説明

鳥用給餌具

【課題】皿受部に餌皿を着脱可能に係止させることができ、かつ、鳥が餌皿を突いても皿受部から離間させないようにすることができる鳥用給餌具を提供すること。
【解決手段】短筒部7を有する皿受部2と、有底で短筒部7の内径よりも小さい外径の筒状部11を有する餌皿部3と、を備え、短筒部7と嵌合される嵌合部12と、嵌合部12よりも大径とされて短筒部7に係止される鍔部13と、が、筒状部11の径方向外方に順次段状に拡径されて配され、嵌合部12の中心軸線C方向長さが、短筒部7の中心軸線C方向長さよりも短いことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鳥用給餌具に関する。
【背景技術】
【0002】
鳥かご内の鳥に給餌する場合、通常は鳥かごに取り付けた餌皿内に餌を入れて給餌している。また、鳥かごを使用しないで、例えば、鳥かごから鳥を室内に取り出して止まり木に止まらせておく場合には、止まり木そのものやその周辺に餌皿を固定させている。
【0003】
鳥かごに餌皿を取り付ける場合、鳥が餌皿を突いても餌皿が鳥かごの枠から外れないように様々な工夫がなされた鳥用給餌具が種々提案されている。例えば、餌皿そのものが枠に固定されているものがある。この場合、餌皿に餌を適宜補給する必要があることから、給餌しやすい鳥かごの開閉扉に餌皿が固定される場合が多い。
【0004】
また、餌皿そのものを鳥かごから取り出して給餌する場合には、皿受部を介して餌皿を鳥かごに固定させるものがある(例えば、特許文献1参照。)。この場合、皿受部から餌皿が外れないように餌皿が皿受部に着脱可能に係止されている。
【0005】
一方、鳥かごの代わりに止まり木に餌皿を固定させる場合には、餌皿の清掃の手間等を考慮して皿受部に餌皿を着脱可能に係止させておくことがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開昭58−91278号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、餌皿を鳥かごに固定した場合、餌補給の都度、開閉扉を開閉することになってしまい煩雑になってしまう。また、皿受部に餌皿を係止させた場合、鳥がくちばしで皿受部と餌皿との間を餌皿の底側から突いた場合には、餌皿が皿受部から離れてしまって餌が飛散してしまう可能性がある。特に、鳥かごから鳥を出して止まり木に止まらせておく際に、餌皿が皿受部から外れることは、その後、周囲の清掃が大変である。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みて成されたものであり、皿受部に餌皿を着脱可能に係止させることができ、かつ、鳥が餌皿を突いても皿受部から離間させないようにすることができる鳥用給餌具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
本発明に係る鳥用給餌具は、短筒部を有する皿受部と、有底で前記短筒部の内径よりも小さい外径の筒状部を有する餌皿部と、を備え、前記短筒部と嵌合される嵌合部と、該嵌合部よりも大径とされて前記短筒部に係止される鍔部と、が、前記筒状部の径方向外方に順次段状に拡径されて配され、前記嵌合部の中心軸線方向長さが、前記短筒部の中心軸線方向長さよりも短いことを特徴とする。
【0010】
この発明は、短筒部と嵌合部とを嵌合させて餌皿部が取り付けられるので、餌皿部は短筒部の中心軸線方向のみ取り外しができる。そのため、鳥が餌皿部を突いても斜め方向への皿受部からの離脱を好適に抑えることができる。また、嵌合部の中心軸線方向長さが、短筒部の中心軸線方向長さよりも短いので、餌皿部の皿受部への装着を容易に行うことができる。この際、嵌合部が短筒部内に隠れることになり、このときの皿受部と餌皿部との隙間は、短筒部と筒状部との隙間しかないので、鳥がくちばしを入れて嵌合部を押し上げることができず、皿受部からの餌皿部の離脱を好適に抑えることができる。
【0011】
また、本発明に係る鳥用給餌具は、前記鳥用給餌具であって、前記筒状部と前記嵌合部との間に形成された段部が面取りされていることを特徴とする。
この発明は、短筒部に対して餌皿部の出し入れを容易にすることができる。
【0012】
また、本発明に係る鳥用給餌具は、前記鳥用給餌具であって、突部が配された支持台部と、前記突部が挿入される挿入穴が配された止まり木部と、を備え、前記突部が回動可能に貫通する貫通孔が配された腕部を前記皿受部が備え、前記貫通孔に前記突部が貫通した状態で前記挿入穴に前記突部が挿入されることを特徴とする。
【0013】
この発明は、貫通孔に突部が貫通した状態で挿入穴に突部が挿入されることによって、止まり木部にて皿受部の腕部を支持台部に回動可能に支持させることができる。また、鳥を止まり木部に留ませた際、その重みで餌皿部を支持台部により確実に固定させることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、皿受部に餌皿を着脱可能に係止させることができ、かつ、鳥が餌皿を突いても皿受部から離間させないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態に係る鳥用給餌具を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る鳥用給餌具を示す一部断面側面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る鳥用給餌具の皿受部を示す平面図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る鳥用給餌具の皿受部を示す側面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る鳥用給餌具の餌皿部を示す側面図である。
【図6】図5のVI−VI断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に係る一実施形態について、図1から図6を参照して説明する。
本実施形態に係る鳥用給餌具1は、図1及び図2に示すように、皿受部2と、餌皿部3と、支持台部5と、止まり木部6と、を備えている。
【0017】
皿受部2は、例えば、ステンレス製とされ、図3及び図4に示すように、短筒部7と、一端側に短筒部7が配された腕部8と、中心軸線Cと平行な中心軸線C1を有する貫通孔10aが配されて腕部8の他端側に配された係合部10と、を備えている。短筒部7は、高さ方向となる中心軸線C方向の長さ及び肉厚がそれぞれ略一定とされている。腕部8は、棒状に形成されている。係合部10は筒状に形成され、外周面が腕部8の他端と接続されている。
【0018】
餌皿部3は、例えば、ステンレス製とされ、図5及び図6に示すように、有底で短筒部7の内径よりも小さい外径の筒状部11を備えている。この筒状部11の端部には、短筒部7と嵌合される嵌合部12と、嵌合部12よりも大径とされて短筒部7端に係止される鍔部13と、が、径方向外方に順次段状に拡径されて配されている。餌皿部3の底部は、鳥がくちばしで突いても引っ掛かりのないよう曲面形状となっている。
【0019】
嵌合部12の中心軸線C方向の長さは、短筒部7の中心軸線C方向長さよりも短くなっている。すなわち、嵌合部12及び短筒部7は、嵌合部12を短筒部7と嵌合させた際、嵌合部12が短筒部7内に隠れるような高さになっている。筒状部11と嵌合部12との間に形成された第一段部(段部)15Aは、面取りされている。なお、短筒部7の端部、及び嵌合部12と鍔部13との間に形成された第二段部15Bも、それぞれ面取りされていることが好ましい。
【0020】
支持台部5には、図2に示すように、突部16が配されている。この突部16は、皿受部2の腕部8に配された係合部10の貫通孔10aに回動可能に挿入される。突部16は、貫通孔10aに挿入された状態で、さらに止まり木部6が装着可能な高さに形成されている。
【0021】
止まり木部6は、鳥が足を乗せることができる程度の外径とされ、突部16が挿入される挿入穴6aが両端側にそれぞれ配されている。
【0022】
本実施形態に係る鳥用給餌具1の組立の際には、皿受部2の係合部10の貫通孔10aを支持台部5の突部16に挿通し、さらに、止まり木部6の挿入穴6aに突部16を挿入する。こうして、支持台部5に皿受部2及び止まり木部6を装着する。そして、皿受部2の短筒部7に餌皿部3の筒状部11を挿入するとともに、嵌合部12と嵌合させ、短筒部7に鍔部13を係止させる。
【0023】
この鳥用給餌具1によれば、短筒部7と嵌合部12とを嵌合させて餌皿部3が取り付けられるので、餌皿部3は短筒部7の中心軸線C方向のみ取り外しができる。そのため、鳥が餌皿部3を突いても斜め方向への皿受部2からの離脱を好適に抑えることができる。また、嵌合部12の中心軸線C方向長さが、短筒部7の中心軸線C方向長さよりも短いので、餌皿部3の皿受部2への装着を容易に行うことができる。
【0024】
この際、嵌合部12が短筒部7内に隠れることになり、嵌合部12が短筒部7内に隠れたときの皿受部2と餌皿部3との隙間は、短筒部7と筒状部11との隙間しかないので、鳥がくちばしをこの隙間に入れても嵌合部12を押し上げることができず、皿受部2からの餌皿部3の離脱を好適に抑えることができる。したがって、皿受部2に餌皿部3を着脱可能に係止させることができ、かつ、鳥が餌皿部3を突いても皿受部2から離間させないようにすることができる
【0025】
また、第一段部15Aが面取りされているので、短筒部7に対して餌皿部3の出し入れをより容易に行うことができる。
【0026】
さらに、係合部10の貫通孔10aに支持台部5の突部16が貫通した状態で、止まり木部6の挿入穴6aに突部16が挿入されるので、止まり木部6によって皿受部2の腕部8を支持台部5に回動可能に支持させることができる。また、鳥を止まり木部6に留ませた際、その重みで餌皿部3を支持台部5により確実に固定させることができる。
【0027】
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記皿受部2等をステンレス製としているが、これに限らず、短筒部7や嵌合部12の嵌め合い寸法を維持できれば、他の材質でも構わない。
【符号の説明】
【0028】
1 鳥用給餌具
2 皿受部
3 餌皿部
5 支持台部
6 止まり木部
6a 貫通穴
7 短筒部
8 腕部
10 係合部
10a 貫通孔
11 筒状部
12 嵌合部
13 鍔部
15A 第一段部(段部)
16 突部
C 中心軸線


【特許請求の範囲】
【請求項1】
短筒部を有する皿受部と、
有底で前記短筒部の内径よりも小さい外径の筒状部を有する餌皿部と、
を備え、
前記短筒部と嵌合される嵌合部と、該嵌合部よりも大径とされて前記短筒部に係止される鍔部と、が、前記筒状部の径方向外方に順次段状に拡径されて配され、
前記嵌合部の中心軸線方向長さが、前記短筒部の中心軸線方向長さよりも短いことを特徴とする鳥用給餌具。
【請求項2】
前記筒状部と前記嵌合部との間に形成された段部が面取りされていることを特徴とする請求項1に記載の鳥用給餌具。
【請求項3】
突部が配された支持台部と、
前記突部が挿入される挿入穴が配された止まり木部と、
を備え、
前記突部が回動可能に貫通する貫通孔が配された腕部を前記皿受部が備え、
前記貫通孔に前記突部が貫通した状態で前記挿入穴に前記突部が挿入されることを特徴とする請求項1又は2に記載の鳥用給餌具。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−213647(P2010−213647A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−65889(P2009−65889)
【出願日】平成21年3月18日(2009.3.18)
【出願人】(509078344)有限会社江口工業 (1)
【Fターム(参考)】