説明

香炉器具

【課題】蓋部材がケーシング上部に装着された状態では電源がオフ状態になるよう構成し、発熱体の周辺部材が発熱体の発熱によって熱負荷を受けてしまうのを防止した香炉器具を提供する。
【解決手段】ユーザが電源をオフすることを忘れ、スイッチレバー13を下側へ移動させずにキャップ30を本体ケース10の頭部に装着した場合、キャップ30の先端30Bがスイッチレバー13の突起131の上面131Aに当接して突起131が押下する。この突起131が押下することにより、スイッチレバー13が装着方向である下側へ一緒に押し下がる。この結果、スイッチレバー13のフック132がレバー41を電源ボタン42に押し当てるのを止めるため、電源スイッチ40のオフ状態が得られる。よって、ユーザが電源をオフすることを忘れ、スイッチレバー13を下側へ移動させずにキャップ30を装着した場合でも、香炉器具1によれば電源が自動的にオフされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、香木や香料等の香剤を薄板に載置して、発熱体の発熱によって香剤を加熱する香炉器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ヒータ等の発熱体の発熱によって香剤がセットされた薄板を電源オン時に加熱し、該香剤から香気を発生させる香炉器具が知られている。香剤は例えば香木や香料等であり、薄板の材質は、例えば雲母である。
【0003】
ここで、従来の香炉器具では、ケーシングの上部に設けられた載置部に薄板を載置し、同じく上部に設けられた発熱体で薄板を加熱する構成となっている。また、同香炉器具では、電源スイッチのオンオフを受け付ける操作部材が上下動自在にケーシングの側面に取り付けられており、ユーザは、操作部材を上側へ上げて電源をオンし、操作部材を下側へ下げて電源をオフする構成となっている。さらに、同香炉器具は、ケーシングの上部に対して着脱自在であり装着時にケーシングの上部を覆う蓋部材を備えている。ユーザは、電源をオフしてから当該蓋部材をケーシングの上部に装着し、同香炉器具を携帯して持ち運んでいた。そして、ユーザは所望の場所に同香炉器具を設置していた。
【0004】
なお、特許文献1において、電源コードを介してAC商用電源に接続され、該AC商用電源を電源とした電気ヒータの発熱によって香剤を加熱する固定設置型の香炉器具が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−421公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の香炉器具において、ユーザが電源をオフすることを忘れ、操作部材をオフに切り替えずに蓋部材を装着してしまう場合があった。また、上記従来の香炉器具をユーザが携帯している時に、何らかの衝撃が操作部材に加わって操作部材がオンに切り替わってしまい、電源がオンしてしまう場合もあった。
これらの場合、蓋部材がケーシングの上部に装着された密閉状態で発熱体が発熱し続けるため、発熱体の周辺部材が発熱体の発熱によって熱負荷を受けてしまうという問題があった。特に、蓋部材がその熱負荷に耐えられず、軟化したり、最悪の場合、蓋部材が溶融したりするという問題があった。従って、従来の香炉器具では器具本体の信頼性が低かった。
【0007】
この発明の目的は、蓋部材がケーシング上部に装着された状態では電源がオフ状態になるよう構成し、発熱体の周辺部材が発熱体の発熱によって熱負荷を受けてしまうのを防止した香炉器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の香炉器具は、前記課題を解決するために以下の構成を備えている。
【0009】
(1)電源ボタンとレバーとを有する電源スイッチと、
前記電源スイッチのオン時に発熱して香剤がセットされた薄板を加熱する発熱体が上部に取り付けられるケーシングと、
前記ケーシングの上部に対して着脱自在であり、装着時に該上部を覆う蓋部材と、
前記ケーシングの側面に上下動自在に設けられ、前記電源スイッチのオンオフを受け付ける操作部材と、
前記操作部材が上側へ位置しているときに、前記操作部材をその位置で保持する保持機構と、を備え、
前記操作部材は、
前記操作部材が上側へ位置しているときに前記ケーシングの上部に露出し、前記蓋部材が装着されるときに前記蓋部材と当接して押下し、前記保持機構に保持されている前記操作部材を装着方向である下側へ押し下げる第1の突出部と、
前記操作部材が上側へ位置しているときに前記電源スイッチの前記レバーを前記電源ボタンに押し当てて前記電源スイッチをオンし、前記操作部材が下側へ押し下げられたときに前記レバーを前記電源ボタンから解離させて前記電源スイッチをオフする第2の突出部と、を有することを特徴とする。
【0010】
この構成では、電源をオンするとき、ユーザは蓋部材を外して操作部材を上側へ持ち上げる。すると、操作部材の第2の突出部がレバーを電源ボタンに押し当てる。これにより、電源スイッチのオン状態が得られる。
【0011】
この構成において、ユーザが電源をオフすることを忘れ、操作部材を下側へ移動させずに蓋部材を装着した場合、蓋部材が操作部材の第1の突出部に当接して第1の突出部が押下する。この第1の突出部が押下することにより、操作部材が装着方向である下側へ一緒に押し下がる。この結果、操作部材の第2の突出部がレバーを電源ボタンに押し当てるのを止めるため、レバーが電源ボタンから解離する。これにより、電源スイッチのオフ状態が得られる。よって、ユーザが電源をオフすることを忘れ、操作部材を下側へ移動させずに蓋部材を装着した場合でも、この構成によれば電源が自動的にオフされる。
【0012】
また、香炉器具をユーザが携帯している時に、何らかの衝撃が操作部材に加わった場合でも、蓋部材の重さによって蓋部材がケーシングの上部に装着されているため、香炉器具の携帯中に操作部材が簡単に上側へ移動してしまうこともなくなる。即ち、香炉器具の携帯中に電源がオンしてしまうのを防止できる。
【0013】
よって、ユーザが電源をオフすることを忘れ、操作部材を下側へ移動させずに蓋部材を装着した場合でも、または、香炉器具をユーザが携帯している時に、何らかの衝撃が操作部材に加わった場合でも、蓋部材がケーシングの上部に装着された密閉状態で発熱体が発熱しないため、発熱体の周辺部材が熱負荷を受けてしまうのを防止できる。よって、蓋部材がその熱負荷に耐えられず、軟化したり、蓋部材が溶融したりする事態を防止できる。従って、器具本体の信頼性の向上が図れる。
【0014】
(2)前記蓋部材の内面には第1の突起が形成され、
前記ケーシングの上部には、前記蓋部材が装着されたときに前記第1の突起と係合する第2の突起が形成されたことを特徴とする。
【0015】
この構成では、香炉器具をユーザが携帯している時に、何らかの衝撃が操作部材に加わった場合でも、蓋部材の第1の突起とケーシングの第2の突起との係合い及び蓋部材の重さによって蓋部材がケーシングの上部に装着されているため、香炉器具の携帯中に操作部材が簡単に上側へ移動してしまうこともなくなる。即ち、香炉器具の携帯中に電源がオンしてしまうのを防止できる。
よって、ユーザが電源をオフすることを忘れ、操作部材を下側へ移動させずに蓋部材を装着した場合でも、または、香炉器具をユーザが携帯している時に、何らかの衝撃が操作部材に加わった場合でも、蓋部材がケーシングの上部に装着された密閉状態で発熱体が発熱しないため、発熱体の周辺部材が熱負荷を受けてしまうのを防止できる。よって、蓋部材がその熱負荷に耐えられず、軟化したり、蓋部材が溶融したりする事態を防止できる。従って、器具本体の信頼性の向上が図れる。
【0016】
(3)前記ケーシングは、前記操作部材が下側へ位置しているときに、前記第1の突出部を収納する開口部が形成された形状であることを特徴とする。
【0017】
この構成では、蓋部材の装着時に第1の突出部が開口部に収納されるため、香剤を焚いて嗜む環境において香炉器具の意匠性を低下させることが無い。
【0018】
(4)前記第1の突出部および前記第2の突出部は、前記操作部材とともに一体形成されることを特徴とする。
【0019】
この構成では、第1の突出部および第2の突出部が操作部材とともに一体形成されるため、第1の突出部および第2の突出部を形成するために専用の部品が必要となったり製造工程数が増えたりすることも無い。従って、第1の突出部および第2の突出部を有する操作部材を安価なコストで形成できる。
【発明の効果】
【0020】
この発明によれば、蓋部材がケーシングの上部に装着された密閉状態で発熱体が発熱しないため、発熱体の周辺部材が熱負荷を受けてしまうのを防止できる。よって、蓋部材がその熱負荷に耐えられず、軟化したり、蓋部材が溶融したりする事態を防止できる。従って、器具本体の信頼性の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態に係る香炉器具のキャップ非装着時の外観斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る香炉器具のキャップ非装着時の側面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る香炉器具のキャップ非装着時の要部断面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る香炉器具のキャップの外観斜視図である。
【図5】本発明の実施形態に係る香炉器具のスイッチレバーの側面図と正面図である。
【図6】本発明の実施形態に係る香炉器具のキャップ装着時の側面図である。
【図7】本発明の実施形態に係る香炉器具のキャップ装着時の要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態に係る香炉器具について説明する。
【0023】
図1は、本発明の実施形態に係る香炉器具のキャップ非装着時の外観斜視図である。図2は、同香炉器具のキャップ非装着時の側面図である。また、図3は、図1に示すT−T線における同香炉器具の要部断面図であり、主要部以外の断面の図示を省略している。香炉器具1は、本体ケース10と、電熱ヒータ11と、スイッチレバー13と、ヒータガイド20と、キャップ30と、電源スイッチ40とを備えている。
【0024】
香炉器具1は、電熱ヒータ11の発熱によって香剤がセットされた雲母板50を加熱し、該香剤から香気を発生させる。雲母板50は小型軽量で透明な雲母製の薄い円板であり、香剤は例えば香木や香料等である。ここで、香炉器具1は、香剤を焚いて嗜む環境において、侘び、寂、静寂、宗教的な情感等を生み出す雰囲気に馴染む。また、香炉器具1は、乾電池を電源とした携帯型の香炉器具であるため、立ち居振る舞いの際、固定設置型の香炉器具のように電源コードが邪魔になることも無く、商用電源が近くにない場所等においても使用できる。
【0025】
なお、キャップ30が、本発明の「蓋部材」に相当する。また、電熱ヒータ11が、本発明の「発熱体」に相当する。また、本体ケース10が、本発明の「ケーシング」に相当する。また、スイッチレバー13が、本発明の「操作部材」に相当する。また、雲母板50が、本発明の「薄板」に相当する。
【0026】
本体ケース10は、四角筒状の胴部と円筒状の頭部で形成されており、その断面形状は凸形状となっている。また、本体ケース10の底部には複数本の乾電池をセットする電池収納部(不図示)が設けられている。また、本体ケース10の内部には、レバー41と電源ボタン42とからなる電源スイッチ40が設けられている。そして、本体ケース10の側面には、その電源スイッチ40のオンオフを受け付けるスイッチレバー13が上下動自在に取り付けられている。ユーザは、スイッチレバー13を矢印16の方向である上側へ上げて電源をオンし、スイッチレバー13を反対方向の下側へ下げて電源をオフする。複数本の乾電池から出力される電源電圧は、電源オン時に、この電源スイッチ40を介して電熱ヒータ11に供給される。
なお、この実施形態では、本体ケース10が四角筒状の胴部と円筒状の頭部とで形成されているが、実施の際は、その他の形状(例えば円筒状の胴部と円筒状の頭部の組み合わせ)でも構わない。
【0027】
また、ヒータガイド20は、本体ケース10の上面に嵌合されている。ヒータガイド20には、香剤をセットする雲母板50が矢印51の方向から投入されるすり鉢状の投入口21が形成されている。ヒータガイド20は、投入口21から投入された雲母板50を載置するための載置台22を有している。
【0028】
電熱ヒータ11は、ヒータガイド20の上面を正面視してヒータガイド20の中央となる本体ケース10の上部に取り付けられる。電熱ヒータ11は、電池を電源として発熱し、載置台22に載置された雲母板50を熱する。これにより、雲母板50上にセットされた香剤に熱が伝わり、香剤から香気が発生する。
【0029】
図4は、同香炉器具のキャップの外観斜視図である。キャップ30は、円柱形の開口部を有する四角柱形状で形成されている。また、キャップ30は、本体ケース10の頭部に対して着脱自在であり装着時に雲母板50を覆う。また、キャップ30の内面には2つの突起30Aが形成されている。ここで、本体ケース10の頭部にも、キャップ30を本体ケース10の頭部に装着させたときに2つの突起30Aと係合する輪形状の突起10Aが形成されている。2つの突起30Aが輪形状の突起10Aに引っかかることにより、キャップ30が本体ケース10の上部から容易に外れないようにしている。ユーザは、電源をオフしてからこのキャップ30を本体ケース10の頭部に装着し、香炉器具1を携帯して持ち運ぶ。そして、ユーザは所望の場所に香炉器具1を設置する。その後、ユーザは、キャップ30を本体ケース10から取り外して香炉器具1を使用する。
【0030】
なお、この実施形態では、キャップ30が、円柱形の開口部を有する四角柱形状で形成されているが、実施の際は、その他の形状(例えば断面が円形のコップ形状)でも構わない。また、突起30Aに関しても3つ以上形成して構わない。
【0031】
図5Aは、本発明の実施形態に係る香炉器具のスイッチレバーの側面図であり、図5Bは、同スイッチレバーの正面図である。図6は、本発明の実施形態に係る香炉器具のキャップ装着時の側面図であり、図7は、同香炉器具のキャップ装着時の要部断面図である。スイッチレバー13は、突起131と、フック132と、スライド部133とが形成された形状となっている。突起131は、スイッチレバー13が上側へ位置しているときに本体ケース10の上部に露出し、キャップ30が装着されるときにキャップ30の先端30Bと当接して押下する突起である。この突起131が押下することにより、スイッチレバー13が連動して装着方向である下側へ押し下がる。また、フック132は、スイッチレバー13が上側へ位置しているときに電源スイッチ40のレバー41を電源ボタン42に押し当て、スイッチレバー13が下側へ押し下げられたときにレバー41を電源ボタン42から解離させるフックである。スライド部133は、本体ケース10内に設けられたスライド軸10Cに対して上下動自在にスライドし、スライド部133が可動範囲の最も上側へ位置したときにストッパー10Dを挟持してスイッチレバー13を保持する部材である(図3、図7参照)。ここで、スライド部133は、可動範囲の最も上側へ位置したスイッチレバー13が下降しないよう一定値以上の保持力によりスイッチレバー13をその位置で保持する。この一定値の保持力とは、スイッチレバー13及びレバー41の重力と、レバー41を電源ボタン42に押し当てる時に発生する抗力と、を合計した力である。
なお、スライド部133及びストッパー10Dが、本発明の「保持機構」に相当する。
【0032】
また、本体ケース10は、スイッチレバー13が下側へ位置しているときに、スイッチレバー13の突起131を収納する開口部10Bが形成された形状となっている(図7参照)。
【0033】
突起131、フック132、スライド部133及びスイッチレバー13の材質は樹脂であり、突起131、フック132、スライド部133及びスイッチレバー13はモールド金型を用いて射出成形することにより一体形成される。
なお、この実施形態では、突起131とフック132の材質が樹脂で射出成形により一体形成しているが、実施の際は、他の材質と他の形成方法を採用しても構わない。
【0034】
以上の構成において、電源をオンするとき、ユーザはキャップ30を外してスイッチレバー13を上側へ持ち上げる(図1〜図3参照)。すると、図3に示すように、スイッチレバー13のフック132がレバー41を電源ボタン42に押し当てる。これにより、電源ボタン42が押下し、電源スイッチ40のオン状態が得られる。
【0035】
しかし、ユーザが電源をオフすることを忘れ、スイッチレバー13を下側へ移動させずにキャップ30を本体ケース10の頭部に装着してしまう場合が考えられる。また、香炉器具1をユーザが携帯している時に、何らかの衝撃がスイッチレバー13に加わってスイッチレバー13が上側へ移動してしまい、電源がオンしてしまう場合も考えられる。そこで、この実施形態における香炉器具1では、これらのような場合でも以下のようにして電源をオフする。
【0036】
ユーザが電源をオフすることを忘れ、スイッチレバー13を下側へ移動させずにキャップ30を本体ケース10の頭部に装着した場合、キャップ30の先端30Bがスイッチレバー13の突起131の上面131Aに当接して突起131が押下する。この突起131が押下することにより、スイッチレバー13が装着方向である下側へ一緒に押し下がる。この結果、スイッチレバー13のフック132がレバー41を電源ボタン42に押し当てるのを止めるため、レバー41が電源ボタン42から解離する。これにより、電源スイッチ40のオフ状態が得られる。よって、ユーザが電源をオフすることを忘れ、スイッチレバー13を下側へ移動させずにキャップ30を本体ケース10の頭部に装着した場合でも、香炉器具1によれば電源が自動的にオフされる。
【0037】
また、香炉器具1をユーザが携帯している時に、何らかの衝撃がスイッチレバー13に加わった場合でも、キャップ30の2つの突起30Aと本体ケース10の突起10Aとの係合い及びキャップ30の重さによって、キャップ30が本体ケース10の上部から容易に外れないようになっている。そのため、香炉器具1の携帯中にスイッチレバー13が簡単に上側へ移動してしまうこともなくなる。即ち、香炉器具1の携帯中に電源がオンしてしまうのを防止できる。
【0038】
よって、ユーザが電源をオフすることを忘れ、スイッチレバー13を下側へ移動させずにキャップ30を本体ケース10の頭部に装着した場合でも、または、香炉器具1をユーザが携帯している時に、何らかの衝撃がスイッチレバー13に加わった場合でも、キャップ30が本体ケース10の頭部に装着された密閉状態で電熱ヒータ11が発熱しないため、電熱ヒータ11の周辺部材が熱負荷を受けてしまうのを防止できる。特に、樹脂製のキャップ30がその熱負荷に耐えられず、軟化したり、キャップ30が溶融したりする事態を防止できる。従って、器具本体の信頼性の向上が図れる。
【0039】
また、この実施形態ではキャップ30の装着時に突起131が開口部10Bに収納されるため、香剤を焚いて嗜む環境において香炉器具1の意匠性を低下させることが無い。
【0040】
また、突起131、フック132及びスライド部133はスイッチレバー13とともに射出成形することにより容易に一体形成できるため、突起131、フック132及びスライド部133を形成するために専用の部品が必要となったり製造工程数が増えたりすることも無い。従って、突起131、フック132及びスライド部133を有するスイッチレバー13を安価なコストで形成できる。
【0041】
なお、上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0042】
1…香炉器具
10…本体ケース
11…電熱ヒータ
13…スイッチレバー
16…矢印
20…ヒータガイド
21…投入口
22…載置台
30…キャップ
40…電源スイッチ
41…レバー
42…電源ボタン
50…雲母板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源ボタンとレバーとを有する電源スイッチと、
前記電源スイッチのオン時に発熱して香剤がセットされた薄板を加熱する発熱体が上部に取り付けられるケーシングと、
前記ケーシングの上部に対して着脱自在であり、装着時に該上部を覆う蓋部材と、
前記ケーシングの側面に上下動自在に設けられ、前記電源スイッチのオンオフを受け付ける操作部材と、
前記操作部材が上側へ位置しているときに、前記操作部材をその位置で保持する保持機構と、を備え、
前記操作部材は、
前記操作部材が上側へ位置しているときに前記ケーシングの上部に露出し、前記蓋部材が装着されるときに前記蓋部材と当接して押下し、前記保持機構に保持されている前記操作部材を装着方向である下側へ押し下げる第1の突出部と、
前記操作部材が上側へ位置しているときに前記電源スイッチの前記レバーを前記電源ボタンに押し当てて前記電源スイッチをオンし、前記操作部材が下側へ押し下げられたときに前記レバーを前記電源ボタンから解離させて前記電源スイッチをオフする第2の突出部と、を有することを特徴とする香炉器具。
【請求項2】
前記蓋部材の内面には第1の突起が形成され、
前記ケーシングの上部には、前記蓋部材が装着されたときに前記第1の突起と係合する第2の突起が形成されたことを特徴とする請求項1に記載の香炉器具。
【請求項3】
前記ケーシングは、前記操作部材が下側へ位置しているときに、前記第1の突出部を収納する開口部が形成された形状であることを特徴とする請求項1又は2に記載の香炉器具。
【請求項4】
前記第1の突出部および前記第2の突出部は、前記操作部材とともに一体形成されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の香炉器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−115476(P2011−115476A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−277128(P2009−277128)
【出願日】平成21年12月7日(2009.12.7)
【出願人】(000001074)クロイ電機株式会社 (49)