説明

養生シート

【課題】床開口部を効果的にかつ迅速に養生することができる養生シートを提供する。
【解決手段】床10に形成される多角形状の床開口部11の内周面12を養生するための養生シート1であって、床開口部11と略同形状のシート開口21が中央部に形成されるシート本体2と、シート開口21の周囲に配設される複数のシート片3と、を備えており、各シート片3は、その一側辺がシート開口21の各辺に沿って取り付けられており、シート開口21を床開口部11上に配置した際に、床開口部11内に垂れ下がり床開口部11の内周面12を覆うことを特徴とする養生シート1。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、養生シートに関し、特に建物物の床に形成される床開口部の内周面を養生するための養生シートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、住宅等の建築物の床下部分に発生したシロアリ等の害虫駆除を行う場合や、建築物の床下部分に湿気対策等の修理・修繕工事を行う場合、或いは、床下部分でのガスや水道等の配管工事・電気配線工事等を行う場合、建築物の床下部分に作業者が潜り込んで所定の作業が行われる。床下部分への進入方法としては、例えば、建築物床部に設置される床下収納庫を取り外し、これにより形成される床開口部から床下部分に進入する方法がある。
【0003】
ここで、床下収納庫とは、収納スペースを確保するために床下に設置されるものであり、通常、床下部分に配置される箱体と、床面と面一となるように構成される蓋とを備える構造を有している。箱体は、床に形成された床開口部の内周面(開口縁)に取り付けられるレール状の枠材や支持アーム、ビーム材等の支持部材によって支持されるように構成されている。
【0004】
このような方法で床下部分に潜り込んで所定の作業を行う場合、作業開始段階で床下部分に作業用の装置・工具等を搬入する際、或いは、作業終了段階で床上部分(居住空間エリア)に装置・工具等を搬出する際に、装置・工具等が床開口部に当たってしまい、床開口部や開口縁に取り付けられる支持部材に損傷が発生するおそれがある。床開口部や支持部材に損傷が発生してしまうと、床下収納庫を床開口部に再度設置することが困難となり、床開口部や支持部材の修理が必要となってしまう。
【0005】
このような事態が発生することを予め防止するため、床下収納庫を取り外した段階で、養生テープやウエス等で床開口部を養生し、装置・工具等が床開口部や支持部材等に当たっても、床開口部等に損傷が発生しないようにすることが行われている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、養生テープやウエス等で床開口部等を養生することは手間がかかり、作業効率が悪いという問題があった。また、養生テープを用いて床開口部等を養生した場合、作業終了段階で養生テープを取り外さなければならないが、養生テープの粘着面の作用により、床面や支持部材の塗装がはがれてしまうといった問題もあった。
【0007】
そこで、本発明は、床開口部を効果的にかつ迅速に養生することができる養生シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の上記目的は、床に形成される多角形状の床開口部の内周面を養生するための養生シートであって、前記床開口部と略同形状のシート開口が中央部に形成されるシート本体と、前記シート開口の周囲に配設される複数のシート片と、を備えており、前記各シート片は、その一側辺が前記シート開口の各辺に沿って取り付けられており、前記シート開口を前記床開口部上に配置した際に、前記床開口部内に垂れ下がり前記床開口部の内周面を覆うことを特徴とする養生シートにより達成される。
【0009】
このような養生シートによれば、建物の床に形成される床開口部から床下に進入して、シロアリ駆除や建築物の基礎部分の修繕工事等の作業を行う際に、床開口部の内周面を効果的に養生することが可能となる。具体的に説明すると、シロアリ駆除や床下基礎部分の修繕工事等を行う場合、さまざまな装置や道具を床開口部から床下に運び込む必要があるが、その際、運び込まれる装置や道具が、床開口部の内周面に当たったとしても、養生シートにより床開口部が保護されているため、傷や破損等の損傷が発生することを効果的に防止することが可能となる。また、床下での各種作業においては、砂埃が発生し、この砂埃の一部が床開口部周辺にも浮遊することになるが、床開口部は養生シートにより保護されているため、発生した砂埃が床開口部に形成される溝等に堆積することを効果的に防止することができる。
【0010】
また、シロアリ駆除や床下部分の建築物修繕工事等を開始する際、床開口部にシート開口を重ねるようにして養生シートを床面に載置するという簡単な作業で養生シートを設置することができ、また、各種作業が終了した際には、養生シートを折り畳んだり、ロール状に丸めたりすることにより簡単に撤去することが可能となる。床下での各種作業を効率よく、かつ、迅速に行うことが可能となる。
【0011】
また、この養生シートにおいて、前記シート片の前記一側辺の少なくとも一方の端部に接続する他の側辺に設けられ、前記シート片の外方に突出する突出片を更に備えており、前記突出片は、前記シート開口を前記床開口部上に配置した際に、前記床開口部のコーナー部を覆うことが好ましい。また、前記突出片は、前記シート片の前記一側辺の両端に接続する各側辺にそれぞれ設けられていることが好ましい。
【0012】
このような突出片を備えることにより、養生シートを床開口部にセットした場合に、突出片が床開口部のコーナー部を確実に覆うため、例えば、床下に運び込まれる装置や道具が当該コーナー部に当たったとしても、コーナー部に損傷が発生することを効果的に防止することができる。また、床開口部に形成される溝のコーナー部に舞い上がった砂埃が堆積することを効果的に防止することも可能となる。
【0013】
また、前記各シート片と、前記各シート片に隣接する他のシート片に設けられる前記突出片とを係着する係着部材を更に備えることが好ましい。
【0014】
このような係着部材を備えることにより、床開口部にセットされた養生シートにおいて、床開口部のコーナー部を保護するために配置される突出片が位置づれすることを効果的に防止し、床開口部のコーナー部をより一層保護することが可能となる。
【0015】
また、前記シート本体及び前記各シート片は、可撓性部材により形成されていることが好ましい。このような構成によれば、養生シートを折り畳んだり、ロール状に丸めたりすることにより簡単にコンパクト化することが可能になり、持ち運び性に優れる養生シートを得ることができる。
【0016】
また、前記シート開口は、平面視矩形状に形成されており、前記シート開口の一対の対向辺に配設される各シート片は、前記シート本体の一方面側に取り付けられており、前記シート開口の他の一対の対向辺に配設される各シート片は、前記シート本体の他方面側に取り付けられていることが好ましい。
【0017】
また、前記シート開口を塞ぐ閉塞体を更に備えることが好ましい。このような閉塞体を備えることにより、例えば、シロアリ駆除作業において発生するミスト状の薬剤がシート開口を介して床下空間から床上の居住空間に飛散することを効果的に防止することが可能となる。また、床下での建築物修繕工事等において発生する砂埃が床上の居住空間に舞い上がることを効果的に防止することが可能となる。
【0018】
また、前記閉塞体は、少なくとも中央部が凸状となるドーム状部材であることが好ましい。このようなドーム状の閉塞体を備えることにより、この閉塞体が、床開口部の位置を示す目印としての役割を発揮するため、床開口部に人が誤って落下することを効果的に防止することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、床開口部を効果的にかつ迅速に養生することができる養生シートを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態に係る養生シートの平面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】図1に示す養生シートの要部拡大図である。
【図4】図1に示す養生シートの使用時における概略構成断面図である。
【図5】図1に示す養生シートの使用時における要部拡大斜視図である。
【図6】図1に示す養生シートの変形例を示す概略構成断面図である。
【図7】図1に示す養生シートの他の変形例の使用時における要部拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態にかかる養生シートについて添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る養生シート1の平面図であり、図2は、図1のA−A断面図である。また、図3は、図1の要部拡大図であり、図4は、養生シート使用時における概略構成断面図である。更に、図5は、養生シート使用時における要部拡大斜視図である。なお、各図は、構成の理解を容易とするために、実寸比ではなく部分的に拡大縮小して示している。
【0022】
本発明の一実施形態に係る養生シート1は、例えば建築物の床10に形成される床開口部11を養生するためのシートであり、図1〜図5に示すように、シート本体2と、複数のシート片3とを備えている。
【0023】
シート本体2は、平面視矩形状の形状を有しており、床に形成される床開口部11と略同形状のシート開口21が略中央部に形成されている。一般的に、床開口部11は平面視矩形状に形成されている場合が多いため、上記シート開口21も平面視矩形状となるように形成されているが、例えば、床開口部11が六角形或いは八角形等の多角形状に形成されている場合には、その床開口部11の開口形状と略一致するようにシート開口21を形成すればよい。なお、床開口部11を効果的に養生するという観点から、シート開口21の開口面積は、床開口部11の開口面積と同一、或いは、僅かに小さくなるように構成することが好ましい。
【0024】
このシート本体2は、可撓性部材により形成されており、例えば、合成樹脂シート、合成樹脂積層シート、ポリアミド繊維・ポリエステル繊維等の合成繊維や木綿・麻等の天然繊維から製織された布地にポリウレタン等の合成樹脂をコーティングし又は含浸させたシート材、あるいは前記布地と合成樹脂シートとを積層した積層シート材等から形成されている。特に、ポリアミド系、ポリエステル系などのマルチフィラメントのメッシュ状織布を基材として、その表裏面にカレンダー法やラミネート法により柔軟なポリ塩化ビニルやエチレン−酢酸ビニル共重合体などの合成樹脂やゴム等を被覆して形成されたいわゆるターポリンにより構成することが好ましい。また、ターポリンよりもやや強度は落ちるが、低廉で安全性が高く、生産性も良好で、取扱性に優れるものとして、合成樹脂フィルムを細かく裁断して延伸処理を施したフラットヤーンよりなる織布に、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンなどのエチレン系合成樹脂で被覆層を形成したポリエチレンラミネートシートがあり、このようなポリエチレンラミネートシートにより構成することが好ましい。
【0025】
複数のシート片3は、それぞれシート開口21の周囲にそれぞれ配設されている。各シート片3は、平面視矩形状に形成されている。このシート片3は、その一側辺(取付辺)3aがシート開口21の各辺に沿ってシート開口縁に縫い付けられる等して取り付けられている。シート本体2に取り付けられた各シート片3は、取付箇所(取付辺3a)を軸として回動可能となり、図4に示すように、シート開口21を床開口部11上に配置するようにして養生シート1を設置した際に、各シート片3が床開口部11内に垂れ下がり床開口部11の内周面12を覆うように構成されている。なお、シート片3は、上述のシート本体2と同一の素材から形成されており、シート開口縁に取り付けられる一側辺3aの長さは、当該シート片3が取り付けられるシート開口21の一辺の長さと略同一寸法に構成されている。
【0026】
また、本実施形態に係る養生シート1においては、シート本体2におけるシート開口21の一対の対向辺21a,21cに配設される各シート片3が、シート本体2の一方面側に取り付けられるように構成し、シート開口21の他の一対の対向辺21b,21dに配設される各シート片3が、シート本体2の他方面側に取り付けられるように構成している。
【0027】
また、本実施形態に係る養生シート1は、シート片3から外方に向けて突出する突出片4を備えている。この突出片4は、シート開口縁に取り付けられるシート片3の一側辺(取付辺)3aの両端部に接続する他の両側辺3b,3dにそれぞれ設けられており、各側辺3b,3dに対して略垂直な方向に突出するように構成されている。また、突出片4は、シート片3の取付辺3aの両端部近傍位置に設けられており、図5に示すように、シート開口21を床開口部11上に配置するようにして養生シート1を設置した際に、上述の各シート片3が床開口部11内に垂れ下がり床開口部11の内周面12を覆うと共に、各突出片4が床開口部11のコーナー部13を覆うように構成されている。なお、突出片4も、上述のシート本体2やシート片3と同一の素材から形成されている。
【0028】
次いで、上記のような構成を有する養生シート1の使用方法について説明する。まず、床下部分における害虫駆除や修理・修繕、或いは、ガスや水道等の配管工事等を開始する際に、建築物の床10に設置されている床下収納庫を床から取り外したり、床下進入用扉等を取り外したりして、床開口部11を形成する。その後、養生シート1を床上にひろげて、シート本体2に形成されるシート開口21が床開口部11上に配置されるようにして養生シート1を設置すると共に、シート開口21の開口縁に取り付けられる各シート片3が床開口部11内に垂れ下がるようにセットする。これにより養生シート1の設置が完了し、シート本体2及び床開口部11内に垂れ下がったシート片3により、床開口部11周辺が保護・養生されることになる。なお、シート片3に設けられる突出片4は、床開口部11のコーナー部13を覆うようにして配置されるため、当該コーナー部13を効果的に保護することになる。
【0029】
本実施形態に係る養生シート1は、シート開口21を床開口部11上に配置した際に、床開口部11内に垂れ下がり床開口部11の内周面12を覆うシート片3を備えているため、床開口部11の内周面12を効果的に養生することが可能となる。シロアリ駆除や床下基礎部分の修繕工事等を行う場合、さまざまな装置や道具を床開口部11から床下に運び込む必要があるが、その際、運び込まれる装置や道具が、床開口部11の内周面12に当たったとしても、養生シート1により床開口部11が保護されているため、傷や破損等の損傷が発生することを効果的に防止することが可能となる。また、床下での各種作業においては、砂埃が発生し、この砂埃の一部が床開口部11周辺にも浮遊することになるが、床開口部11は養生シート1により保護されているため、発生した砂埃が床開口部11に取り付けられるレール状の枠材や支持アーム、ビーム材等の支持部材に堆積することを効果的に防止することができる。
【0030】
また、シロアリ駆除や床下部分の建築物修繕工事等を開始する際、床開口部11にシート開口21を重ねるようにして養生シート1を床面に載置するという簡単な作業で養生シート1を設置することができ、床下での各種作業を効率よく、かつ、迅速に行うことが可能となる。
【0031】
また、この養生シート1は、上述のような突出片4を備えているため、養生シート1を床開口部11にセットした場合に、突出片4が床開口部11のコーナー部13を確実に覆うため、例えば、床下に運び込まれる装置や道具が当該コーナー部13に当たったとしても、コーナー部13に損傷が発生することを効果的に防止することができる。また、コーナー部13に砂埃が堆積することを効果的に防止することも可能となる。
【0032】
特に、突出片4をシート片3の一側辺3aの両端に接続する各辺3b,3dにそれぞれ設ける構成を採用した場合、床開口部11のコーナー部13分をより一層確実に養生することが可能となる。
【0033】
また、シート本体2及び各シート片3は、可撓性部材により形成されているため、養生シート1を折り畳んだり、ロール状に丸めたりすることにより簡単にコンパクト化することが可能になり、持ち運び性に優れる養生シート1を得ることができる。
【0034】
また、上記実施形態においては、シート開口21は、平面視矩形状に形成されており、シート開口21の一対の対向辺21a,21cに配設される各シート片3は、シート本体2の一方面側2aに取り付けられており、シート開口21の他の一対の対向辺21b,21dに配設される各シート片3は、シート本体2の他方面側2bに取り付けられている。このような構成を採用することにより、養生シート1を折り畳んだり、ロール状化してコンパクトな形態とする際に、異なるシート片3に設けられ互いに隣接する突出片4同士が直接重なり合うことを防止することができ、突出片4が折れ曲がったり歪んだりした状態で折り畳まれること、或いはロール状化されることを防止することができる。
【0035】
以上、本発明に係る養生シート1の実施形態について説明したが、具体的構成は、上記実施形態に限定されない。例えば、上記実施形態において、シート開口21を塞ぐ閉塞体を更に備えるように構成してもよい。このような閉塞体を備えることにより、例えば、シロアリ駆除作業において発生するミスト状の薬剤がシート開口21を介して床上の居住空間に飛散することを効果的に防止することが可能となる。また、床下での建築物修繕工事等において発生する砂埃が床上の居住空間に舞い上がることを効果的に防止することが可能となる。
【0036】
閉塞体は、養生シート1に形成されるシート開口21を塞ぐ機能を有するものであれば、特にその形状や材質等は限定されず、例えば、シート本体2と同一の素材により形成される可撓性のあるシート状部材や、金属材料や合成樹脂材料等により形成される剛性のあるプレート状部材であってもよい。
【0037】
また、図6の概略構成断面図に示すように、閉塞体が、少なくとも中央部が凸状となるドーム状部材6であってもよい。このドーム状部材6は、例えば、複数の孔が形成される頂部部材61と、この頂部部材61の各孔に上端を連結されて下方に放射状に伸びる複数の縦骨62と、縦骨62の外周に張られた幕体63とを備える構成を有している。放射状に伸びる複数の縦骨62は、幕体63支持のための構造体としての機能を有するもので、軽量化のためにグラスファイバーの中空パイプなどにより構成されているのが望ましい。また、幕体63は、上述したシート本体2等と同一の素材により構成されることが望ましい。このように、閉塞体をドーム状部材6により構成する場合、このドーム状の閉塞体が、床開口部11の位置を示す目印としての役割を発揮するため、床開口部11に人が誤って落下することを効果的に防止することができる。なお、ドーム状の閉塞体の幕体63における外表面に、例えば、「注意!! 床開口部11あり!」といった文言を印刷したり、当該文言を印刷した標識を設置可能に構成することが好ましい。
【0038】
また、上記実施形態において、図7に示すように、各シート片3と、各シート片3に隣接する他のシート片3に設けられる突出片4とを係着する係着部材7を更に備えるように構成してもよい。このような係着部材7を備えることにより、床開口部11に養生シート1をセットする際に、係着部材7によって一のシート片3と、他のシート片3に設けられる突出片4とを固定して、突出片4が、床開口部11のコーナー部13から位置づれすることを効果的に防止することができる。これにより、床開口部11のコーナー部13をより一層保護することが可能となる。なお、係着部材7としては、シート片3および突出片4のそれぞれに設置される面ファスナーやボタン等を例示することができる。
【0039】
また、上記実施形態においては、図1の平面図及び図2の断面図に示すように、シート本体2におけるシート開口21の一対の対向辺21a,21cに配設される各シート片3が、シート本体2の一方面側2aに取り付けられるように構成し、シート開口21の他の一対の対向辺21b,21dに配設される各シート片3が、シート本体2の他方面側2bに取り付けられるように構成しているが、このような構成に特に限定されず、例えば、全てのシート片3をシート本体2の一方面側2aに取り付けるように構成してもよい。
【0040】
また、上記実施形態においては、シート開口縁に取り付けられるシート片3の一側辺(取付辺)3aの両端部に接続する他の両側辺3b,3dのそれぞれに、突出片4を設ける構成を採用しているが、このような構成に特に限定されず、例えば、シート片3の一側辺(取付辺)3aの一方の端部に接続する他の側辺にのみ突出片4を設ける構成、つまり、図3に示される両側辺3b,3dのそれぞれに設けられる突出片4のうち一方を省略する構成を採用することもできる。
【符号の説明】
【0041】
1 養生シート
2 シート本体
21 シート開口
21a、21b、21c、21d シート開口の各辺
3 シート片
3a、3b、3c、3d シート片の各辺
4 突出片
5 閉塞体
6 ドーム状部材
7 係着部材
10 床
11 床開口部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
床に形成される多角形状の床開口部の内周面を養生するための養生シートであって、
前記床開口部と略同形状のシート開口が中央部に形成されるシート本体と、
前記シート開口の周囲に配設される複数のシート片と、を備えており、
前記各シート片は、その一側辺が前記シート開口の各辺に沿って取り付けられており、前記シート開口を前記床開口部上に配置した際に、前記床開口部内に垂れ下がり前記床開口部の内周面を覆うことを特徴とする養生シート。
【請求項2】
前記シート片の前記一側辺の少なくとも一方の端部に接続する他の側辺に設けられ、前記シート片の外方に突出する突出片を更に備えており、
前記突出片は、前記シート開口を前記床開口部上に配置した際に、前記床開口部のコーナー部を覆うことを特徴とする請求項1に記載の養生シート。
【請求項3】
前記突出片は、前記シート片の前記一側辺の両端に接続する各側辺にそれぞれ設けられている請求項2に記載の養生シート。
【請求項4】
前記各シート片と、前記各シート片に隣接する他のシート片に設けられる前記突出片とを係着する係着部材を更に備えることを特徴とする請求項2又は3に記載の養生シート。
【請求項5】
前記シート本体及び前記各シート片は、可撓性部材により形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の養生シート。
【請求項6】
前記シート開口は、平面視矩形状に形成されており、
前記シート開口の一対の対向辺に配設される各シート片は、前記シート本体の一方面側に取り付けられており、
前記シート開口の他の一対の対向辺に配設される各シート片は、前記シート本体の他方面側に取り付けられていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の養生シート。
【請求項7】
前記シート開口を塞ぐ閉塞体を更に備えることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の養生シート。
【請求項8】
前記閉塞体は、少なくとも中央部が凸状となるドーム状部材である請求項1から7のいずれかに記載の養生シート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−215029(P2012−215029A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−81481(P2011−81481)
【出願日】平成23年4月1日(2011.4.1)
【出願人】(593082357)大阪西武消毒株式会社 (1)