説明

1−アルキル−3−アミノインダゾール

1−アルキルインダゾールを製造する方法が記載される。その方法は、2−アルキルアミノベンゾニトリルをニトロソ化剤と反応させ、続いてその得られるニトロソアミンの還元−環化により、1−アルキル−3−アミノインダゾールを生成する工程を包含する。その1−アルキル−3−アミノインダゾールは、脱アミノ化され1−アルキルインダゾールを生成し得、この1−アルキルインダゾールは、最終的に、好ましくは薬学的に活性な生成物である所望のインダゾールを生成するために用いられ得る。本発明のプロセスは、アミノアルキルインダゾールなどの、鏡像異性に関して一方に富んだインダゾールまたは鏡像異性に関して純粋なインダゾールの生成をさらに許容する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の背景)
(1.発明の分野)
本発明は、1−アルキルインダゾールの調製のための中間体として有用な1−アルキル−3−アミノインダゾールおよび好ましくは1−(ヒドロキシアルキル)−3−アミノインダゾールに関する。中間体としての1−アルキル−3−アミノインダゾールの使用は、所望でない副生成物を回避し、鏡像異性に関して純粋な最終の薬学的に活性な生成物をもたらす。
【背景技術】
【0002】
(2.関連技術の説明)
所定の(アミノアルキル)インダゾールが中枢神経系の疾患を処置するために有用であることは公知である(WO98/30548)。WO02/098861A1およびWO02/098862A1は、(アミノアルキル)インダゾールの調製方法を開示する。特に、これらの適用は、2−(ヒドロキシアルキル)アミノベンズアルデヒドの1−(ヒドロキシアルキル)インダゾールへの変換を開示し、この1−(ヒドロキシアルキル)インダゾールは、1−(アミノアルキル)インダゾールの調製のための有用な中間体である。
【0003】
以下の参考文献は、一般に、1−アルキル−3−アミノインダゾールを記載する:米国特許第3,725,431号、第3,681,382号、第3,133,081号、ドイツ国特許第DE2,248,175号;Kawakuboら(1987);Vivonaら(1979);Bouchetら(1980)、Parnell(1959)。際立って、FinchおよびGschwend(1971)は、2−ベンジルアミノベンゾニトリル(N−ベンジルアントラニロニトリル)のニトロソ化およびそれに続く還元が非環化のヒドラジノベンゾニトリルを生成することを教示する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
望ましくない異性体を回避し、そして大量の上記所望の化合物を生産することができる、1−(アミノアルキル)インダゾールを製造するためのさらなるプロセスおよび中間体を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本出願において参照されるすべての特許、特許出願、および刊行物は、それらの全体が援用され、本出願の一部を構成する。
【0006】
(発明の要旨)
本発明は、スケールアップでき、効率的に大量の1−(アミノアルキル)インダゾールを製造する方法を提供することにより、上記の問題および先行技術の他の欠点を克服する。より特定すれば、本発明は、大量の望ましくない異性体または副生成物を回避しつつ、1−(アミノアルキル)インダゾールを大量に製造する方法を提供する。
【0007】
これらの利点および他の利点を達成するために、そして本発明の目的に合致して、本明細書中に具体化され適切に記載されるように、本発明は、1−アルキルインダゾールを製造する方法に関し、この方法は、以下:
a)2−アルキルアミノベンゾニトリルのニトロソ化および還元−環化により、1−アルキル−3−アミノインダゾールを生成する工程;ならびに
b)この1−アルキル−3−アミノインダゾールの脱アミノ化により、1−アルキルインダゾールを生成する工程
を包含する。
【0008】
好ましい実施形態では、本発明は、1−(ヒドロキシアルキル)インダゾールを製造する方法に関し、この方法は、以下:
a)2−(ヒドロキシアルキル)アミノベンゾニトリルのニトロソ化および還元−環化により、1−(ヒドロキシアルキル)−3−アミノインダゾールを生成する工程;ならびに
b)1−(ヒドロキシアルキル)−3−アミノインダゾールの脱アミノ化により、1−(ヒドロキシアルキル)インダゾールを生成する工程
を包含する。
【0009】
本発明のさらなる特徴および利点は、一部分は、以下の記載中に示されるか、または本発明の実施により学ばれ得る。本発明の目的および他の利点は、本明細書中および添付される特許請求の範囲中で特に示される要素および組み合わせによって、実現され達成される。上記の一般的な記載および以下の詳細な説明はともに、例示のためおよび説明のためのものに過ぎず、主張されるように、本発明のさらなる説明を提供することを意図されていることは理解されるべきである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
(発明の詳細な説明)
本発明は1−アルキル−3−アミノインダゾールに関する。より特定すれば、本発明は、1−アルキルインダゾールを製造するための中間体としての1−アルキル−3−アミノインダゾールの使用に関する。本発明の好ましい実施形態は、1−(ヒドロキシアルキル)−3−アミノインダゾールに関し、特に、1−(アミノアルキル)インダゾールを製造するための1−(ヒドロキシアルキル)−3−アミノインダゾールの使用に関する。本発明の方法に従って製造され得るこの1−(アミノアルキル)インダゾールは、好ましくは、鏡像異性に関して純粋な生成物であり、この生成物は、好ましくは、緑内障の処置などにおいて薬理学的に活性な生成物として有用であり、そして/または正常の眼内圧もしくは上昇した眼内圧を下げ、そして制御するために有用である。本明細書中に記載される方法は、酢酸の除去に関連する問題を回避し、そしてスケールアップが可能で薬学的組成物の処方のための大量の物質を生産し得る。
【0011】
WO02/098862A1およびWO02/098861A1に示されるような、1−(ヒドロキシアルキル)インダゾールを生産するための先行のプロセスにおいては、その反応は、2−(ヒドロキシアルキル)アミノベンズアルデヒドのニトロソ化および引き続く還元−環化を経て進行し、1−(ヒドロキシアルキル)インダゾールを生成する。これらの工程は、好ましい溶媒として酢酸を利用したが、この酢酸は、その溶媒として、除去することが困難であり、その副生成物は除去が困難であった。一方で、本発明のプロセスは、容易に除去される溶媒を使用し、容易に除去される副生成物を生産する。
【0012】
本発明の方法においては、1−アルキルインダゾールは、2−アルキルアミノベンゾニトリルをニトロソ化し、引き続く還元および環化により1−アルキル−3−アミノインダゾールを生成することにより製造され得る。このアミノインダゾールは、次いで脱アミノ化され、1−アルキルインダゾールを生成し得る。本発明の方法に従って調製され得る1−アルキルインダゾールの中で好ましいのは、式:
【0013】
【化3】

の1−アルキルインダゾールであり、ここでRは、必要に応じてフェニル、メトキシフェニル、(ジメチルアミノ)フェニル、OR、OC(=O)R、OC(=O)OR、N(R、N(R)C(=O)R、N(R)C(=O)OR、または1つ以上のF原子で置換されたC〜C12の(ヒドロキシ)アルキル基であり:
、R、RおよびRは、独立して、H、F、Cl、Br、CF、OH、OR、OC(=O)R、OC(=O)OR、N(R、N(R)C(=O)R、N(R)C(=O)OR、NO、CN、N、SH、S(O)、C(=O)R、COOH、COOR、CON(R、必要に応じてフェニル、メトキシフェニル、(ジメチルアミノ)フェニル、C(=O)R、COOH、COOR、CON(R、CN、OR、OC(=O)R、OC(=O)OR、N(R、N(R)C(=O)R、もしくはN(R)C(=O)ORで置換されたC〜Cのアルキルであるか;またはRおよびRは、本明細書に定義されるとおり、一緒になって環を形成するか、もしくはRおよびRは、本明細書に定義されるとおり、一緒になって環を形成するか、もしくはRおよびRは、本明細書に定義されるとおり、一緒になって環を形成し;
は、必要に応じてフェニル、メトキシフェニル、(ジメチルアミノ)フェニル、メトキシ、エトキシ、ベンジルオキシで置換された、もしくは1つ以上のF原子で置換されたC〜Cのアルキルであるか、またはRは、フェニル、メトキシフェニル、もしくは(ジメチルアミノ)フェニルであり;そして
nは、0、1、または2である。
【0014】
上記式の1−アルキルインダゾールの中で最も好ましいのは、Rが、必要に応じてフェニル、OR、N(R)C(=O)R、N(R)C(=O)ORで置換された、または1つ以上のF原子で置換されたC〜Cの(ヒドロキシ)アルキルであり:
、R、RおよびRが、独立して、H、F、Cl、CF、OR、OC(=O)R、OC(=O)OR、N(R、N(R)C(=O)R、N(R)C(=O)OR、NO、CN、C(=O)R、COOR、CON(R、必要に応じてフェニル、C(=O)R、COOR、CON(R、CN、OR、OC(=O)R、OC(=O)OR、N(R、N(R)C(=O)R、もしくはN(R)C(=O)ORで置換されたC〜Cのアルキルであるか;またはRおよびRは、本明細書に定義されるとおり、一緒になって環を形成するか、もしくはRおよびRは、本明細書に定義されるとおり、一緒になって環を形成するか、もしくはRおよびRは、本明細書に定義されるとおり、一緒になって環を形成し;
は、必要に応じてフェニル、メトキシフェニル、メトキシ、ベンジルオキシ、または1つ以上のF原子で置換されたC〜Cのアルキルである、1−アルキルインダゾールである。
【0015】
本発明の好ましい実施形態では、ニトロソ化は、2−(ヒドロキシアルキル)アミノベンゾニトリルについて実施され、引き続く還元および環化を経て、1−(ヒドロキシアルキル)−3−アミノインダゾールを生成し得る。この1−(ヒドロキシアルキル)−3−アミノインダゾールは、次いで脱アミノ化され、1−(ヒドロキシアルキル)インダゾールを生成し得る。
【0016】
好ましくは、ニトロソ化/還元−環化および脱アミノ化の工程は、容易に除去可能な溶媒を使用して実施される。本発明の方法における使用のための好ましい溶媒としては、テトラヒドロフランおよびメタノールが挙げられる。この1−(ヒドロキシアルキル)インダゾールは、次いでさらに反応され、好ましくは鏡像異性に関して純粋であり、そして好ましくは薬学的に活性な生成物である所望の1−(アミノアルキル)インダゾールを生成し得る。この1−(ヒドロキシアルキル)インダゾールは、スルホニルハライドまたはスルホン酸無水物と反応させられ、対応するスルホン酸エステルを生成し得る。このスルホン酸エステルは、金属アジドと反応され、1−(アジドアルキル)インダゾールを与え得、この1−(アジドアルキル)インダゾールは、今度は水素源および触媒と反応させられ1−(アミノアルキル)インダゾールを与え得る。エタノールなどの有機溶媒の存在下、この水素源は、好ましくは、ギ酸アンモニウムであり、上記触媒は、好ましくは、炭担持パラジウムである。
【0017】
好ましくは、上記2−(ヒドロキシアルキル)アミノベンゾニトリルは、式:
【0018】
【化4】

を有する。
【0019】
この式では、Rは、少なくとも一つのOH基で置換され、そして必要に応じてフェニル、メトキシフェニル、(ジメチルアミノ)フェニル、OR、OC(=O)R、OC(=O)OR、N(R、N(R)C(=O)R、N(R)C(=O)OR、または1つ以上のF原子で置換されたC〜C12のアルキル基であり;R、R、RおよびRは、独立して、H、F、Cl、Br、CF、OH、OR、OC(=O)R、OC(=O)OR、N(R、N(R)C(=O)R、N(R)C(=O)OR、NO、CN、N、SH、S(O)、C(=O)R、COOH、COOR、CON(R、必要に応じてフェニル、メトキシフェニル、(ジメチルアミノ)フェニル、C(=O)R、COOH、COOR、CON(R、CN、OR、OC(=O)R、OC(=O)OR、N(R、N(R)C(=O)R、もしくはN(R)C(=O)ORで置換されたC〜Cのアルキルであるか;またはRおよびRは、本明細書に定義されるとおり、一緒になって環を形成するか、もしくはRおよびRは、本明細書に定義されるとおり、一緒になって環を形成するか、もしくはRおよびRは、本明細書に定義されるとおり、一緒になって環を形成し;Rは、必要に応じてフェニル、メトキシフェニル、(ジメチルアミノ)フェニル、メトキシ、エトキシ、ベンジルオキシ、もしくは1つ以上のF原子で置換されたC〜Cのアルキルであるか、またはRは、フェニル、メトキシフェニル、もしくは(ジメチルアミノ)フェニルであり;そしてnは、0、1、または2である。
【0020】
より好ましくは、Rは、少なくとも一つのOH基で置換され、そして必要に応じてフェニル、OR、N(R)C(=O)R、N(R)C(=O)OR、または1つ以上のF原子で置換されたC〜Cのアルキル基であり:R、R、RおよびRは、独立して、H、F、Cl、CF、OR、OC(=O)R、OC(=O)OR、N(R、N(R)C(=O)R、N(R)C(=O)OR、NO、CN、C(=O)R、COOR、CON(R、必要に応じてフェニル、C(=O)R、COOR、CON(R、CN、OR、OC(=O)R、OC(=O)OR、N(R、N(R)C(=O)R、もしくはN(R)C(=O)ORで置換されたC〜Cのアルキルであるか;またはRおよびRは、本明細書に定義されるとおり、一緒になって環を形成するか、もしくはRおよびRは、本明細書に定義されるとおり、一緒になって環を形成するか、もしくはRおよびRは、本明細書に定義されるとおり、一緒になって環を形成し;Rは、必要に応じてフェニル、メトキシフェニル、メトキシ、ベンジルオキシ、もしくは1つ以上のF原子で置換されたC〜Cのアルキルであるか、またはRは、フェニルもしくはメトキシフェニルである。
【0021】
本発明の方法において使用される2−アルキルアミノベンゾニトリルは、多くの反応スキームにより調製され得る。例えば、その2−アルキルアミノベンゾニトリルは、有機溶媒中で、2−フルオロベンゾニトリルをアルキルアミンと反応させることにより生成され得る。好ましい実施形態では、そのアルキルアミンは、ヒドロキシアルキルアミンであり、その生成物は2−(ヒドロキシアルキル)アミノベンゾニトリルである。例えば、2−フルオロベンゾニトリルは、有機溶媒の存在下で1−アミノ−2−プロパノールと反応させられ、所望の2−(2−ヒドロキシプロピル)アミノベンゾニトリルを与え得る。これらの反応スキームのほかに、他の反応スキームも使用され得、その所望の出発2−アルキルアミノベンゾニトリルを生成し得る。当業者は、本発明を考慮して、本発明の目的のために様々な出発2−アルキルアミノベンゾニトリルを生成し得る。
【0022】
好ましい実施形態の詳細および以下に示されるスキーム1に示されるように、上記ニトロソ化は、(好ましくは、少なくとも1つの有機溶媒の存在下で)、少なくとも1つの有機ニトライトまたは無機ニトライトを添加することにより達成され得る。適切なニトライトの例としては、亜硝酸tert−ブチル、亜硝酸イソブチル、亜硝酸イソアミルまたは亜硝酸ナトリウムが挙げられるが、これらに限定されない。好ましい溶媒としては、エーテルが挙げられるが、これに限定されず、そしてより好ましい溶媒は、テトラヒドロフランである。2つ以上のニトライトの組み合わせまたは混合物が、使用され得る。様々な反応物の組み合わせまたは様々な反応物の混合物が使用され得るという点で、このことは他の反応物に関してもまた真実である。その中間体ニトロソアミンは、有機溶媒の存在下で還元剤で処理され、同時に起こる環化をともなう還元が実施され、好ましい1−(ヒドロキシアルキル)−3−アミノインダゾールを与える。好ましくは、上記還元−環化工程は、その中間体ニトロソアミンの単離なしで実施される。好ましくは、上記還元剤は亜鉛であり、上記還元は、酢酸アンモニウムまたは塩化アンモニウムなどの酸性塩の存在下で実施される。好ましくは、上記有機溶媒はテトラヒドロフランもしくはメタノール、またはテトラヒドロフランおよびメタノールの混合物である。
【0023】
本発明の1−(ヒドロキシアルキル)−3−アミノインダゾールとして挙げられるのは、以下の式:
【0024】
【化5】

の1−(ヒドロキシアルキル)−3−アミノインダゾールであり、ここでRは、必要に応じてフェニル、メトキシフェニル、(ジメチルアミノ)フェニル、OR、OC(=O)R、OC(=O)OR、N(R、N(R)C(=O)R、N(R)C(=O)OR、または1つ以上のF原子で置換されたC〜C12の(ヒドロキシ)アルキル基であり:
、R、RおよびRは、独立して、H、F、Cl、Br、CF、OH、OR、OC(=O)R、OC(=O)OR、N(R、N(R)C(=O)R、N(R)C(=O)OR、NO、CN、N、SH、S(O)、C(=O)R、COOH、COOR、CON(R、必要に応じてフェニル、メトキシフェニル、(ジメチルアミノ)フェニル、C(=O)R、COOH、COOR、CON(R、CN、OR、OC(=O)R、OC(=O)OR、N(R、N(R)C(=O)R、もしくはN(R)C(=O)ORで置換されたC〜Cのアルキルであるか;またはRおよびRは、本明細書に定義されるとおり、一緒になって環を形成するか、もしくはRおよびRは、本明細書に定義されるとおり、一緒になって環を形成するか、もしくはRおよびRは、本明細書に定義されるとおり、一緒になって環を形成し;
は、必要に応じてフェニル、メトキシフェニル、(ジメチルアミノ)フェニル、メトキシ、エトキシ、ベンジルオキシで置換された、もしくは1つ以上のF原子で置換されたC〜Cのアルキルであるか、またはRは、フェニル、メトキシフェニル、もしくは(ジメチルアミノ)フェニルであり;そして
nは、0、1、または2である。
【0025】
上記式の化合物の中で好ましいのは、Rが、必要に応じてフェニル、OR、N(R)C(=O)R、N(R)C(=O)OR、または1つ以上のF原子で置換されたC〜Cの(ヒドロキシ)アルキル基であり:
、R、RおよびRが、独立して、H、F、Cl、CF、OR、OC(=O)R、OC(=O)OR、N(R、N(R)C(=O)R、N(R)C(=O)OR、NO、CN、C(=O)R、COOR、CON(R、必要に応じてフェニル、C(=O)R、COOR、CON(R、CN、OR、OC(=O)R、OC(=O)OR、N(R、N(R)C(=O)R、もしくはN(R)C(=O)ORで置換されたC〜Cのアルキルであるか;またはRおよびRは、本明細書に定義されるとおり、一緒になって環を形成するか、もしくはRおよびRは、本明細書に定義されるとおり、一緒になって環を形成するか、もしくはRおよびRは、本明細書に定義されるとおり、一緒になって環を形成し;そして
は、必要に応じてフェニル、メトキシフェニル、メトキシ、ベンジルオキシ、もしくは1つ以上のF原子で置換されたC〜Cのアルキルであるか、またはRは、フェニルもしくはメトキシフェニルである、化合物である。
【0026】
上記1−(ヒドロキシアルキル)−3−アミノインダゾールの脱アミノ化は、例えば、March(1992)に記載されるような当該分野で公知の一般手順に従う反応によって達成され得る。好ましくは、脱アミノ化は、水素化物源および有機溶媒の存在下での、上記1−(ヒドロキシアルキル)−3−アミノインダゾールの、有機ニトライトを用いる処理により達成される。適切な有機ニトライトの例としては、亜硝酸tert−ブチル、亜硝酸イソブチル、および亜硝酸イソアミルが挙げられるが、これらに限定されない。上記水素化物源は、好ましくは、次亜リン酸または次亜リン酸ナトリウムである。最も好ましくは、上記水素化物源は、次亜リン酸である。上記有機溶媒は、メタノールまたはエタノールなどのアルコールであり得、これらの場合では、その溶媒が水素化物源としての機能も果たし得る。一般に、上記有機溶媒はメタノールである。
【0027】
上記出発2−(ヒドロキシアルキル)アミノベンゾニトリルに依存して、1−(アミノアルキル)インダゾ−ルなどの所望のインダゾ−ルが生成され得る。上記好ましい実施形態においておよび実施例において示されるように、本発明は、望ましくない異性体の生成を本質的に防止し、従って、改善された収率およびそれほど高価でないプロセスをもたらす。本発明のプロセスは、ラセミ体の2−(ヒドロキシアルキル)アミノベンゾニトリルを用いて出発し得、または(R)−鏡像体に富んだ2−(ヒドロキシアルキル)アミノベンゾニトリルまたは(S)−鏡像体に富んだ2−(ヒドロキシアルキル)アミノベンゾニトリルを用いて出発し得る。従って、本発明のプロセスは、上記出発2−(ヒドロキシアルキル)アミノベンゾニトリルの大きな柔軟性を許容し、本プロセスは1−(アミノアルキル)インダゾールなどの様々な所望のインダゾ−ルを生成することにおいて大きな柔軟性をさらに許容する。本発明の方法を使用して生成され得るインダゾールは、例えば、緑内障を処置することおよび/または上昇した眼内圧を低下させることもしくは制御することにおいて有用である。
【0028】
本発明の好ましいプロセスは、そのアルキル基が少なくとも1つのOH基で置換された2−アルキルアミノベンゾニトリルを使用する。そのような反応順序においてOH基を有する能力は、大きな利点であり、予想できないことである。なぜなら、当業者は、そのOH基はさらなる処理を乗り切らないと予想し得るからである。しかしながら、実施例に示されるように、本発明の方法は、そのヒドロキシ置換基上での保護基の必要性なしで所望のインダゾールの生成を可能にする。従って、本発明は、様々な所望のインダゾールの生成を許容するが、これらの所望のインダゾールは本プロセスの以前には生成することが困難であったものである。
【0029】
上記好ましい反応物および上記好ましい反応スキームに関して、以下に示されるのは、好ましい1−アルキル−3−アミノインダゾールの生成において好ましい反応スキームであり、その1−アルキル−3−アミノインダゾールは、その後続いて1−アルキルインダゾールの生成において好ましい反応に供される。その好ましい成分は以下に示されるが、一方で、本発明は、本適用を考慮して、当業者により容易に使用され得る他の反応物を包含することは認識されるべきである。
【0030】
次の実施例は、本発明の好ましい実施形態を示すために含まれる。以下に続く実施例において開示される手法は、本発明の実施においてうまく機能することを発明者により見出された手法を表し、そして従って、その実施のための好ましい形態を構成すると考えられ得るということが、当業者によって理解されるべきである。しかしながら、当業者は、本開示に照らして、開示される特定の実施形態において多くの変更がなされ得るが、それでもなお、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、同様の結果または類似の結果が得られうることを理解するべきである。
【0031】
【化6】

【実施例】
【0032】
(R)−6−ベンジルオキシ−1−(2−ヒドロキシプロピル)−3−アミノインダゾール(2)の調製。窒素雰囲気下、亜硝酸tert−ブチル(759mL、6.38mol)を、12Lのテトラヒドロフラン中の(R)−4−ベンジルオキシ−2−(2−ヒドロキシプロピル)アミノベンゾニトリル(1)(WO02/98861A1およびWO02/98862A1に記載された方法に従って調製された)(1.20kg、4.25mol)の攪拌された溶液に添加した。1時間後、上記溶液を15℃に冷却し、2.6Lのメタノールを添加し、続いて10Lの飽和酢酸アンモニウム水溶液を添加した。亜鉛末(1.1kg、17mol)を1.5時間にわたって添加し、その反応温度を40℃より低く維持した。酢酸エチル(10L)を添加し、その液相をその固体残渣からデカントし、同一の規模での1つのさらなる作業からの液相と組み合わせた。この組み合わされた液相を酢酸エチルとブラインとの間で分配した。この有機溶液を乾燥し(NaSO)、脱色炭で処理し、濾過し、そして真空中で濃縮し、1976g(78%)の2を与えた。
【0033】
(R)−6−ベンジルオキシ−1−(2−ヒドロキシプロピル)インダゾール(3)の調製。窒素雰囲気下、次亜リン酸(3.45Lの50%(w/w)水溶液)を、23.7Lのメタノール中の2(1975g、6.65mol)の攪拌された溶液に添加した。亜硝酸イソブチル(1576mL、13.3mol)を2回に分けて添加し、その反応温度を53℃より低く維持した。3時間後、70Lの水中のNaHPO(8.5kg)の溶液を添加し、その混合物を酢酸エチル(30L、その後15L)を用いて抽出した。この組み合わされた有機抽出液をブラインで洗浄し、乾燥(NaSO)し、脱色炭で処理し、濾過し、そして真空中で濃縮した。この生成物を、酢酸エチル−ヘキサンを用いる粉砕、続いて、アセトン−ヘキサン勾配を用いる、シリカを通しての溶出により精製し、真空中での濃縮後1260g(67%)の3を与えた。
【0034】
本明細書中で開示され、そして本願で特許請求される組成物および/または方法のすべては、本開示に照らして過度の実験なしで為され実施され得る。本発明の組成物および/または方法は、好ましい実施形態の観点から記載されてきたが、バリエーションが、本発明の着想、精神および範囲から逸脱することなく、上記組成物および/または方法に、ならびに本明細書中に記載される方法の工程においてまたは本明細書中に記載される方法の工程の順序において適用され得ることが当業者には明確である。より特定すれば、化学的にもそして構造的にも関連する所定の薬剤が、本明細書に記載される薬剤の代わりに用いられ、類似の結果を達成し得ることは明確である。当業者に明確なすべてのそのような置換物および改変は、添付される特許請求の範囲により定義される場合の本発明の精神、範囲および着想内であると考えられる。
【0035】
(参考文献)
以下の参考文献は、それらが例示的な手順の詳細または本明細書中で示される手順を補足する他の詳細を提供する限り、特に参考として本明細書中で援用される。
【0036】
米国特許および公開された出願:
第3,133,081号;
第3,681,382号;
第3,725,431号。
【0037】
他国特許および公開された出願:
第DE2,248,175号;
WO98/30548。
【0038】
書籍:
March,Advanced Organic Chemistry,第4版,John Wiley and Sons,New York,pp.721〜723(1992)。
【0039】
他の刊行物:
Kawakuboら,Chem.Pharm.Bull.35:2292(1987):
Vivonaら,J.Heterocyclic Chem.16:783(1979):
Bouchetら,Tetrahedron 36:3523(1980):
Parnell,J.Chem.Soc.p.2363(1959):
FinchおよびGschwend,J.Org.Chem.36:1463(1971)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1−アルキルインダゾールを製造する方法であって、該方法が、以下:
(a)2−アルキルアミノベンゾニトリルのニトロソ化および還元−環化により、1−アルキル−3−アミノインダゾールを生成する工程;ならびに
(b)該1−アルキル−3−アミノインダゾールの脱アミノ化により、1−アルキルインダゾールを生成する工程
を包含する、方法。
【請求項2】
前記1−アルキルインダゾールが、1−(ヒドロキシアルキル)インダゾールである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記(ヒドロキシアルキル)インダゾールが、式:
【化1】

を有し、ここで、Rは、必要に応じてフェニル、メトキシフェニル、(ジメチルアミノ)フェニル、OR、OC(=O)R、OC(=O)OR、N(R、N(R)C(=O)R、N(R)C(=O)OR、または1つ以上のF原子で置換されたC〜C12の(ヒドロキシ)アルキル基であり:
、R、RおよびRは、独立して、H、F、Cl、Br、CF、OH、OR、OC(=O)R、OC(=O)OR、N(R、N(R)C(=O)R、N(R)C(=O)OR、NO、CN、N、SH、S(O)、C(=O)R、COOH、COOR、CON(R、必要に応じてフェニル、メトキシフェニル、(ジメチルアミノ)フェニル、C(=O)R、COOH、COOR、CON(R、CN、OR、OC(=O)R、OC(=O)OR、N(R、N(R)C(=O)R、もしくはN(R)C(=O)ORで置換されたC〜Cのアルキルであるか;またはRおよびRは、本明細書に定義されるとおり、一緒になって環を形成するか、もしくはRおよびRは、本明細書に定義されるとおり、一緒になって環を形成するか、もしくはRおよびRは、本明細書に定義されるとおり、一緒になって環を形成し;
は、必要に応じてフェニル、メトキシフェニル、(ジメチルアミノ)フェニル、メトキシ、エトキシ、ベンジルオキシ、もしくは1つ以上のF原子で置換されたC〜Cのアルキルであるか、またはRは、フェニル、メトキシフェニル、もしくは(ジメチルアミノ)フェニルであり;そして
nは、0、1、または2である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
Rが、必要に応じてフェニル、OR、N(R)C(=O)R、N(R)C(=O)OR、または1つ以上のF原子で置換されたC〜Cの(ヒドロキシ)アルキルであり:
、R、RおよびRは、独立して、H、F、Cl、CF、OR、OC(=O)R、OC(=O)OR、N(R、N(R)C(=O)R、N(R)C(=O)OR、NO、CN、C(=O)R、COOR、CON(R、必要に応じてフェニル、C(=O)R、COOR、CON(R、CN、OR、OC(=O)R、OC(=O)OR、N(R、N(R)C(=O)R、もしくはN(R)C(=O)ORで置換されたC〜Cのアルキルであるか;またはRおよびRは、本明細書に定義されるとおり、一緒になって環を形成するか、もしくはRおよびRは、本明細書に定義されるとおり、一緒になって環を形成するか、もしくはRおよびRは、本明細書に定義されるとおり、一緒になって環を形成し;
は、必要に応じてフェニル、メトキシフェニル、メトキシ、ベンジルオキシ、または1つ以上のF原子で置換されたC〜Cのアルキルである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
式:
【化2】

を有する1−アルキル−3−アミノインダゾールであって、ここで、Rは、必要に応じてフェニル、メトキシフェニル、(ジメチルアミノ)フェニル、OR、OC(=O)R、OC(=O)OR、N(R、N(R)C(=O)R、N(R)C(=O)OR、または1つ以上のF原子で置換されたC〜C12の(ヒドロキシ)アルキル基であり:
、R、RおよびRは、独立して、H、F、Cl、Br、CF、OH、OR、OC(=O)R、OC(=O)OR、N(R、N(R)C(=O)R、N(R)C(=O)OR、NO、CN、N、SH、S(O)、C(=O)R、COOH、COOR、CON(R、必要に応じてフェニル、メトキシフェニル、(ジメチルアミノ)フェニル、C(=O)R、COOH、COOR、CON(R、CN、OR、OC(=O)R、OC(=O)OR、N(R、N(R)C(=O)R、もしくはN(R)C(=O)ORで置換されたC〜Cのアルキルであるか;またはRおよびRは、本明細書に定義されるとおり、一緒になって環を形成するか、もしくはRおよびRは、本明細書に定義されるとおり、一緒になって環を形成するか、もしくはRおよびRは、本明細書に定義されるとおり、一緒になって環を形成し;
は、必要に応じてフェニル、メトキシフェニル、(ジメチルアミノ)フェニル、メトキシ、エトキシ、ベンジルオキシ、もしくは1つ以上のF原子で置換されたC〜Cのアルキルであるか、またはRは、フェニル、メトキシフェニル、もしくは(ジメチルアミノ)フェニルであり;そして
nは、0、1、または2である、1−アルキル−3−アミノインダゾール。
【請求項6】
Rが、必要に応じてフェニル、OR、N(R)C(=O)R、N(R)C(=O)OR、または1つ以上のF原子で置換されたC〜Cの(ヒドロキシ)アルキル基であり:
、R、RおよびRは、独立して、H、F、Cl、CF、OR、OC(=O)R、OC(=O)OR、N(R、N(R)C(=O)R、N(R)C(=O)OR、NO、CN、C(=O)R、COOR、CON(R、必要に応じてフェニル、C(=O)R、COOR、CON(R、CN、OR、OC(=O)R、OC(=O)OR、N(R、N(R)C(=O)R、もしくはN(R)C(=O)ORで置換されたC〜Cのアルキルであるか;またはRおよびRは、本明細書に定義されるとおり、一緒になって環を形成するか、もしくはRおよびRは、本明細書に定義されるとおり、一緒になって環を形成するか、もしくはRおよびRは、本明細書に定義されるとおり、一緒になって環を形成し;そして
は、必要に応じてフェニル、メトキシフェニル、メトキシ、ベンジルオキシ、もしくは1つ以上のF原子で置換されたC〜Cのアルキルであるか、またはRは、フェニルもしくはメトキシフェニルである、請求項5に記載の化合物。

【公表番号】特表2006−514651(P2006−514651A)
【公表日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−563762(P2004−563762)
【出願日】平成15年12月19日(2003.12.19)
【国際出願番号】PCT/US2003/040370
【国際公開番号】WO2004/058725
【国際公開日】平成16年7月15日(2004.7.15)
【出願人】(399054697)アルコン,インコーポレイテッド (102)