説明

魚釣用スピニングリール

【課題】ハンドル軸とドライブギヤの固定部分における接合強度を確保しつつ、加工コストが安価で全体として軽量化が図れる魚釣用スピニングリールを提供する。
【解決手段】本発明に係る魚釣用スピニングリールは、リール本体2に回転自在に支持され、巻き取り操作されるハンドル8を装着したハンドル軸6と、ハンドル8の回転をロータ3に伝達するピニオンギヤ12に噛合すると共にハンドル軸6と一体化されるドライブギヤ10とを有する。ハンドル軸6は、金属材料の切削加工により形成され、ドライブギヤ10は、ハンドル軸6を金型内にインサートした状態でダイカスト成形することでハンドル軸6と一体化される。ハンドル軸6には、ドライブギヤ10と接合する部分に、内部に貫通する貫通孔が複数設けられ、ドライブギヤ10の一部が貫通孔内に充填されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、魚釣用スピニングリールに関し、詳細には、ハンドルの回転操作で回転駆動されるハンドル軸、及びハンドル軸に取り付けられるドライブギヤ(駆動歯車)に特徴を有する魚釣用スピニングリールに関する。
【背景技術】
【0002】
魚釣用スピニングリールは、ハンドルの巻き取り回転操作によって、連動回転するロータ及び前後動するスプールを備えた構造となっており、前記ハンドルのハンドル軸には、駆動力を伝達するためドライブギヤが装着されている。一般的に、前記ドライブギヤとハンドル軸は、形成が容易となるように、ダイカスト成形により一体形成することが知られている。
【0003】
しかし、ドライブギヤとハンドル軸を一体形成すると、その後でハンドル軸にハンドル装着用の雌ネジ部を形成した際、雌ネジ部がつぶれることがあり、ハンドル軸の強度が低下する可能性がある。そこで、特許文献1に開示されているように、アルミニウム合金を切削加工することでハンドル軸を予め形成しておき、この切削加工されたハンドル軸を金型にインサートして、ドライブギヤをアルミニウム合金でダイカスト成形する技術が知られている。この特許文献1に開示された技術は、ハンドル軸の外周部に突起部を形成しておき、この突起部にドライブギヤをダイカスト成形することで、ドライブギヤをハンドル軸に対して回り止め固定し、かつ、軸方向移動を規制するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−348636号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記した公知技術では、ハンドル軸の外周部に切削加工で突起部を形成するため、加工コストが高くなってしまう。また、ハンドルの巻き取りフィーリングの向上を図るためには、ハンドル軸とドライブギヤとの接合部分における振動減衰が大きくなるように両者を異種金属にすることが好ましく、特に、このような異種金属同士の接合では、ハンドル軸は、その強度が向上するようにステンレスのような高比重材料を用いることが好ましい。この場合、上記した公知技術のように、ハンドル軸の外周部に切削加工で突起部を形成すると、全体として重量が増加してしまうと共に、接合強度を向上しようとすると(突起部を大きくする)、より重量が増加してしまう。
【0006】
本発明は、上記した問題に着目してなされたものであり、ハンドル軸とドライブギヤの固定部分における接合強度を確保しつつ、加工コストが安価で全体として軽量化が図れる魚釣用スピニングリールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した目的を達成するために、本発明は、リール本体に回転自在に支持され、巻き取り操作されるハンドルを装着したハンドル軸と、前記ハンドルの回転をロータに伝達するピニオンギヤに噛合すると共に前記ハンドル軸と一体化されるドライブギヤと、を有する魚釣用スピニングリールにおいて、前記ハンドル軸は、金属材料の切削加工により形成され、前記ドライブギヤは、前記ハンドル軸を金型内にインサートした状態でダイカスト成形することで前記ハンドル軸と一体化され、前記ハンドル軸には、前記ドライブギヤと接合する部分に、内部に貫通する貫通孔が複数設けられ、前記ドライブギヤの一部が前記貫通孔内に充填されていることを特徴とする。
【0008】
上記した構成の魚釣用スピニングリールでは、ハンドル軸とドライブギヤを一体化する部分は、ハンドル軸に貫通孔を形成しておき、この部分にドライブギヤをダイカスト成形することから、ダイカスト成形工程前のハンドル軸の加工処理が容易になり、コストを低減することが可能となる。また、両者を異種金属で接合した場合、ハンドル軸側に貫通孔を形成したことによって、接合強度を維持しつつ、全体として軽量化が図れ、さらには、巻き取りフィーリングの向上を図ることが可能となる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ハンドル軸とドライブギヤの固定部分における接合強度を確保し、加工コストが安価で全体として軽量化が図れる魚釣用スピニングリールが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る魚釣用スピニングリールの一実施形態を示す部分断面図。
【図2】図1に示す魚釣用スピニングリールを後方側から見た部分断面図。
【図3】図1に示す魚釣用スピニングリールにおいて、ドライブギヤが一体化されたハンドル軸を示す断面図。
【図4】図3のA−A線に沿った断面図。
【図5】ハンドル軸の構成を示す図。
【図6】ドライブギヤが一体化されたハンドル軸の製造方法の一例を示す図(第1段階)。
【図7】ドライブギヤが一体化されたハンドル軸の製造方法の一例を示す図(第2段階)。
【図8】ドライブギヤが一体化されたハンドル軸の製造方法の一例を示す図(第3段階)。
【図9】ドライブギヤが一体化されたハンドル軸の第2の実施形態を示す図。
【図10】ドライブギヤが一体化されたハンドル軸の第3の実施形態を示す図。
【図11】ドライブギヤが一体化されたハンドル軸の第4の実施形態を示す図。
【図12】ドライブギヤが一体化されたハンドル軸の第5の実施形態を示す図。
【図13】ドライブギヤが一体化されたハンドル軸の第6の実施形態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る魚釣用スピニングリールの実施形態について説明する。
図1は、魚釣用スピニングリールの一実施形態を示す部分断面図、図2は、図1に示す魚釣用スピニングリールを後方側から見た部分断面図、図3は、図1に示す魚釣用スピニングリールにおいて、ドライブギヤが一体化されたハンドル軸を示す断面図、図4は、図3のA−A線に沿った断面図、そして、図5は、ハンドル軸の構成を示す図である。
【0012】
最初に、図1及び図2を参照して、魚釣用スピニングリールの全体構成について説明する。
魚釣用スピニングリール1は、釣竿に装着するための竿取付け部2aが形成されたリール本体2と、リール本体前方に回転可能に配されたロータ3と、ロータ3の回転運動と同期して前後動可能に配されたスプール5とを備えている。前記リール本体2には、ハンドル軸6が一対の軸受7を介して回転可能に支持されており、その端部には、ハンドル8が装着されている。この場合、ハンドル8は、リール本体2に取着されるキャップ9を取り外して、右利き、左利きに応じて、ハンドル軸6のいずれかの端部に装着されるようになっている。具体的には、リール本体2に螺合されているキャップ9を取り外すと、ハンドル軸6の端部に形成されたネジ部(本実施形態では雄ネジ部とされている)6aが露出し、この部分にハンドル8に形成された雌ネジ部8aを螺合することで、ハンドル軸6のいずれかの端部にハンドル8が装着可能となる。
【0013】
前記ハンドル軸6には、ドライブギヤ10が一体的に固定されており、このドライブギヤ10の歯部10aには、前記ハンドル軸6と直交する方向に延出するとともに、前記ロータ3が回り止め固定されたピニオンギヤ12が噛合している。また、ピニオンギヤ12には、前記スプール5を支持したスプール軸5aが挿通されており、このスプール軸5aの後端には、公知のオシレーティング機構15が係合されて、ハンドル8の巻き取り操作に伴ってスプール軸5aを前後方向に往復駆動するようになっている。
【0014】
前記ロータの円筒部には、略180°の間隔をおいて一対の支持アーム3aが対向するように形成されており、夫々の前端部には、ベール3bの基端部を取り付けたベール支持部材3cが釣糸放出位置と釣糸巻き取り位置との間で反転可能に支持されている。この場合、ベール3bの一方の基端部は、ベール支持部材3cに一体的に設けられた釣糸案内部3dに取り付けられている。
【0015】
上記した構成により、ハンドル8を巻き取り操作することで、ハンドル軸6、ドライブギヤ10、及びピニオンギヤ12を介してロータ3が回転駆動され、かつスプール5がオシレーティング機構15を介して前後動されるので、釣糸は、釣糸案内部3dを介してスプール5に均等に巻回される。なお、釣糸を放出する場合、ベール支持部材3cを、図1に示す釣糸巻き取り位置から釣糸放出位置に反転操作して、釣糸を釣糸案内部3dから外して釣竿を振り下ろすことで行なわれる。
【0016】
次に、図3から図5を参照して、ハンドル軸、及びドライブギヤを一体化したハンドル軸の構成について具体的に説明する。
ハンドル軸6は、例えば、ステンレス(例えば、SUS303,SUS304等)等の金属材料を切削加工することで形成され、このように形成されたハンドル軸6を金型内にインサートした状態で、ドライブギヤ10をダイカスト成形することで、ハンドル軸6とドライブギヤ10は一体化される。この場合、ハンドル軸6とドライブギヤ10は、異なる材料で形成されることが好ましい。すなわち、異種金属同士を接合することで、振動減衰性を向上することが可能となり、かつしっとりとした巻き取りフィーリングが得られ、釣竿に来る魚の当たりの振動を邪魔することが抑止される。
【0017】
具体的には、ハンドル軸6には、上述したように、ハンドル8が螺入されることから、高強度材料を用いることが好ましく、例えば、そのような特性を有する金属材料として、ステンレス(比重7.8、線膨張率10〜17(×10-6/°C))が用いられる。一方、ダイカスト成形されるドライブギヤ10については、ハンドル軸との関係において、できるだけ軽量化が図れる材料を用いることが好ましく、例えば、そのような特性を有する金属材料として、ダイカスト用のアルミ合金(比重2.7、線膨張率23(×10-6/°C))や、亜鉛合金(比重6.4〜6.8、線膨張率26〜30(×10-6/°C))が用いられる。
【0018】
すなわち、ダイカスト成形されるドライブギヤ10は、ハンドル軸6と比較して比重が小さく、かつ、線膨張係数が大きい材料で形成することにより、上記したように、ハンドル軸を高強度化しつつ巻き取りフィーリングの向上を図ることができ、さらには、全体として可及的な軽量化を図ることが可能となる。
【0019】
前記ハンドル軸6には、ドライブギヤ10がダイカスト成形される位置に、予め貫通孔6bが周方向に沿って略90°間隔(均等間隔)で4箇所(複数個所)形成されている。また、本実施形態では、ハンドル軸6は、より軽量化が図れるように、軸長方向に亘って軸孔6cが形成されており、前記貫通孔6bは、この軸孔6cに対して交差するように形成されている。そして、このようなネジ部6a、貫通孔6b及び軸孔6cを有するハンドル軸6は、予め1本の棒状体を切削加工することで形成することが可能である(棒状体は、一般的に、引き抜き材であり、鋳造材より高強度である)。この場合、ハンドル軸の表面にリング状の突起を形成したり、周方向に沿って所定間隔の突起を形成することがないため、容易に切削加工することが可能となる。なお、ドライブギヤ10をダイカスト成形する位置に応じて、前記ハンドル軸6の外周面にローレット加工を施しておいても良い。このようにローレット加工を施すことで、成形されるドライブギヤとの接合強度を高めることが可能となる。
【0020】
上記したように、前記ドライブギヤ10は、予め切削加工したハンドル軸6を金型内にインサートした状態でダイカスト成形されることから、図4に示すように、予め形成されている貫通孔6b内には、ドライブギヤ10の材料が充填された状態(ドライブギヤ10の一部が貫通孔6b内に充填された状態)となる。
【0021】
このように、複数の貫通孔6b内にドライブギヤ10の一部が充填されることで、アンカー効果が高まり、両者の接合強度を向上することが可能となる。特に、貫通孔は、周方向に沿って均等間隔で形成したことで、軸方向及び周方向に対して安定した接合強度を発揮することが可能となる。また、貫通孔の場合、貫通しない穴のような極端な先細りになることもない(穴の場合は、通常、ドリルの先端形状と同形状になる)ので、確実なアンカー効果が得られる。
【0022】
また、上記したように、ハンドル軸として、比重の高い高強度材料を使用しても、接合部分を突起ではなく貫通孔6bとしたことにより、接合強度を維持したままで全体として軽量化を図ることが可能となる。さらに、全体として軽量化を図るために、ドライブギヤ10に低比重材料(低比重材料は、総じて線膨張率が大きく、成形後の熱収縮が大きい)を用いても、上記したように、貫通孔6bを形成したことによって、両者の接合面積を可能な限り多くすることができ、そのような熱収縮があっても、接合強度の低下を抑制することが可能となる。
【0023】
次に、図6から図8を参照して、上記のようなハンドル軸6にドライブギヤ10を一体化する製造方法の一例について説明する。
最初、図5に示したように切削加工されたハンドル軸6は、ダイカスト用の金型30,31にインサートされる。各金型30,31は、互いに面接される構成となっており、それぞれ軸方向に延出してハンドル軸6をセットする長手凹部30a,31aが形成されている。この内、一方の金型30の長手凹部30aには、ハンドル軸6の軸孔6cに嵌合する凸部(ピン)30bが形成されている。なお、この凸部30bは、セットされたハンドル軸6に形成されている複数の貫通孔6bの開口を閉塞する部分まで延びており、軸孔6c内へダイカスト材料が侵入しないようにしている。
【0024】
前記各金型30,31の対向する部分には、歯部10aを備えたドライブギヤ10が成形されるように、それぞれ凹部30c,31cが形成されており、図6に示すように、両金型30,31を面接した際、両凹部30c,31cがドライブギヤの外形状となって、その内部にダイカスト材料(上記したように、ハンドル軸よりも低比重材となるアルミ合金や亜鉛合金)が注入される。この場合、ダイカスト材料を注入する注入ゲート33は、ドライブギヤを成形する部分の外周側となっており、このような注入ゲート33については、ドライブギヤの外周側に複数個所設けておいても良い。
【0025】
次に、ハンドル軸6を金型30,31内にインサートした状態で、注入ゲート33を介してダイカスト材を注入し(図7参照)、ダイカスト材料が冷却して固まった後、両金型30,31を離間する(図8参照)。そして、その後、注入ゲート部分に残ったダイカスト材33aを切断するとともに、表面処理加工を施すことで、上述したような作用、効果を備えたドライブギヤ10が一体化されたハンドル軸6が形成される。
【0026】
なお、上記した製造方法では、ダイカスト材料の注入については、ドライブギヤの外周側とされているが、そのような注入ゲートを設ける位置については適宜変形することが可能である。
【0027】
上記したようなドライブギヤ10が一体化されたハンドル軸6については、様々な形状にすることが可能である。例えば、ハンドル軸6は、全長に亘って軸孔を形成するのではなく、図9に示すように、部分的に中実構造としても良い。
この実施形態では、ハンドル軸6の一方の端部(右ハンドル側端部)を中実構造としたものである。例えば、雄ネジ部6a´を形成する領域のネジ径を大きくできないようなケースでは、この部分を中実構造とすることで、強度を維持しながら細径化することが可能となる。本実施形態では、一方の端部を中実構造にした例を示しているが、もちろん、両端部を中実構造としても良い。
【0028】
図10に示す実施形態は、ドライブギヤ10が一体化されたハンドル軸6Aを、全長に亘って中実構造とした例を示している。
ハンドル軸6の外径を大きくできない構造では、このような中実構造とし、その内部に貫通する貫通孔6b´を形成することで、強度を維持しつつ、ハンドル軸を細径化することが可能となる。
【0029】
図11に示す実施形態は、ドライブギヤ10が一体化されたハンドル軸6の軸孔6a内全体に、ダイカスト材を充填した例を示している。
このような構造では、ドライブギヤ10とハンドル軸6との接合強度がより高くなるとともに、両者の接合面積が増えるため、振動減衰効果を高めることができ、よりしっとりとした巻き取りフィーリングが得られるようになる。また、強度を維持してハンドル軸6を細径化することも可能となる。
【0030】
このようなドライブギヤが一体化されたハンドル軸6は、図6から図8に示した金型30の凸部(ピン)30bを取り除くことで容易に製造することが可能である。また、このような構造とする場合、ダイカスト材を軸孔6c部分から注入して製造することも可能である。
なお、図3に示した第1実施形態の構造については、図11に示したようにドライブギヤをダイカスト成形した後、軸孔6c内に残留するダイカスト材を切削加工で取り除いて製造しても良い。
【0031】
図12に示す実施形態は、ドライブギヤ10が一体化されたハンドル軸6の軸孔6aの内、ドライブギヤ10が成形される部分をダイカスト材で充填して中実構造とした例を示している。
このような構造によれば、ハンドル軸6の軽量化を図りつつ、効率的にドライブギヤとハンドル軸の接合強度を高めることが可能となる。
【0032】
なお、このようなドライブギヤが一体化されたハンドル軸は、上記した金型30,31のそれぞれの長手凹部30a,31aに、所定長さの凸部(ピン)を設けることで製造することが可能である。或いは、図11に示したようにドライブギヤをダイカスト成形した後、軸孔6c内に残留するダイカスト材を、両側から切削加工で取り除いて製造しても良い。
【0033】
図13に示す実施形態は、図12に示した構造を効率良く製造した例を示している。
すなわち、ハンドル軸6Bを切削加工する際、中間領域を切削することなく、中実部6dを残しておき、図8に示した凸部(ピン)30bを短くすることで、容易に製造することが可能である。なお、このようなピンを設けることなく、ダイカスト材を充填した後に、開口6e側から所定範囲、切削加工を施すことによっても製造することが可能である。
【0034】
上述した各実施形態では、ハンドル軸6に予め形成される貫通孔6bは、均等に4箇所形成したが、そのような貫通孔については、負荷が分散するように、複数、存在していれば良い。ただし、貫通孔が少なすぎると1箇所に掛かる負荷が大きくなり過ぎてしまい、逆にあまり多くし過ぎると、ハンドル軸が大径化したり1つの孔径が小さくなり過ぎてダイカスト材の充填が困難になってしまう。このため、予め切削加工で形成する貫通孔6bの個数については、周方向に沿って均等間隔で4箇所から12箇所にしておくことが望ましい。また、そのような貫通孔は、ハンドル軸の長手方向に沿って複数列形成しておいても良い。
【0035】
さらに、上述した貫通孔6bの形状については、加工が容易であり、かつダイカスト材が確実に充填されるように、断面円形状にしておくことが望ましい。
【0036】
以上、本発明に係る魚釣用スピニングリールの一実施形態について説明したが、本発明は、上記した実施形態に限定されることはなく、種々変形することが可能である。
例えば、ハンドル軸6とドライブギヤ10の形成材料については、同種材料(例えば、ハンドル軸6をA7075とし、ドライブギヤ10をADC12)にしても良く、適宜変形することが可能である。また、ハンドル軸6については、ハンドル8が装着される端部が雌ネジ部で構成されていても良く、ハンドル軸6には、ドライブギヤ以外の構成部材が予め切削加工によって形成されていても良い。さらに、上述したドライブギヤが一体化されたハンドル軸については、様々なタイプの釣用スピニングリールに適用することが可能である。
【符号の説明】
【0037】
1 魚釣用スピニングリール
2 リール本体
3 ロータ
6,6A,6B ハンドル軸
6b 貫通孔
8 ハンドル
10 ドライブギヤ
12 ピニオンギヤ
30,31 金型

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リール本体に回転自在に支持され、巻き取り操作されるハンドルを装着したハンドル軸と、前記ハンドルの回転をロータに伝達するピニオンギヤに噛合すると共に前記ハンドル軸と一体化されるドライブギヤと、を有する魚釣用スピニングリールにおいて、
前記ハンドル軸は、金属材料の切削加工により形成され、
前記ドライブギヤは、前記ハンドル軸を金型内にインサートした状態でダイカスト成形することで前記ハンドル軸と一体化され、
前記ハンドル軸には、前記ドライブギヤと接合する部分に、内部に貫通する貫通孔が複数設けられ、前記ドライブギヤの一部が前記貫通孔内に充填されていることを特徴とする魚釣用スピニングリール。
【請求項2】
前記ダイカスト成形されるドライブギヤは、前記ハンドル軸と比較して比重が小さく、かつ、線膨張係数が大きい材料で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の魚釣用スピニングリール。
【請求項3】
前記貫通孔は、円形であり、ハンドル軸の周方向に沿って均等に4個以上、12個以下形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の魚釣用スピニングリール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−170330(P2012−170330A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−31956(P2011−31956)
【出願日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【出願人】(000002495)グローブライド株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】