魚釣り漁法
【課題】従来の底立てはえ縄漁法はサガリカゴと呼ばれている、魚釣用仕掛け投入用の投入器を使用していた、そのため、釣り針数や魚釣仕掛け数も一定で、刻一刻と変化する海況や魚群の大小に臨機応変に対処できなかった、また、漁労面でも重くかさばり安定が悪いため危険がともない、若年漁労従事者の定着率が悪かった要因ともなっていた。
漁業経営面では効率の良い漁獲ができないため、無駄な漁具の消費、航海日数伸びによる漁獲物の鮮度低下、燃料の消耗等、経費の割りに利潤が上がらなかった。
【解決手段】陸上にて仕掛け投入用掛枠に釣数の異なる数種類の魚釣用仕掛けを巻き込み、この釣り針に餌を付けて置き、操業時にこの魚釣用仕掛け下端にオモリ、同上端に浮子を取り付け、この浮子を幹縄に掛着する、あるいは、この魚釣用仕掛けを、幹縄にあらかじめ取り付けておいた浮子に掛着する、このようにすればサガリカゴは不要になり、労働の軽減や適格な種類漁具の使用が可能となり、効率の良い漁業が提供できる。
漁業経営面では効率の良い漁獲ができないため、無駄な漁具の消費、航海日数伸びによる漁獲物の鮮度低下、燃料の消耗等、経費の割りに利潤が上がらなかった。
【解決手段】陸上にて仕掛け投入用掛枠に釣数の異なる数種類の魚釣用仕掛けを巻き込み、この釣り針に餌を付けて置き、操業時にこの魚釣用仕掛け下端にオモリ、同上端に浮子を取り付け、この浮子を幹縄に掛着する、あるいは、この魚釣用仕掛けを、幹縄にあらかじめ取り付けておいた浮子に掛着する、このようにすればサガリカゴは不要になり、労働の軽減や適格な種類漁具の使用が可能となり、効率の良い漁業が提供できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は底立てはえ縄漁業の漁法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の底たてはえ縄漁法では、操業時に幹縄を海中から引き上げる、いわゆる揚げ縄と呼ばれている作業終了後に、魚釣用仕掛けの投入器をかねた、サガリカゴと呼ばれている合成樹脂製のカゴに、各船ごとの事情により決められた釣針の数が7〜15本程度の魚釣用仕掛けを組み入れ、オモリを付け、投縄法によっては浮子も取り付け、そしてこの一連の作業を操業ごとに同じことを繰り返していた。
【0003】
この魚釣用仕掛けの釣り針の付いた枝糸は、撚りを取ったり、その撚りによる糸切れを防ぐため親子サルカンを介して幹糸に結ばれていた。
【0004】
魚釣用仕掛けの組み入れは、魚釣用仕掛け掛具の改良により、時間の短縮、費の削減、労働環境の改善等に大いに寄与してきた(たとえば、実案文献1参照)。
【0005】
これらの釣り針への魚を釣るための餌付けは、未明の幹縄を海中へ繰り出す作業、いわゆる投縄作業に間に合わすため、深夜に起床し行っていた、投縄開始時間より早くこの作業が終了した時は、合羽を着込んだまま甲板にて仮眠を取るのが常だった。
【0006】
投縄方法では、幹縄に魚釣用仕掛けを浮かせるための小型の浮子を適当な間隔に取り付けて置き、その浮子に、あらかじめサガリカゴに組み入れられた魚釣用仕掛けの上端に浮子に掛着するためのスナップをつけ、下端にオモリを取り付けたものを連続してこのスナップを介して浮子に掛着し、投入して行く固定式や、
【0007】
サガリカゴに組み入れられた魚釣用仕掛けの上端に魚釣仕掛けを浮かせるための浮子を取り付け、下端にはオモリを取り付けたものを、投縄時に適当な間隔で浮子にあらかじめ取り付けられているスナップを介して幹縄に掛着して行く打ち掛け式などがある。
【先行技術文献】
【実案文献】
【0008】
【実案文献1】
登録実用新案第3065682号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
以上に述べた従来の底立てはえ縄漁法において、船上の限られた人員にて魚釣用仕掛けの組み入れ、釣り針への餌付けなどの作業を行わなければ成らず、サガリカゴと呼ばれている魚釣用仕掛け投入器を兼ねた容器は、仕掛け、浮子、オモリなどを組み込むと、その重量はおよそ3キログラム位となり、一辺が約45センチメートルで高さおよそ20センチメートル位のサガリカゴは、20段、30段と積み上げると、かなりの重量となり安定も悪かった。
【0010】
そして、狭い甲板で魚釣用仕掛けの組み入れ、釣り針への餌付け、投縄とその都度、何百ものサガリカゴを移動させなければならず、総トン数20トン未満の船では、通路の確保もままならず、ゆれる船上での作業は危険を伴った。
【0011】
未明の投縄開始にそなえての餌付けは深夜からの作業となるため、睡眠時間が少なく、昨今の原油高は燃料や漁業資材の高騰をまねき、経費捻出のため漁獲量の増大をせねばならず、そのためのさらなる魚釣用仕掛けの増加は、よりいっそうの睡眠時間の減少をまねいた。
【0012】
そして少しでも多く漁獲量を上げるため、投入仕掛けの増加や、悪天候での操業等が労働環境の悪化とつながり、比較的高年齢者で構成されているこの漁業の従事者への負担増と成り、若年者のこの漁業への新規参入をはばむ要因ともなっていた。
【0013】
また、魚釣用仕掛けの釣り針数の種類では、広さの限られた甲板では、魚釣仕用掛けを数種類用意して置くことは出来ず、サガリカゴへの釣針の組み込み種類は固定されていた、そのため、その日ごとに変化する漁場海況及び魚群の大小に対し、たとえば、漁獲量の多い場所には普段より多くの釣針数の付いた仕掛、少ない場所では釣針数の少ない仕掛と臨機応変に対処する事が出来なかった。
【0014】
使い捨てとなっている魚釣用仕掛けは釣り針の結ばれている枝糸が親子サルカンと言う撚り戻しを介して幹糸に結ばれているため、高値となり、漁業経費の中で大きな割合を占めていた。
【0015】
本発明は、このような従来の底立てはえ縄漁法が有していた問題を解決しようとするものであり、洋上での餌付け作業及び魚釣用仕掛けのサガリカゴへの組み込み作業の廃止、サガリカゴの廃止、より安価で作業効率の良い魚釣仕掛けの提供、洋上での労働の軽減、健康な睡眠時間の確保、安全面の向上等の労働環境の改善し、より効率の良い漁業目指す事を目的とするものである。
【課題が解決するための手段】
【0016】
そして、本発明は上記目的を達成するために、従来の本魚釣用仕掛けに用いられている枝糸や幹糸よりも高い強度の材料や一段上の号数サイズを用いて、撚り戻しが無いために起こる撚りによる枝糸、幹糸の切断を防ぎ、なおかつ、釣り針の結ばれている枝糸が魚釣用仕掛け幹糸に直接に結びつけられ、2〜3種類の釣り針数の異なる魚釣用仕掛を、仕掛投入が出来る軽量の仕掛巻きに巻き込み、陸上でこれ等の仕掛けに餌付け加工をおこなう。
【0017】
そして、これ等の仕掛けを漁船に積み込み、漁場にて予想される漁獲量に応じた釣数の魚釣仕掛けを選択し、打ち掛け方式の投縄なら、魚釣用仕掛け上端に浮子、同下端にオモリを取り付け、大きな魚群場所では釣り針数の多い魚釣用仕掛けを間隔を詰めて、幹縄に掛着し、小さな魚群場所では釣り針数の少ない魚釣用仕掛けを間隔を広げて幹縄に掛着し、漁場の広さに応じて、次々投入して行く。
【0018】
また、固定方式の投縄なら、上記同様の魚釣用仕掛けを漁場にて予想される漁獲量に応じ、たとえば大きな魚群場所では釣り針数の多い魚釣用仕掛けを、小さな魚群場所では釣り針数の少ない魚釣用仕掛けを選択し、魚釣用仕掛け下端にオモリを取り付け、同上端を幹縄に固定されている浮子縄に掛着し、オモリを投入する、この作業を漁場の広さに応じて連続して行う。
【発明の効果】
【0019】
上述したように本発明の底立てはえ縄漁法は、洋上での魚釣用仕掛けへの餌付けが不要となり、魚釣用仕掛けを仕掛け投入が出来る仕掛巻きに巻き込む事が出来るため、仕掛の組み入れと投入器を兼ねたサガリカゴは不要となる、その結果、労働面では、サガリカゴの魚釣用仕掛け組み入れや、釣針への餌付け移動、投入時での移動などが無くなるため、これらの労働から解放され、広い作業スペースや十分な睡眠時間も確保でき、安全で快適な作業環境が得られる。
【0020】
漁獲面では、各々の漁場において、魚釣用仕掛けの数量や同仕掛けの種類の変更等が臨機応変に対処でき、効率の良い操業が出来る、そして釣り針を結んだ枝糸を直接に魚釣用仕掛けに結ぶことによって、魚の警戒感が減少して漁獲量の増加となる。
【0021】
また、この底立てはえ縄漁のおもな漁獲物であるキンメダイは深海から釣り上げられても元気に泳ぐ物が多く、これを水槽に移し、揚げ縄中あるいは魚釣用仕掛け繰り込み廃止で余った時間を利用して、揚げ縄終了後により高価で取引される、活じめあるいは生きじめと言われている、生きたまま血抜きし鮮度低下をおさえる船上加工が出来る。
【0022】
経営面から見ると、効率の良い操業は漁獲量を増やす手立てと成り、付加価値の高い活じめは市場にて通常品よりも高値で取引されるため、漁獲高の向上となる。
【0023】
魚釣用仕掛けの価格においては同仕掛けに占める価格の高い撚り戻しが不必要となり、魚釣用仕掛け巻きを兼ねた仕掛け投入用掛枠が新たに加わるが、ならして安価と成る。
また、労働の軽減は若年労働者の参入に門戸を開き、定着率の向上へとつながり、一方、陸上に於いては餌付け作業は比較的軽微な作業となるため女性や高齢者でも簡単に行え、仕事の分配が出来、地域社会への貢献にも成る。
【0024】
大きなスペースを占めるサガリカゴの廃止は、総トン数が20トン以上の船が多数をしめるこの漁業において、船舶安全法に基づく定期検査は漁業経営に対する負担も大きく、将来的に船の小型化への道につながれば、燃料の削減等の経費の大幅な削減も含め、漁業経営に大いに寄与するものである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】 本発明の打ち掛け方式による投縄時の実施例漁具の構成の説明図。
【図2】 同要部(固定方式の浮子)の構成説明図。
【図3】 従来のサガリカゴに組み入れられた魚釣仕掛け。
【図4】 本発明の実施例漁具の全体の構成の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態を図1〜図2に基づいて説明する。
【0027】
図1は本発明に係る漁具の実施例を示したもので、この実施例の漁具は、陸上にて仕掛け投入用掛枠5に魚釣用仕掛け22を巻き込み、この釣り針13に餌9を付ける。
【0028】
漁場にて魚釣用仕掛け22の下端7にオモリ8取り付け、魚釣用仕掛け22の上端6に浮子2と魚釣用仕掛け22を連結するための魚釣用仕掛け掛着用スナップ4を付ける。
【0029】
そして、あらかじめ浮子2に浮子縄14を介して幹縄掛着用スナップ3と浮子縄14の付いたヨリモドシ15をセットしておいたものに、魚釣用仕掛け掛着用スナップ4を掛着し、幹縄掛着用スナップ3を幹縄1に掛着すると同時にオモリ8を海中に投げ込む、以上の工程を連続して行う。
【0030】
[図2]は本発明の浮子2が幹縄1に浮子縄14にて固定され、その浮子縄14の先端にヨリモドシ15を設け、ヨリモドシ14に浮子縄14を結び、これに魚釣用仕掛け22の上端6を魚釣用仕掛け掛着用スナップ4を介して掛着する、そして、オモリ8を海中に投げ込む、以上の工程を連続して行う。
【符号の説明】
【0031】
1 幹縄
2 浮子
3 幹縄掛着用スナップ
4 魚釣用仕掛け掛着用スナップ
5 仕掛け投入用掛枠
6 魚釣用仕掛け上端
7 魚釣用仕掛け下端
8 オモリ
9 餌
10 仕掛け幹糸
11 直結び
12 枝糸
13 釣り針
14 浮子縄
15 ヨリモドシ
16 サガリカゴ
17 親子サルカン
18 釣り掛け
19 フラッグ
20 ブイ
21 アンカー
22 魚釣用仕掛け
【技術分野】
【0001】
本発明は底立てはえ縄漁業の漁法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の底たてはえ縄漁法では、操業時に幹縄を海中から引き上げる、いわゆる揚げ縄と呼ばれている作業終了後に、魚釣用仕掛けの投入器をかねた、サガリカゴと呼ばれている合成樹脂製のカゴに、各船ごとの事情により決められた釣針の数が7〜15本程度の魚釣用仕掛けを組み入れ、オモリを付け、投縄法によっては浮子も取り付け、そしてこの一連の作業を操業ごとに同じことを繰り返していた。
【0003】
この魚釣用仕掛けの釣り針の付いた枝糸は、撚りを取ったり、その撚りによる糸切れを防ぐため親子サルカンを介して幹糸に結ばれていた。
【0004】
魚釣用仕掛けの組み入れは、魚釣用仕掛け掛具の改良により、時間の短縮、費の削減、労働環境の改善等に大いに寄与してきた(たとえば、実案文献1参照)。
【0005】
これらの釣り針への魚を釣るための餌付けは、未明の幹縄を海中へ繰り出す作業、いわゆる投縄作業に間に合わすため、深夜に起床し行っていた、投縄開始時間より早くこの作業が終了した時は、合羽を着込んだまま甲板にて仮眠を取るのが常だった。
【0006】
投縄方法では、幹縄に魚釣用仕掛けを浮かせるための小型の浮子を適当な間隔に取り付けて置き、その浮子に、あらかじめサガリカゴに組み入れられた魚釣用仕掛けの上端に浮子に掛着するためのスナップをつけ、下端にオモリを取り付けたものを連続してこのスナップを介して浮子に掛着し、投入して行く固定式や、
【0007】
サガリカゴに組み入れられた魚釣用仕掛けの上端に魚釣仕掛けを浮かせるための浮子を取り付け、下端にはオモリを取り付けたものを、投縄時に適当な間隔で浮子にあらかじめ取り付けられているスナップを介して幹縄に掛着して行く打ち掛け式などがある。
【先行技術文献】
【実案文献】
【0008】
【実案文献1】
登録実用新案第3065682号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
以上に述べた従来の底立てはえ縄漁法において、船上の限られた人員にて魚釣用仕掛けの組み入れ、釣り針への餌付けなどの作業を行わなければ成らず、サガリカゴと呼ばれている魚釣用仕掛け投入器を兼ねた容器は、仕掛け、浮子、オモリなどを組み込むと、その重量はおよそ3キログラム位となり、一辺が約45センチメートルで高さおよそ20センチメートル位のサガリカゴは、20段、30段と積み上げると、かなりの重量となり安定も悪かった。
【0010】
そして、狭い甲板で魚釣用仕掛けの組み入れ、釣り針への餌付け、投縄とその都度、何百ものサガリカゴを移動させなければならず、総トン数20トン未満の船では、通路の確保もままならず、ゆれる船上での作業は危険を伴った。
【0011】
未明の投縄開始にそなえての餌付けは深夜からの作業となるため、睡眠時間が少なく、昨今の原油高は燃料や漁業資材の高騰をまねき、経費捻出のため漁獲量の増大をせねばならず、そのためのさらなる魚釣用仕掛けの増加は、よりいっそうの睡眠時間の減少をまねいた。
【0012】
そして少しでも多く漁獲量を上げるため、投入仕掛けの増加や、悪天候での操業等が労働環境の悪化とつながり、比較的高年齢者で構成されているこの漁業の従事者への負担増と成り、若年者のこの漁業への新規参入をはばむ要因ともなっていた。
【0013】
また、魚釣用仕掛けの釣り針数の種類では、広さの限られた甲板では、魚釣仕用掛けを数種類用意して置くことは出来ず、サガリカゴへの釣針の組み込み種類は固定されていた、そのため、その日ごとに変化する漁場海況及び魚群の大小に対し、たとえば、漁獲量の多い場所には普段より多くの釣針数の付いた仕掛、少ない場所では釣針数の少ない仕掛と臨機応変に対処する事が出来なかった。
【0014】
使い捨てとなっている魚釣用仕掛けは釣り針の結ばれている枝糸が親子サルカンと言う撚り戻しを介して幹糸に結ばれているため、高値となり、漁業経費の中で大きな割合を占めていた。
【0015】
本発明は、このような従来の底立てはえ縄漁法が有していた問題を解決しようとするものであり、洋上での餌付け作業及び魚釣用仕掛けのサガリカゴへの組み込み作業の廃止、サガリカゴの廃止、より安価で作業効率の良い魚釣仕掛けの提供、洋上での労働の軽減、健康な睡眠時間の確保、安全面の向上等の労働環境の改善し、より効率の良い漁業目指す事を目的とするものである。
【課題が解決するための手段】
【0016】
そして、本発明は上記目的を達成するために、従来の本魚釣用仕掛けに用いられている枝糸や幹糸よりも高い強度の材料や一段上の号数サイズを用いて、撚り戻しが無いために起こる撚りによる枝糸、幹糸の切断を防ぎ、なおかつ、釣り針の結ばれている枝糸が魚釣用仕掛け幹糸に直接に結びつけられ、2〜3種類の釣り針数の異なる魚釣用仕掛を、仕掛投入が出来る軽量の仕掛巻きに巻き込み、陸上でこれ等の仕掛けに餌付け加工をおこなう。
【0017】
そして、これ等の仕掛けを漁船に積み込み、漁場にて予想される漁獲量に応じた釣数の魚釣仕掛けを選択し、打ち掛け方式の投縄なら、魚釣用仕掛け上端に浮子、同下端にオモリを取り付け、大きな魚群場所では釣り針数の多い魚釣用仕掛けを間隔を詰めて、幹縄に掛着し、小さな魚群場所では釣り針数の少ない魚釣用仕掛けを間隔を広げて幹縄に掛着し、漁場の広さに応じて、次々投入して行く。
【0018】
また、固定方式の投縄なら、上記同様の魚釣用仕掛けを漁場にて予想される漁獲量に応じ、たとえば大きな魚群場所では釣り針数の多い魚釣用仕掛けを、小さな魚群場所では釣り針数の少ない魚釣用仕掛けを選択し、魚釣用仕掛け下端にオモリを取り付け、同上端を幹縄に固定されている浮子縄に掛着し、オモリを投入する、この作業を漁場の広さに応じて連続して行う。
【発明の効果】
【0019】
上述したように本発明の底立てはえ縄漁法は、洋上での魚釣用仕掛けへの餌付けが不要となり、魚釣用仕掛けを仕掛け投入が出来る仕掛巻きに巻き込む事が出来るため、仕掛の組み入れと投入器を兼ねたサガリカゴは不要となる、その結果、労働面では、サガリカゴの魚釣用仕掛け組み入れや、釣針への餌付け移動、投入時での移動などが無くなるため、これらの労働から解放され、広い作業スペースや十分な睡眠時間も確保でき、安全で快適な作業環境が得られる。
【0020】
漁獲面では、各々の漁場において、魚釣用仕掛けの数量や同仕掛けの種類の変更等が臨機応変に対処でき、効率の良い操業が出来る、そして釣り針を結んだ枝糸を直接に魚釣用仕掛けに結ぶことによって、魚の警戒感が減少して漁獲量の増加となる。
【0021】
また、この底立てはえ縄漁のおもな漁獲物であるキンメダイは深海から釣り上げられても元気に泳ぐ物が多く、これを水槽に移し、揚げ縄中あるいは魚釣用仕掛け繰り込み廃止で余った時間を利用して、揚げ縄終了後により高価で取引される、活じめあるいは生きじめと言われている、生きたまま血抜きし鮮度低下をおさえる船上加工が出来る。
【0022】
経営面から見ると、効率の良い操業は漁獲量を増やす手立てと成り、付加価値の高い活じめは市場にて通常品よりも高値で取引されるため、漁獲高の向上となる。
【0023】
魚釣用仕掛けの価格においては同仕掛けに占める価格の高い撚り戻しが不必要となり、魚釣用仕掛け巻きを兼ねた仕掛け投入用掛枠が新たに加わるが、ならして安価と成る。
また、労働の軽減は若年労働者の参入に門戸を開き、定着率の向上へとつながり、一方、陸上に於いては餌付け作業は比較的軽微な作業となるため女性や高齢者でも簡単に行え、仕事の分配が出来、地域社会への貢献にも成る。
【0024】
大きなスペースを占めるサガリカゴの廃止は、総トン数が20トン以上の船が多数をしめるこの漁業において、船舶安全法に基づく定期検査は漁業経営に対する負担も大きく、将来的に船の小型化への道につながれば、燃料の削減等の経費の大幅な削減も含め、漁業経営に大いに寄与するものである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】 本発明の打ち掛け方式による投縄時の実施例漁具の構成の説明図。
【図2】 同要部(固定方式の浮子)の構成説明図。
【図3】 従来のサガリカゴに組み入れられた魚釣仕掛け。
【図4】 本発明の実施例漁具の全体の構成の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態を図1〜図2に基づいて説明する。
【0027】
図1は本発明に係る漁具の実施例を示したもので、この実施例の漁具は、陸上にて仕掛け投入用掛枠5に魚釣用仕掛け22を巻き込み、この釣り針13に餌9を付ける。
【0028】
漁場にて魚釣用仕掛け22の下端7にオモリ8取り付け、魚釣用仕掛け22の上端6に浮子2と魚釣用仕掛け22を連結するための魚釣用仕掛け掛着用スナップ4を付ける。
【0029】
そして、あらかじめ浮子2に浮子縄14を介して幹縄掛着用スナップ3と浮子縄14の付いたヨリモドシ15をセットしておいたものに、魚釣用仕掛け掛着用スナップ4を掛着し、幹縄掛着用スナップ3を幹縄1に掛着すると同時にオモリ8を海中に投げ込む、以上の工程を連続して行う。
【0030】
[図2]は本発明の浮子2が幹縄1に浮子縄14にて固定され、その浮子縄14の先端にヨリモドシ15を設け、ヨリモドシ14に浮子縄14を結び、これに魚釣用仕掛け22の上端6を魚釣用仕掛け掛着用スナップ4を介して掛着する、そして、オモリ8を海中に投げ込む、以上の工程を連続して行う。
【符号の説明】
【0031】
1 幹縄
2 浮子
3 幹縄掛着用スナップ
4 魚釣用仕掛け掛着用スナップ
5 仕掛け投入用掛枠
6 魚釣用仕掛け上端
7 魚釣用仕掛け下端
8 オモリ
9 餌
10 仕掛け幹糸
11 直結び
12 枝糸
13 釣り針
14 浮子縄
15 ヨリモドシ
16 サガリカゴ
17 親子サルカン
18 釣り掛け
19 フラッグ
20 ブイ
21 アンカー
22 魚釣用仕掛け
【特許請求の範囲】
【請求項1】
陸上にて多数の釣り針を有し、釣り針を結んでいる枝糸が仕掛け幹糸に直に結ばれている魚釣用仕掛けを仕掛け投入用掛枠に巻き込み、この釣り針に魚釣用の餌を付けて置き、漁場にて、投縄時にこの魚釣用仕掛けの上端を、魚釣用仕掛け掛着用スナップを介して、幹縄掛着用スナップと仕掛け掛着用スナップの付いた浮子の浮子縄に掛着し、魚釣用仕掛け下端にオモリを付け、幹縄掛着用スナップを幹縄に掛着し、オモリを海中に投入する、この一連の動作を幹縄に適当な間隔で連続して行う底立てはえ縄漁法。
【請求項2】
陸上にて多数の釣り針を有し、釣り針を結んでいる枝糸が仕掛け幹糸に直に結ばれている魚釣用仕掛けを、仕掛け投入用掛枠に巻き込み、この釣り針に魚釣用餌を付けて置く、漁場にて、投入時に、幹縄にある間隔で連続して浮子固定縄で固定された浮子の浮子縄に、魚釣用仕掛け掛着用のスナップを介して魚釣仕掛けの上端を掛着し、魚釣用仕掛けの下端にオモリを付け、オモリを海中に投入する、これを連続して行う底立てはえ縄漁法。
【請求項1】
陸上にて多数の釣り針を有し、釣り針を結んでいる枝糸が仕掛け幹糸に直に結ばれている魚釣用仕掛けを仕掛け投入用掛枠に巻き込み、この釣り針に魚釣用の餌を付けて置き、漁場にて、投縄時にこの魚釣用仕掛けの上端を、魚釣用仕掛け掛着用スナップを介して、幹縄掛着用スナップと仕掛け掛着用スナップの付いた浮子の浮子縄に掛着し、魚釣用仕掛け下端にオモリを付け、幹縄掛着用スナップを幹縄に掛着し、オモリを海中に投入する、この一連の動作を幹縄に適当な間隔で連続して行う底立てはえ縄漁法。
【請求項2】
陸上にて多数の釣り針を有し、釣り針を結んでいる枝糸が仕掛け幹糸に直に結ばれている魚釣用仕掛けを、仕掛け投入用掛枠に巻き込み、この釣り針に魚釣用餌を付けて置く、漁場にて、投入時に、幹縄にある間隔で連続して浮子固定縄で固定された浮子の浮子縄に、魚釣用仕掛け掛着用のスナップを介して魚釣仕掛けの上端を掛着し、魚釣用仕掛けの下端にオモリを付け、オモリを海中に投入する、これを連続して行う底立てはえ縄漁法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図2】
【図3】
【図4】
【公開番号】特開2010−259423(P2010−259423A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−131427(P2009−131427)
【出願日】平成21年5月8日(2009.5.8)
【出願人】(507311201)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月8日(2009.5.8)
【出願人】(507311201)
【Fターム(参考)】
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