説明

高純度L−乳酸の生産菌およびL−乳酸の製造方法

【課題】 高純度のL−乳酸を安価に製造することのできる新規なL−乳酸生産菌を提供する。さらに、このL−乳酸生産菌を用いて高純度L−乳酸を安価に製造する方法を提供する。
【解決手段】 光学純度95%以上のL−乳酸を生産する能力を有するバチルス(Bacillus) sp.SHO−1(FERM P−15234)である。このバチルス sp.SHO−1を培養し、この培養物から光学純度95%以上のL−乳酸を採取する。資化可能な炭素源として、グルコース、マルトース、フラクトースおよびラクトースのうちの少なくとも1種を用いる。培養は嫌気的条件下で行なうことが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高純度L−乳酸の生産菌およびこの生産菌を用いたL−乳酸の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】L−乳酸は、生分解性プラスチックであるポリ乳酸の原料、食品、医薬品、醸造、皮なめし、光学材料等に用いられるものである。
【0003】乳酸をポリ乳酸の原料として用いる場合、光学純度の高い乳酸を原料とする方が、結晶性の高いポリマーが得られる。このことは例えば、Kulkarni,R.K., Moore,E.G., Hegyeli,A.F., and Leonard,F. (1971) Biodegradable poly(lactic acid)polymers. J. Biomed. Mater. Res.(ジャーナル オブ バイオメディカルマテリアル リサーチ),5:169-181.や、Ohara,H. (1994) Poly-L-Lactic acid as biodegradable plastic. Biosci. Indust.(バイオサイエンスとインダストリー),52:642-644. に記載されている。そして、結晶性の高いポリ乳酸は、延伸フィルム、紡糸に適している。
【0004】また、高純度L−乳酸は液晶に使用可能であり、例えば、Sato,k., Eguchi,T., Toshida,y., Yoshinaga,K., and Takasu,Y. (1990) Properties of the ferroelectric polymer liquid crystals containing a chiral lactic acid derivative group. Polymer preprints, Japan,(高分子化学大会予稿集)39:1962-1964. や、Yoshinaga,K., Eguchi,T., Sato,K., Toshida,Y., and Takasu,Y. (1990)Properties of the ferroelectric polymer liquid crystals containing a chiral lactic acid derivative group(II). Polymer preprings, Japan,(高分子化学大会予稿集)39:1962-1964. に記載されている。
【0005】さらに、FAO (国連食糧農業機関)とWHO (世界保健機関)は、乳幼児に与える乳酸はL−乳酸であることが好ましいとしている。このことは、FAO and WHO(1974) Toxicological evaluation of certain food additives with a reviewof general principles and of specifications. World Health Organization,Geneva,p23. に記載されている。
【0006】このように、L−乳酸は有用であり、しかも高純度であることが要求されている。
【0007】従来より、発酵によりL−乳酸を製造する方法が知られている。例えば、(1) ストレプトコッカス フェカリス(Streptococcus faecalis)を用いたL−乳酸の製造が、Ohara,H., Hiyama,K., and Yoshida,T. (1993) Lactic acid production by a filter-bed-type reactor. J. Ferment. Bioeng. (ジャーナルオブ ファーメンテーション アンド バイオエンジニアリング)76:73-75. に記載され、(2) ラクトバチルス ヘルベティクス(Lactobacillus helvetics) を用いたL−乳酸の製造が、Aeschlimann,A., Di Stasei,L., and von Stockar,U. Continuous production of lactic acid from whey permeate by Lactobacillus helvetics in two chemostats in series. Enzyme Microbiol. Technol. (エンザイムマイクロバイオロジー アンド テクノロジー)12:926-932. に記載され、(3) ラクトバチルス アミロボラス(Lactobacillus amylovorus)を用いたL−乳酸の製造が、Nakamura,L.K. and Crowell C.D. (1979) Lactobacillus amylovorus, a new starch-hydrolyzing species from swine waste-com fermentation. Div. Ind. Microbiol. 20:531-540.に記載され、(4) ラクトバチルス デルブルッキー(Lactobacillus delbruekii)を用いたL−乳酸の製造が、Stenroos,S.L., Linko,Y.Y., and Linko,P. (1982) Production of L-lactic acid with immobilized Lactobacillus delbruekii. Bacteriol.Lett.(バイオテクノロジーレター)4:159-164.に記載され、(5) ラクトコッカス ラクティス(Lactococcus lactis)を用いたL−乳酸の製造が、Ishizaki,A. and Kobayashi,G. (1990) Computer simulation of L-lactate batch fermentation applying the enzyme inactivation scheme. J. Ferment. Bioeng. 70:139-140.に記載されている。
【0008】以上(1) 〜(5) は乳酸菌を用いたL−乳酸の製造である。しかし、これらの乳酸菌は栄養要求性が高く、培地がコスト高となる。乳酸菌を用いた乳酸製造の培地がコスト高になることは、Boer,J.P.de, Mattos,M.J.T.de, and Neijssel O.M. (1990) D(-)Lactic acid production by suspended and aggregated continuous cultures of Bacillus laevolacticus. Appl. Microbiol. Biotechnol. 34:149-153. に記載されている。培地がコスト高となれば、当然のことながら、製品としてのL−乳酸が高価なものとなる。
【0009】そこで、乳酸菌以外の菌を用いたL−乳酸の製造法も報告されている。例えば、リゾプス オリザエ(Rhizopus oryzae) によるL−乳酸の製造が、Tamada,M.,Bagum,A.A., and Sadai,S. (1992) Production of L(+)-lactic acid by immobilized cells of Rhizopus oryzae with polymer supports prepared by γ rayinduced polymerization. J. Ferment. Bioeng. 74:379-383.に記載されている。しかし、この方法では、発酵時間が40〜50時間と長く、生産効率が良くない。
【0010】また、バチルス ラエボラクティス(Bacillus laevolactis)によるD−乳酸製造は、前述の Appl. Microbiol. Biotechnol. 34:149-153. に報告があるが、D−乳酸ではしかたない。
【0011】また、バチルス コアグランス(Bacillus coagulans)によるL−乳酸の製造が、特開昭58−40093号公報、特公昭60−6200号公報、米国特許US.5079164号明細書に記載されている。しかしながら、バチルス コアグランスは、本明細書の実施例で示すが栄養要求性が高く、その結果、培地がコスト高となる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、高純度のL−乳酸を安価に製造することのできる新規なL−乳酸生産菌を提供することにある。さらに、本発明の目的は、このL−乳酸生産菌を用いて高純度L−乳酸を安価に製造する方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の高純度L−乳酸の生産菌は、光学純度95%以上のL−乳酸を生産する能力を有するバチルス(Bacillus) sp.SHO−1(FERM P−15234)である。
【0014】本発明のL−乳酸の生産菌バチルス(Bacillus) sp.SHO−1(FERMP−15234)は、牛乳から分離された桿菌である。このバチルス(Bacillus) sp.SHO−1の分離は、牛乳をBCPカウントプレートアガー(ニッスイ製薬製)に画線し、これをBBL GasPakに入れ、34℃で24時間培養する。生育したコロニーのうち酸を生成しているものの周辺のアガーは、ブロムクレゾールパープルが紫色から黄色に変色している。このコロニーを白金耳で取り、再び新しいBCPカウントプレートアガーに画線培養する。これを通常2〜5回行なう。このようにしてスクリーニングされたコロニーを、グルコース2%、酵母エキス1%、ポリペプトン1%およびリン酸第2カリウム3.5%を含む培地(HClによってpH7.0としたもの)10mlに植え、ガスパック中、34℃で24時間培養する。そして、培養液を分析し、高い光学純度のL−乳酸を生成している微生物より選ぶことにより、目的とするバチルス(Bacillus)sp.SHO−1を得ることができる。なお、培養液中のL−乳酸の光学純度の分析法は、本明細書の実施例で記載の方法による。得られた分離菌は実質的に純粋な菌である。
【0015】バチルス(Bacillus) sp.SHO−1の菌学的性質は、次の通りである:(a) 形態的性質形: 桿状体大きさ: 長さ5μm、幅2μm運動性: +胞子の形成: +胞子嚢: 非膨出胞子の形: 楕円形胞子の位置; 中立〜亜端立(b) 生理学的性質グラム染色性: +カタラーゼ活性: +エッグヨークレシチナーゼ反応: +(Egg-yolk lecithinase)インドールの生成: −Voges-Proskauer テスト: +糖の資化性:グルコース: +マルトース: +フラクトース:+サッカロース:−ラクトース: +ラフィノース:−マンニット: −以上より、本菌株SHO−1はバチルス(Bacillus)属に属するものである。
【0016】本菌株SHO−1の上記の生理学的特徴は、他の公知のバチルスと特に変わるところはない。ただ、実施例で見られるように、非常に高い光学純度のL−乳酸を高い変換率で生成する能力を有するものである。従って、本菌株SHO−1は公知のバチルス属微生物と一致しないので、バチルス(Bacillus)属に属する新菌株と考えられる。
【0017】本菌株バチルス(Bacillus) sp.SHO−1は、工業技術院生命工学工業技術研究所に微生物寄託番号第P−15234号として寄託されている。
【0018】本菌株バチルス(Bacillus) sp.SHO−1は、乳酸菌やバチルス・コアグランスよりも栄養要求性が低く安価な培地で培養でき、高い光学純度のL−乳酸を安価に製造できるので、非常に有用である。
【0019】次に、本発明のL−乳酸の製造方法について説明する。本発明のL−乳酸の製造方法は、資化可能な炭素源から光学純度95%以上のL−乳酸を生産する能力を有するバチルス(Bacillus) sp.SHO−1(FERM P−15234)を培養し、この培養物から光学純度95%以上のL−乳酸を採取することを特徴とするものである。
【0020】本発明の方法において、資化可能な炭素源として、グルコース、マルトース、フラクトースおよびラクトースからなる群から選ばれる少なくとも1種の糖質を用いることができる。これら糖質の培地中の濃度は、通常2〜15重量%程度である。
【0021】また、副原料として、ポリペプトン、チーズホエー、コーンスティープリカーなど安価な原料を用いることができる。これら副原料の培地中の濃度は、通常0.1〜2重量%程度である。特に、ポリペプトンの培地中の濃度は、0.5〜2重量%程度である。
【0022】また、培地中には、リン酸カリウム、リン酸アンモニウム等の無機塩類、苛性ソーダ、塩酸、各種緩衝液等のpH調整剤、マンガン化合物、マグネシウム化合物等を含むことができる。
【0023】菌体の培養は、通常STR (Stirred Tank Reactor)で回分式に行なうが、これに限らず、CSTR(Continuous Tank Reactor)で連続的に行なうこともできる。また、アルギン酸カルシウム、カラギーナン、光硬化性樹脂等への固定化や膜型リアクター、電解透析型リアクターにより生産しても良い。膜型リアクターは、例えば、Dialysis(透析型)のものが、Coulman らによる、Applied EnvironmentalMicrobiology, 1977年34巻、725-732 頁や、Stieber and Gerhardtによる、Biotechnology and Bioengineering, 1981年23巻、523-534 頁などに記載されている。また、Cross-Flow型の膜型リアクターは、Major and Bullによる、Biotechnology and Bioengineering, 1989年34巻592-599 頁などに記載されている。
【0024】培養のpHおよび温度は、バチルス sp.SHO−1の性質から、通常pH6.0〜8.0、好ましくはpH6.5〜7.5、温度20〜40℃、好ましくは30〜40℃である。
【0025】また、本発明において、培養は、好気的条件下で行うこともできるが、嫌気的条件下で行うことが好ましい。バチルス属は好気性または通性好気性の微生物であり、通常、通気等を行うことにより好気的に培養する。この様な好気的条件では、グルコース等の糖はピルビン酸からクレブス回路を経て代謝される。本発明ではバチルス sp.SHO−1を嫌気的条件下で培養することにより、ピルビン酸からより高純度のL−乳酸を、より高変換率で得ることができる。嫌気的条件は、炭酸ガス、不活性ガス(窒素ガス、アルゴンガス等)の通気によって保つことができる。
【0026】菌体バチルス sp.SHO−1の培地中への導入は、従来公知のいずれの方法により行なっても良く、また、生産されたL−乳酸の分離精製も、従来公知のいずれの方法を用いても良い。
【0027】本発明の方法によれば、資化可能な炭素源から光学純度95%以上のL−乳酸を生産する能力を有するバチルス sp.SHO−1を培養するので、光学純度95%以上の高純度でL−乳酸を製造することができる。しかも、バチルス sp.SHO−1は、乳酸菌やバチルス・コアグランスより栄養要求性が低く安価な培地で培養できるので、より安価にL−乳酸を製造することができる。
【0028】
【実施例】次に、実施例により本発明をより具体的に説明する。
【0029】[実施例1]バチルス(Bacillus) sp.SHO−1の分離操作を以下のように行なった。牛乳をBCPカウントプレートアガー(ニッスイ製薬製)に画線し、これをBBL GasPakに入れ、34℃で24時間培養した。生育したコロニーのうち酸を生成しているものの周辺のアガーは、ブロムクレゾールパープルが紫色から黄色に変色していた。このコロニーを白金耳で取り、再び新しいBCPカウントプレートアガーに画線培養した。この操作を5回行なった。このようにしてスクリーニングされたコロニーを、グルコース2%、酵母エキス1%、ポリペプトン1%およびリン酸第2カリウム3.5%を含む培地(1MのHClによってpH7.0と調整したもの)10mlに植え、ガスパック中、34℃で24時間培養した。そして、得られた培養液を分析し、高い光学純度のL−乳酸を生成している微生物より選んだ。このようにして、バチルス(Bacillus) sp.SHO−1(FERM P−15234)株を得た。
【0030】[実施例2]バチルス(Bacillus) sp.SHO−1をブレインハートインフュージョン培地(Becton Dickinson社製)で34℃で10時間培養し、これを種菌とした。この0.1mlづつを2本の各試験管中の次の組成からなる液体培地10mlに植菌した。ポリペプトンS(日本製薬製)10g/l、グルコース20g/l、およびリン酸第2カリウム35g/l:なお、この培地は1MのHClによって、pH7.0に調整した。各試験管の口には通気可能な多孔質のシリコン栓をし、1本の試験管では嫌気的培養を行ない、他の1本の試験管では好気的培養を次のように行なった。
<嫌気的培養>試験管をBBK GasPak(Becton Dickinson社製)に入れ、34℃で10時間、静置培養した。ガスパック中で行なったので、次の振盪培養よりも嫌気度が高い。
<好気的培養>試験管をBBK GasPak(Becton Dickinson社製)に入れることなく、34℃で10時間、120rpmで振盪培養した。
【0031】培養後、乳酸生成量(g/l)、消費グルコース量(g/l)、変換率(%)および光学純度(%)を以下のようにして求めた。
【0032】<乳酸生成量および消費グルコース量>乳酸生成量および消費グルコース量は、それぞれ培養液中の乳酸濃度(g/l)および消費グルコース量(g/l)として、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により次の条件で定量した。なお、乳酸生成量は、L−体及びD−体の合計量である。
HPLC;(島津製作所製、LC−6A)、検出器;示差屈折率計(RID−6A、島津製作所製)、カラム;Shim-pack SCR-101H(島津製作所製)、カラム温度;60℃、溶離液;2.5mmolの過塩素酸水溶液、流速;0.9ml/min。
【0033】<変換率>変換率は、変換率(%)=(乳酸生成量(g/l) /消費グルコース量(g/l) )×100で計算される。ここで、乳酸生成量は、L−体及びD−体の合計量である。
【0034】<光学純度>L−乳酸の光学純度は次式で計算される:光学純度(%)=100×(L−D)/(L+D)
ここで、LはL−乳酸の濃度、DはD−乳酸の濃度を表す。培養液サンプルをUF膜(UFPI,ミリポア)で濾過して、分子量5000以上の分子をカットした。これを高速液体クロマトグラフィーにより測定し、培養液中のL−乳酸とD−乳酸の濃度を定量した。HPLC;(島津製作所製、LC−6A)、検出器;分光計(島津製作所製、SPD−6AV)、カラム;CRS10W(三菱化成製)、カラム温度;30℃、検出波長;254nm、溶離液;2mMのCuSO4 、流速;0.5ml/min。
【0035】[比較例1]実施例2のバチルス(Bacillus) sp.SHO−1に代えて、菌株としてバチルス・コアグランス(Bacillus coagulans) JCM 2257 を用いた以外は、実施例2と同様の操作で培養を行ない、乳酸生成量(g/l)、消費グルコース量(g/l)、変換率(%)および光学純度(%)を求めた。
【0036】実施例2、比較例1の結果を表に示す。
【表1】


【0037】表より、菌株としてバチルス sp.SHO−1を用いた実施例2の場合は、高変換率で、しかも高い光学純度でL−乳酸が生成した。また、好気的培養に比べ嫌気的培養の方が、高い変換率と高い光学純度が得られた。一方、菌株としてバチルス・コアグランスを用いた比較例1の場合は、好気的培養した場合でも乳酸生成量は少なく、光学純度も70%に満たないものであった。嫌気的培養の場合は、乳酸生成が認められなかった。
【0038】また、実施例2の結果で注目すべきは、グルコース以外の副原料としてポリペプトンSで良いということであり、このことは、乳酸菌ではまずあり得ない。つまり、バチルス sp.SHO−1株が乳酸菌やバチルス・コアグランスよりも栄養要求性が低く、培地を選ばないということであり、より安価な培地で高純度のL−乳酸を生産できることが明かとなった。
【0039】[実施例3]バチルス(Bacillus) sp.SHO−1を、ポリペプトンS:10g/l、リン酸アンモニウム:5g/l、およびグルコース100g/lからなる培地で培養した。培養は500mlの培養器(培養液量500ml)を用い、30℃、60rpmで攪拌を行い、6M苛性ソーダによりpHを7.0に保った。また、嫌気的条件を保つため30ml/minで窒素ガスを通気し、30℃で15時間培養した。培養液の乳酸濃度は97g/lであり、光学純度は99.9%と非常に高いものであった。
【0040】
【発明の効果】本発明の菌株バチルス(Bacillus) sp.SHO−1は、高い光学純度のL−乳酸を生産する能力を有し、しかも乳酸菌やバチルス・コアグランスよりも栄養要求性が低く安価な培地で培養できるので、高い光学純度のL−乳酸を安価に製造できる菌株として非常に有用である。従って、この菌株バチルス(Bacillus)sp.SHO−1を用いた本発明の方法によれば、高い光学純度のL−乳酸を安価に製造することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 光学純度95%以上のL−乳酸を生産する能力を有するバチルス(Bacillus) sp.SHO−1(FERM P−15234)。
【請求項2】 資化可能な炭素源から光学純度95%以上のL−乳酸を生産する能力を有するバチルス(Bacillus) sp.SHO−1(FERM P−15234)を培養し、この培養物から光学純度95%以上のL−乳酸を採取することを特徴とする、L−乳酸の製造方法。
【請求項3】 資化可能な炭素源として、グルコース、マルトース、フラクトースおよびラクトースからなる群から選ばれる少なくとも1種の糖質を用いることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】 嫌気的条件下で培養することを特徴とする、請求項2〜3項のうちのいずれか1項に記載の方法。