説明

駐車支援装置

【課題】タッチパネル・ディスプレイが装備されていない車両であっても、複数の駐車パターンの中から状況に応じた駐車パターンを選択できる駐車支援装置100を提供する。
【解決手段】
所定の駐車モードに応じて車両の駐車を支援する第1モードと、駐車支援以外の車両の機能を実行する第2モードとを切替えるモード切替スイッチ21,22と、左と右にそれぞれ配置された対をなす左右方向スイッチ11,12と、前後にそれぞれ配置された対をなす前後方向スイッチ13,14とを含む方向スイッチ11〜14を備え、第1モードに切り替えられた場合において、左右方向スイッチ11,12が操作されると、左右方向スイッチ11,12の左又は右の配置に対応づけられた左又は右の駐車パターンを選択し、前後方向スイッチ13,14が操作されると、前後方向スイッチ13,14の前又は後の配置に対応づけられた並列又は縦列の駐車パターンを選択する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、選択された駐車パターンに応じて駐車を支援する駐車支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の装置に関し、右側又は左側への並列駐車、右側又は左側への縦列駐車などの複数の駐車パターンのメニューをタッチパネル・ディスプレイに画像として表示し、駐車パターンを選択する装置が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−208483号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の装置では、タッチパネル・ディスプレイが装備されている車両でなければ適用することができないという問題がある。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、タッチパネル・ディスプレイが装備されていない車両であっても、右側又は左側への並列駐車、右側又は左側への縦列駐車などの複数の駐車パターンの中から状況に応じた駐車パターンを選択し、駐車を支援する駐車支援装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、駐車支援機能に係る第1モードと、第1モード以外の車載機能を実行する第2モードとを切替えるモード切替スイッチと、左と右にそれぞれ配置された対をなす左右方向スイッチと、前と後にそれぞれ配置された対をなす前後方向スイッチとを含む方向スイッチとを備え、第1モードにおいて左右方向スイッチが操作された場合には、左右方向スイッチの左右の配置に対応づけられた駐車方向を判断し、前後方向スイッチが操作された場合には前後の配置に対応づけられた並列又は縦列の駐車車両の配置態様を判断し、駐車方向及び駐車車両の配置態様に基づいて駐車パターンを選択することにより、上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、異なる位置に配置された方向スイッチの何れかを操作すると、異なる駐車パターンを選択することができるので、複数の駐車パターンを表示するためのタッチパネル・ディスプレイが装備されていない車両においても駐車パターンを選択し、駐車を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明に係る本実施形態の駐車支援装置の入力装置の配置例を示す図である。
【図2】第1実施形態の駐車支援装置の入力装置を示す図である。
【図3】第1実施形態の駐車支援装置の制御手順を示すフローチャートである。
【図4】第2実施形態の駐車支援装置の入力装置を示す図である。
【図5】第2実施形態の駐車支援装置の制御手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、本発明に係る駐車支援装置を、駐車支援機能を実行する第1モードとドアミラー駆動機能を実行する第2モードとの切替えが可能な駐車支援装置100に適用した場合を例にして説明する。駐車支援装置100は、選択された駐車スペースへの駐車を支援するプログラムが格納されたROM(Read Only Memory)と、このROMに格納されたプログラムを実行することで、駐車支援装置100として機能する動作回路としてのCPU(Central Processing Unit)と、アクセス可能な記憶装置として機能するRAM(Random Access Memory)と、を備えるコンピュータである。
【0010】
図1は、本実施形態に係る駐車支援装置100の入力装置10Aが設置される領域を示すための図である。本実施形態の入力装置10Aは、駐車支援装置に対する指令とドアミラー駆動装置に対する指令とを受け付ける。図1に示すように、入力装置10Aは、運転席のサイドドアの室内側の内壁の領域AR1に設置されている。領域AR1は着席したドライバの手が無理なく届く領域であるため、領域AR1に入力装置10Aを設けることにより、ドライバの入力操作を容易にすることができる。また、入力装置10Aの設置領域は限定されず、図1の破線で示すクラスタリッド上の領域AR2や、ハンドル近傍の領域AR3や、図示しないセンターコンソールなどに設けることもできる。
【0011】
図2は、本実施形態に係る駐車支援装置100の入力装置10Aを示す図である。図2に示すように本実施形態の駐車支援装置100の入力装置10Aは、駐車支援装置100に加えて、車両に搭載されたドアミラー駆動装置200及びその他の車載装置と情報の授受を行うことができるようにCAN(Controller Area Network)やその他の車載LANによって接続されている。図2では、駐車支援装置100と入力装置10Aとをそれぞれ独立に表わしているが、入力装置10Aは駐車支援装置100のモード切替えスイッチと方向スイッチとを構成する。
【0012】
本実施形態の駐車支援装置100は、駐車する自車両と駐車スペースとの位置関係に基づく駐車パターンに応じて、駐車操作を支援するための情報(車両の操作手順、操作量など)を求め、これを車両の駆動制御装置に出力し又はドライバに提示する装置である。
【0013】
また、本実施形態のドアミラー駆動装置200は、車両に設けられた運転席側のサイドドア及び助手席側のサイドドアにそれぞれ設けられたドアミラーを車両側に折りたたむ若しくは車両ボディから離隔する方向に展開させる、又はドアミラーのミラーの向きを路面側に向ける若しくは天空側(路面側とは反対側)に向けるドアミラー駆動機能を有する装置である。
【0014】
図示はしないが、本実施形態の駐車支援装置100の入力装置10Aは、車両に搭載されたドアウィンドウ開閉装置、パワーシート駆動装置、その他の車載装置と情報の授受を行うように接続することもできる。ちなみに、ドアウィンドウ開閉装置は、車両に設けられた運転席側のサイドドア、助手席側のサイドドア、後部座席の運転席側のサイドドア、又は後部座席の助手席側のサイドドアのウィンドウ部材を昇降させるドアウィンドウ開閉機能を有する装置であり、パワーシート駆動装置は、運転席のシートの前後方向の位置、シートの高さ方向の位置、シートの背もたれの角度、シートの座面の角度を変化させるシート駆動機能を有する装置である。
【0015】
図2に示すように、本実施形態の入力装置10Aの操作面Sには、モード切替スイッチ21,22と、方向スイッチ11〜16と、決定スイッチ31とが設けられている。これら各スイッチが配置された操作面Sは、原点Q1又は原点Q2を含むxy成分を有する面に沿って形成されている。
【0016】
なお、入力装置10Aの操作面Sが沿うxy成分を有する面は、モード切替スイッチ21,22と、方向スイッチ11〜16と、決定スイッチ31との位置関係を示すために定義された概念である。
【0017】
モード切替スイッチ21,22と、方向スイッチ11〜16と、決定スイッチ31が設けられた操作面Sの具体的な形状は、特に限定されず平面で形成されてもよいし曲面で形成されてもよい。図2に示す入力装置10Aの操作面Sは、部分的に高さの異なる凸領域と凹領域を含み、各領域は曲面又は平面で形成されている。
【0018】
以下、操作面Sに設けられた各スイッチについて説明する。
【0019】
まず、切替スイッチ21,22について説明する。本実施形態の駐車支援装置100の入力装置10Aのモード切替スイッチ21,22は、所定の駐車モードに応じて車両の駐車を支援する第1モードと、駐車支援以外の車両の機能を実行する第2モードとを切替えるためのスイッチである。
【0020】
図2に示すように、本実施形態の入力装置10Aは、駐車支援装置100による第1モードを動作させる第1切替スイッチ(IPAスイッチ,IPA: Intelligent Parking Assist)と、ドアミラー駆動装置200による第2モードを動作させるための第2切替スイッチ(Mirrorスイッチ)とを備える。第1切替スイッチ(IPAスイッチ)が押圧されると、第1モードに切り替わり、各スイッチに入力される信号は駐車支援装置100へ送出される。他方、第2切替スイッチ(Mirrorスイッチ)が押圧されると、第2モードに切り替わり、各スイッチに入力される信号はドアミラー駆動装置200へ送出される。
【0021】
次に、方向スイッチ11〜16について説明する。本実施形態の方向スイッチ11〜16は、左と右にそれぞれ配置された対をなす左右方向スイッチと、前と後にそれぞれ配置された対をなす前後方向スイッチとを含む。本実施形態においては、先述したモード切替えスイッチ21,22により第1モード(駐車支援の機能)に切り替えられた場合において、左右方向スイッチを操作すると、左右方向スイッチの左又は右の配置に対応づけられた左又は右の駐車パターンを選択することができ、前後方向スイッチを操作すると、前後方向スイッチの前又は後の配置に対応づけられた並列又は縦列の駐車パターンを選択することができる。
【0022】
具体的に、本実施形態の入力装置10Aは、図2に示す原点Qを含むxy成分を有する面に沿う操作面Sに配置された、左右方向スイッチ(11,12)と前後方向スイッチ(13,14)とを備えている。左右方向スイッチ(11,12)は、原点Q1を含むx1-y成分(x1軸とy軸)の+x1方向(右側方向)又は−x1方向(左側方向)を示す左右指令を受け付け、前後方向スイッチ(13,14)は、原点Q2を含むx2-y成分(x2軸とy軸)の+y方向(前側方向)又は−y方向(後側方向)を示す前後指令を受け付けることができる。
【0023】
図2に示す本実施形態の入力スイッチ10Aは、第1の原点Q1を通るx1-y座標を基準に設けられた左右方向スイッチ(11,12)と、第2の原点Q2を通るx2-y座標を基準に設けられた前後方向スイッチ(13,14)との二つの独立したスイッチ部材を備えている。左右方向スイッチ(11,12)は+x1方向又は−x1方向(右側又は左側)を選択する左右指令を受け付け、前後方向スイッチ(13,14)は+y方向又は−y方向(前側又は後側)を選択する前後指令を受け付ける。
【0024】
具体的に、図2に示すように、本実施形態の左右方向スイッチ(11,12)は、第1の原点Q1を基準とするx1-y座標の第1象限(I)又は第4象限(IV)に対応する右側領域に設けられた右側接点11pを備える左右方向スイッチ11(「R」ボタン)と、第1の原点Q1を基準とするx1-y座標の第2象限(II)又は第3象限(III)に対応する左側領域に設けられた左側接点12pを備える左右方向スイッチ12(「L」ボタン)とを備えている。
【0025】
「R」と表記されている左右方向スイッチ11を操作すると右側(図2において+x1方向)の駐車パターンを選択することができ、「L」と表記されている左右方向スイッチ12を操作すると左側(図2において−x1方向)の駐車パターンを選択することができる。ちなみに、図中に示す+y方向(前方)は車両の進行方向である。
【0026】
また、同図に示すように、本実施形態の前後方向スイッチ(13,14)は、第2の原点Q2を基準とするx2-y座標の第1象限(I´)又は第2象限(II´)に対応する前側領域に設けられた前側接点13pを備える前後方向スイッチ13(前向き矢印ボタン)と、第2の原点Q2を基準とするx2-y座標の第3象限(III´)又は第4象限(IV´)に対応する後側領域に設けられた後側接点14pを備える前後方向スイッチ14(後向き矢印ボタン)とを備えている。
【0027】
前側を指し示す矢印の付された前後方向スイッチ13(図2において+y方向)を操作すると前方向に対応づけられた並列又は縦列の駐車車両の配置態様が選択され、前後方向スイッチ14(図2において−y方向)を操作すると後方向に対応づけられた並列又は縦列の駐車車両の配置態様が選択される。
【0028】
本実施形態の駐車支援装置100は、左右方向スイッチ11,12が操作されると、この左右方向スイッチ11,12の左右の配置に対応づけられた駐車方向を判断し、前後方向スイッチ13,14が操作されると、この前後方向スイッチ13,14の前又は後の配置に対応づけられた並列又は縦列の駐車車両の配置態様を判断する。そして、駐車支援装置100は、判断された駐車方向と駐車車両の配置態様に基づいて駐車パターンを選択する。
【0029】
ちなみに、本実施形態における駐車パターンは、自車両の右側に位置し、他の駐車車両(駐車スペース)と並列する領域に駐車する右側並列駐車パターンと、自車両の左側に位置し、他の駐車車両(駐車スペース)と並列する領域に駐車する左側並列駐車パターンと、自車両の右側に位置し、他の駐車車両(駐車スペース)と縦列する領域に駐車する右側縦列駐車パターンと、自車両の左側に位置し、他の駐車車両(駐車スペース)と縦列する領域に駐車する左側縦列駐車パターンとを少なくとも含む。
【0030】
本実施形態において、第1モード(駐車支援機能)に切替えられた場合に、左右方向スイッチ11の右側接点11Pが操作され、かつ前後方向スイッチ13の前接点13Pが操作された場合には、右側並列の駐車パターンが選択され、左右方向スイッチ11の右側接点11Pが操作され、かつ前後方向スイッチ14の後接点14Pが操作された場合には、右側縦列の駐車パターンが選択される。同様に、左右方向スイッチ12の左側接点12Pが操作され、かつ前後方向スイッチ13の前接点13Pが操作された場合には、左側並列の駐車パターンが選択され、左右方向スイッチ12の左側接点12Pが操作され、かつ前後方向スイッチ14の後接点14Pが操作された場合には、左側縦列の駐車パターンが選択される。
【0031】
具体的に、第1モードの動作時において、右側接点11pを有する左右方向スイッチ11が操作された場合には、右側駐車パターンに応じた駐車パターンがドライバの希望する駐車パターンであると判断され、左側接点12pを有する左右方向スイッチ12が操作された場合には、左側駐車パターンに応じた駐車パターンがドライバの希望する駐車パターンであると判断される。
【0032】
このように、原点Q1を通るy軸に対して左右に配置された左右方向スイッチ11、12の操作位置と右側駐車又は左側駐車の駐車パターンとを対応づけることにより、ドライバは車両を駐車させる方向と駐車パターンとを感覚的に対応づけることができるので、駐車パターンの選択を正確に行うことができる。
【0033】
また、原点Q2を通るx軸に対して前後に配置された前後方向スイッチ13,14の操作位置と並列又は縦列の駐車パターンとを対応づけることにより、ドライバは車両を駐車させる並列又は縦列の駐車パターンとスイッチの位置とを感覚的に対応づけることができるので、駐車パターンの選択を正確に行うことができる。もちろん、並列駐車と縦列駐車は、前後方向スイッチ13,14のいずれに対応づけてもよい。
【0034】
前述したように、前側接点13pには並列駐車の駐車パターンを割り付けてもよいし、縦列駐車の駐車パターンを割り付けてもよいが、各接点13p、14pに並列駐車又は縦列駐車のいずれの駐車パターンが割り付けられているかをドライバに視認させるため、自車両と駐車スペースとの位置関係を示す図形を前後方向スイッチ13,14に表すことができる。例えば、図2に示すように、前後方向スイッチ13の押圧部分に、自車両(中央の矩形)と、自車両の両側に垂直方向に並列された駐車スペース(両側の矩形)を示すことにより、前後方向スイッチ13の前側接点13pに並列駐車パターンに対応づけられていることを視認可能に表示することができる。また、前後方向スイッチ14の押圧部分に、自車両(中央の矩形)と、自車両の両側に同じ向きに縦列された駐車スペース(両側の矩形)を示すことにより、前後方向スイッチ14の後側接点14pに縦列駐車パターンに対応づけられていることを視認可能に表示することができる。この並列駐車パターン又は縦列駐車パターンを示す表示は、第1モードの動作時に光るようにしてもよい。
【0035】
さらに、本実施形態では、方向スイッチ15,16を追加して設けることができる。方向スイッチ15,16は、右側接点15pと左側接点16pとを有する。
【0036】
右側を指し示す矢印の付された方向スイッチ15が押圧されると右側(図2において+x2方向)に対応づけられた広い駐車スペースに駐車する場合の駐車パターンが選択され、左側を指し示す矢印の付された方向スイッチ16が押圧されると左側(図2において−x2方向)に対応づけられた狭い駐車スペースに駐車する場合の駐車パターンが選択される。本実施形態では、右側接点15pを有する方向スイッチ15に広い駐車スペースに駐車する場合の駐車パターンに対応づけ、左側接点16pを有する方向スイッチ16に狭い駐車スペースに駐車する場合の駐車パターンに対応づけるので、相対する広狭に相対する方向が対応するので、ドライバは感覚的に広狭の駐車パターンを選択することができる。もちろん、広い駐車スペースに駐車する場合と狭い駐車スペースに駐車する場合とは、方向スイッチ15,16のいずれに対応づけてもよい。
【0037】
他方、ドアミラー駆動装置200を制御するために、第2モードに切り替えられた場合には、車両のドアミラーを駆動する機能が実行される。第2モードにおいて、左右いずれかの左右方向スイッチ11,12が操作されると、ドアミラー駆動装置200は、左右方向スイッチ11の左又は右の配置に対応づけられた左又は右の操作対象ドアミラーを判断し、前後いずれかの前後方向スイッチ13,14が操作されると、前後方向スイッチ13,14の前又は後の配置に対応づけられたドアミラーの前傾又は後傾の駆動方向が判断される。そして、ドアミラー駆動装置200は、判断された操作対象ドアミラーを判断された方向に駆動する。なお、ドアミラーの駆動制御に関しては、出願時に知られた技術を適宜に用いることができる。
【0038】
決定スイッチ31は、モード切替スイッチ21、22、及び方向スイッチ11〜16に入力された各指令に基づく駐車パターン選択信号又はドアミラー駆動制御信号の内容を確定させる場合に操作されるスイッチである。駐車支援装置100は、決定スイッチ31が操作された後、駐車パターンの選択処理を実行する。
【0039】
続いて、図3のフローチャートに基づいて、本実施形態の駐車支援装置100の制御手順を説明する。ここでは、駐車モードの選択処理を中心に説明する。
【0040】
まず、ステップ10において、IPAスイッチであるモード切替スイッチ21が押圧されると、第1モードに切り替えられ、駐車支援装置100の駐車支援処理が開始され、ステップ11へ進む。
【0041】
ステップ11において、左右方向スイッチ11(Rスイッチ)が押圧され、右方向の駐車方向が判断された場合にはステップ12へ進み、他方、左右方向スイッチ12(Lスイッチ)が押圧され、左側の駐車方向が判断された場合にはステップ22へ進む。
【0042】
ステップ12において、前後方向スイッチ13が押圧され、駐車車両の配置態様が並列であると判断された場合にはステップ13へ進み、他方、前後方向スイッチ14が押圧され、駐車車両の配置態様が縦列であると判断された場合にはステップ16へ進む。
【0043】
ステップ13において、方向スイッチ15が押圧され、駐車スペースが広いと判断された場合にはステップ14へ進む。そして、ステップ14において、駐車支援装置100は、自車両の大きさに対して十分な広さがある駐車スペースへの右側並列駐車パターンを選択する。
【0044】
他方、ステップ13において、方向スイッチ16が押圧され、駐車スペースが狭いと判断された場合にはステップ15へ進む。ステップ15において、駐車支援装置100は、自車両の大きさに対して狭い駐車スペースへの右側並列駐車パターンを選択する。
【0045】
また、ステップ16において、方向スイッチ15が押圧され、駐車スペースが広いと判断された場合にはステップ17へ進む。ステップ17において、駐車支援装置100は、自車両の大きさに対して十分な広さがある駐車スペースへの右側縦列駐車パターンを選択する。
【0046】
他方、ステップ16において、方向スイッチ16が押圧され、駐車スペースが狭いと判断された場合にはステップ18へ進む。ステップ18において、駐車支援装置100は、自車両の大きさに対して狭い駐車スペースへの右側縦列駐車パターンを選択する。
【0047】
ステップ11に戻り、左右方向スイッチ12(Lスイッチ)が押圧された場合には、ステップ22において、前後方向スイッチ13が押圧され、駐車車両の配置態様が並列であると判断された場合にはステップ23へ進み、他方、前後方向スイッチ14が押圧され、駐車車両の配置態様が縦列であると判断された場合にはステップ26へ進む。
【0048】
ステップ23において、方向スイッチ15が押圧され、駐車スペースが広いと判断された場合にはステップ24へ進む。ステップ24において、駐車支援装置100は、自車両の大きさに対して十分な広さがある駐車スペースへの左側並列駐車パターンを選択する。
【0049】
他方、ステップ23において、方向スイッチ16が押圧され、駐車スペースが狭いと判断された場合にはステップ25へ進む。ステップ25において、駐車支援装置100は、自車両の大きさに対して狭い駐車スペースへの左側並列駐車パターンを選択する。
【0050】
また、ステップ26において、方向スイッチ15が押圧され、駐車スペースが広いと判断された場合にはステップ27へ進む。ステップ27において、駐車支援装置100は、自車両の大きさに対して十分な広さがある駐車スペースへの左側縦列駐車パターンを選択する。
【0051】
他方、ステップ26において、方向スイッチ16が押圧され、駐車スペースが狭いと判断された場合にはステップ28へ進む。ステップ28において、駐車支援装置100は、自車両の大きさに対して狭い駐車スペースへの左側縦列駐車パターンを選択する。
【0052】
なお、ステップ13、16,23,26を経ずに、ステップ12からステップ14又は17へ、又はステップ22からステップ24又は27へ進むこともできる。この場合は、右又は左の並列駐車と、右又は左の縦列駐車の4つの駐車パターンを選択することができる。
【0053】
最後に、ステップ30において、入力装置10は、駐車パターン選択信号を駐車支援装置100へ送出し、駐車支援装置100は選択された駐車パターンに応じた駐車支援処理を実行する。
【0054】
ステップ10に戻り、IPAスイッチではなく、ミラースイッチであるモード切替スイッチ22が押圧されると、ステップ11に進む。ステップ11において、左右方向スイッチ11,12、前後方向スイッチ13,14、方向スイッチ15,16が受け付けたドアミラー駆動制御信号はドアミラー駆動装置200へ送出される。左右方向スイッチ11,12は制御対象となる左右のドアミラーを選択し、前後方向スイッチ13,14はドアミラーの鏡面の動作方向と動作量を選択し、方向スイッチ15,16はドアミラーを折り畳む動作又は展開する動作とこれらの動作量を選択する。ドアミラー駆動装置200は、各スイッチ11〜16に入力されたドアミラー駆動制御信号に基づいて、ドアミラー駆動機構の動作を制御する。ドアミラー駆動機構、ドアミラーの駆動手法には出願時に知られた技術を適用することができる。
【0055】
以上のように構成され、動作する本実施形態の駐車支援装置100によれば、駐車支援装置100に対する右側又は左側への並列駐車、右側又は左側への縦列駐車などの方向の情報を含む駐車パターンを選択する指令を受け付けるとともに、ドアミラー駆動装置200に対する指令を受け付ける方向スイッチ11〜16を備えた入力装置10Aを有するので、タッチパネル・ディスプレイが車両に装備されていなくても駐車パターンを選択することができる。
【0056】
また、本発明は、モード切替スイッチ21,22によって複数の車載装置に対する指令を受け付けることができるため、車両が備える他の車載装置用のスイッチを駐車支援装置用のスイッチとして共用することができるので、駐車支援装置専用のスイッチを新たに設ける必要がない。この結果、車両に駐車支援装置を搭載する場合のコストを低減させることができる。
【0057】
具体的に、本実施形態の駐車支援装置100では、車両が備える既存のドアミラー駆動装置200のスイッチその他の車載装置のスイッチを、駐車支援装置100用のスイッチとして共用するので、駐車支援装置100のために専用のスイッチを新たに設ける必要がない。この結果、レイアウトのデザイン変更の必要がなく、駐車支援装置100を車両に搭載する場合のコストを低減させることができる。また、方向スイッチ11,12を左右に配置することにより、第1モードのときには方向スイッチ11,12の配置に対応づけられた右側又は左側の駐車パターンを選択し、第2モードのときには方向スイッチ11,12の配置に対応づけられた右側又は左側のドアミラーを選択できるので、ドライバは車両を駐車させる右側又は左側の駐車パターンとスイッチの位置及び操作対象とする右側又は左側のドアミラーの位置とスイッチの位置を感覚的に対応づけることができるので、駐車パターンの選択を正確に行うことができる。この結果、人間の感覚や認知に適合する操作性の高い入力が可能な駐車支援装置100を提供することができる。
【0058】
さらに、原点Q2を通るx軸に対して前側に配置された前側接点13pが受け付けるオン信号を並列の駐車パターンに対応づけ、原点Q2を通るx軸に対して後側に配置された後側接点14pが受け付けるオン信号を縦列の駐車パターンに対応づけることにより、相対する概念として位置付けられる並列と縦列とを相対する方向にそれぞれ対応づけることができる。このため、ドライバは車両を駐車させる並列又は縦列の駐車パターンとスイッチの位置とを感覚的に対応づけることができるので、駐車パターンの選択を正確に行うことができる。並列と縦列とを逆に対応づけても同様である。この結果、人間の感覚や認知に適合する操作性の高い入力が可能な駐車支援装置100を提供することができる。
【0059】
<第2実施形態>
以下、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、本発明に係る駐車支援装置を、駐車支援機能を実行する第1モードとドアウィンドウ開閉機能を実行する第2モードとの切替えが可能な駐車支援装置100に適用した場合を例にして説明する。
【0060】
本実施形態の入力装置10Bは、駐車支援装置に対する指令とドアウィンドウ開閉装置に対する指令とを受け付ける。本実施形態の駐車支援装置100の入力装置10Bも第1実施形態と同様に、図1に示す運転席のサイドドアの室内側の内壁の領域AR1、領域AR1又は領域AR3に設けることができる。
【0061】
図4は、本実施形態に係る駐車支援装置100の入力装置10Bを示す図である。図4に示すように本実施形態の入力装置10Bは、駐車支援装置100に加えて、車両に搭載されたドアウィンドウ開閉装置300その他の車載装置と情報の授受を行うことができるようにCAN(Controller Area Network)その他の車載LANによって接続されている。
【0062】
本実施形態の駐車支援装置は、駐車する自車両と駐車スペースとの位置関係に基づく駐車パターンに応じて、駐車操作を支援するための情報(車両の操作手順、操作量など)を求め、これを車両の駆動制御装置に出力し又はドライバに提示する装置である。
【0063】
また、本実施形態のドアウィンドウ開閉装置は、車両に設けられた運転席側のサイドドア、助手席側のサイドドア、後部座席の運転席側のサイドドア、又は後部座席の助手席側のサイドドアのウィンドウ部材を昇降させるドアウィンドウ開閉機能を有する装置である。ちなみに、パワーシート駆動装置は、運転席のシートの前後方向の位置、シートの高さ方向の位置、シートの背もたれの角度、シートの座面の角度を変化させるシート駆動機能を有する装置である。
【0064】
図示はしないが、本実施形態の駐車支援装置100の入力装置10Bは、車両に搭載されたドアミラー駆動装置、パワーシート駆動装置その他の車載装置と情報の授受を行うように接続することもできる。
【0065】
図4に示すように、本実施形態の入力装置10Bの操作面Sには、モード切替スイッチ21,22と、方向スイッチ101〜104と、決定スイッチ31とが設けられている。これら各スイッチが配置された操作面Sは、原点Q3を含むxy成分を有する面に沿って形成されている。
【0066】
なお、入力装置10Bの操作面Sが沿うxy成分を有する面は、モード切替スイッチ21,22と、方向スイッチ101〜104と、決定スイッチ31との位置関係を示すために定義された概念である。
【0067】
モード切替スイッチ21,22と、方向スイッチ101〜104と、決定スイッチ31が設けられた操作面Sの具体的な形状は、特に限定されず平面で形成されてもよいし曲面で形成されてもよい。図4に示す入力装置10Bの操作面Sは、部分的に高さの異なる凸領域と凹領域を含み、各領域は曲面又は平面で形成されている。
【0068】
以下、操作面Sに設けられた各スイッチについて説明する。
【0069】
まず、モード切替スイッチ21,22について説明する。本実施形態の駐車支援装置100の入力装置10Bのモード切替スイッチ21,22は、所定の駐車モードに応じて車両の駐車を支援する第1モードと、駐車支援以外の車両の機能を実行する第2モードとを切替えるためのスイッチである。
【0070】
図4に示すように、本実施形態の駐車支援装置100の入力装置10Bは、駐車支援装置100の駐車支援処理を行う第1モードを動作させるための第1モード切替スイッチ(IPAスイッチ,IPA: Intelligent Parking Assist)と、ドアウィンドウ開閉装置300の開閉制御を行う第2モードを動作させるために第2モード切替スイッチ(PWスイッチ,PW:Power Window)とを備える。
【0071】
次に、方向スイッチ101〜104について説明する。本実施形態の駐車支援装置100の入力装置10Bは、図4に示す原点Q3を含むxy成分を有する面に沿う操作面Sに配置された、右前に配置された第1方向スイッチ(右前スイッチ)101と、左前に配置された第2方向スイッチ(左前スイッチ)102と、左後に配置された第3方向スイッチ(左後スイッチ)103と、右後に配置された第4方向スイッチ(右後スイッチ)104とを備えている。第1方向スイッチ(右前スイッチ)101と第2方向スイッチ(左前スイッチ)102、及び第3方向スイッチ(左後スイッチ)103と第4方向スイッチ(右後スイッチ)104とは左右が対になるように配置され、左右方向スイッチを構成する。他方、第1方向スイッチ(右前スイッチ)101と第4方向スイッチ(右後スイッチ)104、及び第2方向スイッチ(左前スイッチ)102と第3方向スイッチ(左後スイッチ)103とは前後が対になるように配置され、前後方向スイッチを構成する。
【0072】
各方向スイッチ101〜104は、原点Q3を含むxy成分(x軸とy軸)の+x1方向又は−x1方向を示す左右指令と、原点Q3を含むxy成分(x軸とy軸)の+y方向又は−y方向を示す前後指令とを受け付ける。
【0073】
具体的には、図4に示すように、本実施形態の入力装置10Bは、操作面Sに沿う原点Q3を基準とするxy座標の第1象限に対応する領域に設けられた第1接点101pを有する第1スイッチ(右前スイッチ)101と、操作面Sに沿う原点Q3を基準とするxy座標の第2象限に対応する領域に設けられた第2接点102pを有する第2スイッチ102(左前スイッチ)と、操作面Sに沿う原点Q3を基準とするxy座標の第3象限に対応する領域に設けられた第3接点103pを有する第3スイッチ(左後スイッチ)103と、操作面Sに沿う原点Q3を基準とするxy座標の第4象限に対応する領域に設けられた第4接点104pを有する第4スイッチ(右後スイッチ)104と、の4つの独立したスイッチを備えている。第1スイッチ104〜第3スイッチ104のうちのいずれか一つの接点のみが、オン信号を受け付ける。
【0074】
本実施形態の駐車支援装置100は、右前スイッチ101が操作された場合には、駐車方向が右側で駐車車両の配置態様が並列であると判断して、右側並列の駐車パターンを選択し、右後スイッチ104が操作された場合には、駐車方向が右側で駐車車両の配置態様が縦列であると判断して、右側縦列の駐車パターンを選択し、左前スイッチ102が操作された場合には、駐車方向が左側で駐車車両の配置態様が並列であると判断して、左側並列の駐車パターンを選択し、左後スイッチ103が操作された場合には、駐車方向が左側で駐車車両の配置態様が縦列であると判断して、左側縦列の駐車パターンを選択する。並列と縦列とは、前後を逆にして各スイッチ101〜104に対応づけてもよい。選択結果は、駐車支援装置300に送出される。
【0075】
ちなみに、本実施形態における駐車パターンは、自車両の右側に位置し、他の駐車車両(駐車スペース)と並列する領域に駐車する右側並列駐車パターンと、自車両の左側に位置し、他の駐車車両(駐車スペース)と並列する領域に駐車する左側並列駐車パターンと、自車両の右側に位置し、他の駐車車両(駐車スペース)と縦列する領域に駐車する右側縦列駐車パターンと、自車両の左側に位置し、他の駐車車両(駐車スペース)と縦列する領域に駐車する左側縦列駐車パターンとを少なくとも含む。
【0076】
このように、原点Q3を通るy軸に対して右側に配置された第1スイッチ101及び第4スイッチ104の操作を右側の駐車パターンに対応づけ、原点Q3を通るy軸に対して左側に配置された第2スイッチ102及び第3スイッチ103の操作を左側の駐車パターンに対応づけることにより、ドライバは車両を駐車させる方向と駐車パターンとを感覚的に対応づけることができるので、駐車パターンの選択を正確に行うことができる。
【0077】
また、原点Q3を通るx軸に対して前側に配置された第1スイッチ101及び第2スイッチ102の操作を並列の駐車パターンに対応づけ、原点Q3を通るx軸に対して後側に配置された第3スイッチ103及び第4スイッチ104の操作を縦列の駐車パターンに対応づけることにより、相対する並列と縦列とを相対する方向に対応づけることができる。これにより、ドライバは車両を駐車させる並列又は縦列の駐車パターンとスイッチの位置とを感覚的に対応づけることができるので、駐車パターンの選択を正確に行うことができる。
【0078】
上述したように、前側接点101p,102pを有する第1スイッチ101又は第2スイッチ102には並列駐車の駐車パターンを割り付けてもよいし、縦列駐車の駐車パターンを割り付けてもよい。どの方向スイッチに、どのような駐車パターンが割り付けられているかをドライバに視認させるため、自車両と駐車スペースとの位置関係を示す図形を各方向スイッチ101〜104に表すことができる。例えば、図4に示すように、第1方向スイッチ101の押圧部分に、自車両を示す左側(中央側)の矩形と、この自車両の右側に垂直方向に並列された駐車スペースを示す矩形を表示することにより、第1方向スイッチ101が右側並列駐車パターンに対応づけられていることを視認可能に表示することができる。また、第4方向スイッチ104の押圧部分に、自車両を示す左側(中央側)の矩形と、この自車両の右側に自車両と同じ方向の縦列方向に縦列された駐車スペースを示す矩形を表示することにより、第4方向スイッチ104が右側縦列駐車パターンに対応づけられていることを視認可能に表示することができる。さらに、第2方向スイッチ102の押圧部分に、自車両を示す右側(中央側)の矩形と、この自車両の左側に垂直方向に並列された駐車スペースを示す矩形を表示することにより、第2方向スイッチ102が左側並列駐車パターンに対応づけられていることを視認可能に表示することができる。第3方向スイッチ103も同様である。この各駐車パターンを示す表示は、第1モードの動作時に光るようにしてもよい。
【0079】
さらに、本実施形態の各方向スイッチ101〜104は、押圧操作に応じたオン信号を受け付ける第1〜第4接点101p〜104pのほかに、引き上げ操作に応じたプル信号を受け付ける第1〜第4接点101p´〜104p´を備える。
【0080】
各方向スイッチ101〜104が引き上げられた場合には、ドライバは狭い駐車スペースに駐車する場合(切り返し操作をしないと駐車できない場合)の駐車パターンを選択すると判断する。
【0081】
このように、各方向スイッチ101〜104が引き上げられた場合には狭い駐車スペースに駐車する場合の駐車パターンに対応づけ、各方向スイッチ101〜104が押圧された場合には広い駐車スペースに駐車する場合の駐車パターンに対応づけることにより、相対する広狭を相対する方向の操作に対応づけることができる。ドライバは、車両を駐車させる駐車スペースが狭い場合又は駐車スペースが広い場合の駐車パターンとスイッチの操作方向(押す又は引く)を感覚的に対応づけることができるので、駐車パターンの選択を正確に行うことができる。
【0082】
他方、ドアウィンドウ開閉装置300を制御するために、第2モードに切り替えられた場合には、左右対に配置された左右方向スイッチに対応する、第1スイッチ101と第2スイッチ102又は第3スイッチ103と第4スイッチ104の左右何れか一方が操作されると、これらに対応づけられた左又は右のドアウィンドウが操作対象として判断される。また、前後対に配置された前後方向スイッチに対応する、第1スイッチ101と第4スイッチ104又は第2スイッチ102と第3スイッチ103の何れか一方が操作されると、これらに対応づけられたドアウィンドウの開動作又は閉動作が動作内容として判断される。ドアウィンドウ開閉装置300は、方向スイッチ101〜104の操作内容に応じて、操作対象として判断されたドアウィンドウの開閉を実行する。なお、ドアミラーの駆動制御に関しては、出願時に知られた技術を適宜に用いることができる。
【0083】
決定スイッチ31は、モード切替スイッチ21、22、及び方向スイッチ101〜104に入力された各指令に基づく駐車パターン選択信号又はドアウィンドウ開閉制御信号の内容を確定させる場合に押圧する。駐車支援装置100は、決定スイッチ31が操作された後、駐車パターンの選択処理を実行する。
【0084】
続いて、図5のフローチャートに基づいて、本実施形態の駐車支援装置100の入力装置10Bの制御手順を説明する。
【0085】
まず、ステップ10において、IPAスイッチであるモード切替スイッチ21が押圧されると、駐車支援処理を実行する第1モードに切り替わり、ステップ201へ進む。
【0086】
ステップ201において、第1方向スイッチ101が押圧され場合には、ステップ301へ進む。ステップ301において、駐車支援装置100は、自車両の大きさに対して十分な広さがある駐車スペースへの右側並列駐車パターンを選択する。
【0087】
ステップ202において、第1方向スイッチ101が引き上げられた場合には、ステップ302へ進む。ステップ302において、駐車支援装置100は、自車両の大きさに対して狭い駐車スペースへの右側並列駐車パターンを選択する。
【0088】
ステップ203において、第2方向スイッチ102が押圧された場合には、ステップ303へ進む。ステップ303において、駐車支援装置100は、自車両の大きさに対して十分な広さがある駐車スペースへの左側並列駐車パターンを選択する。
【0089】
ステップ204において、第2方向スイッチ102が引き上げられた場合には、ステップ304へ進む。ステップ304において、駐車支援装置100は、自車両の大きさに対して狭い駐車スペースへの左側並列駐車パターンを選択する。
【0090】
ステップ205において、第3方向スイッチ103が押圧された場合には、ステップ305へ進む。ステップ305において、駐車支援装置100は、自車両の大きさに対して十分な広さがある駐車スペースへの左側縦列駐車パターンを選択する。
【0091】
ステップ206において、第3方向スイッチ103が引き上げられた場合には、ステップ306へ進む。ステップ306において、駐車支援装置100は、自車両の大きさに対して狭い駐車スペースへの左側縦列駐車パターンを選択する。
【0092】
ステップ207において、第4方向スイッチ104が押圧された場合には、ステップ307へ進む。ステップ307において、駐車支援装置100は、自車両の大きさに対して十分な広さがある駐車スペースへの右側縦列駐車パターンを選択する。
【0093】
ステップ208において、第4方向スイッチ104が引き上げられた場合には、ステップ308へ進む。ステップ308において、駐車支援装置100は、自車両の大きさに対して狭い駐車スペースへの右側縦列駐車パターンを選択する。
【0094】
最後に、ステップ400において、入力装置100は駐車パターン選択信号を駐車支援装置100へ送出し、駐車支援装置100は選択された駐車パターンに応じた駐車支援処理を実行する。
【0095】
ステップ10に戻り、第2モードに切り替えられると、第1〜第4方向スイッチ101〜104が受け付けたドアミラー駆動制御信号はドアウィンドウ開閉装置300へ送出される。第1〜第4方向スイッチ101〜104は制御対象となる左右前後のドアミラーを選択し、第1〜第4方向スイッチ101〜104の押圧量は昇降式のドアウィンドウの下降量を選択し、第1〜第4方向スイッチ101〜104の引き上げ量は昇降式のドアウィンドウの上昇量を選択する。ドアミラー駆動機構、ドアミラーの駆動手法には出願時に知られた技術を適用することができる。
【0096】
以上のように構成され、動作する本実施形態の駐車支援装置100の入力装置10Bによれば、駐車支援装置100に対する右側又は左側への並列駐車、右側又は左側への縦列駐車などの方向の情報を含む駐車パターンを選択する指令を受け付けるとともに、ドアウィンドウ開閉装置300に対する指令を受け付ける方向スイッチ101〜104を備えた入力装置10Bを車両室内に設けたので、タッチパネル・ディスプレイが車両に装備されていなくても駐車パターンを正確に選択することができる。また、本発明は、モード切替スイッチによって複数の車載装置に対する指令を受け付けることができるため、車両が備える既存のスイッチを駐車支援装置用のスイッチとして共用することができるので、駐車支援装置専用のスイッチを新たに設ける必要がない。この結果、車両に駐車支援装置を搭載する場合のコストを低減させることができる。
【0097】
具体的に、本実施形態の入力装置10Bは、車両が備える既存のドアウィンドウ開閉装置300のスイッチその他の車載装置のスイッチを、駐車支援装置100用のスイッチとして共用するので、駐車支援装置100のために専用のスイッチを新たに設ける必要がない。この結果、レイアウトのデザイン変更の必要がなく、駐車支援装置100を車両に搭載する場合のコストを低減させることができる。また、方向スイッチ101〜104を左右に配置することにより、第1モードのときには方向スイッチ101〜104の配置に対応づけられた右側又は左側の駐車パターンを選択し、第2モードのときには方向スイッチ101〜104の配置に対応づけられた右側又は左側のドアウィンドウを選択できるので、ドライバは車両を駐車させる右側又は左側の駐車パターンとスイッチの位置及び操作対象とする右側又は左側のドアウィンドウの位置とスイッチの位置を感覚的に対応づけることができるので、駐車パターンの選択を正確に行うことができる。この結果、人間の感覚や認知に適合する操作性の高い入力操作が可能な駐車支援装置100を提供することができる。
【0098】
さらに、原点Q3を通るy軸に対して右側に配置された第1又は第4接点101p,104p(右側接点)が受け付けるオン信号を右側の駐車パターンに対応づけ、原点Q3を通るy軸に対して左側に配置された第2又は第3接点102p,103p(左側接点)が受け付けるオン信号を左側の駐車パターンに対応づけることにより、ドライバは車両を駐車させる方向と駐車パターンとを感覚的に対応づけることができるので、駐車パターンの選択を正確に行うことができる。加えて、原点Q3を通るx軸に対して前側に配置された第1又は第2接点101p、102p(前側接点)が受け付けるオン信号を並列の駐車パターンに対応づけ、原点Q3を通るx軸に対して後側に配置された第3又は第4接点103p,104p(後側接点)が受け付けるオン信号を縦列の駐車パターンに対応づけることにより、相対する概念として位置付けられる並列と縦列とを相対する方向にそれぞれ対応づけることができる。これにより、ドライバは車両を駐車させる並列又は縦列の駐車パターンとスイッチの位置とを感覚的に対応づけることができるので、駐車パターンの選択を正確に行うことができる。この結果、人間の感覚や認知に適合する操作性の高い入力操作が可能な駐車支援装置100を提供することができる。
【0099】
なお、以上説明したすべての実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0100】
本明細書では、本発明に係る駐車支援装置100の一態様として、入力装置10A,10Bを備える駐車支援装置100を例にして説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0101】
また、本明細書では、駐車支援装置100以外の車載装置として、ドアミラー駆動装置200、ドアウィンドウ開閉装置300、パワーシート駆動装置を例にして説明するが、これに限定されるものではない。
【0102】
また、本明細書では、本発明に係るモード切替スイッチと、方向スイッチとを備える駐車支援装置の一態様として、モード切替スイッチ21,22、方向スイッチ11〜16、及び決定スイッチ31を有する入力装置10Aを備える駐車支援装置100、及びモード切替スイッチ21,22、第1スイッチ101〜第4スイッチ104、並びに決定スイッチ31を有する入力装置10Bを備える駐車支援装置100例にして説明するが、これに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0103】
100…駐車支援装置
10A,10B…入力装置
21,22…モード切替スイッチ
11〜16…方向スイッチ(11,12…左右スイッチ,13,14…前後スイッチ)
11p〜16p…接点
101〜104…方向スイッチ
101…第1スイッチ/右前スイッチ
102…第2スイッチ/左前スイッチ
103…第3スイッチ/左後スイッチ
104…第4スイッチ/右後スイッチ
101p〜104p,101p´〜104p´…接点
31…決定スイッチ
S…操作面
Q,Q1,Q2、Q3…原点
200…ドアミラー駆動装置
300…ドアウィンドウ開閉装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の駐車モードに応じて車両の駐車を支援する機能を実行する第1モードと、前記第1モード以外の前記車両の機能を実行する第2モードとを切替えるモード切替スイッチと、
左と右に配置された対をなす左右方向スイッチと、前と後に配置された対をなす前後方向スイッチとを含む方向スイッチとを備え、
前記第1モードに切り替えられた場合において、前記左右方向スイッチが操作されると、当該左右方向スイッチの左右の配置に対応づけられた駐車方向を判断し、前記前後方向スイッチが操作されると、当該前後方向スイッチの前又は後の配置に対応づけられた並列又は縦列の駐車車両の配置態様を判断し、前記判断された駐車方向と駐車車両の配置態様に基づいて駐車パターンを選択する駐車パターン選択手段とを備える駐車支援装置。
【請求項2】
前記方向スイッチは、左右に接点が配置された一対の左右方向スイッチと、前後に接点が配置された一対の前後方向スイッチとを含み、
前記モード切替スイッチの操作により前記第1モードに切り替えられた場合において、
前記駐車パターン選択手段は、前記左右方向スイッチの右側接点が操作された場合には駐車方向が右側であると判断し、前記前後方向スイッチの前接点が操作された場合には駐車車両の配置態様が並列であると判断し、前記右側の駐車方向と前記並列の配置態様とに基づいて右側並列の駐車パターンを選択し、
前記駐車パターン選択手段は、前記左右方向スイッチの右側接点が操作された場合には駐車方向が右側であると判断し、前記前後方向スイッチの後接点が操作された場合には駐車車両の配置態様が縦列であると判断し、前記右側の駐車方向と前記縦列の配置態様とに基づいて右側縦列の駐車パターンを選択し、
前記駐車パターン選択手段は、前記左右方向スイッチの左側接点が操作された場合には駐車方向が左側であると判断し、前記前後方向スイッチの前接点が操作された場合には駐車車両の配置態様が並列であると判断し、前記左側の駐車方向と前記並列の配置態様とに基づいて左側並列の駐車パターンを選択し、
前記駐車パターン選択手段は、前記第左右方向スイッチの左側接点が操作された場合には駐車方向が左側であると判断し、前記前後方向スイッチの後接点が操作された場合には駐車車両の配置態様が縦列であると判断し、前記左側の駐車方向と前記縦列の配置態様とに基づいて左側縦列の駐車パターンを選択する、請求項1に記載の駐車支援装置。
【請求項3】
前記方向スイッチは、所定の基準点に対して右前の位置に配置された右前スイッチと、右後の位置に配置された右後スイッチと、左前の位置に配置された左前スイッチと、左後の位置に配置された左後スイッチとを含み、
前記モード切替スイッチの操作により前記第1モードに切り替えられた場合において、
前記駐車パターン選択手段は、前記右前スイッチが操作された場合には、駐車方向が右側で駐車車両の配置態様が並列であると判断して、右側並列の駐車パターンを選択し、
前記駐車パターン選択手段は、前記右後スイッチが操作された場合には、駐車方向が右側で駐車車両の配置態様が縦列であると判断して、右側縦列の駐車パターンを選択し、
前記駐車パターン選択手段は、前記左前スイッチが操作された場合には、駐車方向が左側で駐車車両の配置態様が並列であると判断して、左側並列の駐車パターンを選択し、
前記駐車パターン選択手段は、前記左後スイッチが操作された場合には、駐車方向が左側で駐車車両の配置態様が縦列であると判断して、左側縦列の駐車パターンを選択する、請求項1に記載の駐車支援装置。
【請求項4】
所定の駐車モードに応じて車両の駐車を支援する機能を実行する第1モードと、前記第1モード以外の前記車両の機能を実行する第2モードとを切替えるモード切替スイッチと、
所定の基準点に対して右前の位置に配置された右前スイッチと、右後の位置に配置された右後スイッチと、左前の位置に配置された左前スイッチと、左後の位置に配置された左後スイッチとを含む方向スイッチとを備え、
前記第1モードに切り替えられた場合において、前記方向スイッチの左右の配置に基づいて駐車方向を判断するとともに、前記各方向スイッチの前後の配置に基づいて並列又は縦列の駐車車両の配置態様を判断し、前記判断された駐車方向と駐車車両の配置態様に基づいて駐車パターンを選択する駐車パターン選択手段とを備え、
前記モード切替スイッチの操作により前記第1モードに切り替えられた場合において、
前記駐車パターン選択手段は、前記右前スイッチが操作された場合には、駐車方向が右側で駐車車両の配置態様が並列であるとの判断に基づいて右側並列の駐車パターンを選択し、
前記駐車パターン選択手段は、前記右後スイッチが操作された場合には、駐車方向が右側で駐車車両の配置態様が縦列であるとの判断に基づいて右側縦列の駐車パターンを選択し、
前記駐車パターン選択手段は、前記左前スイッチが操作された場合には、駐車方向が左側で駐車車両の配置態様が並列であるとの判断に基づいて左側並列の駐車パターンを選択し、
前記駐車パターン選択手段は、前記左後スイッチが操作された場合には、駐車方向が左側で駐車車両の配置態様が縦列であるとの判断に基づいて左側縦列の駐車パターンを選択する、請求項1に記載の駐車支援装置。
【請求項5】
前記第2モードは、車両のドアミラーを駆動する機能を実行し、
前記モード切替スイッチの操作により前記第2モードに切り替えられた場合において、前記左右方向スイッチが操作されると、当該左右方向スイッチの左又は右の配置に対応づけられた左又は右の操作対象ドアミラーを判断し、前記前後方向スイッチが操作されると、当該前後方向スイッチの前又は後の配置に対応づけられたドアミラーの前傾又は後傾の駆動方向を判断し、前記操作対象ドアミラーの前記駆動方向を選択するドアミラー駆動手段を有する請求項1〜4の何れか一項に記載の駐車支援装置。
【請求項6】
前記第2モードは、車両のドアウィンドウを開閉する機能を実行し、
前記モード切替スイッチの操作により前記第2モードに切り替えられた場合において、前記左右方向スイッチが操作されると、当該左右方向スイッチの左又は右の配置に対応づけられた左又は右の操作対象ドアウィンドウを判断し、前記第前後方向スイッチが操作されると、当該前後スイッチの前又は後の配置に対応づけられたドアウィンドウの開動作又は閉動作を判断し、前記操作対象ドアウィンドウの前記開動作又は閉動作を選択するドアウィンドウ駆動手段を有する請求項1〜4の何れか一項に記載の駐車支援装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−43506(P2013−43506A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−181439(P2011−181439)
【出願日】平成23年8月23日(2011.8.23)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】