説明

高圧洗浄車のホースガイド装置

【課題】より遠くのマンホールに対してホースを良好にガイドすることが可能な高圧洗浄車のホースガイド装置の提供。
【解決手段】車台後端部上に、ホース2aが巻き付けられ、回転するホースリール2を備える高圧洗浄車のホースガイド装置であって、ホースリール2の外方であってターンテーブル5上に設けられた回転支持部材5bと、回転支持部材5bに回転自在に設けられたガイドアーム6とを備え、このガイドアーム6はホース2aをガイドするホースガイド部21,22,23を備える。このホースガイド装置では、ガイドアーム6を回転させて起こすと、ホース2aは車台後端部から高く遠い位置でホースガイド部21,22,23でガイドされるようになり、より遠くのマンホールに対してホース2aを良好にガイドすることが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下水管や排水管等の被洗浄管内の洗浄を行う高圧洗浄車のホースガイド装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、下水管や排水管等の被洗浄管内の洗浄を行う高圧洗浄車が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この種の高圧洗浄車は、先端に洗浄ノズルが設けられたホースと、このホースが巻き付けられるホースリールと、ホースの先端から高圧水を噴出させるための水ポンプとを備える。そして、この高圧洗浄車による洗浄作業時には、ホースの先端部をマンホールから被洗浄管内に挿入しておき、水ポンプを駆動させて、ホースの先端の洗浄ノズルから高圧水を噴出させる。
【0003】
また、この種の高圧洗浄車では、マンホール出入時に、ホースがマンホールの縁に接触して損傷しないようにするため、図10に示すように、車体100の後方のホースリールの下方位置に水平方向に伸縮可能なホースガイド装置101を備えている。このように伸縮可能なホースガイド装置101を備えた高圧洗浄車では、ホース102がマンホールHの中央上に位置するように車体100が正確に停車されていなくても、ホースガイド装置101の案内口103がマンホールHの中央上に位置するようにアーム104を伸縮させればよいので、作業性が向上している。なお、同様のホースガイド装置を備えるものとしては、例えば特許文献2に記載のものが知られている。
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第2510670号公報
【特許文献2】実公昭53−45970号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述のように従来のホースガイド装置101では、アーム104が水平方向にある程度伸縮することでホースガイド装置101の案内口103がマンホールHの中央上に配置できるようにしているが、車体100とマンホールHとの間に生垣などの大きな障害物が存在する場合、アーム104の水平方向の伸縮だけでは案内口103がマンホールHの中央上に届かないことがある。この場合、わざわざ高圧洗浄車を移動し、ホースガイド装置101がマンホールHの上に来るようにしている。
【0006】
そこで、本発明においては、より遠くのマンホールに対してホースを良好にガイドすることが可能な高圧洗浄車のホースガイド装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の高圧洗浄車のホースガイド装置は、洗浄水を噴射する噴射装置と、先端に噴射装置が取り付けられたホースと、ホースが巻き付けられるホースリールと、ホースリールが回転自在に設けられ、車台後端部上に旋回自在に設けられたターンテーブルと、ターンテーブルに設けられ、ホースリールを回転駆動する油圧装置とを備えた高圧洗浄車のホースガイド装置であって、ホースリールの外方であってターンテーブル上に設けられた回転支持部材と、回転支持部材に回転自在に設けられたガイドアームとを備え、ガイドアームが、少なくとも下端部にホースをガイドするホースガイド部が設けられたものである。
【0008】
本発明の高圧洗浄車のホースガイド装置では、ホースリールの外方であってターンテーブル上に設けられた回転支持部材に軸支されたガイドアームを回転させて起こすと、このガイドアームの下端部が高い位置へ移動し、このガイドアームの少なくとも下端部に設けられたホースガイドが高圧洗浄車の車台後端部から高く遠い位置へ離れていく。これにより、ホースリールに巻き付けられたホースを車台後端部から高く遠い位置でガイドすることが可能となる。
【0009】
また、本発明の高圧洗浄車のホースガイド装置は、ホースリールの回転軸と平行に設けられたクロスねじ軸と、クロスねじ軸に螺合され、このクロスねじ軸の回転によりこのクロスねじ軸上を往復動作するホースガイド部とから構成されるホースの乱巻き防止ガイドを備えたものであることが望ましい。これにより、ガイドアームのホースガイドによってガイドされるホースがホースリールに巻き取られる際に、ホースの乱巻きが防止される。
【0010】
また、ガイドアームは、上端部に第1ホースガイド部が、中間部に第2ホースガイド部が、下端部に第3ホースガイド部がそれぞれ設けられたものであることが望ましい。これにより、ガイドアームに沿って車台後端部から遠く高い位置まで3箇所でホースをガイドすることが可能となり、ホースを良好に繰り出しまたは巻き取りすることが可能となる。
【0011】
ここで、第1ホースガイド部は、ガイドアームの回転軸と平行な軸を中心に回転自在なローラにより構成されたものであることが望ましい。これにより、ガイドアームの上端部にホースが接触するのを防止し、ホースをスムーズにガイドすることができる。
【0012】
また、第2ホースガイド部は、ガイドアームに対して直角な軸を中心に回転自在な1対のローラと、ガイドアームの回転軸と平行な軸を中心に回転自在なローラと、このローラの回転量を検出することによりホースの繰り出し長さを測定するためのエンコーダとを備え、ホースが、ローラとガイドアームとの間に挿通されることを特徴とすることが望ましい。これにより、ガイドアームの中間部にホースが接触するのを防止することができるとともに、このホースをガイドするローラの回転量を検出することによりホースの繰り出し長さを測定することが可能となる。
【0013】
さらに、第3ホースガイド部は、ガイドアームに対して直角な軸を中心に回転自在な1対のローラと、この1対のローラに対して直角かつガイドアームの回転軸と平行な軸を中心に回転自在な1対のローラと、これらのローラ間を進退動作するホースの周囲から洗浄水を吹き付けて洗浄するための洗浄ノズルとを備えたものであることが望ましい。これにより、ガイドアームの下端部にホースが接触するのを防止することができるとともに、このホースを巻き取る際に洗浄することができる。
【0014】
また、本発明の高圧洗浄車のホースガイド装置は、ガイドアームとターンテーブルとの間に配設され、伸縮することによりガイドアームを揺動可能とした油圧シリンダを備えたものであることが望ましい。これにより油圧シリンダの動力によってガイドアームの揺動角度を容易に調節することが可能となる。
【発明の効果】
【0015】
(1)ホースリールの外方であってターンテーブル上に設けられた回転支持部材と、回転支持部材に回転自在に設けられたガイドアームとを備え、ガイドアームが、少なくとも下端部にホースをガイドするホースガイド部が設けられたものであることにより、ガイドアームを回転させて起こすと、ホースは車台後端部から高く遠い位置でガイドされるようになり、より遠くのマンホールに対してホースを良好にガイドすることが可能となる。
【0016】
(2)ホースリールの回転軸と平行に設けられたクロスねじ軸と、クロスねじ軸に螺合され、このクロスねじ軸の回転によりこのクロスねじ軸上を往復動作するホースガイド部とから構成されるホースの乱巻き防止ガイドを備えたことにより、ガイドアームのホースガイドによってガイドされるホースがホースリールに巻き取られる際に、ホースの乱巻きが防止されるので、整然とホースをホースリールに巻き取ることが可能となる。
【0017】
(3)ガイドアームは、上端部に第1ホースガイド部が、中間部に第2ホースガイド部が、下端部に第3ホースガイド部がそれぞれ設けられたものであることにより、ガイドアームに沿って車台後端部から遠く高い位置まで3箇所でホースをガイドすることが可能となり、ホースを良好に繰り出しまたは巻き取りすることが可能となる。
【0018】
(4)第1ホースガイド部が、ガイドアームの回転軸と平行な軸を中心に回転自在なローラにより構成されたものであることにより、ガイドアームの上端部にホースが接触するのを防止し、ホースをスムーズにガイドすることが可能となる。
【0019】
(5)第2ホースガイド部が、ガイドアームに対して直角な軸を中心に回転自在な1対のローラと、ガイドアームの回転軸と平行な軸を中心に回転自在なローラと、このローラの回転量を検出することによりホースの繰り出し長さを測定するためのエンコーダとを備え、ホースが、ローラとガイドアームとの間に挿通されることにより、ガイドアームの中間部にホースが接触するのを防止することができるとともに、このホースをガイドするローラの回転量を検出することによりホースの繰り出し長さを測定することが可能となる。
【0020】
(6)第3ホースガイド部が、ガイドアームに対して直角な軸を中心に回転自在な1対のローラと、この1対のローラに対して直角かつガイドアームの回転軸と平行な軸を中心に回転自在な1対のローラと、これらのローラ間を進退動作するホースの周囲から洗浄水を吹き付けて洗浄するための洗浄ノズルとを備えたものであることにより、ガイドアームの下端部にホースが接触するのを防止することができるとともに、このホースを巻き取る際に洗浄することができる。
【0021】
(7)ガイドアームとターンテーブルとの間に配設され、伸縮することによりガイドアームを揺動可能とした油圧シリンダを備えたことにより、ガイドアームの揺動角度を容易に調節することが可能となり、マンホールまでの距離に応じて揺動角度を調節し、より遠くのマンホールに対してホースを良好にガイドすることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図1は本発明の実施の形態における高圧洗浄車の側面図、図2は平面図、図3は背面図である。図1から図3に示すように、本実施形態における高圧洗浄車1は、車台10上に、水を貯留するタンク11と、水ポンプ12a(図8参照。)を収容するポンプ室12と、第1のホース2a(図8参照。)が巻き付けられる第1のホースリール2と、第2のホース3a(図8参照。)が巻き付けられる第2のホースリール3と、ホースリール2の回転駆動や第1のホース2aおよび第2のホース3aからの高圧水の噴出の操作を行うための操作盤4とを備える。ホース2a,3aの先端には、洗浄水を噴射する噴射装置としての洗浄ノズル2bおよび洗浄ガン3bがそれぞれ取り付けられている。
【0023】
ホースリール2,3および操作盤4は、垂直軸回りに旋回可能なターンテーブル5を介して車台10の後端部上に搭載されている。また、ホースリール2には、上端部がホースリール2の外方であってターンテーブル5上の支柱5aに設けられた回転支持部材5bに軸支されて揺動可能なガイドアーム6と、ホース2aの乱巻きを防止するための乱巻き防止ガイド7とから構成されるホースガイド装置を備える。
【0024】
図4はホースガイド装置の正面図、図5は図4のA矢視図、図6は図4のB矢視図、図7は図4のガイドアーム6を押し上げた状態を示す正面図である。
【0025】
図4および図5に示すように、ガイドアーム6は、上端部に設けられた回転軸20によって軸支されている。なお、回転軸20はホースリール2の回転軸と平行な軸であり、回転支持部材5bに回転自在に軸支されている。また、ガイドアーム6には、ホース2aをガイドするための第1、第2および第3のホースガイド部21,22,23が設けられている。第1のホースガイド部21はガイドアーム6の上端部に、第2のホースガイド部22は中間部に、第3のホースガイド部23は下端部に、それぞれ設けられている。
【0026】
第1のホースガイド部21は、回転軸20と平行な軸を中心に回転自在な1本のローラ21aにより構成されている。ローラ21aの長さは、ホースリール2の幅と同程度の長さである。ホース2aは、ローラ21aの表側(図4の左側)で進退動作する。
【0027】
第2のホースガイド部22は、ガイドアーム6に対して直角な軸を中心に回転自在な1対のローラ22a,22bと、ローラ21aと平行な軸すなわち回転軸20と平行な軸を中心に回転自在な1本のローラ22cとを有している。ホース2aは、1対のローラ22a,22bとローラ22cとガイドアーム6との間に挿通され、進退動作する。なお、ローラ22cには、ローラ22cの回転量を検出することによりホース2aの繰り出し長さを測定するためのエンコーダ24が設けられている。また、ローラ22cには、ローラ22cがホース2aの進退動作に連動するように滑り止め加工が施されている。
【0028】
第3のホースガイド部23は、ガイドアーム6に対して直角な軸を中心に回転自在な1対のローラ23a,23bと、ローラ21aと平行すなわち回転軸20と平行かつローラ23a,23bに対して直角な軸を中心に回転自在な1対のローラ23c,23dとを有している。ホース2aは、1対のローラ23a,23bと1対のローラ23c,23dとの間に挿通される。また、第3のホースガイド部23には、これらのローラ23a〜23d間を進退動作するホース2aの周囲から洗浄水を吹き付けて洗浄するための洗浄ノズル25を備える。
【0029】
また、ガイドアーム6の裏側(図4の右側)には、一方がガイドアーム6の裏側の回転軸20の下方位置に、他方がホースリール2のターンテーブル5上にそれぞれ軸支された油圧シリンダ26が設けられている。この油圧シリンダ26は操作盤4上でスイッチ操作することにより伸縮させることが可能であり、これにより図7に実線および二点鎖線で示すようにガイドアーム6が揺動動作する。
【0030】
また、図4および図6に示すように、乱巻き防止ガイド7は、ホースリール2の回転軸と平行な軸を中心に回転自在な1対のローラ27a,27bと、略垂直かつローラ27a,27bに対して直角な軸を中心に回転自在な1対のローラ27c,27dと、下方が開口された略C字状のガイド板27eとから構成されるホースガイド部27を有する。ホース2aは、1対のローラ27a,27bと1対のローラ27c,27dとの間に挿通される。
【0031】
また、乱巻き防止ガイド7は、ホースリール2の回転軸と平行に設けられ、ホースリール2と連動して回転するクロスねじ軸28を有する。ホースガイド部27は、このクロスねじ軸28に螺合されており、このクロスねじ軸28の回転により、このクロスねじ軸28上を往復動作するようになっている。つまり、ホースリール2が回転してホース2aを巻き取る際に、クロスねじ軸28がホースリール2に連動して回転し、乱巻き防止ガイド7が図6の左送りまたは右送りとなり、左送り終端となると、右送りを開始し、また右送り終端となると、左送りを開始することを交互に繰り返すので、ホース2aは乱巻きとならずにホースリール2に規則正しく巻き取られる。
【0032】
次に、本実施形態における高圧洗浄車1の水回路について図8を用いて説明する。なお、水回路は、タンク11から洗浄ノズル2b、洗浄ガン3bまたは洗浄ノズル25に洗浄水を供給する回路である。
【0033】
図8に示すように、高圧洗浄車1のタンク11の底部には配管61の一端部が接続されている。配管61の他端部は、水ポンプ12aに接続されている。また、配管61には、上流側から下流側に向かって順に、開閉弁80とストレーナ62とが設けられている。配管61の開閉弁80よりも下流側かつストレーナ62よりも上流側の中途部には、配管74が接続されている。配管74の端部には、開閉弁79が設けられている。配管74は、洗浄終了後に、タンク11に残った洗浄水を外部に放流するためのものである。
【0034】
水ポンプ12aの吐出側には、配管63の一端が接続されている。水ポンプ12aは、配管61を介してタンク11内に貯留された洗浄水を吸入し、高圧の洗浄水として配管63に吐出する。なお、水ポンプ12aは、プーリ42、Vベルト43、ドライブシャフト44およびPTO(動力取出装置)45を介して、走行用エンジン46に連結されている。これにより、水ポンプ12aは走行用エンジン46によって駆動される。また、ドライブシャフト44は、動力伝達機構47を介して、後述する油圧装置8(図9参照。)の油圧ポンプ41に連結されている。
【0035】
配管63の他端は、圧力制御弁64に接続されている。圧力制御弁64には、配管65の一端が接続されている。また、圧力制御弁64は、配管71を介してタンク11へと接続されている。圧力制御弁64は、主として配管63内の洗浄水を、配管65へ導くが、流入した洗浄水の圧力が所定の設定圧力よりも高い場合、その一部を配管71へ導く。このようにして、配管65へ導く洗浄水の圧力は、圧力制御弁64により所定の設定圧力以下となるように制御される。
【0036】
配管65の他端は、マニホールド70に接続されている。配管65の中途部には配管66の一端が接続されている。配管66の他端には、開閉弁67が設けられている。マニホールド70には、配管72、配管75および配管78の一端が接続されている。また、マニホールド70には、圧力計77が設けられている。
【0037】
配管72の他端には第1のホースリール2が接続されている。また、配管72の中途部には開閉弁73が設けられている。前述したように、ホースリール2にはホース2aが巻き付けられている。また、ホース2aの先端部には、洗浄ノズル2bが着脱自在に取り付けられている。このような構成により、マニホールド70に流入した洗浄水は、配管72に導かれる。そして、開閉弁73を開くことにより、上記洗浄水は、ホースリール2およびホース2aを介して洗浄ノズル2bから噴射されることとなる。
【0038】
配管75の他端には第2のホースリール3が接続されている。また、配管75の中途部には開閉弁76が設けられている。前述したように、ホースリール3にはホース3aが巻き付けられている。また、ホース3aの先端には、洗浄ガン3bが着脱自在に取り付けられている。このような構成により、マニホールド70に流入した洗浄水は、配管75に導かれる。そして、開閉弁76を開くことにより、上記洗浄水は、ホースリール3およびホース3aを介して洗浄ガン3bから噴射されることとなる。
【0039】
配管78の他端には内側に向かって洗浄水を噴射する環状の洗浄ノズル25が接続されている。また、配管78の中途部には開閉弁79が設けられている。このような構成により、マニホールド70に流入した洗浄水は、配管78に導かれる。そして、開閉弁79を開くことにより、上記洗浄水は、洗浄ノズル25から噴射されることとなる。すなわち、環状の洗浄ノズル25の内側に向かって洗浄水を噴射し、環状の洗浄ノズル25の内側を通過するホース2aの外側を洗浄することができる。
【0040】
次に、本実施形態における高圧洗浄車1の油圧回路について図9を用いて説明する。なお、油圧回路は、油圧装置8により、ホースリール2の正逆回転駆動またはガイドアーム6の回転駆動させる回路である。
【0041】
図9に示すように、油圧装置8は、作動油が貯留されたオイルリザーバ53と、オイルリザーバ53内の作動油を圧送する油圧ポンプ41と、方向切換弁56,59と、作動油により回転駆動される油圧モータ51と、前述の油圧シリンダ26とを備えている。油圧モータ51は、連結具51aを介してホースリール2に連結されており、ホースリール2は油圧モータ51により回転駆動される。
【0042】
オイルリザーバ53には、供給管54および回収管55の一端が接続されている。供給管54および回収管55の他端は、方向切換弁56に接続されている。また、方向切換弁56には、第1流通管57および第2流通管58の一端が接続されている。油圧モータ51は、第1流通管57および第2流通管58の他端に接続されている。
【0043】
また、供給管54および回収管55の中途部には、それぞれ供給枝管91および回収枝管92の一端が接続されている。供給枝管91および回収枝管92の他端は、方向切換弁59に接続されている。また、方向切換弁59には、第1流通管93および第2流通管94の一端が接続されている。油圧シリンダ26は、第1流通管93および第2流通管94の他端に接続されている。また、第1流通管93の中途部には開口面積を変化させることが可能な可変絞り弁95が設けられている。
【0044】
方向切換弁56は、第1の入状態と、第2の入状態と、切状態とに切り換え自在に構成されている。具体的には、方向切換弁56は、第1の入状態において供給管54と第1流通管57とを連通させる第1A連通路83と、回収管55と第2流通管58とを連通させる第1B連通路84とを備えている。また、方向切換弁56は、第2の入状態において供給管54と第2流通管58とを連通させる第2A連通路85と、回収管55と第1流通管57とを連通させる第2B連通路86とを備えている。なお、方向切換弁56は、切状態においては、供給管54と回収管55とを連通させ、第1流通管57および第2流通管58の連通を解除する。
【0045】
このような構成により、方向切換弁56を切り換えると、第1流通管57と第2流通管58とに流れる作動油の向きが変更され、油圧モータ51の回転方向が変更される。また、第1A連通路83および第2A連通路85には、それぞれ操作レバー17の傾斜角度に応じて作動油の流量を制御する流量制御機構を備えているので、操作レバー17の位置に応じて油圧モータ51の回転速度、すなわちホースリール2によるホース2aの繰り出し速度および巻き取り速度を変更することができる。
【0046】
一方、方向切換弁59は、第1の入状態と、第2の入状態と、切状態とに切り換え自在に構成されている。具体的には、方向切換弁59は、第1の入状態において供給枝管91と第1流通管93とを連通させる第1A連通路87と、回収枝管92と第2流通管94とを連通させる第1B連通路88とを備えている。また、方向切換弁59は、第2の入状態において供給枝管91と第2流通管94とを連通させる第2A連通路89と、回収管92と第1流通管93とを連通させる第2B連通路90とを備えている。なお、方向切換弁59は、切状態においては、供給枝管91と回収枝管92とを連通させ、第1流通管93および第2流通管94の連通を解除する。
【0047】
また、油圧シリンダ26は、筒状のシリンダ26aと、このシリンダ26a内で摺動するピストン26bと、ピストン26bに連結されたピストンロッド26cとから構成されている。第1流通管93はピストン26bによって仕切られたシリンダ26a内の一室26dに連通され、第2流通管93は他の一室26eに連通されている。なお、この油圧シリンダ26は、シリンダ26a側がターンテーブル5上に軸支され、ピストンロッド26c側がガイドアーム6に軸支されている。
【0048】
このような構成により、方向切換弁59を切り換えると、第1流通管93と第2流通管94とに流れる作動油の向きが変更される。これにより、方向切換弁59を第1の入状態とした場合には油圧シリンダ26を伸長させることができる。一方、方向切換弁59を第2の入状態とした場合には油圧シリンダ26を縮ませることができる。なお、方向切換弁59を切状態とした場合には油圧シリンダ26はロックされる。また、第1流通管93には可変絞り弁95を備えているので、この可変絞り弁95の開口面積に応じて油圧シリンダ26の伸縮速度を変更することが可能である。
【0049】
次に、上記構成の高圧洗浄車1によるホース2aの繰り出し作業について説明する。
高圧洗浄車1が被洗浄管のマンホールの近くに停車することが可能な状況の場合には、油圧シリンダ26は縮んだ状態のままとし、図7に二点鎖線で示すようにガイドアーム6は鉛直に近い状態とする。そして、ホースリール2から繰り出されるホース2aを、乱巻き防止ガイド7および第1〜第3のホースガイド部21,22,23によりほぼ真下のマンホールへガイドする。
【0050】
一方、マンホールの近傍に生垣などの障害物Bがある場合、操作盤4のスイッチにより油圧シリンダ26を作動させて伸長させ、図7に実線で示すようにガイドアーム6を押し上げる。これにより、ホース2aは、第2のホースガイド部22および第3のホースガイド部23によって車台10の後端部から遠く高い位置でガイドされるようになる。これにより、より遠くのマンホールに対してホース2aを良好にガイドすることが可能となり、作業性が向上する。また、この高圧洗浄車1では、油圧シリンダ26の伸縮状態を制御することによって、ガイドアーム6の揺動(傾斜)角度を調節し、任意の位置までホース2aをガイドすることが可能である。
【0051】
このように、本実施形態における高圧洗浄車1では、ガイドアーム6には、上端部に第1のホースガイド部21が、中間部に第2のホースガイド部22が、下端部に第3のホースガイド部23がそれぞれ設けられているので、ガイドアーム6に沿って車台後端部から遠く高い位置まで3箇所でホース2aをガイドすることが可能となり、ホース2aを良好に繰り出しまたは巻き取りすることが可能である。
【0052】
なお、第1のホースガイド部21では、ガイドアーム6の上端部にホース2aが接触するのを防止するとともに、ホース2aをスムーズにガイドする。また、第2のホースガイド部22では、ガイドアーム6の中間部にホース2aが接触するのを防止するとともに、このホース2aをガイドするローラ22aの回転量を検出することによりホース2aの繰り出し長さを測定するので、ホース2aの所定長さの繰り出しおよびその後の巻き取りを容易に行うことができる。
【0053】
また、この高圧洗浄車1は、第2のホースガイド部22と第3のホースガイド部23ではホース2aはローラ22a,22b,22c,23a,23b,23c,23d等によって取り囲まれており、ホース2aは繰り出し方向または巻き取り方向にのみ移動可能であるが、最上部の第1のホースガイド部21は回転軸20と平行な軸、すなわちホースリール2の回転軸と平行な1本のローラ21aによって構成されているため、このホースリール2に最も近い第1のホースガイド部21では、ホース2aは繰り出し方向または巻き取り方向のみならず、自在に移動することが可能である。
【0054】
したがって、この第1のホースガイド部21とホースリール2との間の領域に設けられた乱巻き防止ガイド7によって左右にホース2aが送られても、ホース2aは第1のホースガイド部21に制約を受けることなく自在に移動し、ホースリール2に巻き取られる際に乱巻きが防止され、整然とホースリール2に巻き取られる。
【0055】
また、この高圧洗浄車1は、最下部の第3のホースガイド部23に、ホース2aの周囲から洗浄水を吹き付ける洗浄ノズル25を備えるので、ガイドアーム6によりホース2aをガイドして巻き取りながら、ガイドアーム6の下端部にホース2aが接触するのを防止するとともに、ホース2aを洗浄することができ、ホース2aをスムーズに繰り出しまたは巻き取りすることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明の高圧洗浄車のホースガイド装置は、下水管や排水管等の被洗浄管内に挿入されたホースの先端から高圧水を噴出することにより被洗浄管内を洗浄するための装置として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の実施の形態における高圧洗浄車の側面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】図1の背面図である。
【図4】ホースガイド装置の正面図である。
【図5】図4のA矢視図である。
【図6】図4のB矢視図である。
【図7】図4のガイドアームを押し上げた状態を示す正面図である。
【図8】本発明の実施の形態における高圧洗浄車の水回路を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態における高圧洗浄車の油圧回路を示す図である。
【図10】従来の高圧洗浄車によるホースの繰り出し作業の様子を示す車体後部の側面図である。
【符号の説明】
【0058】
1 高圧洗浄車
2,3 ホースリール
2a,3a ホース
2b 洗浄ノズル
3b 洗浄ガン
4 操作盤
5 ターンテーブル
5a 支柱
5b 回転支持部材
6 ガイドアーム
7 乱巻き防止ガイド
8 油圧装置
10 車台
11 タンク
12 ポンプ室
12a 水ポンプ
17 操作レバー
20 回転軸
21 第1のホースガイド部
21a ローラ
22 第2のホースガイド部
22a,22b,22c ローラ
23 第3のホースガイド部
23a,23b,23c,23d ローラ
24 エンコーダ
25 洗浄ノズル
26 油圧シリンダ
26a シリンダ
26b ピストン
26c ピストンロッド
27 ホースガイド部
27a,27b,27c,27d ローラ
27e ガイド板
28 クロスねじ軸
41 油圧ポンプ
42 プーリ
43 Vベルト
44 ドライブシャフト
45 PTO
46 走行用エンジン
51 油圧モータ
51a 連結具
53 オイルリザーバ
54 供給管
55 回収管
56,59 方向切換弁
57 第1流通管
58 第2流通管
61 配管
62 ストレーナ
63 配管
64 圧力制御弁
65,66 配管
67 開閉弁
70 マニホールド
71,72 配管
73 開閉弁
74,75 配管
76 開閉弁
77 圧力計
78 配管
79,80 開閉弁
82 ストレーナ
83 第1A連通路
84 第1B連通路
85 第2A連通路
86 第2B連通路
87 第1A連通路
88 第1B連通路
89 第2A連通路
90 第2B連通路
91 供給枝管
92 回収枝管
93 第1流通管
94 第2流通管
95 可変絞り弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄水を噴射する噴射装置と、
先端に前記噴射装置が取り付けられたホースと、
前記ホースが巻き付けられるホースリールと、
前記ホースリールが回転自在に設けられ、車台後端部上に旋回自在に設けられたターンテーブルと、
前記ターンテーブルに設けられ、前記ホースリールを回転駆動する油圧装置と
を備えた高圧洗浄車のホースガイド装置であって、
前記ホースリールの外方であって前記ターンテーブル上に設けられた回転支持部材と、
前記回転支持部材に回転自在に設けられたガイドアームとを備え、
前記ガイドアームは、少なくとも下端部に前記ホースをガイドするホースガイド部が設けられたものである高圧洗浄車のホースガイド装置。
【請求項2】
前記ホースリールの回転軸と平行に設けられたクロスねじ軸と、
前記クロスねじ軸に螺合され、このクロスねじ軸の回転によりこのクロスねじ軸上を往復動作するホースガイド部と
から構成されるホースの乱巻き防止ガイドを備えた請求項1記載の高圧洗浄車のホースガイド装置。
【請求項3】
前記ガイドアームは、上端部に第1ホースガイド部が、中間部に第2ホースガイド部が、下端部に第3ホースガイド部がそれぞれ設けられたものである請求項1または2に記載の高圧洗浄車のホースガイド装置。
【請求項4】
前記第1ホースガイド部は、前記ガイドアームの回転軸と平行な軸を中心に回転自在なローラにより構成されたものである請求項3記載の高圧洗浄車のホースガイド装置。
【請求項5】
前記第2ホースガイド部は、前記ガイドアームに対して直角な軸を中心に回転自在な1対のローラと、前記ガイドアームの回転軸と平行な軸を中心に回転自在なローラと、このローラの回転量を検出することにより前記ホースの繰り出し長さを測定するためのエンコーダとを備え、前記ホースが、前記ローラとガイドアームとの間に挿通されることを特徴とする請求項3または4に記載の高圧洗浄車のホースガイド装置。
【請求項6】
前記第3ホースガイド部は、前記ガイドアームに対して直角な軸を中心に回転自在な1対のローラと、この1対のローラに対して直角かつ前記ガイドアームの回転軸と平行な軸を中心に回転自在な1対のローラと、これらのローラ間を進退動作する前記ホースの周囲から洗浄水を吹き付けて洗浄するための洗浄ノズルとを備えたものである請求項3から5のいずれかに記載の高圧洗浄車のホースガイド装置。
【請求項7】
前記ガイドアームとターンテーブルとの間に配設され、伸縮することにより前記ガイドアームを揺動可能とした油圧シリンダを備えた請求項1から6のいずれかに記載の高圧洗浄車のホースガイド装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−241644(P2009−241644A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−87656(P2008−87656)
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【出願人】(000002358)新明和工業株式会社 (919)
【Fターム(参考)】