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高分子ゲル、高分子ゲル分散液、高分子ゲル複合体及びそれらの製造方法
説明

高分子ゲル、高分子ゲル分散液、高分子ゲル複合体及びそれらの製造方法

【目的】大気雰囲気下で、必要に応じて種々の形状および形態にて調製することが可能で、また、重合時に発生する精製工程や使用までの期間の特段の水分管理等の品質管理が必要でない、優れた吸水性、力学物性、機能性を示す高分子ゲルを提供すること。
【構成】水溶性有機モノマーから得られる重合体と水膨潤性粘土鉱物とからなる三次元網目を有する有機無機複合ゲルの粒子が結合してなる高分子ゲルおよび高分子ゲル複合体、及びそのための高分子ゲル分散液、およびそれらの製造方法を提供する。本発明により、大気雰囲気下で、必要に応じて種々の形状および形態の高分子ゲルおよび他素材と複合化された高分子ゲル複合体が得られた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高分子ゲル、高分子ゲル分散液、高分子ゲル複合体およびその製造法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
高分子ゲルは有機高分子の三次元架橋物が水または有機溶媒を含んで膨潤したものであり、膨潤性やゴム状弾性を有するソフトマテリアルとして、医療・医薬、食品、土木、バイオエンジニアリング、スポーツ関連などの分野で広く用いられている(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
これまでに本発明者らは、水溶性有機モノマーの重合体と層状粘土鉱物とが複合化して形成された三次元網目を有する有機無機複合ゲルが、優れた吸水性や高い力学物性、優れた刺激応答性などの特徴を有することについて報告した(例えば特許文献1参照)。かかる有機無機複合ゲルは、一般に層状剥離したクレイの存在下で水溶性有機モノマーをインシチュ重合して得られるが、重合は酸素フリー、すなわち、酸素を遮断して行う必要があった。また場合によっては、重合後に残存モノマーを除去したりする精製工程が必要であった。また、合成から使用するまでの期間が長い場合、含水率を一定に保つなどの保護手段が必要であり、品質管理、取り扱いにおいて特段の注意が必要であった。これに対して、かかる優れた物性・機能性を有する有機無機複合ゲルを、酸素のある通常の大気条件下で、しかも実際に用いる現場で容易に得ることができれば、その有用性は大いに高まることが期待されていた。更に、好ましくは、使用するまでの期間(含水率保持などの)特別な品質管理が必要でないことが望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−53629号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】「ゲルハンドブック」p226〜727、長田義仁、梶原莞爾編:エヌ・ティー・エヌ株式会社、1997年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、大気雰囲気下で、必要に応じて種々の形状および形態にて調製することが可能で、また、重合時に発生する精製工程や使用までの期間の特段の水分管理等の品質管理が必要でない、優れた吸水性、力学物性、機能性を示す高分子ゲルを提供すること。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究に取り組んだ結果、水溶性有機モノマーから得られる重合体と水膨潤性粘土鉱物とからなる三次元網目を有する有機無機複合ゲルの粒子が結合してなる高分子ゲルが上記課題を解決することを見いだし本発明に至った。より具体的には、水溶性有機モノマーから得られる重合体と水膨潤性粘土鉱物とからなる三次元網目を有する有機無機複合ゲルを粒子状乾燥物とし、次いで、水または溶質または溶質を含む水溶液と混合または接触させることにより一体化した高分子ゲルが得られること、また、該粒子状乾燥物を水または溶質または溶質を含む水溶液と混合したものは流動性を有し、且つ、一定時間後に一体化する特徴を有する高分子ゲル分散液であること、更に、該粒子状乾燥物を水または溶質または溶質を含む水溶液と混合したものを他素材と共に一体化させることなどを見出した。その結果、使用前の特段の品質管理や使用後の精製工程などを行うことなく、大気雰囲気下で、必要に応じて種々の形状および形態の高分子ゲルおよび他素材と複合化された高分子ゲル複合体が得られることが判明し本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、有機無機複合ゲルの粒子が一体化した高分子ゲルであって、該有機無機複合ゲルが、重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーの重合体(A)と水膨潤性粘土鉱物(B)により形成された三次元網目構造を有することを特徴とする高分子ゲルを提供するものである。
【0009】
また、本発明は、重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーの重合体(A)と水膨潤性粘土鉱物(B)により形成された三次元網目構造を有する有機無機複合ゲルの粒子状乾燥物(C)を、該粒子状乾燥物(C)の質量に対して1〜100倍量の水、溶質(D)又は溶質(D)を含有する水溶液と混合したことを特徴とする高分子ゲル分散液を提供するものである。
【0010】
また、本発明は、上記の高分子ゲル分散液を基材に注入、分散、含浸又は塗布して得られる高分子ゲル複合体を提供するものである。
【0011】
また、本発明は、重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーの重合体(A)と水膨潤性粘土鉱物(B)により形成された三次元網目構造を有する有機無機複合ゲルを粒子状乾燥物(C)とする工程(X)、及び該粒子状乾燥物(C)を、水、溶質(D)又は溶質(D)を含有する水溶液と混合又は接触させることにより一体化させる工程(Y)を有することを特徴とする高分子ゲルの製造方法を提供するものである。
【0012】
更に、本発明は、重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーの重合体(A)と水膨潤性粘土鉱物(B)により形成された三次元網目構造を有する有機無機複合ゲルの粒子状乾燥物(C)を、水、溶質(D)又は溶質(D)を含有する水溶液と混合することにより高分子ゲル分散液を製造し、該高分子分散液を基材に注入、分散、含浸又は塗布することにより高分子ゲルと該基材とが一体となった高分子ゲル複合体を製造する方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の高分子ゲルは、従来の有機無機複合ゲルとは異なり、一端調製された有機無機複合ゲルの粒子が結合してなる高分子ゲルである。そのため、調製過程に重合プロセスを含まず、且つ、大気雰囲気下で種々の形状および形態に調製することが可能となった。また、有機無機複合ゲルの粒子状乾燥物を用いることにより、使用までの期間、一般のヒドロゲルで必要な含水率保持などの特段の品質管理が必要でなくなった。更に、該粒子状乾燥物と水または溶質(D)または溶質(D)を含む水溶液を混合して流動化した高分子ゲル分散液を用いるため、必要に応じて、任意な場所で、任意な大きさで、任意な形状および形態で高分子ゲルを得ることができるようになった。高分子ゲル分散液は静置しておくだけで一体化する性能を有しているため、極めて容易に上記高分子ゲルを得ることができ、且つ、一体化するまでの時間は、加熱、加圧、加水、減水などの方法で制御することが可能である。更に、他素材の存在下で一体化させることにより、更に優れた物性を有する高分子ゲル複合体を同様に大気雰囲気下、任意な形状、形態で得ることができる。かかる高分子ゲルは、各種用途へ適用でき、特に医療材料、医療器具材料、再生医療材料、健康保持・スポーツ用具材料、美容材料、分析器具材料、工業材料、農業用材料、建築土木用材料などに有用である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明における高分子ゲルは、重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーから得られる重合体(A)と水膨潤性粘土鉱物(B)とからなる三次元網目を有する有機無機複合ゲルの粒子が結合してなるものである。具体的には、本発明における高分子ゲル、高分子ゲル分散液、高分子ゲル複合体は、水溶性有機モノマーから得られる重合体(A)と水膨潤性粘土鉱物(B)とからなる三次元網目を有する有機無機複合ゲルを粒子状の乾燥物(C)とすること、次いで、水または溶質(D)または溶質(D)を含む水溶液と混合または接触させて得られる。
【0015】
本発明における有機無機複合ゲルは、重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーから得られる重合体(以下、水溶性有機モノマー重合体と記載する。)と層状に剥離した水膨潤性粘土鉱物が分子レベルで複合化し、水素結合、イオン結合、配位結合、共有結合などのいずれかにより三次元網目を形成しているものである。このことは該複合ゲルが水又は親水性有機溶剤により膨潤し、且つ該複合ゲルを20℃で500時間以上処理しても構成成分である水膨潤性粘土鉱物及び水溶性有機モノマー重合体が抽出されないことや、延伸や圧縮の力学試験において、大きな可逆的伸張性や圧縮性を示すことから推定される。
【0016】
本発明における重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーとしては、水に溶解する性質を有し、水に均一分散可能な水膨潤性粘土鉱物と相互作用を有するものが好ましく、例えば、粘土鉱物と水素結合、イオン結合、配位結合、共有結合等を形成できる官能基を有するものが好ましい。これらの官能基を有する重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーとしては、具体的には、アミド基、アミノ基、エステル基、水酸基、テトラメチルアンモニウム基、シラノール基、エポキシ基などを有する重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーが挙げられ、なかでもアミド基やエステル基を有する重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーが好ましい。なお、本発明で言う水には、水単独以外に、水と混和する有機溶媒をとの混合溶媒で水を主成分とするものが含まれる。
【0017】
アミド基を有する重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーの具体例としては、N−アルキルアクリルアミド、N,N−ジアルキルアクリルアミド、アクリルアミド等のアクリルアミド類、または、N−アルキルメタクリルアミド、N,N−ジアルキルメタクリルアミド、メタクリルアミド等のメタクリルアミド類が挙げられる。ここでアルキル基としては炭素数が1〜4のものが特に好ましく選択される。またエステル基を有する重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーの具体例としては、メトキシエチルアクリレート、エトキシエチルアクリレート、メトキシエチルメタクリレート、エトキシエチルメタクリレートなどがあげられる。
【0018】
かかる水溶性有機モノマー重合体としては、例えば、ポリ(N−メチルアクリルアミド)、ポリ(N−エチルアクリルアミド)、ポリ(N−シクロプロピルアクリルアミド)、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(アクリロイルモルフォリン)、ポリ(メタクリルアミド)、ポリ(N−メチルメタクリルアミド)、ポリ(N−シクロプロピルメタクリルアミド)、ポリ(N−イソプロピルメタクリルアミド)、ポリ(N,N−ジメチルアクリルアミド)、ポリ(N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド)、ポリ(N−メチル−N−エチルアクリルアミド)、ポリ(N−メチル−N−イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(N−メチル−N−n−プロピルアクリルアミド)、ポリ(N,N−ジエチルアクリルアミド)、ポリ(N−アクリロイルピロリディン)、ポリ(N−アクリロイルピペリディン)、ポリ(N−アクリロイルメチルホモピペラディン)、ポリ(N−アクリロイルメチルピペラディン)、ポリ(アクリルアミド)、ポリ(メトキシエチルアクリレート)、ポリ(エトキシエチルアクリレート)、ポリ(メトキシエチルメタクリレート)、ポリ(エトキシエチルメタクリレート)が例示される。また水溶性有機モノマー重合体としては、以上のような単一の重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーからの重合体の他、これらから選ばれる複数の異なる重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーを重合して得られる共重合体を用いることも有効である。また上記水溶性有機モノマーとそれ以外の有機溶媒可溶性重合性不飽和基含有有機モノマーとの共重合体も、本発明にいう一体化した高分子ゲルが達成出来るものであれば使用することができる。
【0019】
本発明における重合性不飽和基含有水溶性有機モノマー重合体(A)は、上記水溶性有機モノマーを重合したものであり、水溶性または水を吸湿する性質を有する親水性(または両親媒性)を有する。さらに、熱、pHや光に応答する等といった機能性や、生体吸収性を含む生体適合性や生分解性などの特性を有しているものは用途に応じてより好ましく用いられる。例えば、水溶液中でのポリマー物性(例えば親水性と疎水性)が下限臨界共溶温度(Lower Critical Solution Temperature:LCST)前後のわずかな温度変化により大きく変化する特性を有する水溶性有機モノマー重合体などであり、具体的にはポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)やポリ(N,N−ジエチルアクリルアミド)などが挙げられる。また生体適合性に優れたものとしては、ポリ(メトキシエチルアクリレート)やポリ(メタクリルアミド)などがあげられる。
【0020】
本発明における有機無機複合ゲルに用いる水膨潤性粘土鉱物(B)としては、水に膨潤性を有するものであり、好ましくは水によって層間が膨潤する性質を有するものが用いられる。より好ましくは少なくとも一部が水中で層状に剥離して分散できるものであり、特に好ましくは水中で1ないし10層以内の厚みの層状に剥離して均一分散できる層状粘土鉱物である。例えば、水膨潤性スメクタイトや水膨潤性雲母などが用いられ、より具体的には、ナトリウムを層間イオンとして含む水膨潤性ヘクトライト、水膨潤性モンモリロナイト、水膨潤性サポナイト、水膨潤性合成雲母などが挙げられる。
【0021】
本発明における重合性不飽和基含有水溶性有機モノマー重合体(A)に対する水膨潤性粘土好物(B)の質量比(B/A)は、0.03〜2.0であることが好ましく、より好ましくは、0.05〜1.5、特に好ましくは、0.1〜0.7である。0.03以下では得られる一体化された高分子ゲルの強度が弱い場合が多く、2.0以上では一体化が進みにくくなる。また、溶質(D)を用いないで一体化する高分子ゲルの場合のより好ましい範囲は、0.05〜0.7である。
【0022】
本発明で用いる溶質(D)としては、水に溶解または混和することができる有機分子、有機高分子および水膨潤性粘土鉱物である。具体的には、エーテル基、水酸基、カルボキシル基、アミド基、アミノ基などの親水性官能基を有する有機分子または有機高分子であり、例として、メタノール、エタノール、プロパノール、アセトン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3ブチレングリコール、グリセリン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ(ヒドロキシエチルアクリレート)、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(N−メチルアクリルアミド)、ポリ(N−エチルアクリルアミド)、ポリ(N−シクロプロピルアクリルアミド)、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(アクリロイルモルフォリン)、ポリ(メタクリルアミド)、ポリ(N−メチルメタクリルアミド)、ポリ(N−シクロプロピルメタクリルアミド)、ポリ(N−イソプロピルメタクリルアミド)、ポリ(N,N−ジメチルアクリルアミド)、ポリ(N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド)、ポリ(N−メチル−N−エチルアクリルアミド)、ポリ(N−メチル−N−イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(N−メチル−N−n−プロピルアクリルアミド)、ポリ(N,N−ジエチルアクリルアミド)、ポリ(N−アクリロイルピロリディン)、ポリ(N−アクリロイルピペリディン)、ポリ(N−アクリロイルメチルホモピペラディン)、ポリ(N−アクリロイルメチルピペラディン)、ポリ(アクリルアミド)、ポリアクリル酸、ヒアルロン酸、ポリエチレンイミン、ポリプロピレンイミン、アガロース、アルギン酸、カラギーナン、コラーゲン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、セルロース誘導体、キタンサンガム、ジェランガム、キトサンなどが挙げられ、好ましくは、メタノール、エタノール、プロパノール、アセトン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、1,3ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ポリ(N,N−ジメチルアクリルアミド、ポリ(N,Nジエチルアクリルアミド)、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリエチレンイミン、ポリプロピレンイミンが用いられる。また、特に好ましくは、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ポリプロピレングリコール、ポリ(N,N−ジメチルアクリルアミド)、ポリビニルピロリドンが用いられる。これらは単独または複数を組み合わせて用いられる。また、これら溶質をあらかじめ水に溶解または分散しておいたものは有効に用いられる。
【0023】
また本発明においては、得られる高分子ゲルが乾燥時にも柔軟性を保つ目的を併せて達成するために、溶質(D)を選択することも可能である。例えば、乾燥時柔軟性を保つためには、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、低分子量ポリエチレングリコール(例:分子量1000以下)などが単独または他の溶質と併用した形で用いられる。
【0024】
更に本発明においては、薬剤や生体由来分子等を水溶液または溶質(D)と一緒に用いて、最終的に得られる高分子ゲルに旦持させることが可能であり、それらを安定して含む高分子ゲルまたはそれら徐放する性質を有する高分子ゲルとして用いることができる。
【0025】
本発明における粒子状乾燥物(C)は、有機無機複合ゲルを乾燥した粉末状のものである。従って、水を含んだヒドロゲルと異なり、水分の放出を防ぐための密封、カビの発生を抑えるための抗菌成分の添加、ヒドロゲルの変形を防ぐための無圧力下での保存などヒドロゲルに必要な特段の管理項目が必要でない特徴を有する。
【0026】
本発明に用いる粒子状乾燥物の大きさは、最終的に粒子状乾燥物が一体化した高分子ゲルが得られればよく特に限定されない。しかし、例えば、早い一体化時間や高強度の高分子ゲルを得るためには、平均粒径が1μm〜5000μmであることが好ましく、より好ましくは、5μm〜2000μm、更に好ましくは10μm〜1000μm、特に好ましくは、50μm〜500μmである。平均粒径が1μm以下は調製が困難であったり、取り扱い性が悪くなる問題が生じ、5000μm以上では一体化が不十分となる問題が生じてくる場合がある。また、粒子状乾燥物の形状は種々のものが用いられ特に限定されない。例えば、球状、直方体状、扁平状、繊維状などが用いられ、表面も平滑なものと凹凸を有するものがいずれも可能である。このうち、有機無機複合ゲルを延伸、圧縮などの方法で変形した状態で乾燥粒子化したものは、その後の一体化力を高めるのに有効である。変形倍率としては、必ずしも限定されないが、延伸変形の場合、延伸倍率が2倍〜20倍が特に有効に用いられる。圧縮変形の場合は、圧縮率が30%〜95%が有効に用いられる。また、有機無機複合ゲルを凍結した状態で乾燥する方法も有効に用いられる。この場合、粒子状とするのは凍結乾燥させる前でも、凍結乾燥した後でもよい。一方、粒子状乾燥物における乾燥度合いは粉末状態を保つものであれば良く、必ずしも水分率0%の絶乾状態である必要はない。乾燥粉末の水分率(粉末全体に対する水含有率)としては、好ましくは、60%以下、より好ましくは30%以下、特に好ましくは20%以下である。
【0027】
本発明における有機無機複合ゲルの粒子状乾燥物を得る方法としては、有機無機複合ゲルを粉砕後乾燥する方法、有機無機複合ゲルを乾燥後粉砕する方法、両者を併せて用いる方法のいずれもが用いられる。乾燥温度は必ずしも限定されないが、好ましくは80℃以下、より好ましくは60℃以下、特に好ましくは50℃以下が用いられる。粉砕方法としては、通常知られている機械的力および/または熱による方法が用いられ特に限定されない。更に、有機無機複合ゲルの重合において、分散重合、懸濁重合などの方法により粒状化して調製したものも有効に用いられる。
【0028】
本発明における高分子ゲルは、有機無機複合ゲルの粒子が結合したものである。具体的には、上記粒子状乾燥物を水または溶質(D)または溶質(D)を含む水溶液と混合または接触させることにより一体化して得られる(前記工程(Y))。一体化を制御(促進または遅延)するために、水または溶質(D)または溶質(D)を含む水溶液と混合または接触する際またはした後に、加熱したり、冷却したり、圧力を加えたり、加水したり、減水したり、他成分と接触させたりすることが有効に用いられる。多くの場合、加熱、圧力印可、減水により一体化は促進され、冷却、加水により一体化は遅延させられる。その他、一体化をより強く促進させ、得られる高分子ゲルの力学物性を向上させる方法として、得られた一体化ゲルに乾燥処理を行い(工程(Y))、次いで再び含水させて高分子ゲルとする方法が用いられる(工程(Z))。ここで乾燥は通常知られている種々の方法が用いられ、また、乾燥処理は完全乾燥の他、部分的乾燥も用いられる。一方、高分子ゲルを得るのに、上記粒子状乾燥物を目的とする場所に配置し、その後、水または溶質(D)または溶質(D)を含む水溶液と接触させることにより、その場で一体化させることも有効に用いられる。
【0029】
なお、通常、溶質とは溶媒中に溶解している物質を意味するが、本明細書では、溶質(D)として列挙した上記の物質を溶媒に溶解せずに、粒子状乾燥物の表面に単独で接触又は付着させる物質として用いる場合もその物質を溶質(D)と表記する。
【0030】
本発明において、粒子状乾燥物を水または溶質(D)または溶質(D)を含む水溶液と混合することにより、特異的な高分子ゲル分散液が得られる。高分子ゲル分散液の特性は、粒子状乾燥物の性質のほか、分散液中での粒子状乾燥物の濃度や溶質(D)の性質および濃度によって決まる。高分子ゲル分散液中の粒子状乾燥物の濃度は流動性と共に、一定経過時間後に自発的に一体化する特徴を有すれば良く、必ずしも限定されないが、粒子状乾燥物の重量に対して、0.5〜100倍量が好ましく用いられる。より好ましくは、1〜30倍、特に好ましくは、2〜20倍が用いられる。かかる量は、共存する溶質の種類や濃度によっても変化する。該高分子分散液が一体化する時間は、高分子ゲル分散液の組成(例:水溶性有機ポリマー重合体と水膨潤性粘土鉱物との比、粒子状乾燥物と水または溶質または溶質を含む水溶液との比、粒子状乾燥物の粒径や粒度分布、溶質の種類や量など)に依存する。従って、例えば、高分子ゲル分散液に加水して流動性をより高め、目的とする場所に配置した後、減水させることで一体化をより効果的に行わせることができる。更に、高分子ゲル分散液を加熱、冷却、加圧などすることなどによりその一体化時間および最終的に得られる高分子ゲルの物性をさらに変化(制御)させることができる。一体化するまでの時間は、高分子ゲル分散液を調整後、数秒から数十時間までの広い範囲で制御される。
【0031】
本発明において、該高分子ゲル分散液を、大気中にて、容器内に注入したり、基板状に塗布することにより一体化した高分子ゲルを各種形状(例:フィルム状、ブロック状、棒状、球状など)にて得ることが可能である。更に、本発明においては、該高分子ゲル分散液を他素材の中または表面に、注入、分散、含浸または塗布して、他素材と一体化させた高分子ゲル複合体が含まれる。他素材としては、フェルト、ペーパー、織物、繊維、繊維集合体、フィルム、多孔質体、表面凹凸材などの形態を有する有機材料、金属材料、セラミック材料などが挙げられる。
【0032】
本発明において得られた高分子ゲルは、優れた吸収性、力学物性、機能性を示す。例えば、力学物性としては、水含水率が85重量%である時の引っ張り強度が1kPa以上、より好ましくは3kPa以上、特に好ましくは5kPa以上であり、引っ張り破断伸びが50%以上、より好ましくは100%以上、特に好ましくは200%以上である。
【0033】
これに対して、比較として、有機無機複合ゲルではなく、例えば一般に知られている化学架橋ゲル(例:ポリジメチルアクリルアミドの化学架橋ゲル)や物理架橋ゲル(例:アガロースの物理架橋ゲル)を用いた場合は、それらを粒子状乾燥物とした後、同様に水または溶質(D)または溶質(D)を含む水溶液と混合または接触させても、いずれも一体化された高い力学物性を有する高分子ゲルは得られなかった。本発明における有機無機複合ゲルを用いることで極めて効果的に粒子状乾燥物を経て最終的に一体化された高分子ゲルが調製されることが明らかとなった。一体化する機構は必ずしも限定されていないが、例えば、粒状乾燥物の表面にある片末端が自由な高分子鎖(もう一方の末端はクレイと結合)が媒体中で、隣接する他のクレイと再結合することにより一体化が生じることが考えられる。
【実施例】
【0034】
次いで本発明を実施例により、より具体的に説明するが、もとより本発明は、以下に示す実施例にのみ限定されるものではない。
【0035】
(参考例1)
水膨潤性粘土鉱物には、[Mg5.34Li0.66Si20(OH)]Na0.66の組成を有する水膨潤性合成ヘクトライト(商標ラポナイトXLG)を、水溶性有機モノマーには、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMAA:興人株式会社製)を用いた。DMAAは精製により重合禁止剤を取り除いてから使用した。
【0036】
重合開始剤は、ペルオキソ二硫酸カリウム(KPS:関東化学株式会社製)をKPS/水=0.40/20(g/g)の割合で水溶液にして使用した。触媒は、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(TEMED:和光純薬工業株式会社製)を使用した。
【0037】
20℃の恒温室において、平底ガラス容器に、純水38.04gと1.23gのラポナイトXLGを加え、無色透明の溶液を調製した。これにDMAA3.96gを加えて無色透明溶液を得た。次にKPS水溶液2.0gとTEMED32μlを攪拌しながら加え、この溶液を直径が3.5cm、長さが10cmの密閉したガラス容器にして移した後、20℃の恒温水槽中で20時間静置して重合を行った。これらの溶液調製から重合までの操作は、全て酸素を遮断した窒素雰囲気下で行った。重合開始から20時間後に、容器内に有機モノマー重合体と層状剥離した粘土鉱物からなる無色透明で均一な有機ポリマー(PDMAA)/クレイ複合ゲルが生成した。得られた有機無機複合ゲルは残存モノマーが検出されなくなるまで、純水中での浸漬および室温での乾燥を数回繰り返して精製を行った。
【0038】
(参考例2)
水膨潤性粘土鉱物には、[Mg5.34Li0.66Si20(OH)]Na0.66の組成を有する水膨潤性合成ヘクトライト(商標ラポナイトXLG)を、水溶性有機モノマーには、N−イソプロピルアクリルアミド(NIPA:興人株式会社製)を用いた。NIPAは精製により重合禁止剤を取り除いてから使用した。
【0039】
重合開始剤は、ペルオキソ二硫酸カリウム(KPS:関東化学株式会社製)をKPS/水=0.40/20(g/g)の割合で水溶液にして使用した。触媒は、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(TEMED:和光純薬工業株式会社製)を使用した。
【0040】
20℃の恒温室において、平底ガラス容器に、純水38.04gと0.91gのラポナイトXLGを加え、無色透明の溶液を調製した。これにNIPA4.52gを加えて無色透明溶液を得た。次にKPS水溶液2.0gとTEMED32μlを攪拌しながら加え、この溶液を直径が3.5cm、長さが10cmの密閉したガラス容器にして移した後、20℃の恒温水槽中で20時間静置して重合を行った。これらの溶液調製から重合までの操作は、全て酸素を遮断した窒素雰囲気下で行った。重合開始から20時間後に、容器内に有機モノマー重合体と層状剥離した粘土鉱物からなる無色透明で均一な有機ポリマー(PNIPA)/クレイ複合ゲルが生成した。得られた有機無機複合ゲルは残存モノマーが検出されなくなるまで、純水中での浸漬および室温での乾燥を数回繰り返して精製を行った。
【0041】
(実施例1)
参考例1で得た有機ポリマー(PDMAA)/クレイ複合ゲルを約5mm角に切断後、室温にて24時間、引き続き40℃にて3時間、更に、40℃真空乾燥にて1時間乾燥後、ミキサーにて粉末化を行った。得られたものを分級して200〜600μm範囲の粒子状乾燥物を得た(平均粒径=340μm)。次いで、この粒子状乾燥物にその6倍量のポリエチレングリコール水溶液(ポリエチレングリコール20000(平均分子量20000)(和光純薬工業(株)製)を1重量%含む水溶液)をガラス容器(3.5cm直径×10cm深さ)内にて加え、20℃で10秒攪拌混合し、均一分散液とした。得られた高分子ゲル分散液は流動性を有していた。その一部をポリ容器(5cm×7cm×1cm深さ)内に均一に厚みが2mmとなるように充填し、25℃で密閉状態で静置した。30分後にポリ容器内から一体化した高分子ゲルフィルム(厚み2mm)を取り出した。得られた高分子ゲル(含水率(100×水/高分子ゲル)=85wt%)の引っ張り試験を、引っ張り試験装置(株式会社島津製作所製、卓上型万能試験機AGS−H)を用い、評点間距離=30mm、引っ張り速度=100mm/分にて行った。高分子ゲルは、大きな延伸性(弾性率=3.5kPa、強度=35kPa、破断伸び=1000%)を有するゴム的な力学物性を示した。また大きな膨潤性(20℃水中での吸水量は3時間で粒子状乾燥物の20倍以上)を示した。
【0042】
(実施例2)
参考例2で得た有機ポリマー(PNIPA)/クレイ複合ゲルを約5mm角に切断後、室温にて24時間、引き続き40℃にて8時間、ミキサーにて粉末化を行った。得られたものを分級して100〜300μm範囲の粒子状乾燥物を得た(平均粒径=180μm)。次いで、この粒子状乾燥物にその5倍量のポリエチレングリコール水溶液(ポリエチレングリコール1000(平均分子量1000)(和光純薬工業(株)製)を1.0重量%含む水溶液)をガラス容器(3.5cm直径×10cm深さ)内にて加え、20℃で5秒攪拌混合し、均一分散液とした。得られた高分子ゲル分散液は流動性を有していた。その一部をポリ容器(5cm×7cm×1cm深さ)内に均一に厚みが2mmとなるように充填し、25℃で密閉状態で静置した。30分後にポリ容器内から一体化した高分子ゲルフィルム(厚み2mm)が取り出した。得られた高分子ゲル(含水率(100×水/高分子ゲル)=83wt%)の引っ張り試験を、引っ張り試験装置(株式会社島津製作所製、卓上型万能試験機AGS−H)を用い、評点間距離=30mm、引っ張り速度=100mm/分にて行った。高分子ゲルは、大きな延伸性(弾性率=4kPa、強度=70kPa、破断伸び=1100%)を有するゴム的な力学物性を示した。また大きな膨潤性(20℃水中での吸水量は3時間で粒子状乾燥物の16倍)を示した。また、得られた高分子ゲルを50℃の温水中に浸漬することにより、急速に全体が白色化し、且つ、10分以内に水を排出し体積収縮するが観察された。
【0043】
(実施例3〜6)
下記の条件を用いる以外は実施例1と同様にして高分子ゲルを得た。但し、実施例3では、参考例1で得られた複合ゲルを720%に延伸し、25℃で72時間乾燥し、粉末化したものを用いた。実施例3〜6のいずれの場合も、一体化した高分子ゲルが得られた。力学物性と併せて表1に示す。なお、膨潤性はいずれも20℃、3時間水中保持で粒子状乾燥物の20倍以上であった。
【0044】
【表1】

【0045】
・グリセリン:試薬特級(和光純薬工業(株)製)
・マクロゴール200(三洋化成工業(株)製:ポリエチレングリコール(平均分子量200))
・ポリプロピレングリコール1000(和光純薬工業(株)製 ポリプロピレングリコールジオール型(平均分子量1000)
【0046】
(実施例7)
参考例1で得た有機ポリマー(PDMAA)/クレイ複合ゲルと参考例2で得られた有機ポリマー(PNIPA)/クレイ複合ゲルの乾燥物(平均粒径は共に180μm)を等量ずつ用いること、溶質としてポリエチレングリコール4000(平均分子量3000)(和光純薬工業(株)製)を1wt%水溶液として用いること、乾燥粒子/溶液の質量比が1/6であることを除くと実施例1と同様にして高分子ゲルを得た。得られた高分子ゲルの破断伸びは900%、引っ張り強度は40kPaであった。
【0047】
(実施例8)
乾燥粒子の平均粒径が180μmであること、溶質としてポリビニルピロリドン(プラスドンK12(平均分子量4000)(ISP(株)製)を0.7wt%の水溶液として用いること、25℃密閉状態での静置時間を2時間とすることを除くと実施例1と同様にして、高分子ゲルを得た。破断伸びは1200%、引っ張り強度は10kPaであった。
【0048】
(実施例9)
乾燥粒子の平均粒径が800nmであること、温度が32℃であること、ポリエチレングリコール水溶液の使用量が粒子状乾燥物の2倍であること、25℃密閉状態での静置時間を3時間とすることを除くと実施例1と同様にして高分子ゲルを得た。得られた高分子ゲルの破断伸びは800%、引張り強度は20kPaであった。
【0049】
(実施例10)
実施例1で得られた高分子ゲルをポリ容器内にて室温で12時間乾燥処理を行い、次いで80℃で60分間乾燥した。その後、ポリ容器内に水を入れ、実施例1の高分子ゲルと同じ含水率になるまで膨潤させた。得られた高分子ゲルの力学物性を測定して以下のようにより向上した結果が得られた。弾性率=4kPa、強度=70kPa、破断伸び=800%。
【0050】
(実施例11)
実施例3で得られた粒子状乾燥物をその6倍量のポリエチレングリコール水溶液(ポリエチレングリコール4000(平均分子量3000)(和光純薬工業(株)製)とポリエチレングリコール20000(平均分子量20000)(和光純薬工業(株)製)を各0.5重量%ずつ含む水溶液)と混合した後、厚み200μmのスペーサーを介してポリエチレンテレフタレートフィルム間に挟み、密閉状態にて保持した。その結果、ほぼ同様な力学物性を有する高分子ゲル薄膜が得られた。
【0051】
(実施例12) 溶質としてポリエチレングリコールと共に牛アルブミン(水に対して5wt%)を含む水溶液を用いることを除くと実施例1と同様にして高分子ゲルを得た。得られた高分子ゲルの破断伸びは900%、引張強度は37kPaであった。
【0052】
(実施例13)
実施例1で得られた高分子ゲル分散液を親水化処理されたポリプロピレン製不織布(目付20g/m2)に含浸して静置することにより、不織布と高分子ゲルが一体化した高分子ゲル複合体が得られた。
【0053】
(比較例1、2)
粘土鉱物の代わりに有機架橋剤(N,N−メチレンビスアクリルアミド)をモノマー(DMAA)の1モル%を用いる以外は、比較例1では参考例1および比較例2では参考例2と同様な方法で化学架橋ゲルを合成した。得られた化学架橋ゲルを比較例1では実施例1、比較例2では実施例2と同じ方法で粒子状乾燥物とした後、同様に、その6倍量の水溶液と混合して同じ処理を行ったが、いずれも化学架橋ゲルの分散状態のままで、それらが一体となることはなく高分子ゲルは得られなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機無機複合ゲルの粒子が一体化した高分子ゲルであって、該有機無機複合ゲルが、重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーの重合体(A)と水膨潤性粘土鉱物(B)により形成された三次元網目構造を有することを特徴とする高分子ゲル。
【請求項2】
重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーの重合体(A)と水膨潤性粘土鉱物(B)により形成された三次元網目構造を有する有機無機複合ゲルの粒子状乾燥物(C)を、水、溶質(D)又は溶質(D)を含有する水溶液と混合又は接触させることにより一体化した高分子ゲル。
【請求項3】
溶質(D)が、前記粒子状乾燥物(C)の内部に含有され、又は表面に付着している請求項2記載の高分子ゲル。
【請求項4】
重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーの重合体(A)と水膨潤性粘土鉱物(B)により形成された三次元網目構造を有する有機無機複合ゲルの粒子状乾燥物(C)を、該粒子状乾燥物(C)の質量に対して0.5〜100倍量の水、溶質(D)又は溶質(D)を含有する水溶液と混合したことを特徴とする高分子ゲル分散液。
【請求項5】
請求項4記載の高分子ゲル分散液を基材に注入、分散、含浸又は塗布して得られる高分子ゲル複合体。
【請求項6】
重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーの重合体(A)と水膨潤性粘土鉱物(B)により形成された三次元網目構造を有する有機無機複合ゲルを粒子状乾燥物(C)とする工程(X)、及び該粒子状乾燥物(C)を、水、溶質(D)又は溶質(D)を含有する水溶液と混合又は接触させることにより一体化させる工程(Y)を有することを特徴とする高分子ゲルの製造方法。
【請求項7】
前記工程(Y)の後に乾燥処理を行ない、その後、再び含水させて高分子ゲルとする工程(Z)を行なう請求項6記載の高分子ゲルの製造方法。
【請求項8】
前記有機無機複合ゲルを粒子状乾燥物(C)とする工程(X)が、前記有機無機複合ゲルを変形させた状態で乾燥する工程又は前記有機無機複合ゲルを凍結させた状態で乾燥する工程である請求項6又は7記載の高分子ゲルの製造方法。
【請求項9】
重合性不飽和基含有水溶性有機モノマーの重合体(A)と水膨潤性粘土鉱物(B)により形成された三次元網目構造を有する有機無機複合ゲルの粒子状乾燥物(C)を、水、溶質(D)又は溶質(D)を含有する水溶液と混合することにより高分子ゲル分散液を製造し、該高分子分散液を基材に注入、分散、含浸又は塗布することにより高分子ゲルと該基材とが一体となった高分子ゲル複合体を製造する方法。

【公開番号】特開2011−1482(P2011−1482A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−146331(P2009−146331)
【出願日】平成21年6月19日(2009.6.19)
【出願人】(000173751)財団法人川村理化学研究所 (206)
【Fターム(参考)】