説明

高所タラの芽採り器

【課題】 タラの芽の一般的な採取方法は、タラの木の頂部から発芽し成長を始めた若芽を人の手により折り採る。
タラの木は樹齢を重ねると、発芽するタラの芽は太く肉厚で、山菜として良質なものになる一方、樹高が高くなり、人の手が届かないために採取が困難になる。
このような高所のタラの芽を採るために、鉈や鋸で幹を切断されるものが多く、これらは再び発芽することがなく枯死に至り、タラの木資源が失われる。
【解決手段】 本発明は、高所のタラの芽を採取するために、棒状の柄の先に本タラの芽採り器をとりつけたものである。
本タラの芽採り器は、手元で操作ひも7を引くことにより、タラの芽を横から掴んだはさみ1を縦方向(手前)に回転させて、タラの芽を折り採るものであり、タラの木の幹を傷つけずに、タラの木資源を維持しながら高所のタラの芽を採取できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はタラの芽やコシアブラの芽など、高所で人の手が届かない木の芽を採取するための、高所タラの芽採り器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術には、下方から果実を握持し捻り採る採果具(特許文献1)(非特許文献3)、下方から鋏により切り採る高枝用長尺鋏(特許文献2)、斜め下方からカッターにより切り採る高木用果実、山菜採取具(非特許文献4)などがある。
【0003】
【特許文献1】 実開平6−023418号公報
【特許文献2】 実開昭55−063641号公報
【非特許文献3】 特開平14−186332号公報
【非特許文献4】 特開平15−169525号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
タラの芽の一般的な採取方法は、タラの木から発芽し成長を始めた若芽を、人の手で折り採るのであるが、タラの木は樹齢を重ねると、発芽するタラの芽は太く肉厚で山菜として良質なものになる一方、樹高が高くなり、人の手が届かないために採取が困難になる。
【0005】
タラの芽はタラの木の頂部から上に向かって成長するため、従来の採果具等では、高所のタラの芽を横から掴むことができず、採取することも容易ではない。
【0006】
また、タラの芽採取のために幹を切断されると、タラの木は再び発芽することがなく枯死してしまう。
【0007】
本発明は、タラの木の幹を傷めずにタラの芽だけを折り採ることにより、タラの木資源を維持しながら、高所のタラの芽の採取を容易にするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、高所のタラの芽を採取するために、棒状の柄11の先に本高所タラの芽採り器をとりつけたものであり、本高所タラの芽採り器は、手元で操作ひも7を引くことにより、タラの芽を横から掴んだはさみ1を縦方向(手前)に回転させて、タラの芽を折り採るものである。
【発明の効果】
【0009】
高所のタラの芽を横から掴み、さらに、はさみ1を縦方向(手前)に回転させてタラの芽を折り採るので、伸縮自在の柄11を装着することにより、多様な高さのタラの芽を採取できる。
【0010】
この方法によると幹を傷つけないので、タラの芽を採取されたタラの木は、数日後には頂部の脇に控えている腋芽が成長を始め、枯れることはなく、タラの木資源は維持される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図1、図2に基づいて説明する。
【実施例】
【0012】
操作する人とタラの芽の位置関係により、はさみ1をタラの芽を横から挟める角度に向け、回転軸パイプ5を回転軸受9に押し込むことにより、はさみ1の回転運動にブレーキをかける。
【0013】
はさみロック金具3をはさみロックくぼみ4に掛けて、はさみ1を開いた状態にロックする。(図1)
【0014】
タラの芽に向けて本高所タラの芽採り器を差し延べ、開いたはさみ1でタラの芽を抱える。
【0015】
操作ひも7を引くことにより、はさみロックがはずれ、バネ2の力によりはさみ1がタラの芽を掴む。
【0016】
さらに操作ひも7を引くと、操作ひもストッパー8により回転レバー6を引くことになり、はさみ1が縦方向(手前)に回転しタラの芽が折れる。(図2)
折ったタラの芽は、手元に引き寄せて取り込む。
【産業上の利用可能性】
【0017】
人の手が届かない高所のタラの芽を採取できるほか、持ち運びが容易であり、傾斜地や、樹木や雑草が生い茂る山林、原野においても使用できる。
【0018】
タラの木の幹を傷つけずにタラの芽だけを採取するので、タラの木を枯死させることがなく、タラの木資源を維持しながら、タラの芽を収穫することができる。
【0019】
また、折り採ったタラの芽は落とさないので、手元への取り込みが容易である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】 はさみを開きロックした状態の高所タラの芽採り器斜視図
【図2】 操作ひもを引き、はさみの回転によりタラの芽を折った状態の斜視図
【図3】 回転軸パイプ外径拡大部分の拡大図
【符号の説明】
【0021】
1 はさみ
3 はさみロック金具
5 回転軸パイプ
7 操作ひも
8 操作ひもストッパー
9 回転軸受
10 回転軸パイプ外径拡大部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高所のタラの芽を横から掴んだはさみ(1)を縦方向(手前)に回転させて、タラの芽を折り採る構造において、回転軸パイプ(5)とはさみ(1)を連結固定し、回転軸パイプ(5)の回転により、はさみ(1)を同時に回転させる構造の高所タラの芽採り器。
【請求項2】
操作ひも(7)を引いてはさみロックを解除する際に、はさみロック金具(3)にひねる力が働き、弱い力でロックがはずれるようにした、L字型に曲げたはさみロック金具(3)を有する請求項1の高所タラの芽採り器。
【請求項3】
回転軸パイプ(5)を回転軸受(9)に押し込んで、はさみ(1)の回転運動にブレーキをかけるために、回転軸パイプ(5)の一部の外径を円錐状に少し大きくした回転軸パイプ外径拡大部分(10)を有する請求項1の高所タラの芽採り器。
【請求項4】
はさみロックを解除してタラの芽を掴む動作と、タラの芽を折るためのはさみ(1)を回転させる動作を、一本のひもを二段階に引くことにより行うために、操作ひもストッパー(8)を備えた操作ひも(7)を有する請求項1の高所タラの芽採り器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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