、
冷却室3の開口端縁3A上に取り付けられている。
【0045】
また、扉7の開閉装置が実施例1とは異なる。この扉7の開閉装置の一つを図示してお
り、扉7を開く方向へ付勢するバネ58と、扉7を閉じた状態を保持する保持装置(ラッ
チ機構ともいう)66を備えた構成である。その具体的構成を示す図9乃至図13に基づ
き説明する。コイル状バネ58が軸支持部22の軸に取り付けられ、このコイル状バネ5
8の一端58Aは扉7の裏側に当接し他端58Bは飲料供給機本体1Aに設けた保持部5
9に係止しており、このコイル状バネ58の作用によって、扉7は常に図12のように開
く状態に付勢されている。扉7を全開状態に保持する構成は、コイル状バネ58によって
扉7が開くとき、図12に示すように、第2アーム54が冷却室3の後上部の後壁3Rに
当接したとき、それ以上の扉7の開きが制限されるようになっており、これによって、扉
7を全開状態に保持することが達成される。
【0046】
図13にはラッチ機構66を示している。ラッチ機構66は、挿入部8の両側または片
側位置において、扉7の前面7Fとこれに対応する冷却室3の前面開口端縁3A1の部分
に設けている。ラッチ機構66は、飲料供給機本体1Aに設けた軸支持部61に回動可能
に支持した係止板(ラッチ板ともいう)60と、この係止板60の上端の係止部60Aを
矢印R方向へ付勢するコイル状バネ62と、扉7から係止板60の係止部60Aに係止す
るように飲料供給機本体1Aへ延びた扉7側係止片65で構成している。コイル状バネ6
2は軸支持部61に取り付けられ、このコイル状バネ62の一端62Aは係止板60の裏
側に当接し他端62Bは飲料供給機本体1Aに設けた保持部63に係止しており、係止板
60は、このコイル状バネ62の作用によって、常に矢印R方向(係止方向)へ付勢され
て、飲料供給機本体1Aに設けたストッパ64に当接している。
【0047】
扉7が開いた状態からコイル状バネ58の付勢に抗して扉7を閉じることによって、扉
7側係止片65がコイル状バネ62の付勢に抗して係止板60の係止部60Aを矢印Q方
向へ押し退けつつ進出し、係止部60Aを通り過ぎたとき、コイル状バネ62の付勢にて
矢印R方向(係止方向)へ復帰する係止部60Aが扉7側係止片65に係止する。この状
態が図13である。この状態において、パッキン3Pは若干圧縮された状態で、扉7の周
縁部7Aに密着して、冷却室3の冷気漏れを抑制する。
【0048】
扉7を開くときは、図13の状態で、係止板60の下端部の押し圧部60Bをコイル状
バネ62の付勢に抗して矢印Y方向へ押すことによって、係止板60の係止部60Aと扉
7側係止片65との係止が解除され、扉7はコイル状バネ58の付勢にて開く。
【0049】
なお、ラッチ機構66は、扉7と飲料供給機本体1Aとの対向部分に配置すればよく、
冷却室3の上面開口3Aの周縁部とこれに対向する扉7とに設けてもよい。
【0050】
上記各実施例では、押し圧部材50Sを弾性部材で構成しているが、弾性部材でなく比
較的硬いプラスチックスで形成した押し圧部材50Sとし、弾力性押し圧部50全体がバ
ネにて弾力性を保持する構成でもよい。
【産業上の利用可能性】
【0051】
飲料供給機1は上記実施例に示した構成に限定されず、種々の形態のものに適用できる
ものであり、本発明の技術範囲において種々の形態を包含するものである。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明に係る飲料供給機の扉を開いた状態の分解斜視図である。(実施例1)
【図2】本発明に係る飲料供給機の扉を閉じた状態の縦断側面図である。(実施例1)
【図3】本発明に係る飲料供給機の扉を開いた状態の縦断側面図である。(実施例1)
【図4】(イ)(ロ)は本発明に係る飲料供給機の扉を閉じた状態に保持するための保持装置の一例を示す説明図である。(実施例1)
【図5】本発明に係る飲料供給機の扉を閉じた状態の他の形態を示す部分縦断側面図である。(実施例2)
【図6】本発明に係る飲料供給機の扉を開いた状態の他の形態を示す部分縦断側面図である。(実施例2)
【図7】本発明に係る飲料供給機の扉を閉じた状態の他の形態を示す部分縦断側面図である。(実施例3)
【図8】本発明に係る飲料供給機の扉を開いた状態の他の形態を示す部分縦断側面図である。(実施例3)
【図9】本発明に係る飲料供給機の扉を閉じた状態の正面斜視図である。(実施例4)
【図10】本発明に係る飲料供給機の扉を開いた状態の正面斜視図である。(実施例4)
【図11】本発明に係る飲料供給機の扉を閉じた状態の縦断側面図である。(実施例4)
【図12】本発明に係る飲料供給機の扉を開いた状態の縦断側面図である。(実施例4)
【図13】本発明に係る飲料供給機の扉を閉じた状態に保持する保持装置(ラッチ機構)の構成を示す縦断側面図である。(実施例4)
【符号の説明】
【0053】
1・・・・飲料供給機
1A・・・飲料供給機本体
2・・・・飲料ボトル
2B・・・飲料ボトルの肩部
2K・・・飲料ボトルの底部の窪み
2T・・・飲料ボトルの底部
3・・・・冷却室
4・・・・手動開閉式バルブ体
5・・・・飲料取り出し口
6・・・・水受け皿
7・・・・扉
8・・・・挿入部
9・・・・受け部
10・・・排水口
11・・・排水管
12・・・冷却装置
13・・・圧縮機
14・・・放熱器
15・・・減圧部
16・・・冷却器
17・・・コップ載置部材
18・・・コップ
19・・・水蒸気排出管
22・・・軸支持部
23・・・環状シール材
25・・・カバー
30・・・飲料供給部
50・・・弾力性押し圧部
50S・・押し圧部材
51・・・軸支持部
52・・・第1アーム
53・・・軸支持部
54・・・第2アーム
55・・・軸
56・・・バネ
57・・・ストッパ
58・・・コイル状バネ
62・・・コイル状バネ
66・・・ラッチ機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
PET製等のボトル容器に飲料を収容した飲料ボトルが口を下側にし底を上後方に位置
させた傾倒状態で収納されるよう飲料供給機本体に形成された冷却室と、前記飲料ボトル
の収納取り出し用として前記冷却室の前面側開口を開閉するように上部が前記飲料供給機
本体に回動可能に支持された扉を備え、前記飲料ボトルが前記冷却室に収納された状態で
、前記飲料ボトルの口に取り付けた手動開閉式バルブ体の開成操作によって前記冷却室外
に露出した飲料取り出し口から飲料供給が行われる飲料供給機であって、前記扉には、前
記扉が閉じた状態で前記冷却室に傾倒収納された前記飲料ボトルの底を前記口側へ押す弾
力性押し圧部を設け、前記弾力性押し圧部は、前記扉が開いたときは前記底から離れて非
押し圧状態に復帰することを特徴とする飲料供給機。
【請求項2】
PET製等のボトル容器に飲料を収容した飲料ボトルが口を下側にし底を上後方に位置
させた傾倒状態で収納されるよう飲料供給機本体に形成された冷却室と、前記飲料ボトル
の収納取り出し用として前記冷却室の前面側開口を開閉するように上部が前記飲料供給機
本体に回動可能に支持された扉を備え、前記飲料ボトルが前記冷却室に収納された状態で
、前記飲料ボトルの口に取り付けた手動開閉式バルブ体の開成操作によって前記冷却室外
に露出した飲料取り出し口から飲料供給が行われる飲料供給機であって、前記冷却室は、
傾倒状態に収納された飲料ボトルの胴部の後側部分を包むように冷却面が冷却室に露出し
た冷却器と、前記傾倒状態に収納された飲料ボトルの口部分が挿入される挿入部を下部に
備えると共に、前記挿入部の奥側部分には前記飲料ボトルの口に近い肩部に当接する環状
シール材が前記飲料供給機本体と前記扉に二分される状態に配置され、前記扉には、前記
扉が閉じた状態で前記冷却室に傾倒収納された前記飲料ボトルの底を前記挿入部側へ押す
弾力性押し圧部を設け、前記弾力性押し圧部は、前記扉が開いたときは前記底から離れて
非押し圧状態に復帰することを特徴とする飲料供給機。
【請求項3】
前記冷却室は、傾倒状態に収納された前記飲料ボトルの略半分の後側部分を包むように
前記飲料ボトルの外形に近似した飲料供給機本体側部分と、傾倒収納された前記飲料ボト
ルの略半分の前側部分を前記扉が包む縦長形態をなす扉側部分とで、前記飲料ボトル1個
を収納する容積の縦長形態をなし、前記冷却器は前記飲料ボトルの後側部分を包むよう前
記飲料ボトルの外形に近似した冷却面が前記冷却室に露出し後側が断熱材で覆われたこと
を特徴とする請求項1または2に記載の飲料供給機。
【請求項4】
前記弾力性押し圧部は、前記扉の開閉に伴って屈伸作動するよう前記飲料供給機本体と
前記扉とに亘るアームと、このアームに取り付けた弾性部材を備え、前記弾性部材は、前
記扉が閉じたときは前記弾性部材が前記飲料ボトルの底を押して圧縮状態となり、前記扉
が開いたときは前記底から離れて非圧縮状態に復帰することを特徴とする請求項1乃至3
のいずれかに記載の飲料供給機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−202903(P2009−202903A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−47222(P2008−47222)
【出願日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(302071092)テガ三洋工業株式会社 (244)
【Fターム(参考)】