鼻腔挿入デバイス
【課題】本発明の課題は、咽頭部を十分に押し広げることができると共にセットするまでに時間がかからず、さらに、ユーザに操作の手間を強いることのない鼻腔挿入デバイスを提供することにある。
【解決手段】本発明に係る鼻腔挿入デバイス100は、管状の本体部110と、当該管状の本体部110の外周面に設けられる1又は複数の弾性変形部120と、水溶性保持部130と、を備えている。そして、水溶性保持部130は、弾性変形部120を縮径させた状態で保持する。
【解決手段】本発明に係る鼻腔挿入デバイス100は、管状の本体部110と、当該管状の本体部110の外周面に設けられる1又は複数の弾性変形部120と、水溶性保持部130と、を備えている。そして、水溶性保持部130は、弾性変形部120を縮径させた状態で保持する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、いびき又は閉塞型睡眠時無呼吸症候群の治療、予防、および、解消に有効な鼻腔挿入デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者は、睡眠時に上気道の咽頭部が筋肉の弛緩と肥満等との合併症で閉塞され、一時的な窒息(無呼吸、低呼吸)状態を断続的に繰り返す。このため、閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者は、高血圧症を患ったり脳血管及び心血管に障害を患ったりする。また、閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者は、十分な睡眠がとれず、日中に眠気を催したり、日中に集中力や活力を欠いたりするようになる。また、閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者が自動車の運転をする場合には、その患者は居眠り運転で事故や重大事故等を起こしやすくなる。
【0003】
また、いびきは、閉塞型睡眠時無呼吸症候群と同様に、睡眠時に上気道が狭窄又は閉塞されることにより、咽頭部等の気道粘膜が振動することによって発生する。いびきは、同居人の眠りの妨害だけでなく、当人の熟睡の妨げとなり、日中に眠気を催したり、日中に集中力や活力を欠いたりするようになる。
【0004】
そこで、近年、閉塞型睡眠時無呼吸症候群又はいびきを治療したり解消したりするための様々な提案がなされている。例えば、「チューブを鼻孔経由で咽頭部に挿入する方法(以下「チューブ挿入方法」と称する)(例えば、特開2009−072581号公報)」や、「先端部に水膨潤樹脂が塗布されたチューブを鼻孔経由で咽頭部に挿入した後、咽頭部周辺の水分を利用して水膨潤樹脂を膨潤させて咽頭部を押し広げる方法(以下「水膨潤方法」と称する)(例えば、特開2009−072581号公報等参照)」、「先端部に拡張部分が設けられたチューブを鼻孔経由で咽頭部に挿入した後、ユーザの操作により拡張部分を拡張させて咽頭部を押し広げる方法(以下「操作拡張方法」と称する)(例えば、特開2006−204630号公報、特開2009−034384号公報、特開2009−072581号公報、特開2009−072582号公報等参照)」等が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−204630号公報
【特許文献2】特開2009−034384号公報
【特許文献3】特開2009−072581号公報
【特許文献4】特開2009−072582号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、チューブ挿入方法では咽頭部を十分に押し広げることが困難であり、水膨潤方法では水膨潤樹脂が膨張しきるまでに時間がかかりすぎ、操作拡張方法ではユーザに操作の手間を強いることになり好ましくない。
【0007】
本発明の課題は、咽頭部を十分に押し広げることができると共にセットまでに時間がかからず、さらにユーザに操作の手間を強いることのない鼻腔挿入デバイスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1局面に係る鼻腔挿入デバイスは、弾性変形部と、水溶性保持部とを備える。弾性変形部は、弾性変形可能である。なお、この弾性変形部は、一つであってもよいし、複数であってもよい。また、この弾性変形部は、全てが弾性体から形成されていてもよいし、一部のみが弾性体から形成されていてもよい。水溶性保持部は、弾性変形部を縮径させた状態で保持する。
【0009】
ところで、水溶性保持部で包まれた弾性変形部が咽頭部に到達すると、咽頭部周辺の水分により水溶性保持部が短時間で除去される。すると、圧縮した状態で保持されていた弾性変形部がほぼ元の形状に戻り、咽頭部がさらに拡張される。このため、この鼻腔挿入デバイスは、咽頭部を十分に押し広げることができると共にセットまでに時間がかからず、さらにユーザに操作の手間を強いることがない。
【0010】
本発明の第2局面に係る鼻腔挿入デバイスは、第1局面に係る鼻腔挿入デバイスであって、弾性変形部は、円柱形状、円筒形状、板形状、マルチルーメン形状、および、コイルばね形状の少なくとも1つの形状を呈する。なお、複数の弾性変形部を有する場合、当該弾性変形部の全てが同一形状であっても良いし、異なる形状の組合せであっても良い。
このため、この鼻腔挿入デバイスは、拡張性に優れる。
【0011】
本発明の第3局面に係る鼻腔挿入デバイスは、第1または第2局面に係る鼻腔挿入デバイスであって、1又は複数の弾性変形部を保持する本体部をさらに備える。そして、水溶性保持部は、弾性変形部および本体部の少なくとも弾性変形部を縮径させた状態で保持する。なお、本体部の形状、サイズ、材質、及び、弾性変形部との位置等については、特に限定されない。例えば、本体部は、管状の弾性体であっても良いし、金属製のワイヤであっても良いし、平板の弾性体であっても良い。
このため、この鼻腔挿入デバイスは、1又は複数の弾性変形部を確実に保持することができる。これにより、鼻腔挿入デバイスの鼻腔挿入に際して、安定して咽頭部まで弾性変形部を挿入すること可能となる。
【0012】
本発明の第4局面に係る鼻腔挿入デバイスは、第3局面に係る鼻腔挿入デバイスであって、弾性変形部は、本体部から遠ざかる側に向かって延びる弾性板状部を有する。なお、この弾性板状部は、平板形状を呈していてもよいし、曲面形状を呈していてもよい。
このため、この鼻腔挿入デバイスは、拡張性に優れる。
【0013】
本発明の第5局面に係る鼻腔挿入デバイスは、第3局面に係る鼻腔挿入デバイスであって、弾性変形部は、全長に亘って1箇所のみが切断される切断管状体である。なお、長手方向に直交する面で切ったときの切断管状体の外周形状は特に限定されないが、円形であることが好ましい。
このため、この鼻腔挿入デバイスでは、弾性変形部材を容易に作製することができる。
【0014】
本発明の第6局面に係る鼻腔挿入デバイスは、第5局面に係る鼻腔挿入デバイスであって、弾性変形部は、切断箇所の近傍部分で本体部の外周面に取り付けられる。そして、水溶性保持部は、切断管状体の内周面が本体部に接する状態に保持する。
【0015】
このため、鼻腔挿入デバイスの挿入時において、弾性変形部が咽頭部の近傍で咽頭部に囲まれているような場合であっても、弾性変形部は咽頭部を持ち上げるようにしてほぼ元の形状に復帰することができる。したがって、この鼻腔挿入デバイスは、拡張性に優れる。
【0016】
なお、逆に、水溶性保持部が切断管状体の外周面が本体部に接するように保持される場合、弾性変形部は、咽頭部に引っ掛かりやすくなり、咽頭部を十分に拡張させるのは困難になる。
【0017】
本発明の第7局面に係る鼻腔挿入デバイスは、第5局面または第6局面に係る鼻腔挿入デバイスであって、弾性変形部は、基端側部分が、基端側に向かうに従って本体部側に傾斜する。
このため、弾性変形部が拡張した後であっても、鼻腔挿入デバイスが咽頭部から引き抜かれやすくなる。
【0018】
本発明の第8局面に係る鼻腔挿入デバイスは、第3局面から第7局面のいずれかに係る鼻腔挿入デバイスであって、弾性変形部は、本体部の外周面において、本体部の周方向に沿って間欠的に複数設けられている。なお、本体部の外周面に設けられる弾性変形部の間隔は、等間隔であること、または、対称であることが好ましい。
このため、咽頭部の壁面から離間させた状態で本体部を安定して保持することができる。これにより、本体部に係る通気流路の安定した確保により、鼻腔挿入デバイス内に鼻水が詰まるのを抑制することができる。
【0019】
本発明の第9局面に係る鼻腔挿入デバイスは、第3局面から第8局面のいずれかに係る鼻腔挿入デバイスであって、本体部の硬度は、弾性変形部の硬度より高い。
このため、嚥下時に本体部がつぶれてしまうのを防止することができる。また、弾性変形部の硬度を低くすることによって、鼻腔挿入デバイスの挿入時の違和感を緩和することができる。
【0020】
本発明の第10局面に係る鼻腔挿入デバイスは、第1局面から第9局面のいずれかに係る鼻腔挿入デバイスであって、水溶性保持部は、オブラート、ゼラチン若しくは多糖類からなる水溶性薄膜、又は、オブラート、ゼラチン若しくは多糖類からなる筒状の水溶性成型体である。
このため、咽頭部周辺の水分により水溶性保持部が短時間で残余なく除去される。
【0021】
本発明の第11局面に係る鼻腔挿入デバイスは、第1局面から第10局面のいずれかに係る鼻腔挿入デバイスであって、水溶性保持部の弾性変形部の先端を覆う部分は、当該先端側が凸となるドーム形状である。
このため、鼻腔の内面の粘膜を傷つけることなく且つスムーズに咽頭部まで弾性変形部を到達させることができる。これにより、鼻腔挿入デバイスが鼻腔に挿入される違和感を緩和することができる。
【0022】
本発明の第12局面に係る鼻腔挿入デバイスは、第1局面から第11局面のいずれかに係る鼻腔挿入デバイスであって、造影剤が添加されている。なお、この造影剤は、例えば、硫酸バリウムである。また、造影剤を添加する位置は特に限定されないが、挿入時の位置確認のために本体部および弾性変形部の先端に添加するのが好ましい。
このため、鼻腔挿入デバイスが咽頭部において所定の位置に配置されたか否かを判別することができる。
【0023】
本発明の第13局面に係る鼻腔挿入デバイスは、第1局面〜第12局面のいずれかに係る鼻腔挿入デバイスであって、弾性変形部が設けられる部分における断面積が、15mm2以上40mm2以下である。
当該断面積を15mm2以上にすることによって、空気流量を確保すると共に、当該断面積を40mm2以下にすることによって、挿入時の違和感を緩和することが可能となる。すなわち、当該断面積を15mm2以上40mm2以下にすることによって、空気流路の確保と挿入時の違和感緩和との両立を図ることができる。
【0024】
本発明の第14局面に係る鼻腔挿入デバイスは、第1局面から第13局面のいずれかに係る鼻腔挿入デバイスであって、弾性変形部の長手方向の長さが、25mm以上45mm以下である。
この場合、咽頭部において陰圧となっても、長手方向に長い弾性変形部により本体部の流路が閉塞されるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の第1実施形態に係る鼻腔挿入デバイスの正面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る鼻腔挿入デバイスの側面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る鼻腔挿入デバイスの本体の正面図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る鼻腔挿入デバイスの本体の側面図である。
【図5】変形例(A)に係る鼻腔挿入デバイスの本体の正面図である。
【図6】変形例(B)に係る鼻腔挿入デバイスの本体の正面図である。
【図7】変形例(C)に係る鼻腔挿入デバイスの本体の正面図である。
【図8】変形例(C)の別の例に係る鼻腔挿入デバイスの本体の正面図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係る鼻腔挿入デバイスの正面図である。
【図10】本発明の第2実施形態に係る鼻腔挿入デバイスの本体の正面図である。
【図11】本発明の第2実施形態に係る鼻腔挿入デバイスの側面図である。
【図12】本発明の第2実施形態に係る鼻腔挿入デバイスの本体の斜視図である。
【図13】本発明の第2実施形態に係る鼻腔挿入デバイスの本体の折り畳み方法を説明するための模式図である。
【図14】本発明の第2実施形態に係る鼻腔挿入デバイスの本体へのゼラチン成形体の取り付け方法を説明するための模式図である。
【図15】本発明の第2実施形態に係る鼻腔挿入デバイスの効果を説明するための模式図である。
【図16】変形例(G)に係る鼻腔挿入デバイスの本体の斜視図である。
【図17】変形例(H)に係る鼻腔挿入デバイスの斜視図である。
【図18】変形例(I)に係る鼻腔挿入デバイスの斜視図である。
【図19】変形例(J)に係る鼻腔挿入デバイスの斜視図である。
【図20】変形例(K)に係る鼻腔挿入デバイスの斜視図である。
【図21】変形例(L)に係る鼻腔挿入デバイスの斜視図である。
【図22】変形例(M)に係る鼻腔挿入デバイスの斜視図である。
【図23】変形例(N)に係る鼻腔挿入デバイスの斜視図である。
【図24】変形例(O)に係る鼻腔挿入デバイスの斜視図である。
【図25】変形例(P)に係る鼻腔挿入デバイスの斜視図である。
【図26】変形例(Q)に係る鼻腔挿入デバイスの斜視図である。
【図27】変形例(R)に係る鼻腔挿入デバイスの斜視図である。
【図28】変形例(S)に係る鼻腔挿入デバイスの斜視図である。
【図29】変形例(T)に係る鼻腔挿入デバイスの斜視図である。
【図30】変形例(U)に係る鼻腔挿入デバイスの正面図である。
【図31】変形例(V)に係る鼻腔挿入デバイスの斜視図である。
【図32】変形例(W)に係る鼻腔挿入デバイスの正面図である。
【図33】変形例(X)に係る鼻腔挿入デバイスの斜視図である。
【図34】変形例(Y)に係る鼻腔挿入デバイスの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係る鼻腔挿入デバイス100は、図1および図2に示されるように、主に、本体101およびオブラート膜130から構成される。
【0027】
なお、本実施形態において、鼻腔挿入デバイス100からオブラート膜130が除去されると、本体101は、図3および図4に示されるような形状に復元される。
以下、本体101およびオブラート膜130についてそれぞれ詳述する。
【0028】
<鼻腔挿入デバイスの構成要素の詳細>
(1)本体
本体101は、図1〜図4に示されるように、主に、本体部110および弾性変形部120から構成される。本体部110は、シリコーンゴム製のチューブであり、およそ鼻の穴の入口から咽頭部までの距離と同じ長さを有している。なお、この本体部110の基端側には、図示しないストッパーが設けられている。
【0029】
弾性変形部120は、図3および図4に示されるように、本体部110の径よりも小さな径を有するシリコーンゴム製のチューブであって、全長に亘って1箇所のみが切断されており、切断箇所CTの近傍部分で本体部110の外周面に取り付けられている。なお、本実施形態において、弾性変形部120は、4つ、均等に本体部110の外周面に取り付けられている。また、この弾性変形部120は、基端側部分Pbが、先端側Scから基端側Sbに向かうに従って本体部側に傾斜している。
【0030】
そして、これらの弾性変形部120は、図1および図2に示されるように、内周面が本体部110に接するように弾性変形された状態でオブラート膜130によって包まれる。
【0031】
(2)オブラート膜
オブラート膜130は、デンプンから形成される半透明の薄い膜である。なお、この膜厚は、弾性変形部120の形状復帰力に抗するだけの厚みに、所定の厚みが付加されたものとなっている。そして、オブラート膜130は、4つの弾性変形部120を縮径させた状態で保持する。
【0032】
<鼻腔挿入デバイスの使用方法>
鼻腔挿入デバイス100を、先端側Scから、ストッパーが鼻に接触するまで鼻孔に挿入する。しばらくすると、オブラート膜130が咽頭部付近の水分により溶解し、弾性変形部120が図3および図4に示されるような形状に復元され、咽頭部が押し広げられる。なお、鼻腔挿入デバイス100を外すときは、そのまま鼻腔挿入デバイス100をそのまま引き抜けばよい。
【0033】
上記したように、本実施形態の鼻腔挿入デバイス100は、管状の本体部110と、本体部110の外周面に取り付けられる弾性変形部120と、弾性変形部120を圧縮した状態に保持する水溶性保持部としてのオブラート膜130とを備えている。つまり、このオブラート膜130を備えた鼻腔挿入デバイス100は、鼻腔への挿入前の状態での態様である。言い換えれば、使用状態における鼻腔挿入デバイス100は、管状の本体部110と、本体部110の外周面に取り付けられる弾性変形部120とを備えている。
【0034】
<鼻腔挿入デバイスの特徴>
(1)
本発明の第1実施形態に係る鼻腔挿入デバイス100の本体101を使用したときと、本体部110のみを使用したときの単位時間当たりの酸素飽和度低下率3%低下回数(単位時間当たりに酸素飽和度低下率が3%以上低下した回数)および酸素飽和度低下率4%低下回数(単位時間当たりに酸素飽和度低下率が4%以上低下した回数)を比較したところ、本体101を使用したときの方が本体部110のみを使用したときよりも低い値を示し、本体101の方が本体部110のみよりも効果が高いことが実証された。このため、本実施形態に係る鼻腔挿入デバイス100は、従前のチューブのみを用いる場合よりも咽頭部を十分に押し広げることができる。
【0035】
(2)
本発明の第1実施形態に係る鼻腔挿入デバイス100では、弾性変形部120の内周面が本体部110に接するように弾性変形された状態で弾性変形部120がオブラート膜130によって包まれている。このため、この鼻腔挿入デバイス100は、オブラート膜130が咽頭部付近の水分により溶解すると、直ちに弾性変形部120が元の形状に復元する。したがって、この鼻腔挿入デバイス100は、セットまでに時間がかからない。
【0036】
(3)
本発明の第1実施形態に係る鼻腔挿入デバイス100は、弾性変形部を元の形状に復元させるのに、ユーザによる操作を必要としない。このため、この鼻腔挿入デバイス100は、ユーザに操作の手間を強いることがない。
【0037】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態に係る鼻腔挿入デバイス200は、図9に示されるように、主に、本体201およびゼラチン成形体230から構成される。
【0038】
なお、第2実施形態において、鼻腔挿入デバイス200からゼラチン成形体230が除去されると、本体201は、図10に示されるような形状に復元される。
以下、本体201およびゼラチン成形体230についてそれぞれ詳述する。
<鼻腔挿入デバイスの構成要素の詳細>
(1)本体
本体201は、図10に示されるように、主に、本体部210および弾性変形部220から構成される。
【0039】
本体部210は、シリコーンゴム製のチューブであり、およそ鼻の穴の入口から咽頭部までの距離と同じ長さを有している。なお、この本体部210の基端側には、図示しないストッパーが設けられている。そして、図11に示すように、本体部210の基端側の部分には、内部の通気流路211(図10参照)に連通する2つの開口212および213が形成されている。これにより、鼻腔挿入デバイス200の装着時における鼻孔に近い部分に、当該開口212および213が設けられるので、患者は呼吸がしやすくなる。また、本実施形態では、本体部210は、図11に示すように、鼻腔挿入デバイス200の挿入時の違和感を緩和するために、屈曲して形成されている。
【0040】
また、本体部210の硬度は、弾性変形部220の硬度より高くなっている。具体的には、本体部210の硬度がA70であり、弾性変形部220の硬度が弾性変形部220の硬度がA60である。なお、ここで記載した硬度は、JIS K6253記載のデュロメータ硬さタイプAである。
【0041】
弾性変形部220は、図10に示すように、第1実施形態の弾性変形部120と同様に、本体部210の径(例えば、4.0mm)よりも小さな径(例えば、1.8mm)を有するシリコーンゴム製のチューブであって、本体部210の外周面において、本体部210の周方向に沿って間欠的に4つ設けられている。すなわち、4つの弾性変形部220が、本体部210の外周面において、本体部210の周方向に沿って90°間隔で均等に配置されている。
【0042】
また、弾性変形部220は、図12に示すように、その長手方向(X方向)の長さLが、25mm以上45mm以下となっている。
【0043】
また、弾性変形部220が設けられる部分において、当該弾性変形部220の長手方向(X方向)に直交する面で切った断面積(図10の斜線領域)が、15mm2以上40mm2以下となっている。
【0044】
また、上記した本体部210および弾性変形部220の少なくとも一方には、造影剤(例えば、硫酸バリウム等)が添加されている。なお、当該造影剤は、少なくとも鼻腔挿入デバイス200の先端部分に添加されている。
【0045】
(2)ゼラチン成形体
ゼラチン成形体230は、図9に示されるように、本体部210および弾性変形部220を圧縮変形した状態で保持する。このゼラチン成形体230は、図11に示すように、円筒形状の3つの保持体231〜233と、先端部分がドーム形状の保持体234とから構成される。このゼラチン成形体230は、ゼラチンから形成される半透明の部材である。
【0046】
なお、この鼻腔挿入デバイス200は、管状の本体部210と、本体部210の外周面に取り付けられる弾性変形部220と、弾性変形部220を圧縮した状態に保持する水溶性保持部としてのゼラチン成形体230とを備えている。つまり、このゼラチン成形体230を備えた鼻腔挿入デバイス200は、鼻腔への挿入前の状態での態様である。言い換えれば、使用状態における鼻腔挿入デバイス200は、管状の本体部210と、本体部210の外周面に取り付けられる弾性変形部220とを備えている。
【0047】
<鼻腔挿入デバイスの使用方法>
鼻腔挿入デバイス200を、先端側から、ストッパーが鼻に接触するまで鼻孔に挿入する。しばらくすると、ゼラチン成形体230が咽頭部付近の水分により溶解し、弾性変形部220が図10に示されるような形状に復元され、咽頭部が押し広げられる。なお、鼻腔挿入デバイス200を外すときは、そのまま鼻腔挿入デバイス200をそのまま引き抜けばよい。
【0048】
<本体の折り畳み方法>
次に、図13および図14を参照して、本体201(本体部210および弾性変形部220)の折り畳み方法について説明する。なお、図13では、図面の簡略化のため、本体部210のみを記載し、弾性変形部220は省略している。
まず、図13(a)に示すように、本体201を準備し、図13(b)に示すように、当該本体201を上下または左右から圧縮することによって、本体201を略扁平状にする。そして、図13(c)に示すように、扁平状の本体201をロール状に巻きつけた後、図13(d)及び図14(a),(b)に示すように、当該ロール状の本体201にゼラチン成形体230(保持体231〜234)を装着する。これにより、鼻腔挿入デバイス200の最外径が5.0mm以下になるようにする。
【0049】
<鼻腔挿入デバイスの特徴>
(1)
この第2実施形態に係る鼻腔挿入デバイス200では、上記した第1実施形態に係る鼻孔挿入デバイス100の特徴(1)と同様の特徴があり、同様の効果を奏する。
【0050】
(2)
また、本発明の第2実施形態に係る鼻腔挿入デバイス200では、ゼラチン成形体230により本体部210および弾性変形部220が圧縮変形した状態で保持される。このため、この鼻腔挿入デバイス200は、ゼラチン成形体230が咽頭部付近の水分により溶解すると、直ちに本体部210および弾性変形部220が元の形状に復元する。したがって、この鼻腔挿入デバイス200は、セットまでに時間がかからない。
【0051】
(3)
また、本発明の第2実施形態に係る鼻腔挿入デバイス200は、弾性変形部220を元の形状に復元させるのに、ユーザによる操作を必要としない。このため、この鼻腔挿入デバイス200は、ユーザに操作の手間を強いることがない。
【0052】
(4)
また、本発明の第2実施形態に係る鼻孔挿入デバイス200では、ゼラチンからなる筒状の水溶性成形体(ゼラチン成形体230)を用いることによって、当該ゼラチン成形体230が短時間で残余なく除去される。これにより、弾性変形部220が適切に元の状態に復元して拡張するので、咽頭部を十分に押し広げることができる。
【0053】
(5)
また、本発明の第2実施形態に係る鼻腔挿入デバイス200では、弾性変形部220の先端をドーム状のゼラチン成形体230(保持体234)で覆っているので、鼻腔の内面の粘膜を傷つけることなく且つスムーズに咽頭部まで弾性変形部220を到達させることができる。これにより、鼻腔挿入デバイス200が鼻腔に挿入される違和感を緩和することができる。
【0054】
(6)
また、本発明の第2実施形態に係る鼻腔挿入デバイス200の弾性変形部220は、図15に示すように、咽頭部の内周面から本体部210を離間させるように作用するので、咽頭部の内周面に接しない位置で通気流路を確保することができる。これにより、咽頭部の内周面付近が鼻水により通気性を損なったとしても、当該本体部210に係る通気流路の確保により、鼻孔挿入デバイス200内に鼻水が詰まるのを抑止することができる。
上記効果を実証するために行った卵白を用いたモデル実験において、弾性変形部220を有する本体201の方が、弾性変形部が無い単純な円筒形状の本体部より、卵白の詰まりが少ないことが確認された。
【0055】
(7)
また、本発明の第2実施形態に係る鼻腔挿入デバイス200は、本体部210の周方向に沿って間欠的に4つの弾性変形部220が設けられるので、本体部210を咽頭部の内周面から離間させた状態で、安定して保持することができる。これにより、本体部210に係る通気流路の安定した確保により、鼻腔挿入デバイス200内に鼻水が詰まるのを確実に抑止することができる。
【0056】
(8)
また、本発明の第2実施形態に係る鼻腔挿入デバイス200の本体部210および弾性変形部210の少なくとも一方には、造影剤が添加されているので、鼻腔挿入デバイス200が咽頭部の所定の位置に配置されたか否かを判別することができる。
【0057】
(9)
また、本発明の第2実施形態に係る鼻腔挿入デバイス200を用いた流量に関するモデル実験を行ったところ、弾性変形部220が設けられる部分において弾性変形部220の長手方向(X方向)に直交する面で切った断面積を15mm2以上にすれば、鼻腔挿入デバイス200内において、適度な流量の空気が抵抗なく流通することが実証された。また、当該断面積を大きくし過ぎても、それほど大きな効果が期待できないことが実証されており、当該断面積を40mm2以下にすれば、鼻腔挿入デバイス200の挿入時の違和感を緩和することができる。
【0058】
(10)
また、本発明の第2実施形態に係る鼻腔挿入デバイス200を用いた流量に関するモデル実験を行ったところ、弾性変形部220の長手方向の長さを25mm以上45mm以下にすれば、咽頭部において陰圧となっても、当該弾性変形部220により本体部210の流路が閉塞されるのを防止することができることが実証された。
【0059】
(11)
また、本発明の第2実施形態に係る鼻腔挿入デバイス200において、本体部210の硬度を弾性変形部220より高くすることによって、嚥下時に本体部210がつぶれてしまうのを防止することができる。また、弾性変形部220の硬度を本体部210より低くすることによって、鼻腔挿入デバイス200の挿入時の違和感を緩和することができる。なお、嚥下時に本体部210がつぶれてしまうのを防止するという観点では、本体部210の膜厚を大きくすることも有効である。この第2実施形態では、当該本体部210の膜厚を700μmとしている。
【0060】
<変形例>
(A)
先の実施形態に係る鼻腔挿入デバイス100,200では弾性変形部120,220が、全長に亘って1箇所のみが切断されているチューブであったが、弾性変形部は、図5に示されるように、切断されていない通常のチューブ120aであってもよい。かかる場合、弾性変形部は、チューブ120aを本体部110に押し付けた状態でオブラート膜130によって包まれる。なお、図5中の符号101Aは、本変形例に係る「本体」を示す。
【0061】
(B)
先の実施形態に係る鼻腔挿入デバイス100,200では弾性変形部120,220が、全長に亘って1箇所のみが切断されているチューブであったが、弾性変形部は、図6に示されるように、全長に亘って一部が切り欠かれたチューブ120bであってもよい。かかる場合、弾性変形部は、先の実施形態に係る弾性変形部120,220と同様に、内周面が本体部110,210に接するように弾性変形された状態でオブラート膜130,ゼラチン成形体230によって包まれる。なお、図6中の符号101Bは、本変形例に係る「本体」を示す。
【0062】
(C)
先の実施形態に係る鼻腔挿入デバイス100,200では弾性変形部120,220が、全長に亘って1箇所のみが切断されているチューブであったが、弾性変形部は、図7に示されるように、断面L字状の長板部材120cであってもよい。かかる場合、弾性変形部は、長板部材120cの立直部分を長板部材120cの密着部分に押し付けた状態でオブラート膜130,ゼラチン成形体230によって包まれる。なお、図7中の符号101Cは、本変形例に係る「本体」を示す。
【0063】
また、かかる場合、図8に示されるように、立直部分120dが合成部材で形成されていてもかまわない。なお、図8中の符号101Dは、本変形例の別の例に係る「本体」を示す。
【0064】
(D)
先の実施形態に係る鼻腔挿入デバイス100では面状のオブラート膜130が採用されたが、オブラート膜は、帯状とされてもかまわない。かかるオブラート膜は、本体101に螺旋状に巻きつけられる。
【0065】
(E)
先の実施形態に係る鼻腔挿入デバイス100では水溶性保持部としてオブラート膜130が採用され、鼻腔挿デバイス200では水溶性保持部としてゼラチン成形体230が採用されたが、本発明はこれに限らず、ゼラチン若しくは多糖類からなる水溶性薄膜、又は、オブラート若しくは多糖類からなる水溶性成型体を、水溶性保持部としても良い。上記した多糖類としては、アミロース,アミロペクチン,マンナン,プルラン,グアガム,大豆多糖,寒天,セルロース,ペクチン,カラギーナン,アルギン酸Na,アラビノキシラン,および,これらの誘導体が挙げられる。
【0066】
(F)
先の実施形態に係る鼻腔挿入デバイス100,200では本体部110,210および弾性変形部120,220がシリコーンゴムから形成されていたが、本体部110,210および弾性変形部120,220は、例えば、ポリウレタン(ウレタンゴム),エチレン−プロピレンゴム,エチレン−プロピレン−ジエンゴム,ブチルゴム,ハロゲン化ブチルゴム,エチレン−酢酸ビニルコポリマー,ヘキシンゴム,メタロセン重合ポリオレフィン,塩素化ポリエチレン,フッ素ゴム,ポリジエンゴム,天然ゴム,スチレン系熱可塑エラストマー,ポリエステル系熱可塑性エラストマー,ポリオフィン系熱可塑性エラストマー,フッ素化熱可塑性エラストマー,軟質ポリ塩化ビニル,シリコーンゴムを一成分とするポリマーアロイ材料,ポリウレタンを一成分とするポリマーアロイ材料,熱可塑性エラストマーを一成分とするポリマーアロイ材料,ポリ塩化ビニルを一成分とするポリマーアロイ材料,親水性ポリマーを一成分とするポリマーアロイ材料,生体及び天然物由来材料を一成分とするポリマーアロイ材料,ポリ乳酸を一成分とするポリマーアロイ材料,ポリプチド,ハイドロゲル,ヘパリン化ポリマー,フォスファゼリンポリマー,が適用可能である。
【0067】
また、本体部110,210については、上記列挙した材料に加えて、金属、樹脂、および、金属に樹脂を被覆したもの,が適用可能である。なお、上記した樹脂および金属に被覆する樹脂には、例えば、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン),ブタジエン−スチレンゴム,ポリエステル共重合体,エチレン−プロピレンゴム(エチレン−プロピレン−ターポリマーラバー),EVA樹脂(エチレン−酢酸ビニル共重合体),高密度ポリエチレン,高密度ポリプロピレン,耐衝撃性ポリスチレン,低密度ポリエチレン,メチルメタクリレート−アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体,クロロプレンゴム,ニトリルブタジエンゴム,ポリアミド樹脂,PETG樹脂,ポリアセタール樹脂,ポリブチレンテレフタレート樹脂,ポリカーボネート樹脂,ポリエーテルサルホン樹脂,ポリエチレン樹脂,ポリエチレンテレフタレート樹脂,ポリイミド樹脂,イソブチレン−イソプレン共重合体,ポリプロピレン樹脂,ポリスチレン樹脂,ポリスルホン樹脂,ポリテトラフルオロエチレン樹脂,ポリウレタン樹脂,ポリビニルアセテート樹脂,ポリ塩化ビニル樹脂,スチレン−ブタジエン樹脂,スチレン−ブタジエンゴム,が含まれる。
【0068】
(G)
先の実施形態に係る鼻腔挿入デバイス100,200では、弾性変形部120,220が本体部110,210の周方向に沿って90°間隔で配置される例について説明したが、本発明はこれに限らず、図16に示すように、本体部110を長手方向(X方向)に沿う方向に切断して展開したときに、弾性変形部120eが市松模様状に配置されていても良い。
【0069】
(H)
先の実施形態に係る鼻腔挿入デバイス100,200では、チューブ状の本体部110,210と、チューブ状の弾性変形部120,220を設ける例について説明したが、本発明はこれに限らず、図17に示すように、本体部110hが線材であっても良いし、弾性変形部120hが板状であっても良い。すなわち、本変形例に係る鼻腔挿入デバイス100hは、ワイヤ等の線材である本体部110hと、本体部110hから放射状に(約90°間隔で)取り付けられる板状の4つの弾性変形部120hと、を備えている。なお、図17に示した鼻腔挿入デバイス100hは、水溶性保持部が溶けた状態(使用状態)における鼻孔挿入デバイス100hであるので、水溶性保持部は図示されない。つまり、鼻腔挿入前の鼻腔挿入デバイス100hは、当然、弾性変形部120hが水溶性保持部により縮径された状態で保持される。具体的には、板状の4つの弾性変形部120hが、本体部110hを軸とする円周方向に巻き回された状態で、縮径される。以下、図18〜図31、図33および図34に示した変形例に係る鼻腔挿入デバイスでも同様に、水溶性保持部が溶けた状態を示す。なお、弾性変形部120hの個数は、4つに限定されない。
【0070】
(I)
先の実施形態に係る鼻腔挿入デバイス100,200では、チューブ状の本体部110,210を設ける例について説明したが、本発明はこれに限らず、図18に示すように、本体部110hが弾性体である板材であっても良い。すなわち、本変形例に係る鼻腔挿入デバイス100iは、弾性体の板材である本体部110iと、本体部110iの一方面および他方面に保持される4つの弾性変形部120iと、を備えている。なお、弾性変形部120iの数は、4つに限定されない。また、弾性変形部120iは、他の変形例の弾性変形部を適用可能である。この鼻腔挿入デバイス100iでは、弾性変形部120iの各々に切れ目121iを入れることにより弾性変形部121iが板状に展開可能となっている。これにより、板状に展開された弾性変形部121iを本体部110iと共に丸め、当該丸めて縮径された状態の弾性変形部121iおよび本体部110iを、図示しない水溶性保持部で保持することにより、鼻腔挿入デバイス100iが縮径される。
【0071】
(J)
先の実施形態に係る鼻腔挿入デバイス100,200では、弾性変形部120,220が本体部110,210に保持される例について説明したが、本発明では、必ずしも本体部110,210は必須の構成ではない。すなわち、図19に示した本変形例に係る鼻腔挿入デバイス100jは、互いに接続された4つのチューブ状の弾性変形部120jを備えている。この4つの弾性変形部120jは、接着剤等で互いに接着される。なお、弾性変形部120jの数は、4つに限定されない。この鼻腔挿入デバイス100jでは、弾性変形部120jの各々に切れ目121iを入れることにより弾性変形部121iが板状に展開可能となっている。これにより、展開された4つの弾性変形部121iを丸め、そして、当該丸めて縮径された状態の弾性変形部121iを、図示しない水溶性保持部で保持することにより、鼻腔挿入デバイス100iが縮径される。
【0072】
(K)
先の実施形態に係る鼻腔挿入デバイス100,200では、弾性変形部120,220を本体部110,210の先端に設ける例について説明したが、本発明はこれに限らず、図20に示すように、複数の弾性変形部120kが、本体部110kの先端から基端側にずらした位置に配置されていても良い。すなわち、図20に示した本変形例に係る鼻腔挿入デバイス100kは、チューブ状の本体部110kと、本体部110kの外周面であって、本体部110kの先端から基端側にずらして配置された複数の弾性変形部120kとを備えている。なお、この鼻腔挿入デバイス100kは、上記した第1実施形態と同様に、図示しない水溶性保持部により、弾性変形部120kの内周面が本体部110kの外周面に接する状態で保持されて、縮径される。
【0073】
(L)
先の実施形態に係る鼻腔挿入デバイス100,200では、チューブ状の弾性変形部120,220を設ける例について説明したが、本発明はこれに限らず、図21に示した本変形例に係る鼻腔挿入デバイス100lのように、シート状の弾性変形部120lを巻き回して、図示しない水溶性保持部で当該巻き回した弾性変形部120lを縮径させても良い。このシート状の弾性変形部120lは、可撓性のシートであって、上記した水溶性保持部が咽頭部付近の水分により溶解したときに、その先端が拡径して、略円錐形状を呈する。
【0074】
(M)
先の実施形態に係る鼻腔挿入デバイス100,200では、弾性変形部120,220が本体部110,210の外周面に取り付けられる例について説明したが、本発明はこれに限らず、図22(a)に示した本変形例に係る鼻腔挿入デバイス100mのように、チューブ状の本体部110mに対する弾性変形部120mの取付位置が、本体部110mの先端側であっても良い。また、図22(b)に示した本変形例に係る鼻腔挿入デバイス100m´のように、ワイヤからなる本体部110m´に対する弾性変形部120m´の取付位置が、本体部110m´の先端側であっても良い。
【0075】
(N)
先の実施形態に係る鼻腔挿入デバイス100,200では、弾性変形部120,220がシリコーンゴム製のチューブである例について説明したが、本発明はこれに限らず、図23(a)に示すように、弾性変形部120nがコイルばねであっても良い。すなわち、図23(a)に示した本変形例に係る鼻腔挿入デバイス100nは、チューブ状の本体部110nと、コイルばねからなる弾性変形部120nとを備えている。
また、図23(b)に示すように、本変形例に係る鼻腔挿入デバイス100n´は、コイルばねからなる本体部110n´と、本体部110n´の外周に配置されるチューブ状の弾性変形部120n´とを備える構成でも良い。
また、図23(c)に示すように、本変形例に係る鼻腔挿入デバイス100n´´は、本体部を構成に含まず、コイルばねからなる弾性変形部120n´´を備える構成でも良い。
上記したコイルばねからなる弾性変形部120nおよび120n´´、並びに、本体部110n´は、コイルばねの中心軸方向(矢印C方向)に引っ張ることにより縮径され、当該縮径された弾性変形部120nおよび120n´´、並びに、本体部110n´は、図示しない水溶性保持部により保持される。
なお、図23(a)に示した鼻腔挿入デバイス100nにおいて、コイルばねからなる弾性変形部120nを中心軸方向(矢印C方向)に伸縮可能にするために、当該弾性変形部120nの各々は、本体部110nに対して、1点で支持されている。また、同様に、図23(b)に示した鼻腔挿入デバイス100n´において、コイルばねからなる本体部110n´を中心軸方向(矢印C方向)に伸縮可能にするために、当該本体部110n´は、弾性変形部120n´の各々を1点で支持している。
【0076】
(O)
先の実施形態に係る鼻腔挿入デバイス100,200では、チューブ状の弾性変形部120,220を設ける例について説明したが、本発明はこれに限らず、図24に示すように、弾性変形部120oが異形であっても良い。すなわち、図24に示した本変形例に係る鼻腔挿入デバイス100oは、ワイヤからなる本体部110oと、断面形状がスター形状の弾性変形部120oとを備えている。なお、この異形の弾性変形部120oは、咽頭部において、水溶性保持部が溶解して拡径したときに、咽頭部の壁面との間に隙間が形成される形状であることが好ましい。また、この弾性変形部120oは、通気性に優れた材料から構成されても良い。なお、この鼻腔挿入デバイス100oは、図示しない水溶性保持部により、弾性変形部120kが圧縮変形されることで、縮径される。
【0077】
(P)
先の実施形態に係る鼻腔挿入デバイス100,200では、シリコーンゴムからなる弾性変形部120,220を設ける例について説明したが、本発明はこれに限らず、図25に示すように、通気性のある発泡材からなる弾性変形部120pを用いても良い。すなわち、図25に示した本変形例に係る鼻腔挿入デバイス100pは、本体部110pと、通気性のある発泡材からなる弾性変形部120pとを備えている。なお、発泡材としては、天然ゴム(NR)スポンジ,イソプレンゴム(IR)スポンジ,スチレンブタジエンゴム(SBR)スポンジ,クロロプレンゴム(CR)スポンジ,アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)スポンジ,エチレンプロピレンゴム(EPDM)スポンジ,シリコーンゴムスポンジ,が例示される。なお、本変形例の本体部110pは、特に限定されず、第1実施形態および第2実施形態で示したチューブであっても良いし、変形例(H)に示したワイヤの線材である本体部110hであっても良いし、変形例(N)に示したコイルばねからなる本体部110n´であっても良いし、後述する変形例(R)に係るスリット111rが形成された本体部110rでも良い。
【0078】
(Q)
先の実施形態に係る鼻腔挿入デバイス100,200では、チューブ状の弾性変形部120,220を設ける例について説明したが、本発明はこれに限らず、図26に示すように、マルチルーメンチューブからなる弾性変形部120qを設けても良い。すなわち、図26に示した本変形例に係る鼻腔挿入デバイス100qは、本体部110qと、長手方向に連通する複数の孔121qが形成されるマルチルーメンチューブの弾性変形部120qとを備えている。なお、本変形例の本体部110qは、特に限定されず、第1実施形態および第2実施形態で示したチューブであっても良いし、変形例(H)に示したワイヤの線材である本体部110hであっても良いし、変形例(N)に示したコイルばねからなる本体部110n´であっても良いし、後述する変形例(R)に係るスリット111rが形成された本体部110rでも良い。
【0079】
(R)
先の実施形態に係る鼻腔挿入デバイス100,200では、チューブ状の本体部110,210を設ける例について説明したが、本発明はこれに限らず、図27に示すように、長手方向にスリット111rが形成されるチューブ状の本体部110rを適用しても良い。すなわち、図27に示した本変形例に係る鼻腔挿入デバイス100rは、長手方向にスリット111rが形成された本体部110rと、チューブ状の4つの弾性変形部120rとを備えている。このスリット111rは、本体部110rの全長にわたって形成されている。これにより、本体部110rがシート状に展開可能となるので、当該シート状の本体部110rを巻き付けることにより縮径可能となる。なお、弾性変形部120rの個数は、4つに限定されないし、その形状は、チューブ状に限定されない。つまり、弾性変形部120rとしては、第1実施形態および第2実施形態に係るチューブ状の弾性変形部120,220だけでなく、他の変形例の弾性変形部を利用しても良い。また、弾性変形部120rにもスリット121rを形成しておくことにより、本体部110rおよび弾性変形部120rを更に縮径することができる。なお、上記した本体部110rに形成されるスリット111rは、本体部110rの全長にわたって形成される必要はなく、本体部110rの先端から途中まで形成されていても良い。また、このスリット111rは、複数のスリットであっても良い。但し、本体部110rに複数のスリット111rが形成される場合には、本体部110rが複数の部分に分離しないように、本体部110rの全長にわたって形成されるスリット111rは、1つ以下である。
【0080】
(S)
先の実施形態に係る鼻腔挿入デバイス100,200では、チューブ状の弾性変形部120,220を設ける例について説明したが、本発明はこれに限らず、図28に示すように、管状の本体部110sの外周面に弾性変形可能な凸状の弾性変形部120sを設けても良い。すなわち、図28に示した本変形例に係る鼻腔挿入デバイス100sは、管状の本体部110sと、本体部110sの外周面に形成される複数の凸状の弾性変形部120sとを備えている。なお、この鼻腔挿入デバイス100sは、図示しない水溶性保持部により、凸状の弾性変形部120sが凹んだ状態で保持されることで、縮径されても良いし、変形例(R)示されるように、本体部110sにスリットを形成して、板状に展開された本体部110sを巻き付けることで、縮径されても良い。
【0081】
(T)
先の実施形態に係る鼻腔挿入デバイス100,200では、シリコーンゴム製のチューブの弾性変形部120,220を設ける例について説明したが、本発明はこれに限らず、図29(a)に示すように、弾性変形部120tが金属または樹脂の線材を編み込んで形成された網体であっても良い。すなわち、図29(a)に示した本変形例に係る鼻腔挿入デバイス100tは、本体部110tと、網体により筒状に形成された弾性変形部120tを備えている。
また、図29(b)に示すように、本変形例に係る鼻腔挿入デバイス100t´は、網体により筒状に形成された本体部110t´と、本体部110t´の外周に配置される弾性変形部120t´とを備える構成でも良い。
また、図29(c)に示すように、本変形例に係る鼻腔挿入デバイス100t´´は、本体部を構成に含まず、網体により筒状に形成された弾性変形部120t´´を備える構成でも良い。
上記した網体の弾性変形部120tおよび120t´´、並びに、本体部110t´は、外側から力を加えることにより縮径され、当該縮径された弾性変形部120tおよび120t´´、並びに、本体部110t´は、図示しない水溶性保持部により保持される。
【0082】
(U)
先の実施形態に係る鼻腔挿入デバイス100,200では、チューブ状の本体部110内を空洞にしていたが、本発明はこれに限らず、図30に示すように、本体部110u内の空洞にバネ130uを設けても良い。すなわち、図30に示した本変形例に係る鼻腔挿入デバイス100uは、筒状の本体部110uと、本体部110uの外周面に設けられる弾性変形部120uと、本体部110u内の空洞に配置されるバネ130uとを備えている。これにより、咽頭部において、弾性変形部120uおよび本体部110uを縮径して保持する水溶性保持部が溶解したときに、本体部110uに所定の戻り力を付与することができる。なお、当該バネ130uは、本体部110u内の空洞だけでなく、チューブ状の弾性変形部120u内の空洞に配置しても良い。なお、鼻腔挿入デバイス100uは、図示しない水溶性保持部により、弾性変形部120uの内周面が本体部の外周面に接する状態で保持されることで、縮径されても良いし、本体部110uをバネ130uの付勢力に抗して圧縮した状態で保持されることで、縮径されても良い。
【0083】
(V)
先の実施形態に係る鼻腔挿入デバイス100,200では、管状の本体部110,210にチューブ状の弾性変形部120,220を設ける例について説明したが、本発明はこれに限らず、図31に示すように、傘の骨組のような形状を呈するように、本体部110vに対して放射状に弾性変形部120vを設けても良い。すなわち、図31に示した本変形例に係る鼻腔挿入デバイス100vは、本体部110vと、本体部110vの先端に連結され、本体部110vに対して放射状に設けられた複数の弾性変形部120vとを備えている。なお、この鼻腔挿入デバイス100vは、図示しない水溶性保持部により、複数の弾性変形部120kが本体部110vと束ねられて保持されることで、縮径される。なお、この変形例に係る鼻腔挿入デバイス100vでは、弾性変形部120vを本体部110vの先端に連結したが、この弾性変形部120vの取付位置は、本体部110vの先端で無くても良い。すなわち、弾性変形部120vは、本体部110vの先端から所定の距離だけ基端側にずらした位置に取り付けられても良い。
【0084】
(W)
先の実施形態に係る鼻腔挿入デバイス100,200では、水溶性保持部(オブラート膜130,ゼラチン成形体230)で弾性変形部120,220を縮径する例について説明したが、本発明はこれに限らず、図32に示すように、弾性変形部120w内に塗布された水溶性保持部としての接着剤130wで、弾性変形部120wを扁平状態にして縮径しても良い。具体的には、弾性変形部120wを圧縮することにより、弾性変形部120wが縮径される。すなわち、図32に示した本変形例に係る鼻腔挿入デバイス100wは、本体部110wと、本体部110wの外周面に取り付けられたチューブ状の弾性変形部120wと、弾性変形部120wの内部に塗布され、当該弾性変形部120wを縮径した状態で保持する接着剤(水溶性保持部)130wと、を備えている。上記構成によれば、咽頭部において、接着剤(水溶性保持部)130wが溶解して、弾性変形部120wが拡径する。なお、ここでは、扁平状態に縮径された弾性変形部120wが、その内部の接着剤130wの接着力により扁平状態のまま維持されることで、弾性変形部120wを縮径させたが、管状の本体部110wの内部に接着剤(水溶性保持部)130wを塗布して、当該接着材130wにより本体部110wを縮径させても良い。なお、本体部110wについては、圧縮することにより本体部110wを縮径させても良いし、長手方向に引っ張ることにより本体部110wを縮径させても良い。
【0085】
(X)
先の実施形態に係る鼻腔挿入デバイス100,200では、チューブ状の弾性変形部120,220を設ける例について説明したが、本発明はこれに限らず、図33に示すように、フック形状の弾性変形部120xを設けても良い。すなわち、図33に示した本変形例に係る鼻腔挿入デバイス100xは、本体部110xと、本体部110xの外周面に取り付けられたフック形状の弾性変形部120xとを備えている。この弾性変形部120xは、本体部110xとの接続部から本体部110xの先端側に延び、そこから折り返されて本体部110xの基端側に延在する。なお、鼻腔挿入デバイス100xは、図示しない水溶性保持部により、フック形状の弾性変形部120xが本体部110v側に押し付けられることにより、縮径される。
【0086】
(Y)
先の実施形態に係る鼻腔挿入デバイス100,200では、本体部110の外周面に4つの弾性変形部120,220を設ける例について説明したが、本発明はこれに限らず、図34(a),(b),(c)に示すように、本体部110y,110y´,110y´´の外周面に弾性変形部120y,120y´,120y´´を巻き付けるように形成しても良い。図34(a)に示した変形例に係る鼻腔挿入デバイス100yは、チューブ状の本体部110yと、本体部110yの先端において本体部110yの外周面に巻き付けるように形成される弾性変形部120yと、を備えている。また、図34(b)に示した変形例に係る鼻腔挿入デバイス100y´は、チューブ状の本体部110y´と、本体部110y´の先端から基端側にずらした位置において本体部110y´の外周面に巻き付けるように形成される弾性変形部120y´と、を備えている。また、図34(c)に示した変形例に係る鼻腔挿入デバイス100y´´は、チューブ状の本体部110y´´と、本体部110y´´の外周面に巻き付けるように形成される円錐台形状の弾性変形部120y´´と、を備えている。
なお、鼻腔挿入デバイス100y,100y´,100y´´は、図示しない水溶性保持部により、弾性変形部120y,120y´,120y´´が圧縮変形されることで、縮径される。また、鼻腔挿入デバイス100yは、図示しない水溶性保持部により、管状の本体部110y,110y´,110y´´が圧縮変形されることで、縮径されても良い。
【0087】
(Z)
また、先の実施形態に係る鼻腔挿入デバイス100,200では、オブラート膜130を弾性変形部120に巻き付けたり、ゼラチン成形体230(円筒形状の保持体231〜233および先端部分がドーム形状の保持体234)を弾性変形部220に取り付けたりする例について説明したが、水溶性保持部としては、上記したオブラート膜130およびゼラチン成形体230に限らず、糸リング、および、網状体の水溶性保持部であっても良い。
【符号の説明】
【0088】
100,200,100h,100i,100j,100k,100l,100m,100m´,100n,100n´,100n´´,100o,100p,100q,100r,100s,100t,100t´,100t´´,100u,100v,100w,100x,100y,100y´,100y´´ 鼻腔挿入デバイス
101,101A,101B,101C,101D,201 本体
110,210,110h,110i,110k,110m,110m´,110n,110n´,110o,110p,110q,110r,110s,110t,110t´,110u,110v,110w,110x,110y,110y´,110y´´ 本体部
120,120a,120b,120c,120d,120e,220,120h,120i,120j,120k,120l,120m,120m´,120n,120n´,120n´´,120o,120p,120q,120r,120s,120t,120t´,120t´´,120u,120v,120w,120x,120y,120y´,120y´´ 弾性変形部
130 オブラート膜(水溶性保持部)
130w 接着剤(水溶性保持部)
211 通気流路
212,213 開口
230 ゼラチン成形体(水溶性保持部)
231,232,233,234 保持体
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明に係る鼻腔挿入デバイスは、咽頭部を十分に押し広げることができると共にセットまでに時間がかからず、さらにユーザに操作の手間を強いることがないという特徴を有しており、新たなタイプの鼻腔挿入デバイスとして有用である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、いびき又は閉塞型睡眠時無呼吸症候群の治療、予防、および、解消に有効な鼻腔挿入デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者は、睡眠時に上気道の咽頭部が筋肉の弛緩と肥満等との合併症で閉塞され、一時的な窒息(無呼吸、低呼吸)状態を断続的に繰り返す。このため、閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者は、高血圧症を患ったり脳血管及び心血管に障害を患ったりする。また、閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者は、十分な睡眠がとれず、日中に眠気を催したり、日中に集中力や活力を欠いたりするようになる。また、閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者が自動車の運転をする場合には、その患者は居眠り運転で事故や重大事故等を起こしやすくなる。
【0003】
また、いびきは、閉塞型睡眠時無呼吸症候群と同様に、睡眠時に上気道が狭窄又は閉塞されることにより、咽頭部等の気道粘膜が振動することによって発生する。いびきは、同居人の眠りの妨害だけでなく、当人の熟睡の妨げとなり、日中に眠気を催したり、日中に集中力や活力を欠いたりするようになる。
【0004】
そこで、近年、閉塞型睡眠時無呼吸症候群又はいびきを治療したり解消したりするための様々な提案がなされている。例えば、「チューブを鼻孔経由で咽頭部に挿入する方法(以下「チューブ挿入方法」と称する)(例えば、特開2009−072581号公報)」や、「先端部に水膨潤樹脂が塗布されたチューブを鼻孔経由で咽頭部に挿入した後、咽頭部周辺の水分を利用して水膨潤樹脂を膨潤させて咽頭部を押し広げる方法(以下「水膨潤方法」と称する)(例えば、特開2009−072581号公報等参照)」、「先端部に拡張部分が設けられたチューブを鼻孔経由で咽頭部に挿入した後、ユーザの操作により拡張部分を拡張させて咽頭部を押し広げる方法(以下「操作拡張方法」と称する)(例えば、特開2006−204630号公報、特開2009−034384号公報、特開2009−072581号公報、特開2009−072582号公報等参照)」等が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−204630号公報
【特許文献2】特開2009−034384号公報
【特許文献3】特開2009−072581号公報
【特許文献4】特開2009−072582号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、チューブ挿入方法では咽頭部を十分に押し広げることが困難であり、水膨潤方法では水膨潤樹脂が膨張しきるまでに時間がかかりすぎ、操作拡張方法ではユーザに操作の手間を強いることになり好ましくない。
【0007】
本発明の課題は、咽頭部を十分に押し広げることができると共にセットまでに時間がかからず、さらにユーザに操作の手間を強いることのない鼻腔挿入デバイスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1局面に係る鼻腔挿入デバイスは、弾性変形部と、水溶性保持部とを備える。弾性変形部は、弾性変形可能である。なお、この弾性変形部は、一つであってもよいし、複数であってもよい。また、この弾性変形部は、全てが弾性体から形成されていてもよいし、一部のみが弾性体から形成されていてもよい。水溶性保持部は、弾性変形部を縮径させた状態で保持する。
【0009】
ところで、水溶性保持部で包まれた弾性変形部が咽頭部に到達すると、咽頭部周辺の水分により水溶性保持部が短時間で除去される。すると、圧縮した状態で保持されていた弾性変形部がほぼ元の形状に戻り、咽頭部がさらに拡張される。このため、この鼻腔挿入デバイスは、咽頭部を十分に押し広げることができると共にセットまでに時間がかからず、さらにユーザに操作の手間を強いることがない。
【0010】
本発明の第2局面に係る鼻腔挿入デバイスは、第1局面に係る鼻腔挿入デバイスであって、弾性変形部は、円柱形状、円筒形状、板形状、マルチルーメン形状、および、コイルばね形状の少なくとも1つの形状を呈する。なお、複数の弾性変形部を有する場合、当該弾性変形部の全てが同一形状であっても良いし、異なる形状の組合せであっても良い。
このため、この鼻腔挿入デバイスは、拡張性に優れる。
【0011】
本発明の第3局面に係る鼻腔挿入デバイスは、第1または第2局面に係る鼻腔挿入デバイスであって、1又は複数の弾性変形部を保持する本体部をさらに備える。そして、水溶性保持部は、弾性変形部および本体部の少なくとも弾性変形部を縮径させた状態で保持する。なお、本体部の形状、サイズ、材質、及び、弾性変形部との位置等については、特に限定されない。例えば、本体部は、管状の弾性体であっても良いし、金属製のワイヤであっても良いし、平板の弾性体であっても良い。
このため、この鼻腔挿入デバイスは、1又は複数の弾性変形部を確実に保持することができる。これにより、鼻腔挿入デバイスの鼻腔挿入に際して、安定して咽頭部まで弾性変形部を挿入すること可能となる。
【0012】
本発明の第4局面に係る鼻腔挿入デバイスは、第3局面に係る鼻腔挿入デバイスであって、弾性変形部は、本体部から遠ざかる側に向かって延びる弾性板状部を有する。なお、この弾性板状部は、平板形状を呈していてもよいし、曲面形状を呈していてもよい。
このため、この鼻腔挿入デバイスは、拡張性に優れる。
【0013】
本発明の第5局面に係る鼻腔挿入デバイスは、第3局面に係る鼻腔挿入デバイスであって、弾性変形部は、全長に亘って1箇所のみが切断される切断管状体である。なお、長手方向に直交する面で切ったときの切断管状体の外周形状は特に限定されないが、円形であることが好ましい。
このため、この鼻腔挿入デバイスでは、弾性変形部材を容易に作製することができる。
【0014】
本発明の第6局面に係る鼻腔挿入デバイスは、第5局面に係る鼻腔挿入デバイスであって、弾性変形部は、切断箇所の近傍部分で本体部の外周面に取り付けられる。そして、水溶性保持部は、切断管状体の内周面が本体部に接する状態に保持する。
【0015】
このため、鼻腔挿入デバイスの挿入時において、弾性変形部が咽頭部の近傍で咽頭部に囲まれているような場合であっても、弾性変形部は咽頭部を持ち上げるようにしてほぼ元の形状に復帰することができる。したがって、この鼻腔挿入デバイスは、拡張性に優れる。
【0016】
なお、逆に、水溶性保持部が切断管状体の外周面が本体部に接するように保持される場合、弾性変形部は、咽頭部に引っ掛かりやすくなり、咽頭部を十分に拡張させるのは困難になる。
【0017】
本発明の第7局面に係る鼻腔挿入デバイスは、第5局面または第6局面に係る鼻腔挿入デバイスであって、弾性変形部は、基端側部分が、基端側に向かうに従って本体部側に傾斜する。
このため、弾性変形部が拡張した後であっても、鼻腔挿入デバイスが咽頭部から引き抜かれやすくなる。
【0018】
本発明の第8局面に係る鼻腔挿入デバイスは、第3局面から第7局面のいずれかに係る鼻腔挿入デバイスであって、弾性変形部は、本体部の外周面において、本体部の周方向に沿って間欠的に複数設けられている。なお、本体部の外周面に設けられる弾性変形部の間隔は、等間隔であること、または、対称であることが好ましい。
このため、咽頭部の壁面から離間させた状態で本体部を安定して保持することができる。これにより、本体部に係る通気流路の安定した確保により、鼻腔挿入デバイス内に鼻水が詰まるのを抑制することができる。
【0019】
本発明の第9局面に係る鼻腔挿入デバイスは、第3局面から第8局面のいずれかに係る鼻腔挿入デバイスであって、本体部の硬度は、弾性変形部の硬度より高い。
このため、嚥下時に本体部がつぶれてしまうのを防止することができる。また、弾性変形部の硬度を低くすることによって、鼻腔挿入デバイスの挿入時の違和感を緩和することができる。
【0020】
本発明の第10局面に係る鼻腔挿入デバイスは、第1局面から第9局面のいずれかに係る鼻腔挿入デバイスであって、水溶性保持部は、オブラート、ゼラチン若しくは多糖類からなる水溶性薄膜、又は、オブラート、ゼラチン若しくは多糖類からなる筒状の水溶性成型体である。
このため、咽頭部周辺の水分により水溶性保持部が短時間で残余なく除去される。
【0021】
本発明の第11局面に係る鼻腔挿入デバイスは、第1局面から第10局面のいずれかに係る鼻腔挿入デバイスであって、水溶性保持部の弾性変形部の先端を覆う部分は、当該先端側が凸となるドーム形状である。
このため、鼻腔の内面の粘膜を傷つけることなく且つスムーズに咽頭部まで弾性変形部を到達させることができる。これにより、鼻腔挿入デバイスが鼻腔に挿入される違和感を緩和することができる。
【0022】
本発明の第12局面に係る鼻腔挿入デバイスは、第1局面から第11局面のいずれかに係る鼻腔挿入デバイスであって、造影剤が添加されている。なお、この造影剤は、例えば、硫酸バリウムである。また、造影剤を添加する位置は特に限定されないが、挿入時の位置確認のために本体部および弾性変形部の先端に添加するのが好ましい。
このため、鼻腔挿入デバイスが咽頭部において所定の位置に配置されたか否かを判別することができる。
【0023】
本発明の第13局面に係る鼻腔挿入デバイスは、第1局面〜第12局面のいずれかに係る鼻腔挿入デバイスであって、弾性変形部が設けられる部分における断面積が、15mm2以上40mm2以下である。
当該断面積を15mm2以上にすることによって、空気流量を確保すると共に、当該断面積を40mm2以下にすることによって、挿入時の違和感を緩和することが可能となる。すなわち、当該断面積を15mm2以上40mm2以下にすることによって、空気流路の確保と挿入時の違和感緩和との両立を図ることができる。
【0024】
本発明の第14局面に係る鼻腔挿入デバイスは、第1局面から第13局面のいずれかに係る鼻腔挿入デバイスであって、弾性変形部の長手方向の長さが、25mm以上45mm以下である。
この場合、咽頭部において陰圧となっても、長手方向に長い弾性変形部により本体部の流路が閉塞されるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の第1実施形態に係る鼻腔挿入デバイスの正面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る鼻腔挿入デバイスの側面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る鼻腔挿入デバイスの本体の正面図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る鼻腔挿入デバイスの本体の側面図である。
【図5】変形例(A)に係る鼻腔挿入デバイスの本体の正面図である。
【図6】変形例(B)に係る鼻腔挿入デバイスの本体の正面図である。
【図7】変形例(C)に係る鼻腔挿入デバイスの本体の正面図である。
【図8】変形例(C)の別の例に係る鼻腔挿入デバイスの本体の正面図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係る鼻腔挿入デバイスの正面図である。
【図10】本発明の第2実施形態に係る鼻腔挿入デバイスの本体の正面図である。
【図11】本発明の第2実施形態に係る鼻腔挿入デバイスの側面図である。
【図12】本発明の第2実施形態に係る鼻腔挿入デバイスの本体の斜視図である。
【図13】本発明の第2実施形態に係る鼻腔挿入デバイスの本体の折り畳み方法を説明するための模式図である。
【図14】本発明の第2実施形態に係る鼻腔挿入デバイスの本体へのゼラチン成形体の取り付け方法を説明するための模式図である。
【図15】本発明の第2実施形態に係る鼻腔挿入デバイスの効果を説明するための模式図である。
【図16】変形例(G)に係る鼻腔挿入デバイスの本体の斜視図である。
【図17】変形例(H)に係る鼻腔挿入デバイスの斜視図である。
【図18】変形例(I)に係る鼻腔挿入デバイスの斜視図である。
【図19】変形例(J)に係る鼻腔挿入デバイスの斜視図である。
【図20】変形例(K)に係る鼻腔挿入デバイスの斜視図である。
【図21】変形例(L)に係る鼻腔挿入デバイスの斜視図である。
【図22】変形例(M)に係る鼻腔挿入デバイスの斜視図である。
【図23】変形例(N)に係る鼻腔挿入デバイスの斜視図である。
【図24】変形例(O)に係る鼻腔挿入デバイスの斜視図である。
【図25】変形例(P)に係る鼻腔挿入デバイスの斜視図である。
【図26】変形例(Q)に係る鼻腔挿入デバイスの斜視図である。
【図27】変形例(R)に係る鼻腔挿入デバイスの斜視図である。
【図28】変形例(S)に係る鼻腔挿入デバイスの斜視図である。
【図29】変形例(T)に係る鼻腔挿入デバイスの斜視図である。
【図30】変形例(U)に係る鼻腔挿入デバイスの正面図である。
【図31】変形例(V)に係る鼻腔挿入デバイスの斜視図である。
【図32】変形例(W)に係る鼻腔挿入デバイスの正面図である。
【図33】変形例(X)に係る鼻腔挿入デバイスの斜視図である。
【図34】変形例(Y)に係る鼻腔挿入デバイスの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係る鼻腔挿入デバイス100は、図1および図2に示されるように、主に、本体101およびオブラート膜130から構成される。
【0027】
なお、本実施形態において、鼻腔挿入デバイス100からオブラート膜130が除去されると、本体101は、図3および図4に示されるような形状に復元される。
以下、本体101およびオブラート膜130についてそれぞれ詳述する。
【0028】
<鼻腔挿入デバイスの構成要素の詳細>
(1)本体
本体101は、図1〜図4に示されるように、主に、本体部110および弾性変形部120から構成される。本体部110は、シリコーンゴム製のチューブであり、およそ鼻の穴の入口から咽頭部までの距離と同じ長さを有している。なお、この本体部110の基端側には、図示しないストッパーが設けられている。
【0029】
弾性変形部120は、図3および図4に示されるように、本体部110の径よりも小さな径を有するシリコーンゴム製のチューブであって、全長に亘って1箇所のみが切断されており、切断箇所CTの近傍部分で本体部110の外周面に取り付けられている。なお、本実施形態において、弾性変形部120は、4つ、均等に本体部110の外周面に取り付けられている。また、この弾性変形部120は、基端側部分Pbが、先端側Scから基端側Sbに向かうに従って本体部側に傾斜している。
【0030】
そして、これらの弾性変形部120は、図1および図2に示されるように、内周面が本体部110に接するように弾性変形された状態でオブラート膜130によって包まれる。
【0031】
(2)オブラート膜
オブラート膜130は、デンプンから形成される半透明の薄い膜である。なお、この膜厚は、弾性変形部120の形状復帰力に抗するだけの厚みに、所定の厚みが付加されたものとなっている。そして、オブラート膜130は、4つの弾性変形部120を縮径させた状態で保持する。
【0032】
<鼻腔挿入デバイスの使用方法>
鼻腔挿入デバイス100を、先端側Scから、ストッパーが鼻に接触するまで鼻孔に挿入する。しばらくすると、オブラート膜130が咽頭部付近の水分により溶解し、弾性変形部120が図3および図4に示されるような形状に復元され、咽頭部が押し広げられる。なお、鼻腔挿入デバイス100を外すときは、そのまま鼻腔挿入デバイス100をそのまま引き抜けばよい。
【0033】
上記したように、本実施形態の鼻腔挿入デバイス100は、管状の本体部110と、本体部110の外周面に取り付けられる弾性変形部120と、弾性変形部120を圧縮した状態に保持する水溶性保持部としてのオブラート膜130とを備えている。つまり、このオブラート膜130を備えた鼻腔挿入デバイス100は、鼻腔への挿入前の状態での態様である。言い換えれば、使用状態における鼻腔挿入デバイス100は、管状の本体部110と、本体部110の外周面に取り付けられる弾性変形部120とを備えている。
【0034】
<鼻腔挿入デバイスの特徴>
(1)
本発明の第1実施形態に係る鼻腔挿入デバイス100の本体101を使用したときと、本体部110のみを使用したときの単位時間当たりの酸素飽和度低下率3%低下回数(単位時間当たりに酸素飽和度低下率が3%以上低下した回数)および酸素飽和度低下率4%低下回数(単位時間当たりに酸素飽和度低下率が4%以上低下した回数)を比較したところ、本体101を使用したときの方が本体部110のみを使用したときよりも低い値を示し、本体101の方が本体部110のみよりも効果が高いことが実証された。このため、本実施形態に係る鼻腔挿入デバイス100は、従前のチューブのみを用いる場合よりも咽頭部を十分に押し広げることができる。
【0035】
(2)
本発明の第1実施形態に係る鼻腔挿入デバイス100では、弾性変形部120の内周面が本体部110に接するように弾性変形された状態で弾性変形部120がオブラート膜130によって包まれている。このため、この鼻腔挿入デバイス100は、オブラート膜130が咽頭部付近の水分により溶解すると、直ちに弾性変形部120が元の形状に復元する。したがって、この鼻腔挿入デバイス100は、セットまでに時間がかからない。
【0036】
(3)
本発明の第1実施形態に係る鼻腔挿入デバイス100は、弾性変形部を元の形状に復元させるのに、ユーザによる操作を必要としない。このため、この鼻腔挿入デバイス100は、ユーザに操作の手間を強いることがない。
【0037】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態に係る鼻腔挿入デバイス200は、図9に示されるように、主に、本体201およびゼラチン成形体230から構成される。
【0038】
なお、第2実施形態において、鼻腔挿入デバイス200からゼラチン成形体230が除去されると、本体201は、図10に示されるような形状に復元される。
以下、本体201およびゼラチン成形体230についてそれぞれ詳述する。
<鼻腔挿入デバイスの構成要素の詳細>
(1)本体
本体201は、図10に示されるように、主に、本体部210および弾性変形部220から構成される。
【0039】
本体部210は、シリコーンゴム製のチューブであり、およそ鼻の穴の入口から咽頭部までの距離と同じ長さを有している。なお、この本体部210の基端側には、図示しないストッパーが設けられている。そして、図11に示すように、本体部210の基端側の部分には、内部の通気流路211(図10参照)に連通する2つの開口212および213が形成されている。これにより、鼻腔挿入デバイス200の装着時における鼻孔に近い部分に、当該開口212および213が設けられるので、患者は呼吸がしやすくなる。また、本実施形態では、本体部210は、図11に示すように、鼻腔挿入デバイス200の挿入時の違和感を緩和するために、屈曲して形成されている。
【0040】
また、本体部210の硬度は、弾性変形部220の硬度より高くなっている。具体的には、本体部210の硬度がA70であり、弾性変形部220の硬度が弾性変形部220の硬度がA60である。なお、ここで記載した硬度は、JIS K6253記載のデュロメータ硬さタイプAである。
【0041】
弾性変形部220は、図10に示すように、第1実施形態の弾性変形部120と同様に、本体部210の径(例えば、4.0mm)よりも小さな径(例えば、1.8mm)を有するシリコーンゴム製のチューブであって、本体部210の外周面において、本体部210の周方向に沿って間欠的に4つ設けられている。すなわち、4つの弾性変形部220が、本体部210の外周面において、本体部210の周方向に沿って90°間隔で均等に配置されている。
【0042】
また、弾性変形部220は、図12に示すように、その長手方向(X方向)の長さLが、25mm以上45mm以下となっている。
【0043】
また、弾性変形部220が設けられる部分において、当該弾性変形部220の長手方向(X方向)に直交する面で切った断面積(図10の斜線領域)が、15mm2以上40mm2以下となっている。
【0044】
また、上記した本体部210および弾性変形部220の少なくとも一方には、造影剤(例えば、硫酸バリウム等)が添加されている。なお、当該造影剤は、少なくとも鼻腔挿入デバイス200の先端部分に添加されている。
【0045】
(2)ゼラチン成形体
ゼラチン成形体230は、図9に示されるように、本体部210および弾性変形部220を圧縮変形した状態で保持する。このゼラチン成形体230は、図11に示すように、円筒形状の3つの保持体231〜233と、先端部分がドーム形状の保持体234とから構成される。このゼラチン成形体230は、ゼラチンから形成される半透明の部材である。
【0046】
なお、この鼻腔挿入デバイス200は、管状の本体部210と、本体部210の外周面に取り付けられる弾性変形部220と、弾性変形部220を圧縮した状態に保持する水溶性保持部としてのゼラチン成形体230とを備えている。つまり、このゼラチン成形体230を備えた鼻腔挿入デバイス200は、鼻腔への挿入前の状態での態様である。言い換えれば、使用状態における鼻腔挿入デバイス200は、管状の本体部210と、本体部210の外周面に取り付けられる弾性変形部220とを備えている。
【0047】
<鼻腔挿入デバイスの使用方法>
鼻腔挿入デバイス200を、先端側から、ストッパーが鼻に接触するまで鼻孔に挿入する。しばらくすると、ゼラチン成形体230が咽頭部付近の水分により溶解し、弾性変形部220が図10に示されるような形状に復元され、咽頭部が押し広げられる。なお、鼻腔挿入デバイス200を外すときは、そのまま鼻腔挿入デバイス200をそのまま引き抜けばよい。
【0048】
<本体の折り畳み方法>
次に、図13および図14を参照して、本体201(本体部210および弾性変形部220)の折り畳み方法について説明する。なお、図13では、図面の簡略化のため、本体部210のみを記載し、弾性変形部220は省略している。
まず、図13(a)に示すように、本体201を準備し、図13(b)に示すように、当該本体201を上下または左右から圧縮することによって、本体201を略扁平状にする。そして、図13(c)に示すように、扁平状の本体201をロール状に巻きつけた後、図13(d)及び図14(a),(b)に示すように、当該ロール状の本体201にゼラチン成形体230(保持体231〜234)を装着する。これにより、鼻腔挿入デバイス200の最外径が5.0mm以下になるようにする。
【0049】
<鼻腔挿入デバイスの特徴>
(1)
この第2実施形態に係る鼻腔挿入デバイス200では、上記した第1実施形態に係る鼻孔挿入デバイス100の特徴(1)と同様の特徴があり、同様の効果を奏する。
【0050】
(2)
また、本発明の第2実施形態に係る鼻腔挿入デバイス200では、ゼラチン成形体230により本体部210および弾性変形部220が圧縮変形した状態で保持される。このため、この鼻腔挿入デバイス200は、ゼラチン成形体230が咽頭部付近の水分により溶解すると、直ちに本体部210および弾性変形部220が元の形状に復元する。したがって、この鼻腔挿入デバイス200は、セットまでに時間がかからない。
【0051】
(3)
また、本発明の第2実施形態に係る鼻腔挿入デバイス200は、弾性変形部220を元の形状に復元させるのに、ユーザによる操作を必要としない。このため、この鼻腔挿入デバイス200は、ユーザに操作の手間を強いることがない。
【0052】
(4)
また、本発明の第2実施形態に係る鼻孔挿入デバイス200では、ゼラチンからなる筒状の水溶性成形体(ゼラチン成形体230)を用いることによって、当該ゼラチン成形体230が短時間で残余なく除去される。これにより、弾性変形部220が適切に元の状態に復元して拡張するので、咽頭部を十分に押し広げることができる。
【0053】
(5)
また、本発明の第2実施形態に係る鼻腔挿入デバイス200では、弾性変形部220の先端をドーム状のゼラチン成形体230(保持体234)で覆っているので、鼻腔の内面の粘膜を傷つけることなく且つスムーズに咽頭部まで弾性変形部220を到達させることができる。これにより、鼻腔挿入デバイス200が鼻腔に挿入される違和感を緩和することができる。
【0054】
(6)
また、本発明の第2実施形態に係る鼻腔挿入デバイス200の弾性変形部220は、図15に示すように、咽頭部の内周面から本体部210を離間させるように作用するので、咽頭部の内周面に接しない位置で通気流路を確保することができる。これにより、咽頭部の内周面付近が鼻水により通気性を損なったとしても、当該本体部210に係る通気流路の確保により、鼻孔挿入デバイス200内に鼻水が詰まるのを抑止することができる。
上記効果を実証するために行った卵白を用いたモデル実験において、弾性変形部220を有する本体201の方が、弾性変形部が無い単純な円筒形状の本体部より、卵白の詰まりが少ないことが確認された。
【0055】
(7)
また、本発明の第2実施形態に係る鼻腔挿入デバイス200は、本体部210の周方向に沿って間欠的に4つの弾性変形部220が設けられるので、本体部210を咽頭部の内周面から離間させた状態で、安定して保持することができる。これにより、本体部210に係る通気流路の安定した確保により、鼻腔挿入デバイス200内に鼻水が詰まるのを確実に抑止することができる。
【0056】
(8)
また、本発明の第2実施形態に係る鼻腔挿入デバイス200の本体部210および弾性変形部210の少なくとも一方には、造影剤が添加されているので、鼻腔挿入デバイス200が咽頭部の所定の位置に配置されたか否かを判別することができる。
【0057】
(9)
また、本発明の第2実施形態に係る鼻腔挿入デバイス200を用いた流量に関するモデル実験を行ったところ、弾性変形部220が設けられる部分において弾性変形部220の長手方向(X方向)に直交する面で切った断面積を15mm2以上にすれば、鼻腔挿入デバイス200内において、適度な流量の空気が抵抗なく流通することが実証された。また、当該断面積を大きくし過ぎても、それほど大きな効果が期待できないことが実証されており、当該断面積を40mm2以下にすれば、鼻腔挿入デバイス200の挿入時の違和感を緩和することができる。
【0058】
(10)
また、本発明の第2実施形態に係る鼻腔挿入デバイス200を用いた流量に関するモデル実験を行ったところ、弾性変形部220の長手方向の長さを25mm以上45mm以下にすれば、咽頭部において陰圧となっても、当該弾性変形部220により本体部210の流路が閉塞されるのを防止することができることが実証された。
【0059】
(11)
また、本発明の第2実施形態に係る鼻腔挿入デバイス200において、本体部210の硬度を弾性変形部220より高くすることによって、嚥下時に本体部210がつぶれてしまうのを防止することができる。また、弾性変形部220の硬度を本体部210より低くすることによって、鼻腔挿入デバイス200の挿入時の違和感を緩和することができる。なお、嚥下時に本体部210がつぶれてしまうのを防止するという観点では、本体部210の膜厚を大きくすることも有効である。この第2実施形態では、当該本体部210の膜厚を700μmとしている。
【0060】
<変形例>
(A)
先の実施形態に係る鼻腔挿入デバイス100,200では弾性変形部120,220が、全長に亘って1箇所のみが切断されているチューブであったが、弾性変形部は、図5に示されるように、切断されていない通常のチューブ120aであってもよい。かかる場合、弾性変形部は、チューブ120aを本体部110に押し付けた状態でオブラート膜130によって包まれる。なお、図5中の符号101Aは、本変形例に係る「本体」を示す。
【0061】
(B)
先の実施形態に係る鼻腔挿入デバイス100,200では弾性変形部120,220が、全長に亘って1箇所のみが切断されているチューブであったが、弾性変形部は、図6に示されるように、全長に亘って一部が切り欠かれたチューブ120bであってもよい。かかる場合、弾性変形部は、先の実施形態に係る弾性変形部120,220と同様に、内周面が本体部110,210に接するように弾性変形された状態でオブラート膜130,ゼラチン成形体230によって包まれる。なお、図6中の符号101Bは、本変形例に係る「本体」を示す。
【0062】
(C)
先の実施形態に係る鼻腔挿入デバイス100,200では弾性変形部120,220が、全長に亘って1箇所のみが切断されているチューブであったが、弾性変形部は、図7に示されるように、断面L字状の長板部材120cであってもよい。かかる場合、弾性変形部は、長板部材120cの立直部分を長板部材120cの密着部分に押し付けた状態でオブラート膜130,ゼラチン成形体230によって包まれる。なお、図7中の符号101Cは、本変形例に係る「本体」を示す。
【0063】
また、かかる場合、図8に示されるように、立直部分120dが合成部材で形成されていてもかまわない。なお、図8中の符号101Dは、本変形例の別の例に係る「本体」を示す。
【0064】
(D)
先の実施形態に係る鼻腔挿入デバイス100では面状のオブラート膜130が採用されたが、オブラート膜は、帯状とされてもかまわない。かかるオブラート膜は、本体101に螺旋状に巻きつけられる。
【0065】
(E)
先の実施形態に係る鼻腔挿入デバイス100では水溶性保持部としてオブラート膜130が採用され、鼻腔挿デバイス200では水溶性保持部としてゼラチン成形体230が採用されたが、本発明はこれに限らず、ゼラチン若しくは多糖類からなる水溶性薄膜、又は、オブラート若しくは多糖類からなる水溶性成型体を、水溶性保持部としても良い。上記した多糖類としては、アミロース,アミロペクチン,マンナン,プルラン,グアガム,大豆多糖,寒天,セルロース,ペクチン,カラギーナン,アルギン酸Na,アラビノキシラン,および,これらの誘導体が挙げられる。
【0066】
(F)
先の実施形態に係る鼻腔挿入デバイス100,200では本体部110,210および弾性変形部120,220がシリコーンゴムから形成されていたが、本体部110,210および弾性変形部120,220は、例えば、ポリウレタン(ウレタンゴム),エチレン−プロピレンゴム,エチレン−プロピレン−ジエンゴム,ブチルゴム,ハロゲン化ブチルゴム,エチレン−酢酸ビニルコポリマー,ヘキシンゴム,メタロセン重合ポリオレフィン,塩素化ポリエチレン,フッ素ゴム,ポリジエンゴム,天然ゴム,スチレン系熱可塑エラストマー,ポリエステル系熱可塑性エラストマー,ポリオフィン系熱可塑性エラストマー,フッ素化熱可塑性エラストマー,軟質ポリ塩化ビニル,シリコーンゴムを一成分とするポリマーアロイ材料,ポリウレタンを一成分とするポリマーアロイ材料,熱可塑性エラストマーを一成分とするポリマーアロイ材料,ポリ塩化ビニルを一成分とするポリマーアロイ材料,親水性ポリマーを一成分とするポリマーアロイ材料,生体及び天然物由来材料を一成分とするポリマーアロイ材料,ポリ乳酸を一成分とするポリマーアロイ材料,ポリプチド,ハイドロゲル,ヘパリン化ポリマー,フォスファゼリンポリマー,が適用可能である。
【0067】
また、本体部110,210については、上記列挙した材料に加えて、金属、樹脂、および、金属に樹脂を被覆したもの,が適用可能である。なお、上記した樹脂および金属に被覆する樹脂には、例えば、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン),ブタジエン−スチレンゴム,ポリエステル共重合体,エチレン−プロピレンゴム(エチレン−プロピレン−ターポリマーラバー),EVA樹脂(エチレン−酢酸ビニル共重合体),高密度ポリエチレン,高密度ポリプロピレン,耐衝撃性ポリスチレン,低密度ポリエチレン,メチルメタクリレート−アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体,クロロプレンゴム,ニトリルブタジエンゴム,ポリアミド樹脂,PETG樹脂,ポリアセタール樹脂,ポリブチレンテレフタレート樹脂,ポリカーボネート樹脂,ポリエーテルサルホン樹脂,ポリエチレン樹脂,ポリエチレンテレフタレート樹脂,ポリイミド樹脂,イソブチレン−イソプレン共重合体,ポリプロピレン樹脂,ポリスチレン樹脂,ポリスルホン樹脂,ポリテトラフルオロエチレン樹脂,ポリウレタン樹脂,ポリビニルアセテート樹脂,ポリ塩化ビニル樹脂,スチレン−ブタジエン樹脂,スチレン−ブタジエンゴム,が含まれる。
【0068】
(G)
先の実施形態に係る鼻腔挿入デバイス100,200では、弾性変形部120,220が本体部110,210の周方向に沿って90°間隔で配置される例について説明したが、本発明はこれに限らず、図16に示すように、本体部110を長手方向(X方向)に沿う方向に切断して展開したときに、弾性変形部120eが市松模様状に配置されていても良い。
【0069】
(H)
先の実施形態に係る鼻腔挿入デバイス100,200では、チューブ状の本体部110,210と、チューブ状の弾性変形部120,220を設ける例について説明したが、本発明はこれに限らず、図17に示すように、本体部110hが線材であっても良いし、弾性変形部120hが板状であっても良い。すなわち、本変形例に係る鼻腔挿入デバイス100hは、ワイヤ等の線材である本体部110hと、本体部110hから放射状に(約90°間隔で)取り付けられる板状の4つの弾性変形部120hと、を備えている。なお、図17に示した鼻腔挿入デバイス100hは、水溶性保持部が溶けた状態(使用状態)における鼻孔挿入デバイス100hであるので、水溶性保持部は図示されない。つまり、鼻腔挿入前の鼻腔挿入デバイス100hは、当然、弾性変形部120hが水溶性保持部により縮径された状態で保持される。具体的には、板状の4つの弾性変形部120hが、本体部110hを軸とする円周方向に巻き回された状態で、縮径される。以下、図18〜図31、図33および図34に示した変形例に係る鼻腔挿入デバイスでも同様に、水溶性保持部が溶けた状態を示す。なお、弾性変形部120hの個数は、4つに限定されない。
【0070】
(I)
先の実施形態に係る鼻腔挿入デバイス100,200では、チューブ状の本体部110,210を設ける例について説明したが、本発明はこれに限らず、図18に示すように、本体部110hが弾性体である板材であっても良い。すなわち、本変形例に係る鼻腔挿入デバイス100iは、弾性体の板材である本体部110iと、本体部110iの一方面および他方面に保持される4つの弾性変形部120iと、を備えている。なお、弾性変形部120iの数は、4つに限定されない。また、弾性変形部120iは、他の変形例の弾性変形部を適用可能である。この鼻腔挿入デバイス100iでは、弾性変形部120iの各々に切れ目121iを入れることにより弾性変形部121iが板状に展開可能となっている。これにより、板状に展開された弾性変形部121iを本体部110iと共に丸め、当該丸めて縮径された状態の弾性変形部121iおよび本体部110iを、図示しない水溶性保持部で保持することにより、鼻腔挿入デバイス100iが縮径される。
【0071】
(J)
先の実施形態に係る鼻腔挿入デバイス100,200では、弾性変形部120,220が本体部110,210に保持される例について説明したが、本発明では、必ずしも本体部110,210は必須の構成ではない。すなわち、図19に示した本変形例に係る鼻腔挿入デバイス100jは、互いに接続された4つのチューブ状の弾性変形部120jを備えている。この4つの弾性変形部120jは、接着剤等で互いに接着される。なお、弾性変形部120jの数は、4つに限定されない。この鼻腔挿入デバイス100jでは、弾性変形部120jの各々に切れ目121iを入れることにより弾性変形部121iが板状に展開可能となっている。これにより、展開された4つの弾性変形部121iを丸め、そして、当該丸めて縮径された状態の弾性変形部121iを、図示しない水溶性保持部で保持することにより、鼻腔挿入デバイス100iが縮径される。
【0072】
(K)
先の実施形態に係る鼻腔挿入デバイス100,200では、弾性変形部120,220を本体部110,210の先端に設ける例について説明したが、本発明はこれに限らず、図20に示すように、複数の弾性変形部120kが、本体部110kの先端から基端側にずらした位置に配置されていても良い。すなわち、図20に示した本変形例に係る鼻腔挿入デバイス100kは、チューブ状の本体部110kと、本体部110kの外周面であって、本体部110kの先端から基端側にずらして配置された複数の弾性変形部120kとを備えている。なお、この鼻腔挿入デバイス100kは、上記した第1実施形態と同様に、図示しない水溶性保持部により、弾性変形部120kの内周面が本体部110kの外周面に接する状態で保持されて、縮径される。
【0073】
(L)
先の実施形態に係る鼻腔挿入デバイス100,200では、チューブ状の弾性変形部120,220を設ける例について説明したが、本発明はこれに限らず、図21に示した本変形例に係る鼻腔挿入デバイス100lのように、シート状の弾性変形部120lを巻き回して、図示しない水溶性保持部で当該巻き回した弾性変形部120lを縮径させても良い。このシート状の弾性変形部120lは、可撓性のシートであって、上記した水溶性保持部が咽頭部付近の水分により溶解したときに、その先端が拡径して、略円錐形状を呈する。
【0074】
(M)
先の実施形態に係る鼻腔挿入デバイス100,200では、弾性変形部120,220が本体部110,210の外周面に取り付けられる例について説明したが、本発明はこれに限らず、図22(a)に示した本変形例に係る鼻腔挿入デバイス100mのように、チューブ状の本体部110mに対する弾性変形部120mの取付位置が、本体部110mの先端側であっても良い。また、図22(b)に示した本変形例に係る鼻腔挿入デバイス100m´のように、ワイヤからなる本体部110m´に対する弾性変形部120m´の取付位置が、本体部110m´の先端側であっても良い。
【0075】
(N)
先の実施形態に係る鼻腔挿入デバイス100,200では、弾性変形部120,220がシリコーンゴム製のチューブである例について説明したが、本発明はこれに限らず、図23(a)に示すように、弾性変形部120nがコイルばねであっても良い。すなわち、図23(a)に示した本変形例に係る鼻腔挿入デバイス100nは、チューブ状の本体部110nと、コイルばねからなる弾性変形部120nとを備えている。
また、図23(b)に示すように、本変形例に係る鼻腔挿入デバイス100n´は、コイルばねからなる本体部110n´と、本体部110n´の外周に配置されるチューブ状の弾性変形部120n´とを備える構成でも良い。
また、図23(c)に示すように、本変形例に係る鼻腔挿入デバイス100n´´は、本体部を構成に含まず、コイルばねからなる弾性変形部120n´´を備える構成でも良い。
上記したコイルばねからなる弾性変形部120nおよび120n´´、並びに、本体部110n´は、コイルばねの中心軸方向(矢印C方向)に引っ張ることにより縮径され、当該縮径された弾性変形部120nおよび120n´´、並びに、本体部110n´は、図示しない水溶性保持部により保持される。
なお、図23(a)に示した鼻腔挿入デバイス100nにおいて、コイルばねからなる弾性変形部120nを中心軸方向(矢印C方向)に伸縮可能にするために、当該弾性変形部120nの各々は、本体部110nに対して、1点で支持されている。また、同様に、図23(b)に示した鼻腔挿入デバイス100n´において、コイルばねからなる本体部110n´を中心軸方向(矢印C方向)に伸縮可能にするために、当該本体部110n´は、弾性変形部120n´の各々を1点で支持している。
【0076】
(O)
先の実施形態に係る鼻腔挿入デバイス100,200では、チューブ状の弾性変形部120,220を設ける例について説明したが、本発明はこれに限らず、図24に示すように、弾性変形部120oが異形であっても良い。すなわち、図24に示した本変形例に係る鼻腔挿入デバイス100oは、ワイヤからなる本体部110oと、断面形状がスター形状の弾性変形部120oとを備えている。なお、この異形の弾性変形部120oは、咽頭部において、水溶性保持部が溶解して拡径したときに、咽頭部の壁面との間に隙間が形成される形状であることが好ましい。また、この弾性変形部120oは、通気性に優れた材料から構成されても良い。なお、この鼻腔挿入デバイス100oは、図示しない水溶性保持部により、弾性変形部120kが圧縮変形されることで、縮径される。
【0077】
(P)
先の実施形態に係る鼻腔挿入デバイス100,200では、シリコーンゴムからなる弾性変形部120,220を設ける例について説明したが、本発明はこれに限らず、図25に示すように、通気性のある発泡材からなる弾性変形部120pを用いても良い。すなわち、図25に示した本変形例に係る鼻腔挿入デバイス100pは、本体部110pと、通気性のある発泡材からなる弾性変形部120pとを備えている。なお、発泡材としては、天然ゴム(NR)スポンジ,イソプレンゴム(IR)スポンジ,スチレンブタジエンゴム(SBR)スポンジ,クロロプレンゴム(CR)スポンジ,アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)スポンジ,エチレンプロピレンゴム(EPDM)スポンジ,シリコーンゴムスポンジ,が例示される。なお、本変形例の本体部110pは、特に限定されず、第1実施形態および第2実施形態で示したチューブであっても良いし、変形例(H)に示したワイヤの線材である本体部110hであっても良いし、変形例(N)に示したコイルばねからなる本体部110n´であっても良いし、後述する変形例(R)に係るスリット111rが形成された本体部110rでも良い。
【0078】
(Q)
先の実施形態に係る鼻腔挿入デバイス100,200では、チューブ状の弾性変形部120,220を設ける例について説明したが、本発明はこれに限らず、図26に示すように、マルチルーメンチューブからなる弾性変形部120qを設けても良い。すなわち、図26に示した本変形例に係る鼻腔挿入デバイス100qは、本体部110qと、長手方向に連通する複数の孔121qが形成されるマルチルーメンチューブの弾性変形部120qとを備えている。なお、本変形例の本体部110qは、特に限定されず、第1実施形態および第2実施形態で示したチューブであっても良いし、変形例(H)に示したワイヤの線材である本体部110hであっても良いし、変形例(N)に示したコイルばねからなる本体部110n´であっても良いし、後述する変形例(R)に係るスリット111rが形成された本体部110rでも良い。
【0079】
(R)
先の実施形態に係る鼻腔挿入デバイス100,200では、チューブ状の本体部110,210を設ける例について説明したが、本発明はこれに限らず、図27に示すように、長手方向にスリット111rが形成されるチューブ状の本体部110rを適用しても良い。すなわち、図27に示した本変形例に係る鼻腔挿入デバイス100rは、長手方向にスリット111rが形成された本体部110rと、チューブ状の4つの弾性変形部120rとを備えている。このスリット111rは、本体部110rの全長にわたって形成されている。これにより、本体部110rがシート状に展開可能となるので、当該シート状の本体部110rを巻き付けることにより縮径可能となる。なお、弾性変形部120rの個数は、4つに限定されないし、その形状は、チューブ状に限定されない。つまり、弾性変形部120rとしては、第1実施形態および第2実施形態に係るチューブ状の弾性変形部120,220だけでなく、他の変形例の弾性変形部を利用しても良い。また、弾性変形部120rにもスリット121rを形成しておくことにより、本体部110rおよび弾性変形部120rを更に縮径することができる。なお、上記した本体部110rに形成されるスリット111rは、本体部110rの全長にわたって形成される必要はなく、本体部110rの先端から途中まで形成されていても良い。また、このスリット111rは、複数のスリットであっても良い。但し、本体部110rに複数のスリット111rが形成される場合には、本体部110rが複数の部分に分離しないように、本体部110rの全長にわたって形成されるスリット111rは、1つ以下である。
【0080】
(S)
先の実施形態に係る鼻腔挿入デバイス100,200では、チューブ状の弾性変形部120,220を設ける例について説明したが、本発明はこれに限らず、図28に示すように、管状の本体部110sの外周面に弾性変形可能な凸状の弾性変形部120sを設けても良い。すなわち、図28に示した本変形例に係る鼻腔挿入デバイス100sは、管状の本体部110sと、本体部110sの外周面に形成される複数の凸状の弾性変形部120sとを備えている。なお、この鼻腔挿入デバイス100sは、図示しない水溶性保持部により、凸状の弾性変形部120sが凹んだ状態で保持されることで、縮径されても良いし、変形例(R)示されるように、本体部110sにスリットを形成して、板状に展開された本体部110sを巻き付けることで、縮径されても良い。
【0081】
(T)
先の実施形態に係る鼻腔挿入デバイス100,200では、シリコーンゴム製のチューブの弾性変形部120,220を設ける例について説明したが、本発明はこれに限らず、図29(a)に示すように、弾性変形部120tが金属または樹脂の線材を編み込んで形成された網体であっても良い。すなわち、図29(a)に示した本変形例に係る鼻腔挿入デバイス100tは、本体部110tと、網体により筒状に形成された弾性変形部120tを備えている。
また、図29(b)に示すように、本変形例に係る鼻腔挿入デバイス100t´は、網体により筒状に形成された本体部110t´と、本体部110t´の外周に配置される弾性変形部120t´とを備える構成でも良い。
また、図29(c)に示すように、本変形例に係る鼻腔挿入デバイス100t´´は、本体部を構成に含まず、網体により筒状に形成された弾性変形部120t´´を備える構成でも良い。
上記した網体の弾性変形部120tおよび120t´´、並びに、本体部110t´は、外側から力を加えることにより縮径され、当該縮径された弾性変形部120tおよび120t´´、並びに、本体部110t´は、図示しない水溶性保持部により保持される。
【0082】
(U)
先の実施形態に係る鼻腔挿入デバイス100,200では、チューブ状の本体部110内を空洞にしていたが、本発明はこれに限らず、図30に示すように、本体部110u内の空洞にバネ130uを設けても良い。すなわち、図30に示した本変形例に係る鼻腔挿入デバイス100uは、筒状の本体部110uと、本体部110uの外周面に設けられる弾性変形部120uと、本体部110u内の空洞に配置されるバネ130uとを備えている。これにより、咽頭部において、弾性変形部120uおよび本体部110uを縮径して保持する水溶性保持部が溶解したときに、本体部110uに所定の戻り力を付与することができる。なお、当該バネ130uは、本体部110u内の空洞だけでなく、チューブ状の弾性変形部120u内の空洞に配置しても良い。なお、鼻腔挿入デバイス100uは、図示しない水溶性保持部により、弾性変形部120uの内周面が本体部の外周面に接する状態で保持されることで、縮径されても良いし、本体部110uをバネ130uの付勢力に抗して圧縮した状態で保持されることで、縮径されても良い。
【0083】
(V)
先の実施形態に係る鼻腔挿入デバイス100,200では、管状の本体部110,210にチューブ状の弾性変形部120,220を設ける例について説明したが、本発明はこれに限らず、図31に示すように、傘の骨組のような形状を呈するように、本体部110vに対して放射状に弾性変形部120vを設けても良い。すなわち、図31に示した本変形例に係る鼻腔挿入デバイス100vは、本体部110vと、本体部110vの先端に連結され、本体部110vに対して放射状に設けられた複数の弾性変形部120vとを備えている。なお、この鼻腔挿入デバイス100vは、図示しない水溶性保持部により、複数の弾性変形部120kが本体部110vと束ねられて保持されることで、縮径される。なお、この変形例に係る鼻腔挿入デバイス100vでは、弾性変形部120vを本体部110vの先端に連結したが、この弾性変形部120vの取付位置は、本体部110vの先端で無くても良い。すなわち、弾性変形部120vは、本体部110vの先端から所定の距離だけ基端側にずらした位置に取り付けられても良い。
【0084】
(W)
先の実施形態に係る鼻腔挿入デバイス100,200では、水溶性保持部(オブラート膜130,ゼラチン成形体230)で弾性変形部120,220を縮径する例について説明したが、本発明はこれに限らず、図32に示すように、弾性変形部120w内に塗布された水溶性保持部としての接着剤130wで、弾性変形部120wを扁平状態にして縮径しても良い。具体的には、弾性変形部120wを圧縮することにより、弾性変形部120wが縮径される。すなわち、図32に示した本変形例に係る鼻腔挿入デバイス100wは、本体部110wと、本体部110wの外周面に取り付けられたチューブ状の弾性変形部120wと、弾性変形部120wの内部に塗布され、当該弾性変形部120wを縮径した状態で保持する接着剤(水溶性保持部)130wと、を備えている。上記構成によれば、咽頭部において、接着剤(水溶性保持部)130wが溶解して、弾性変形部120wが拡径する。なお、ここでは、扁平状態に縮径された弾性変形部120wが、その内部の接着剤130wの接着力により扁平状態のまま維持されることで、弾性変形部120wを縮径させたが、管状の本体部110wの内部に接着剤(水溶性保持部)130wを塗布して、当該接着材130wにより本体部110wを縮径させても良い。なお、本体部110wについては、圧縮することにより本体部110wを縮径させても良いし、長手方向に引っ張ることにより本体部110wを縮径させても良い。
【0085】
(X)
先の実施形態に係る鼻腔挿入デバイス100,200では、チューブ状の弾性変形部120,220を設ける例について説明したが、本発明はこれに限らず、図33に示すように、フック形状の弾性変形部120xを設けても良い。すなわち、図33に示した本変形例に係る鼻腔挿入デバイス100xは、本体部110xと、本体部110xの外周面に取り付けられたフック形状の弾性変形部120xとを備えている。この弾性変形部120xは、本体部110xとの接続部から本体部110xの先端側に延び、そこから折り返されて本体部110xの基端側に延在する。なお、鼻腔挿入デバイス100xは、図示しない水溶性保持部により、フック形状の弾性変形部120xが本体部110v側に押し付けられることにより、縮径される。
【0086】
(Y)
先の実施形態に係る鼻腔挿入デバイス100,200では、本体部110の外周面に4つの弾性変形部120,220を設ける例について説明したが、本発明はこれに限らず、図34(a),(b),(c)に示すように、本体部110y,110y´,110y´´の外周面に弾性変形部120y,120y´,120y´´を巻き付けるように形成しても良い。図34(a)に示した変形例に係る鼻腔挿入デバイス100yは、チューブ状の本体部110yと、本体部110yの先端において本体部110yの外周面に巻き付けるように形成される弾性変形部120yと、を備えている。また、図34(b)に示した変形例に係る鼻腔挿入デバイス100y´は、チューブ状の本体部110y´と、本体部110y´の先端から基端側にずらした位置において本体部110y´の外周面に巻き付けるように形成される弾性変形部120y´と、を備えている。また、図34(c)に示した変形例に係る鼻腔挿入デバイス100y´´は、チューブ状の本体部110y´´と、本体部110y´´の外周面に巻き付けるように形成される円錐台形状の弾性変形部120y´´と、を備えている。
なお、鼻腔挿入デバイス100y,100y´,100y´´は、図示しない水溶性保持部により、弾性変形部120y,120y´,120y´´が圧縮変形されることで、縮径される。また、鼻腔挿入デバイス100yは、図示しない水溶性保持部により、管状の本体部110y,110y´,110y´´が圧縮変形されることで、縮径されても良い。
【0087】
(Z)
また、先の実施形態に係る鼻腔挿入デバイス100,200では、オブラート膜130を弾性変形部120に巻き付けたり、ゼラチン成形体230(円筒形状の保持体231〜233および先端部分がドーム形状の保持体234)を弾性変形部220に取り付けたりする例について説明したが、水溶性保持部としては、上記したオブラート膜130およびゼラチン成形体230に限らず、糸リング、および、網状体の水溶性保持部であっても良い。
【符号の説明】
【0088】
100,200,100h,100i,100j,100k,100l,100m,100m´,100n,100n´,100n´´,100o,100p,100q,100r,100s,100t,100t´,100t´´,100u,100v,100w,100x,100y,100y´,100y´´ 鼻腔挿入デバイス
101,101A,101B,101C,101D,201 本体
110,210,110h,110i,110k,110m,110m´,110n,110n´,110o,110p,110q,110r,110s,110t,110t´,110u,110v,110w,110x,110y,110y´,110y´´ 本体部
120,120a,120b,120c,120d,120e,220,120h,120i,120j,120k,120l,120m,120m´,120n,120n´,120n´´,120o,120p,120q,120r,120s,120t,120t´,120t´´,120u,120v,120w,120x,120y,120y´,120y´´ 弾性変形部
130 オブラート膜(水溶性保持部)
130w 接着剤(水溶性保持部)
211 通気流路
212,213 開口
230 ゼラチン成形体(水溶性保持部)
231,232,233,234 保持体
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明に係る鼻腔挿入デバイスは、咽頭部を十分に押し広げることができると共にセットまでに時間がかからず、さらにユーザに操作の手間を強いることがないという特徴を有しており、新たなタイプの鼻腔挿入デバイスとして有用である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1又は複数の弾性変形部と、
前記弾性変形部を縮径させた状態で保持する水溶性保持部とを備える、鼻腔挿入デバイス。
【請求項2】
前記弾性変形部は、円柱形状、円筒形状、板形状、マルチルーメン形状、および、コイルばね形状の少なくとも1つの形状を呈する、請求項1に記載の鼻腔挿入デバイス。
【請求項3】
前記1又は複数の弾性変形部を保持する本体部をさらに備え、
前記水溶性保持部は、前記弾性変形部および前記本体部の少なくとも前記弾性変形部を縮径させた状態で保持する、請求項1または2に記載の鼻腔挿入デバイス。
【請求項4】
前記弾性変形部は、前記本体部から遠ざかる側に向かって延びる弾性板状部を有する、請求項3に記載の鼻腔挿入デバイス。
【請求項5】
前記弾性変形部は、全長に亘って1箇所のみが切断される切断管状体である、請求項3に記載の鼻腔挿入デバイス。
【請求項6】
前記弾性変形部は、切断箇所の近傍部分で前記本体部の外周面に取り付けられ、
前記水溶性保持部は、前記切断管状体の内周面が本体部に接する状態で保持する、請求項5に記載の鼻腔挿入デバイス。
【請求項7】
前記弾性変形部は、基端側部分が基端側に向かうに従って本体部側に傾斜する、請求項5または6に記載の鼻腔挿入デバイス。
【請求項8】
前記弾性変形部は、前記本体部の外周面において、前記本体部の周方向に沿って間欠的に複数設けられている、請求項3〜7のいずれか1項に記載の鼻腔挿入デバイス。
【請求項9】
前記本体部の硬度は、前記弾性変形部の硬度より高い、請求項3〜8のいずれか1項に記載の鼻腔挿入デバイス。
【請求項10】
前記水溶性保持部は、オブラート、ゼラチン若しくは多糖類からなる水溶性薄膜、又は、オブラート、ゼラチン若しくは多糖類からなる筒状の水溶性成型体である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の鼻腔挿入デバイス。
【請求項11】
前記水溶性保持部の前記弾性変形部の先端を覆う部分は、当該先端側が凸となるドーム形状である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の鼻腔挿入デバイス。
【請求項12】
造影剤が添加されている、請求項1〜11のいずれか1項に記載の鼻腔挿入デバイス。
【請求項13】
前記弾性変形部が設けられる部分における断面積が、15mm2以上40mm2以下である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の鼻腔挿入デバイス。
【請求項14】
前記弾性変形部の長手方向の長さが、25mm以上45mm以下である、請求項1〜13のいずれか1項に記載の鼻腔挿入デバイス。
【請求項1】
1又は複数の弾性変形部と、
前記弾性変形部を縮径させた状態で保持する水溶性保持部とを備える、鼻腔挿入デバイス。
【請求項2】
前記弾性変形部は、円柱形状、円筒形状、板形状、マルチルーメン形状、および、コイルばね形状の少なくとも1つの形状を呈する、請求項1に記載の鼻腔挿入デバイス。
【請求項3】
前記1又は複数の弾性変形部を保持する本体部をさらに備え、
前記水溶性保持部は、前記弾性変形部および前記本体部の少なくとも前記弾性変形部を縮径させた状態で保持する、請求項1または2に記載の鼻腔挿入デバイス。
【請求項4】
前記弾性変形部は、前記本体部から遠ざかる側に向かって延びる弾性板状部を有する、請求項3に記載の鼻腔挿入デバイス。
【請求項5】
前記弾性変形部は、全長に亘って1箇所のみが切断される切断管状体である、請求項3に記載の鼻腔挿入デバイス。
【請求項6】
前記弾性変形部は、切断箇所の近傍部分で前記本体部の外周面に取り付けられ、
前記水溶性保持部は、前記切断管状体の内周面が本体部に接する状態で保持する、請求項5に記載の鼻腔挿入デバイス。
【請求項7】
前記弾性変形部は、基端側部分が基端側に向かうに従って本体部側に傾斜する、請求項5または6に記載の鼻腔挿入デバイス。
【請求項8】
前記弾性変形部は、前記本体部の外周面において、前記本体部の周方向に沿って間欠的に複数設けられている、請求項3〜7のいずれか1項に記載の鼻腔挿入デバイス。
【請求項9】
前記本体部の硬度は、前記弾性変形部の硬度より高い、請求項3〜8のいずれか1項に記載の鼻腔挿入デバイス。
【請求項10】
前記水溶性保持部は、オブラート、ゼラチン若しくは多糖類からなる水溶性薄膜、又は、オブラート、ゼラチン若しくは多糖類からなる筒状の水溶性成型体である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の鼻腔挿入デバイス。
【請求項11】
前記水溶性保持部の前記弾性変形部の先端を覆う部分は、当該先端側が凸となるドーム形状である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の鼻腔挿入デバイス。
【請求項12】
造影剤が添加されている、請求項1〜11のいずれか1項に記載の鼻腔挿入デバイス。
【請求項13】
前記弾性変形部が設けられる部分における断面積が、15mm2以上40mm2以下である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の鼻腔挿入デバイス。
【請求項14】
前記弾性変形部の長手方向の長さが、25mm以上45mm以下である、請求項1〜13のいずれか1項に記載の鼻腔挿入デバイス。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【公開番号】特開2011−200626(P2011−200626A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−197663(P2010−197663)
【出願日】平成22年9月3日(2010.9.3)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成21年度 経済産業省 戦略的基盤技術高度化支援事業 産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(391059399)株式会社アイ.エス.テイ (102)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月3日(2010.9.3)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成21年度 経済産業省 戦略的基盤技術高度化支援事業 産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(391059399)株式会社アイ.エス.テイ (102)
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