説明

1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン化合物の製造方法

【課題】工業用抗菌剤等で有用な化合物である1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン化合物を、有害な試薬を用いることなく、安全にかつ収率よく製造するための工業的に有利な方法を提供する。
【解決手段】下記一般式(B)で表される1,3-ベンゾオキサチイン-4-オン-1-キシド化合物と、置換其を有していてもよいアルキルアミン類を反応させ下記一般式(A)で表される1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン化合物を製造する。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン化合物の製造方法に関するものである。さらに詳しくは、1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン化合物を1,3-ベンゾオキサチイン-4-オン 1-オキシド化合物とアミン類を反応することにより、効率よく製造する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン化合物は種々の生理活性を持つ事が知られており、たとえば5-クロロおよび6-クロロ-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オンは抗菌・抗バクテリア活性があることが報告されている(非特許文献1)。さらに、1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オンから誘導されるさまざまな1,2-ベンゾイソチアゾール化合物のうち、イソチアゾール環部分に置換基を有する化合物も、種々の薬理作用を示す化合物が存在することが報告されているという重要な化合物である(非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3)。また、2位の窒素原子上に置換基を有する1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン化合物は、抗菌・抗バクテリア作用(非特許文献4、非特許文献5)や血小板凝結防止作用(非特許文献6)を示すことが報告されている。さらに、1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オンや2-ブチル-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オンは、工業用抗菌剤として市販されている。
【0003】
従来、1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン化合物は、ジチオサリチル酸やチオサリチル酸を塩素あるいは臭素と処理をした後、アミン類と反応させる方法(特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4)、チオサリチル酸エステル類を塩素あるいは臭素と処理した後、アミン類と反応させる方法(特許文献5、特許文献6,非特許文献7)、あるいはチオサリチル酸アミド類と塩素を反応させる方法(非特許文献8、非特許文献9,非特許文献10、非特許文献11,非特許文献12、非特許文献13,非特許文献14,特許文献7、特許文献8)により製造されていたが、有毒な塩素や臭素を用いなければならず、また製造装置の腐食の問題もあるので、安全な製造法の開発が望まれている。また、チオサリチル酸とアジド化合物より製造する方法(非特許文献15)、チオサリチル酸アミドと超原子価ヨウ素より製造する方法(非特許文献16)、あるいは1,2-ベンゾジチオール-3-オンや1,2-ベンゾジチオール-3-オン 1-オキシドより製造する方法も知られているが(非特許文献17,非特許文献18)、これらの化合物はいずれも特殊な試薬であって、入手が容易ではなく工業的に実施する方法としては不適当である。チオサリチルヒドロキサム酸の環化反応によって1,2-ベンゾオキサゾリンン-3-オン化合物を製造する方法(特許文献9)においては、2位の窒素上の置換基は水素に限られてしまう。
【0004】
以上のことから、1,2-ベンゾオキサゾリン-3-オン化合物を製造する場合に、簡便な合成操作で有毒な塩素ガスを用いることなく安全に、所望の1,2-ベンゾオキサゾリン-3-オン化合物を製造する方法の確立が切望されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第2870015号
【特許文献2】ベルギー国特許第565380号
【特許文献3】ベルギー国特許第617384号
【特許文献4】ドイツ国特許第1135468号
【特許文献5】特開昭46-5516号
【特許文献6】ドイツ国特許第2119930号
【特許文献7】英国特許第848130号
【特許文献8】米国特許第3761489号
【特許文献9】特願平10-176752号
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】M. Davis, Adv. Heterocycl. Chem., 14, 43 (1972).
【非特許文献2】J. P. Yevich, et al., J. Med. Chem., 29, 359 (1986).
【非特許文献3】K. Ishizumi, et al., Chem. Pharm. Bull., 43, 2139 (1995).
【非特許文献4】Y. Uchida and S. Kozuka, Bull. Chem. Soc. Jpn., 55, 1183 (1982).
【非特許文献5】R. Okachi, et al., J. Med. Chem., 28, 1772 (1985).
【非特許文献6】K. H. Baggaley et al., J. Med. Chem., 28, 1661 (1985).
【非特許文献7】J. C. Grivas, J. Org. Chem.,40, 2029 (1975).
【非特許文献8】F. Gialdi, R. Ponci, and Baruffini, Farmaco, Ed. Sci., 16, 509 (1961).
【非特許文献9】R. Ponci, A. Baruffini, M. Croci, and F. Gialdi, Farmaco, Ed. Sci., 18, 732 (1963).
【非特許文献10】R. Ponci, F. Gialdi, and A. Baruffini, Farmaco, Ed. Sci., 19, 254 (1964).
【非特許文献11】R. Ponci, T. Vitali, L. Amoretti, and F. Mossini, Farmaco, Ed. Sci., 22, 935 (1967).
【非特許文献12】R. Ponci, T. Vitali, F. Mossini, and L. Amoretti, Farmaco, Ed. Sci., 22,989 (1967).
【非特許文献13】R. Ponci, T. Vitali, F. Mossini, and L. Amoretti,Farmaco, Ed. Sci., 22,999 (1967).
【非特許文献14】T. Vitali, L. Amoretti, and F. Mossini, Farmaco, Ed. Sci., 23, 468 (1968).
【非特許文献15】T. Chiyoda, K;. Iida, K. Takatori, M. Kajiwara, Synlett, 2000, 1427.
【非特許文献16】A. Correa, I. Tellitu, E. Dominguez, and R. SanMartin, Org. Lett., 8, 4811 (2006).
【非特許文献17】M. McKibben and E. W. McClelland, J. Chem. Soc., 123, 170 (1923).
【非特許文献18】W. Kim, J. Dannaldson, and K. S. Gates, Tetrahedron Lett., 37, 5337 (1996).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン化合物を製造するにあたり、通常の方法である有毒な塩素ガスを用いるという欠点を克服し、1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン化合物を製造するための工業的に有利な方法を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン化合物の製造方法について鋭意研究を重ねた結果、1,3-ベンゾオキサチイン-4-オン 1-オキシド化合物とアミン類を反応させることにより、安全かつ容易に1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン化合物が得られることをみいだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、この出願は、下記の発明を提供するものである。
(1)下記一般式(A)で表される1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン化合物を製造する方法において、下記一般式(B)で表される1,3-ベンゾオキサチイン-4-オン 1-オキシド化合物と、一般式(C)で表されるアミン類を反応させることを特徴とする1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン化合物の製造方法。
【化1】

(式中、Rは水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数7〜12のアラルキル基、炭素数6〜12の芳香族基あるいはピリジル基を示す。R〜Rは、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、ハロゲン原子、あるいはニトロ基を示す。)
【化2】

(式中、R〜Rは、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、ハロゲン原子、あるいはニトロ基を示す。R、Rは、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、あるいは炭素数6〜12の芳香族基を示す。また、R、Rは連結して環を形成してもよい。)
【化3】

(式中、Rは水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数7〜12のアラルキル基、炭素数6〜12の芳香族基あるいはピリジル基を示す。)
【発明の効果】
【0010】
本発明における1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン化合物とアミン類の反応により、1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン化合物を収率よく製造することができる。しかも、有毒な塩素ガスを用いることなく安全に製造できるので、工業的な1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン化合物の合成法として最適である。また、本発明で得られる1,2-ベンゾオキサゾリン-3-オン化合物は、従来と同様に抗菌剤として利用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の下記一般式(A)により示される1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン化合物の製造方法は、下記一般式(B)で表される1,3-ベンゾオキサチイン-4-オン 1-オキシド化合物に対し、下記一般式(C)で表されるアミン類を反応させることを特徴としている。
【化1】

【化2】

【化3】

【0012】
前記一般式(A)において、Rは水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数7〜12のアラルキル基、炭素数6〜12の芳香族基、あるいはピリジル基を示す。
これらのアルキル基は、ヒドロキシル基、アルコキシル基、ジアルキルアミノ基等の置換基を有していてもよい。前記アルキル基の具体例を示すと、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t-ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ヒドロキシエチル基、エトキシエチル基、ヒドロキシプロピル基等が挙げられる。前記シクロアルキル基の具体例を示すと、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等が挙げられる。前記アラルキル基の具体例を示すと、ベンジル基、クミル基、フェネチル基等が挙げられる。前記芳香族基の具体例を示すと、フェニル基、ナフチル基等が挙げられ、これらの芳香族基にはハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、ジアルキルアミノ基等の置換基を有していてもよい。前記ピリジル基には、2-ピリジル基、3-ピリジル基、4-ピリジル基が挙げられる。
【0013】
また、R〜Rは、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、ハロゲン原子、あるいはニトロ基を示す。前記アルキル基の具体例を示すと、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ペンチル基、ブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、ヘキシル基等が挙げられる。前記アルコキシル基の具体例を示すと、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、シクロヘキシロキシ基等が挙げられる。
【0014】
前記一般式(B)において、R〜Rは、一般式(A)におけるR〜Rと同じである。
また、R、Rは、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、あるいは炭素数6〜12の芳香族基を示す。また、R、Rは連結して環を形成してもよい。前記アルキル基の具体例を示すと、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t-ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ヒドロキシエチル基、エトキシエチル基、ヒドロキシプロピル基等が挙げられる。前記シクロアルキル基の具体例を示すと、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等が挙げられる。前記芳香族基の具体例を示すと、フェニル基、ナフチル基等が挙げられ、これらの芳香族基にはハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、ジアルキルアミノ基等の置換基を有していてもよい。R、Rが連結して環を形成している具体例を示すと、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等が挙げられる。
【0015】
前記一般式(C)において、Rは前記一般式(A)における、Rはと同じである。
【0016】
本発明に係る、1,3-ベンゾオキサチイン-4-オン 1-オキシド化合物とアミン化合物とから1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン化合物を得る合成反応はこれまでに見出されていない新規なものである。
この新規反応の反応機構を、2-エチル-1,3-ベンゾオキサチイン-4-オン 1-オキシド(b)(一般式(B):R〜R=水素原子、R=エチル基、R=水素原子)とn−ブチルアミン(c)(一般式(C):R=n−ブチル)とを反応させて2-ブチル-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン(a)(一般式A:R〜R=水素原子、R=n−ブチル)を合成する場合を例にとり説明する。
この反応は、下記の反応機構による進行する。
【化4】

すなわち、2-エチル-1,3-ベンゾオキサチイン-4-オンがプロピオンアルデヒドのチオサリチル酸の環状アセタールとみなすことができるのと同様に、2-エチル-1,3-ベンゾオキサチイン-4-オン 1-オキシドは、プロピオンアルデヒドの2-ヒドロスルフィニル安息香酸の環状アセタールとみなすことができる。したがって、この環状アセタールがアミン類の攻撃によりアセタールの交換反応が起こった後、アルデヒドの再生が起こるとヒドロスルフェニル基が生じることとなるが、このヒドロスルフェニル基は不安定なことよりスルフェン酸に異性化する。スルフェン酸自体もそれほど安定な置換基ではないので、分子内で脱水環化が起こって1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン化合物が生成する。
したがって、この反応機構等からみて、一般式(B)で示される化合物として、R〜Rが水素原子を用いた化合物(b)だけでなく、該置換基が、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、ハロゲン原子、ニトロ基である化合物を用いた場合にもこれと同様な反応を示すこと、また同様にRがエチル基、Rが水素原子の場合だけでなく、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、あるいは炭素数6〜12の芳香族基の場合にも上記と同様な反応を示すことは明らかである。
また、他方の原料である一般式(C)で示される化合物として、Rがn−ブチルである化合物(c)だけでなく、Rが、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数7〜12のアラルキル基、炭素数6〜12の芳香族基、あるいはピリジル基の場合の化合物も上記と同様な反応を示すことは明白である。
【0017】
本発明のこの新規な合成反応は、好ましくは反応溶媒の存在下で実施されるが、この場合の反応溶媒は、塩化メチレン、クロロホルム、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、アニソール、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等の溶媒中で行われる。また、これらの溶媒は単独または混合溶媒の形で使用される。
【0018】
前記製造方法における温度は20℃〜150℃付近の温度で行うことができるが、あまり低温すぎると反応時間が遅くなり、高すぎると分解反応や副反応が多くなるので、50℃〜100℃の範囲で実施するのが好ましい。反応時間は反応温度により左右され、一概に定めることはできないが、通常は2〜8時間で十分である。
【0019】
前記反応の原料物質である(B)、(C)は公知物質である。
(B)の製法の一例を挙げれば、既知の1,3-ベンゾオキサチイン-4-オン化合物を過ヨウ素酸ナトリウムもしくはメタクロロ過安息香酸で酸化する製造方法を挙げることができる。
(C)は市販されている化合物を用いることができる。
【0020】
本発明方法で得られるベンゾオキサチイン化合物の代表例について例示すると以下の化学式(1)〜(40)で示される化合物等が挙げられる。しかしながら、もちろんこの発明は前記の反応機構等からみて、これらの化合物の製法に限定されるものではない。
【化5】


【0021】
本発明方法で得られる化合物は、従来と同様に抗菌剤として用いられる。
【実施例】
【0022】
次に、本発明を実施例により詳細に説明する。
以下に述べる実施例は本発明の理解を容易にするために代表的な化合物の一例をあげたものであり、本発明はこれに限定されるものではない。また、製造された化合物(1)〜(16)は、前記で示した化合物(1)〜(16)に対応するもので、その物性値としては、沸点あるいは融点、核磁気共鳴スペクトル(H−NMR,13C−NMR)、赤外吸収スペクトル(IR)の順にそれぞれ記した。
【0023】
実施例1
内容積25mLのガラス製容器中に2-エチル-1,3-ベンゾオキサチイン-4-オン 1-オキシド(210mg,1.0mmol)をトルエン(10mL)に溶解させ、n-ブチルアミン(219mg,3.0mmol)を加え50℃に加熱し2時間攪拌した。溶媒を減圧下留去させ、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒、塩化メチレン:酢酸エチル=10:1)で分離精製し、目的化合物である2-ブチル-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン(1)を得た(収率:89%)。
沸点 : 180 ℃ (1.1×102 Pa).
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ 0.97 (3H, t, J = 7.3 Hz), 1.42 (2H, sextet, J = 7.3 Hz), 1.75 (2H, quintet, J = 7.3 Hz), 3.90 (2H, t, J = 7.3 Hz), 7.40 (1H, t, J = 7.3 Hz), 7.55 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.60 (1H, t, J = 7.3 Hz), 8.04 (1H, d, J = 7.3 Hz).
【0024】
実施例2
内容積20mLのガラス製封管容器中に2-エチル-1,3-ベンゾオキサチイン-4-オン 1-オキシド(210mg,1.0mmol)をトルエン(10mL)に溶解させ、t-ブチルアミン(219mg,3.0mmol)を加え110℃に加熱し7時間攪拌した。溶媒を減圧下留去させ、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒、塩化メチレン:アセトン:メタノール=100:5:1)で分離精製し、目的化合物である2-t-ブチル-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン(2)を得た(収率:59%)。
bp 150 ℃ (1.8×102 Pa).
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ1.71 (9H, s), 7.36 (1H, t, J = 7.3 Hz), 7.50 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.57 (1H, t, J = 7.3 Hz), 7.96 (1H, d, J = 8.5 Hz).
【0025】
実施例3
内容積25mLのガラス製容器中に2-エチル-1,3-ベンゾオキサチイン-4-オン 1-オキシド(210mg,1.0mmol)をトルエン(10mL)に溶解させ、シクロヘキシルアミン(297mg,3.0mmol)を加え2時間加熱還流した。溶媒を減圧下留去させ、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒、塩化メチレン:酢酸エチル=10:1)で分離精製し、目的化合物である2-シクロヘキシル-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン(3)を得た(収率:80%)。
mp 87.2 - 88.0 ℃ (ヘキサンより再結晶).
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ1.17 − 1.27 (1H, m), 1.43 − 1.60 (4H, m), 1.74 (1H, d, J = 12.2 Hz), 1.85 − 1.90 (2H, m), 2.05 (2H, dd, J = 11.0, 3.7 Hz), 4.60 (1H, tt, J = 11.6, 3.9 Hz), 7.39 (1H, t, J = 7.3 Hz), 7.55 - 7.60 (2H, m), 8.04 (1H, d, J = 8.5 Hz).
13C NMR (CDCl3, 125 MHz) δ25.2, 25.6, 32.9, 53.2, 120.3, 125.3, 125.5, 126.5, 131.4, 140.3, 164.8.
【0026】
実施例4
内容積25mLのガラス製容器中に2-エチル-1,3-ベンゾオキサチイン-4-オン 1-オキシド(210mg,1.0mmol)をトルエン(10mL)に溶解させ、アミノエタノール(183mg,3.0mmol)を加え50℃に加熱し3時間攪拌した。溶媒を減圧下留去させ、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒、塩化メチレン:アセトン:メタノール=100:40:8)で分離精製し、目的化合物である2-(2-ヒドロキシ)エチル-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン(4)を得た(収率:68%)。
mp 110.6 - 112.0 ℃ (酢酸エチル−ヘキサンより再結晶).
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ3.48 (1H, br s), 3.95 (2H, q, J = 4.9 Hz), 4.03 (2H, t, J = 5.5 Hz), 7.38 (1H, t, J = 7.3 Hz), 7.53 (1H, d, J = 7.3 Hz), 7.60 (1H, t, J = 7.3 Hz), 8.00 (1H, d, J = 8.5 Hz).
【0027】
実施例5
内容積25mLのガラス製容器中に2-エチル-1,3-ベンゾオキサチイン-4-オン 1-オキシド(210mg,1.0mmol)をトルエン(10mL)に溶解させ、3-アミノ-1-プロパノール(225mg,3.0mmol)を加え50℃に加熱し2時間攪拌した。溶媒を減圧下留去させ、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒、塩化メチレン:アセトン:メタノール=100:40:8)で分離精製し、目的化合物である2-(3-ヒドロキシ)プロピル-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン(5)を得た(収率:83%)。
mp 75.3 - 76.6 ℃ (酢酸エチル−ヘキサンより再結晶).
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ1.92 (2H, quint, J = 6.1 Hz), 3.57 (2H, q, J = 6.1 Hz), 3.62-3.65 (1H, m), 4.08 (2H, t, J = 6.1 Hz), 7.44 (1H, t, J = 7.9 Hz), 7.58 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.64 (1H, d, J = 7.3 Hz), 8.05 (1H, d, J = 7.3 Hz).
13C NMR (CDCl3, 125 MHz) δ31.9, 40.4, 57.8, 120.4, 124.1, 125.7, 126.8, 132.0, 140.3, 166.4.
【0028】
実施例6
内容積20mLのガラス製封管容器中に2-エチル-1,3-ベンゾオキサチイン-4-オン 1-オキシド(210mg,1.0mmol)にアンモニアジオキサン溶液(アンモニア、5.0mmol相当)を加え50℃に加熱し6時間攪拌した。溶媒を減圧下留去させ、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒、塩化メチレン:アセトン:メタノール=100:20:4)で分離精製し、目的化合物である1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン(6)を得た(収率:43%)。
mp 153.3 - 155.9 ℃ (酢酸エチル−ヘキサンより再結晶).
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ 7.45 (1H, ddd, J = 7.8, 5.0, 3.2 Hz), 7.65 - 7.66 (2H, m), 8.08 (1H, dt, J = 8.1, 1.0 Hz).
【0029】
実施例7
内容積25mLのガラス製容器中に2-エチル-1,3-ベンゾオキサチイン-4-オン 1-オキシド(210mg,1.0mmol)をトルエン(10mL)に溶解させ、ベンジルアミン(322mg,3.0mmol)を加え50℃に加熱し2時間攪拌した。溶媒を減圧下留去させ、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒、塩化メチレン:酢酸エチル=20:1)で分離精製し、目的化合物である2-ベンジル-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン(7)を得た(収率:91%)。
融点 : 87.0 - 87.7℃ (酢酸エチル−ヘキサンより再結晶).
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ5.06 (2H, s), 7.31 − 7.36 (5H, m), 7.41 (1H, t, J = 7.3 Hz), 7.49 (1H, d, J = 7.3 Hz), 7.59 (1H, t, J = 7.3 Hz), 8.07 (1H, d, J = 7.3 Hz).
13C NMR (CDCl3, 125 MHz) δ47.5, 120.4, 124.5, 126.8, 128.3, 128.4, 128.8, 131.8, 136.2, 140.4, 165.3.
【0030】
実施例8
内容積25mLのガラス製容器中に2-エチル-1,3-ベンゾオキサチイン-4-オン 1-オキシド(210mg,1.0mmol)をトルエン(10mL)に溶解させ、2-フェニルエチルアミン(364mg,3.0mmol)を加え50℃に加熱し2時間攪拌した。溶媒を減圧下留去させ、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒、塩化メチレン:酢酸エチル=10:1)で分離精製し、目的化合物である2-(2-フェニルエチル)-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン(8)を得た(収率:84%)。
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ3.07 (2H, t, J = 7.9 Hz), 4.13 (2H, t, J = 7.3 Hz), 7.22 - 7.26 (3H, m), 7.30 (2H, t, J = 7.3 Hz), 7.39 (1H, t, J = 7.9 Hz), 7.51 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.59 (1H, t, J = 7.3 Hz), 8.03 (1H, d, J = 8.5 Hz).
13C NMR (CDCl3, 125 MHz) δ35.6, 45.4, 120.3, 124.6, 125.4, 126.6, 126.8, 128.7, 128.9, 131.7, 137.7, 140.2, 165.3.
【0031】
実施例9
内容積25mLのガラス製容器中に2-エチル-1,3-ベンゾオキサチイン-4-オン 1-オキシド(210mg,1.0mmol)をトルエン(10mL)に溶解させ、1-フェニルエチルアミン(364mg,3.0mmol)を加え80℃に加熱し4時間攪拌した。溶媒を減圧下留去させ、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒、塩化メチレン:酢酸エチル=20:1)で分離精製し、目的化合物である2-(1-フェニルエチル)-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン(9)を得た(収率:96%)。
bp 250 ℃ (1.6×102Pa).
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ1.80 (3H, d, J = 7.3 Hz), 6.07 (1H, q, J = 6.9 Hz), 7.32 (1H, t, J = 7.3 Hz), 7.38 (3H, q, J = 7.9 Hz), 7.43 (2H, d, J = 7.3 Hz), 7.48 (1H, t, J = 8.5 Hz), 7.57 (1H, t, J = 8.5 Hz), 8.05 (1H, d, J = 8.5 Hz).
13C NMR (CDCl3, 125 MHz) δ19.1, 52.2, 120.4, 125.1, 125.4, 126.6, 127.3, 128.2, 128.7, 131.6, 140.2, 140.4, 165.0.
IR (KBr) νmax 1655, 1593, 1447, 1324, 1305, 1241, 1188, 741, 699, 673, 570 cm-1.
【0032】
実施例10
内容積25mLのガラス製容器中に2-エチル-1,3-ベンゾオキサチイン-4-オン 1-オキシド(210mg,1.0mmol)をトルエン(10mL)に溶解させ、クミルアミン(405mg,3.0mmol)を加え8時間加熱還流を行った。溶媒を減圧下留去させ、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒、塩化メチレン:酢酸エチル=20:1)で分離精製し、目的化合物である2-クミル-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン(10)を得た(収率:36%)。
mp 130.8 - 131.9 ℃ (酢酸エチル−ヘキサンより再結晶).
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ1.85 (6H, s), 6.34 (1H, s), 7.22 (1H, t, J = 7.3 Hz), 7.26 (1H, t, J = 7.3 Hz), 7.33 (1H, t, J = 8.5 Hz), 7.36 (1H, t, J = 7.3 Hz), 7.50 (3H, d, J = 7.3 Hz), 7.72 (1H, d, J = 8.5 Hz).
13C NMR (CDCl3, 125 MHz) δ29.0, 56.9, 124.8, 126.3, 126.9, 127.4, 127.6, 128.5, 131.0, 135.4, 136.6, 146.5, 166.8.
【0033】
実施例11
内容積25mLのガラス製容器中に2-エチル-1,3-ベンゾオキサチイン-4-オン 1-オキシド(210mg,1.0mmol)をトルエン(10mL)に溶解させ、アニリン(279mg,3.0mmol)を加え7時間加熱還流を行った。溶媒を減圧下留去させ、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒、塩化メチレン:酢酸エチル=20:1)で分離精製し、目的化合物である2-フェニル-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン(11)を得た(収率:75%)。
mp 138.5 - 140.3 ℃ (酢酸エチル−ヘキサンより再結晶).
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ7.33 (1H, t, J = 7.3 Hz), 7.44 - 7.49 (3H, m), 7.59 (1H, d, J = 7.3 Hz), 7.67 (1H, t, J = 7.3 Hz), 7.71 (2H, d, J = 8.5 Hz), 8.11 (1H, d, J = 8.5 Hz).
13C NMR (CDCl3, 125 MHz) δ120.1, 124.6, 124.8, 125.8, 127.0, 127.2, 129.3, 132.3, 137.2, 139.9, 164.1.
【0034】
実施例12
内容積25mLのガラス製容器中に2-エチル-1,3-ベンゾオキサチイン-4-オン 1-オキシド(210mg,1.0mmol)をトルエン(10mL)に溶解させ、p-メトキシアニリン(369mg,3.0mmol)を加え4時間加熱還流を行った。溶媒を減圧下留去させ、これをアルミナカラムクロマトグラフィー(溶媒、塩化メチレン:ヘキサン=2:1)で分離精製し、目的化合物である2-(p-メトキシフェニル)-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン(12を得た(収率:74%)。
mp 146.2 - 147.5 ℃ (酢酸エチル−ヘキサンより再結晶).
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ3.85 (3H, s), 6.99 (2H, dd, J = 7.3, 2.4 Hz), 7.45 (1H, t, J = 7.3 Hz), 7.55 (2H, dd, J = 8.5, 3.7 Hz), 7.58 (1H, d, J = 7.3 Hz), 7.66 (1H, t, J = 7.3 Hz), 8.10 (1H, d, J = 7.3 Hz).
13C NMR (CDCl3, 125 MHz) δ55.6, 114.6, 120.1, 124.6, 125.7, 126.9, 127.2, 129.7, 132.2, 140.0, 158.7, 164.3.
【0035】
実施例13
内容積25mLのガラス製容器中に2-エチル-1,3-ベンゾオキサチイン-4-オン 1-オキシド(210mg,1.0mmol)をトルエン(10mL)に溶解させ、p-メチルアニリン(321mg,3.0mmol)を加え6時間加熱還流を行った。溶媒を減圧下留去させ、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒、塩化メチレン:酢酸エチル=20:1)で分離精製し、目的化合物である2-(p-メチルフェニル)-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン(13)を得た(収率:76%)。
mp 136.1 - 136.7 ℃ (酢酸エチル−ヘキサンより再結晶).
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ2.40 (3H, s), 7.27 (2H, d, J = 8.2 Hz), 7.44 (1H, ddd, J = 8.2, 6.9, 0.9 Hz), 7.55 - 7.59 (3H, m), 7.66 (1H, ddd, J = 8.2, 6.9, 0.9 Hz), 8.10 (1H, dt, J = 8.2, 0.9 Hz).
【0036】
実施例14
内容積25mLのガラス製容器中に2-エチル-1,3-ベンゾオキサチイン-4-オン 1-オキシド(210mg,1.0mmol)をトルエン(10mL)に溶解させ、p-クロロアニリン(383mg,3.0mmol)を加え8時間加熱還流を行った。溶媒を減圧下留去させ、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒、塩化メチレン:酢酸エチル=5:1)で分離精製し、目的化合物である2-(p-クロロフェニル)-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン(14)を得た(収率:75%)。
mp 122.6 - 124.0 ℃ (酢酸エチルより再結晶).
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ7.43 - 7.49 (3H, m), 7.59 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.67 (3H, d, J = 8.5 Hz), 8.10 (1H, d, J = 8.5 Hz).
13C NMR (CDCl3, 125 MHz) δ120.1, 124.6, 125.6, 126.0, 127.3, 129.5, 132.5, 132.6, 135.8, 139.6, 164.1.
【0037】
実施例15
内容積25mLのガラス製容器中に2-エチル-1,3-ベンゾオキサチイン-4-オン 1-オキシド(210mg,1.0mmol)をトルエン(10mL)に溶解させ、2-アミノピリジン(282mg,3.0mmol)を加え8時間加熱還流を行った。溶媒を減圧下留去させ、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒、塩化メチレン:酢酸エチル=20:1)で分離精製し、目的化合物である2-(2-ピリジル)-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン(15)を得た(収率:45%)。
mp 197.4 - 197.9 ℃ (酢酸エチル−ヘキサンより再結晶).
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ7.15 (1H, ddd, J = 7.3, 4.9, 0.9 Hz), 7.41 (1H, ddd, J = 7.9, 7.0, 0.9 Hz), 7.59 (1H, dt, J = 8.2, 0.9 Hz), 7.66 (1H, ddd, J = 8.2, 7.0, 1.1 Hz), 7.81 (1H, ddd, J = 8.5, 7.3, 1.8 Hz), 8.07 (1H, dt, J = 7.9, 0.9 Hz), 8.42 (1H, ddd, J = 4.9, 1.8, 0.9 Hz), 8.75 (1H, dt, J = 8.5, 0.9 Hz).
13C NMR (CDCl3, 125 MHz) δ114.5, 120.3, 120.7, 125.5, 126.6, 126.8, 132.8, 138.4, 141.0, 147.6, 150.4, 164.0.
【0038】
実施例16
内容積25mLのガラス製容器中に2-エチル-7-メトキシ-1,3-ベンゾオキサチイン-4-オン 1-オキシド(240mg,1.0mmol)を塩化メチレン(10mL)に溶解させ、ベンジルアミン(322mg,3.0mmol)を加え50℃に加熱し3時間攪拌した。溶媒を減圧下留去させ、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒、塩化メチレン:酢酸エチル=20:1)で分離精製し、目的化合物である2-ベンジル-6-メトキシ-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン(16)を得た(収率:100%)。
mp 114.4 - 115.0 ℃ (酢酸エチル−ヘキサンより再結晶).
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ3.86 (3H, s), 5.02 (2H, s), 6.90 (1H, d, J = 2.1 Hz), 6.96 (1H, dd, J = 8.7, 2.3 Hz), 7.30 - 7.37 (5H, m), 7.95 (1H, d, J = 8.8 Hz).
13C NMR (CDCl3, 125 MHz) δ47.5, 55.8, 103.1, 114.6, 117.7, 127.9, 128.2, 128.4, 128.8, 136.4, 142.6.
元素分析:計算値C15H13NO2S: C, 66.40; H, 4.83; N, 5.16.
実測値C, 65.22; H, 4.64; N, 5.00.
【0039】
実施例17
内容積25mLのガラス製容器中に2-イソプロピル-1,3-ベンゾオキサチイン-4-オン 1-オキシド(224mg,1.0mmol)をトルエン(10mL)に溶解させ、ベンジルアミン(322mg,3.0mmol)を加え50℃に加熱し2時間攪拌した。溶媒を減圧下留去させ、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒、塩化メチレン:酢酸エチル=20:1)で分離精製し、目的化合物である2-ベンジル-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン(7)を得た(収率:82%)。
【0040】
実施例18
内容積25mLのガラス製容器中に2-フェニル-1,3-ベンゾオキサチイン-4-オン 1-オキシド(258mg,1.0mmol)をトルエン(10mL)に溶解させ、ベンジルアミン(214mg,2.0mmol)を加え50℃に加熱し3時間攪拌した。溶媒を減圧下留去させ、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒、塩化メチレン:酢酸エチル=20:1)で分離精製し、目的化合物である2-ベンジル-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン(7)を得た(収率:93%)。
【0041】
実施例19
内容積25mLのガラス製容器中に1,3-ベンゾオキサチイン-4-オン 1-オキシド(182mg,1.0mmol)をトルエン(10mL)に溶解させ、ベンジルアミン(214mg,2.0mmol)を加え50℃に加熱し2時間攪拌した。溶媒を減圧下留去させ、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒、塩化メチレン:酢酸エチル=20:1)で分離精製し、目的化合物である2-ベンジル-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン(7)を得た(収率:92%)。
【0042】
実施例20
内容積25mLのガラス製容器中に2,2-ジメチル-1,3-ベンゾオキサチイン-4-オン 1-オキシド(210mg,1.0mmol)をトルエン(10mL)に溶解させ、ベンジルアミン(214mg,2.0mmol)を加え50℃に加熱し2時間攪拌した。溶媒を減圧下留去させ、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒、塩化メチレン:酢酸エチル=20:1)で分離精製し、目的化合物である2-ベンジル-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン(7)を得た(収率:84%)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(A)で表される1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン化合物を製造する方法において、下記一般式(B)で表される1,3-ベンゾオキサチイン-4-オン 1-オキシド化合物と、一般式(C)で表されるアミン類を反応させることを特徴とする1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン化合物の製造方法。
【化1】

(式中、Rは水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数7〜12のアラルキル基、炭素数6〜12の芳香族基、あるいはピリジル基を示す。R〜Rは、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、ハロゲン原子、あるいはニトロ基を示す。)
【化2】

(式中、R〜Rは、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、ハロゲン原子、あるいはニトロ基を示す。R、Rは、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、あるいは炭素数6〜12の芳香族基を示す。また、R、Rは連結して環を形成してもよい。)
【化3】

(式中、Rは水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数7〜12のアラルキル基、炭素数6〜12の芳香族基、あるいはピリジル基を示す。)

【公開番号】特開2010−168311(P2010−168311A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−12497(P2009−12497)
【出願日】平成21年1月23日(2009.1.23)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【Fターム(参考)】