説明

高純度ピロメリット酸二無水物の製造法

【課題】芳香族ジカルボン酸や芳香族トリカルボン酸のモノ無水物やピロメリット酸モノ無水物等のモノ無水物の含量が少なく、反応器、移送容器および配管などの閉塞をおこさない粒子性状をもち、着色が少ないピロメリット酸二無水物を安価に製造する方法を提供する。
【解決手段】無水酢酸不存在下で粗ピロメリット酸を加熱脱水してピロメリット酸の50.0〜99.5重量%をピロメリット酸二無水物に変換し、少なくともピロメリット酸とピロメリット酸二無水物を含む反応混合物を得る工程、および、該反応混合物を無水酢酸存在下で加熱無水化する工程を含むピロメリット酸二無水物の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は耐熱性の高いポリイミド樹脂、発泡ポリエステル用架橋剤、特殊可塑剤等の原料である高純度ピロメリット酸二無水物の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ピロメリット酸の製造法として、ジュレンを液相酸化して得る方法、2,4,5−トリメチルベンズアルデヒド等を液相酸化する方法が知られており、これらの方法で得られた粗ピロメリット酸からピロメリット酸二無水物を得る方法としては無水酢酸のような脂肪族酸無水物の存在下で加熱無水化する方法が知られている(例えば特許文献1参照)。この方法はピロメリット酸1モルに対して2モルの無水酢酸が必要であり、副生する酢酸の処理も含めてコスト高となる欠点がある。他の方法として、ピロメリット酸を特定温度で加熱脱水してピロメリット酸二無水物を製造する方法が知られている(例えば特許文献2参照)が、この方法はピロメリット酸二無水物の粒子形状、色相を調整することが困難である欠点がある。また、ジュレンまたは2,4,5−トリメチルベンズアルデヒドを気相酸化する方法が知られている(例えば特許文献3参照)。この方法で製造されるピロメリット酸二無水物には、副生した無水トリメリット酸等のモノ無水物が微量含まれている。該モノ無水物は、ピロメリット酸二無水物とジアミンの重合によりポリイミド樹脂を製造する際、重合停止剤として働くため可能な限り低減する必要がある。また、熱可塑性樹脂を高分子量化するために使用される、安息角が50〜70°の線状もしくは針状のピロメリット酸二無水物粒子が提案されている(例えば特許文献4参照)。しかしながらこれらの技術では、ピロメリット酸二無水物の粒子径を調節することはできず、また記載されている無水ピロメリット酸粒子も安息角が大きく工業的に使用する際に閉塞等の問題があった。
【0003】
一般に、粗ピロメリット酸には、酸化反応の副生物及び中間体等の不純物が含まれている。特に、ピロメリット酸の無水化と共にモノ無水物となる芳香族ジカルボン酸(フタル酸等)や芳香族トリカルボン酸(トリメリット酸、メチルトリメリット酸等)等の不純物はできる限り取り除く必要がある。ピロメリット酸の無水化が不完全であることにより混入する、ピロメリット酸モノ無水物もできるだけ減らす必要がある。またピロメリット酸二無水物は、融点が287℃と非常に高いため、通常は粉体として使用される。しかしながら、上記特許文献に記載されているピロメリット酸二無水物は、粒子の性状に起因して、移送配管、サイロの出口、反応器入り口等で閉塞を起こす場合がある。また、熱可塑性樹脂の原料又は添加剤として使用する場合、ピロメリット酸二無水物が着色していると、得られた熱可塑性樹脂が着色することがある。ピロメリット酸を無水酢酸によって加熱無水化する場合、これらの問題を改善することができるが、無水酢酸の使用量が多量になる他に、不純物の蓄積を抑えるため酢酸及び無水酢酸をそれらに溶解するピロメリット酸二無水物と共に系外に除去する必要があり、コストが高くなる欠点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第2515296号公報
【特許文献2】特開昭62−59280号公報
【特許文献3】特開2000−1484号公報
【特許文献4】特開2001−59022号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、芳香族ジカルボン酸や芳香族トリカルボン酸のモノ無水物やピロメリット酸モノ無水物等のモノ無水物(以下、芳香族モノ無水物と総称することがある)含量が少なく、反応器、移送容器および配管などの閉塞をおこさない粒子性状をもち、着色が少ないピロメリット酸二無水物を安価に製造する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、無水酢酸不存在下で粗ピロメリット酸を加熱脱水し、次に無水酢酸存在下で加熱無水化することにより上記目的が達成されることを見出し、本発明に到達した。
即ち本発明は、無水酢酸不存在下で粗ピロメリット酸を加熱脱水してピロメリット酸の50.0〜99.5重量%をピロメリット酸二無水物に変換し、少なくともピロメリット酸とピロメリット酸二無水物を含む反応混合物を得る工程、および、該反応混合物を無水酢酸存在下で加熱無水化する工程を含むピロメリット酸二無水物の製造方法に関する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の無水ピロメリット酸の製造方法によれば、芳香族モノ無水物の少ない、粉体移送時に閉塞等のトラブルが発生しない、着色が改善されたピロメリット酸二無水物を、コストを抑えて安定的に製造できるため工業的な意義は大きい。
【発明を実施するための形態】
【0008】
原料の粗ピロメリット酸は、ジュレン、2,4,5−トリメチルベンズアルデヒド等を、硝酸、クロム酸、分子状酸素等の酸化剤を利用して、水、脂肪族カルボン酸および芳香族カルボン酸から選ばれる1種以上を溶媒として液相酸化して得たピロメリット酸、気相接触酸化により得たピロメリット酸二無水物を加水分解して得たピロメリット酸、その他いかなる方法で製造された粗ピロメリット酸も含む。しかしながら通常、酸化反応後の粗ピロメリット酸には、副生物として芳香族ジカルボン酸(フタル酸、メチルフタル酸等)、芳香族トリカルボン酸(トリメリット酸、メチルトリメリット酸、メチロールトリメリット酸)等、特にトリメリット酸が多く含まれている。高純度のピロメリット酸二無水物を得るには水による再結晶などにより粗ピロメリット酸を精製することが望ましいが、純度99.5%以上に精製しようとすると精製ロスが理由となってコストが増加する。
【0009】
本発明では、始めに無水酢酸不存在下で粗ピロメリット酸を加熱脱水した後、生成水を反応系から除去して、未反応ピロメリット酸およびピロメリット酸二無水物を含む混合物、または、未反応ピロメリット酸、ピロメリット酸二無水物およびピロメリット酸モノ無水物を含む混合物を得る。加熱は、熱媒体を使用して間接的に行うことが好ましい。熱媒体としては特に制限がなく、各種の熱媒体を使用しうるが、中でも、ダウサム、モービルサム、マーロサム、ジフェニル系、トリフェニル系、サームエス等の有機媒体、ナイター等の無機媒体等が好ましい。他にも加圧スチームや電気ヒーター等も加熱法として使用することが可能である。
【0010】
粗ピロメリット酸を加熱脱水するための装置としては固体を均一に加熱できるような装置であればいかなるものでもよく、流動床、固定床、回分式、半連続式、連続式等、いかなる形式の装置でもよい。具体的には、ジャケットおよび加熱ローター付きのトラフ型乾燥機、パドル型乾燥機等が挙げられる。圧力は常圧、加圧、減圧下、いずれでも実施できるが、装置の簡便さ、生成水の排出効率等を考慮すると常圧もしくは5〜100KPaの減圧下で行うのが望ましい。加熱脱水中は窒素、テレフタル酸、イソフタル酸の製造のための酸化反応器排出ガス等の酸素濃度が好ましくは10重量%以下、より好ましくは2重量%以下、更に好ましくは0.5重量%以下のガスを流通させる。ガス中の水分は、脱水装置等を利用して好ましくは5重量%以下、より好ましくは1重量%以下、更に好ましくは0.1重量%以下にする。ガス流量は好ましくは0.1〜20Nm3/h、より好ましくは0.5〜10Nm3/hである。
【0011】
本発明では、無水酢酸不存在下での加熱脱水により、ピロメリット酸の50〜99.5重量%、好ましくは70〜99.5重量%、より好ましくは90〜99.5重量%をピロメリット酸二無水物に変換する。変換率が99.5重量%を超えるとピロメリット酸二無水物の結晶が装置内壁に付着し、着色する。変換率が50重量%未満であると、次の工程で無水酢酸の使用量が多くなりコストが高くなる。加熱脱水温度(熱媒体の温度)は、200〜270℃の範囲が好ましく、より好ましくは220〜270℃の範囲である。上記範囲内であると、加熱脱水速度が低下することがなく、生成するピロメリット酸二無水物の結晶の着色および昇華が避けられるので好ましい。加熱脱水時間は、0.5〜50時間が好ましく、より好ましくは1〜24時間、さらに好ましくは1〜12時間である。加熱脱水反応終了後、生成水を反応系外に排出する。原料の粗ピロメリット酸中に含まれていたフタル酸等の芳香族ジカルボン酸およびトリメリット酸等の芳香族トリカルボン酸は、生成水の排出と共に系外に除去される。加熱脱水により生成する芳香族ジカルボン酸や芳香族トリカルボン酸のモノ無水物は、芳香族ジカルボン酸や芳香族トリカルボン酸に比べて沸点が下がり、昇華性があがるため、系外に除去されやすくなる。尚、ピロメリット酸二無水物含量は、ピロメリット酸含量、ピロメリット酸モノ無水物含量、無水トリメリット酸含量、無水メチルトリメリット酸含量、無水フタル酸含量を定量し、100%から差し引いて求めた。
【0012】
本発明では、加熱脱水により得た未反応ピロメリット酸およびピロメリット酸二無水物を含む混合物、または、ピロメリット酸、ピロメリット酸二無水物およびピロメリット酸モノ無水物を含む混合物を、無水酢酸存在下で加熱無水化処理し、ピロメリット酸の二無水化を完結させる。無水酢酸は、無水酢酸不存在下での加熱脱水によって脱水されなかった未反応ピロメリット酸に対してモル比で、0.1倍以上、好ましくは2倍以上、より好ましくは2〜20倍使用する。0.1倍でもピロメリット酸はピロメリット酸二無水物より溶媒への溶解度が高いため、晶析工程で精製され、高純度のピロメリット酸二無水物が得られる。より好ましくは、母液リサイクル率を上げるために、2倍以上にすることが効果的である。無水酢酸単独で加えてもよいが、溶媒を併用することが好ましい。使用される溶媒としては、酢酸、プロピオン酸等の脂肪族カルボン酸、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素、ジメチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類が用いられるが、特に酢酸が好ましい。水、アルコール類、アミン類はピロメリット酸二無水物と容易に反応するため、反応系中のこれらの量は、最終的に生成するピロメリット酸二無水物に対して1mol%以下、好ましくは0.5mol%以下、さらに好ましくは0.1mol%以下に制御することが必要である。加熱無水化によりピロメリット酸およびピロメリット酸モノ無水物から脱離する水は、脱離と同時に無水酢酸と反応し酢酸を生成する。このため、加熱無水化の反応系内には実質的に水が存在せず、生成したピロメリット酸二無水物が失われることがない。
【0013】
無水酢酸または無水酢酸/溶媒混合物は、最終的に生成するピロメリット酸二無水物に対する重量比(sr比)が好ましくは1〜30、より好ましくは2〜10、さらに好ましくは2.5〜8になるように使用する。無水酢酸/溶媒混合物中の無水酢酸含量は、0.01〜99重量%が好ましく、0.01〜20重量%がより好ましい。反応は、スラリー状態でも、完全溶解でも進行するが、完全に溶解するかまたは、ピロメリット酸、ピロメリット酸二無水物およびピロメリット酸モノ無水物の混合物の90重量%以上が溶解した状態で加熱無水化すると、ピロメリット酸二無水物の粒径がより大きくなり好ましい。完全溶解の場合、溶液を焼成金属、多孔質カーボン等の公知の方法でろ過し、金属などの不溶物を取り除くことが好ましい。
【0014】
加熱無水化温度は50〜250℃が好ましく、より好ましくは80〜200℃、さらに好ましくは100〜175℃である。反応圧力は加熱無水化温度での溶媒の蒸気圧以上であることが好ましい。反応は回分式、半回分式、連続式いずれの方法も用いることが可能である。回分式、半回分式の場合、反応時間は、0.01〜30時間が好ましく、さらに好ましくは0.1〜10時間である。連続式の場合、滞留時間は、0.02〜50時間が好ましく、さらに好ましくは0.2〜20時間である。溶媒を併用する場合、加熱無水化終了後の無水酢酸/溶媒/無水酢酸から生成した酢酸混合物中の無水酢酸濃度は、0〜5重量%であることが好ましく、より好ましくは0〜3重量%である。加熱無水化終了後の無水酢酸/溶媒/無水酢酸から生成した酢酸混合物中の無水酢酸濃度が低くなるように無水酢酸と溶媒の使用量を選択することにより、より粒径の大きい、着色が少ないピロメリット酸二無水物が得られる。
【0015】
無水化反応終了後、反応生成液を冷却してピロメリット酸二無水物を晶析させる。晶析に先立って、無水酢酸、溶媒や加熱無水化で生成した酢酸の一部を蒸発除去してもよい。また、無水化反応をスラリー状態で行った場合、スラリー状態のまま冷却してもよいし、完全溶解させてから冷却してもよい。晶析は回分式、半回分式、連続式いずれの方法も用いることが可能である。回分式、半回分式の場合、好ましくは0〜90℃に、より好ましくは、5〜70℃に、さらに好ましくは、17〜60℃に冷却する。この場合、加熱無水化で使用した反応槽内で晶析してもよい。連続式の場合、反応槽とは別に、晶析槽を1つ以上、好ましくは2つ以上もうける。反応槽直後の晶析槽の温度を好ましくは85〜140℃、より好ましくは90〜120℃にすることにより、より大きな粒径の結晶が得られる。第2番目以降の晶析層の温度は順次低くするのが好ましく、最終晶析槽の温度は、好ましくは0〜90℃、さらに好ましくは、5〜70℃、より好ましくは、17〜60℃である。
冷却は、通常行われるいかなる方法でもかまわないが、特に、圧力を下げることで無水酢酸、溶媒、加熱無水化で生成した酢酸の一部を蒸発させ、熱交換器を利用して冷却し、晶析系に戻す方法が好適である。外部熱交換で冷却する方法、ジャケット式反応器により冷却する方法等も可能である。これらの方法を組み合わせてもかまわない。このとき、蒸発した溶媒の一部を晶析系外に抜き出してもかまわない。
【0016】
反応生成液の冷却時、冷却速度を最適化することでピロメリット酸二無水物の粒径を調節することができる。流動性の高い結晶を得るためには、回分式、半回分式の場合、冷却速度は好ましくは5〜300℃/時間、より好ましくは20〜200℃/時間である。冷却速度は上記の速度内で、冷却途中で変化させても、一定でもかまわないが、途中冷却を止めて1定温度で1定時間保持するとより大きい結晶が得られる場合がある。連続式の場合、滞留時間を、各晶析槽の合計で、0.02〜50時間にするのが好ましく、さらに好ましくは0.2〜20時間である。特に反応器直後の晶析槽は、滞留時間が0.5〜10時間であることが好ましい。晶析槽の数を増やすほど、流動性の高い結晶が得られる。
回分式、半回分式の場合、冷却前に種晶としてピロメリット酸二無水物の結晶を存在させることで流動性が高い結晶が得られる場合がある。種晶の量としては、最終的に生成するピロメリット酸二無水物の5〜50重量%、より好ましくは5〜30重量%であり、冷却工程の温度においてすべて溶媒に溶解しない量に調整する必要がある。
【0017】
冷却後のピロメリット酸二無水物のスラリーは、ヤング式、バスケット式、スーパーデカンター式、トレイフィルター式、水平ベルトフィルター、エッシャー・ウィス押し出し式遠心分離機等通常の方法でピロメリット酸二無水物の結晶と母液に固液分離される。必要に応じて、前述の溶媒及び/又は無水酢酸で洗浄が行われる。分離された母液および/又は洗浄液は、再度加熱無水化反応に使用することができる。すべて戻してもかまわないし、着色成分、不純物の蓄積を抑えるため一部系外に除去してもかまわない。系外に除去する場合、母液の30%以内が望ましい。除去された母液および/又は洗浄液はさらに濃縮してピロメリット酸二無水物を回収することもできる。コスト的には、すべて戻すことが工業的に有利である。この場合、加熱無水化反応で生成した量に相当する酢酸を系外に抜き出す必要がある。例えば、後述の結晶乾燥工程で回収された結晶付着溶媒から、蒸留等公知の方法によって酢酸を系外に抜き出すことができる。抜き出された酢酸は、例えば酸化反応溶媒等として使用することが可能である。
分離された母液および/又は洗浄液を再度加熱無水化反応に使用する場合、これらの液に、特に芳香族ジカルボン酸や芳香族トリカルボン酸、あるいは芳香族モノ無水物等の不純物が多く存在すると、生成したピロメリット酸二無水物の結晶に取り込まれやすく、ピロメリット酸二無水物の純度を下げ、ポリイミド合成時には、これらの不純物が重合停止剤として働くため問題が多い。特にトリメリット酸は原料の主たる不純物であるため、無水化工程により無水トリメリット酸となり母液等に混入、蓄積し、最終的にピロメリット酸二無水物の結晶に取り込まれることが多く問題である。本発明は、無水酢酸不存在下での加熱脱水を先に行うことにより、これらの不純物を低減できるため、母液の循環量を多くすることが可能であり、工業的に著しく有利である。
【0018】
本発明は、平均粒径の大きい結晶を得ることができる。さらに必要であれば固液分離の前のスラリーを、サイクロン等で分級することにより微結晶を取り除いた後、通常の方法で固液分離することにより、より微結晶の少ない、平均粒径の大きいピロメリット酸二無水物を得ることができる。分級した微結晶及び母液の一部は加熱無水化反応に再利用することにより平均粒径の大きい結晶を得ることが可能である。固液分離を遠心分離機で行い、遠心分離機の堰の高さを調節することで固液分離を行いながら、微結晶を分級することも可能である。
【0019】
ろ別された結晶は、パドルドライヤー、ナウターミキサー、流動層式ドライヤー、真空撹拌乾燥機、ディスクドライヤー等通常の乾燥機にて、残留溶媒が0.3重量%以下になるまで乾燥させるのが好ましい。特に酢酸および無水酢酸の合計量が0.2重量%以下になるまで、好ましくは0.1重量%以下になるまで、さらに好ましくは0.05重量%以下になるまで乾燥させるのが好ましい。酢酸および無水酢酸の残量が多いと、臭気問題及び重合時の反応停止や酢酸の発生問題等が発生する。撹拌機、パドル等がついたドライヤーの場合、結晶の破砕が起こらないように回転速度を調節するのが好ましい。
【0020】
本発明により、結晶の平均粒径が160〜800μm、好ましくは180〜500μmであるピロメリット酸二無水物を製造することが可能である。ここで、平均粒径とは、粒子をふるい分けした際に50重量%がふるい上に残る(50%オンシーブ)目開きに相当するもので、標準ふるいを使用して求めた粒度分布から算出することができる。また、粒度分布の幅(W)と前記平均粒径(D)の比W/Dを1.2〜1.8の間に入れることも可能である。ここでWは、15.9%オンシーブの目開きと84.9%オンシーブの目開きの差である。また、同時に粒径106μm未満の粒子の割合を15重量%未満にすることもできる。
粒径が大きすぎる場合、必要であればクラッシャー等の公知の方法により破砕する方法をとるか、フルイ器を利用して必要以上大きい粒径の無水ピロメリット酸を除去することも可能である。
また得られるピロメリット酸二無水物の安息角を49°以下に抑えることもできる。得られるピロメリット酸二無水物のかさ比重は、0.7〜1.4g/ccである。この結晶性状を持つピロメリット酸二無水物は、工業的に粉体で使用するのに好適で、移送する際、配管、サイロの出口、反応器入り口等で閉塞が起きることがなく、工業的に非常に有利である。硬度も硬く、衝撃に強い結晶が得られるため、移送時等衝撃による微粉化がおきにくい。
【0021】
本発明では、着色物質が母液中に分配されるためピロメリット酸二無水物の着色を低下させることができる。後述するメタノール溶解色を5以下にすることが可能である。また、原料のピロメリット酸の純度が、フタル酸類、トリメリット酸などの有機不純物により低い場合でも、無水酢酸不存在下で加熱脱水反応を先に行い、ついで、無水酢酸存在下で加熱無水化し、さらに溶媒で晶析することによって、ピロメリット酸二無水物中の有機不純物を低減することが可能である。金属、ハロゲン等も低減することが可能である。本発明によれば、ピロメリット酸二無水物中の芳香族モノ無水物を2000ppm以下に、好ましくは1000ppm以下にすることができる。特に、重合反応の停止剤となりうる、原料ピロメリット酸の不純物由来の無水トリメリット酸を1000ppm以下、好ましくは500ppm以下にすることができる。本発明で得られたピロメリット酸二無水物は、ジアミン、ジオール等と重合反応させた場合、十分に高い重合度のポリマーを得ることができる。
【実施例】
【0022】
次に本発明を更に具体的に説明する。但し本発明はこれに限定されるものではない。以下の実施例、比較例では、下記の方法で粒度分布測定値、および平均粒径を求めた。
また、ピロメリット酸、芳香族モノ無水物、無水トリメリット酸および酢酸の含量は、下記の方法により測定した。
(1)加熱脱水後の芳香族モノ無水物(無水トリメリット酸、無水メチルトリメリット酸、無水フタル酸)、ピロメリット酸含有量
試料をメルク製Acetone-d6に溶解し、JEOL製FT-NMR JNM-AL−400により、芳香族モノ無水物の芳香族プロトン、ピロメリット酸の芳香族プロトン各ピーク積分値を計算し、重量%に換算した。
(2)参考例のピロメリット酸、トリメリット酸、メチルトリメリット酸、フタル酸含有量
試料を和光純薬製メタノールBF3でメチルエステル化した後、HEWLETT PACKARD社製HP6890ガスクロマトグラフィー装置にて分析を行った。
(3)ピロメリット酸二無水物中の、ピロメリット酸、ピロメリット酸モノ無水物、無水トリメリット酸、無水メチルトリメリット酸、無水フタル酸含有量
試料を和光純薬製メタノールBF3でメチルエステル化した後、HEWLETT PACKARD社製HP6890ガスクロマトグラフィー装置にてピロメリット酸含有量、ピロメリット酸モノ無水物含有量、無水トリメリット酸含有量、無水メチルトリメリット酸含有量、無水フタル酸含有量を定量し、分析を行った。
尚、ピロメリット酸二無水物含有量は、100%からそれらの含有量を差し引いて求めた。
(4)ピロメリット酸二無水物中の酢酸含有量
試料をメルク製Acetone-d6に溶解し、JEOL製FT-NMR JNM-AL−400により、酢酸中のメチル基のプロトン各ピーク積分値を計算し、重量%に換算した。
(5)粒子頻度
下記ふるい振とう機および標準ふるいを用いて試料30gを分級し、全試料重量(A)と各標準ふるいに残った試料重量(B)から、粒子頻度(%)=(B)/(A)×100を求めた。
(ふるい振とう機)
タナカテック製 ロータップ式ふるい振とう機
(標準ふるい)
径:75mm
目開き:1000、500、250、180、125、106、90、75μm
【0023】
(6)平均粒径
上記の粒子頻度から、式(1)を用いて50%オンシーブの目開き(=平均粒径)を算出した。
平均粒径=(W1−W2)・(X2−50)/(X2−X1)+W2 ・・・(1)
W1:当該標準ふるいの目開き以上の目開きの標準ふるい(当該標準ふるいを含む)における粒子頻度(%)の累計が50%以下となる標準ふるいの内、目開きが最小となる標準ふるいの目開き(μm)
W2:当該標準ふるいの目開き以上の目開きの標準ふるい(当該標準ふるいを含む)における粒子頻度(%)の累計が50%以上となる標準ふるいの内、目開きが最大となる標準ふるいの目開き(μm)
X1:W1以上の目開きの標準ふるいにおける粒子頻度(%)の累計値(%)
X2:W2以上の目開きの標準ふるいにおける粒子頻度(%)の累計値(%)
(7)色相
ピロメリット酸二無水物の色相はメタノール溶解色により示した。メタノール溶解色は次の方法で求めた。すなわちサンプル5gを100mlのメタノールに溶解し、波長430nmの吸光度を測定し、測定値の100倍をメタノール溶解色とした。
(8)安息角の測定法
ピロメリット酸二無水物の安息角は、ホソカワミクロンPT−S パウダーテスターを使用して測定を行った。
【0024】
参考例(ピロメリット酸の製造)
還流冷却器、攪拌装置、加熱装置および原料送入口、ガス導入口、反応物排出口を有するZr製酸化反応器2台を接続した連続2段式反応器の1段目の反応器に臭素イオン濃度2.3重量%、マンガンイオン濃度0.44重量%、鉄イオン濃度13ppmの触媒水溶液を1000重量部仕込み、2段目の反応器に1段目と同じ組成の触媒水溶液を500重量部仕込んだ。ガス導入口から窒素を圧入し、1MPaに昇圧し、加熱装置で210℃まで昇温した。ついで1段目反応器に2,4,5−トリメチルベンズアルデヒドを90重量部/hの割合で、触媒液(反応器仕込み液と同一組成)を780重量部/hの割合で別々に供給した。2,4,5−トリメチルベンズアルデヒドの供給と同時にガス導入口から空気の送入を開始し、反応器よりの排ガス中の酸素を2.5重量%に保つように流量を制御した。ついで1段目反応器中の液面を仕込み液面と同一に保ちつつ、1段目反応器より2段目反応器への液移送を開始し、同時に2段目反応器に水58重量部および100%臭化水素2重量部を混合した臭素イオン濃度3.3重量%の触媒水溶液を60重量部/hの割合で供給し、ガス導入口から空気の送入開始し、反応器よりの排ガス中の酸素を4.5重量%に保つように流量を制御した。2段目反応器中の液面を仕込み液面と同一に保ちつつ、2段目反応器より1150重量部/hの反応生成物を抜き出した。この間、反応器の圧力は1段目を3.2MPa、2段目を2.9MPaに保った。上記で得た反応生成物を0.5重量%Pd/C触媒存在下、150℃、1MPaで水添反応を行い、冷却後、得られた結晶を濾過分離し、乾燥して、粗ピロメリット酸を得た。得られた粗ピロメリット酸に2.5倍重量の純水を加え、130℃に加熱して溶解後、30℃まで冷却し、析出した結晶を分離した。得られた結晶を等量の水でリンスし、130℃で5時間乾燥し、粗ピロメリット酸(ピロメリット酸98.8重量%、トリメリット酸0.6重量%、メチルトリメリット酸0.1重量%、フタル酸を0.2重量%)を得た。
【0025】
実施例1
参考例で得られた粗ピロメリット酸を、幅1m、深さ2m、長さ7mのジャケットおよび加熱ローター付きのトラフ型乾燥機に、3t仕込んだ。2Nm3窒素を気相部に流通させ、35rpmでローターを撹拌しながら、本体ジャケットおよびローターへ250℃に加熱した熱媒体を通液した。8時間反応後、反応混合物中、ピロメリット酸二無水物濃度は97.0重量%(ピロメリット酸のピロメリット酸二無水物への変換率は98%)、無水トリメリット酸濃度は0.13重量%、無水メチルトリメリット酸濃度は0.02重量%、ピロメリット酸濃度は2.0重量%であった。無水フタル酸は検出されなかった。
得られた混合物を、60%無水酢酸を含む無水酢酸/酢酸混合物をsr比6使用してスラリー化した。このスラリーを滞留時間0.5時間になる速度で連続的に加熱無水化反応槽に供給し、常圧、120℃で加熱無水化を行った。反応槽から抜き出した反応生成液を、第1晶析槽に温度80℃になるよう減圧しながら、滞留時間1時間になる速度で供給した。さらに第1晶析槽から抜き出した液を第2晶析槽に温度35℃になるよう減圧しながら、滞留時間1.5時間になる速度で供給した。第2晶析槽で冷却された晶析後のスラリーをヤング型ろ過器でろ過し、濾別した結晶を無水酢酸で洗浄した。母液は、減少した分の酢酸、無水酢酸を添加した後、全量を加熱無水化反応槽にもどしリサイクルを行った。ろ過された結晶は、ドライヤーにより連続的に滞留時間6時間、160℃で乾燥された。得られたピロメリット酸二無水物(収率98モル%)の粒子性状と色相と不純物濃度を表1に示す。ピロメリット酸二無水物の酢酸含量は400ppmであった。平均粒径を計算する際のW1(μm)は500、W2(μm)は250、X1(%)は0、X2(%)は52であった。
ドライボックス中で、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル10.00gをN−メチル−2−ピロリドン60mlに溶解した。撹拌しながら上記のピロメリット酸二無水物10.89gを添加し、1時間撹拌を継続した。さらに、上記のピロメリット酸二無水物をN−メチル−2−ピロリドンに6%濃度で溶解した溶液0.5mlを添加した後15分撹拌した。重合反応液(ピロメリット酸二無水物を4,4’-ジアミノジフェニルエーテルと重合反応させて得た溶液)の粘度を粘度計(東京計器 BH型)により測定したところ、420Pa・sであり、重合度は十分であった。
【0026】
実施例2
反応時間を10時間に変更した以外は実施例1と同様に加熱脱水反応した。反応混合物中、ピロメリット酸二無水物濃度は99.0重量%(ピロメリット酸のピロメリット酸二無水物への変換率は 99%)、無水トリメリット酸濃度は0.12重量%、無水メチルトリメリット酸濃度は0.02重量%、ピロメリット酸濃度は0.6重量%であった。以下10%無水酢酸を含有した無水酢酸/酢酸混合物を使用し、反応槽に、0.6MPa、160℃で供給した以外は実施例1と同様に加熱無水化反応を行った。得られたピロメリット酸二無水物(収率98モル%)の粒子性状と色相と不純物濃度を表1に示す。
【0027】
実施例3
実施例1と同様にして加熱脱水反応させた。反応混合物中、ピロメリット酸二無水物濃度は97.0重量%(ピロメリット酸のピロメリット酸二無水物への変換率は98%)、無水トリメリット酸濃度は0.13重量%、無水メチルトリメリット酸濃度は0.02重量%、ピロメリット酸濃度は 2.0重量%であった。以下、第1晶析槽の温度を90℃、第2晶析槽の温度を40℃にした以外は実施例1と同様に行った。得られたピロメリット酸二無水物(収率98モル%)の粒子性状と色相と不純物濃度を表1に示す。
【0028】
実施例4
反応時間を7.5時間に変更した以外は実施例1と同様にして加熱脱水反応した。反応混合物中、ピロメリット酸二無水物濃度は95.0重量%(ピロメリット酸のピロメリット酸二無水物への変換率は96%)、無水トリメリット酸濃度は0.13重量%、無水メチルトリメリット酸濃度は0.02重量%、ピロメリット酸濃度は3.9重量%であった。得られた混合物を、5%無水酢酸を含む無水酢酸/酢酸混合物をsr比5使用してスラリー化した。このスラリーを加熱無水化反応槽に供給した後、0.6MPa、170℃まで昇温し、温度を1分間維持した後、100℃/hr.の速度で40℃まで冷却した。冷却された晶析後のスラリーをバスケット型ろ過器でろ過し、濾別した結晶を酢酸でリンスを行った。母液に、減少した分の酢酸、無水酢酸を添加し、無水酢酸濃度を5%に調整した後、加熱無水化から晶析の操作を10回行った。得られたピロメリット酸二無水物(収率98モル%)の粒子性状と色相と不純物濃度を表1に示す。
【0029】
比較例1
反応時間を11時間に変更した以外は実施例1と同様にして加熱脱水反応を行った。反応混合物中のピロメリット酸二無水物は濃度99.5重量%であった。ただちに得られたピロメリット酸ジ無水物を抜き出した。得られたピロメリット酸二無水物(収率99モル%)の粒子性状と色相と不純物濃度を表1に示す。
【0030】
比較例2
熱媒体の温度235℃に、反応時間を30時間に変更した以外は実施例1と同様にして加熱脱水反応を行った。反応混合物中のピロメリット酸二無水物濃度は99.6重量%であった。得られたピロメリット酸二無水物(収率99モル%)の粒子性状と色相と不純物濃度を表1に示す。
【0031】
比較例3
参考例で得られた粗ピロメリット酸を、80%無水酢酸を含む無水酢酸/酢酸混合物をsr比で6使用してスラリー化した。このスラリーを滞留時間3時間になる速度で加熱無水化反応槽に連続的に供給し、常圧、120℃で加熱無水化を行った。
加熱無水化反応槽から抜き出した反応液を、第1晶析槽に温度80℃になるよう減圧しながら、滞留時間1時間になる速度で供給した。さらに第2晶析槽に温度35℃になるよう減圧しながら、滞留時間1.5時間になる速度で供給した。第2晶析槽で冷却された晶析後のスラリーをヤング型ろ過器でろ過し、無水酢酸でリンスした。
母液は、加熱無水化で生成した酢酸を留去し、減少した無水酢酸を添加して濃度を合わせた後、全量反応槽にもどし、リサイクルを行った。ろ過された結晶は、ドライヤーにより連続的に滞留時間6時間、160℃で乾燥された。得られたピロメリット酸二無水物(収率98モル%)の粒子性状と色相と不純物濃度を表1に示す。
ドライボックス中で、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル10.00gをN−メチル−2−ピロリドン60mlに溶解した。撹拌しながら上記のピロメリット酸二無水物10.89gを添加し、1時間撹拌を継続した。さらに、上記のピロメリット酸二無水物をN−メチル−2−ピロリドンに6%濃度で溶解した溶液0.5mlを添加した後15分撹拌した。重合反応液(ピロメリット酸二無水物を4,4’-ジアミノジフェニルエーテルと重合反応させて得た溶液)の粘度を粘度計(東京計器 BH型)により測定したところ、170Pa・sであり、重合度は不充分であった。
【0032】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
無水酢酸不存在下で粗ピロメリット酸を加熱脱水してピロメリット酸の50.0〜99.5重量%をピロメリット酸二無水物に変換し、少なくともピロメリット酸とピロメリット酸二無水物を含む反応混合物を得る工程、および、該反応混合物を無水酢酸存在下で加熱無水化処理する工程を含むピロメリット酸二無水物の製造方法。
【請求項2】
前記加熱無水化を、生成するピロメリット酸二無水物に対して重量比で1〜30倍の無水酢酸または無水酢酸/溶媒混合物の存在下で行う請求項1記載の製造方法。
【請求項3】
前記加熱無水化を、無水酢酸または無水酢酸/溶媒混合物中、未反応のピロメリット酸に対して2倍モル以上の無水酢酸の存在下で行う請求項1記載の製造方法。
【請求項4】
前記加熱無水化を無水酢酸/溶媒混合物中で、加熱無水化終了後の無水酢酸/溶媒/無水酢酸から生成した酢酸混合物中の無水酢酸濃度が0〜5重量%になるように行う請求項1記載の製造方法。
【請求項5】
前記加熱無水化後、反応混合物を冷却してピロメリット酸二無水物を晶析させる工程をさらに含む請求項1記載の製造方法。
【請求項6】
粗ピロメリット酸が、芳香族ジカルボン酸および/または芳香族トリカルボン酸を含有する請求項1に記載の製造方法。
【請求項7】
前記ピロメリット酸二無水物中の芳香族モノ無水物の濃度が2000ppm以下である請求項1記載の製造方法。
【請求項8】
前記ピロメリット酸二無水物中の無水トリメリット酸の濃度が1000ppm以下である請求項1記載の製造方法。
【請求項9】
前記ピロメリット酸二無水物の結晶の平均粒径が160〜800μmである請求項1記載の製造方法。
【請求項10】
前記ピロメリット酸二無水物の粒径106μm未満の結晶の割合が15重量%未満である請求項1記載の製造方法。
【請求項11】
前記ピロメリット酸二無水物の結晶の安息角が49°以下である請求項1記載の製造方法。
【請求項12】
前記ピロメリット酸二無水物のメタノール溶解色が5以下である請求項1記載の製造方法。

【公開番号】特開2013−6856(P2013−6856A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−193988(P2012−193988)
【出願日】平成24年9月4日(2012.9.4)
【分割の表示】特願2006−193973(P2006−193973)の分割
【原出願日】平成18年7月14日(2006.7.14)
【出願人】(000004466)三菱瓦斯化学株式会社 (1,281)
【Fターム(参考)】