説明

(5H,9H)−6,8−ジオキサベンゾシクロヘプテンの新規7,7−二置換誘導体、その調製方法、非ステロイド性ビタミンDアナログの合成におけるその使用

本発明は、(5H,9H)-6,8-ジオキサベンゾシクロヘプテンの新規7,7-二置換誘導体、その調製方法、及びビタミンDの非ステロイド性の誘導体の合成における中間体としてのその使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規7,7-二置換(5H,9H)-6,8-ジオキサベンゾシクロヘプテン誘導体、その調製方法、及びビタミンDの非ステロイド性アナログの合成におけるその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
特許出願WO 03/050067では、トリメリト酸無水物より3工程で調製される4-ブロモメチルフタル酸ジメチルエステルのカップリング、または同様にトリメリト酸無水物から7工程で調製される(3,4-ビス-ベンゾイルオキシメチル)ベンジルブロミドの反応、あるいはトリメリト酸無水物から4工程で調製される4-(ジエトキシホスホリルメチル)フタル酸のジメチルエステルの反応のいずれかによるビタミンDの非ステロイド性アナログの部分的な模倣(mimicking)環Aの導入を記載している。この場合では、フタル酸誘導体が2つのエステル官能基の還元からなる最終工程に使用される。
【特許文献1】WO 03/050067
【非特許文献1】NAKAZAKI, M.; YAMAMOTO, K. and MIURA, Y.; J. Org. Chem., 43(6), (1978), 1041-1044
【非特許文献1】Tajbakhsh, M. et al., (Synth. Commun., (1999), 29(1), 135-138)
【非特許文献1】Kumar, T. P. et al. (J. Chem. Res., Synop., (1994), 10, 394-395)
【非特許文献1】Bandgar, B. P. et al. (Synth. Commun., (1997), 27(4), 627-634)
【非特許文献1】Patney, H. K. (Synth. Commun., (1993), 23(11), 1523-1526)
【非特許文献1】Moreau, B. et al. (Org. Prep. Proced. Int., (2002), 34(5), 539-542)
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は、以下の一般式(I)の新規7,7-二置換(5H,9H)-6,8-ジオキサベンゾシクロヘプテン誘導体に関する。
【0004】
【化1】

【0005】
[式中:
-Aは、-CH2-Y基またはカルボキサルデヒド基 -C(=O)Hを表し;
-Yは、塩素または臭素から選択されるハロゲン原子、ヒドロキシル基、-OSO2R2基、及びP(O)(OR3)2基より選択され;
-RとR1とは、同一または異なっており、互いに独立して、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、並びに塩素、臭素、ヨウ素、若しくはフッ素原子から選択されるハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基、またはニトロ基より選択される、1、2、3、4、または5の置換基で任意に置換されているアリール基から選択され;
-RとR1とは共に、RとR1とを有する炭素原子と5または6の炭素原子の環を形成しても良い;
-R2は、アルキル基またはアリール基を表し;及び
-R3は、アルキル基を表す]
並びに前記7,7-二置換(5H,9H)-6,8-ジオキサベンゾシクロヘプテン誘導体の任意の光学異性体に関する。
特に、一般式(I)の化合物では、Aが-CH2OH基である際には、RとR1とが同時にメチル基になり得ないであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
アルキル基という表現は、1から4の炭素原子を有する直鎖または分枝のアルキル基、特に、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、2-メチルプロピル、ブチル、sec-ブチル、及びtert-ブチル基を意味すると解される。
【0007】
同様に、アルコキシ基という表現は、1から4の炭素原子を有する直鎖または分子のアルコキシ基、特にメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、sec-ブトキシ、及びtert-ブトキシ基を意味すると解される。
【0008】
アリール基という表現は、フェニル、ナフチル、またはピリジルを意味すると解される。
【0009】
5または6の炭素原子の環という表現は、シクロペンタン基及びシクロヘキサン基を意味すると解される。
【0010】
本発明によれば、好ましい化合物は、Aが-CH2-Y基を表し、Yが塩素若しくは臭素原子、OSO2R2基、またはP(O)(OR3)2基を表し、Rが水素原子を表し、R1がニトロフェニル基を表し、またはRとR1とがこの逆のものである。
【0011】
本発明によれば、好ましい化合物は、Aが-CH2-Y基を表し、Yがヒドロキシル基を表し、Rが水素原子を表し、R1がニトロフェニル基を表す、またはRとR1とがこの逆のものでもある。
【0012】
式(I)の化合物の中で、好ましくはRまたはR1の少なくとも1つは水素を表さない。
【0013】
本発明は、以下の反応スキームによって一般式(I)の化合物を調製する方法にも関する。
【0014】
図1の本発明の反応スキームによれば、一般式(I)の化合物は以下の工程によって1,2,4-ベンゼントリカルボン酸のトリアルキルエステルより調製されて良い。
【0015】
-工程1では、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸のトリアルキルエステル、例えば、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸トリメチルを、例えばNAKAZAKI, M.; YAMAMOTO, K. and MIURA, Y.; J. Org. Chem., 43(6), (1978), 1041-1044に記載のように、テトラヒドロフランのような非プロトン性溶媒中で、例えば水素化ホウ素リチウムによる還元反応にかけ、(3,4-ビス-ヒドロキシメチルフェニル)メタノールを得る。
【0016】
-工程2では、前記(3,4-ビス-ヒドロキシメチルフェニル)メタノール自体を、触媒、有利にはTajbakhsh, M. et al., (Synth. Commun., (1999), 29(1), 135-138)または代替的にKumar, T. P. et al. (J. Chem. Res., Synop., (1994), 10, 394-395)によって記載されているように、ゼオライトHZSM-5またはゼオライトHYのような、またはBandgar, B. P. et al. (Synth. Commun., (1997), 27(4), 627-634)に記載のようにゼオライトEPZGのようなゼオライトの存在下において、または代替的にPatney, H. K. (Synth. Commun., (1993), 23(11), 1523-1526)に記載のように触媒量のモンモリロナイトKSFの存在下で、例えばジクロロメタンのような非プロトン性溶媒中で式R-CO-R1のケトンまたはアルデヒドを使用する反応によって、3及び4位の2つの隣接したベンジルアルコール官能基の選択的な保護反応にかけ、一般式(2)の化合物を得る:
【0017】
【化2】

【0018】
-工程3では、かくして得られた式(2)の化合物が、次いで誘導体R2SO2Clを使用する反応によって式(3)の化合物に変換されて良い。
【0019】
【化3】

【0020】
[式中、Yは、前記反応条件に従って、塩素または臭素から選択されるハロゲン原子、あるいは-OSO2R2基を表す]
【0021】
-工程4では、Yが塩素または臭素原子より選択されるハロゲン原子を表す上述の式(3)の化合物が続いて式(5)の化合物に変換されて良い。
【0022】
【化4】

【0023】
Moreau, B. et al. (Org. Prep. Proced. Int., (2002), 34(5), 539-542)に記載の方法と類似の方法によって、トリアルキルホスファイト誘導体P(OR3)3を使用する反応で変換する。
【0024】
図1に記載の反応スキームによれば、一般式(I)の化合物は同じ工程1及び2によって、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸のトリアルキルエステルより調製されて良く、工程3(b)では、式(2)の化合物が、酸化マンガンまたは塩化クロム酸ピリジニウムのような酸化剤の反応による酸化反応に使用されて、式(4)の化合物が得られて良い。
【0025】
【化5】

【0026】
式(2)、(3)、(4)、及び(5)の化合物は共に上述の式(I)の化合物の全体を表し、本発明の主題である。
【0027】
他に記載されていない限り、これまでの記載におけるY、R、R1、R2、及びR3は式(I)に規定されている通りであると解される。
【0028】
本発明に係る式(I)の化合物の調製に使用する原料は市販されているか、または当業者に既知の、あるいはケミカルアブストラクト及びインターネットから特許文献または科学文献より容易に得ることができる方法によって、市販されている原料から容易に得ることができる。
【0029】
本発明の他の主題によれば、一般式(I)の化合物はビタミンDの非ステロイド性アナログの合成のための中間体として有用である。
【0030】
特許出願WO 03/050067では、トリメリト酸無水物より3工程で調製される4-ブロモメチルフタル酸ジメチルエステルのカップリング、または同様にトリメリト酸無水物から7工程で調製される(3,4-ビス-ベンゾイルオキシメチル)ベンジルブロミドの反応、あるいはトリメリト酸無水物から4工程で調製される4-(ジエトキシホスホリルメチル)フタル酸のジメチルエステルの反応のいずれかによるビタミンDの非ステロイド性アナログの部分的な模倣(mimicking)環Aの導入を記載している。この場合では、フタル酸誘導体が2つのエステル官能基の還元からなる最終工程に使用される。
【0031】
本発明の主題は、特許出願WO 03/050067に記載されているようなビタミンDの非ステロイド性アナログを合成するための新規方法を提供するという利点を有する、式(I)の新規7,7-二置換(5H,9H)-6,8-ジオキサベンゾシクロヘプテン誘導体の調製方法である。好ましくは、ビフェニル部分でカップリングした後、式(I)の化合物は、図2に規定及び記載されている式(III)の化合物を得ることを可能にし、次いで、希釈酸性媒体中における、または触媒量の白金若しくは酸化パラジウムの存在下における水素化分解によって、以下に規定される一般式(IV)の化合物を得ることを可能にする。
【0032】
3または4工程のみで調製されるこれらの化合物は、そのためビタミンDの非ステロイド性誘導体の合成における新規で有用な中間体を構成する。
【0033】
特に、本発明の式(I)の化合物は、従来の技術において記載されている方法と比較してより少ない数の工程を含み、単純及び選択的な保護及び脱保護工程を伴う方法を介してビタミンDの非ステロイド性アナログを得るという有利性を示す。
【0034】
かくして、本発明は、上述の式(I)の7,7-二置換(5H,9H)-6,8-ジオキサベンゾシクロヘプテン誘導体、特に、上述の化合物(2)、(3)、(4)、及び(5)の、ビタミンDの非ステロイド性誘導体の調製のための合成中間体としての使用にも関する。
【0035】
好ましくは、式(I)の化合物、特に本発明に係る化合物(2)、(3)、(4)、及び(5)は、ビタミンDの非ステロイド性誘導体の合成のための中間体として使用される。本発明の開示の以下の記述では、式(I)が、式(2)、(3)、(4)、及び(5)の化合物の全てを含み、式(2)、(3)、(4)、及び(5)の化合物は式(I)の化合物に相当すると解される。
【0036】
より好ましくは、式(I)の化合物、特に本発明に係る化合物(2)、(3)、(4)、及び(5)は下式(IV)に相当するビタミンDの非ステロイド性の誘導体の合成のための中間体として使用される。
【0037】
【化6】

【0038】
式中、R4とR5とは、同一または異なるものであり、互いに独立して1から3の炭素原子を含む直鎖または分枝のアルキル基を表す。
【0039】
R6とR7とは同一であり、水素化または過フッ素化されている1から2の炭素原子を含む直鎖または分枝のアルキル基より選択される。
【0040】
Xは、-CH2-、-NH-、-NR8-、または-O-を表す。
【0041】
R8は、1から3の炭素原子の直鎖または分枝のアルキル基を表す。
【0042】
本発明に係る1から3の炭素原子を含むアルキル基という表現は、メチル基、エチル基、プロピル基、またはイソプロピル基を意味すると解される。
【0043】
本発明に係る水素化または過フッ素化されている1から2の炭素原子を含むアルキル基という表現は、エチル基またはトリフルオロメチル基を意味すると解される。
【0044】
本発明の好ましい変形によれば、本発明に係る式(3)の化合物は、図2に記載のスキームAによる上述の式(IV)に相当するビタミンDの非ステロイド性アナログの合成に関与する。
【0045】
このスキームでは、Yは、塩素若しくは臭素原子より選択されるハロゲン原子、または-OSO2R2基を表し、Zはヒドロキシル基または-NHR8基を表し、R8は1から3の炭素原子の直鎖若しくは分枝のアルキル基を表し、R、R1、R4、R5、R6、R7、及びXは上述のものである。
【0046】
工程a)は、本発明の式(3)の化合物のカップリングのための反応に相当する。
【0047】
【化7】

【0048】
上記の反応は式(II)の化合物を使用する。
【0049】
【化8】

【0050】
2つの反応性官能基 -CH2-Y-及びZの間のカップリング反応によって(Y及びXは上述のものである)、式(III)の化合物の生成のために結合 -CH2-X-の形成を生じさせる。
【0051】
【化9】

【0052】
工程b)は、式(IV)の化合物の生成のための、式(3)の化合物より得られる式(III)の化合物の(5H,9H)-6,8-ジオキサベンゾシクロヘプテン環に含まれる3及び4位の2つの隣接したベンジルアルコール官能基の脱保護のための従来の方法に相当する。
【0053】
【化10】

【0054】
本発明の他の好ましい変形例によれば、式(IV')の非ステロイド性アナログ(Xが-NH-を表す式(IV)のアナログ)は、図3に記載のスキームA'によって、本発明に係る式(4)の化合物と式(II')の化合物(Zが-NH2を表す式(II)の化合物)より有利に調製されて良い。
【0055】
このスキームでは、R、R1、R4、R5、R6、及びR7は上述のものである。
【0056】
工程a)は、式(III')の化合物の生成のための、式(4)の化合物のアルデヒド官能基と式(II')の化合物のアミノ官能基の間の従来通りのカップリング反応に相当する。
【0057】
【化11】

【0058】
【化12】

【0059】
【化13】

【0060】
工程b)は、式(IV')の化合物の生成のための、単独の工程で、イミン官能基の還元(水素化)と、式(4)の化合物より得られる(5H,9H)-6,8-ジオキサベンゾシクロヘプテン環に含まれる3及び4位の2つの隣接したベンジルアルコール官能基の脱保護(水素化分解)との双方を可能にする、式(III')の化合物に対する水素化及び水素化分解反応である。
【0061】
【化14】

【0062】
本発明の他の好ましい変形例によれば、式(IV'')の非ステロイドアナログ(Xが-CH2-を表す式(IV)のアナログ)は、図4に記載のスキームA''によって、本発明に係る式(5)の化合物及び式(II'')の化合物(Zがカルボキサルデヒドを表す式(II)の化合物)から有利に調製されて良い。
【0063】
このスキームでは、R、R1、R3、R4、R5、R6、及びR7は上述の通りである。
【0064】
工程a)は、式(III')の化合物の生成のための、式(5)の化合物と式(II'')の化合物の間の従来どおりのいわゆるHorner-Emmons反応に相当する。
【0065】
【化15】

【0066】
【化16】

【0067】
【化17】

【0068】
工程b)は、式(IV'')の化合物の生成のための、単独の工程で、二重結合の還元(水素化)と、式(5)の化合物より得られる(5H,9H)-6,8-ジオキサベンゾシクロヘプテン環に含まれる3及び4位の2つの隣接したベンジルアルコール官能基の脱保護(水素化分解)の双方を可能にする、式(III'')の化合物に対する水素化及び水素化分解反応である。
【0069】
【化18】

【0070】
そのため、本発明は一般式(II)の化合物の使用にも関する。
【0071】
【化19】

【0072】
前記使用は、一般式(IV)のビタミンDの非ステロイド性アナログの調製のための使用である。
【0073】
【化20】

【0074】
式中、
-R4とR5とは、同一または異なるものであり、互いに独立して、1から3の炭素原子を含む直鎖または分枝のアルキル基を表し;
-R6とR7とは同一であり、水素化または過フッ素化されている1から2の炭素原子を含む直鎖または分枝のアルキル基より選択され;
-Xは、-CH2-、-NH-、-NR8-、または-O-を表し、並びに
-R8は1から3の炭素原子の直鎖または分枝のアルキル基を表す。
【0075】
他の主題によれば、本発明は一般式(II')の化合物の使用に関する。
【0076】
【化21】

【0077】
上記の使用は、一般式(IV')のビタミンDの非ステロイド性アナログの調製のための使用である。
【0078】
【化22】

【0079】
式中:
-R4とR5とは、同一または異なるものであり、互いに独立して、1から3の炭素原子を含む直鎖または分枝のアルキル基を表し;
-R6とR7とは同一であり、水素化または過フッ素化されている1から2の炭素原子を含む直鎖または分枝のアルキル基より選択される。
【0080】
最後に、本発明は、一般式(II'')の化合物の使用にも関する。
【0081】
【化23】

【0082】
前記使用は、一般式(IV'')のビタミンDの非ステロイド性アナログの調製のための使用である。
【0083】
【化24】

【0084】
式中:
-R4とR5とは、同一または異なるものであり、互いに独立して、1から3の炭素原子を含む直鎖または分枝のアルキル基を表し;
-R6とR7とは同一であり、水素化または過フッ素化されている1から2の炭素原子を含むアルキル基より選択される。
【0085】
以下の実施例は、任意の様式に限定すること無く、本発明を説明する。
【実施例】
【0086】
(実施例1)
[7-(4-ニトロフェニル)-(5H, 9H)-6,8-ジオキサベンゾシクロヘプテン-2-イル]メタノールの調製
【0087】
【化25】

【0088】
10gの(3,4-ビス-ヒドロキシメチルフェニル)メタノール(59.4mmol)( NAKAZAKI, M.; YAMAMOTO, K. and MIURA, Y.; J. Org. Chem., 43(6), (1978), 1041-1044に従って調製される) 、100mlのトルエン、8.98gの4-ニトロベンズアルデヒド(59.4mmol)、及び0.6gのモンモリロナイトKSF(10mg/mmol)をDean-Starkを取り付けたフラスコに導入する。その混合物を還流させながら、2時間30分過熱する。モンモリロナイトを濾過して除き、反応媒質を攪拌しながら室温まで戻す。その反応生成物を結晶化させる。濾過して、真空条件下、50℃で乾燥した後、11.2gの[7-(4-ニトロフェニル)-(5H, 9H)-6,8-ジオキサベンゾシクロヘプテン-2-イル]メタノールが得られる。
【0089】
収率=58%
融点=146℃
1H NMR (DMSO d6; 400.132 MHz) d (ppm): 4.49 (d; 2H; J=5.6Hz); 4.91 (d; 2H; J=14.1Hz); 5.13 (dd; 2H; J=5.7Hz and J=14.1Hz); 5.20 (t; 1H; J=5.6Hz); 6.12 (s; 1H); 7.24 (m; 3H); 7.73 (d; 2H; J=8.7Hz); 8.24 (dd; 2H; J=1.9Hz and J=7.0Hz)。
【0090】
(実施例2)
(7,7-スピロシクロヘキシル-(5H, 9H) -6,8-ジオキサベンゾシクロヘプテン-2-イル)メタノールの調製
【0091】
【化26】

【0092】
4gの(3,4-ビス-ヒドロキシメチルフェニル)メタノール(23.8mmol)、50mlのトルエン、2.57gのシクロヘキサノン(26.2mmol)、及び0.24gのモンモリロナイトKSF(10mg/mmol)をDean-Starkを取り付けたフラスコに導入する。その反応媒質を還流させながら、2時間30分過熱する。モンモリロナイトの濾過後、トルエンを真空条件下、30℃で蒸発させる。5.4gの予想される粗生成物が得られる。シリカゲルクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチル=3/2)の後、1.3gの(7,7-スピロシクロヘキシル-(5H, 9H) -6,8-ジオキサベンゾシクロヘプテン-2-イル)メタノールが得られる。
【0093】
収率=22%
融点=96-98℃
1H NMR (DMSO d6; 400.132 MHz) d (ppm): 1.40 (m; 2H); 1.50 (m; 4H); 1.72 (m; 4H); 4.44 (d; 2H; J=5.7Hz); 4.77 (s; 2H); 4.78 (s; 2H); 5.13 (t; 1H; J=5.7Hz); 7.06 (m; 3H)。
【0094】
(実施例3)
(7-メトキシ-(5H, 9H)-6,8-ジオキサベンゾシクロヘプテン-2-イル)メタノールの調製
【0095】
【化27】

【0096】
4gの(3,4-ビス-ヒドロキシメチルフェニル)メタノール(23.8mmol)、40mlの1,2-ジメトキシエタン、2.78gのメチルオルトホルメート(26.2mmol)、及び0.24gのモンモリロナイトKSF(10mg/mmol)をフラスコに導入する。その反応媒質を室温で4時間30分攪拌し、次いでモンモリロナイトを濾過して除き、1,2-ジメトキシエタンを真空条件下において30℃で蒸発させる。その残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=98/2)にかけて、3.2gの(7-メトキシ-(5H, 9H)-6,8-ジオキサベンゾシクロヘプテン-2-イル)メタノールを油の形態で得る。
【0097】
収率=64%
1H NMR (DMSO d6; 400.132 MHz) d (ppm): 3.35 (s; 3H); 4.46 (d; 2H; J=5.7Hz); 4.66 (d; 2H; J=14.9Hz); 4.94 (dd; 2H; J=5.9Hz and J=14.8Hz); 5.16 (t; 1H; J=5.7Hz); 7.13 (m; 3H)
【0098】
(実施例4)
(7-フェニル-(5H, 9H)-6,8-ジオキサベンゾシクロヘプテン-2-イル)メタノールの調製
【0099】
【化28】

【0100】
4gの(3,4-ビス-ヒドロキシメチルフェニル)メタノール(23.8mmol)、40mlのトルエン、3.06gのベンズアルデヒド(28.5mmol)、及び0.24gのモンモリロナイトKSF(10mg/mmol)をDean-Starkを取り付けたフラスコに導入する。その反応媒質を還流しながら、3時間過熱する。濾過後、トルエンを真空条件下において30℃で蒸発させる。その残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチル=7/3)にかけ、1.8gの(7-フェニル-(5H, 9H)-6,8-ジオキサベンゾシクロヘプテン-2-イル)メタノールを白色粉末の形態で得る。
【0101】
収率=30%
融点=113℃-114℃
1H NMR (DMSO d6; 400.132 MHz) d (ppm): 4.49 (d; 2H; J=5.6Hz); 4.87 (d; 2H; J=14.1Hz); 5.05 (dd; 2H; J=5.2Hz and J=14.1Hz); 5.18 (t; 1H; J=5.6Hz); 5.97 (s; 1H); 7.21 (m; 3H); 7.38 (m; 3H); 7.45 (m; 2H)
【0102】
(実施例5)
(7,7-ジメチル-(5H, 9H)-6,8-ジオキサベンゾシクロヘプテン-2-イル)メタノールの調製
【0103】
【化29】

【0104】
5gの(3,4-ビス-ヒドロキシメチルフェニル)メタノール(29.7mmol)、25mlの2,2-ジメトキシプロパン(21.2g;0.2mmol)、及び0.29gのp-トルエンスルホン酸(1.5mmol)をフラスコに導入する。1時間10分、室温で攪拌した後、溶媒を真空条件下において30℃で蒸発させ、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール/アンモニア水=98/2/0.1)にかける。5.98gの(7,7-ジメチル-(5H, 9H)-6,8-ジオキサベンゾシクロヘプテン-2-イル)メタノールを白色粉末の形態で得る。
【0105】
収率=96%
1H NMR (CDCl3; 400.132 MHz) d (ppm): 1.52 (s; 6H); 4.6 (s; 2H); 4.87 (s; 4H); 7.08 (m; 2H); 7.18 (m; 1H)。
【0106】
(実施例6)
2-クロロメチル-7-(4-ニトロフェニル)-(5H,9H)-6,8-ジオキサベンゾシクロヘプテンの調製
【0107】
【化30】

【0108】
15mlのジクロロメタン中の1.5g(5mmol)の[7-(4-ニトロフェニル)-(5H,9H)-6,8-ジオキサベンゾシクロヘプテン-2-イル]メタノールをフラスコに導入する。0.76g(7.5mmol)のトリエチルアミンを添加し、1g(5.4mmol)のp-トルエンスルホニルクロリドを少量ずつ室温で添加する。反応の20時間後に溶媒を蒸発させ、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチル:4/1)によって精製し、0.6gの2-クロロメチル-7-(4-ニトロフェニル)-(5H,9H)-6,8-ジオキサベンゾシクロヘプテンを得る。
【0109】
収率=38%
融点=138℃-140℃
1H NMR (DMSO d6; 400.132 MHz) d (ppm): 4.76 (s; 2H); 4.93 (d; 2H; J=14.2Hz); 5.14 (d; 2H; J=14.2Hz); 6.14 (s; 1H); 7.34 (m; 3H); 7.73 (d; 2H; J=8.7Hz); 8.25 (d; 2H; J=8.7Hz)。
【0110】
(実施例7)
メタンスルホン酸[7-(4-ニトロフェニル)-(5H,9H)-6,8-ジオキサベンゾシクロヘプテン-2-イル]メチルエステルの調製
【0111】
【化31】

【0112】
50mlのジクロロメタン中の3g(10mmol)の[7-(4-ニトロフェニル)-(5H,9H)-6,8-ジオキサベンゾシクロヘプテン-2-イル]メタノールをフラスコに導入する。1.54g(12mmol)のジイソプロピルエチルアミンを添加して、10mlのジクロロメタンの溶液中の1.37g(12mmol)のメシルクロリドを-5℃で滴々と添加する。-5℃で1時間30分反応させた後に20mlの5%ナトリウムビカーボネート溶液を添加し、デカンテーションによって相を分離して、有機相を水で洗浄する。それを硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を蒸発させる。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチル:3/2)によって精製し、0.6gのメタンスルホン酸[7-(4-ニトロフェニル)-(5H,9H)-6,8-ジオキサベンゾシクロヘプテン-2-イル]メチルエステルを得る。
【0113】
収率:16%
1H NMR (CDCl3; 400.132 MHz) d (ppm): 2.97 (s; 3H); 5.01 (m; 4H); 5.24 (s; 2H); 6.01 (s; 1H); 7.26 (m; 2H); 7.33 (dd; 1H; J=1.4Hz and J=7.6Hz); 7.77 (d; 2H; J=8.6Hz); 8.26 (dd; 2H; J=1.8Hz and J=7.0Hz)
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】1,2,4-ベンゼントリカルボン酸のトリアルキルエステルより一般式(I)の化合物を調製するための本発明の反応スキームを示す。
【図2】式(IV)に相当するビタミンDの非ステロイド性アナログの合成に関与するスキームAを示す。
【図3】式(IV')の非ステロイド性アナログ(Xは-NH-を表す)を、本発明に係る式(4)の化合物と式(II')の化合物(Zは-NH2を表す)より有利に調製するスキームA'を示す。
【図4】式(IV'')の非ステロイドアナログ(Xは-CH2-を表す)を、本発明に係る式(5)の化合物及び式(II'')の化合物(Zはカルボキサルデヒド)から有利に調製するスキームA''を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I):
【化1】

[式中:
-Aは、-CH2-Y基またはカルボキサルデヒド基 -C(=O)Hを表し;
-Yは、塩素または臭素のようなハロゲン原子、ヒドロキシル基、-OSO2R2基、及びP(O)(OR3)2基より選択され;
-RとR1とは同一または異なっており、互いに独立して、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、並びに塩素、臭素、ヨウ素、若しくはフッ素原子から選択されるハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基、及びニトロ基より選択される、1、2、3、4、または5の置換基で任意に置換されているアリール基から選択され;
-RとR1とは共に、RとR1とを有する炭素原子と5または6の炭素原子の環を形成して良い;
-R2は、アルキル基またはアリール基を表し;及び
-R3は、アルキル基を表す;
Aが-CH2OH基である際は、RとR1とは同時にメチル基となり得ないと解される]
の7,7-二置換(5H,9H)-6,8-ジオキサベンゾシクロヘプテン化合物及びその光学異性体。
【請求項2】
RまたはR1の少なくとも1つが水素を表さないことを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
前記1から4の炭素原子を有するアルキル基が、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、2-メチルプロピル、ブチル、sec-ブチル、及びtert-ブチル基より選択されることを特徴とする、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
前記アルコキシ基が、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、sec-ブトキシ、及びtert-ブトキシ基より選択されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
前記アリール基がフェニル、ナフチル、及びピリジルより選択されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
RとR1とが共に、RとR1とを有する炭素原子と、シクロペンタン基及びシクロヘキサン基より選択される5または6の炭素原子の環を形成することを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
Aが-CH2-Y基を表し、Yが塩素若しくは臭素原子、OSO2R2基、またはP(O)(OR3)2基を表し、Rが水素原子を表し、R1がニトロフェニル基を表し、またはRとR1とがこの逆のものであることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
Aが-CH2-Y基を表し、Yがヒドロキシル基を表し、Rが水素原子を表し、及びR1がニトロフェニル基を表す、またはRとR1とがこの逆のものであることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
式(I):
【化2】

[式中:
-Aは、-CH2-Y基またはカルボキサルデヒド基 -C(=O)Hを表し;
-Yは、塩素または臭素のようなハロゲン原子、ヒドロキシル基、-OSO2R2基、及びP(O)(OR3)2基より選択され;
-RとR1とは同一または異なっており、互いに独立して、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、並びに塩素、臭素、ヨウ素、若しくはフッ素原子から選択されるハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基、及びニトロ基より選択される、1、2、3、4、または5の置換基で任意に置換されているアリール基から選択され;
-RとR1とは共に、RとR1とを有する炭素原子と5または6の炭素原子の環を形成して良い;
-R2は、アルキル基またはアリール基を表し;及び
-R3は、アルキル基を表す]
の化合物を調製する方法であって、
-工程1では、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸のトリアルキルエステルを、非プロトン性溶媒中で還元反応にかけ、(3,4-ビス-ヒドロキシメチルフェニル)メタノールを得る、
-工程2では、前記(3,4-ビス-ヒドロキシメチルフェニル)メタノールを、触媒の存在下で、非プロトン性溶媒中で式R-CO-R1のケトンまたはアルデヒドを使用する反応によって、3及び4位の2つの隣接したベンジルアルコール官能基の選択的な保護反応にかけ、一般式(2):
【化3】

の化合物を得る、
-工程3(a)では、式(2)の化合物を、誘導体R2SO2Clを使用する反応によって式(3):
【化4】

[式中、Yは、塩素または臭素原子から選択されるハロゲン原子、あるいは-OSO2R2基を表す]
の化合物に変換する、
-工程4では、トリアルキルホスファイト誘導体P(OR3)3を使用する反応によって、式(3)の化合物を式(5):
【化5】

の化合物に変換する、
ことを特徴とする方法。
【請求項10】
式(I):
【化6】

[式中:
-Aは、-CH2-Y基またはカルボキサルデヒド-C(=O)H基を表し;
-Yは、塩素または臭素のようなハロゲン原子、ヒドロキシル基、-OSO2R2基、及びP(O)(OR3)2基より選択され;
-RとR1とは同一または異なっており、互いに独立して、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、並びに塩素、臭素、ヨウ素、若しくはフッ素原子から選択されるハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基、またはニトロ基より選択される、1、2、3、4、または5の置換基で任意に置換されているアリール基から選択され;
-RとR1とは共に、RとR1とを有する炭素原子と5または6の炭素原子の環を形成して良い;
-R2は、アルキル基またはアリール基を表し;及び
-R3は、アルキル基を表す]
の化合物を調製する方法であって、
-工程1では、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸のトリアルキルエステルを、非プロトン性溶媒中で還元反応にかけ、(3,4-ビス-ヒドロキシメチルフェニル)メタノールを得る、
-工程2では、前記(3,4-ビス-ヒドロキシメチルフェニル)メタノールを、触媒の存在下で、非プロトン性溶媒中で式R-CO-R1のケトンまたはアルデヒドを使用する反応によって、3及び4位の2つの隣接したベンジルアルコール官能基の選択的な保護反応にかけ、一般式(2):
【化7】

の化合物を得る、
-工程3(b)では、式(2)の化合物を酸化剤の作用による酸化反応によって、式(4):
【化8】

の化合物を得る、
ことを特徴とする方法。
【請求項11】
下式(2):
【化9】

[式中、RとR1とは同一または異なっており、互いに独立して、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、並びに塩素、臭素、ヨウ素、若しくはフッ素原子より選択されるハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基、及びニトロ基より選択される1、2、3、4、または5の置換基で任意に置換されているアリール基から選択され、RとR1とが同時にメチル基でないことを条件に、RとR1とは共に、RとR1とを有する炭素原子と5または6の炭素原子の環を形成して良い]
の化合物。
【請求項12】
下式(3):
【化10】

[式中、:
-Yは、塩素若しくは臭素より選択されるハロゲン原子、または-OSO2R2基を表し、
-RとR1とは同一または異なっており、互いに独立して、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、並びに塩素、臭素、ヨウ素、若しくはフッ素原子より選択されるハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基、及びニトロ基より選択される1、2、3、4、または5の置換基で任意に置換されているアリール基から選択され、RとR1とが共に、RとR1とを有する炭素原子と5または6の炭素原子の環を形成しても良く、並びに
-R2はアルキル基またはアリール基を表す]
の化合物。
【請求項13】
下式(4):
【化11】

[式中、RとR1とは同一または異なっており、互いに独立して、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、並びに塩素、臭素、ヨウ素、若しくはフッ素原子より選択されるハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基、及びニトロ基より選択される1、2、3、4、または5の置換基で任意に置換されているアリール基から選択され、RとR1とは共に、RとR1とを有する炭素原子と5または6の炭素原子の環を形成して良い]
の化合物。
【請求項14】
下式(5):
【化12】

[式中、RとR1とは同一または異なっており、互いに独立して、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、並びに塩素、臭素、ヨウ素、若しくはフッ素原子より選択されるハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基、及びニトロ基より選択される1、2、3、4、または5の置換基で任意に置換されているアリール基から選択され、RとR1とは共に、RとR1とを有する炭素原子と5または6の炭素原子の環を形成して良く、R3はアルキル基を表す]
の化合物。
【請求項15】
一般式(I):
【化13】

[式中:
-Aは、-CH2-Y基またはカルボキサルデヒド基 -C(=O)Hを表し;
-Yは、塩素または臭素から選択されるハロゲン原子、ヒドロキシル基、-OSO2R2基、及びP(O)(OR3)2基より選択され;
-RとR1とは同一または異なっており、互いに独立して、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、並びに塩素、臭素、ヨウ素、若しくはフッ素原子から選択されるハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基、またはニトロ基より選択される、1、2、3、4、または5の置換基で任意に置換されているアリール基から選択され;
-RとR1とは共に、RとR1とを有する炭素原子と5または6の炭素原子の環を形成して良い;
-R2は、アルキル基またはアリール基を表し;及び
-R3は、アルキル基を表す]
の化合物及びその任意の光学異性体の、ビタミンDの非ステロイド性アナログの合成のための使用。
【請求項16】
前記一般式(I)の化合物が、下式(2):
【化14】

の化合物であることを特徴とする、請求項15に記載の使用。
【請求項17】
前記一般式(I)の化合物が、下式(3):
【化15】

[式中、Yは、塩素若しくは臭素より選択されるハロゲン原子、または-OSO2R2基を表す]
の化合物であることを特徴とする、請求項15に記載の使用。
【請求項18】
前記一般式(I)の化合物が、下式(4):
【化16】

の化合物であることを特徴とする、請求項15に記載の使用。
【請求項19】
前記一般式(I)の化合物が、下式(5):
【化17】

の化合物であることを特徴とする、請求項15に記載の使用。
【請求項20】
下式(IV):
【化18】

[式中、
-R4とR5とは同一または異なっており、互いに独立して、1から3の炭素原子を含む直鎖または分枝のアルキル基を表し;
-R6とR7とは同一であり、水素化または過フッ素化されている1から2の炭素原子を含む直鎖または分枝のアルキル基より選択され;
-Xは、-CH2-、-NH-、-NR8-、または-O-を表し、並びに
-R8は、1から3の炭素原子の直鎖または分枝のアルキル基を表す]
のビタミンDの非ステロイド性アナログの合成のための、請求項15から19のいずれか一項に記載の使用。
【請求項21】
少なくとも1つの工程が、以下の一般式(I):
【化19】

[式中:
-Aは、-CH2-Y基またはカルボキサルデヒド基 -C(=O)Hを表し;
-Yは、塩素または臭素から選択されるハロゲン原子、ヒドロキシル基、-OSO2R2基、及びP(O)(OR3)2基より選択され;
-RとR1とは同一または異なっており、互いに独立して、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、並びに塩素、臭素、ヨウ素、若しくはフッ素原子から選択されるハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基、またはニトロ基より選択される、1、2、3、4、または5の置換基で任意に置換されているアリール基から選択され;
-RとR1とは共に、RとR1とを有する炭素原子と5または6の炭素原子の環を形成しても良い;
-R2は、アルキル基またはアリール基を表し;並びに
-R3は、アルキル基を表す]
の化合物及びその光学異性体を使用することを特徴とする、ビタミンDの非ステロイド性アナログの合成方法。
【請求項22】
前記ビタミンDの非ステロイド性アナログが、以下の一般式(IV):
【化20】

[式中:
-R4とR5とは同一または異なっており、互いに独立して、1から3の炭素原子を含む直鎖または分枝のアルキル基を表し;
-R6とR7とは同一であり、水素化または過フッ素化されている1から2の炭素原子を含むアルキル基より選択され;
-Xは、-CH2-、-NH-、-NR8-、または-O-を表し、並びに
-R8は、1から3の炭素原子の直鎖または分枝のアルキル基を表す]
の化合物であることを特徴とする、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
a)本発明の式(3):
【化21】

の化合物と式(II):
【化22】

の化合物との、式(III):
【化23】

の化合物の生成のための、カップリング反応、
b)式(IV):
【化24】

[式中、Yは塩素若しくは臭素原子より選択されるハロゲン原子または-OSO2R2基を表し、Zはヒドロキシル基または-NHR8基を表し、R8は1から3の炭素原子の直鎖または分枝のアルキル基を表す]
の化合物の生成のための、式(3)の化合物より得られる式(III)の化合物の(5H,9H)-6,8-ジオキサベンゾシクロヘプテン環に含まれる3及び4位の2つの隣接したベンジルアルコール官能基の脱保護反応、
の工程を含むことを特徴とする、請求項21または22に記載の方法。
【請求項24】
a)式(4):
【化25】

の化合物のアルデヒド官能基と、式(II'):
【化26】

の化合物のアミン官能基との間の、式(III'):
【化27】

の化合物を生成するためのカップリング反応、
b)式(IV'):
【化28】

の化合物の生成のための、イミン官能基の還元、及び式(4)の化合物から得られる(5H,9H)-6,8-ジオキサベンゾシクロヘプテン環に含まれる3及び4位の2つの隣接したベンジルアルコール官能基の脱保護(水素化分解)を誘導する、式(III')の化合物に対する水素化及び水素化分解反応
の工程を含むことを特徴とする、請求項21または22に記載の方法。
【請求項25】
a)式(5):
【化29】

の化合物と、式(II''):
【化30】

の化合物との間の、式(III'')
【化31】

の化合物の生成のためのいわゆるHorner-Emmons反応、
b)化合物(IV''):
【化32】

の生成のための、二重結合の還元(水素化)、及び式(5)の化合物から得られる(5H,9H)-6,8-ジオキサベンゾシクロヘプテン環に含まれる3及び4位の2つの隣接したベンジルアルコール官能基の脱保護(水素化分解)を誘導する、式(III'')の化合物に対する水素化及び水素化分解反応
の工程を含むことを特徴とする、請求項21または22に記載の方法。
【請求項26】
一般式(II):
【化33】

の化合物の、一般式(IV):
【化34】

[式中、
-R4とR5とは同一または異なっており、互いに独立して、1から3の炭素原子を含む直鎖または分枝のアルキル基を表し;
-R6とR7とは同一であり、水素化または過フッ素化されている1から2の炭素原子を含む直鎖または分枝のアルキル基より選択され;
-Xは、-CH2-、-NH-、-NR8-、または-O-を表し、並びに
-R8は、1から3の炭素原子の直鎖または分枝のアルキル基を表す]
のビタミンDの非ステロイド性アナログの調製のための使用であって、一般式(II)の化合物を一般式(3):
【化35】

の化合物とカップリングさせることを特徴とする使用。
【請求項27】
一般式(II'):
【化36】

の化合物の、一般式(IV'):
【化37】

[式中:
-R4とR5とは同一または異なっており、互いに独立して、1から3の炭素原子を含む直鎖または分枝のアルキル基を表し;
-R6とR7とは同一であり、水素化または過フッ素化されている1から2の炭素原子を含む直鎖または分枝のアルキル基より選択される]
のビタミンDの非ステロイド性アナログの調製のための使用であって、一般式(II')の化合物を一般式(4):
【化38】

の化合物とカップリングさせることを特徴とする使用。
【請求項28】
一般式(II''):
【化39】

の化合物の、一般式(IV''):
【化40】

[式中:
-R4とR5とは同一または異なっており、互いに独立して、1から3の炭素原子を含む直鎖または分枝のアルキル基を表し;
-R6とR7とは同一であり、水素化または過フッ素化されている1から2の炭素原子を含むアルキル基より選択される]
のビタミンDの非ステロイド性アナログの調製のための使用であって、一般式(II'')の化合物を一般式(5):
【化41】

の化合物とカップリングさせることを特徴とする使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−537215(P2007−537215A)
【公表日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−512290(P2007−512290)
【出願日】平成17年5月13日(2005.5.13)
【国際出願番号】PCT/FR2005/001210
【国際公開番号】WO2005/116007
【国際公開日】平成17年12月8日(2005.12.8)
【出願人】(599045604)ガルデルマ・リサーチ・アンド・デヴェロップメント (117)