説明

髪ケア装置

【課題】リード線同士の相互干渉による性能の低下や不安定化を抑制することが可能な髪ケア装置を得る。
【解決手段】ケース3内で、リード線17aとリード線17bとを相互に交叉しないように配索した。よって、リード線17a,17b同士の相互干渉による性能の低下や不安定化を抑制することができる。イオン生成部として、金属微粒子生成部10とミスト生成部11とを備える場合、これらに電圧を印加するためのリード線17a,17bの相互干渉によって金属微粒子ならびにミストの生成量の低下や不安定化が生じるのを抑制することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、髪ケア装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の髪ケア装置としてのヘアドライヤとして、放電極とグラウンド電極との間に電圧を印加して放電を生じさせてイオンを生成するイオン生成部を備えたものが知られている(特許文献1)。
【特許文献1】特開2008−126139号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この種の髪ケア装置では、放電によってイオンを生成するイオン生成部が複数設けられる場合には、電圧印加回路からイオン生成部に電圧を印加するリード線も複数本配索されることになる。
【0004】
この場合に、複数のリード線同士で相互干渉が生じると、各イオン生成部のイオン生成能力が低下したり、不安定になったりする虞がある。
【0005】
そこで、本発明は、リード線同士の相互干渉による性能の低下や不安定化を抑制することが可能な髪ケア装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明にあっては、ケース内に、放電極とグラウンド電極とを有し当該放電極とグラウンド電極との間に電圧を印加して放電させることによりイオンを生成するイオン生成部を、二つ備え、上記ケース内で、第一のイオン生成部に第一の電圧印加回路から電圧を印加する第一のリード線と、第二のイオン生成部に第二の電圧印加回路から電圧を印加する第二のリード線とを、相互に交叉しないように配索したことを特徴とする。
【0007】
請求項2の発明にあっては、上記第一のリード線を、上記第一のイオン生成部から上記第二のイオン生成部に対して離間する側に引き出して配索し、上記第二のリード線を、上記第二のイオン生成部から上記第一のイオン生成部に対して離間する側に引き出して配索したことを特徴とする。
【0008】
請求項3の発明にあっては、上記第一の電圧印加回路と上記第二の電圧印加回路と含む回路部を、上記ケース内に収容し、上記回路部から上記第一および第二のリード線を相互に離間する方向に引き出して配索したことを特徴とする。
【0009】
請求項4の発明にあっては、上記ケース内に風洞を形成する内筒を備え、上記第一のイオン生成部と上記第二のイオン生成部とを上記内筒の外周上でその周方向に離間させて配置し、上記第一のリード線を、上記第一のイオン生成部と上記第二のイオン生成部との間の中間位置と上記内筒の中心軸とを含む仮想平面より上記第一のイオン生成部の存在する側で配索し、上記第二のリード線を、上記仮想平面より上記第二のイオン生成部の存在する側で配索したことを特徴とする。
【0010】
請求項5の発明にあっては、上記第一のリード線が、上記第一のイオン生成部と上記第一の電圧印加回路との間で電圧を印加する電圧印加リード線とグラウンド接続するグラウンドリード線とを含み、上記第二のリード線が、上記第二のイオン生成部と上記第二の電圧印加回路との間で電圧を印加する電圧印加リード線とグラウンド接続するグラウンドリード線とを含むことを特徴とする。
【0011】
請求項6の発明にあっては、上記第一および第二のリード線のうち少なくともいずれか一方で、上記電圧印加リード線と上記グラウンドリード線とを相互に沿わせて配索したことを特徴とする。
【0012】
請求項7の発明にあっては、上記第一および第二のリード線のうち少なくともいずれか一方で、上記電圧印加リード線と上記グラウンドリード線とを相互に交叉しないように配索したことを特徴とする。
【0013】
請求項8の発明にあっては、上記髪ケア装置の外壁に、上記第一のイオン生成部で生成されたイオンが排出される第一のイオン排出口と上記第二のイオン生成部で生成されたイオンが排出される第二のイオン排出口とが形成され、上記第一のイオン生成部を上記第一のイオン排出口に対向して配置するとともに、上記第二のイオン生成部を上記第二のイオン排出口に対向して配置し、上記外壁から上記第一のイオン生成部のグラウンド電極までの距離と、上記外壁から上記第二のイオン生成部のグラウンド電極までの距離とを、略等しくしたことを特徴とする。
【0014】
請求項9の発明にあっては、上記イオン生成部のうちの少なくとも一つが、放電によって金属微粒子を生成する金属微粒子生成部であることを特徴とする。
【0015】
請求項10の発明にあっては、上記イオン生成部のうちの少なくとも一つが、供給された水を放電によって微細化してミストを生成するミスト生成部であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1の発明によれば、第一のリード線と第二のリード線とを相互に交叉しないように配索したため、リード線同士の相互干渉による性能の低下や不安定化を抑制することができる。
【0017】
請求項2の発明によれば、第一のリード線が第一のイオン生成部に繋がる部分と第二のリード線が第二のイオン生成部に繋がる部分とを相互により確実に離間させ、この部分でのリード線同士の相互干渉による性能の低下や不安定化を抑制することができる。
【0018】
請求項3の発明によれば、第一のリード線および第二のリード線が回路部に繋がる部分でこれらリード線同士をより確実に離間させ、この部分での相互干渉による性能の低下や不安定化を抑制することができる。
【0019】
請求項4の発明によれば、第一および第二のリード線を、内筒の外周上でその周方向の一方側と他方側とに分けて配索することで、これらリード線同士を離間させて、相互干渉による性能の低下や不安定化を抑制することができる。
【0020】
請求項5の発明によれば、イオン生成部とそれに対応する電圧印加回路とをグラウンドリード線を用いてグラウンド接続することで、第一および第二のイオン生成部について、放電極とグラウンド電極との間の電圧を安定化し、ひいてはイオン生成性能を安定化することができる。
【0021】
請求項6の発明によれば、電圧印加リード線とグラウンドリード線とを相互に沿わせることで、電圧印加リード線で生じている電界をグラウンドリード線で減殺することができ、当該電界によって他のイオン生成部や電気部品等に影響が及ぶのを抑制することができる。
【0022】
請求項7の発明によれば、電圧印加リード線とグラウンドリード線とを相互に交叉しないように配索することで、電圧の降下を抑制して、イオン生成性能の低下や不安定化を抑制することができる。
【0023】
請求項8の発明によれば、髪ケア装置内の第一のイオン生成部側と第二のイオン生成部側とで電位差が生じるのを抑制して、各イオン生成部において性能の低下や不安定化が生じるのを抑制することができる。
【0024】
請求項9の発明によれば、金属微粒子生成部による金属微粒子を生成する性能の低下や不安定化を抑制することができる。
【0025】
請求項10の発明によれば、ミスト生成部によるミストを生成する性能の低下や不安定化を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の複数の実施形態ならびに変形例には同様の構成要素が含まれている。よって、以下では、それら同様の構成要素に共通の符号を付与するとともに、重複する説明を省略する。
【0027】
(第1実施形態)図1は、本実施形態にかかる髪ケア装置としてのヘアドライヤの断面図、図2は、ヘアドライヤを出口開口側から見た正面図、図3は、ヘアドライヤの本体部内で金属微粒子生成部とミスト生成部が設けられる部分を拡大して示す平面図である。
【0028】
本実施形態にかかる髪ケア装置としてのヘアドライヤ1は、使用者が手で握る部分としての把持部1aと、把持部1aと交差する方向に結合された本体部1bとを備えており、使用時には把持部1aと本体部1bとで略T字状あるいは略L字状(本実施形態では略T字状)の外観を呈するように構成されている。把持部1aの突出端部からは、電源コード2が引き出されている。また、把持部1aは、本体部1b側の根元部1cと先端部1dとに分割されており、これら根元部1cと先端部1dとが、連結部1eを介して回動可能に連結されている。先端部1dは、本体部1bに沿う位置まで折り畳むことができるようになっている。
【0029】
ヘアドライヤ1の外壁をなすケース3は、複数の分割体を継ぎ合わせて構成されている。ケース3の内部には空洞が形成されており、この空洞内に、各種電気部品が収容されている。
【0030】
本体部1bの内部には、その長手方向(図1の左右方向)の一方側(右側)の入口開口4aから出口開口4bに至る風洞4が形成されており、この風洞4内に収容されたファン5を回転させることによって空気流Wが形成される。すなわち、空気流Wは、外部から入口開口4aを介して風洞4内に流入し、当該風洞4内を通って出口開口4bから外部に排出される。
【0031】
また、本体部1bにおいて、ケース3の外筒3aの内部には、略円筒状の内筒6が設けられており、空気流Wはこの内筒6の内側を流れるようになっている。内筒6の内側では、最も上流側にファン5が配置され、その下流側にファン5を駆動するモータ7が配置され、モータ7のさらに下流側に加熱機構としてのヒータ8が配置されている。ヒータ8を作動させたときには、出口開口4bから温風が吹き出されることになる。なお、本実施形態では、ヒータ8は、帯状かつ波板状の電気抵抗体を内筒6の内周に沿って巻回して配置したものとして構成されているが、かかる構成には限定されない。
【0032】
そして、本体部1b内で、ケース3と内筒6との間に形成された空洞9に、金属微粒子生成部(第一のイオン生成部)10や、ミスト生成部(第二のイオン生成部)11、ミスト生成部11に電圧を印加する第二の電圧印加回路12等が収容されている。また、把持部1aの根元部1c内の空洞13には、金属微粒子生成部10に電圧を印加する第一の電圧印加回路14や、動作モードの切り換え等を行うスイッチ部15が収容されている。さらに、把持部1aの先端部1d内の空洞には、電源のONとOFFとの切り換えや動作モードの切り換え等を行う別のスイッチ部16が収容されている。これら電気部品同士は、金属導体等からなる芯線を絶縁性樹脂等で被覆したリード線17によって接続されている。なお、スイッチ部15,16は、ケース3の表面に露出した操作子18,19を操作することで、内部接点の開閉状態を切り換えることができるように構成されている。
【0033】
第一の電圧印加回路14および第二の電圧印加回路12は、図1に示すように、把持部1a内、または本体部1b内で把持部1aの延長線上となる領域に配置するのが好適である。使用者が把持部1aを持ったときに、第一の電圧印加回路14および第二の電圧印加回路12に作用する重力による回転モーメント(のモーメントアーム)を小さくして、使用者の手に作用する負荷を小さくするためである。
【0034】
また、図1に示すように、本実施形態では、これら第二の電圧印加回路12および第一の電圧印加回路14を、内筒6を挟んで相互に反対側となる位置に配置している。すなわち、第二の電圧印加回路12と第一の電圧印加回路14との間に内筒6を介在させることで、第二の電圧印加回路12と第一の電圧印加回路14との相互干渉による電圧の低下や不安定化等の不具合を抑制している。
【0035】
内筒6は、筒状部6aと、筒状部6aから径方向外側に向けて伸びて周方向に分散して配置された複数の支持リブ6b(図1では一箇所のみ図示)と、支持リブ6bを介して筒状部6aに接続され当該筒状部6aの軸方向と略直交する方向に張り出すフランジ部6cと、を有している。筒状部6aとフランジ部6cとの間には間隙g1が形成されており、この間隙g1を介して空洞9内に空気流Wの一部が分岐されて流入し、分岐流Wpが形成されている。なお、分岐流Wpの空洞9内への導入口となる間隙g1は、ファン5の下流でありかつヒータ8の上流側となる位置に設けられている。したがって、分岐流Wpは、ヒータ8によって加熱される前の、比較的冷たい空気流となる。
【0036】
金属微粒子生成部10は、導電性を有する金属材料によって形成される放電極10aおよびグラウンド電極10bを有しており、これら放電極10aとグラウンド電極10bとの間に第一の電圧印加回路14によって高電圧を印加して放電(コロナ放電等)を生じさせ、その放電作用によって放電極10aやグラウンド電極10b等から金属微粒子(金属の分子やイオン等)を放出させるものである。
【0037】
この金属微粒子生成部10は、箱状の筐体10cを備えており、放電極10aは、筐体10c内で、当該筐体10cに固定された基台部(例えばプリント基板等、図示せず)に、例えばはんだ付けやかしめ等によって固定されている。
【0038】
放電極10aは、極細の線材として構成することができ、その幅(直径)を、10〜400[μm](好適には30〜300[μm]、より一層好適には50〜200[μm])に設定することができる。その場合、断面形状としては、円形、楕円形、多角形形状等、各種採用することができる。なお、放電極10aは、尖端を有する針状に形成してもよい。
【0039】
グラウンド電極10bは、例えば、放電極10aの先端側に離間させて当該放電極10aの延伸方向と略直交して配置される環状かつ板状の部材として設けることができる。
【0040】
また、放電極10aは、例えば、遷移金属(例えば、金、銀、銅、白金、亜鉛、チタン、ロジウム、パラジウム、イリジウム、ルテニウム、オスミウム等)の単体、合金、あるいは遷移金属をメッキ処理した部材等として構成することができる。金属微粒子生成部10で生成され放出された金属の微粒子に、金や、銀、銅、亜鉛等が含まれている場合、当該金属の微粒子によって抗菌作用を生じさせることができる。また、金属の微粒子に、白金、亜鉛、チタン等が含まれている場合、当該金属の微粒子によって抗酸化作用を生じさせることができる。なお、白金の微粒子は、抗酸化作用が極めて高いことが判明している。なお、金属微粒子の放出をさせない部分(例えばグラウンド電極10b等)は、ステンレススチールや、タングステン等を用いて構成することができる。
【0041】
また、金属微粒子生成部10は、放電作用によってイオン(例えばマイナスイオン、例えばNO、NO等)を生じさせ、このイオンを、放電極10aや、グラウンド電極10b、他の金属材料や金属成分を含む部材等に衝突させることで、金属微粒子を生成するものであってもよい。すなわち、グラウンド電極10bや上記他の部材を、上記遷移金属を含む材料によって構成し、これらから金属微粒子を放出させるようにしてもよい。
【0042】
ミスト生成部11は、導電性を有する金属材料によって形成される放電極11aおよびグラウンド電極11bを有しており、これら放電極11aとグラウンド電極11bとの間に第二の電圧印加回路12によって高電圧を印加することで放電(コロナ放電等)を生じさせるものである。具体的には、例えば、放電極11aは針状に形成し、グラウンド電極11bは放電極11aの先端側に離間配置した環状かつ板状の部材として形成することができる。また、ミスト生成部11は、冷却機構としてのペルチェ素子(図示せず)および熱伝導性を有する部材(例えば金属部材等)からなる冷却板11cとを含んでおり、ペルチェ素子によって冷却された冷却板11cの表面に空気中の水分を結露させ、結露水を生じるようになっている。かかる構成では、供給された水、すなわち結露水が、放電作用によって微粒化され、ナノメータサイズの非常に細かいミスト(マイナスイオンを含むマイナスに帯電されたミスト)が生成される。本実施形態では、ペルチェ素子および冷却板11cが水供給部に相当する。
【0043】
本実施形態では、金属微粒子生成部10およびミスト生成部11ともに、イオンを発生させるイオン発生部に相当するものである。
【0044】
また、図3に示すように、金属微粒子生成部10に繋がるリード線(第一のリード線)17aと、ミスト生成部11に繋がるリード線(第二のリード線)17bとは、相互に交叉させることなく極力離間させて配索するのが好適である。リード線17a,17bを流れる電流の相互干渉によって、金属微粒子生成部10あるいはミスト生成部11で所望の電圧が得られなくなったり、電圧が不安定になったりするのを抑制するためである。本実施形態では、金属微粒子生成部10をミスト生成部11に対して内筒6の周方向一方側(図3では上側)に離間して配置するとともに、リード線17aを内筒6と外筒3aとの間で金属微粒子生成部10に対して内筒6の周方向一方側となる領域に配索し、かつ、リード線17bを内筒6と外筒3aとの間でミスト生成部11に対して内筒6の周方向他方側(図3では下側)となる領域に配索している。
【0045】
また、本実施形態では、リード線17aは、金属微粒子生成部10からミスト生成部11に対して離間する側(図3では上側)に引き出されるとともに、リード線17bは、ミスト生成部11から金属微粒子生成部10に対して離間する側(図3では下側)に引き出されている。
【0046】
さらに、図3に示すように、リード線17aは、金属微粒子生成部10とミスト生成部11との中間位置Mと内筒6の中心軸とを含む仮想平面Vp(図2も参照)に対して金属微粒子生成部10が配置される側で配索され、リード線17bは、当該仮想平面Vpに対してミスト生成部11が配置される側で配索されている。なお、仮想平面Vpは、図2および図3では直線状に示される。また、中間位置Mは、金属微粒子生成部10とミスト生成部11との間の任意の位置とすることができるが、放電極10a,11a同士の丁度中間となる位置か、グラウンド電極10b,11bの端部同士の丁度中間となる位置とするのが好適である。
【0047】
また、リード線17a,17bは、それぞれ電圧印加リード線17a1,17b1とグラウンドリード線17a2,17b2とを含んでおり、各リード線17a,17bについて、電圧印加リード線17a1,17b1とグラウンドリード線17a2,17b2とを相互に沿わせて配索するとともに、相互に交叉させないように配索してある。
【0048】
ケース3には、図2に示すように、空洞9の出口開口4b側となる位置に、楕円形の貫通孔3bが形成されており、この貫通孔3bを絶縁性の合成樹脂材料からなるカバー20で塞いである。カバー20には、金属微粒子排出口20aとミスト排出口20bとが形成されている。カバー20は、金属微粒子あるいはミストによる帯電を抑制するため、ケース3よりも導電性を低くするのが好適である。カバー20が帯電すると、その電荷によって、金属微粒子生成部10やミスト生成部11から電荷を帯びた金属微粒子やミストが放出されにくくなるからである。なお、この部分では、カバー20がヘアドライヤ1の外壁を成している。
【0049】
ここで、本実施形態では、外壁としてのカバー20から金属微粒子生成部10のグラウンド電極10bまでの距離D1と、カバー20からミスト生成部11のグラウンド電極11bまでの距離D3とを、略等しくし、これにより、ヘアドライヤ1内の金属微粒子生成部10側とミスト生成部11側とで電位差が生じるのを抑制し、この電位差によって金属微粒子生成部10あるいはミスト生成部11において電圧が低下したり不安定となったりして、金属微粒子生成部10やミスト生成部11の性能の低下や不安定化が生じるのを抑制している。
【0050】
また、本実施形態では、図2に示すように、金属微粒子排出口20aを、ミスト排出口20bより小さくしてある。すなわち、ミスト排出口20bを介してのミスト生成部11のメンテナンスや状態の確認等をより容易に行わせるとともに、金属微粒子排出口20aを介しての手指や、道具、異物等の誤進入を抑制してある。
【0051】
さらに、本実施形態にかかるヘアドライヤ1は、発光部21を備えている。発光部21は、空洞9内に配置されたLED(発光ダイオード)等の光源21aと、光源21aの光を導光するアクリル等の透光性を有する合成樹脂材料で形成される導光部材21bと、を有している。図2に示すように、カバー20の、金属微粒子排出口20aとミスト排出口20bとの間には、縦長の長円状の孔20cが形成されており、導光部材21bの光源21aと反対側の出射端部21cが、この孔20cに嵌挿されて、カバー20の外に露出している。したがって、光源21aの光は導光部材21bによって導光され、出射端部21cからカバー20の外に出射される。かかる構成では、ヘアドライヤ1の使用時には、出射端部21cが使用者の頭部に対向して配置されることになる。
【0052】
この発光部21は、ヘアドライヤ1の動作モードの表示手段として利用することができる。例えば、ヒータ8を使用していて温風が吹き出されている状態では赤色、ヒータ8を使用せず冷風が吹き出されている状態では緑色、金属微粒子生成部10が稼動していて金属微粒子が放出されている状態では黄色、ミスト生成部11が稼動していてミストが放出されている状態では青色、など、動作状態に応じて色を変化させるようにすることができる。この場合、例えば第二の電圧印加回路12等と同じ基板上に実装された制御回路(図示せず)が各部の動作状態に応じて光源21aの発光を制御することができる。この場合、各色に対応する光源21aが複数実装され、制御回路がこれら複数の光源21aの発光を制御することになる。なお、制御回路によって光源21aを点滅させたり、その点滅間隔を制御したり、発光強度を変化させたりすることも可能であり、これら発光形態を、種々の動作モードに対応づけて設定することも可能である。
【0053】
また、発光部21からの光によって、人体に所定の効果を与えることも可能である。例えば、光源21aとして波長415[nm]の高輝度LEDを用いた場合には、当該光源21aから出射される青色光により、細菌の破壊による殺菌効果や、毛孔の縮小や皮脂の分泌低下等によるざ瘡(にきび)の予防効果などが得られることが確認されている。また、光源21aとして波長630[nm]程度の高輝度LEDを用いた場合には、当該光源21aから出射される赤色光により、血行促進、血管新生による新陳代謝の活性、コラーゲンやエラスチンの生成を促進するなどの効果が得られることが確認されている。さらに、赤色光の照射回数を重ねた場合には、小じわ、しみ、くすみ、開大毛孔などの光老化皮膚やざ瘡後の瘢痕の改善に有効であることが確認されている。なお、これらの効果は、人によって異なるものとなる。
【0054】
さらに、発光部21を、金属微粒子生成部10あるいはミスト生成部11を照らす照射手段として利用することができる。こうすれば、金属微粒子生成部10やミスト生成部11の状態を視認しやすくなるとともに、掃除等のメンテナンスを行う場合にも視認性が高まって作業効率が向上するという効果が得られる。
【0055】
上述したように、本実施形態にかかる髪ケア装置としてのヘアドライヤ1は、金属微粒子生成部10およびミスト生成部11を同じ空洞9内に収容しているのであるが、ミスト生成部11で生じたミストが金属微粒子生成部10に到達すると、金属微粒子生成部10が帯電して電圧や電界が変化して金属微粒子の生成が不安定化したり、金属微粒子生成部10の金属部分が水分によって腐食したりする虞がある。
【0056】
そこで、本実施形態では、金属微粒子生成部10を、ミスト生成部11で生成されたミストが通過するミスト通過領域Amiから外して配置してある。具体的には、図3に示すように、金属微粒子生成部10を、ミスト生成部11に対して、ミスト通過領域Amiでミストが通過する方向Dpと略直交する方向Dnに、離間して配置してある。ミストは、ミスト生成部11から方向Dpに向けて流出するため、ミスト生成部11に対して当該方向Dpと直交する方向Dnに配置される金属微粒子生成部10には到達し難くなる。したがって、かかる構成により、金属微粒子生成部10は、ミスト生成部11から流出したミストによる影響を受け難くなる。
【0057】
また、本実施形態では、空洞9内では、金属微粒子生成部10を、金属微粒子排出口20aに比較的近い位置で、当該金属微粒子排出口20aに対向させて配置し、ミスト生成部11を、ミスト排出口20bに比較的近い位置で、当該ミスト排出口20bに対向させて配置している。さらに、ミスト生成部11とカバー20との距離D3を、ミスト生成部11と金属微粒子生成部10との距離D2より短くしてある。さらに、空洞9内では、間隙g1から流入した分岐流Wpは、金属微粒子排出口20aおよびミスト排出口20bから外部に排出される。
【0058】
したがって、本実施形態では、金属微粒子生成部10で生成された金属微粒子は、比較的スムーズに金属微粒子排出口20aから排出されるとともに、ミスト生成部11で生成されたミストは、比較的スムーズにミスト排出口20bから排出される。すなわち、金属微粒子生成部10で生成された金属微粒子はミスト生成部11側には流れにくく、かつミスト生成部11で生成されたミストは金属微粒子生成部10側には流れにくい構成となっている。なお、分岐流Wpは、金属微粒子およびミストの排出に貢献しているが、分岐流Wpが無い場合でも、金属微粒子およびミストは対応する排出口20a,20bから排出される。
【0059】
さらに、本実施形態では、空洞9内に遮蔽壁を設けることで、ミストが金属微粒子生成部10に到達するのをより一層確実に抑制している。本実施形態では、導光部材21bと、金属微粒子生成部10を内筒6に取り付ける取付部材6dとを、遮蔽壁として利用している。
【0060】
導光部材21bは、板状に形成され、その厚み方向が内筒6の周方向に沿う姿勢で、金属微粒子生成部10の放出端部側(図3の左側)とミスト生成部11の放出端部側との間に配置されており、空洞9内で、金属微粒子通過領域(すなわち金属微粒子生成部10に対して図3の左側の領域)Ame側と、ミスト通過領域(すなわちミスト生成部11に対して図3の左側の領域)Ami側とを区画する遮蔽壁となっている。
【0061】
取付部材6dは、内筒6の筒状部6aから径外方向に向けて突設されており、金属微粒子生成部10を内筒6に取り付ける部材である。そして、金属微粒子生成部10側から金属微粒子排出口20a側に向けて延びる遮蔽壁部6eを有している。この遮蔽壁部6eは、取付部材6dに設けられているため必然的に金属微粒子生成部10に近接して配置されることとなり、比較的小さな構成でミストが金属微粒子生成部10側に到達するのを効率よく抑制することができる。
【0062】
また、取付部材6dの遮蔽壁部6eとカバー20との間には間隙g2を設け、カバー20に滞留した電荷が遮蔽壁部6eを介して金属微粒子生成部10側へ到来して金属微粒子生成部10における金属微粒子の生成を阻害するのを抑制してある。なお、間隙g2を設けるのに替えて、取付部材6dとカバー20との間に導電性の低いあるいは絶縁性の部材を介在させてもよい。
【0063】
そして、遮蔽壁として機能するこれら導光部材21bおよび取付部材6dは、図3に示すように、空洞9内で並列にミストが通過する方向Dpと略平行に配置されて、二重の遮蔽壁となっており、ミストが金属微粒子生成部10に到達するのをより一層効果的に抑制してある。
【0064】
以上、説明したように、本実施形態では、ケース3内で、リード線17aとリード線17bとを相互に交叉しないように配索した。よって、リード線17a,17b同士の相互干渉による性能の低下や不安定化を抑制することができる。本実施形態では、イオン生成部として、金属微粒子生成部10とミスト生成部11とを備えているため、これらに電圧を印加するためのリード線17a,17bの相互干渉によって金属微粒子やミストの生成量の低下や不安定化が生じるのを抑制することができる。
【0065】
また、本実施形態では、リード線17aを金属微粒子生成部10からミスト生成部11に対して離間する側に引き出して配索し、リード線17bをミスト生成部11から金属微粒子生成部10に対して離間する側に引き出して配索した。これらリード線17a,17bを相互に近接する側に引き出すと、相互に近接して交叉してしまう虞がある。この点、かかる構成では、リード線17a,17bを相互に離間する側に引き出すことができるため、リード線17aが金属微粒子生成部10に繋がる部分とリード線17bがミスト生成部11に繋がる部分とを相互により確実に離間させ、この部分でのリード線17a,17b同士の相互干渉による性能の低下や不安定化をより確実に抑制することができる。
【0066】
また、本実施形態では、金属微粒子生成部10とミスト生成部11とを内筒6の外周上でその周方向に離間させて配置し、リード線17aを、金属微粒子生成部10とミスト生成部11との間の中間位置Mと内筒6の中心軸とを含む仮想平面Vpより金属微粒子生成部10の存在する側で配索し、リード線17bを、仮想平面Vpよりミスト生成部11の存在する側で配索した。すなわち、リード線17a,17bを、内筒6の外周上でその周方向の一方側と他方側とに分けて配索することで、これらリード線17a,17b同士を離間させて、相互干渉による性能の低下や不安定化を抑制することができる。また、かかる構成では、リード線17a,17bを比較的長く配索した場合には、リード線17a,17b間に内筒6が介在する状態となって、リード線17a,17b同士の相互干渉をより一層確実に抑制することができる。
【0067】
また、本実施形態では、リード線17a,17bが、それぞれ、電圧印加リード線17a1,17b1とグラウンドリード線17a2,17b2とを含むものとして構成した。よって、グラウンドリード線17a2,17b2を用いて、イオン発生部としての金属微粒子生成部10およびミスト生成部11とこれらに対応する第一および第二の電圧印加回路14,12とをグラウンド接続することで、放電極10a,11aとグラウンド電極10b,11bとの間の電圧を安定化させ、ひいては金属微粒子およびミストの生成を安定化することができる。
【0068】
また、本実施形態では、リード線17a,17bの双方について、電圧印加リード線17a1,17b1とグラウンドリード線17a2,17b2とを相互に交叉しないように配索した。よって、電圧印加リード線17a1,17b1とグラウンドリード線17a2,17b2とが交叉することによる電圧の降下、ひいてはイオン生成性能の低下や不安定化が生じるのを抑制することができる。
【0069】
また、本実施形態では、カバー20から金属微粒子生成部10のグラウンド電極10bまでの距離D1と、カバー20からミスト生成部11のグラウンド電極11bまでの距離D3とを、略等しくした(D1=D3)。よって、ヘアドライヤ1内の金属微粒子生成部10側とミスト生成部11側とで電位差が生じるのを抑制して、金属微粒子生成部10およびミスト生成部11において、当該電位差に伴う電圧の変動、ひいては金属微粒子やミストの生成性能の低下や不安定化が生じるのを抑制することができる。
【0070】
(第2実施形態)図4は、本発明の第2実施形態にかかる髪ケア装置としてのヘアブラシの断面図である。
【0071】
本実施形態にかかる髪ケア装置としてのヘアブラシ1Dは、棒状に形成されており、使用者が把持部1fを持って先端部1gに設けられたブラシ部23を髪に当てて整髪する(髪を梳かす)ものである。ブラシ部23には、複数のブリッスル23aが突設されている。
【0072】
外壁をなすケース3Dは、複数の分割体を継ぎ合わせて構成されており、その内部には空洞が形成され、この空洞内に、各種電気部品が収容されている。
【0073】
また、把持部1fのブラシ部23に近い部分には、膨出した形状の外壁をなすカバー20Dが取り付けられており、このカバー20Dとケース3Dとによって形成される空洞9D内に、金属微粒子生成部10とミスト生成部11とが収容されている。カバー20Dには、ブリッスル23aに向けて開放された排出口20dが形成され、金属微粒子生成部10で生成された金属微粒子ならびにミスト生成部11で生成されたミストは、この排出口20dから外部に放出され、髪や地肌に作用することになる。なお、金属微粒子生成部およびミスト生成部11には、回路部24から電圧が印加される。すなわち、この回路部24には、第一の電圧印加回路と第二の電圧印加回路(いずれも図示せず)が含まれている。なお、回路部24は、第一の電圧印加回路と第二の電圧印加回路が近接して配置されたものであり、第一および第二の電圧印加回路を同一基板に実装したものとして構成することが可能であるが、同一基板に実装することは必須ではなく、基板を別にしてもよい。また、表裏側に分けて設けてもよい。
【0074】
また、本実施形態では、使用者の帯電によって金属微粒子の放出が阻害されるのを抑制するため、把持部1fの表面にチャージ部25を露出させてある。チャージ部25は、放出される金属微粒子およびミストの極性と逆の極性(例えば金属微粒子およびミストのマイナスイオンが放出される構成の場合にはプラス)に帯電され、使用者は、このチャージ部25を握ることで、当該逆の極性に帯電される。なお、チャージ部25の少なくとも最外層は絶縁性材料で構成されている。
【0075】
また、遮蔽壁22Dを設け、ミスト生成部11で生成されたミストが金属微粒子生成部10に到達するのを抑制している。
【0076】
以上の本実施形態でも、ケース3D内で、リード線17aとリード線17bとを相互に交叉しないように配索した。よって、リード線17a,17b同士の相互干渉による性能の低下や不安定化を抑制することができる。
【0077】
また、本実施形態では、第一の電圧印加回路と第二の電圧印加回路と含む回路部24を、ケース3D内に収容し、回路部24からリード線17a,17bを相互に離間する方向に引き出して配索してある。これらリード線17a,17bを相互に近接する側に引き出すと、相互に近接して交叉してしまう虞がある。この点、かかる構成では、相互に離間する側に引き出すことができるため、リード線17a,17bが回路部24に繋がる部分を相互により確実に離間させ、この部分でのリード線17a,17b同士の相互干渉による金属微粒子生成部10やミスト生成部11の性能の低下や不安定化をより確実に抑制することができる。
【0078】
また、本実施形態では、各リード線17a,17bについて、電圧印加リード線17a1,17b1とグラウンドリード線17a2,17b2とを相互に沿わせて配索してある。これにより、電圧印加リード線17a1,17b1で生じている電界をグラウンドリード線17a2,17b2で減殺することができ、金属微粒子生成部10や、ミスト生成部11、その他の電気部品等に、当該電界の影響が及ぶのを抑制することができる。
【0079】
そして、本実施形態でも、リード線17aを金属微粒子生成部10からミスト生成部11に対して離間する側に引き出して配索し、リード線17bをミスト生成部11から金属微粒子生成部10に対して離間する側に引き出して配索した。よって、リード線17aが金属微粒子生成部10に繋がる部分とリード線17bがミスト生成部11に繋がる部分とを相互により確実に離間させ、この部分でのリード線17a,17b同士の相互干渉による性能の低下や不安定化をより確実に抑制することができる。
【0080】
(第3実施形態)図5は、本発明の第3実施形態にかかる髪ケア装置としてのヘアブラシの断面図である。
【0081】
本実施形態にかかる髪ケア装置としてのヘアブラシ1Eは、基本的には上記第2実施形態にかかるヘアブラシ1Dと同様の構成要素を備えている。
【0082】
ただし、本実施形態では、空洞9Dに空気流Wを生じさせるファン5Eおよびこのファン5Eを回転させるモータ7Eを設け、金属微粒子生成部10で生成した金属微粒子ならびにミスト生成部11で生成したミストを、分岐流Wpに乗せて排出できるようにした点が、上記第2実施形態と相違している。
【0083】
本実施形態では、送風機構としてのモータ7Eおよびファン5Eは、ケース3E内に形成される空洞内に収容されている。モータ7Eは回路部24に含まれる駆動回路によって回転駆動される。ケース3Eの基端側(図5では下側)には空気の導入口となる開口部1hが形成されており、ファン5Eが回転すると、空気が外部から開口部1hを介して空洞9D内に流入し、当該空洞9D内を通って排出口20dからブラシ部23に向けて排出される空気流Wが形成されるとともに、ブラシ部23のブリッスル23aの根元に形成された吹出孔23bからも空気が吹き出される。なお、本実施形態では、電源コード2を介して電気部品に電力が供給されるようになっている。
【0084】
以上の本実施形態でも、ケース3E内で、リード線17aとリード線17bとを相互に交叉しないように配索した。よって、リード線17a,17b同士の相互干渉による性能の低下や不安定化を抑制することができる。
【0085】
また、本実施形態でも、回路部24からリード線17a,17bを相互に離間する方向に引き出して配索してある。よって、リード線17a,17bが回路部24に繋がる部分を相互により確実に離間させ、この部分でのリード線17a,17b同士の相互干渉による金属微粒子生成部10やミスト生成部11の性能の低下や不安定化をより確実に抑制することができる。
【0086】
また、本実施形態でも、各リード線17a,17bについて、電圧印加リード線17a1,17b1とグラウンドリード線17a2,17b2とを相互に沿わせて配索してある。したがって、電圧印加リード線17a1,17b1で生じている電界をグラウンドリード線17a2,17b2で減殺することができ、金属微粒子生成部10や、ミスト生成部11、その他の電気部品等に、当該電界の影響が及ぶのを抑制することができる。
【0087】
そして、本実施形態でも、リード線17aを金属微粒子生成部10からミスト生成部11に対して離間する側に引き出して配索し、リード線17bをミスト生成部11から金属微粒子生成部10に対して離間する側に引き出して配索した。よって、リード線17aが金属微粒子生成部10に繋がる部分とリード線17bがミスト生成部11に繋がる部分とを相互により確実に離間させ、この部分でのリード線17a,17b同士の相互干渉による性能の低下や不安定化をより確実に抑制することができる。
【0088】
(第4実施形態)図6,図7は、本発明の第4実施形態を示しており、このうち、図6は、本実施形態にかかる髪ケア装置としてのヘアアイロンの側面図、図7は、図6のVII−VII断面図である。
【0089】
図6に示すように、本実施形態にかかる髪ケア装置としてのヘアアイロン1Fは、回動連結部1kを介して略V字状に拡開可能な二つのアーム部1i,1jを備えており、それらアーム部1i,1jの先端側の挟持部26に髪を挟み込んで加熱部27で加熱して整髪するものである。
【0090】
図7に示すように、外壁をなすケース3Fの内部には空洞が形成され、この空洞内に、各種電気部品が収容されている。
【0091】
アーム部1iのケース3Fの、挟持部26に対して回動連結部1k側に隣接する部分には、相反する方向(図7の左右方向)に張り出す外壁をなす一対のカバー20F1,20F2が取り付けられており、このカバー20F1,20F2とケース3Fとによって形成される空洞9F内に、金属微粒子生成部10とミスト生成部11とが収容されている。金属微粒子生成部10は、カバー20F1内に収容されており、金属微粒子はカバー20F1に形成された金属微粒子排出口20aから放出される。一方、ミスト生成部11は、カバー20F2内に収容されており、ミストはカバー20F2に形成されたミスト排出口20bから放出される。
【0092】
金属微粒子生成部10およびミスト生成部11は、同一空間としての空洞9F内に配置されているものの、互いに離間して配置されている上、ミスト生成部11は、カバー20F2のミスト排出口20bに比較的近接した位置で対向して配置されており、しかもミストの排出方向を、空洞9Fの中心部から離間する方向に設定しているため、図7からも明らかとなるように、金属微粒子生成部10は、ミスト生成部11からのミスト通過領域Amiから外した位置に比較的容易に配置することができる。すなわち、本実施形態では、アーム部1iの中心部を挟む両側に金属微粒子生成部10とミスト生成部11とを配置するという比較的簡素な構成によって、金属微粒子生成部10に対してミスト生成部11で生成されたミストによる悪影響が及ぶのを抑制することができる。
【0093】
以上の本実施形態でも、ケース3F内で、リード線17aとリード線17bとを相互に交叉しないように配索した。よって、リード線17a,17b同士の相互干渉による性能の低下や不安定化を抑制することができる。
【0094】
また、本実施形態でも、回路部24からリード線17a,17bを相互に離間する方向に引き出して配索してある。よって、リード線17a,17bが回路部24に繋がる部分を相互により確実に離間させ、この部分でのリード線17a,17b同士の相互干渉による金属微粒子生成部10やミスト生成部11の性能の低下や不安定化をより確実に抑制することができる。
【0095】
さらに、本実施形態では、アーム部1iの中心側に回路部24を配置し、回路部24を挟む両側に金属微粒子生成部10とミスト生成部11とを配置してあるため、リード線17a,17bを回路部24から相互に離間する方向に配索することができ、リード線17a,17b同士の相互干渉による金属微粒子生成部10やミスト生成部11の性能の低下や不安定化をより確実に抑制することができる。
【0096】
また、本実施形態でも、各リード線17a,17bについて、電圧印加リード線17a1,17b1とグラウンドリード線17a2,17b2とを相互に沿わせて配索してある。したがって、電圧印加リード線17a1,17b1で生じている電界をグラウンドリード線17a2,17b2で減殺することができ、金属微粒子生成部10や、ミスト生成部11、その他の電気部品等に、当該電界の影響が及ぶのを抑制することができる。
【0097】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態には限定されず、種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる髪ケア装置としてのヘアドライヤの断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態にかかる髪ケア装置としてのヘアドライヤを出口開口側から見た正面図である。
【図3】本発明の第1実施形態にかかる髪ケア装置としてのヘアドライヤの本体部内で金属微粒子生成部とミスト生成部が設けられる部分を拡大して示す平面図である。
【図4】本発明の第2実施形態にかかる髪ケア装置としてのヘアブラシの断面図である。
【図5】本発明の第3実施形態にかかる髪ケア装置としてのヘアブラシの断面図である。
【図6】本発明の第4実施形態にかかる髪ケア装置としてのヘアアイロンの側面図である。
【図7】図6のVII−VII断面図である。
【符号の説明】
【0099】
1 ヘアドライヤ(髪ケア装置)
1D,1E ヘアブラシ(髪ケア装置)
1F ヘアアイロン(髪ケア装置)
4 風洞
6 内筒
10 金属微粒子生成部(第一のイオン生成部)
10a 放電極
10b グラウンド電極
11 ミスト生成部(第二のイオン生成部)
11a 放電極
11b グラウンド電極
12 第二の電圧印加回路
14 第一の電圧印加回路
17 リード線
17a (第一の)リード線
17b (第二の)リード線
17a1,17b1 電圧印加リード線
17a2,17b2 グラウンドリード線
20,20D,20F1,20F2 カバー(外壁)
20a 金属微粒子排出口
20b ミスト排出口
24 回路部
M 中間位置
Vp 仮想平面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケース内に、放電極とグラウンド電極とを有し当該放電極とグラウンド電極との間に電圧を印加して放電させることによりイオンを生成するイオン生成部を、二つ備え、
前記ケース内で、第一のイオン生成部に第一の電圧印加回路から電圧を印加する第一のリード線と、第二のイオン生成部に第二の電圧印加回路から電圧を印加する第二のリード線とを、相互に交叉しないように配索したことを特徴とする髪ケア装置。
【請求項2】
前記第一のリード線を、前記第一のイオン生成部から前記第二のイオン生成部に対して離間する側に引き出して配索し、
前記第二のリード線を、前記第二のイオン生成部から前記第一のイオン生成部に対して離間する側に引き出して配索したことを特徴とする請求項1に記載の髪ケア装置。
【請求項3】
前記第一の電圧印加回路と前記第二の電圧印加回路と含む回路部を、前記ケース内に収容し、
前記回路部から前記第一および第二のリード線を相互に離間する方向に引き出して配索したことを特徴とする請求項1または2に記載の髪ケア装置。
【請求項4】
前記ケース内に風洞を形成する内筒を備え、
前記第一のイオン生成部と前記第二のイオン生成部とを前記内筒の外周上でその周方向に離間させて配置し、
前記第一のリード線を、前記第一のイオン生成部と前記第二のイオン生成部との間の中間位置と前記内筒の中心軸とを含む仮想平面より前記第一のイオン生成部の存在する側で配索し、
前記第二のリード線を、前記仮想平面より前記第二のイオン生成部の存在する側で配索したことを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか一つに記載の髪ケア装置。
【請求項5】
前記第一のリード線が、前記第一のイオン生成部と前記第一の電圧印加回路との間で電圧を印加する電圧印加リード線とグラウンド接続するグラウンドリード線とを含み、
前記第二のリード線が、前記第二のイオン生成部と前記第二の電圧印加回路との間で電圧を印加する電圧印加リード線とグラウンド接続するグラウンドリード線とを含むことを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか一つに記載の髪ケア装置。
【請求項6】
前記第一および第二のリード線のうち少なくともいずれか一方で、前記電圧印加リード線と前記グラウンドリード線とを相互に沿わせて配索したことを特徴とする請求項5に記載の髪ケア装置。
【請求項7】
前記第一および第二のリード線のうち少なくともいずれか一方で、前記電圧印加リード線と前記グラウンドリード線とを相互に交叉しないように配索したことを特徴とする請求項5または6に記載の髪ケア装置。
【請求項8】
前記髪ケア装置の外壁に、前記第一のイオン生成部で生成されたイオンが排出される第一のイオン排出口と前記第二のイオン生成部で生成されたイオンが排出される第二のイオン排出口とが形成され、
前記第一のイオン生成部を前記第一のイオン排出口に対向して配置するとともに、前記第二のイオン生成部を前記第二のイオン排出口に対向して配置し、
前記外壁から前記第一のイオン生成部のグラウンド電極までの距離と、前記外壁から前記第二のイオン生成部のグラウンド電極までの距離とを、略等しくしたことを特徴とする請求項1〜7のうちいずれか一つに記載の髪ケア装置。
【請求項9】
前記イオン生成部のうちの少なくとも一つが、放電によって金属微粒子を生成する金属微粒子生成部であることを特徴とする請求項1〜8のうちいずれか一つに記載の髪ケア装置。
【請求項10】
前記イオン生成部のうちの少なくとも一つが、供給された水を放電によって微細化してミストを生成するミスト生成部であることを特徴とする請求項1〜9のうちいずれか一つに記載の髪ケア装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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