説明

駐車料金精算方法及びシステム

【課題】各駐車場の定期券情報を一元的に扱うことにより、定期券情報を複数の駐車場の精算機に個別に登録する煩雑さを解消する。
【解決手段】駐車場に対する車両の入庫日時、出庫日時に関する情報を取得すると共に、駐車時間に応じた駐車料金を徴収するように各駐車場毎に設置された精算機と、複数の駐車場に設置された各精算機との間で情報交換可能に接続されたサーバーとを備え、各精算機内では、読み取った入庫日時、出庫日時、並びに定期券のID情報を、当該精算機が設置された駐車場を特定する駐車場情報と共に、前記サーバーに送信し、サーバー内では、精算機から送信されたID情報及び駐車場情報に基づいて、予め登録されている定期券の約定条件を読み出し、この約定条件により定められた有効時間帯、若しくは無効時間帯の情報、並びに入庫日時、出庫日時及び駐車場情報に基づいて駐車料金を算出して対応する精算機へ送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、定期券によって決まった駐車場を利用可能とする駐車料金精算方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
定期券を利用する駐車料金精算システムの一例として下記特許文献1がある。定期券を利用可能とするためには、利用者の希望に基づいて決められた駐車場の精算機に定期券の情報、例えば、定期券のID情報、約定条件(当該定期券にて利用できる時間帯、曜日などを定めた条件)を記録しておき、精算機の運用中に定期券が利用される場合には、車両の入庫日時、出庫日時、並びに定期券情報に基づいて、約定条件内の利用なら駐車料金は無料、約定条件外の利用があれば、その部分の料金を徴収するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−59208号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、利用者によっては複数の駐車場を定期券にて利用したい場合もあり、その場合は従来のシステムでは、定期券情報を利用したい各駐車場の精算機にそれぞれ登録する必要があり煩雑である。
本発明は、このような問題に鑑み、各駐車場の定期券情報を一元的に扱うことにより、定期券情報を複数の駐車場の精算機に個別に登録する煩雑さを解消することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1発明は、駐車場への車両の入庫日時及び当該車両の駐車場からの出庫日時に関する情報を取得すると共に、出庫車両に対し駐車時間に応じた駐車料金を表示して利用者から駐車料金を徴収するように各駐車場毎に設置された精算機と、複数の駐車場に設置された各精算機との間で情報交換可能に接続されたサーバーとを備えた駐車料金精算システムにおける駐車料金精算方法であって、
各精算機内において、読み取った入庫日時及び出庫日時、並びに定期券のID情報を、当該精算機が設置された駐車場を特定する駐車場情報と共に、前記サーバーに送信し、
前記サーバー内において、前記精算機から送信されたID情報及び駐車場情報に基づいて、予め登録されている定期券の約定条件を読み出し、この約定条件により定められた有効時間帯、若しくは無効時間帯の情報、並びに入庫日時、出庫日時及び駐車場情報に基づいて駐車料金を算出して対応する精算機へ送信することを特徴とする駐車料金精算方法である。
第1発明によれば、複数の駐車場の精算機に対して一つのサーバーを備え、そのサーバーにて定期券情報を一括して扱うので、駐車場毎の精算機に定期券情報を登録する煩わしさを解消できる。また、定期券情報を一元管理するので、利用者が利用したい各駐車場の精算機の機種が違っても同一の定期券を利用できる。
【0006】
本発明の第2発明は、上記第1発明の駐車料金精算方法において、
前記サーバー内において、前記精算機から送信されたID情報を入庫日時、出庫日時と関連づけて記録し、その後、前記精算機から送信されるID情報を、記録されているID情報と比較し、両ID情報が一致し、且つそれらのID情報に関連づけられている入庫日時、出庫日時から求められる駐車時間が互いに重複する場合は、駐車料金を定期券の約定条件外として定期券を使わない場合と同様に算出させることを特徴とする駐車料金精算方法である。
第2発明によれば、定期券が使用されると、その定期券のID情報と駐車時間が記録され、同じ定期券の駐車時間が重複する場合は、定期券の不正使用として重複する定期券利用が阻止され、定期券がない場合と同様の通常料金が徴収されるので定期券の不正使用を防止できる。
【0007】
本発明の第3発明は、上記第1又は第2発明の駐車料金精算方法において、
前記サーバー内において、前記精算機から送信される定期券のID情報に基づいて、予め登録されている当該定期券の有効期限を読み出し、出庫日時が有効期限内であれば、約定条件に基づいて駐車料金を算出し、出庫日時が有効期限を超過していれば、駐車料金を定期券の約定条件外として定期券を使わない場合と同様に算出させることを特徴とする駐車料金精算方法である。
第3発明によれば、定期券の有効期限を監視し、有効期限を超過している場合は、定期券として機能させないので、有効期限の過ぎた定期券が使用されても、それが定期券として使用されてしまうことを防止できる。
【0008】
本発明の第4発明は、上記第1乃至第3発明のいずれかの駐車料金精算方法において、
前記サーバー内において、予め複数の駐車場をグループ化し、グループ化した駐車場を一つの駐車場の如く扱うことを特徴とする駐車料金精算方法である。
第4発明によれば、複数の駐車場をグループ化し、グループ化した駐車場における定期券利用者を募集することができる。
【0009】
<図1参照>
本発明の第5発明は、駐車場への車両の入庫日時及び当該車両の駐車場からの出庫日時に関する情報を取得すると共に、出庫車両に対し駐車時間に応じた駐車料金を表示して利用者から駐車料金を徴収するように各駐車場毎に設置された精算機と、複数の駐車場に設置された各精算機との間で情報交換可能に接続されたサーバーとを備えた駐車料金精算システムであって、
各精算機内にあり、読み取った入庫日時及び出庫日時、並びに定期券のID情報を、当該精算機が設置された駐車場を特定する駐車場情報と共に、前記サーバーに送信する送信手段と、
前記サーバー内にあり、前記送信手段にて送信されたID情報及び駐車場情報に基づいて、予め登録されている定期券の約定条件を読み出し、この約定条件により定められた有効時間帯、若しくは無効時間帯の情報、並びに入庫日時、出庫日時及び駐車場情報に基づいて駐車料金を算出して対応する精算機へ送信する駐車料金算出手段と、
を備える駐車料金精算システムである。
第5発明によれば、複数の駐車場の精算機に対して一つのサーバーを備え、そのサーバーにて定期券情報を一括して扱うので、駐車場毎の精算機に定期券情報を登録する煩わしさを解消できる。また、定期券情報を一元管理するので、利用者が利用したい各駐車場の精算機の機種が違っても同一の定期券を利用できる。
【0010】
<図1参照>
本発明の第6発明は、上記第5発明の駐車料金精算システムにおいて、
前記サーバー内にあり、前記送信手段から送信されたID情報を入庫日時、出庫日時と関連づけて記録し、その後、前記ID送信手段から送信されるID情報を、記録されているID情報と比較し、両ID情報が一致し、且つそれらのID情報に関連づけられている入庫日時、出庫日時から求められる駐車時間が互いに重複する場合は、前記駐車料金算出手段の駐車料金を定期券の約定条件外として定期券を使わない場合と同様に算出させる不正使用防止手段を備える駐車料金精算システムである。
第6発明によれば、定期券が使用されると、その定期券のID情報と駐車時間が記録され、同じ定期券の駐車時間が重複する場合は、定期券の不正使用として重複する定期券利用が阻止され、定期券がない場合と同様の通常料金が徴収されるので定期券の不正使用を防止できる。
【0011】
<図1参照>
本発明の第7発明は、上記第5又は第6発明の駐車料金精算システムにおいて、
前記サーバー内にあり、前記送信手段によって送信される定期券のID情報に基づいて、予め登録されている当該定期券の有効期限を読み出し、前記送信手段によって送信された出庫日時が有効期限内であれば、前記駐車料金算出手段にて約定条件に基づいて駐車料金を算出させ、出庫日時が有効期限を超過していれば、前記駐車料金算出手段の駐車料金を定期券の約定条件外として定期券を使わない場合と同様に算出させる有効期限監視手段を備える駐車料金精算システムである。
第7発明によれば、定期券の有効期限を監視し、有効期限を超過している場合は、定期券として機能させないので、有効期限の過ぎた定期券が使用されても、それが定期券として使用されてしまうことを防止できる。
【0012】
<図2参照>
本発明の第8発明は、駐車場への車両の入庫日時及び当該車両の駐車場からの出庫日時に関する情報を取得すると共に、出庫車両に対し駐車時間に応じた駐車料金を表示して利用者から駐車料金を徴収するように各駐車場毎に設置された精算機と、複数の駐車場に設置された各精算機との間で情報交換可能に接続されたサーバーとを備えた駐車料金精算システムであって、
各精算機内にあり、定期券のID情報を読み取り、前記サーバーに送信する送信手段と、
前記サーバー内にあり、前記送信手段にて送信されたID情報に基づいて、予め登録されている定期券の約定条件を読み出し、この約定条件により定められた有効時間帯、若しくは無効時間帯の情報を対応する精算機へ送信する約定条件送信手段と、
各精算機内にあり、入庫日時、出庫日時、並びに約定条件送信手段から送信された有効時間帯、若しくは無効時間帯の各情報に基づいて駐車料金を算出する駐車料金算出手段と、
を備える駐車料金精算システムである。
第8発明によれば、駐車料金の算出を各駐車場の精算機にて行うシステムにおいても、第5発明と同様の作用効果を達成できる。
【0013】
<図2参照>
本発明の第9発明は、上記第8発明の駐車料金精算システムにおいて、
前記送信手段は、ID情報と共に入庫日時、出庫日時をサーバーに送信し、
前記サーバー内にあり、前記送信手段から送信されたID情報を入庫日時、出庫日時と関連づけて記録し、その後、前記送信手段から送信されるID情報を、記録されているID情報と比較し、両ID情報が一致し、且つそれらのID情報に関連づけられている入庫日時、出庫日時から求められる駐車時間が互いに重複する場合は、前記駐車料金算出手段の駐車料金を定期券の約定条件外として定期券を使わない場合と同様に算出させる不正使用防止手段を備える駐車料金精算システムである。
第9発明によれば、駐車料金の算出を各駐車場の精算機にて行うシステムにおいても、第6発明と同様の作用効果を達成できる。図2のクレーム対応図に示されるように、不正使用防止手段は約定条件送信手段に対して働くこともでき、駐車料金算出手段に働くこともできる。
【0014】
<図2参照>
本発明の第10発明は、上記第8又は第9発明の駐車料金精算システムにおいて、
前記サーバー内にあり、前記送信手段によって送信される定期券のID情報に基づいて、予め登録されている当該定期券の有効期限を読み出し、出庫日時が有効期限内であれば、前記約定条件送信手段から送信された有効時間帯若しくは無効時間帯の情報に基づいて前記駐車料金算出手段にて駐車料金を算出させ、出庫日時が有効期限を超過していれば、前記駐車料金算出手段の駐車料金を定期券の約定条件外として定期券を使わない場合と同様に算出させる有効期限監視手段を備える駐車料金精算システムである。
第10発明によれば、駐車料金の算出を各駐車場の精算機にて行うシステムにおいても、第7発明と同様の作用効果を達成できる。図2のクレーム対応図に示されるように、有効期限監視手段は約定条件送信手段に対して働くこともでき、駐車料金算出手段に働くこともできる。
【0015】
本発明の第11発明は、上記第5乃至第10発明のいずれかの駐車料金精算システムにおいて、
前記サーバー内において、予め複数の駐車場をグループ化し、グループ化した駐車場を一つの駐車場の如く扱うことを特徴とする駐車料金精算システムである。
第11発明によれば、複数の駐車場をグループ化し、グループ化した駐車場における定期券利用者を募集することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第5〜第7発明のクレーム対応図である。
【図2】本発明の第8〜第10発明のクレーム対応図である。
【図3】本発明の一実施形態の電気回路のブロック線図である。
【図4】図3の実施形態の精算機における処理内容を示すフローチャートである。
【図5】図3の実施形態のサーバーにおける処理内容を示すフローチャートである。
【図6】他の実施形態の精算機における処理内容を示すフローチャートである。
【図7】他の実施形態のサーバーにおける処理内容を示すフローチャートである。
【図8】駐車場の利用方法の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照しながら説明する。
図3には、本発明の駐車料金精算システムを複数のゲート式駐車場に適用した場合の電気回路のブロック線図を示している。各駐車場A、Bには、駐車場内の映像を撮影するカメラ11が設けられ、また電話機12が設置され、必要時に利用者若しくは駐車場管理人と後述の駐車場管理センターとの間で会話ができるようになっている。更に、各駐車場A、Bには、精算機13が設置され、精算機13には従来公知の駐車料金精算機能が備わっており、主には、駐車券の情報を読み取って駐車料金を計算し、駐車料金を表示し、駐車料金を徴収し、料金が徴収されたらゲートを開放する等の機能を有する。
カメラ11、電話機12、精算機13は、ルーター14、21及びスイッチハブ24を介して駐車場センターの監視端末25に接続され、更にルーター23、31を介してサーバー32に接続されている。また、ルーター23、31を介して入力端末26もサーバー32に接続されている。更に、サーバー32は、インターネットにも接続されている。
【0018】
監視端末25では、スイッチハブ24によって接続された駐車場のカメラ映像を監視したり、利用者や管理人との間で通話したり、更には非常時においてはゲートの開閉操作を行う。また、入力端末26では、サーバー32を利用して日報入力やデータ分析を行う。
サーバー32には、各駐車場から送信された各種情報を受け取り一時保存する機能、各駐車場の満空データを管理し、インターネットを通じて、或いは駐車場利用者からの要求を受けると、満空データを提供できるようにする機能、及び各駐車場の料金表を保存し、料金表及び入庫日時、出庫日時の情報に基づき駐車料金を計算する機能を備える。
【0019】
図8は、一般的なゲート式駐車料金精算システムを適用した駐車場の利用法を示している。まず、駐車場への入場時に駐車場入口を遮断しているゲート15の前で車両を停止する(図8A)。発券機17は停止車両による車両感知信号を受けて駐車券を発券する。利用者が駐車券を発券機17から抜き取ると、それを検知してゲート15が開放される(図8B)。利用者は駐車券を所持して希望の駐車枠に車両を駐車させる(図8C)。次に車両を駐車場から出す際は、駐車場出口の出庫ゲート16の前で車両を停止し、駐車場入場時に受け取った駐車券を精算機13に挿入する。精算機13の表示部には駐車時間に応じた駐車料金が表示されるので、利用者はその料金と同額の金銭を精算機13の料金投入口に投入する(図8D)。表示された料金と投入された金銭が同額であれば、駐車場出口の出庫ゲート16が開放され、車両を駐車場から出すことができる(図8E)。
【0020】
図4及び図5のフローチャートに基づいて、本発明の一実施形態の機能を説明する。この実施形態は、駐車料金の計算をサーバー32内で行う場合を示す。図4は、各駐車場の精算機内のコンピュータで行われる処理を示し、図5は、サーバー内で行われる処理を示す。
図4において、ステップS11では、精算機13に駐車券が挿入され、精算機13で駐車券が検知されたか否かが判断される。駐車券が検知され、ステップS11が肯定判断されると、ステップS12において、駐車券に記録された入庫日時、駐車場ナンバーをルーター14等を介してサーバー32に送信すると共に、現日時を出庫日時として同様に送信する。ステップS13では、精算機13の所定位置に定期券が挿入され(定期券を所定場所に触れることによって検知するタイプのものもある)、精算機13で定期券が検知されたか否かが判断される。定期券が検知され、ステップS13が肯定判断されると、ステップS14において、定期券に記録されたID情報をルーター14等を介してサーバー32に送信する。ステップS15では、ステップS14における送信が正常に行われたか否かの判断が行われ、送信が正常に行われず、ステップS15が否定判断された場合は、サーバー32側への全ての送信ができないものとして、ステップS16において、上述送信しようとしたのと同じ入庫日時、出庫日時を料金表に当てはめて予備的に駐車料金を算出する。ここで、予備的に駐車料金を算出するとは、後述するように駐車料金の算出は本来はサーバー32内で行われるが、精算機13とサーバー32との間で通信が正常に行えなくて駐車料金の算出ができない場合に備えて精算機13内で駐車料金を算出している。一方、上記通信が正常に行われた場合は、ステップS15が肯定判断され、ステップS17において、後述するようにサーバー32側で求められた駐車料金情報を受信する。
次のステップS18では、サーバー32から後述のように定期券の当該駐車場での利用不可の表示指示があったか否かが判断される。当該指示があり、ステップS18が肯定判断された場合は、ステップS19において精算機13の表示部に「定期券利用不可」の表示が行われる。次にステップS20では、サーバー32から後述のように定期券の不正使用の表示指示があったか否かが判断される。当該指示があり、ステップS20が肯定判断された場合は、ステップS21において精算機13の表示部に「不正使用」の表示が行われる。更にステップS22では、サーバー32から後述のように定期券の有効期限切れの表示指示があったか否かが判断される。当該指示があり、ステップS22が肯定判断された場合は、ステップS23において精算機13の表示部に「定期券有効期限切れ」の表示が行われる。
ステップS24では、精算機13の料金表示部にステップS17で受信した駐車料金を表示する。また、ステップS25では、上記駐車料金の徴収が完了したか否かが判断され、駐車料金の徴収が完了した場合はステップS25が肯定判断され、ステップS26において出庫ゲート16が開放される。
【0021】
同時に図5に示すように、サーバー32側では、ステップS31において、精算機13から送信された入庫日時、出庫日時、駐車場ナンバーを受信し、ステップS32において、それら入庫日時、出庫日時、駐車場ナンバーに基づき、予めサーバー32内に格納されている該当駐車場の料金表を読み取る。ステップS33では、図4のステップS14にて送信された定期券のID情報が受信できたか否かが判断される。受信できない場合は、ステップS33が否定判断されて、ステップS34において、定期券が利用できないため、上述のように受信した入庫日時、出庫日時を上記料金表に当てはめて駐車料金を算出する。定期券のID情報が受信できステップS33が肯定判断された場合は、ステップS35において、定期券のID情報から、この定期券にて利用可能とされている駐車場のグループを読み出す。ステップS36では、ステップS31にて受信した駐車場ナンバーがステップS35にて読み出された駐車場グループに該当しているか否かが判断される。ステップS36が否定判断されると、ステップS37において、定期券による当該駐車場の利用は不可である旨の表示を指示する。一方、ステップS36が肯定判断される場合は、ステップS38において、上記定期券のID情報から定期券の有効期限を読み出す。次のステップS39では、読み出された有効期限が既に期限切れとなっていないか、現在も有効期限内か否か判断される。期限切れとなっている場合は、ステップS39が否定判断されて、ステップS40において定期券が有効期限切れである旨の表示を指示する。定期券が有効期限内でステップS39が肯定判断されれば、ステップS41において、ID情報に入庫日時、出庫日時が関連付けされて記録される。ステップS42では、今回受信したID情報が過去に既に記録されているか否かが判断される。過去に記録されておらずステップS42が否定判断されると、ステップS45において、ID情報が一致する定期券の約定条件を読み取る。一方、過去に同じID情報が記録されていてステップS42が肯定判断された場合は、ステップS43において、記録されている入庫日時及び出庫日時から求められる駐車時間と、今回の入庫日時及び出庫日時から求められる駐車時間とが重複するか否かが判断される。重複しなければステップS43は否定判断されて上述のステップS45に進むが、重複している場合はステップS43が肯定判断され、ステップS44において、定期券の不正使用である旨の表示を指示する。
ステップS45が処理された後のステップS46では、入庫日時、出庫日時、約定条件、及び料金表に基づき、駐車料金が算出される。一方、ステップS44が処理された後のステップS47では、定期券は有効ではないとして、つまり今回の駐車は定期券の約定条件から外れているものとして、入庫日時、出庫日時、及び料金表に基づき駐車料金が算出される。次のステップS48では、ステップS34、ステップS46若しくはステップS47において算出された駐車料金が駐車場ナンバーに対応する精算機13に送信される。ここでステップS34とステップS47は同内容の処理であるため、分けて設けず一つの処理にまとめても良い。
【0022】
このように処理することにより、複数の駐車場の精算機13に対して一つのサーバー32を備え、そのサーバー32にて定期券情報を一括して扱うので、駐車場毎の精算機13に定期券情報を登録する煩わしさを解消できる。また、定期券情報を一元管理するので、利用者が利用したい各駐車場の精算機13の機種が違っても同一の定期券を利用できる。一方、駐車料金の算出を各駐車場に設置の精算機13で個々に行わず、サーバー32で一括して行うことができ、料金改定の際はサーバー32内に格納された料金表を変更することにより、各駐車場の料金を一括して改定することができる。そのため、各駐車場が離れた場所にあっても簡単に料金改定を行うことができる。
また、定期券が使用されると、その定期券のID情報と駐車時間が記録され、同じ定期券の駐車時間が重複する場合は、定期券の不正使用として重複する定期券利用が阻止され、定期券がない場合と同様の通常料金が徴収されるので定期券の不正使用を防止できる。
更に、定期券の有効期限を監視し、有効期限を超過している場合は、定期券として機能させないので、有効期限の過ぎた定期券が使用されても、それが定期券として使用されてしまうことを防止できる。
更にまた、複数の駐車場をグループ化しているため、グループ化した駐車場における定期券利用者を募集することができる。
【0023】
図4及び図5において、ステップS12〜ステップS14の処理は本発明の送信手段に相当し、ステップS31〜ステップS33、ステップS45、ステップS46、及びステップS48処理は本発明の駐車料金算出手段に相当し、ステップS41〜ステップS44、及びステップS47の処理は本発明の不正使用防止手段に相当し、ステップS38〜ステップS40、及びステップS47の処理は本発明の有効期限監視手段に相当する。
【0024】
図6及び図7には、他の実施形態として駐車料金の計算を精算機13内で行う場合の処理を示している。
図6及び図7の処理は、上述の図4及び図5の処理と基本的には同一であり、駐車料金の計算を精算機13内で行うかサーバー32内で行うかの点が相違するのみである。従って、図6及び図7の説明は、図4及び図5と相違する部分のみを説明し、共通部分の説明は省略する。なお、図6は各駐車場の精算機内のコンピュータで行われる処理を示し、図7はサーバー内で行われる処理を示す。
図6において、ステップS51〜ステップS55では、駐車券に記録された入庫日時、駐車場ナンバーをサーバー32に送信すると共に、現日時を出庫日時として同様に送信し、定期券を検知して、定期券に記録されたID情報をサーバー32に送信する。上記送信が正常に行われ、ステップS55が肯定判断されると、ステップS56において、定期券の約定条件に該当し、無料となる時間帯を除いた、約定条件から外れている入庫日時、出庫日時の情報をサーバー32から受け、同時に定期券利用不可の有無と、不正利用の有無と、有効期限切れの有無の各情報をサーバー32から受信する。
次のステップS57〜ステップS62では、定期券利用不可と、不正利用と、有効期限切れの各表示指示に基づき表示を行う。ステップS63では、上述の約定条件から外れている入庫日時、出庫日時と、精算機13内に予め設定されている料金表に基づき駐車料金を算出する。
ステップS64〜ステップS66では、精算機13の料金表示部に駐車料金を表示し、駐車料金の徴収が完了すると出庫ゲート16が開放される。
【0025】
同時に図7に示すように、サーバー32側では、ステップS71において、精算機13から送信された入庫日時、出庫日時、駐車場ナンバーを受信し、ステップS72において、定期券のID情報が受信できたか否かが判断される。定期券のID情報が受信できステップS32が肯定判断された場合は、ステップS73〜ステップS75において、定期券のID情報から、この定期券にて利用可能とされている駐車場のグループを読み出し、ステップS71にて受信した駐車場ナンバーが利用可能な駐車場グループに該当していない場合、定期券による当該駐車場の利用は不可である旨の表示を指示する。
また、ステップS76〜ステップS78では、上記定期券のID情報から定期券の有効期限を読み出し、読み出された有効期限が既に期限切れとなっていないか、現在も有効期限内か否か判断され、期限切れとなっている場合は、定期券が有効期限切れである旨の表示を指示する。
更に、ステップS79〜ステップS82では、ID情報に入庫日時、出庫日時が関連付けされて記録され、今回受信したID情報が過去に既に記録されているか否かが判断される。過去に同じID情報が記録されている場合は、記録されている入庫日時及び出庫日時から求められる駐車時間と、今回の入庫日時及び出庫日時から求められる駐車時間とが重複するか否かが判断される。重複している場合は定期券の不正使用である旨の表示を指示する。
ステップS83では、定期券の約定条件に該当し、無料となる時間帯を除いた、約定条件から外れている入庫日時、出庫日時の情報を駐車場ナンバーに対応する精算機13へ送信し、同時に定期券利用不可の有無と、不正利用の有無と、有効期限切れの有無の各情報を駐車場ナンバーに対応する精算機13へ送信する。
【0026】
このように処理することにより、駐車料金の算出がサーバー32ではなく精算機13にて行われることを除いて、図4及び図5の処理による場合と同様の効果を得ることができる。
図6及び図7において、ステップS52の処理は本発明の送信手段に相当し、ステップS83の処理は本発明の約定条件送信手段に相当し、ステップS56及びステップS63の処理は本発明の駐車料金算出手段に相当し、ステップS79〜ステップS83の処理は本発明の不正使用防止手段に相当し、ステップS76〜ステップS78、及びステップS83の処理は本発明の有効期限監視手段に相当する。
【0027】
上記実施形態ではゲート式の駐車料金精算システムについて説明したが、本発明はロック板式の駐車料金精算システムに適用しても良い。このロック板式の駐車料金精算システムとは、有料駐車場内の各駐車スペースに、駐車車両の前後車軸間の車両フロアに向けて起き上がるロック板を設け、このロック板を車両が駐車スペースに駐車してから精算機での駐車料金の精算が完了するまで起き上げ制御するもので、ゲート式の駐車料金精算システムにおけるゲートの代わりにロック板が設けられている。他にも各種の駐車料金精算システムに本発明は適用できる。
その他、本発明は、その発明思想の範囲内で各種形態で実施可能である。
【符号の説明】
【0028】
13 精算機
25 監視端末
32 サーバー


【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場への車両の入庫日時及び当該車両の駐車場からの出庫日時に関する情報を取得すると共に、出庫車両に対し駐車時間に応じた駐車料金を表示して利用者から駐車料金を徴収するように各駐車場毎に設置された精算機と、複数の駐車場に設置された各精算機との間で情報交換可能に接続されたサーバーとを備えた駐車料金精算システムにおける駐車料金精算方法であって、
各精算機内において、読み取った入庫日時及び出庫日時、並びに定期券のID情報を、当該精算機が設置された駐車場を特定する駐車場情報と共に、前記サーバーに送信し、
前記サーバー内において、前記精算機から送信されたID情報及び駐車場情報に基づいて、予め登録されている定期券の約定条件を読み出し、この約定条件により定められた有効時間帯、若しくは無効時間帯の情報、並びに入庫日時、出庫日時及び駐車場情報に基づいて駐車料金を算出して対応する精算機へ送信することを特徴とする駐車料金精算方法。
【請求項2】
請求項1の駐車料金精算方法において、
前記サーバー内において、前記精算機から送信されたID情報を入庫日時、出庫日時と関連づけて記録し、その後、前記精算機から送信されるID情報を、記録されているID情報と比較し、両ID情報が一致し、且つそれらのID情報に関連づけられている入庫日時、出庫日時から求められる駐車時間が互いに重複する場合は、駐車料金を定期券の約定条件外として定期券を使わない場合と同様に算出させることを特徴とする駐車料金精算方法。
【請求項3】
請求項1又は2の駐車料金精算方法において、
前記サーバー内において、前記精算機から送信される定期券のID情報に基づいて、予め登録されている当該定期券の有効期限を読み出し、出庫日時が有効期限内であれば、約定条件に基づいて駐車料金を算出し、出庫日時が有効期限を超過していれば、駐車料金を定期券の約定条件外として定期券を使わない場合と同様に算出させることを特徴とする駐車料金精算方法。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかの駐車料金精算方法において、
前記サーバー内において、予め複数の駐車場をグループ化し、グループ化した駐車場を一つの駐車場の如く扱うことを特徴とする駐車料金精算方法。
【請求項5】
駐車場への車両の入庫日時及び当該車両の駐車場からの出庫日時に関する情報を取得すると共に、出庫車両に対し駐車時間に応じた駐車料金を表示して利用者から駐車料金を徴収するように各駐車場毎に設置された精算機と、複数の駐車場に設置された各精算機との間で情報交換可能に接続されたサーバーとを備えた駐車料金精算システムであって、
各精算機内にあり、読み取った入庫日時及び出庫日時、並びに定期券のID情報を、当該精算機が設置された駐車場を特定する駐車場情報と共に、前記サーバーに送信する送信手段と、
前記サーバー内にあり、前記送信手段にて送信されたID情報及び駐車場情報に基づいて、予め登録されている定期券の約定条件を読み出し、この約定条件により定められた有効時間帯、若しくは無効時間帯の情報、並びに入庫日時、出庫日時及び駐車場情報に基づいて駐車料金を算出して対応する精算機へ送信する駐車料金算出手段と、
を備える駐車料金精算システム。
【請求項6】
請求項5の駐車料金精算システムにおいて、
前記サーバー内にあり、前記送信手段から送信されたID情報を入庫日時、出庫日時と関連づけて記録し、その後、前記ID送信手段から送信されるID情報を、記録されているID情報と比較し、両ID情報が一致し、且つそれらのID情報に関連づけられている入庫日時、出庫日時から求められる駐車時間が互いに重複する場合は、前記駐車料金算出手段の駐車料金を定期券の約定条件外として定期券を使わない場合と同様に算出させる不正使用防止手段を備える駐車料金精算システム。
【請求項7】
請求項5又は6の駐車料金精算システムにおいて、
前記サーバー内にあり、前記送信手段によって送信される定期券のID情報に基づいて、予め登録されている当該定期券の有効期限を読み出し、前記送信手段によって送信された出庫日時が有効期限内であれば、前記駐車料金算出手段にて約定条件に基づいて駐車料金を算出させ、出庫日時が有効期限を超過していれば、前記駐車料金算出手段の駐車料金を定期券の約定条件外として定期券を使わない場合と同様に算出させる有効期限監視手段を備える駐車料金精算システム。
【請求項8】
駐車場への車両の入庫日時及び当該車両の駐車場からの出庫日時に関する情報を取得すると共に、出庫車両に対し駐車時間に応じた駐車料金を表示して利用者から駐車料金を徴収するように各駐車場毎に設置された精算機と、複数の駐車場に設置された各精算機との間で情報交換可能に接続されたサーバーとを備えた駐車料金精算システムであって、
各精算機内にあり、定期券のID情報を読み取り、前記サーバーに送信する送信手段と、
前記サーバー内にあり、前記送信手段にて送信されたID情報に基づいて、予め登録されている定期券の約定条件を読み出し、この約定条件により定められた有効時間帯、若しくは無効時間帯の情報を対応する精算機へ送信する約定条件送信手段と、
各精算機内にあり、入庫日時、出庫日時、並びに約定条件送信手段から送信された有効時間帯、若しくは無効時間帯の各情報に基づいて駐車料金を算出する駐車料金算出手段と、
を備える駐車料金精算システム。
【請求項9】
請求項8の駐車料金精算システムにおいて、
前記送信手段は、ID情報と共に入庫日時、出庫日時をサーバーに送信し、
前記サーバー内にあり、前記送信手段から送信されたID情報を入庫日時、出庫日時と関連づけて記録し、その後、前記送信手段から送信されるID情報を、記録されているID情報と比較し、両ID情報が一致し、且つそれらのID情報に関連づけられている入庫日時、出庫日時から求められる駐車時間が互いに重複する場合は、前記駐車料金算出手段の駐車料金を定期券の約定条件外として定期券を使わない場合と同様に算出させる不正使用防止手段を備える駐車料金精算システム。
【請求項10】
請求項8又は9の駐車料金精算システムにおいて、
前記サーバー内にあり、前記送信手段によって送信される定期券のID情報に基づいて、予め登録されている当該定期券の有効期限を読み出し、出庫日時が有効期限内であれば、前記約定条件送信手段から送信された有効時間帯、若しくは無効時間帯の情報に基づいて前記駐車料金算出手段にて駐車料金を算出させ、出庫日時が有効期限を超過していれば、前記駐車料金算出手段の駐車料金を定期券の約定条件外として定期券を使わない場合と同様に算出させる有効期限監視手段を備える駐車料金精算システム。
【請求項11】
請求項5乃至10のいずれかの駐車料金精算システムにおいて、
前記サーバー内において、予め複数の駐車場をグループ化し、グループ化した駐車場を一つの駐車場の如く扱うことを特徴とする駐車料金精算システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−93814(P2012−93814A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−238174(P2010−238174)
【出願日】平成22年10月25日(2010.10.25)
【出願人】(599088265)名鉄協商株式会社 (3)
【Fターム(参考)】