説明

髪留めシート

【課題】化粧を施す際に、額を露出して頭髪が邪魔にならないようにするために、髪を簡易に留めることのできる髪留めを提供する。
【解決手段】髪留めシート1は、薄く柔軟性のある基体シート2をベースとし、基体シート2の表側上に、多数の突起3がほぼ全面にわたって林立している。そして突起3が髪と絡みついて十分な保持力を有するように、突起3には、支柱3aの上端に球状の絡み部3bを設ける。化粧を施す際に、髪を持ち上げた状態で髪留めシート1の表側を押しつけるだけで、髪が持ち上げられた状態に保持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧を施す際に、額を露出して頭髪が邪魔にならないようにする髪留めシートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、顔に化粧を施す際には、布製のヘアバンドやヘアピンなどの髪留めによって、髪、特に前髪を持ち上げた状態に髪留めしている。しかし、ヘアバンドは鉢巻き状に頭部の全周に渡って締め付けて固定するものであり、セットした頭髪を乱すおそれがある。また、線材を二つ折りしたヘアピンはクリップ式であり、係るクリップ式の髪留めでは、指で拡げて髪を挟み込んで留める必要があった。
【0003】
一方、特許文献1には滑り止めを施したカチューシャと呼ばれるヘアバンドが開示されている。このカチューシャは、頭の形に沿うように略半円形状に成形されたプラスチック製のヘアバンドである。このカチューシャの内面側に、モノフィラメント状からなる多数の突起を植え付けた滑止めシートが接着されている。この滑り止めシートの多数の突起が髪の毛と絡んで、ヘアバンドの滑り止めとしての機能を発揮するものである。すなわち、特許文献1の発明は、カチューシャの脱落を防止するために滑り止めシートが使用されている。
【0004】
【特許文献1】実開平6−58801号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
解決しようとする問題点は、髪を簡易に留めることのできる髪留めを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、基体シートの表面に絡み部を設けた多数の突起を林立し、絡み部が頭髪と絡み合って簡易に髪留めすることのできることを主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の髪留めは、基体シート上に絡み部を設けた多数の突起物を林立して形成しているため、髪に髪留めシートを押さえるだけで、突起が頭髪と絡み合って頭髪がその位置に留められるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、この発明の実施例を詳細に説明する。
【実施例1】
【0009】
図1〜図3は、本発明の髪留めシートの実施例1を示し、第1図は使用状態を示す概略図である。
【0010】
髪留めシート1は、図2、図3に示すように、取り扱いに適したほぼ横10cm、縦6cmの略長方形に形成された薄く柔軟性のある基体シート2をベースとし、基体シート2の表面上に、多数の突起3がほぼ全面にわたって林立して形成されている。なお、実施例1では、基体シート2の表面側の全面に突起3を形成しているが、適宜、突起3を設けていない部分を設けることもできる。図3は、この実施例1の突起3を模式的に拡大して示し、直径0.2mm、高さ3.7mmの支柱3aの上端に直径0.45mm程度の球状の絡み部3bからなる。そして絡み部3bが髪と絡みついて十分な保持力を有するように、突起3の密度は50本/cmとされている。
【0011】
顔に化粧を施す際の髪留めシート1の使用方法を説明すると、図1に示すように、額に垂れた前髪を手で持ち上げる。この状態で髪留めシート1の突起3を形成した表面を髪に押しつけると、多数の突起3が髪の毛に絡み合って、前髪は手で持ち上げた状態に保持される。すなわち、額部分を覆い隠している前髪が持ち上げられて額部分が露出した状態に保持されるために、前髪に邪魔されないで化粧を十分に施すことができる。
【0012】
次に実施例1とは突起3の形状を相違する実施例2を説明すると、図4は実施例2の突起4を示し、突起4は、ナイロン6からなり、太さ245デシテックス、高さ2.3mmのループ状に立設されて、その頂部が切り欠かれて、絡み部4aとされている。そして絡み部4aが髪と絡みついて十分な保持力を有するように、突起4の密度は約15本/cmとされている。
【0013】
図5は、上述した突起3の他の実施例を示し、(a)は支柱30aの上端にキノコ状の絡み部30bからなる突起30とした例である。(b)は支柱32aの上部を左右に枝分かれさせた絡み部32bを設けた突起物32の例である。(c)は支柱33aの先端を下向きとなるまで湾曲してフック状にした絡み部33bを設けた突起物33の例である。(d)は実施例2の変形例であり、ループ状の突起31は、その側部を切り欠いた絡み部31aを形成している。側部に絡み部31aを設けることによって、実施例2との対比で、髪の毛との保持力が大きくなる。このように突起物の形状は適宜選択することができる。
【0014】
図6〜図10は上述した基体シート2の他の実施例を示し、図6に示す実施例では、図の上下縁を前髪の生え際に沿うように凹状10aとして、額の中央上部の位置で使用するに適した髪留めシート10としている。また、基体シート2の周縁には突起3を設けない領域を設けている。
【0015】
図7に示す実施例は、図6と同様に額の中央上部の位置で使用するのに適した髪留めシート11であって、図の上下縁中央にV字状に切り込んだ切り込み11aを形成した形状としている。
【0016】
図8に示す実施例の髪留めシート12は、装飾を目的として、基体シート2に大小2つのハート形の抜き孔12aを設けた例である。
【0017】
図9及び図10に示す実施例は、基体シート2の裏面に装飾を施した例であって、図9に示す髪留めシート13は装飾シート13aを貼付した例である。また、図10に示す髪留めシート14は、装飾用の装飾用プラスチック玉14aを貼付した例である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】使用状態を示す参考図
【図2】実施例1の斜視図
【図3】実施例1の突起3を模式的に示す拡大図
【図4】実施例2の突起4を模式的に示す拡大図
【図5】突起の他の実施例を示す拡大図
【図6】図6〜図10は基体シートの他の実施例を示し、図6は前髪の生え際に沿った形状とした表面図
【図7】前髪の生え際に沿った形状とした実施例の表面図
【図8】抜き孔を形成した実施例の表面図
【図9】装飾シートを貼付した実施例の裏面図
【図10】装飾用プラスチック玉を貼付した実施例の裏面図
【符号の説明】
【0019】
1…髪留めシート
2…基体シート
3…突起
3a…支柱
3b…絡み部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基体シートの表面に絡み部を設けた多数の突起を林立し、該絡み部が頭髪と絡み合って髪留めする髪留めシート。
【請求項2】
突起は、支柱と、該支柱の上部に設けた絡み部から構成されていることを特徴とする請求項1記載の髪留めシート。
【請求項3】
球形の絡み部からなることを特徴とする請求項2記載の髪留めシート。
【請求項4】
キノコ形の絡み部からなることを特徴とする請求項2記載の髪留めシート。
【請求項5】
支柱の上部を左右に枝分かれさせた絡み部から構成されていることを特徴とする請求項2記載の髪留めシート。
【請求項6】
支柱の先端を下向きとなるまで湾曲してフック状にした絡み部から構成されていることを特徴とする請求項2記載の髪留めシート。
【請求項7】
突起は、ループ状に立設され、ループの頂部を切り欠いて絡み部とされていることを特徴とする請求項1記載の髪留めシート。
【請求項8】
突起は、ループ状に立設され、ループの側部を切り欠いて絡み部とされていることを特徴とする請求項1記載の髪留めシート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−82691(P2009−82691A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−150000(P2008−150000)
【出願日】平成20年6月8日(2008.6.8)
【基礎とした実用新案登録】実用新案登録第3137910号
【原出願日】平成19年9月29日(2007.9.29)
【出願人】(502439647)株式会社ダリヤ (10)