説明

髪ケア装置

【課題】ハウジングの外側から放電部での放電の状態を視認することができる髪ケア装置を提供する。
【解決手段】放電部2より荷電粒子を髪表面に放出して髪の手入れを行う髪ケア装置1において、放電部2での放電を外側より視認するためのレンズ3を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放電部より荷電粒子を髪表面に放出して髪の手入れを行う髪ケア装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、放電部より荷電粒子(マイナス空気イオン・プラス空気イオン)を髪表面に放出して髪の手入れ(ケア)を行う髪ケア装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に示されるものは、図8に示すように、ハウジング10の内部に空気流路11が形成され、空気流路11には上流側よりファン14及びファン14を駆動するモータ(図示せず),ヒータ15が配設してある。
【0004】
ハウジング10の上部にはイオン流路4が設けてあると共にイオン流路4に放電電極を有する放電部2を備えている。そして、放電部2で生成された荷電粒子がイオン吐出口41から吐出されるものである。
【特許文献1】特開2002−191426号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上記従来の髪ケア装置にあっては、ハウジング10内に放電部2を収容しているため、使用者がハウジング10外から見ただけでは放電部2での放電の状態が視認できず、放電部2の掃除の時期の判断が難しいものであった。
【0006】
本発明は上記従来の問題点に鑑みて発明したものであって、その目的とするところは、ハウジングの外側から放電部での放電の状態を視認することができる髪ケア装置を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために請求項1に係る発明にあっては、放電部2より荷電粒子を髪表面に放出して髪の手入れを行う髪ケア装置1において、放電部2での放電を外側より視認するためのレンズ3を設けて成ることを特徴とするものである。
【0008】
このような構成とすることで、レンズ3を通してハウジング10の外側から放電部2での放電の状態を視認することが可能となる。
【0009】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、略筒状をしたハウジング10を有し、ハウジング10内に放電部2を備えると共にハウジング10の側壁にレンズ3を設けて成ることを特徴とするものである。
【0010】
このような構成とすることで、荷電粒子の吐出口を塞ぐことなくレンズ3を設けることが可能となる。
【0011】
また、請求項3に係る発明は、請求項2に係る発明において、ハウジング10内に空気流路11を有すると共に該空気流路11内に放電部2を設置し、放電部2に対応するハウジング10の側壁にレンズ3を設けて成ることを特徴とするものである。
【0012】
このような構成とすることで、レンズ3を通してハウジング10の外側から放電部2での放電の状態を視認することが可能となる。
【0013】
また、請求項4に係る発明は、請求項2又は3に係る発明において、レンズ3がハウジング10と別部材であることを特徴とするものである。
【0014】
このような構成とすることで、ハウジング10の構造上の制約が少なくなり、レンズ3の配置の自由度が増すもので、使用者にとって視認し易い位置にレンズ3を配置することが可能となる。
【0015】
また、請求項5に係る発明は、請求項1乃至4のいずれか一項に係る発明において、放電部2を照射する照明手段5を備えて成ることを特徴とするものである。
【0016】
このような構成とすることで、放電部2を照射して視認し易くなるものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明にあっては、放電部での放電を外側より視認するためのレンズを設けたことで、レンズを通してハウジングの外側から放電部での放電の状態を視認することが可能となって、放電部の掃除の時期の判断を的確に行えて、放電の効果を長期的に確実に得ることができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態について図1乃至図4に基づいて説明する。本実施形態における髪ケア装置1はヘアードライヤー1Aであって、図1に示すように、機器が収納されるハウジング10にて本体部が形成される。
【0019】
ハウジング10は、内部に空気流路11が形成される略筒状をしたもので、下流側の側端部には空気を吐出する空気吐出口12が形成されると共に、上流側の上壁部には空気を吸入する空気吸込口13が形成してある。
【0020】
ハウジング10の内部には、空気流路11のうち、空気吸込口13より空気吐出口12に至る空気流路11本体が形成されてある。空気流路11本体には、上流側よりファン14及びファン14を駆動するモータ(図示せず),ヒータ15が配設してある。ファン14は、ファン14の上方に位置するようにハウジング10に設けてある上記空気吸込口13より空気を空気流路11内に取り込んで、側方の空気流路11下流側に空気を送る、ファン14の内部空間に収納配置されたモータによって駆動されるもので、ファン14より下流側に配設されるヒータ15は、ファン14より送られてきた空気を加温するものである。
【0021】
また、ハウジング10の上流側の下壁部にはハンドル部16が下方に向けて突設してある。ハンドル部16は大略筒状をしており、ハウジング10の上流側の下壁部より下方に向けてハウジング10と一体に突設してある。ハンドル部16の内部には、上記モータやヒータ15の電源スイッチ17が設けてある。
【0022】
さらに、ハウジング10の上部にはイオン流路4が設けてある。イオン流路4は、略半筒状のイオン流路外殻40をハウジング10の上壁部の上外面にハウジング10と一体的に設けて、このイオン流路外殻40の内部に形成される空間をイオン流路4とするもので、下流側の側端開口は後述するマイナスイオンが吐出されるイオン吐出口41としてある。イオン流路4は、ハウジング10の内部に形成された空気流路11とは別の流路として設けるものであるが、この時、図1に示すように、空気流路11を流れる空気がイオン流路4の上流側へ流入可能とする流入経路42をハウジング10の上壁部に形成してもよく、また、図示はしないが、イオン吐出口41が空気吐出口41近傍に位置するようにイオン流路4を設けるようにしてもよいものである。そして、イオン流路4には、マイナスイオンを発生するイオン発生部が設けてあると共に、ハウジング10には、イオン発生部でのマイナスイオンの発生と発生停止とを切り替えるイオンスイッチ(図示せず)、及び、イオン発生部でのマイナスイオンの発生を視認するためのレンズ3(後述する)が設けてある。
【0023】
イオン発生部は、放電部2と高電圧発生部(図示せず)と、これらを電気的に接続するリード線(図示せず)とで構成されるもので、放電部2は、放電電極21とグランド電極(図示せず)と、これらを収納保持する絶縁体で形成したケーシング20とからなる。放電電極21の先端とグランド電極(図示せず)とは隙間を介して配置すると共に、これら放電電極21とグランド電極(図示せず)はそれぞれリード線で高電圧発生部に接続されている。
【0024】
イオン発生部の放電部より荷電粒子(マイナス空気イオン・プラス空気イオン)を髪表面に放出することで、髪をしっとり、さらさらにすることができる。
【0025】
そして、本発明においては、放電部2での放電を外側より視認するためのレンズ3を設けるものである。レンズ3は、図1に示す例ではハウジング10のイオン流路外殻40の側壁に設けてあり、図2に示す例ではハウジング10の空気流路11内に放電部2を設置し、放電部2に対応するハウジング10の側壁にレンズ3を設けてある。またレンズ3は、図1に示すようにハウジング10と一体で設けるか、図3に示すようにハウジング10とは別部材で設けてもよい。レンズ3とハウジング10とを別部材とすることで、ハウジング10の構造上の制約が少なくなり、レンズ3の配置の自由度が増すもので、使用者にとって視認し易い位置にレンズ3を配置することが可能となる。
【0026】
放電部2に埃等が付着すると、リーク発生等により正常に放電が行われなくなるが、以上のような放電部2での放電を外側より視認するためのレンズ3を設けたことで、レンズ3を通してハウジング10の外側から放電電極1での放電の状態を拡大して視認することが可能となって、放電部2に付着した埃等の掃除の時期の判断を的確に行えて、放電の効果を長期的に確実に得ることができるものである。
【0027】
また、図5に示すように、放電部2を照射する照明手段5を備えることで、放電部2を照射して視認し易くなるものである。
【0028】
次に、本発明の他の実施形態について図5に基づいて説明する。本実施形態における髪ケア装置1はブラシ付きのヘアードライヤー1Bであって、図5に示すように、機器が収納されるハウジング10にて本体部が形成される。なお、上実施形態と同じ構成については同符号を付して説明を省略する。
【0029】
本実施形態におけるブラシ付きのヘアードライヤー1Bは、ハウジング10と該ハウジング10に着脱自在に取付けられるアタッチメント6とからなるものである。なお、ブラシ付きのヘアードライヤーは1Bとしては、本実施形態のように別体のハウジング10とアタッチメント6とで外殻が構成されるものの他に、外殻が一体のハウジング10で形成されるものでもよい。
【0030】
ハウジング10は、内部に空気流路11が形成される略筒状をしたもので、上流側端部には空気を吸入する空気吸込口13が形成してある。ハウジング10内の空気流路11には、上流側(即ち空気吸込口13側)よりファン14,モータ,ヒータ15が配設してあり、モータを駆動させてファン14を回転させ、空気吸込口13より空気を取り入れて下流側に送風するものである。また、ハウジング10の下流側端部には、アタッチメント6が着脱自在に取付けられる取着部が形成してある。また、ハウジング10の下流側端部近傍の側壁(本実施形態では対向する両側壁)にイオン流路4が設けてあると共に、イオン流路4に放電部2の放電電極21が設けてある。
【0031】
アタッチメント6は、内部に空気経路が形成される略筒状をしたもので、上流側端部には、ハウジング10の取着部に取付けられる被取着部が設けてある。そして、下流側端部の空気吐出口12には、ブリスル61を設けたブラシ部が取付けられている。
【0032】
そして、放電部2に対応するハウジング10の側壁にレンズ3を設けてある。
【0033】
以上のような構成とすることで、レンズ3を通してハウジング10の外側から放電電極1での放電の状態を拡大して視認することが可能となって、放電部2に付着した埃等の掃除の時期の判断を的確に行えて、放電の効果を長期的に確実に得ることができるものである。
【0034】
次に、本発明の更に他の実施形態について図6に基づいて説明する。本実施形態における髪ケア装置1はヘアーアイロン1Cである。なお、上実施形態と同じ構成については同符号を付して説明を省略する。
【0035】
本実施形態におけるヘアーアイロン1Cは、対をなす挟持体7で髪を挟むもので、挟持体7は一端側を回動自在に連結し、対向して当接する面にアイロン板71備え、アイロン板71を加熱するヒータ15と、イオン発生部としての放電電極21を有する放電部2を備えている。また、挟持体7内には、放電部に高電圧を印加する高圧発生装置72を備えると共に、挟持体7の側壁には、放電部2で発生した荷電粒子を挟持体7外に吐出するイオン吐出口41が形成してあると共に、放電部2に対応する挟持体7の側壁にレンズ3を設けてある。
【0036】
以上のような構成とすることで、レンズ3を通してハウジング10の外側から放電電極1での放電の状態を拡大して視認することが可能となって、放電部2に付着した埃等の掃除の時期の判断を的確に行えて、放電の効果を長期的に確実に得ることができるものである。
【0037】
次に、本発明の更に他の実施形態について図7に基づいて説明する。本実施形態における髪ケア装置1はブラシ付きのヘアードライヤー1Dであって、図7に示すように、機器が収納されるハウジング10にて本体部が形成される。なお、上実施形態と同じ構成については同符号を付して説明を省略する。
【0038】
ハウジング10は、内部に空気流路11が形成される略筒状をしたもので、上流側端部には空気を吸入する空気吸込口13が形成してある。ハウジング10内の空気流路11には、上流側(即ち空気吸込口13側)よりファン,モータ,ヒータが配設してあり、モータを駆動させてファンを回転させ、空気吸込口13より空気を取り入れて下流側に送風するものである。また、ハウジング10の下流側端部近傍の側壁(本実施形態では対向する両側壁)に、空気吐出口12が設けてあると共に、空気吐出口12の中央部にイオン流路4及びイオン吐出口41が設けてあり、イオン流路4の内部に放電部2の放電電極21が設けてある。そして、放電部2に対応するハウジング10の側壁(本実施形態では空気吐出口12の中央部)にレンズ3を設けてある。空気吐出口12にはブリスル61が設けてある。
【0039】
以上のような構成とすることで、レンズ3を通してハウジング10の外側から放電電極1での放電の状態を拡大して視認することが可能となって、放電部2に付着した埃等の掃除の時期の判断を的確に行えて、放電の効果を長期的に確実に得ることができるものである。
【0040】
なお、本発明においては、イオン発生部に代えて放電極を備える静電霧化装置を用いてもよい。静電霧化装置は、特に図示しないが、放電極および該放電極に対向配置した対向電極と、放電極に水を供給する水供給手段と、放電極と対向電極との間に高電圧を印加する電圧印加手段とを備え、電圧印加手段にて放電極と対向電極との間に高電圧を印加することで放電極に供給した水を静電霧化するものである。静電霧化は、高電圧の印加によって放電極側が負電極となって電荷が集中するとともに放電極の表面に付着した水が円錐形状に盛り上がってテイラーコーンが形成され、このテイラーコーンの先端に電荷が集中して高密度となってこの高密度の電荷の反発力ではじけるようにして水が分裂・飛散するレイリー分裂を繰り返すことで行われる。この時、テイラーコーンの形成は放電極の表面の濡れ性に影響されるもので、濡れ性が小さいと所定のテイラーコーンが形成されず静電霧化される量が確保できないため、放電極の表面の濡れ性を所定確保する必要がある。
【0041】
水供給手段はとしては、水タンクから放電極の先端に水を供給するもの、ペルチエ素子からなる冷却手段を用いるもの等が挙げられる。ペルチエ素子からなる冷却手段を用いる場合、冷却手段にて放電極を冷却させて空気中の水分(湿気)を放電極の先端部の表面に結露させることで水を供給するものである。ペルチエ素子の放電極側の端部が冷却部、その反対側の端部が放熱部となっており、冷却部は放電極に熱的に接続してあるとともに、放熱部は放熱フィンに熱的に接続してある。
【0042】
静電霧化は、上述したように電圧印加手段にて高電圧を印加して放電極の先端部に結露した水を静電霧化し、帯電粒子としての帯電微粒子水を生成させるものである。
【0043】
このような静電霧化装置を用いることでも、帯電微粒子水を髪表面に放出することができて、髪をしっとり、さらさらにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の髪ケア装置の一実施形態を示し、(a)は側断面図であり、(b)は要部(放電部)拡大断面図である。
【図2】同上の他例を示し、(a)は側断面図であり、(b)は要部(放電部)拡大断面図である。実施形態を示し、(a)は側断面図であり、(b)は要部(放電部)拡大断面図である。
【図3】同上の更に他例の拡大断面図である。
【図4】同上の更に他例の拡大断面図である。
【図5】本発明の他の実施形態を示し、(a)は側面図であり、(b)はハウジングの側断面図であり、(c)はハウジングを(b)と直交する方向で切断した断面図である。
【図6】本発明の更に他の実施形態を示し、(a)は斜視図であり、(b)は側面図であり、(c)は側断面図である。
【図7】本発明の更に他の実施形態を示し、(a)は側断面図であり、(b)は正面図である。
【図8】従来例の断面図である。
【符号の説明】
【0045】
1 髪ケア装置
1A ヘアードライヤー
1B ブラシ付きのヘアードライヤー
1C ヘアーアイロン
1D ブラシ付きのヘアードライヤー
10 ハウジング
11 空気流路
12 空気吐出口
13 空気吸込口
14 ファン
15 ヒータ
16 ハンドル部
17 電源スイッチ
2 放電部
21 放電電極
20 ケーシング
3 レンズ
4 イオン流路
40 イオン流路外殻
41 イオン吐出口
42 流入経路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放電部より荷電粒子を髪表面に放出して髪の手入れを行う髪ケア装置において、放電部での放電を外側より視認するためのレンズを設けて成ることを特徴とする髪ケア装置。
【請求項2】
略筒状をしたハウジングを有し、ハウジング内に放電部を備えると共にハウジングの側壁にレンズを設けて成ることを特徴とする請求項1記載の髪ケア装置。
【請求項3】
ハウジング内に空気流路を有すると共に該空気流路内に放電部を設置し、放電部に対応するハウジングの側壁にレンズを設けて成ることを特徴とする請求項2記載の髪ケア装置。
【請求項4】
レンズがハウジングと別部材であることを特徴とする請求項2又は3記載の髪ケア装置。
【請求項5】
放電部を照射する照明手段を備えて成ることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の髪ケア装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−160176(P2009−160176A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−341336(P2007−341336)
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】