説明

高さ調整機能付きキャスター

【課題】キャスター本体1の旋回に伴う高さ調整つまみ2の連れ回りのおそれを低減する。
【解決手段】鉛直方向に延びている旋回軸20に対してキャスター本体1が旋回でき、キャスター本体1に支持されている水平な車軸11を中心に車輪12-1,12-2が回転できる高さ調整機能付きキャスター30において、スリーブパーツ5とナット6とボルト3と高さ調整つまみ2とによって旋回軸20を構成し、スリーブパーツ5とナット6と高さ調整つまみ2とをボルト3に対して回転させてボルト3の高さを調整し、スリーブパーツ5に対するキャスター本体1の旋回時にスリーブパーツ5とナット6と高さ調整つまみ2とがキャスター本体1と共に連れ回りするのを防止する締まり嵌めをボルト3の雄ねじ部3bと高さ調整つまみ2のボルト収容穴2cおよび/またはスリーブパーツ5の旋回軸部5aのボルト収容穴5a4とによって構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高さ調整機能付きキャスターに関し、特には、キャスター本体の旋回に伴って高さ調整つまみが連れ回りしてしまうおそれを低減することができる高さ調整機能付きキャスターに関する。
【0002】
詳細には、本発明は、高さ調整機能付きキャスターが取り付けられている被装着体の高さがキャスター本体の旋回時における高さ調整つまみの連れ回りによって変化してしまうおそれを低減することができる高さ調整機能付きキャスターに関する。
【背景技術】
【0003】
従来から、鉛直方向に延びている旋回軸(キャスター軸)に対してキャスター本体(車輪支持体)が旋回できるように、旋回軸(キャスター軸)がキャスター本体(車輪支持体)の旋回軸収容穴(貫通孔)に装着され、水平方向に延びている車軸(水平軸)を中心に車輪が回転できるように、車軸(水平軸)がキャスター本体(車輪支持体)の車軸収容穴に装着されている高さ調整機能付きキャスターが知られている。この種の高さ調整機能付きキャスターの例としては、例えば特開2007−261542号公報の図4に記載されたものがある。
【0004】
特開2007−261542号公報の図4に記載された高さ調整機能付きキャスターでは、小径雄ねじ部が旋回軸(キャスター軸)に形成されている。また、その小径雄ねじ部がテーブルの脚の下端部に装着されている。
【0005】
更に、特開2007−261542号公報の図4に記載された高さ調整機能付きキャスターでは、大径雄ねじ部が、旋回軸(キャスター軸)の小径雄ねじ部の下側に形成されている。また、旋回軸(キャスター軸)の大径雄ねじ部と螺合する雌ねじ部を有する高さ調整つまみ(調整筒)が、テーブルの脚の下端部とキャスター本体(車輪支持体)の上端部との間に配置されている。
【0006】
詳細には、特開2007−261542号公報の図4に記載された高さ調整機能付きキャスターでは、高さ調整つまみ(調整筒)の下端部とキャスター本体(車輪支持体)の上端部との間に、平座金と滑り座金とが配置されている。つまり、テーブルの荷重によって、高さ調整つまみ(調整筒)の下端部と平座金とが当接せしめられ、平座金と滑り座金とが当接せしめられ、滑り座金とキャスター本体(車輪支持体)の上端部とが当接せしめられている。
【0007】
更に、特開2007−261542号公報の図4に記載された高さ調整機能付きキャスターでは、高さ調整つまみ(調整筒)が旋回軸(キャスター軸)の大径雄ねじ部に対して一方の向きに回転せしめられると、高さ調整つまみ(調整筒)が旋回軸(キャスター軸)に対して下向きに移動し、それにより、キャスター本体(車輪支持体)が旋回軸(キャスター軸)に対して下向きに高さ調整つまみ(調整筒)によって押し下げられ、その結果、テーブルの高さが高くなる。
【0008】
一方、特開2007−261542号公報の図4に記載された高さ調整機能付きキャスターでは、高さ調整つまみ(調整筒)が旋回軸(キャスター軸)の大径雄ねじ部に対して他方の向きに回転せしめられると、高さ調整つまみ(調整筒)が旋回軸(キャスター軸)に対して上向きに移動し、それにより、キャスター本体(車輪支持体)が高さ調整つまみ(調整筒)に追従して旋回軸(キャスター軸)に対して上向きに移動し、その結果、テーブルの高さが低くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2007−261542号公報の図4
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、特開2007−261542号公報の図4に記載された高さ調整機能付きキャスターでは、キャスター本体(車輪支持体)の旋回を円滑にするために高さ調整つまみ(調整筒)の下端部とキャスター本体(車輪支持体)の上端部との間に滑り座金が配置されている。
【0011】
そのため、特開2007−261542号公報の図4に記載された高さ調整機能付きキャスターでは、テーブルの荷重が小さい場合に、キャスター本体(車輪支持体)の上端部が滑り座金の下面に対して滑ることにより、キャスター本体(車輪支持体)が円滑に旋回できると考えられる。
【0012】
ところが、特開2007−261542号公報の図4に記載された高さ調整機能付きキャスターでは、テーブルの荷重が大きい場合に、テーブルの荷重の大きさに比例してキャスター本体(車輪支持体)の上端部と滑り座金との間の摩擦力が増大し、滑り座金と平座金との間の摩擦力が増大し、平座金と高さ調整つまみ(調整筒)の下端部との間の摩擦力が増大し、その結果、キャスター本体(車輪支持体)の旋回に伴って高さ調整つまみ(調整筒)が連れ回りしてしまうおそれがある。
【0013】
つまり、特開2007−261542号公報の図4に記載された高さ調整機能付きキャスターでは、キャスター本体(車輪支持体)の旋回に伴って高さ調整つまみ(調整筒)が連れ回りし、その結果、テーブルの高さが変化してしまうおそれがある。
【0014】
換言すれば、特開2007−261542号公報の図4に記載された高さ調整機能付きキャスターでは、キャスター本体(車輪支持体)の旋回時にテーブルの高さがテーブルの使用者の意に反して変化してしまうおそれがある。
【0015】
前記問題点に鑑み、本発明は、キャスター本体の旋回に伴って高さ調整つまみが連れ回りしてしまうおそれを低減することができる高さ調整機能付きキャスターを提供することを目的とする。
【0016】
詳細には、本発明は、高さ調整機能付きキャスターが取り付けられている被装着体の高さがキャスター本体の旋回時における高さ調整つまみの連れ回りによって変化してしまうおそれを低減することができる高さ調整機能付きキャスターを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
請求項1に記載の発明によれば、鉛直方向に延びている旋回軸(20)に対してキャスター本体(1)が旋回できるように、旋回軸(20)をキャスター本体(1)の旋回軸収容穴(1b)に装着し、
水平方向に延びている車軸(11)を中心に車輪(12−1,12−2)が回転できるように、車軸(11)をキャスター本体(1)の車軸収容穴(1a)に装着し、
高さ調整機能を有する高さ調整機能付きキャスター(30)において、
スリーブパーツ(5)とナット(6)とボルト(3)と高さ調整つまみ(2)とによって旋回軸(20)を構成し、
スリーブパーツ(5)の旋回軸部(5a)の係合部(5a2)がキャスター本体(1)の旋回軸収容穴(1b)の環状突起(1b2)を乗り越えるように、キャスター本体(1)の旋回軸収容穴(1b)に対してスリーブパーツ(5)の旋回軸部(5a)を圧入することによってスリーブパーツ(5)の旋回軸部(5a)をキャスター本体(1)の旋回軸収容穴(1b)に装着すると、
スリーブパーツ(5)の旋回軸部(5a)の嵌合部(5a1)と、キャスター本体(1)の旋回軸収容穴(1b)の嵌合部(1b1)とによって隙間嵌めが構成されると共に、スリーブパーツ(5)の旋回軸部(5a)の嵌合部(5a1)と係合部(5a2)との間の環状溝(5a3)と、キャスター本体(1)の旋回軸収容穴(1b)の環状突起(1b2)とによって隙間嵌めが構成され、
それにより、キャスター本体(1)がスリーブパーツ(5)の旋回軸部(5a)に対して旋回可能に構成されると共に、スリーブパーツ(5)の旋回軸部(5a)がキャスター本体(1)から抜けなくなり、
ナット(6)の外側表面(6b)と、ナット(6)の外側表面(6b)と概略相補形状のスリーブパーツ(5)の上部(5b)のナット収容穴(5b1)とを嵌合させることにより、ナット(6)がスリーブパーツ(5)に対して回転できないように、ナット(6)をスリーブパーツ(5)の上部(5b)のナット収容穴(5b1)に装着し、
スリーブパーツ(5)の上部(5b)の係合突起(5b2)が高さ調整つまみ(2)の収容穴(2b)の係合突起(2b1)を乗り越えるように、概略六角形の水平断面形状を有する高さ調整つまみ(2)の収容穴(2b)に対して、高さ調整つまみ(2)の収容穴(2b)と概略相補形状のスリーブパーツ(5)の上部(5b)を圧入することにより、スリーブパーツ(5)の上部(5b)を高さ調整つまみ(2)の収容穴(2b)に装着すると、
スリーブパーツ(5)とナット(6)と高さ調整つまみ(2)とが一体化せしめられてキャスター本体(1)に対して回転可能に構成されると共に、スリーブパーツ(5)の上部(5b)が高さ調整つまみ(2)から抜けなくなり、
ボルト(3)の雄ねじ部(3b)を高さ調整つまみ(2)のボルト収容穴(2c)に挿入すると共に、ボルト(3)の雄ねじ部(3b)とナット(6)の雌ねじ部(6a)とを螺合させ、
一体化せしめられているスリーブパーツ(5)とナット(6)と高さ調整つまみ(2)とをボルト(3)に対して回転させることによって、ボルト(3)の高さを調整できるようにし、
スリーブパーツ(5)に対するキャスター本体(1)の旋回時に一体化せしめられているスリーブパーツ(5)とナット(6)と高さ調整つまみ(2)とがキャスター本体(1)と共に連れ回りしてしまうのを防止するための締まり嵌めを、ボルト(3)の雄ねじ部(3b)と、高さ調整つまみ(2)のボルト収容穴(2c)および/またはスリーブパーツ(5)の旋回軸部(5a)のボルト収容穴(5a4)とによって構成したことを特徴とする高さ調整機能付きキャスター(30)が提供される。
【0018】
請求項2に記載の発明によれば、スリーブパーツ(5)に対するキャスター本体(1)の旋回時に一体化せしめられているスリーブパーツ(5)とナット(6)と高さ調整つまみ(2)とがキャスター本体(1)と共に連れ回りしてしまうのを防止するための締まり嵌めを、ボルト(3)の雄ねじ部(3b)と、高さ調整つまみ(2)のボルト収容穴(2c)の内周面の円筒状部分(2c1)からボルト収容穴(2c)の中心軸線側に突出せしめられた環状突起(2c2)とによって構成したことを特徴とする請求項1に記載の高さ調整機能付きキャスター(30)が提供される。
【0019】
請求項3に記載の発明によれば、スリーブパーツ(5)に対するキャスター本体(1)の旋回時に一体化せしめられているスリーブパーツ(5)とナット(6)と高さ調整つまみ(2)とがキャスター本体(1)と共に連れ回りしてしまうのを防止するための締まり嵌めを、ボルト(3)の雄ねじ部(3b)と、高さ調整つまみ(2)のボルト収容穴(2c)の内周面からボルト収容穴(2c)の中心軸線側に突出せしめられた環状突起(2c2)とによって構成したことを特徴とする請求項1に記載の高さ調整機能付きキャスター(30)が提供される。
【0020】
請求項4に記載の発明によれば、1個の環状突起(2c2)を高さ調整つまみ(2)のボルト収容穴(2c)の内周面に形成したことを特徴とする請求項2又は3に記載の高さ調整機能付きキャスター(30)が提供される。
【0021】
請求項5に記載の発明によれば、スリーブパーツ(5)に対するキャスター本体(1)の旋回時に一体化せしめられているスリーブパーツ(5)とナット(6)と高さ調整つまみ(2)とがキャスター本体(1)と共に連れ回りしてしまうのを防止するための締まり嵌めを、ボルト(3)の雄ねじ部(3b)と、スリーブパーツ(5)の旋回軸部(5a)のボルト収容穴(5a4)の内周面の円筒状部分(5a4a)からボルト収容穴(5a4)の中心軸線側に突出せしめられた平面状突起(5a4b)とによって構成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の高さ調整機能付きキャスター(30)が提供される。
【0022】
請求項6に記載の発明によれば、鉛直方向に延びている4個の平面状突起(5a4b)をスリーブパーツ(5)の旋回軸部(5a)のボルト収容穴(5a4)の内周面に周方向に均等に配列したことを特徴とする請求項5に記載の高さ調整機能付きキャスター(30)が提供される。
【発明の効果】
【0023】
請求項1〜6に記載の高さ調整機能付きキャスター(30)では、鉛直方向に延びている旋回軸(20)に対してキャスター本体(1)が旋回できるように、旋回軸(20)がキャスター本体(1)の旋回軸収容穴(1b)に装着されている。更に、水平方向に延びている車軸(11)を中心に車輪(12−1,12−2)が回転できるように、車軸(11)がキャスター本体(1)の車軸収容穴(1a)に装着されている。
【0024】
詳細には、請求項1〜6に記載の高さ調整機能付きキャスター(30)では、スリーブパーツ(5)とナット(6)とボルト(3)と高さ調整つまみ(2)とによって旋回軸(20)が構成されている。
【0025】
更に、請求項1〜6に記載の高さ調整機能付きキャスター(30)では、スリーブパーツ(5)の旋回軸部(5a)の係合部(5a2)がキャスター本体(1)の旋回軸収容穴(1b)の環状突起(1b2)を乗り越えるように、キャスター本体(1)の旋回軸収容穴(1b)に対してスリーブパーツ(5)の旋回軸部(5a)を圧入することによってスリーブパーツ(5)の旋回軸部(5a)がキャスター本体(1)の旋回軸収容穴(1b)に装着されると、スリーブパーツ(5)の旋回軸部(5a)の嵌合部(5a1)と、キャスター本体(1)の旋回軸収容穴(1b)の嵌合部(1b1)とによって隙間嵌めが構成されると共に、スリーブパーツ(5)の旋回軸部(5a)の嵌合部(5a1)と係合部(5a2)との間の環状溝(5a3)と、キャスター本体(1)の旋回軸収容穴(1b)の環状突起(1b2)とによって隙間嵌めが構成される。
【0026】
それにより、請求項1〜6に記載の高さ調整機能付きキャスター(30)では、キャスター本体(1)がスリーブパーツ(5)の旋回軸部(5a)に対して旋回可能に構成されると共に、スリーブパーツ(5)の旋回軸部(5a)がキャスター本体(1)から抜けなくなる。
【0027】
そのため、請求項1〜6に記載の高さ調整機能付きキャスター(30)によれば、キャスター本体(1)に対するスリーブパーツ(5)の取り付けおよび固定を容易に行うことができる。
【0028】
また、請求項1〜6に記載の高さ調整機能付きキャスター(30)では、ナット(6)の外側表面(6b)と、ナット(6)の外側表面(6b)と概略相補形状のスリーブパーツ(5)の上部(5b)のナット収容穴(5b1)とを嵌合させることにより、ナット(6)がスリーブパーツ(5)に対して回転できないように、ナット(6)がスリーブパーツ(5)の上部(5b)のナット収容穴(5b1)に装着される。
【0029】
更に、請求項1〜6に記載の高さ調整機能付きキャスター(30)では、スリーブパーツ(5)の上部(5b)の係合突起(5b2)が高さ調整つまみ(2)の収容穴(2b)の係合突起(2b1)を乗り越えるように、概略六角形の水平断面形状を有する高さ調整つまみ(2)の収容穴(2b)に対して、高さ調整つまみ(2)の収容穴(2b)と概略相補形状のスリーブパーツ(5)の上部(5b)を圧入することにより、スリーブパーツ(5)の上部(5b)が高さ調整つまみ(2)の収容穴(2b)に装着されると、スリーブパーツ(5)とナット(6)と高さ調整つまみ(2)とが一体化せしめられてキャスター本体(1)に対して回転可能に構成されると共に、スリーブパーツ(5)の上部(5b)が高さ調整つまみ(2)から抜けなくなる。
【0030】
そのため、請求項1〜6に記載の高さ調整機能付きキャスター(30)によれば、接着、ねじ止めなどを用いることなく、スリーブパーツ(5)とナット(6)と高さ調整つまみ(2)とを容易に一体化させることができる。
【0031】
また、請求項1〜6に記載の高さ調整機能付きキャスター(30)では、ボルト(3)の雄ねじ部(3b)が高さ調整つまみ(2)のボルト収容穴(2c)に挿入されると共に、ボルト(3)の雄ねじ部(3b)とナット(6)の雌ねじ部(6a)とが螺合せしめられる。更に、一体化せしめられているスリーブパーツ(5)とナット(6)と高さ調整つまみ(2)とをボルト(3)に対して回転させることにより、ボルト(3)の高さ(鉛直方向位置)が調整(変更)される。
【0032】
そのため、請求項1〜6に記載の高さ調整機能付きキャスター(30)によれば、ボルト(3)の高さ(鉛直方向位置)を調整(変更)することにより、高さ調整機能付きキャスター(30)が取り付けられている被装着体の高さを調整することができる。
【0033】
更に、請求項1〜6に記載の高さ調整機能付きキャスター(30)では、スリーブパーツ(5)に対するキャスター本体(1)の旋回時に一体化せしめられているスリーブパーツ(5)とナット(6)と高さ調整つまみ(2)とがキャスター本体(1)と共に連れ回りしてしまうのを防止するための締まり嵌めが、ボルト(3)の雄ねじ部(3b)と、高さ調整つまみ(2)のボルト収容穴(2c)および/またはスリーブパーツ(5)の旋回軸部(5a)のボルト収容穴(5a4)とによって構成されている。
【0034】
つまり、請求項1〜6に記載の高さ調整機能付きキャスター(30)では、一体化せしめられているスリーブパーツ(5)とナット(6)と高さ調整つまみ(2)とがボルト(3)に対して回転する時における高さ調整つまみ(2)のボルト収容穴(2c)および/またはスリーブパーツ(5)の旋回軸部(5a)のボルト収容穴(5a4)とボルト(3)の雄ねじ部(3b)との間の摺動抵抗が、キャスター本体(1)がスリーブパーツ(5)に対して旋回する時におけるキャスター本体(1)とスリーブパーツ(5)との間の摺動抵抗よりも高くなるように、ボルト(3)の雄ねじ部(3b)と高さ調整つまみ(2)のボルト収容穴(2c)および/またはスリーブパーツ(5)の旋回軸部(5a)のボルト収容穴(5a4)とによって締まり嵌めが構成されている。
【0035】
そのため、請求項1〜6に記載の高さ調整機能付きキャスター(30)によれば、スリーブパーツ(5)に対するキャスター本体(1)の旋回時に一体化せしめられているスリーブパーツ(5)とナット(6)と高さ調整つまみ(2)とがキャスター本体(1)と共に連れ回りしてしまうおそれを低減することができる。
【0036】
つまり、請求項1〜6に記載の高さ調整機能付きキャスター(30)によれば、スリーブパーツ(5)に対するキャスター本体(1)の旋回時にスリーブパーツ(5)とナット(6)と高さ調整つまみ(2)とがキャスター本体(1)と共に連れ回りするのに伴って、高さ調整機能付きキャスター(30)が取り付けられている被装着体の高さが変化してしまうおそれを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30を示した図である。
【図2】第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30を示した図である。
【図3】第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30の分解斜視図である。
【図4】第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30の分解斜視図である。
【図5】第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30の一部を構成するキャスター本体1の部品図である。
【図6】第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30の一部を構成するキャスター本体1の部品図である。
【図7】第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30の一部を構成するストッパ7の部品図である。
【図8】第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30の一部を構成するストッパ7の部品図である。
【図9】第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30の一部を構成するレバー4の部品図である。
【図10】第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30の一部を構成するレバー4の部品図である。
【図11】第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30の一部を構成するバネ座部材8の部品図である。
【図12】第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30の一部を構成する左車輪12−1(右車輪12−2)の部品図である。
【図13】第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30の一部を構成する車軸11の部品図である。
【図14】第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30の一部を構成するスリーブパーツ5の部品図である。
【図15】第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30の一部を構成する高さ調整つまみ2の部品図である。
【図16】第5の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30の一部を構成する高さ調整つまみ2のボルト収容穴2cの拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明の高さ調整機能付きキャスターの第1の実施形態について説明する。図1〜図4は第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30を示した図である。詳細には、図1(A)は高さ調整機能付きキャスター30の平面図である。図1(B)は高さ調整機能付きキャスター30の左側面図である。図1(C)は高さ調整機能付きキャスター30の底面図である。図2(A)は高さ調整機能付きキャスター30の正面図(高さ調整機能付きキャスター30の走行時に走行方向前側から高さ調整機能付きキャスター30を見た図)である。図2(B)は図2(A)のA−A線に沿った断面図である。図2(C)は左車輪12−1を透視して見た高さ調整機能付きキャスター30の左側面図である。
【0039】
詳細には、図1(A)、図1(B)、図1(C)、図2(A)および図2(B)はストッパ7が左車輪12−1および右車輪12−2の最下点よりも上側に格納せしめらた格納位置に配置され、左車輪12−1および右車輪12−2によって高さ調整機能付きキャスター30が走行可能な状態を示している。一方、図2(C)はストッパ7が左車輪12−1および右車輪12−2の最下点よりも下側に突出せしめらた突出位置に配置され、左車輪12−1および右車輪12−2によって高さ調整機能付きキャスター30が走行することができない状態を示している。
【0040】
図3および図4は第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30の分解斜視図である。図5および図6は第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30の一部を構成するキャスター本体1の部品図である。詳細には、図5(A)はキャスター本体1の平面図、図5(B)はキャスター本体1の左側面図、図5(C)はキャスター本体1の正面図(高さ調整機能付きキャスター30の走行時に走行方向前側からキャスター本体1を見た図)、図5(D)はキャスター本体1の底面図である。図6(A)はキャスター本体1の左側面図、図6(B)はキャスター本体1の後側面図、図6(C)は図5(A)のB−B線に沿った断面図である。
【0041】
図7および図8は第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30の一部を構成するストッパ7の部品図である。詳細には、図7(A)はストッパ7の右側面図、図7(B)はストッパ7の平面図、図7(C)はストッパ7の左側面図、図7(D)はストッパ7の後側面図、図7(E)はストッパ7の底面図、図8(A)はストッパ7の斜視図、図8(B)は図7(B)のC−C線に沿った断面図である。
【0042】
図9および図10は第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30の一部を構成するレバー4の部品図である。詳細には、図9(A)はレバー4の右側面図、図9(B)はレバー4の正面図、図9(C)はレバー4の左側面図、図9(D)は図9(C)のE−E線に沿った断面図、図10(A)は図9(A)のD−D線に沿った断面図、図10(B)はレバー4の斜視図である。
【0043】
図11は第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30の一部を構成するバネ座部材8の部品図である。詳細には、図11(A)はバネ座部材8の平面図、図11(B)はバネ座部材8の正面図、図11(C)はバネ座部材8の左側面図、図11(D)はバネ座部材8の斜視図である。
【0044】
図12は第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30の一部を構成する左車輪12−1(右車輪12−2)の部品図である。詳細には、図12(A)は左車輪12−1の左側面図(右車輪12−2の右側面図)である。図12(B)は左車輪12−1の正面図(高さ調整機能付きキャスター30の走行時に走行方向前側から左車輪12−1を見た図)(右車輪12−2の後側面図(高さ調整機能付きキャスター30の走行時に走行方向後側から右車輪12−2を見た図))である。図12(C)は図12(A)のF−F線に沿った断面図、図12(D)は左車輪12−1の斜視図(右車輪12−2の斜視図)である。
【0045】
図13は第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30の一部を構成する車軸11の部品図である。詳細には、図13(A)は車軸11の正面図、図13(B)は車軸11の右側面図である。図14は第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30の一部を構成するスリーブパーツ5の部品図である。詳細には、図14(A)はスリーブパーツ5の平面図、図14(B)はスリーブパーツ5の正面図、図14(C)はスリーブパーツ5の斜視図、図14(D)は図14(B)のG−G線に沿った断面図、図14(E)は図14(A)に示すボルト収容穴5a4の拡大図である。
【0046】
図15は第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30の一部を構成する高さ調整つまみ2の部品図である。詳細には、図15(A)は高さ調整つまみ2の正面図、図15(B)は高さ調整つまみ2の底面図、図15(C)は図15(B)のH−H線に沿った断面図、図15(D)は高さ調整つまみ2の斜視図、図15(E)は図15(C)に示すボルト収容穴2cの拡大断面図である。図16は第5の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30の一部を構成する高さ調整つまみ2のボルト収容穴2cの拡大断面図である。
【0047】
第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30では、図2(B)、図3および図4に示すように、例えばPAのような樹脂材料などによって形成されたスリーブパーツ5と、例えば金属製のナット6と、例えば金属製のボルト3と、例えばPA、POMのような樹脂材料などによって形成された高さ調整つまみ2とによって、旋回軸ユニット20が構成されている。
【0048】
第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30の組立時には、図2(B)、図3および図4に示すように、旋回軸ユニット20が、例えばPAのような樹脂材料などによって形成されたキャスター本体1の旋回軸収容穴1b(図5および図6参照)に装着される。詳細には、第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30の組立時には、図2(B)に示すように、スリーブパーツ5の旋回軸部5a(図14参照)の係合部5a2(図14参照)がキャスター本体1の旋回軸収容穴1bの環状突起1b2(図6(C)参照)を乗り越えるように、キャスター本体1の旋回軸収容穴1bに対してスリーブパーツ5の旋回軸部5aが圧入され、スリーブパーツ5の旋回軸部5aがキャスター本体1の旋回軸収容穴1bに装着される。
【0049】
その結果、第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30では、図2(B)に示すように、スリーブパーツ5の旋回軸部5a(図14参照)の嵌合部5a1(図14参照)と、キャスター本体1の旋回軸収容穴1b(図6(C)参照)の嵌合部1b1(図6(C)参照)とによって隙間嵌めが構成される。更に、スリーブパーツ5の旋回軸部5aの嵌合部5a1と係合部5a2(図14参照)との間の環状溝5a3(図14参照)と、キャスター本体1の旋回軸収容穴1bの環状突起1b2(図6(C)参照)とによって隙間嵌めが構成される。
【0050】
そのため、第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30では、図2(B)に示すように、鉛直方向(図2(B)の上下方向)に延びているスリーブパーツ5の旋回軸部5a(図14参照)に対してキャスター本体1が旋回可能に構成される。更に、スリーブパーツ5の旋回軸部5aがキャスター本体1から抜けなくなる。
【0051】
また、第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30では、図5および図6に示すように、鉛直方向に延びている係合溝1c2(図5(B)および図5(D)参照)がキャスター本体1の左側面1cに形成されている。更に、鉛直方向に延びている係合溝1d2(図5(D)および図6(A))がキャスター本体1の右側面1dに形成されている。
【0052】
更に、第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30では、キャスター本体1(図5および図6参照)の左側面1c(図5および図6参照)の係合溝1c2(図5(B)および図5(D)参照)と係合する係合突起7c1a(図7(B)および図8(A)参照)が、例えばPAのような樹脂材料などによって形成されたストッパ7(図7および図8参照)の左側壁部7c(図7および図8参照)の内側表面7c1(図7(B)参照)に形成されている。また、キャスター本体1の右側面1d(図5および図6参照)の係合溝1d2(図5(D)および図6(A)参照)と係合する係合突起7d1a(図7(B)、図8(A)および図8(B)参照)が、ストッパ7の右側壁部7d(図7および図8参照)の内側表面7d1(図7(B)、図8(A)および図8(B)参照)に形成されている。
【0053】
また、第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30では、図8(A)に示すように、ストッパ7の左側壁部7cと右側壁部7dとが、底部7bによって橋絡されている。更に、図8(A)および図8(B)に示すように、ストッパ7の底部7bから鉛直方向上向き(図8(B)の上向き)に延びている柱状凸部7b1が設けられている。
【0054】
更に、第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30では、図5(D)および図6(C)に示すように、ストッパ7(図7および図8参照)の柱状凸部7b1(図7および図8参照)を収容するための収容穴1f1が、キャスター本体1の底面1fに形成されている。
【0055】
第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30の組立時には、図3に示すように、ストッパ7が格納位置に位置するようにストッパ7を鉛直方向上向き(図3の上向き)に付勢する圧縮コイルバネ9と、圧縮コイルバネ9の下端部9bに当接する上側表面8c(図11参照)を有する例えばPAのような樹脂材料などによって形成されたバネ座部材8とが、ストッパ7の柱状凸部7b1(図7および図8参照)の周りに配置される。更に、圧縮コイルバネ9の上端部9aと当接するねじ頭10bを有する例えば金属製のねじ10が、ストッパ7の柱状凸部7b1の上端部にねじ止めされる。詳細には、ねじ10の雄ねじ部10aと、ストッパ7の柱状凸部7b1のねじ収容穴7b1b(図7(B)、図8(A)および図8(B)参照)とが螺合せしめられる。
【0056】
次いで、第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30の組立時には、図3に示すように、バネ座部材8が、キャスター本体1の底面1f(図5および図6参照)の収容穴1f1(図5(D)および図6(C)参照)の入口部分に装着される。
【0057】
詳細には、第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30の組立時には、バネ座部材8の外側表面8a(図11参照)の係合突起8a2(図11参照)がキャスター本体1の底面1f(図5および図6参照)の収容穴1f1(図5(D)および図6(C)参照)の入口部分の嵌合部1f2(図6(C)参照)を乗り越えるように、キャスター本体1の底面1fの収容穴1f1の入口部分に対してバネ座部材8が圧入され、バネ座部材8がキャスター本体1の底面1fの収容穴1f1の入口部分に装着される。
【0058】
その結果、第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30では、図2(B)に示すように、バネ座部材8の外側表面8a(図11参照)の嵌合部8a1(図11参照)と、キャスター本体1の底面1f(図5および図6参照)の収容穴1f1(図6(C)参照)の入口部分の嵌合部1f2(図6(C)参照)とが嵌合せしめられる。更に、バネ座部材8の外側表面8aの係合突起8a2(図11参照)と、キャスター本体1の底面1fの収容穴1f1の入口部分の係合溝1f3(図6(C)参照)とが嵌合せしめられる。
【0059】
そのため、第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30では、図2(B)に示すように、バネ座部材8がキャスター本体1の底面1f(図5および図6参照)の収容穴1f1(図6(C)参照)の入口部分から抜けなくなる。その結果、圧縮コイルバネ9によってストッパ7が鉛直方向上向き(図2(B)の上向き)に付勢され、図2(B)に示す状態では、ストッパ7の接地部7a(図7および図8参照)が左車輪12−1(図2(A)参照)および右車輪12−2の最下点よりも上側に格納されている格納位置にストッパ7が配置されている。
【0060】
詳細には、第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30では、図2(B)に示すように、バネ座部材8の内側表面8b(図11参照)と、ストッパ7の柱状凸部7b1(図7および図8参照)の外側表面7b1a(図7および図8参照)とによって、隙間嵌め(滑り嵌め)が構成されている。更に、キャスター本体1の前側面1e(図5(B)、図5(D)および図6(C)参照)と、ストッパ7の前側壁部7e(図7および図8参照)の内側表面7e1(図7(B)および図8(B)参照)とによって、隙間嵌め(滑り嵌め)が構成されている。
【0061】
また、第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30では、キャスター本体1(図5および図6参照)の左側面1c(図5および図6参照)の凸状面1c1(図5(B)および図5(D)参照)と、ストッパ7(図7および図8参照)の左側壁部7c(図7(B)、図7(C)および図8(A)参照)の内側表面7c1(図7(B)参照)とによって、隙間嵌め(滑り嵌め)が構成されている。更に、キャスター本体1の左側面1cの係合溝1c2(図5(B)および図5(D)参照)と、ストッパ7の左側壁部7cの内側表面7c1の係合突起7c1a(図7(B)および図8(A)参照)とによって、隙間嵌め(滑り嵌め)が構成されている。
【0062】
更に、第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30では、キャスター本体1(図5および図6参照)の右側面1d(図5および図6参照)の凸状面1d1(図5(D)および図6(A)参照)と、ストッパ7(図7および図8参照)の右側壁部7d(図7(A)、図7(B)、図8(A)および図8(B)参照)の内側表面7d1(図7(B)、図8(A)および図8(B)参照)とによって、隙間嵌め(滑り嵌め)が構成されている。更に、キャスター本体1の右側面1dの係合溝1d2(図5(D)および図6(A)参照)と、ストッパ7の右側壁部7dの内側表面7d1の係合突起7d1a(図7(B)、図8(A)および図8(B)参照)とによって、隙間嵌め(滑り嵌め)が構成されている。
【0063】
その結果、第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30では、ストッパ7(図7および図8参照)がキャスター本体1(図5および図6参照)に対して鉛直方向(図2(B)の上下方向)に円滑にスライドすることができる。
【0064】
更に、第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30では、図3に示すように、キャスター本体1の左側面1c(図5および図6参照)と左車輪12−1との間に配置される左フランジ部4a(図9および図10参照)と、キャスター本体1の右側面1d(図5および図6参照)と右車輪12−2との間に配置される右フランジ部4b(図9および図10参照)と、左フランジ部4aと右フランジ部4bとを橋絡する中央部4c(図9および図10参照)とが、例えばPAのような樹脂材料などによって形成されたレバー4に設けられている。
【0065】
第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30の組立時には、図3に示すように、レバー4の左フランジ部4a(図9および図10参照)がキャスター本体1の左側面1c(図5および図6参照)の左側(図3の左側)に配置されると共に、レバー4の右フランジ部4b(図9および図10参照)がキャスター本体1の右側面1d(図5および図6参照)の右側(図3の右側)に配置される。次いで、水平方向に延びている例えば金属製の車軸11が、レバー4の左フランジ部4aの車軸収容穴4a1(図9(C)、図9(D)および図10(B)参照)、キャスター本体1の車軸収容穴1a(図5(B)、図6(A)および図6(B)参照)およびレバー4の右フランジ部4bの車軸収容穴4b1(図9(D)、図10(A)および図10(B)参照)に挿入される。
【0066】
詳細には、第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30では、レバー4(図9および図10参照)の左フランジ部4a(図9および図10参照)の車軸収容穴4a1(図9(C)、図9(D)および図10(B)参照)と、車軸11(図13参照)の外周面うち、レバー4の左フランジ部4aの車軸収容穴4a1と嵌合する嵌合部11b(図13参照)とによって隙間嵌めが構成されている。更に、レバー4の右フランジ部4b(図9および図10参照)の車軸収容穴4b1(図9(D)、図10(A)および図10(B)参照)と、車軸11の外周面うち、レバー4の右フランジ部4bの車軸収容穴4b1と嵌合する嵌合部11c(図13参照)とによって隙間嵌めが構成されている。その結果、レバー4が車軸11を中心に回転可能に構成されている。
【0067】
次いで、第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30の組立時には、図3に示すように、左車輪12−1が車軸11の左端部11d(図13参照)に取り付けられると共に、右車輪12−2が車軸11の右端部11e(図13参照)に取り付けられる。詳細には、第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30の組立時には、図4に示すように、左ホイールカバー13−1が左車輪12−1に取り付けられると共に、右ホイールカバー13−2が右車輪12−2に取り付けられる。
【0068】
第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30では、図4に示すように、左車輪12−1と左ホイールカバー13−1とが別個に設けられ、右車輪12−2と右ホイールカバー13−2とが別個に設けられているが、第2の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30では、代わりに、左ホイールカバー13−1を省略すると共に、右ホイールカバー13−2を省略することも可能である。あるいは、第3の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30では、代わりに、左車輪12−1と左ホイールカバー13−1とを一部材として形成すると共に、右車輪12−2と右ホイールカバー13−2とを一部材として形成することも可能である。
【0069】
詳細には、第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30の組立時には、図12および図13に示すように、車軸11の左端部11dの係合部11d2が左車輪12−1の車軸収容穴12−1aの環状突起12−1a2を乗り越えるように、左車輪12−1の車軸収容穴12−1aに対して車軸11の左端部11dが圧入され、左車輪12−1が車軸11の左端部11dに取り付けられる。
【0070】
その結果、第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30では、図12および図13に示すように、車軸11の左端部11dの嵌合部11d1と、左車輪12−1の車軸収容穴12−1aの嵌合部12−1a1とによって隙間嵌めが構成されると共に、車軸11の左端部11dの嵌合部11d1と係合部11d2との間の環状溝11d3と、左車輪12−1の車軸収容穴12−1aの環状突起12−1a2とによって隙間嵌めが構成される。
【0071】
そのため、第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30では、図12および図13に示すように、左車輪12−1が車軸11の左端部11dに対して回転可能に構成されると共に、車軸11の左端部11dが左車輪12−1から抜けなくなる。
【0072】
同様に、第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30の組立時には、図12および図13に示すように、車軸11の右端部11eの係合部11e2が右車輪12−2の車軸収容穴12−2aの環状突起12−2a2を乗り越えるように、右車輪12−2の車軸収容穴12−2aに対して車軸11の右端部11eが圧入され、右車輪12−2が車軸11の右端部11eに取り付けられる。
【0073】
その結果、第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30では、図12および図13に示すように、車軸11の右端部11eの嵌合部11e1と、右車輪12−2の車軸収容穴12−2aの嵌合部12−2a1とによって隙間嵌めが構成されると共に、車軸11の右端部11eの嵌合部11e1と係合部11e2との間の環状溝11e3と、右車輪12−2の車軸収容穴12−2aの環状突起12−2a2とによって隙間嵌めが構成される。
【0074】
そのため、第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30では、図12および図13に示すように、右車輪12−2が車軸11の右端部11eに対して回転可能に構成されると共に、車軸11の右端部11eが右車輪12−2から抜けなくなる。
【0075】
更に、第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30では、図2(C)に示すように、レバー4のロック用ハンドル部4c1が図2(C)の下向きに押動される(押し下げられる)ことによってレバー4がロック位置に配置される時に、ストッパ7の接地部7a(図7および図8参照)が左車輪12−1(図2(A)および図2(B)参照)および右車輪12−2(図2(B)参照)の最下点よりも下側(図2(C)の下側)に突出せしめられている突出位置にストッパ7が配置される。
【0076】
詳細には、第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30では、図2(C)に示すように、レバー4がロック位置に配置される時に、レバー4の左フランジ部4a(図9および図10参照)の高カム部4a2(図9(C)および図10(B)参照)がストッパ7の左側壁部7c(図7(B)、図7(C)および図8(A)参照)の上側表面7c2(図7(B)、図7(C)、図7(D)および図8(A)参照)の高カム当接部7c2a(図7(B)、図7(C)および図8(A)参照)に当接すると共に、レバー4の右フランジ部4b(図9および図10参照)の高カム部4b2(図10(A)参照)がストッパ7の右側壁部7d(図7(A)、図7(B)、図8(A)および図8(B)参照)の上側表面7d2(図7(A)、図7(B)、図7(D)および図8(B)参照)の高カム当接部7d2a(図7(A)、図7(B)および図8(A)参照)に当接する。その結果、図2(C)に示すように、ストッパ7が突出位置に配置される。
【0077】
更に詳細には、第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30では、レバー4(図9および図10参照)の左フランジ部4a(図9および図10参照)の高カム部4a2(図9(C)および図10(B)参照)の先端部4a2a(図9(C)および図10(B)参照)と概略相補形状の収容凹部7c2a1(図7(B)、図7(C)および図8(A)参照)が、ストッパ7(図7および図8参照)の左側壁部7c(図7(B)、図7(C)および図8(A)参照)の上側表面7c2(図7(B)、図7(C)、図7(D)および図8(A)参照)の高カム当接部7c2a(図7(B)、図7(C)および図8(A)参照)に形成されている。
【0078】
同様に、第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30では、レバー4(図9および図10参照)の右フランジ部4b(図9および図10参照)の高カム部4b2(図10(A)参照)の先端部4b2a(図10(A)参照)と概略相補形状の収容凹部7d2a1(図7(A)、図7(B)および図8(A)参照)が、ストッパ7(図7および図8参照)の右側壁部7d(図7(A)、図7(B)、図8(A)および図8(B)参照)の上側表面7d2(図7(A)、図7(B)、図7(D)および図8(B)参照)の高カム当接部7d2a(図7(A)、図7(B)および図8(A)参照)に形成されている。
【0079】
そのため、第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30では、図2(C)に示すように、レバー4がロック位置に配置される時に、レバー4の左フランジ部4a(図9および図10参照)の高カム部4a2(図9(C)および図10(B)参照)の先端部4a2a(図9(C)および図10(B)参照)と、ストッパ7の左側壁部7c(図7(B)、図7(C)および図8(A)参照)の上側表面7c2(図7(B)、図7(C)、図7(D)および図8(A)参照)の高カム当接部7c2a(図7(B)、図7(C)および図8(A)参照)の収容凹部7c2a1(図7(B)、図7(C)および図8(A)参照)とが嵌合せしめられると共に、レバー4の右フランジ部4b(図9および図10参照)の高カム部4b2(図10(A)参照)の先端部4b2a(図10(A)参照)と、ストッパ7の右側壁部7d(図7(A)、図7(B)、図8(A)および図8(B)参照)の上側表面7d2(図7(A)、図7(B)、図7(D)および図8(B)参照)の高カム当接部7d2a(図7(A)、図7(B)および図8(A)参照)の収容凹部7d2a1(図7(A)、図7(B)および図8(A)参照)とが嵌合せしめられる。
【0080】
詳細には、第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30では、図2(C)に示すように、レバー4がロック位置に配置される時に、レバー4の左フランジ部4a(図9および図10参照)の高カム部4a2(図9(C)および図10(B)参照)の先端部4a2a(図9(C)および図10(B)参照)と嵌合せしめられるストッパ7の左側壁部7c(図7(B)、図7(C)および図8(A)参照)の上側表面7c2(図7(B)、図7(C)、図7(D)および図8(A)参照)の高カム当接部7c2a(図7(B)、図7(C)および図8(A)参照)の収容凹部7c2a1(図7(B)、図7(C)および図8(A)参照)が、車軸11の中心軸線を含む鉛直面VSを隔ててレバー4のロック用ハンドル部4c1(図9および図10参照)の反対側(図2(C)の右側)に配置されている。
【0081】
つまり、第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30では、図2(C)に示すように、レバー4がロック位置に配置される時に、レバー4をアンロック位置に戻す側とは反対側の向きに(図2(C)の反時計回りにレバー4を回転させる向きに)、左フランジ部4a(図9および図10参照)の高カム部4a2(図9(C)および図10(B)参照)の先端部4a2a(図9(C)および図10(B)参照)が、ストッパ7の左側壁部7c(図7および図8参照)の上側表面7c2(図7(B)、図7(C)、図7(D)および図8(A)参照)の高カム当接部7c2a(図7(B)、図7(C)および図8(A)参照)の収容凹部7c2a1(図7(B)、図7(C)および図8(A)参照)から力を受けている。
【0082】
同様に、第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30では、図2(C)に示すように、レバー4がロック位置に配置される時に、レバー4の右フランジ部4b(図9および図10参照)の高カム部4b2(図10(A)参照)の先端部4b2a(図10(A)参照)と嵌合せしめられるストッパ7の右側壁部7d(図7(A)、図7(B)、図8(A)および図8(B)参照)の上側表面7d2(図7(A)、図7(B)、図7(D)および図8(B)参照)の高カム当接部7d2a(図7(A)、図7(B)および図8(A)参照)の収容凹部7d2a1(図7(A)、図7(B)および図8(A)参照)が、車軸11の中心軸線を含む鉛直面VSを隔ててレバー4のロック用ハンドル部4c1(図9および図10参照)の反対側(図2(C)の右側)に配置されている。
【0083】
つまり、第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30では、図2(C)に示すように、レバー4がロック位置に配置される時に、レバー4をアンロック位置に戻す側とは反対側の向きに(図2(C)の反時計回りにレバー4を回転させる向きに)、右フランジ部4b(図9および図10参照)の高カム部4b2(図10(A)参照)の先端部4b2a(図10(A)参照)が、ストッパ7の右側壁部7d(図7および図8参照)の上側表面7d2(図7(A)、図7(B)、図7(D)および図8(B)参照)の高カム当接部7d2a(図7(A)、図7(B)および図8(A)参照)の収容凹部7d2a1(図7(A)、図7(B)および図8(A)参照)から力を受けている。
【0084】
一方、第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30では、図1、図2(A)および図2(B)に示すように、レバー4のアンロック用ハンドル部4c2(図9および図10参照)が押動される(押し上げられる)ことによってレバー4がアンロック位置に配置される時に、ストッパ7の接地部7a(図7および図8参照)が左車輪12−1および右車輪12−2の最下点よりも上側に格納されている格納位置にストッパ7が配置される。
【0085】
詳細には、第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30では、図1、図2(A)および図2(B)に示すように、レバー4がアンロック位置に配置されると、レバー4の左フランジ部4a(図9および図10参照)の高カム部4a2(図9(C)および図10(B)参照)がストッパ7の左側壁部7c(図7(B)、図7(C)および図8(A)参照)の上側表面7c2(図7(B)、図7(C)、図7(D)および図8(A)参照)の高カム当接部7c2a(図7(B)、図7(C)および図8(A)参照)に当接しなくなると共に、レバー4の右フランジ部4b(図9および図10参照)の高カム部4b2(図10(A)参照)がストッパ7の右側壁部7d(図7(A)、図7(B)、図8(A)および図8(B)参照)の上側表面7d2(図7(A)、図7(B)、図7(D)および図8(B)参照)の高カム当接部7d2a(図7(A)、図7(B)および図8(A)参照)に当接しなくなる。
【0086】
その結果、第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30では、図2(B)に示すように、ストッパ7が圧縮コイルバネ9によって格納位置の側(図2(B)の上側)に戻され、レバー4の左フランジ部4a(図9および図10参照)の低カム部4a3(図9(C)および図10(B)参照)がストッパ7の左側壁部7c(図7および図8参照)の上側表面7c2(図7(B)、図7(C)、図7(D)および図8(A)参照)の低カム当接部7c2b(図7(B)、図7(C)および図8(A)参照)に当接すると共に、レバー4の右フランジ部4b(図9および図10)の低カム部4b3(図10(A)参照))がストッパ7の右側壁部7d(図7および図8参照)の上側表面7d2(図7(A)、図7(B)、図7(D)および図8(B)参照)の低カム当接部7d2b(図7(A)、図7(B)、図8(A)および図8(B)参照)に当接する。それにより、図2(A)および図2(B)に示すように、ストッパ7が格納位置に配置されると共に、図1(B)および図2(B)に示すように、レバー4がアンロック位置に配置される。
【0087】
詳細には、第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30の組立時には、図4に示すように、ナット6の外側表面6bと、ナット6の外側表面6bと概略相補形状のスリーブパーツ5の上部5b(図14参照)のナット収容穴5b1(図14参照)とを嵌合させることにより、ナット6がスリーブパーツ5に対して回転できないように、ナット6がスリーブパーツ5の上部5bのナット収容穴5b1に装着される。更に、スリーブパーツ5の上部5bの係合突起5b2(図14参照)が高さ調整つまみ2の収容穴2b(図15参照)の係合突起2b1(図15参照)を乗り越えるように、概略六角形の水平断面形状を有する高さ調整つまみ2の収容穴2bに対して、高さ調整つまみ2の収容穴2bと概略相補形状のスリーブパーツ5の上部5bを圧入することにより、スリーブパーツ5の上部5bが高さ調整つまみ2の収容穴2bに装着される。
【0088】
その結果、第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30では、図2(B)に示すように、スリーブパーツ5とナット6と高さ調整つまみ2とが一体化せしめられてキャスター本体1に対して回転可能に構成されると共に、スリーブパーツ5の上部5b(図14参照)が高さ調整つまみ2から抜けなくなる。
【0089】
更に、第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30の組立時には、図4に示すように、ボルト3の雄ねじ部3bが高さ調整つまみ2のボルト収容穴2c(図15参照)に挿入されると共に、ボルト3の雄ねじ部3bとナット6の雌ねじ部6aとが螺合せしめられる。
【0090】
その結果、第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30では、図2(B)に示すように、一体化せしめられているスリーブパーツ5とナット6と高さ調整つまみ2とをボルト3に対して回転させることにより、ボルト3の鉛直方向(図2(B)の上下方向)位置を変更することができる。
【0091】
第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30は、例えば家具などのような被装着体(図示せず)の底面(図示せず)に対して取り付けられる。詳細には、被装着体の底面に形成された雌ねじ部(図示せず)と、ボルト3(図4参照)の雄ねじ部3a(図4参照)とを螺合させることにより、高さ調整機能付きキャスター30が被装着体の底面に取り付けられる。
【0092】
更に、第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30では、図2(B)に示すように、一体化せしめられているスリーブパーツ5とナット6と高さ調整つまみ2とをボルト3に対して回転させ、ボルト3の鉛直方向(図2(B)の上下方向)位置を変更することにより、床面に対する被装着体の高さを調整することができる。
【0093】
第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30では、上述したように、被装着体(図示せず)の底面(図示せず)に形成された雌ねじ部(図示せず)と、ボルト3(図4参照)の雄ねじ部3a(図4参照)とを螺合させることにより、高さ調整機能付きキャスター30が被装着体の底面に取り付けられるが、第4の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30では、代わりに、ボルト3の雄ねじ部3aを省略すると共に、ボルト3の中間部3cを板状に構成し、被装着体の底面とボルト3の中間部3cとを接合することにより、高さ調整機能付きキャスター30を被装着体の底面に取り付けることも可能である。
【0094】
また、第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30では、図2(B)に示すように、スリーブパーツ5に対するキャスター本体1の旋回時に、一体化せしめられているスリーブパーツ5とナット6と高さ調整つまみ2とがキャスター本体1と共にボルト3に対して連れ回りしてしまうのを防止するために、ボルト3の雄ねじ部3b(図4参照)と高さ調整つまみ2のボルト収容穴2c(図15参照)とによって締まり嵌めが構成されている。
【0095】
詳細には、第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30では、スリーブパーツ5(図2(B)参照)に対するキャスター本体1(図2(B)参照)の旋回時に一体化せしめられているスリーブパーツ5(図2(B)参照)とナット6(図2(B)参照)と高さ調整つまみ2(図2(B)参照)とがキャスター本体1(図2(B)参照)と共に連れ回りしてしまうのを防止するための締まり嵌めが、ボルト3(図2(B)参照)の雄ねじ部3b(図4参照)と、高さ調整つまみ2(図2(B)参照)のボルト収容穴2c(図15参照)の内周面の円筒状部分2c1(図15(E)参照)からボルト収容穴2c(図15参照)の中心軸線側に突出せしめられた環状突起2c2(図15(E)参照)とによって構成されている。
【0096】
更に詳細には、第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30では、1個の環状突起2c2(図15(E)参照)が高さ調整つまみ2(図2(B)および図15参照)のボルト収容穴2c(図15参照)の内周面に形成されている。
【0097】
第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30では、上述したように、例えばPA、POMのような硬質な樹脂材料などによって高さ調整つまみ2(図15参照)が形成されているが、第5の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30では、代わりに、例えばポリウレタン、ゴムのような軟質な樹脂材料などによって高さ調整つまみ2が形成されている。
【0098】
第5の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30では、第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30と同様に、図2(B)に示すように、スリーブパーツ5に対するキャスター本体1の旋回時に、一体化せしめられているスリーブパーツ5とナット6と高さ調整つまみ2とがキャスター本体1と共にボルト3に対して連れ回りしてしまうのを防止するために、ボルト3の雄ねじ部3b(図4参照)と高さ調整つまみ2のボルト収容穴2c(図16参照)とによって締まり嵌めが構成されている。
【0099】
詳細には、第5の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30では、スリーブパーツ5(図2(B)参照)に対するキャスター本体1(図2(B)参照)の旋回時に一体化せしめられているスリーブパーツ5(図2(B)参照)とナット6(図2(B)参照)と高さ調整つまみ2(図2(B)参照)とがキャスター本体1(図2(B)参照)と共に連れ回りしてしまうのを防止するための締まり嵌めが、ボルト3(図2(B)参照)の雄ねじ部3b(図4参照)と、高さ調整つまみ2(図2(B)参照)のボルト収容穴2c(図16参照)の内周面からボルト収容穴2c(図16参照)の中心軸線側に突出せしめられた環状突起2c2(図16参照)とによって構成されている。
【0100】
更に詳細には、第5の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30では、1個の環状突起2c2(図16参照)が高さ調整つまみ2(図2(B)および図15参照)のボルト収容穴2c(図16参照)の内周面に形成されている。
【0101】
更に、第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30では、図2(B)に示すように、スリーブパーツ5に対するキャスター本体1の旋回時に、一体化せしめられているスリーブパーツ5とナット6と高さ調整つまみ2とがキャスター本体1と共にボルト3に対して連れ回りしてしまうのを防止するために、ボルト3の雄ねじ部3b(図4参照)とスリーブパーツ5の旋回軸部5a(図14参照)のボルト収容穴5a4(図14参照)とによって締まり嵌めが構成されている。
【0102】
詳細には、第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30では、スリーブパーツ5(図2(B)参照)に対するキャスター本体1(図2(B)参照)の旋回時に一体化せしめられているスリーブパーツ5(図2(B)参照)とナット6(図2(B)参照)と高さ調整つまみ2(図2(B)参照)とがキャスター本体1(図2(B)参照)と共に連れ回りしてしまうのを防止するための締まり嵌めが、ボルト3(図2(B)参照)の雄ねじ部3b(図4参照)と、スリーブパーツ5(図2(B)参照)の旋回軸部5a(図14参照)のボルト収容穴5a4(図14参照)の内周面の円筒状部分5a4a(図14(D)および図14(E)参照)からボルト収容穴5a4(図14参照)の中心軸線側に突出せしめられた平面状突起5a4b(図14(D)および図14(E)参照)とによって構成されている。
【0103】
更に詳細には、第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30では、鉛直方向(図14(D)の左右方向)に延びている4個の平面状突起5a4b(図14(D)および図14(E)参照)がスリーブパーツ5(図2(B)および図14参照)の旋回軸部5a(図14参照)のボルト収容穴5a4(図14(E)参照)の内周面に周方向に均等に配列されている。
【0104】
第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30では、ストッパ7(図2(B)参照)の接地部7a(図7および図8参照)を左車輪12−1(図2(A)および図2(B)参照)および右車輪12−2(図2(B)参照)の最下点よりも下側(図2(C)の下側)に突出させる機能が設けられているが、第6の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30では、代わりに、この機能を省略することも可能である。つまり、第5の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30では、ストッパ7(図2(B)参照)、レバー4(図2(B)参照)などを省略することも可能である。
【0105】
また、第1の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30では、キャスター本体1(図4参照)の両側に左車輪12−1(図4参照)および右車輪12−2(図4参照)が配置されているが、第7の実施形態の高さ調整機能付きキャスター30では、代わりに、車輪収容凹部(図示せず)をキャスター本体1(図4参照)の中央部に形成し、キャスター本体1(図4参照)の車輪収容凹部(図示せず)内に1個のみの車輪(図示せず)を配置することも可能である。
【0106】
第8の実施形態では、上述した第1から第7の実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0107】
1 キャスター本体
1a 車軸収容穴
1b 旋回軸収容穴
1b1 嵌合部
1b2 環状突起
1c 左側面
1c1 凸状面
1c2 係合溝
1d 右側面
1d1 凸状面
1d2 係合溝
1e 前側面
1f 底面
1f1 収容穴
1f2 嵌合部
1f3 係合溝
2 高さ調整つまみ
2a つまみ部(ローレット部)
2b 収容穴
2b1 係合突起
2c ボルト収容穴
2c1 円筒状部分
2c2 環状突起
3 ボルト
3a 雄ねじ部
3b 雄ねじ部
3c 中間部
4 レバー
4a 左フランジ部
4a1 車軸収容穴
4a2 高カム部
4a2a 先端部
4a3 低カム部
4b 右フランジ部
4b1 車軸収容穴
4b2 高カム部
4b2a 先端部
4b3 低カム部
4c 中央部
4c1 ロック用ハンドル部
4c2 アンロック用ハンドル部
5 スリーブパーツ
5a 旋回軸部
5a1 嵌合部
5a2 係合部
5a3 環状溝
5a4 ボルト収容穴
5a4a 円筒状部分
5a4b 平面状突起
5b 上部
5b1 ナット収容穴
5b2 係合突起
6 ナット
6a 雌ねじ部
6b 外側表面
7 ストッパ
7a 接地部
7b 底部
7b1 柱状凸部
7b1a 外側表面
7b1b ねじ収容穴
7c 左側壁部
7c1 内側表面
7c1a 係合突起
7c2 上側表面
7c2a 高カム当接部
7c2a1 収容凹部
7c2b 低カム当接部
7d 右側壁部
7d1 内側表面
7d1a 係合突起
7d2 上側表面
7d2a 高カム当接部
7d2a1 収容凹部
7d2b 低カム当接部
7e 前側壁部
7e1 内側表面
8 バネ座部材
8a 外側表面
8a1 嵌合部
8a2 係合突起
8b 内側表面
8c 上側表面
9 圧縮コイルバネ
9a 上端部
9b 下端部
10 ねじ
10a 雄ねじ部
10b ねじ頭
11 車軸
11a 嵌合部
11b 嵌合部
11c 嵌合部
11d 左端部
11d1 嵌合部
11d2 係合部
11d3 環状溝
11e 右端部
11e1 嵌合部
11e2 係合部
11e3 環状溝
12−1 左車輪
12−1a 車軸収容穴
12−1a1 嵌合部
12−1a2 環状突起
12−2 右車輪
12−2a 車軸収容穴
12−2a1 嵌合部
12−2a2 環状突起
13−1 左ホイールカバー
13−2 右ホイールカバー
20 旋回軸ユニット
30 高さ調整機能付きキャスター
VS 鉛直面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉛直方向に延びている旋回軸(20)に対してキャスター本体(1)が旋回できるように、旋回軸(20)をキャスター本体(1)の旋回軸収容穴(1b)に装着し、
水平方向に延びている車軸(11)を中心に車輪(12−1,12−2)が回転できるように、車軸(11)をキャスター本体(1)の車軸収容穴(1a)に装着し、
高さ調整機能を有する高さ調整機能付きキャスター(30)において、
スリーブパーツ(5)とナット(6)とボルト(3)と高さ調整つまみ(2)とによって旋回軸(20)を構成し、
スリーブパーツ(5)の旋回軸部(5a)の係合部(5a2)がキャスター本体(1)の旋回軸収容穴(1b)の環状突起(1b2)を乗り越えるように、キャスター本体(1)の旋回軸収容穴(1b)に対してスリーブパーツ(5)の旋回軸部(5a)を圧入することによってスリーブパーツ(5)の旋回軸部(5a)をキャスター本体(1)の旋回軸収容穴(1b)に装着すると、
スリーブパーツ(5)の旋回軸部(5a)の嵌合部(5a1)と、キャスター本体(1)の旋回軸収容穴(1b)の嵌合部(1b1)とによって隙間嵌めが構成されると共に、スリーブパーツ(5)の旋回軸部(5a)の嵌合部(5a1)と係合部(5a2)との間の環状溝(5a3)と、キャスター本体(1)の旋回軸収容穴(1b)の環状突起(1b2)とによって隙間嵌めが構成され、
それにより、キャスター本体(1)がスリーブパーツ(5)の旋回軸部(5a)に対して旋回可能に構成されると共に、スリーブパーツ(5)の旋回軸部(5a)がキャスター本体(1)から抜けなくなり、
ナット(6)の外側表面(6b)と、ナット(6)の外側表面(6b)と概略相補形状のスリーブパーツ(5)の上部(5b)のナット収容穴(5b1)とを嵌合させることにより、ナット(6)がスリーブパーツ(5)に対して回転できないように、ナット(6)をスリーブパーツ(5)の上部(5b)のナット収容穴(5b1)に装着し、
スリーブパーツ(5)の上部(5b)の係合突起(5b2)が高さ調整つまみ(2)の収容穴(2b)の係合突起(2b1)を乗り越えるように、概略六角形の水平断面形状を有する高さ調整つまみ(2)の収容穴(2b)に対して、高さ調整つまみ(2)の収容穴(2b)と概略相補形状のスリーブパーツ(5)の上部(5b)を圧入することにより、スリーブパーツ(5)の上部(5b)を高さ調整つまみ(2)の収容穴(2b)に装着すると、
スリーブパーツ(5)とナット(6)と高さ調整つまみ(2)とが一体化せしめられてキャスター本体(1)に対して回転可能に構成されると共に、スリーブパーツ(5)の上部(5b)が高さ調整つまみ(2)から抜けなくなり、
ボルト(3)の雄ねじ部(3b)を高さ調整つまみ(2)のボルト収容穴(2c)に挿入すると共に、ボルト(3)の雄ねじ部(3b)とナット(6)の雌ねじ部(6a)とを螺合させ、
一体化せしめられているスリーブパーツ(5)とナット(6)と高さ調整つまみ(2)とをボルト(3)に対して回転させることによって、ボルト(3)の高さを調整できるようにし、
スリーブパーツ(5)に対するキャスター本体(1)の旋回時に一体化せしめられているスリーブパーツ(5)とナット(6)と高さ調整つまみ(2)とがキャスター本体(1)と共に連れ回りしてしまうのを防止するための締まり嵌めを、ボルト(3)の雄ねじ部(3b)と、高さ調整つまみ(2)のボルト収容穴(2c)および/またはスリーブパーツ(5)の旋回軸部(5a)のボルト収容穴(5a4)とによって構成したことを特徴とする高さ調整機能付きキャスター(30)。
【請求項2】
スリーブパーツ(5)に対するキャスター本体(1)の旋回時に一体化せしめられているスリーブパーツ(5)とナット(6)と高さ調整つまみ(2)とがキャスター本体(1)と共に連れ回りしてしまうのを防止するための締まり嵌めを、ボルト(3)の雄ねじ部(3b)と、高さ調整つまみ(2)のボルト収容穴(2c)の内周面の円筒状部分(2c1)からボルト収容穴(2c)の中心軸線側に突出せしめられた環状突起(2c2)とによって構成したことを特徴とする請求項1に記載の高さ調整機能付きキャスター(30)。
【請求項3】
スリーブパーツ(5)に対するキャスター本体(1)の旋回時に一体化せしめられているスリーブパーツ(5)とナット(6)と高さ調整つまみ(2)とがキャスター本体(1)と共に連れ回りしてしまうのを防止するための締まり嵌めを、ボルト(3)の雄ねじ部(3b)と、高さ調整つまみ(2)のボルト収容穴(2c)の内周面からボルト収容穴(2c)の中心軸線側に突出せしめられた環状突起(2c2)とによって構成したことを特徴とする請求項1に記載の高さ調整機能付きキャスター(30)。
【請求項4】
1個の環状突起(2c2)を高さ調整つまみ(2)のボルト収容穴(2c)の内周面に形成したことを特徴とする請求項2又は3に記載の高さ調整機能付きキャスター(30)。
【請求項5】
スリーブパーツ(5)に対するキャスター本体(1)の旋回時に一体化せしめられているスリーブパーツ(5)とナット(6)と高さ調整つまみ(2)とがキャスター本体(1)と共に連れ回りしてしまうのを防止するための締まり嵌めを、ボルト(3)の雄ねじ部(3b)と、スリーブパーツ(5)の旋回軸部(5a)のボルト収容穴(5a4)の内周面の円筒状部分(5a4a)からボルト収容穴(5a4)の中心軸線側に突出せしめられた平面状突起(5a4b)とによって構成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の高さ調整機能付きキャスター(30)。
【請求項6】
鉛直方向に延びている4個の平面状突起(5a4b)をスリーブパーツ(5)の旋回軸部(5a)のボルト収容穴(5a4)の内周面に周方向に均等に配列したことを特徴とする請求項5に記載の高さ調整機能付きキャスター(30)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−247761(P2010−247761A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−101493(P2009−101493)
【出願日】平成21年4月19日(2009.4.19)
【出願人】(591220665)株式会社石黒製作所 (18)