説明

高周波誘導噴霧装置

気道を通して吸収するために噴霧形態の生理活性物質を肺の中へ送り込むための高周波誘導噴霧装置は、ハウジングと、ハウジングの中に設けられる噴霧コア(1)、高周波発生器(6)、センサー(7)及び電源ユニット(10)と、を備えている。電源ユニット(10)、センサー(7)及び高周波発生器(6)は、順々にハウジングの中に据え付けられる。センサー(7)及び高周波発生器(6)は、それぞれ、電気的に電源ユニット(10)に接続される。高周波発生器(6)には、通気穴(5)が設けられており、高周波発生器(6)には、高周波コイル(3)が設けられており、ハウジングの中に据え付けられる噴霧コア(1)は、高周波コイル(3)の中へ挿入され、ガス流路として機能する間隙が、噴霧コア(1)と高周波コイル(3)との間に形成されている。ハウジングの吸入部端には、空気入口(16)が設けられており、ハウジングには、流入ポート(9)が設けられている。性能において安定している、噴霧コア(1)の発熱電流は、高周波誘導によって生成される。噴霧コア(1)は、取り外し可能、低コストであり、且つバッチ処理が容易に行える。定量的噴霧は、噴霧コア(1)を取り替えることで実現される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、肺吸収用の噴霧装置、厳密には、吸収のために肺まで呼吸道の中を通して気化生理活性剤を送り込むための高周波誘導噴霧装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、超音波噴霧式送り込み装置又はタバコ代用品としての噴霧式電子シガレット等の肺吸収用の多くの色々な送り込み装置が商業化されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
超音波噴霧式送り込み装置は、比較的大きく、持ち運びに不便であり、その上、そこで生成される気化粒子は、大き過ぎる。噴霧式電子シガレットの中の噴霧器は、直接的に又は電子接続点によって接続されるDC電源システムであり、使い捨て噴霧器の使用には不向きである。
【0004】
当技術の不利点を克服するため、本発明の目的の1つは、安定して作動する高周波誘導噴霧装置を提供することであり、噴霧コアは、無接点式の電磁誘導を利用した高周波発生器の出力コイルによって電力を供給されている。
【0005】
本発明の別の目的は、定量的噴霧のための高周波誘導噴霧装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的は、以下の技法によって達成される。
【0007】
本発明は、ハウジングと、ハウジングの中に収納される噴霧コア、高周波発生器、センサー及び電源と、を備えており、電源、センサー及び高周波数発生器は、順々にハウジングの中に取り付けられ、センサー及び高周波発生器は、それぞれ、電気的に電源に接続される。高周波発生器は、通気孔を備えており、高周波コイルは、高周波発生器の中に嵌め込まれ、ハウジングの中に取り付けられる噴霧コアは、高周波コイルの中へ挿入され、間隙が、噴霧コアと高周波コイルとの間に通気道として形成される。吸込孔は、ハウジングの吸入部端に形成され、吸気孔は、ハウジングに設置される。
【0008】
ハウジングは、ホルダーを有しており、噴霧コアの一方の端部は、ホルダーに取り外し可能に取り付けられており、噴霧コアの他方の端部は、高周波コイルの中へ挿入される。液体貯蔵構成要素は、ハウジングの中の噴霧コアと吸込孔との間に収納され、噴霧コアの一方の端部は、液体貯蔵構成要素に接続され、他方の端部は、高周波コイルの中へ挿入される。通気孔及び吸込孔につながっている通気道は、液体貯蔵構成要素とハウジング内壁との間に構成されている。液体貯蔵構成要素は、細孔セラミック、発泡セラミック、天然繊維、化学繊維又は発泡金属材料から作られている。液体貯蔵構成要素又は噴霧コアの中の噴霧液体は、60−95重量パーセントのプロピレングリコール、1−30重量パーセントのグリセロールを含んでおり、残りは、精油である。環状フェライトは、高周波コイルの外側に設置され、高周波コイルは、環状フェライトを介して高周波発生器に取り付けられている。密閉螺旋ヒーターは、噴霧コアの外側に配置され、噴霧コアは、炭素繊維、ステンレス鋼繊維又は発泡金属から作られている。電源に接続されている表示灯は、ハウジングと電源との間に収納されている。電源は、再充電可能又は使い捨て電池である。ハウジングは、第1のハウジングと第2のハウジングを含んでおり、第2のハウジングの一方の端部は、プラギングで第1のハウジングと取り外し可能に連結されており、第2のハウジングの他方の端部には、吸込孔が設けられている。電源、センサー及び高周波発生器は、第1のハウジングに収納されており、高周波発生器は、センサーの一方の側にあり、吸気孔は、センサーの他方の側の第1のハウジング上にある。センサーは、空気流センサー又は空気圧センサーを含んでおり、高周波発生器は、1MHz−960MHzの作動周波数のプッシュプル出力回路を含んでいる。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、以下の利点及び好ましい効果を有している。
【0010】
1.本発明では、噴霧コアは、高周波コイルの中へ挿入され、高周波回路との直接的な電気接点を有しておらず、加熱のために噴霧コアによって使用される電流は、高周波誘導によって発生され、それ故、噴霧コアは、安定的に作動する。
【0011】
2.本発明による噴霧コアは、使い捨て可能な低コストなものであるので、大量生産に適している。
【0012】
3.本発明では、液体貯蔵構成要素を省略することができ、装置は、噴霧コアの中の噴霧液体だけを使って作動することができるので、噴霧コアを変えることによって噴霧を定量化することができる。
【0013】
4.本発明では、高周波コイルは、環状フェライトによって高周波発生器に取り付けることができ、非導電性環状フェライトは、磁界が漏れることを防止するために絶縁シールドとして機能している。
【0014】
5.本発明によるハウジングは、プラギングによって組み立てられているので、噴霧コア又は液体貯蔵構成要素を容易に変えることができるようになっている。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態1の構造を図示する概略図である。
【図2】本発明の実施形態2の構造を図示する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明について、図面を参照しながら更に説明を進めてゆく。
【0017】
(実施形態1)
図1で示されるように、この実施形態の高周波誘導噴霧装置は、ハウジングと、ハウジングの中に収納される噴霧コア1、高周波発生器6、センサー7、電源10及び表示灯11と、を備えている。ハウジングは、2つの部分、第1のハウジング13及び第2のハウジング18で構成されており、第1及び第2のハウジング13、18は、プラギングによって相互に接続されており、第2のハウジング18は、取り外し可能になっていて、噴霧コア1を容易に変えることができる。図1では、表示灯11、電力供給装置10、センサー7及び高周波発生器6は、左から右に向かって第1のハウジング13の中で順々に設置されており、表示灯11、センサー7及び高周波発生器6は、それぞれ、電源10に電気的に接続されており、電源は、再充電可能電池又は使い捨て電池を含むことができる。高周波発生器6の一方の側は、センサー7に面しており、他方の側には、高周波コイル3が設けられていて、環状フェライト4は、高周波コイル3の外側に設置され、磁界が漏れることを防止するために絶縁シールドとして機能しており、高周波コイル3は、環状フェライト4を介して高周波発生器6に取り付けられている。高周波発生器6の回路基板には、通気孔5が設けられている。電源10は、図1ではセンサー7の左側にあり、表示灯11は、電源10と第1のハウジング13の最上部内壁との間にある。吸気孔9は、図1では、第1のハウジングの上に形成されており、センサー7の左側に位置している。空気流入を更に改善するために、補助吸気孔8をセンサー7の近く、第1のハウジング13の上に形成することができる。この実施形態では、ホルダー17は、第2のハウジング18に取り付けられ、噴霧コア1の一方の側は、ホルダー17上に取り外し可能に設置され、他方の端部は、高周波コイル3の中へ挿入されており、間隙が、噴霧コア1と高周波コイル3との間に通気道として形成されている。噴霧コア1が、非導電性材料から作られている場合、密閉螺旋ヒーター2を噴霧コア1の外側に設置することができ、間隙が、螺旋ヒーター2と高周波コイル3との間に通気道として形成される。吸込孔16は、第2のハウジング18の尾端部に形成されている。
【0018】
本実施形態の作動機構を以下に示す。使用者が装置を口に置いて吸入する時、表示灯11が点灯し、空気が、吸気孔9及び補助吸気孔8を通って第1のハウジング13の中へ流れ、高周波発生器6は、センサー7によって作動され、高周波コイル3に嵌め込まれた噴霧コア1は、誘導によって高周波電流を発生させ、これによって、噴霧コア1の温度は、噴霧液体の沸点まで急上昇し、故に、噴霧液体は、気化する。吸入空気は、センサー7、高周波発生器6上の通気孔5及び高周波コイル3と噴霧器コア1との間の間隙を順々に通過し、噴霧液体の気体は、付随する空気流の中でエアゾールに速やかに凝縮され、吸込孔16で模擬煙を形成する。
【0019】
本実施形態は、噴霧コアを変えることで定量的噴霧を達成することができる。噴霧液体は、70重量パーセントのプロピレングリコール、25重量パーセントのグリセロールを含有し、残りは、精油である。
【0020】
(実施形態2)
図2で示されるように、この実施形態は、液体貯蔵構成要素14が、第2のハウジング18に嵌め込まれているという点において実施形態1とは異なっており、噴霧コア1の一方の端部は、液体貯蔵構成要素14に接続されており、他方の端部は、高周波コイル3の中へ挿入されている。通気孔5及び吸込孔16につながっている通気道12は、液体貯蔵構成要素14とハウジングの内壁との間に形成されている。
【0021】
この実施形態の作動機構を以下に示す。使用者が装置を口に置いて吸入する時、空気が、吸気孔9及び補助吸気孔8を通って第1のハウジング13の中へ流れ、高周波発生器6は、センサー7によって作動され、高周波コイル3に嵌め込まれた噴霧コア1は、誘導によって高周波電流を発生させ、これによって、噴霧コア1の温度は、噴霧コア1及び液体貯蔵構成要素14の中の噴霧液体の沸点まで急上昇し、噴霧液体は、故に、気化する。吸入空気は、センサー7、高周波発生器6上の通気孔5及び高周波コイル3と噴霧器コア1との間の間隙を順々に通過し、噴霧液体の気体は、付随する空気流の中でエアゾールに速やかに凝縮され、吸込孔16で模擬煙を形成する。噴霧液体は、80重量パーセントのプロピレングリコール、15重量パーセントのグリセロールを含有し、残りは、精油である。
【0022】
本発明の噴霧コアは、炭素繊維、ステンレス鋼繊維、発泡金属から作ることができる。高周波発生器6は、1MHz−960MHzの作動周波数のプッシュプル出力回路を含むことができる。センサー7は、空気流センサー又は空気圧力センサーを含むことができ、液体貯蔵構成要素14は、細孔セラミック、発泡セラミック、天然繊維、化学繊維又は発泡金属材料から作ることができる。噴霧液体は、60−95重量パーセントのプロピレングリコール、1−30重量パーセントのグリセロールを含んでおり、残りは、精油である。
【符号の説明】
【0023】
1は噴霧コアを示し、2は螺旋ヒーターを示し、3は高周波コイルを示し、4は環状フェライトを示し、5は通気孔を示し、6は高周波発生器を示し、7はセンサーを示し、8は補助吸気孔を示し、9は吸気孔を示し、10は電源を示し、11は表示灯を示し、12は通気道を示し、13は第1のハウジングを示し、14は液体貯蔵構成要素を示し、15はプラギングポートを示し、16は吸込孔を示し、17はホルダーを示し、18は第2のハウジングを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高周波誘導噴霧装置において、ハウジングと、噴霧コア(1)、高周波発生器(6)、センサー(7)及び電源(10)と、を備えていて、前記電源(10)、前記センサー(7)及び前記高周波数発生器(6)は、順々に前記ハウジングの中に取り付けられ、前記センサー(7)及び前記高周波発生器(6)は、それぞれ、電気的に前記電源(10)に接続され、前記高周波発生器(6)は、通気孔(5)を備えていて、高周波コイル(3)は、前記高周波発生器(6)の上に設けられていて、前記ハウジングの中に取り付けられる前記噴霧コア(1)は、前記高周波コイル(3)の中へ挿入され、間隙が、前記噴霧コア(1)と前記高周波コイル(3)との間に通気道として形成され、吸込孔(16)は、前記ハウジングの吸入部端に形成され、吸気孔(9)は、前記ハウジングに形成される、ことを特徴とする、高周波誘導噴霧装置。
【請求項2】
前記ハウジングは、ホルダー(17)を有しており、前記噴霧コア(1)の一方の端部は、前記ホルダー(17)に取り外し可能に取り付けられていて、前記他方の端部は、前記高周波コイル(3)の中へ挿入される、ことを特徴とする、請求項1に記載の高周波誘導噴霧装置。
【請求項3】
前記ハウジングは、前記噴霧コア(1)と前記吸込孔(16)との間にある液体貯蔵構成要素(14)を更に備えていて、前記噴霧コア(1)の一方の端部は、前記液体貯蔵構成要素(14)に接続され、前記他方の端部は、前記高周波コイル(3)の中へ挿入され、前記通気孔(5)及び前記吸込孔(16)につながっている通気道(12)は、前記液体貯蔵構成要素(14)と前記ハウジングの内壁との間に形成されている、ことを特徴とする、請求項1に記載の高周波誘導噴霧装置。
【請求項4】
前記液体貯蔵構成要素(14)は、細孔セラミック、発泡セラミック、天然繊維、化学繊維又は発泡金属材料から作られている、ことを特徴とする、請求項3に記載の高周波誘導噴霧装置。
【請求項5】
前記液体貯蔵構成要素(14)又は前記噴霧コア(1)の中の噴霧液体は、重量パーセントで、60−95%のプロピレングリコール、1−30%のグリセロール及び残りのパーセントの芳香精油で構成されている、ことを特徴とする、請求項3に記載の高周波誘導噴霧装置。
【請求項6】
環状フェライト(4)は、前記高周波コイル(3)の外側に設置され、前記高周波コイル(3)は、前記環状フェライト(4)を介して前記高周波発生器(6)に取り付けられている、ことを特徴とする、請求項1又は請求項3に記載の高周波誘導噴霧装置。
【請求項7】
密閉螺旋ヒーター(2)は、前記噴霧コア(1)の外側に配置され、前記噴霧コア(1)は、炭素繊維、ステンレス鋼繊維又は発泡金属から作られている、ことを特徴とする、請求項1又は請求項3に記載の高周波誘導噴霧装置。
【請求項8】
前記電源(10)に電気的に接続されている表示灯(11)は、前記ハウジングと前記電源(10)との間に配置されていて、前記電源(10)は、再充電可能又は使い捨て電池である、ことを特徴とする、請求項1又は請求項3に記載の高周波誘導噴霧装置。
【請求項9】
前記ハウジングは、第1のハウジング(13)と第2のハウジング(18)を含んでいて、前記第2のハウジング(18)の一方の端部は、プラギングで前記第1のハウジングと取り外し可能に連結されていて、前記第2のハウジング(18)の前記他方の端部には、前記吸込孔(16)が設けられていて、前記電源(10)、前記センサー(7)及び前記高周波発生器(6)は、前記第1のハウジング(13)に配置されていて、前記高周波発生器(6)は、前記センサー(7)の一方の側にあり、前記吸気孔(9)は、前記センサー(7)の前記他方の側の前記第1のハウジング(13)上に形成されていて、前記センサー(7)は、空気流センサー又は空気圧センサーを含んでいる、ことを特徴とする、請求項1又は請求項3に記載の高周波誘導噴霧装置。
【請求項10】
前記高周波発生器(6)は、1MHz−960MHzの作動周波数のプッシュプル出力回路を含んでいる、ことを特徴とする、請求項1又は請求項3に記載の高周波誘導噴霧装置。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2012−529936(P2012−529936A)
【公表日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−515335(P2012−515335)
【出願日】平成22年6月7日(2010.6.7)
【国際出願番号】PCT/CN2010/073613
【国際公開番号】WO2010/145468
【国際公開日】平成22年12月23日(2010.12.23)
【出願人】(511308325)