説明

麻酔および除去兼用サージカルマスク

医療ガスを投与および/または除去するためのサージカルマスクが、鼻マスクと、鼻マスクを包囲する口マスクを備えている。鼻マスクは、口マスクに固定されており、口マスクから取外し可能であってもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示内容は、一般にサージカルマスクに関し、より詳細には麻酔ガスの投与と除去に使用されるサージカルマスクに関する。
【背景技術】
【0002】
麻酔ガスは、外科手術時に患者に対して使用される。患者に麻酔ガスを投与するには、患者の鼻および/または口にかぶせたマスクを使用する必要がある。ガス投与回路が麻酔ガスをマスク内に送り込んで、患者が鼻および/または口を通して吸入する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
一態様によれば、口マスクの内部に鼻マスクが包み込まれたサージカルマスクが提供される。鼻マスクを通して、麻酔ガスや回復ガスなどの医療ガスが患者に投与される。患者が吐き出したガスは、口マスクによって捕捉され、除去回路に排気される。
【0004】
別の態様によれば、医療ガスを投与および除去するためのサージカルマスクアセンブリが、陰圧源に連結されるよう構成された第1のガスポートを有する外側マスクと、外側マスクに固定されて包囲された内側マスクとを備えている。内側マスクは、陽圧源に連結されるよう構成された第2のガスポートを有している。
【0005】
外側マスクは、リムに固定された可撓性シールに加えて、リムによって画定された後ろ向き開口を有するチャンバーを画定するシェルを備えていてもよい。
【0006】
内側マスクは、外側マスクのシェルのチャンバー内に位置していてもよい。
【0007】
内側マスクは、リムに固定された可撓性シールに加えて、リムによって画定された後ろ向き開口を有するチャンバーを画定するシェルを備えていてもよい。内側マスクのシェルは、外側マスクのシェルのチャンバー内に位置していてもよい。一部の実施形態では、内側マスクのシェルと可撓性シールの両方が、外側マスクのシェルのチャンバー内に位置していてもよい。
【0008】
内側マスクの可撓性シールは、サージカルマスクアセンブリが患者の顔面上に定置されると、内側マスクのチャンバーを外側マスクのチャンバーから遮断する。
【0009】
外側マスクの可撓性シールは、サージカルマスクアセンブリが患者の顔面上に定置されると、患者の鼻と口を包囲するのに対して、内側マスクの可撓性シールは、サージカルマスクアセンブリが患者の顔面上に定置されると、患者の鼻を包囲する。
【0010】
内側マスクは、外側マスクから取外し可能であってもよい。そのような実施形態において、外側マスクに孔が画定されているとともに、内側マスクから外方に中空管が延出していてもよい。中空管は孔に圧入されていてもよい。中空管は、内側マスクのチャンバーに通じていてもよい。
【0011】
別の態様によれば、医療ガスを投与および除去するためのサージカルマスクアセンブリが、口マスクと鼻マスクを備えている。口マスクは、リムによって画定された後ろ向き開口を有するチャンバーを画定するシェルと、リムに固定された可撓性シールと、ガスポートを有する。口マスクの可撓性シールは、サージカルマスクアセンブリが患者の顔面上に定置されると、患者の鼻と口を包囲する。鼻マスクは、リムによって画定された後ろ向き開口を有するチャンバーを画定するシェルと、リムに固定された可撓性シールと、ガスポートを備えている。鼻マスクの可撓性シールは、サージカルマスクアセンブリが患者の顔面上に定置されると、患者の鼻を包囲する。
【0012】
鼻マスクは、口マスクのシェルのチャンバー内に位置していてもよい。
【0013】
鼻マスクのシェルは、口マスクのシェルのチャンバー内に位置していてもよい。一部の実施形態では、鼻マスクのシェルと可撓性シールの両方が、口マスクのシェルのチャンバー内に位置している。
【0014】
鼻マスクの可撓性シールは、サージカルマスクアセンブリが患者の顔面上に定置されると、鼻マスクのチャンバーを口マスクのチャンバーから遮断する。
【0015】
鼻マスクは、口マスクから取外し可能であってもよい。そのような実施形態において、口マスクのシェルに孔が画定されているとともに、鼻マスクのシェルから外方に中空管が延出していてもよい。中空管は、鼻マスクのチャンバーに通じていてもよい。中空管は、口マスクのシェルに画定された孔に圧入されていてもよい。
【0016】
別の態様によれば、医療処置の間および後に患者に医療ガスを投与する方法が、最初に口マスクを麻酔ガスの源に連結することと、口マスクを介して患者に麻酔ガスを供給することを含む。その後、口マスクが、麻酔ガスの源から連結解除され、陰圧源に連結されてもよい。その後、鼻マスクが口マスクに固定されてもよい。鼻マスクは、術後回復ガスの源に連結される。術後ガスは、鼻マスクを介して患者に供給され、患者が吐き出したガスは、口マスクを介して排出される。
【0017】
口マスクは、医療処置の間中、麻酔ガスの源に固定されており、医療処置の完了時に麻酔ガスの源から連結解除されてもよい。口マスクは、医療処置の完了時に陰圧源に連結される。
【0018】
術後回復ガスが酸素であって、そのような酸素が、患者の鼻を通して吸入されるように鼻マスクに供給されてもよい。患者が吐き出したガスは、口マスクを介して排出される。
【0019】
==関連出願の相互参照==
本出願は、2008年11月19日出願の米国特許出願第12/273,748号、2009年8月12日出願の米国特許出願第12/540,085号および2009年8月12日出願の米国特許出願第12/540,082号の優先権と利益を主張し、当該出願の開示内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】サージカルマスクの一実施形態の斜視図である。
【図2】図1のサージカルマスクの後面図である。
【図3】図1のサージカルマスクの断面図である。
【図4】サージカルマスクの別の実施形態の断面図である。
【図5】図4のサージカルマスクの別の断面図である。
【図6】サージカルマスクの別の実施形態の斜視図である。
【図7】図6のサージカルマスクの後面図である。
【図8】図6のサージカルマスクの断面図である。
【図9】サージカルマスクの別の実施形態の断面図である。
【図10】図9のサージカルマスクをガス投与回路と除去回路に連結するために使用され得る二重管腔式管の断面図である。
【図11】サージカルマスクの別の実施形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本開示内容の概念には、様々な変更と代替形態の可能性があるが、本開示内容の具体的な例示の実施形態が例として図面に示されており、本明細書において詳細に説明されるであろう。しかしながら、本開示内容の概念を開示された特定の形態に限定する意図はなく、それどころか意図するのは、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の精神および範囲内に含まれるあらゆる変更、等価物および代案を包含することであることが理解されるべきである。
【0022】
図1から図3を参照すると、麻酔および除去兼用サージカルマスクアセンブリ10(以下、単に「サージカルマスク10」)の例示の実施形態が示されている。ここにより詳細に述べるように、サージカルマスク10は、患者に吸入される麻酔ガスまたは他の医療ガスを送達するために使用することができる。サージカルマスク10は、患者が排出したガスを除去する働きも行う。
【0023】
ここに述べる例示の実施形態では、サージカルマスク10は、鼻マスク14が包み込まれた口マスク12を備えている。口マスク12は、硬質または半硬質プラスチック製のシェル16を備えている。図3において最もよくわかるように、シェル16は、リム18によって後ろ向き開口が画定された中空のチャンバー36を画定している。図2においてわかるように、シェル16の後ろ向き開口は、マスクの後方から見て概ね西洋ナシの形をしている。シェル16のリム18には、枕タイプのシール20が固定されている。他のタイプのシールも使用することができるが、ここに述べる例示の実施形態では、シール20は、柔らかく、可撓性で、空気で膨らませた袋として具体化されている。シール20は、医師がサージカルマスク10を患者の鼻と口にかぶせると、患者の顔の輪郭と合致するように変形する。サージカルマスク10が患者の顔面上に定置されると、シール20は、口マスク12と患者の顔との間に封止状態を作るようにして患者の鼻と口の周りの領域を包囲する。このようにして、患者の鼻と口がチャンバー36内に封入される。
【0024】
口マスク12のシェル16には、ガスポート22が画定されている。ガスポート22は、口用のチャンバー36から外方に延出する中空管24を備えている。中空管24は、口用のチャンバー36に通ずる近位端を有している。中空管24の螺刻された遠位端28は、除去回路72(図3参照)のホースまたは他のタイプの流体管路に連結(例えば、螺着)することができる。そういうものとして、口マスク12のチャンバー36は、除去回路72によって生成された流体陰圧にさらすことができる。換言すれば、中空管24の螺刻された遠位端28が除去回路72に連結されると、除去回路72と関連する(図示しない)真空ポンプを、患者が口マスク12に吐き出したガスを排出するために使用することができる。ここには、中空管24の遠位端28が螺刻されているものとして描写されているが、口マスク12を除去回路に連結させるために他の構成が使用され得ることを理解されたい。
【0025】
口マスク12は、シェル16を貫通する複数の孔30も備えている。孔30は、除去回路72からの流体陰圧にさらされる際に、口マスク12のチャンバー36を少し通気することを考慮したものである。これにより、除去回路72によって生成された吸引のせいで口マスク12が不快にも患者の顔面上で動かなくなることが防止される。口マスク12のチャンバー36内の陰圧は、吐出ガスが孔30を通じて漏れないようにする。
【0026】
口マスク16のシェル16には、ポート22のどちらかの側に、1対のストラップマウント32の一方が形成されている。ストラップマウント32には、弾性ストラップ34が固定されており、サージカルマスク10を患者の頭に固定するために使用することができる。
【0027】
図3の断面図において最もよく示すように、口マスク12は鼻マスク14を包囲している。より具体的には、チャンバー36が鼻マスク14を包囲するように、鼻マスク14がチャンバー36内に位置している。サージカルマスク10が患者の顔面にかぶせられると、シール20が、鼻マスク14をチャンバー36内に封入する働きも行う。
【0028】
口マスク12と同様に、鼻マスク14も、硬質または半硬質プラスチック製のシェル50を備えている。図3において最もよくわかるように、シェル50は、リム52によって後ろ向き開口が画定された中空のチャンバー54を画定している。図2においてわかるように、シェル50の後ろ向き開口は、マスクの後方から見て概ね西洋ナシの形をしている。シェル50のリム52には、可撓性シール56が固定されている。他のタイプのシールも使用することができるが、ここに述べる例示の実施形態では、シール56は、柔らかく、可撓性の封止リングとして具体化されている。シール56は、医師がサージカルマスク10を患者の鼻と口にかぶせると、患者の鼻の輪郭および鼻の周辺の顔領域と合致する。
【0029】
鼻マスク14のシェル50には、ガスポート60が画定されている。ここに述べる例示の実施形態では、ガスポート60が1つだけ示されているが、いかなる数のガスポートでも使用され得ることを理解されたい。また、ガスポート60(または複数のポート)は、所与の構成の必要性に合わせるようにシェル50の様々な場所に配置することができる。ガスポート60は、鼻用のチャンバー54から外方に延出する中空管62を備えている。中空管62は、鼻用のチャンバー54に通ずる近位端64を有している。中空管62の遠位端66は、医療ガス投与回路70(図3参照)のホース68または他のタイプの流体管路に連結することができる。そういうものとして、鼻マスク14のチャンバー54は、ガス投与回路72によって供給された医療ガス(例えば、麻酔ガスまたは酸素)にさらされることができる。換言すれば、中空管62の遠位端66がガス投与回路70に連結されると、ガス投与回路70と関連する供給ポンプ(図示しない)または加圧タンク(図示しない)を、陽圧下で、その後医療ガスが患者の鼻を通して患者によって吸入される鼻マスク14のチャンバー54に対してそのようなガスを供給するために使用することができる。ここには、中空管62の遠位端66がガス投与回路70のホースに滑り嵌めされているものとして描写されているが、鼻マスク14をガス投与回路に連結させるために他の構成が使用され得ることを理解されたい。
【0030】
鼻マスク14の可撓性シール56は、鼻マスクのチャンバー54を口マスク12のチャンバー36から密封する。特に、サージカルマスク10が患者の顔にかぶせられると、可撓性シール56は、患者の鼻と鼻の周辺の顔領域を封止し、それによって鼻マスクのチャンバー54を口マスク12のチャンバー36から流体隔離する。それにより、ガス投与回路72によって供給された医療ガス(例えば、麻酔ガスまたは回復酸素)が、除去回路72によって口マスク12を通して排出されることなく患者によって吸入されるように、鼻マスク14のチャンバー54内に溜まることができる。
【0031】
図2および図3に示すように、患者の鼻梁に当たるシール56の部分の近くの可撓性シール56の後縁に、1対の湾曲した窪み58が形成されている。湾曲した窪み58は、鼻マスク14のチャンバー54と口マスク12のチャンバー36との間の少量の選択的流体連通に備えたものである。具体的には、患者が鼻孔から出す息が荒い場合、鼻マスクが、患者の鼻梁から離れる方向に穏やかに押し動かされる。これにより、患者の鼻孔を通して出る排出ガスを、鼻マスク14のチャンバー54から、湾曲した窪み58と患者の鼻との間のすきまによって形成された開口を通して口マスク12のチャンバー36内へ通すことが可能になる。
【0032】
使用時、サージカルマスク10は、患者に麻酔ガスなどの医療ガスを投与するために患者の鼻と口の上方に定置することができる。ストラップ34は、マスク10を患者の頭に固定する。マスクのガスポート60の中空管62は、ガス投与回路70のホース68に連結される。ガスポート22の中空管24は、除去回路72のホースに連結される。
【0033】
一旦そのようにして連結され、患者にストラップで留め付けられると、ガス投与回路70からの麻酔ガスが、マスクのガスポート60を経由して鼻マスク14のチャンバー54に流入可能になる。患者は、チャンバー54に溜まる麻酔ガスを鼻を通して吸入する。一方、除去回路72は、口マスク12のチャンバー36に陰圧を発生させる。この陰圧により、患者の口から吐き出されたガスが、サージカルマスク10から、ガスが処理および処分される除去回路内へ引き出される。
【0034】
口マスク12のシェルに形成された孔30は、陰圧によって生成された吸引のせいで口マスク12が患者の顔面上で動かなくなることを防止する。また、患者が鼻孔から出す息が荒い限りにおいて、鼻マスク14の湾曲した窪み58は、患者の鼻孔からの排出ガスを鼻用のチャンバー54から患者の口からの吐出ガスとともに除去される口用のチャンバー36内へ通す流体経路を提供する。
【0035】
術後回復の間、ガス投与回路70(または他のガス源)は、酸素などの回復ガスをマスクのガスポート60の中空管62を経由して患者に供給するように作動させることができる。そのような術後回復の間、患者は、外科手術の間に患者に投与された麻酔ガスを抜き続けるであろう。そういうものとして、除去回路72は、口マスク12のチャンバー内36に陰圧を作り続け、それによって、患者の口からの吐出ガスが術後回復の間サージカルマスク10から引き出されるようにする。
【0036】
ここで図4および図5を参照すると、サージカルマスクの異なる実施形態が示されている(以下、サージカルマスク110として参照される)。図4および図5に示す実施形態の一部の特徴は、図1から図3の実施形態に関連して上述した特徴と実質的に同様である。そのような特徴は、図4および図5では、図1から図3において使用された参照番号と同じ参照番号で表示されている。
【0037】
サージカルマスク110の場合は、鼻マスク114が口マスク112から取外し可能である。そのような構成において、鼻マスク114が取り付けられていないときに、口マスク112を従来の麻酔マスクとして使用することができる。すなわち、ガス投与回路70は、口マスク112の螺刻された遠位端28を介してサージカルマスク110に連結することができる。このようにして、麻酔ガスが鼻および/または口を通して患者に吸入される口マスク112のチャンバー36内に、麻酔ガスを送達することができる。
【0038】
口マスク112のプラスチック製シェル16には、孔130が形成されている。孔130をふた132が密封しており、それによってチャンバー36内のガスが孔130を通して漏れることを防止している。ふた132は、破いたり、引き裂いたり、口マスク112から引き剥がしたりすることが可能なホイルまたはプラスチックからなることができる。他の実施形態において、ふた132がゴムまたは他の適切な材料から形成され得ることを理解されたい。
【0039】
鼻マスク114の鼻用のチャンバー54から外方には、テーパー状の中空管162が延出している。中空管162は、鼻用のチャンバー54に通ずる近位端64を有している。中空管162の遠位端66は、医療ガス投与回路70(図3参照)のホース68または他のタイプの流体管路に連結することができる。テーパー状中空管162の外径は、その遠位端66から近位端64に向かう方向に増大している。そのような構成により、テーパー状中空管162が口マスク112のプラスチック製シェル16に形成された孔130に圧入(すなわち、摩擦嵌め)されることが可能になり(図5参照)、それによって鼻マスク114が口マスク112に固定される。
【0040】
鼻マスク114のシェル50の外面から外方には、複数のスナップピン134が延出している。口マスク112のシェル16の内面は、対応する数の留め具またはクリップ136を有している。口マスク112のクリップ136は、鼻マスク114のスナップピン134を受け入れ、それによって、図5に示すように鼻マスク114を口マスク112に固定する。他の実施形態において、鼻マスク114を口マスク112に固定するために他の留め具、継手などが使用され得ることを理解されたい。
【0041】
使用時、口マスク112は、外科手術の間に鼻マスク114なしで従来の麻酔マスクとして使用することができる。そのような構成では、麻酔ガスが鼻と口を通して患者に吸引される口マスク112のチャンバー36内に麻酔ガスが流入し得るように、ガスポート22の中空管24が、麻酔ガスの源(例えば、ガス投与回路70)に連結される。その場合、手術の完了時に、口マスク112は、サージカルマスク10に関連して上述した方法と同様の方法で術後回復に使用するための除去マスクに転用することができる。特に、術後回復時に、口マスク112は、ガス投与回路70(または他の麻酔ガス源)から接続解除され、中空管24の螺刻された遠位端28を除去回路に連結させることによって除去回路72に接続され得る。
【0042】
口マスク112のそのような転用の間、鼻マスク114は、患者に回復ガス(例えば、酸素)を供給するために取り付けることができる。特に、鼻マスク114は、そのテーパー状中空管162の遠位端66が口マスク112のプラスチック製シェル16に形成された孔130に位置合わせされるように、口マスク112のチャンバー36内に前進させることができる。中空管162の遠位端66は、その後、ふた132と接触するよう推し進められ、それによってふた132に穴を開ける。中空管162は、その後、口マスク112のプラスチック製シェル16に形成された孔130に圧入(すなわち、摩擦嵌め)される(図5参照)。鼻マスク114のそのような前進の間に、口マスク112のクリップ136が、鼻マスク114のスナップピン134を受け入れる。テーパー状中空管162の圧入接続とスナップピン134との組合せにより、鼻マスク114が口マスク112に固定される。
【0043】
一旦鼻マスク114が口マスク112に固定されると、テーパー状中空管162を介してガス投与回路70に接続される。それにより、その後、サージカルマスク110は図1から図3のサージカルマスク10と同様に機能する。特に、術後回復の間、ガス投与回路70(または他のガス源)は、酸素などの回復ガスをマスクのガスポート60の中空管162を経由して患者に供給するように作動させることができる。そのような術後回復の間、患者は、外科手術の間に患者に投与された麻酔ガスを抜き続けるであろう。そういうものとして、除去回路72は、口マスク112のチャンバー内36に陰圧を作り続け、それによって、患者の口からの吐出ガスが術後回復の間サージカルマスク110から引き出されるようにする。
【0044】
ここで図6から図8を参照すると、サージカルマスクの異なる実施形態が示されている(以下、サージカルマスク210として参照される)。図6から図8に示す実施形態の一部の特徴は、図1から図5の実施形態に関連して上述した特徴と実質的に同様である。そのような特徴は、図6から図8では、図1から図5において使用された参照番号と同じ参照番号で表示されている。
【0045】
サージカルマスク210は、口マスク12の構成を除いて図1から図3のサージカルマスク10と同様である。特に、サージカルマスク210が患者の顔面上に定置されると、口マスク12のシェル16が患者の顎を越える。ここに述べる例示の実施形態では、サージカルマスク210の口マスク12のリム18にシールが固定されていない。しかしながら、図1から図5の実施形態と同様に、ここに述べるサージカルマスクの所与の構成の口マスクがそのようなシールを備えていても、シールなしに構成されていてもよい。サージカルマスク10、110、210が口マスクにそのようなシールを備えていないときは、除去回路72の真空ポンプによって生成された口マスク12のチャンバー36内の陰圧によって、患者による吐出ガスが口マスクのリムの周辺に漏れることを防止する。
【0046】
図1から図5のサージカルマスク10、110と同様に、サージカルマスク210の鼻マスク14は、口マスク12によって包囲されている。より具体的には、チャンバー36が鼻マスク14を包囲するように、鼻マスク14は、その後ろ向き開口も含め、口マスク12のチャンバー36内に位置している。そういうものとして、鼻マスク14の後ろ向き開口を画定するリム52は、口マスクの後ろ向き開口を画定するリム18より下方かつ前方に定置されている。このことは、サージカルマスク210に関しては、図7および図8に(ならびにサージカルマスク10、110に関してはそれぞれ図3と図5に)最も簡単に示されている。具体的に、解剖学的に(患者の顔面上での使用に関して)考察して述べると、鼻マスク14のシェル50のリム52は内縁80と外縁82を有しており、口マスク12のシェル16のリム18は内縁84と外縁86を有している。鼻マスク14のリム52の内縁80の最高点88は、口マスク12のリム18の内縁84の最高点90に対して低く、前方に定置されている。そのような構成は、鼻から排出されたガスがサージカルマスク10、110、210から漏れる事態の発生を、完全ではないにせよ、実質的になくす。このことは、例えば、鼻マスクの上縁と口マスクが共通の壁に形成される構成とは対照的である。そのような構成では、鼻梁の周辺に漏れる排出ガスがサージカルマスクから漏出して、周囲の大気中に放出される。
【0047】
そのような特徴を表すもう1つの方法は、鼻マスク14と口マスク12の後ろ向き開口によって形成される仮想境界面に関している。特に、口マスクのシェル16のリム18によって画定される後ろ向き開口は仮想境界面92(図3、図5および図8の断面図に直線として表される)を画定する。同様に、鼻マスクのシェル50のリム52によって画定される後ろ向き開口は仮想境界面94(図3、図5および図8の断面図に直線として表される)を画定する。図3、図5および図8においてわかるように、鼻マスクの後ろ向き開口によって画定される境界面94は、全体が口マスク12の36のチャンバー内に定置されている。換言すれば、鼻マスクの後ろ向き開口によって画定される境界面94は、口マスクの後ろ向き開口によって画定される境界面92に対して間隔を置いて前方に定置されている。
【0048】
使用時、サージカルマスク210はサージカルマスク10、110と同様に機能する。すなわち、サージカルマスク210は、患者に麻酔ガスなどの医療ガスを投与するために患者の鼻と口の上方に定置される。ストラップ34は、マスク210を患者の頭に固定する。マスクのガスポート60の中空管62は、ガス投与回路70のホース68に連結される。ガスポート22の中空管24は、除去回路72のホースに連結される。
【0049】
一旦そのようにして連結され、患者にストラップで留め付けられると、ガス投与回路70からの麻酔ガスが、マスクのガスポート60を経由して鼻マスク14のチャンバー54に流入可能になる。患者は、チャンバー54に溜まる麻酔ガスを鼻を通して吸入する。一方、除去回路72は、口マスク12のチャンバー36に陰圧を発生させる。この陰圧により、患者の口から吐き出されたガスが、サージカルマスク210から、ガスが処理および処分される除去回路内へ引き出される。
【0050】
術後回復の間、ガス投与回路70(または他のガス源)は、酸素などの回復ガスをマスクのガスポート60の中空管62を経由して患者に供給するように作動させることができる。そのような術後回復の間、患者は、外科手術の間に患者に投与された麻酔ガスを抜き続けるであろう。そういうものとして、除去回路72は、口マスク12のチャンバー内36に陰圧を作り続け、それによって、患者の口からの吐出ガスが術後回復の間サージカルマスク210から引き出されるようにする。
【0051】
ここで図9および図10を参照すると、サージカルマスクの異なる実施形態が示されている(以下、サージカルマスク310として参照される)。図9および図10に示す実施形態の一部の特徴は、図1から図8の実施形態に関連して上述した特徴と実質的に同様である。そのような特徴は、図9および図10では、図1から図8において使用された参照番号と同じ参照番号で表示されている。
【0052】
サージカルマスク310は、鼻マスク14とガスポート(ならびに関連する管類)の構成を除いて図6から図8のサージカルマスク210と同様である。特に、ここに述べる例示の実施形態では、サージカルマスク310の鼻マスク14のリム52にシールが固定されていない。しかしながら、図1から図8の実施形態と同様に、ここに述べるサージカルマスクの所与の構成の口マスクがシールを備えていても、シールなしに構成されていてもよい。サージカルマスク10、110、210、310が鼻マスクにそのようなシールを備えていないときは、鼻マスク14に送達された麻酔ガスおよび/または回復ガスは、大部分が患者に吸入され、少量だけ、除去回路72の真空ポンプによって生成された口マスク12のチャンバー36内の陰圧によってそのようなガスが除去される鼻マスクのリムの周辺に漏れる。換言すれば、サージカルマスク310の鼻マスク14は、封止されていなくても、麻酔ガスおよび/または回復ガスの一部が直接除去回路72に吸引されるにもかかわらず所望の効果を上げるのに十分な局所濃度の麻酔ガスおよび/または回復ガスを作り出すために使用される。
【0053】
サージカルマスク310の口マスク12のガスポート22と鼻マスク14のガスポート60は、二重管腔式の管構成の使用に対応するように図1から図8の構成に対して変更されている。特に、サージカルマスク310をガス投与回路70と除去回路72に接続する管は、二重管腔式の管として具体化されている。そういうものとして、ガス投与回路70に連結されたガス管68は、除去回路72に連結されたガス管168を貫いて、その内部に定置されている。図10においてわかるように、二重管腔式管の外側ガス管168と内側ガス管68との間には、その構造を維持するために複数の側壁170が延びている。二重管腔式管を使用することにより、管が1本だけサージカルマスクに連結されるようになり、それによって管の使用が容易になる。そのような二重管腔式管の使用を容易にするために、鼻マスクのガスポート60の中空管62が、口マスクのガスポート22の中空管24の内腔に定置されている。
【0054】
ここで図11を参照すると、サージカルマスクの異なる実施形態が示されている(以下、サージカルマスク410として参照される)。図11に示す実施形態の一部の特徴は、図1から図10の実施形態に関連して上述した特徴と実質的に同様である。そのような特徴は、図11では、図1から図10において使用された参照番号と同じ参照番号で表示されている。
【0055】
サージカルマスク410は、内側マスク14の構成を除いて図9および図10のサージカルマスク310と同様である。特に、ここに述べる例示の実施形態では、サージカルマスク410の内側マスク14が、患者の鼻の代わりに患者の口に麻酔ガスおよび/または回復ガスを送達するように定置されている。患者が排出したガスは、サージカルマスク10、110、210、310に関連して本明細書に述べた方法で外側マスク12によって捕捉および除去される。サージカルマスク410は、鼻が「詰まっている」か、さもなければガスの吸入用には使用不可能になる鼻関連の外科手術での特別な使用法を見出している。
【0056】
サージカルマスク10、110、210、310、410のいずれかのさらなる変更には、ウィルスフィルタの使用が含まれる。すなわち、サージカルマスク10、110、210、310、410は、サージカルマスクからのウイルスまたは他の生物有機体/生物的汚染物質の広がりを防止するために1つ以上のウィルスフィルタを備えるように具体化することができる。例えば、そのようなフィルタは、サージカルマスクをガス投与回路70および除去回路72に接続する管への、ウイルスまたは他の生物有機体/生物的汚染物質の広がりを防止するようにサージカルマスクのガスポートの直近に配置することができ、それによってそのような管が再利用されるようになる。二重管腔式管の場合には、1つのウィルスフィルタを両方の配管を濾過するように使用することができる。
【0057】
サージカルマスクの構成にそのようなフィルタを取り入れる代わりに、フィルタ「カートリッジ」や類似の構造を、サージカルマスクのガスポートと、サージカルマスクをガス投与回路70および除去回路72に接続する管との間に取り付けることができる。そのような場合には、サージカルマスクとカートリッジは、ガス投与回路70および除去回路72に接続する再利用可能な管と共に使用する毎に、処分することができる。
【0058】
本開示内容が図面および上記の記述において詳細に示され、述べられたが、そのような図示および記述は例示であって特性において限定するものではないとみなされるべきであり、例示の実施形態のみが示され、述べられており、本開示内容の精神に含まれるあらゆる変化および変更が保護されるよう望まれていることが理解されるべきである。
【0059】
本開示内容の複数の利点が、本明細書に述べた方法、装置およびシステムの様々な特徴から生ずる。本開示内容の方法、装置およびシステムの代替形態が、述べた特徴のすべてを含むわけではないが、それでもなおそのような特徴の利点の少なくとも一部から利益を受けることにも留意されたい。当業者は、本発明の特徴の1つ以上を含んで、添付の特許請求の範囲によって定義される本開示内容の精神と範囲に含まれる方法、装置およびシステムの彼ら自身の実現例を容易に案出することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療ガスを投与および除去するためのサージカルマスクアセンブリであって、
陰圧源に連結されるよう構成された第1のガスポートを有する外側マスクと、
前記外側マスクに固定されて包囲されており、陽圧源に連結されるよう構成された第2のガスポートを有する内側マスクと、
を備える、サージカルマスクアセンブリ。
【請求項2】
前記外側マスクが、
リムによって画定された後ろ向き開口を有するチャンバーを画定するシェルと、
前記リムに固定された可撓性シールと、
を備える、請求項1に記載のサージカルマスクアセンブリ。
【請求項3】
前記内側マスクが、前記外側マスクのシェルのチャンバー内に位置している、請求項2に記載のサージカルマスクアセンブリ。
【請求項4】
前記内側マスクが、(i)リムによって画定された後ろ向き開口を有するチャンバーを画定するシェルと、(ii)前記リムに固定された可撓性シールとを備えており、
前記内側マスクのシェルと可撓性シールの両方が、前記外側マスクのシェルのチャンバー内に位置している、
請求項2に記載のサージカルマスクアセンブリ。
【請求項5】
前記内側マスクが、(i)リムによって画定された後ろ向き開口を有するチャンバーを画定するシェルと、(ii)前記リムに固定された可撓性シールとを備えており、
前記内側マスクの前記可撓性シールは、前記サージカルマスクアセンブリが患者の顔面上に定置されると、前記内側マスクのチャンバーを前記外側マスクのチャンバーから遮断する、
請求項2に記載のサージカルマスクアセンブリ。
【請求項6】
前記内側マスクが、(i)リムによって画定された後ろ向き開口を有するチャンバーを画定するシェルと、(ii)前記リムに固定された可撓性シールとを備えており、
前記内側マスクのシェルが、前記外側マスクのシェルのチャンバー内に位置している、
請求項2に記載のサージカルマスクアセンブリ。
【請求項7】
前記内側マスクが、(i)リムによって画定された後ろ向き開口を有するチャンバーを画定するシェルと、(ii)前記リムに固定された可撓性シールとを備えており、
前記外側マスクの前記可撓性シールは、前記サージカルマスクアセンブリが患者の顔面上に定置されると、患者の鼻と口を包囲し、
前記内側マスクの前記可撓性シールは、前記サージカルマスクアセンブリが患者の顔面上に定置されると、患者の鼻を包囲する、
請求項2に記載のサージカルマスクアセンブリ。
【請求項8】
前記外側マスクは、前記サージカルマスクアセンブリが患者の顔面上に定置されると、患者の鼻と口を包囲し、
前記内側マスクは、前記サージカルマスクアセンブリが患者の顔面上に定置されると、患者の鼻を包囲する、
請求項1に記載のサージカルマスクアセンブリ。
【請求項9】
前記内側マスクが前記外側マスクから取外し可能である、請求項1に記載のサージカルマスクアセンブリ。
【請求項10】
前記外側マスクには、孔が画定されており、
前記内側マスクから外方に中空管が延出しており、
前記中空管が前記孔に圧入されている、
請求項9に記載のサージカルマスクアセンブリ。
【請求項11】
前記内側マスクが、(i)リムによって画定された後ろ向き開口を有するチャンバーを画定するシェルと、(ii)前記リムに固定された可撓性シールとを備えており、
前記中空管が前記内側マスクのチャンバーに通じている、
請求項10に記載のサージカルマスクアセンブリ。
【請求項12】
医療ガスを投与および除去するためのサージカルマスクアセンブリであって、
(i)リムによって画定された後ろ向き開口を有するチャンバーを画定するシェルと、(ii)前記リムに固定され、前記サージカルマスクアセンブリが患者の顔面上に定置されると患者の鼻と口を包囲する可撓性シールと、(iii)ガスポートとを有する口マスクと、
(i)リムによって画定された後ろ向き開口を有するチャンバーを画定するシェルと、(ii)前記リムに固定され、前記サージカルマスクアセンブリが患者の顔面上に定置されると患者の鼻を包囲する可撓性シールと、(iii)ガスポートとを有する鼻マスクと、
を備える、サージカルマスクアセンブリ。
【請求項13】
前記鼻マスクが、前記口マスクのシェルのチャンバー内に位置している、請求項12に記載のサージカルマスクアセンブリ。
【請求項14】
前記鼻マスクのシェルと可撓性シールの両方が、前記口マスクのシェルのチャンバー内に位置している、請求項12に記載のサージカルマスクアセンブリ。
【請求項15】
前記鼻マスクの前記可撓性シールが、前記サージカルマスクアセンブリが患者の顔面上に定置されると、前記鼻マスクのチャンバーを前記口マスクのチャンバーから遮断する、請求項12に記載のサージカルマスクアセンブリ。
【請求項16】
前記鼻マスクのシェルが、前記口マスクのシェルのチャンバー内に位置している、請求項12に記載のサージカルマスクアセンブリ。
【請求項17】
前記鼻マスクが前記口マスクから取外し可能である、請求項12に記載のサージカルマスクアセンブリ。
【請求項18】
前記口マスクのシェルには、孔が画定されており、
前記鼻マスクのシェルから外方に中空管が延出しており、
前記中空管が、前記鼻マスクのチャンバーに通じており、
前記中空管が、前記口マスクのシェルに画定された孔に圧入されている、
請求項17に記載のサージカルマスクアセンブリ。
【請求項19】
医療処置の期間中と後に患者に医療ガスを投与する方法であって、
口マスクを麻酔ガスの源に連結すること、
前記口マスクを介して患者に麻酔ガスを供給すること、
前記口マスクを前記麻酔ガスの源から連結解除し、前記口マスクを陰圧源に連結すること、
前記口マスクに鼻マスクを固定すること、
前記鼻マスクを術後回復ガスの源に連結すること、および
患者に前記鼻マスクを介して術後回復ガスを供給し、患者が吐き出したガスを前記口マスクを介して排出すること、
を含む、方法。
【請求項20】
前記口マスクを麻酔ガスの源に連結することは、医療処置の期間中、前記口マスクを麻酔ガスの源に連結することを含んでおり、
前記口マスクを前記麻酔ガスの源から連結解除することは、前記口マスクを前記麻酔ガスの源から連結解除すること、および医療処置の完了時に前記口マスクを前記陰圧源に連結することを含む、
請求項20に記載の方法。
【請求項21】
前記患者に術後回復ガスを供給することは、
患者の鼻を通して吸入される酸素を前記鼻マスクに供給すること、および
患者が吐き出した酸素および他のガスを前記口マスクを介して排出すること、
を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
医療ガスを投与および除去するためのサージカルマスクアセンブリであって、
陰圧源に連結されるよう構成された第1のガスポートを有する外側シェルと、
前記外側シェルに固定されて包囲されており、陽圧源に連結されるよう構成された第2のガスポートを有する内側シェルと、
を備える、サージカルマスクアセンブリ。
【請求項23】
前記外側シェルが、後ろ向き開口を有するチャンバーを画定しており、
前記内側シェルが、前記外側シェルのチャンバー内に位置している、
請求項22に記載のサージカルマスクアセンブリ。
【請求項24】
前記外側シェルが、後ろ向き開口を有するチャンバーを画定しており、
前記内側シェルが、可撓性シールが固定されたリムによって画定された後ろ向き開口を有するチャンバーを画定しており、
前記可撓性シールが、前記外側シェルのチャンバー内に位置している、
請求項22に記載のサージカルマスクアセンブリ。
【請求項25】
前記外側シェルが、後ろ向き開口を有するチャンバーを画定しており、
前記内側シェルが、リムによって画定された後ろ向き開口を有するチャンバーを画定しており、
前記内側シェルのリムが、前記外側シェルのチャンバー内に位置している、
請求項22に記載のサージカルマスクアセンブリ。
【請求項26】
前記外側シェルは、前記サージカルマスクアセンブリが患者の顔面上に定置されると、患者の鼻と口を包囲し、
前記内側シェルは、前記サージカルマスクアセンブリが患者の顔面上に定置されると、患者の鼻を包囲する、
請求項22に記載のサージカルマスクアセンブリ。
【請求項27】
前記内側シェルが、リムによって画定された後ろ向き開口を有するチャンバーを画定しており、
前記内側シェルのリムに可撓性シールが固定されている、
請求項22に記載のサージカルマスクアセンブリ。
【請求項28】
前記外側シェルが、リムによって画定された後ろ向き開口を有するチャンバーを画定しており、
前記外側シェルのリムに可撓性シールが固定されている、
請求項27に記載のサージカルマスクアセンブリ。
【請求項29】
医療ガスを投与および除去するためのサージカルマスクアセンブリであって、
(i)リムによって画定された後ろ向き開口を有するチャンバーを画定するシェルと、(ii)ガスポートとを有し、前記シェルのリムが、前記サージカルマスクアセンブリが患者の顔面上に定置されると患者の鼻と口を包囲する口マスクと、
(i)リムによって画定された後ろ向き開口を有するチャンバーを画定するシェルと、(ii)ガスポートとを有し、前記シェルのリムが、前記サージカルマスクアセンブリが患者の顔面上に定置されると患者の鼻を包囲する鼻マスクと、
を備えるサージカルマスクアセンブリ。
【請求項30】
前記鼻マスクが、前記口マスクのシェルのチャンバー内に位置している、請求項29に記載のサージカルマスクアセンブリ。
【請求項31】
前記鼻マスクのシェルとリムの両方が、前記口マスクのシェルのチャンバー内に位置している、請求項29に記載のサージカルマスクアセンブリ。
【請求項32】
前記鼻マスクのシェルのリムに可撓性シールが固定されており、
前記鼻マスクのシェルと可撓性シールの両方が、前記口マスクのシェルのチャンバー内に位置している、
請求項29に記載のサージカルマスクアセンブリ。
【請求項33】
前記鼻マスクのシェルが、前記口マスクのシェルのチャンバー内に位置している、請求項29に記載のサージカルマスクアセンブリ。
【請求項34】
医療ガスを投与および除去するためのサージカルマスクアセンブリであって、
(i)リムによって画定された後ろ向き開口を有するチャンバーを画定するシェルと、(ii)ガスポートとを有し、前記シェルのリムが、前記サージカルマスクアセンブリが患者の顔面上に定置されると患者の鼻と口を包囲する口マスクと、
(i)リムによって画定された後ろ向き開口を有するチャンバーを画定するシェルと、(ii)ガスポートとを有する鼻マスクと、
を備え、
(a)前記鼻マスクのシェルのリムは、前記サージカルマスクアセンブリが患者の顔面上に定置されると患者の鼻を包囲し、(b)前記鼻マスクのシェルの最高端縁が、前記口マスクのシェルの最高端縁の下方に定置されている、
サージカルマスクアセンブリ。
【請求項35】
前記鼻マスクのシェルのリムが、前記口マスクのシェルのチャンバー内における前記口マスクのシェルのリムと前記口マスクのガスポートとの間の位置に定置されている、請求項34に記載のサージカルマスクアセンブリ。
【請求項36】
前記鼻マスクが、前記口マスクのシェルのチャンバー内に位置している、請求項34に記載のサージカルマスクアセンブリ。
【請求項37】
前記鼻マスクのシェルとリムの両方が、前記口マスクのシェルのチャンバー内に位置している、請求項34に記載のサージカルマスクアセンブリ。
【請求項38】
前記鼻マスクのシェルのリムに可撓性シールが固定されており、
前記鼻マスクのシェルと可撓性シールの両方が、前記口マスクのシェルのチャンバー内に位置している、
請求項34に記載のサージカルマスクアセンブリ。
【請求項39】
前記鼻マスクのシェルが、前記口マスクのシェルのチャンバー内に位置している、請求項34に記載のサージカルマスクアセンブリ。
【請求項40】
医療ガスを投与および除去するためのサージカルマスクアセンブリであって、
ガスポートを有し、内縁と外縁を有するリムによって画定された後ろ向き開口を有するチャンバーを画定する外側シェルと、
ガスポートを有し、内縁と外縁を有するリムによって画定された後ろ向き開口を有するチャンバーを画定する内側シェルとを備え、
前記内側シェルのリムの内縁の最高点が、前記外側シェルのリムの内縁の最高点よりも下方かつ前方に定置されている、
サージカルマスクアセンブリ。
【請求項41】
前記内側シェル全体が、前記外側シェルのチャンバー内に位置している、請求項40に記載のサージカルマスクアセンブリ。
【請求項42】
前記内側シェルのリムに固定された可撓性シールをさらに備え、前記可撓性シールが前記外側シェルのチャンバー内に位置している、請求項40に記載のサージカルマスクアセンブリ。
【請求項43】
前記外側シェルは、前記サージカルマスクアセンブリが患者の顔面上に定置されると、患者の鼻と口を包囲し、
前記内側シェルは、前記サージカルマスクアセンブリが患者の顔面上に定置されると、患者の鼻を包囲する、
請求項40に記載のサージカルマスクアセンブリ。
【請求項44】
前記内側シェルのリムに固定された可撓性シールと、
前記外側シェルのリムに固定された可撓性シールと、
をさらに備える、請求項40に記載のサージカルマスクアセンブリ。
【請求項45】
前記内側シェルのガスポートが第1の管を備えており、
前記外側シェルのガスポートが第2の管を備えており、
前記第1の管が前記第2の管の中に定置されている、
請求項40に記載のサージカルマスク。
【請求項46】
医療ガスを投与および除去するためのサージカルマスクアセンブリであって、
前記サージカルマスクアセンブリが患者の顔面上に定置されると患者の鼻と口を包囲するよう構成され、(i)内縁と外縁を有するリムによって画定された後ろ向き開口を有するチャンバーを画定するシェルと、(ii)ガスポートとを有する口マスクと、
前記サージカルマスクアセンブリが患者の顔面上に定置されると患者の鼻を包囲するよう構成され、(i)内縁と外縁を有するリムによって画定された後ろ向き開口を有するチャンバーを画定するシェルと、(ii)ガスポートとを有する鼻マスクとを備え、
前記鼻マスクのシェルのリムの内縁の最高点が、前記口マスクのシェルのリムの内縁の最高点よりも下方かつ前方に定置されている、
サージカルマスクアセンブリ。
【請求項47】
前記鼻マスク全体が、前記口マスクのシェルのチャンバー内に位置している、請求項46に記載のサージカルマスクアセンブリ。
【請求項48】
前記鼻マスクのシェルのリムに固定された可撓性シールをさらに備え、前記可撓性シールが前記口マスクのシェルのチャンバー内に位置している、請求項46に記載のサージカルマスクアセンブリ。
【請求項49】
前記鼻マスクのシェルのリムに固定された可撓性シールと、
前記口マスクのシェルのリムに固定された可撓性シールと、
をさらに備える、請求項46に記載のサージカルマスクアセンブリ。
【請求項50】
前記鼻マスクのガスポートが第1の管を備えており、
前記口シェルのガスポートが第2の管を備えており、
前記第1の管が前記第2の管の中に定置されている、
請求項46に記載のサージカルマスク。
【請求項51】
医療ガスを投与および除去するためのサージカルマスクアセンブリであって、
ガスポートを有し、リムによって画定されるとともに仮想境界面を画定する後ろ向き開口を有するチャンバーを画定する外側シェルと、
ガスポートを有し、リムによって画定されるとともに仮想境界面を画定する後ろ向き開口を有するチャンバーを画定する内側シェルとを備え、
前記内側シェルの後ろ向き開口によって画定される仮想境界面が、前記外側シェルの後ろ向き開口によって画定される仮想境界面に対して間隔を置いて前方に定置されている、
サージカルマスクアセンブリ。
【請求項52】
前記内側シェル全体が、前記外側シェルのチャンバー内に位置している、請求項51に記載のサージカルマスクアセンブリ。
【請求項53】
前記内側シェルのリムに固定された可撓性シールをさらに備え、前記可撓性シールが前記外側シェルのチャンバー内に位置している、請求項51に記載のサージカルマスクアセンブリ。
【請求項54】
前記外側シェルは、前記サージカルマスクアセンブリが患者の顔面上に定置されると、患者の鼻と口を包囲し、
前記内側シェルは、前記サージカルマスクアセンブリが患者の顔面上に定置されると、患者の鼻を包囲する、
請求項51に記載のサージカルマスクアセンブリ。
【請求項55】
前記内側シェルのリムに固定された可撓性シールと、
前記外側シェルのリムに固定された可撓性シールと、
をさらに備える、請求項51に記載のサージカルマスクアセンブリ。
【請求項56】
前記内側シェルのガスポートが第1の管を備えており、
前記外側シェルのガスポートが第2の管を備えており、
前記第1の管が前記第2の管の中に定置されている、
請求項51に記載のサージカルマスク。
【請求項57】
医療ガスを投与および除去するためのサージカルマスクアセンブリであって、
前記サージカルマスクアセンブリが患者の顔面上に定置されると患者の鼻と口を包囲するよう構成され、(i)リムによって画定されるとともに仮想境界面を画定する後ろ向き開口を有するチャンバーを画定するシェルと、(ii)ガスポートとを有する口マスクと、
前記サージカルマスクアセンブリが患者の顔面上に定置されると患者の鼻を包囲するよう構成され、(i)リムによって画定されるとともに仮想境界面を画定する後ろ向き開口を有するチャンバーを画定するシェルと、(ii)ガスポートとを有する鼻マスクとを備え、
前記鼻マスクのシェルの後ろ向き開口によって画定される仮想境界面が、前記口マスクのシェルの後ろ向き開口によって画定される仮想境界面に対して間隔を置いて前方に定置されている、
サージカルマスクアセンブリ。
【請求項58】
前記鼻マスク全体が、前記口マスクのシェルのチャンバー内に位置している、請求項57に記載のサージカルマスクアセンブリ。
【請求項59】
前記鼻マスクのシェルのリムに固定された可撓性シールをさらに備え、前記可撓性シールが前記口マスクのシェルのチャンバー内に位置している、請求項57に記載のサージカルマスクアセンブリ。
【請求項60】
前記鼻マスクのシェルのリムに固定された可撓性シールと、
前記口マスクのシェルのリムに固定された可撓性シールと、
をさらに備える、請求項57に記載のサージカルマスクアセンブリ。
【請求項61】
前記鼻マスクのガスポートが第1の管を備えており、
前記口シェルのガスポートが第2の管を備えており、
前記第1の管が前記第2の管の中に定置されている、
請求項57に記載のサージカルマスク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2012−509148(P2012−509148A)
【公表日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−537546(P2011−537546)
【出願日】平成21年11月17日(2009.11.17)
【国際出願番号】PCT/US2009/064713
【国際公開番号】WO2010/059592
【国際公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【出願人】(511121735)
【氏名又は名称原語表記】MOENNING,John,E.
【住所又は居所原語表記】176 Ashbourne Drive,Noblesville,IN 46060 (US).