説明

2つの活性化温度を有するゲッタ及びこのゲッタを備える構造

【課題】実現しやすく、非常に小型で、構造体の閉鎖空洞内の圧力を制御可能にするゲッタを提供する。
【解決手段】構造体は、第一ゲッタ層9aを備える一体型ゲッタが配置されている、制御された大気下にある閉鎖空洞を含む。第一ゲッタ層9aは、異なる活性化温度を有する、少なくとも第一9aおよび第二9aゲッタ領域を呈する。第二ゲッタ領域9aは、ゲッタ材料活性化温度の調整副層10上に形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第一ゲッタ層を含む一体型ゲッタ、およびそのような一体型ゲッタを含む構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
真空中での統合は、例えば微小電気機械システム(MEMS)のようなマイクロ電子装置など、多数の装置の性能を改良することを可能にする。しかし、真空内または制御された大気内での実装を使用すると、多くの問題を引き起こし、特に長期間にわたって真空レベルを維持する能力および封入された大気の質が問題となる。
【0003】
この方面において、薄層内に蒸着された非蒸発性ゲッタ(N.E.G.)材料が、数多くの公報の主題となってきた。これらの材料は、体積における表面吸着および/または吸収によって、気体を反応させ、捕獲する。このようにして、空隙を画定する材料の脱着は、他の材料の被脱着要素を吸着および/または吸収するゲッタ材料層によって、補われる。
【0004】
実装構造体の閉鎖空洞における2つの異なるゲッタの統合は、時間が経っても許容可能な真空を保存することができるとする文献に、既に記載されている。
【0005】
しかし、2つの異なるゲッタを製造することで、製造方法が複雑になり、特にフォトリソグラフィおよびエッチングステップが増加し、ゲッタによって占有される表面積が無視できないほど増加し、最終的な構造体の価格も上昇する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、実現しやすく、非常に小型で、構造体の閉鎖空洞内の圧力を制御可能にする、ゲッタを製造することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によるゲッタは、第一ゲッタ層が、異なる結晶構造を有する少なくとも第一および第二ゲッタ領域を呈し、第一および第二ゲッタ領域が異なる活性化温度を有することを、特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
その他の利点および特徴は、非限定的例示目的のみのために与えられ、以下の添付図面に示された、本発明の特定の実施形態の以下の記述から、より明らかとなるだろう。
【図1】本発明による構造体の異なる実施形態を、断面図にて模式的に示す。
【図2】本発明による構造体の異なる実施形態を、断面図にて模式的に示す。
【図3】本発明による一体型ゲッタの第一の実施形態を、断面図および上面図にて模式的に示す。
【図4】本発明による一体型ゲッタの第一の実施形態を、断面図および上面図にて模式的に示す。
【図5】本発明による一体型ゲッタの第一の代替実施形態を、断面図にて模式的に示す。
【図6】本発明による一体型ゲッタの第二の代替実施形態を、断面図および上面図にて模式的に示す。
【図7】本発明による一体型ゲッタの第二の代替実施形態を、断面図および上面図にて模式的に示す。
【図8】本発明による一体型ゲッタの第三の代替実施形態を、上面図にて模式的に示す。
【図9】本発明による一体型ゲッタの第四の代替実施形態を、断面図および上面図にて模式的に示す。
【図10】本発明による一体型ゲッタの第四の代替実施形態を、断面図および上面図にて模式的に示す。
【図11】本発明による一体型ゲッタの第五の代替実施形態を、上面図にて模式的に示す。
【図12】本発明による一体型ゲッタの第六の代替実施形態を、上面図にて模式的に示す。
【図13】本発明による一体型ゲッタの第七の代替実施形態を、断面図にて模式的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
構造体は、少なくとも1つの一体型ゲッタがその中に配置されている、制御された大気下にある閉鎖空洞を含む。有利なことに、空洞は例えば集積回路、微小電気機械システム、光照射検出器および/またはエミッタ等の、能動素子を含む。閉鎖空洞は気密であって、大気圧よりも低い圧力が内部に行き渡り、この空洞は有利なことに真空となっている。空洞内の低圧は、空洞内に配置された能動装置の、一般的には微小電気機械システムの、性能または寿命を改善可能にする。空洞は、窒素またはアルゴンの制御された圧力下にあってもよい。
【0010】
閉鎖空洞は異なる方法で形成することができ、例示目的のため、図1および2に2つの異なる実施形態が示されている。図1に示されるように、構造体1は、2つの基板3および4によって、並びに閉鎖周囲シール5によって画定された密封空洞内に配置された、例えばマイクロ電子装置等の、少なくとも1つの装置2を含む。空洞の密封性は、基板3、4の間に位置して装置2を取り囲むシール5によって確保される。シール5は例えば、共晶合金を溶かすこと、分子封止、または陽極封止によって、実現される。マイクロ電子装置2は、例えば第一基板3の上に形成される。
【0011】
従来、空洞の高さは、装置2を取り囲むシール5の高さによって定義される(図1)。しかし、第二基板4が、空洞の容積を増加させるように、より薄い中央部を含むカバーを形成するように作られることも可能である。
【0012】
第二基板4は例えば、珪素、酸化もしくは窒化珪素、またはガラスから作られる。第一基板3は例えば、ガリウムヒ素(GaAs)を除く、珪素もしくはその他の半導体材料から、または既に形成された装置をその上に統合することができる別の材料から、作られる。
【0013】
図2に示される別の実施形態において、構造体1は、基板3によって、および実装層6によって画定された、閉鎖および密封された空洞を含む。構造体の密封性はその後、実装層6と基板3との間の接着によって確保される。実装層は、図1の基板4のような閉鎖カバーの役割を果たす。閉鎖カバーは実装層の他に、別の層を含むことができる。図3に示される実施形態において、空洞の高さは、基板上に設けられた犠牲材料7の厚みによって定義される。
【0014】
空洞内の大気は空洞内に置かれている装置の性能および/または寿命に影響を与えるので、この大気の成分および圧力を制御する必要がある。時間に合わせて、すなわち好ましくは構造体の理論上の寿命を通じて、この大気を制御することは、有利ですらある。
【0015】
図3および4に示されるように、この目的を達成するために、構造体1は、少なくとも2つの異なる活性化温度を呈し、空洞内に配置される、少なくとも1つの一体化ゲッタ8を含む。一体化ゲッタ8は、第一ゲッタ効果材料によって形成される第一ゲッタ層9aを含む。第一ゲッタ層9aは、異なる活性化温度を有する、少なくとも第一9a、および第二9aゲッタ領域を呈する。第二ゲッタ領域9aは第一ゲッタ領域9aとは異なる結晶構造を有するため、第一ゲッタ領域9aとは異なる活性化温度を呈する。
【0016】
第一ゲッタ領域9aおよび第二ゲッタ領域9aは、同時に形成される。第二ゲッタ領域9aは、成長すると結晶構造を変更する効果を有するゲッタ材料活性化温度の調整副層10上に形成される。ゲッタ材料が2つの異なる材料に蒸着されると、単一の膜を形成するだけにもかかわらず、ゲッタ材料9は実際には、2つの異なる結晶構造9、9を同時に呈する。第一ゲッタ層9aは、部分的には調整副層10の上に、そして部分的には、例えば基板または基板を覆う膜の上等、調整副層10の外側に、形成される。
【0017】
結晶構造は、ゲッタ材料蒸着プロセスの動作条件に依存する。結晶構造は、材料が蒸着されている層の結晶構造にも依存する。従って、一体型ゲッタは、2つのはっきりと異なる活性化温度で反応する連続膜を含み、各活性化温度は第一ゲッタ効果材料の連続膜内に存在する特定の結晶構造に特有である。ゲッタ層は、吸収または吸着によって、O、N、HO、CO、CO、およびH等の分子または原子を捕獲するように、存在する大気と反応する。
【0018】
従って、ゲッタ層9の活性化温度は、その層を構成するゲッタ効果材料、その蒸着操作条件、およびゲッタ層が部分的に形成されている調整副層10の結晶構造を選択することによって、定義することができる。
【0019】
調整副層10は、ゲッタ層9の下に接触して配置されているが、これはゲッタ層9の活性化温度を調節させることができるように、すなわちゲッタ層9が空洞内に存在する大気と反応する温度を調整するように、設計される。調整副層は、蒸着操作条件に応じてゲッタ層の結晶構造を調節する効果を有する。
【0020】
調整副層10は、好ましくはCu、Ni、Pt、Ag、Ru、Cr、Au、Alから作られ、ゲッタ層9の厚みが約数百ナノメートル、通常は100から2000nmの間であるときに、50から500nmの間の厚みを呈することが好ましい。調整副層10の厚みは、ゲッタ層9が数百ナノメートル、通常は100から1000nmの間であるときに、数十ナノメートル、通常は10から100nmの間まで、削減することができる。
【0021】
例示目的のため、30nmの調整副層は、300nmのゲッタ層9には十分である。調整副層10の最小厚みは、ゲッタ層9の厚みのおよそ5%から10%の間、例えば8%に等しい。
【0022】
より一般的には、調整副層10は、例えば白金のように、求められる活性化領域のゲッタ層9に対して化学的に中性な純物質の状態で蒸着される、パラジウムを除く金属材料から作られる。調整副層10は、例えばチタニウムまたはジルコニウム等のゲッタ材料から作られることも可能である。調整副層10がゲッタ効果を有するときには、調整副層およびゲッタ層9によって形成された積層は、ゲッタ材料容積が大きくなるにつれて大量の気体を吸収できるようにする。
【0023】
第一ゲッタ層9aの蒸着が行われるとき、第二ゲッタ領域9aは第一ゲッタ領域9aとは異なる結晶構造で形成され、その結果、異なる活性化温度となる。第二ゲッタ領域9aの結晶構造は、実際には調整副層10の結晶構造の影響によって変更される。第一ゲッタ領域9aは調整副層10上に形成されていないので、その結晶構造は、その蒸着温度およびその成長場所となる基板に依存する。このように、第一ゲッタ層9aは異なる結晶構造を有する2つの領域9a、9aを呈するので(図4)、一体型ゲッタ8は2つの活性化温度を有する2つの異なる領域を呈する。
【0024】
一体型ゲッタ8はこのように、2つの異なる活性化温度で反応する、少なくとも1つの連続的ゲッタ層9を含む。従って、異なるフォトリソグラフィステップに関連する安全マージンを考慮する必要がないので、これは2つの異なるゲッタよりも小型である。このように、構造体において、ゲッタ部のために設けられた面全体が大気のポンプ吸引に使用され、その一方で従来技術においては、安全マージンのため一部を失う。
【0025】
製造方法はより単純に実行されるので、より経済的かつ迅速であり、技術的なステップを制限することによって、異なる使用材料の間の物理化学的不適合および既に形成された装置の汚染の危険性を減少させる。
【0026】
図5に示される第一の代替実施形態において、一体型ゲッタ8は、第一ゲッタ層9aおよび第二ゲッタ層9bを含む。第一ゲッタ層9aは、第二ゲッタ層9b上に、および第二ゲッタ層9bと隣接して、形成されている。第二ゲッタ層9bは、第一ゲッタ層9aの材料とは異なる、第二ゲッタ効果材料から作られることが可能である。第一9aおよび第二9bゲッタ層が同じゲッタ効果材料から作られることも可能であるが、その場合、ゲッタ材料は、2つのゲッタ層9aと9bとの間で結晶構造が異なるように、異なる操作条件の下で蒸着される。その結果、第二ゲッタ層9bは調整副層10として作用し、それに加えてゲッタ機能も呈する。第二ゲッタ層9bの非被覆部分、すなわち自由部分は、ゲッタ領域として作用し、その一方で被覆部分は、気体分子の吸着に関与せず、リザーバとして作用する。第三ゲッタ領域はこのように、第二ゲッタ層の一部として形成される。
【0027】
特定の実施形態において、いかなる自由面も呈さないゲッタ材料から作られるリザーバを形成することが可能である。このリザーバは、リザーバを覆うゲッタ層9のポンプ能力を完全にまたは部分的に再生するように、活性化することができる。リザーバを形成するゲッタ材料は、固有の活性化温度を呈する。リザーバが活性化すると、吸着された分子および/または原子は、ゲッタ層からリザーバへ移動させられる。
【0028】
一体型ゲッタ8は、異なる活性化温度を有する第一、第二、および第三ゲッタ領域を含む。異なる結晶構造を備える2つの領域を呈する同じ材料によって2つのゲッタ領域9a、9aが形成され、最後のゲッタ領域9bは異なる材料によって形成される。一体型ゲッタは、図4に示されるゲッタと同じように上面図として示されることが可能である。
【0029】
先の代替実施形態と組合せ可能な、図6および7に示される第二の代替実施形態において、一体型ゲッタ8は、第一ゲッタ層9a、調整副層10、および第三ゲッタ層9cを含む。非常に小型の構造を得るために、第一ゲッタ層9aおよび第三ゲッタ層9cは、活性化温度調整副層10上に、これと接触して形成される。第一ゲッタ層9aおよび第三ゲッタ層9cはいずれも、例えば基板上など、調整副層10の外側に蒸着される部分を含む。第一ゲッタ層9aおよび第三ゲッタ層9cはいずれも、異なる結晶構造を有する2つのゲッタ領域9a、9a、9c、および9cを呈する。
【0030】
その結果、一体型ゲッタは4つのゲッタ領域を呈することになる。各ゲッタ領域は、それに適した活性化温度で反応する。各ゲッタ領域は、固有のゲッタ材料によって、および固有の結晶構造によって、定義される。この一体型ゲッタにおいて、例えば第一ゲッタ層9a並びに領域9aおよび9a等、2つの異なる結晶構造を有する同じ材料によって形成される。その他の2つの領域は、例えば第三ゲッタ層9c並びに領域9cおよび9c等、やはり2つの異なる結晶構造を有する別の材料によって形成される。
【0031】
4つの異なる活性化温度に反応することができる一体型ゲッタは、これによって容易に得ることができる。使用材料を選択することにより、空洞内の圧力および/または空洞内の気体組成は、構造体を、従ってゲッタを所定温度まで加熱することによって精密に調節することが可能である。
【0032】
得られた一体型ゲッタは、リソグラフィにおける制限が最小限であって、有効かつ小型のゲッタを低コストで入手可能にするため、特に有利である。この実施形態において、一体型ゲッタは、互いに距離を置いて調整副層10上に形成された2つの副ゲッタ8aおよび8bを含む。それから、リソグラフィにおける制限は、2つの異なる隣接するゲッタのリソグラフィにおける制限と等しくなるが、これら2つの副ゲッタ8a、8bは共に、4つの異なる活性化温度によって圧力を調整できるようにする。そこで一体型ゲッタは、同時に小型のままでありながら、到達可能な温度の選択肢がより多いため、空洞内の圧力をより精密に調整可能にする。異なる温度で蒸着されたため、組成は同じだが結晶学的な差異を示す2つのゲッタ層を有することも、考えられる。異なる温度で蒸着された同じゲッタ材料の使用は、特に物理化学的不適合の危険性を減少させる。
【0033】
先の実施形態と組合せ可能な、図8に示される第三の代替実施形態において、一体型ゲッタ8は、複数の異なる副層、すなわち少なくとも2つの異なる調整副層、ここでは2つの副層10aおよび10bを、含む。2つの調整副層10は、結合して接触、または重複、または分離していてもよい。ゲッタ8は、1つ以上のゲッタ層9も含んでもよい。各ゲッタ層9は、全ての調整副層10を、または特定の調整副層10のみを、部分的に覆うことができる。このように、少なくとも1つのゲッタ層は、2つの異なる活性化温度で反応する、少なくとも2つのゲッタ領域を含む。好ましくは、全てのゲッタ層が、異なる温度で反応する2つの異なるゲッタ領域を呈する。その結果、一体型ゲッタ8は、複数の活性化温度を含むことになる。各活性化温度は、その構成ゲッタ材料および結晶構造によって定義される、特定のゲッタ領域に関連する。
【0034】
図8の特定の例において、2つの異なる調整副層10aおよび10bは、いずれも2つの異なるゲッタ層9aおよび9cによって覆われている。一体型ゲッタはこのように、異なる活性化温度を有する6つのゲッタ領域(9a、9a、9a、9c、9c、9c)から成る。第一ゲッタ層9aおよび第三ゲッタ層9cは、いずれも3つの異なるタイプの結晶構造を呈する。結晶構造の1つは第一調整副層10aへの蒸着に関連し、別の結晶構造は第二調整副層10bへの蒸着に関連し、最後の構造は基板またはその他の材料への蒸着に関連している。
【0035】
先の実施形態と組合せ可能な、図9および10に示される第四の代替実施形態において、一体型ゲッタ8は、異なる活性化温度を有する少なくとも第一9dおよび第二9dゲッタ領域を呈する、第四ゲッタ層9dを含む。第四ゲッタ層9dは、部分的には第一ゲッタ層9a上に、部分的には第一ゲッタ層9aの外側、例えば基板上に、形成される。第一ゲッタ層9aは、部分的には調整副層10上に、部分的には調整副層10の外側、例えば基板上に、形成される。第一ゲッタ層9aは、異なる活性化温度を有する第一9aおよび第二9a自由ゲッタ領域も呈する。その結果、一体型ゲッタ8は、それぞれ固有の活性化温度を呈する4つのゲッタ領域を含むことになる。
【0036】
先の実施形態のように、第一9a、9d、および第二9a、9dゲッタ領域は、異なる結晶構造を有する。第四ゲッタ層の第二ゲッタ領域9dは、第一ゲッタ層9a上に形成される。第一ゲッタ層9aは、第四ゲッタ層9dの一部のための調整副層として作用する。
【0037】
第四ゲッタ層9dは有利なことに、第一ゲッタ層9aまたはその他の既存のゲッタ層とは異なる材料から形成される。しかし、第四ゲッタ層9dおよび別の既存のゲッタ層、例えば第一ゲッタ層9aに、同じ材料を用いることもあり得る。それから、層9aおよび9dの蒸着が同じ操作条件下で行われた場合、第一9aおよび第四9dゲッタ層は同じ活性化温度を有することになる。反対に、操作条件が異なれば、第一9aおよび第四9dゲッタ層は異なる活性化温度を有する。
【0038】
第四ゲッタ層9dの第二ゲッタ領域9dは、第一ゲッタ層9aの第三領域を画定する。第四ゲッタ層9dで覆われている第一ゲッタ層9aのこの第三領域は、第一ゲッタ層9aの吸着に関与しないが、リザーバとして作用することができる。
【0039】
第三ゲッタ層9cおよび第四ゲッタ層9dは、部分的に付加的調整副層上に配置され、部分的にこの付加的調整副層の外側に配置されている、付加的ゲッタ層を形成する。従って、付加的ゲッタ層は、付加的調整副層上の部分および付加的調整副層の外側の部分を含む。実施形態に応じて、付加的調整副層は調整副層10、および存在するゲッタ層のうちの1つ、第一ゲッタ層または第二ゲッタ層から、選択される。このように、付加的ゲッタ層はそれぞれ異なる結晶構造を有する2つの領域を呈するので、付加的ゲッタ層は、互いに異なる2つの活性化温度を呈する。
【0040】
第二および第四の代替実施形態を組合せており、第一の替実施形態と組合せ可能な、図11に示される第五の代替実施形態において、第一ゲッタ層9aは、少なくとも調整副層10、および基板またはその他の支持材料の一部を覆う。第四ゲッタ層9dもまた、調整副層10、および基板またはその他の支持材料の一部を覆う。第四ゲッタ層9dは、第一ゲッタ層9aの一部も覆う。その結果、第一ゲッタ層9aは、第一9aおよび二9aゲッタ領域を含むことになる。一方で第四ゲッタ層9dは、それぞれ異なる結晶構造を呈する表面上に形成されているため異なる結晶構造を有する、第一9d、第二9d、および第三9d領域を有する。基板、調整副層10、および第一ゲッタ層9aの見かけ上の結晶構造が異なっているので、第四ゲッタ層9dの3つのゲッタ領域は異なる結晶構造を有する。従って、第四ゲッタ層9dは3つの異なる活性化温度を含み、第一ゲッタ層9aは2つの異なる活性化温度を含み、一体型ゲッタはそれぞれ1つの対(ゲッタ材料/結晶構造)に関連づけられた5つの異なる活性化温度を呈する。
【0041】
第五の実施形態を使用する、図12に示される第六の代替実施形態において、第一ゲッタ層9aは、少なくとも調整副層10および基板またはその他の支持層の一部を覆う。第四ゲッタ層9dも又、調整副層10および基板またはその他の支持層の一部を覆う。第四ゲッタ層9dは更に、第一ゲッタ層9aの一部も覆う。第四ゲッタ層9dは、調整副層10上に配置された第一ゲッタ層9aの一部と、調整副層の外側に配置された第一ゲッタ層9aの一部と、を覆う。第四ゲッタ層9dは4つの異なる結晶構造を覆うので(基板、調整副層10、および第一ゲッタ層9aの2つの異なる結晶構造)、第四ゲッタ層9dは、異なる第一9d、第二9d、第三9d、および第四9dゲッタ領域を含む。第一ゲッタ層9aは第一9aおよび第29dゲッタ領域を含む。
【0042】
第二領域9dは第一ゲッタ層9a上に直接形成され、第三領域9dは調整副層10上に直接形成され、第四領域9dは調整副層10の一部分に直接形成された第一ゲッタ層9aの一部に形成される。一体型ゲッタ8のこの特殊なアーキテクチャは、異なるゲッタ領域の間の空間を失わずに、最大6つまでの異なる活性化温度を得ることを可能にする。
【0043】
先の実施形態と組合せ可能な更に別の実施形態において、付加的活性化温度調整副層10b上に一体型ゲッタの少なくとも一部を形成することは、有利である。その結果、調整副層10は、付加的調整副層10b上に形成されることになる。望ましければ、一体型ゲッタが少なくとも3つのさらに異なる活性化温度を呈するように、異なるゲッタ層がこの付加的活性化副層に重複できるようにしてもよい。付加的調整副層10bは、例示目的のため、図9に示されている。
【0044】
一体型ゲッタ8は、少なくとも部分的に、接着副層11上に形成されることが可能である。接着層11は、基板3上の調整副層10および/またはゲッタ層9の接着を強化するように設計されている。シリコン基板では、接着副層11は通常、いずれかの適切な手法によって製造され、例えばチタニウム、クロミウム、ジルコニウムから作られ、20から100nmの間で都合よく構成された厚みを呈する。接着副層11は、例示目的のため、図3および5に示されている。
【0045】
先の実施形態と組合せ可能な特定の実施形態において、一旦一体型ゲッタが形成されると、保護層が蒸着される。この層は、ゲッタの自由面全体を覆い、ゲッタの全体的な機能を変更しない。この保護層は、有利には50nm未満の厚みのクロミウムから、またはゲッタの自由面の酸化または窒化によって、作られることが可能である。酸化または窒化は、ドライプロセスによって有利に実行される。酸化または窒化は、最終ゲッタの蒸着後、かつ保護されていないゲッタが周囲空気に曝される前に、有利に実行される。保護されていないゲッタが周囲空気に曝されたときには、二次真空における熱処理によって活性化され、その後ゲッタが再び周囲空気に曝される前に作られる酸化物または窒化物によって保護されることが可能である。酸化物または窒化物の層は、プロセスの熱量および圧力が制御される方法に従って、ドライプロセスによって有利に形成される。
【0046】
クロミウムの層は、非常に小さい粒径、通常は直径約30nm以下の粒を呈するときに、保護層として使用することが可能な、調整副層である。この小さい粒径が、低温での拡散を可能にする。説明的な例として、チタニウムは、クロミウム層の周囲酸素との反応の間に形成される酸化クロムを減少させる。保護層は、一時的な効果を与える活性化温度で拡散する。保護層は、自身の活性化までしか使用されない。保護層は、ゲッタ層をガス状または液状化学的侵襲から保護する。代替実施形態において、保護層は、例えば酸性溶液を用いた液体エッチングによって、またはプラズマエッチングによって、除去することができる。有利なことに、実装されたMEMS装置と共に使用されるときには、保護層は省略される。
【0047】
特定の実施形態において、保護層がクロミウムから作られているとき、保護層は一体型ゲッタの形成の間に蒸着される。これはゲッタ層の形成前に蒸着され、そしてゲッタ層9の形成後に再度蒸着される。その結果、第一蒸着保護層は調整副層として作用するが、しかし保護層は、形成された場所に応じて、少なくとも2つの結晶領域を呈する。一体型ゲッタの全体的な構造も、その機能も、変更されない。
【0048】
これら全ての実施形態は、複数の異なる活性化温度を呈するゲッタ装置を、小さい表面で得られるようにする。使用される手法は従来のものであって、容易かつ経済的な実現に役立つ。フォトリソグラフィに関する制限は小さく、その結果、表面において大きな利得となる。表面および製造しやすさにおける利得が増加するため、活性化温度の数が増えるほど、一体型ゲッタはより一層有利である。
【0049】
一体型ゲッタを形成するために、異なる実施形態が可能である。
【0050】
図3、5、6、および9に示される第一の実施形態において、調整副層10は基板3上に形成される。調整材料の膜は、一般的には蒸発による、例えば物理気相成長PVDによる、いずれかの適切な手法によって、蒸着され、その後パターン形成されて調整副層10を形成する。パターン形成は、例えばフォトリソグラフィおよびエッチング(ドライまたはウェット)による、またはリフトオフと呼ばれる手法による、いずれかの適切な手法によって実行される。従って、調整副層10は調整材料から作られたパターンにより形成される。
【0051】
一旦調整副層10が形成されると、第一ゲッタ材料が蒸着され、その後パターン形成されて、一体型ゲッタの第一ゲッタ層9aを形成する。従って、第一ゲッタ材料は、第一領域9aにおいて基板3と、かつ第二領域9aにおいて調整副層10と、接触する。第一ゲッタ層9aは調整副層に重複し、この重複は第一ゲッタ層の第一および第二領域を画定する。第一ゲッタ層9aは、少なくとも部分的に調整副層10を覆って第一ゲッタ層9aの少なくとも第二ゲッタ領域9aを形成し、調整副層10の外側に延在して少なくとも第一ゲッタ領域9aを形成する。図3、5、6、および9に示される実施形態において、重複は段差として示されている。そこで第一および第二ゲッタ領域は、やはりゲッタ効果を有するがその活性化温度の確立が困難な接合部によって、分離される。接合部の表面が第一および第二ゲッタ領域よりも小さければ、この接合部は無視される。一体型ゲッタ8はその後、調整材料から作られるパターンに重複する第一ゲッタ材料から作られるパターンによって、形成される。第一ゲッタ材料のパターンは、異なる活性化温度を有する2つのゲッタ領域を含む。
【0052】
設定がより複雑な、図13に示される別の実施形態において、調整副層10は、パターン形成材料12内に形成される。パターン形成材料12は、調整副層の将来の容積に対応する空隙容積を含むように、形成およびパターン形成される。調整材料はその後蒸着されて、少なくとも空隙容積を満たす。有利なことに、パターン形成材料12に調整副層10を画定するために化学機械研磨ステップが実行され、第一ゲッタ層9aが蒸着およびパターン形成される。この実施形態において、第一ゲッタ層は平坦で、第一9aおよび第二9aゲッタ領域を含む。第二ゲッタ領域9aは、パターン形成材料12と同一平面にある調整副層10上に形成される。この実施形態は、金属製集積回路相互接続の分野で一般的に使用される、ダマシン技術を使用する。
【0053】
これら2つの実施形態は、調整副層が既に形成された副ゲッタのゲッタ層に置き換えられる、先に示された異なる代替実施形態の実行と、容易に置き換え可能である。これら2つの実施形態は、1つの同じ一体型ゲッタにおいて使用可能である。
【0054】
少なくとも2つの活性化温度を有する一体型ゲッタは、少なくとも単一のゲッタ層によって、すなわちゲッタ材料から作られる単一のパターンによって形成され、これは少なくとも2つの活性化温度に反応する。一体型ゲッタは異なる形状を有することができ、第一および第二ゲッタ領域は、同じ平面内または平行な平面内にあってもよく、領域のうちの一方がもう一方の上になる。第一および第二ゲッタ領域は突出面に形成される可能性があり、すなわちゲッタ領域の主面は平行ではない。調整副層およびゲッタ層蒸着方法が確実に方向性である限り、一体型ゲッタの異なる部分に対して垂直な方向の向きに従って異なる活性化温度を含む一体型ゲッタを得ることができる。例えば、基板に溝をエッチングして、垂直面と水平面との間で異なる活性化温度を有するL字型ゲッタを形成することが、可能である。基板の主面は例えば、調整副層によって方向性を持って覆われ、その一方でゲッタ層は、より均一的な方法によって蒸着される。その結果、ゲッタは、調整副層およびゲッタ層を呈する水平部分と、調整副層のない垂直部分と、を含むことになる。ゲッタの収集面の一部は基板内に形成されるので、ゲッタの水平表面は減少する。
【0055】
代替実施形態において、ゲッタ層9が一旦形成されたら調整副層10を除去することは、有利である。そして、ゲッタ層9は、異なる結晶構造を呈する2つの異なるゲッタ領域を有することになる。その結果、一体型ゲッタ8は、少なくとも2つの異なる活性化温度で反応する少なくとも1つのゲッタ層を含むことになり、各活性化温度は、特定の結晶学的構造を有する領域の1つに関連づけられている。
【0056】
別の代替実施形態において、浮遊ゲッタ層、すなわち、基板上で占有される表面を増加させることなくポンプ速度を増加させるために、支持基板の主面と平行な2つの自由対向面を呈する層を有することは、有利である。このように、浮遊ゲッタを使用することで、一体型ゲッタによって占有される表面を増加することなく、かつ吸収または吸着されることが可能な気体の量を増加することなく(一定のゲッタ容積で)、ポンプ速度の増加が達成される。このような浮遊ゲッタは、一旦ゲッタが形成されると、例えば調整副層またはパターン形成材料12などの犠牲材料を除去することによって、容易に得ることができる。
【0057】
本願において、異なる結晶構造を呈する領域について記述する。この構造の違いの結果、単結晶のゲッタ領域および多結晶のもう1つのゲッタ領域、または異なる結晶構造を有する2つの多結晶領域を生じることができる。有利な方法において、構造の違いの結果、異なる粒径を呈する2つの多結晶領域を生じ、この2つの結晶構造は、柱状粒子を備える多結晶タイプのものである。
【0058】
一体型ゲッタにおいて、各構成層は、その他の構成層のうち少なくとも1つと直接接触している。一体型ゲッタを形成する異なる層の間に機械的結合が存在し、この結合は、一体型ゲッタを構成する異なる層の間の直接接触、または中間層、例えば調整副層10からの間接接触のいずれかによって、実現されている。このように、一体型ゲッタは全体を形成し、ゲッタは全体としてのみ、すなわち一体型ゲッタ8を形成するゲッタ層全体でのみ、移動することができる。
【0059】
一般的な方法において、ゲッタ領域の自由面はゲッタ領域のポンプ速度を定義するが、その一方で、その容積は、ゲッタ領域によって吸収されることが可能な気体の総量を定義する。それ故に、要件に従って、ゲッタ領域の自由面、一体型ゲッタの容積、および後に一体化される将来の損失面に対応するゲッタの全体面の間で、妥協点が見いだされなければならない。
【0060】
記載されている異なる実施形態において、一体型ゲッタは、多数の異なる活性化温度を呈する。しかし、異なる結晶構造を呈する少なくとも2つの材料の上に全てのゲッタ材料を蒸着しないことによって、活性化温度の数を減少させることが可能である。このように、与えられた表面で、小数の使用可能な活性化温度、それらに関連するポンプ速度、および除去可能な容積を、正確に定義することが可能である。
【0061】
例示目的のため、活性化温度の数を減少させるために、図12に示される実施形態において第四ゲッタ層9dが第一ゲッタ層9a上にのみ蒸着されるか、または図11の実施形態において第四ゲッタ層9dが調整副層10上および第一ゲッタ層9a上にのみ蒸着される。
【0062】
記載されている異なる実施形態によれば、一体型ゲッタは、少なくとも1つの活性化温度調整副層10およびゲッタ層9を含む積層を呈する。実施形態の例は2つまたは3つのゲッタ効果材料を取り入れているが、より多くの異なるゲッタ層を取り入れた一体型ゲッタを形成することも可能である。各実施形態において、材料を賢明に選択し、少なくとも部分的に材料を重ねることによって、存在するゲッタ材料よりも広いゲッタ領域を呈する一体型ゲッタを形成することが可能になる。通常、一体型ゲッタは、存在するゲッタ層の数よりも、固有の活性化温度を有するゲッタ領域を2倍多く呈することができる。
【0063】
一般的な方法において、一体型ゲッタが、nを1以上とする、n個の異なるゲッタ層と、I個のゲッタ材料活性化温度調整副層(Iは1以上)と、を含み、各ゲッタ層が少なくとも2つの異なる材料の上に配置されているとき(ゲッタ層は調整副層のうちの1層の部分およびこの副層の外側の別の部分を含む)、ゲッタ層よりも大いに異なるゲッタ領域(m個のゲッタ領域であって、m>n)、通常はゲッタ材料層の2倍多いゲッタ領域を含む、一体型ゲッタを得ることができる。各ゲッタ領域は、固有の活性化温度を有する。
【0064】
従って、犠牲基板上に1つ以上の一体型ゲッタを形成し、将来の閉鎖空洞の中にこれらの一体型ゲッタのうちの少なくとも1つを配置することが、可能である。将来の空洞の中にゲッタを有利に形成することも、可能である。空洞が特定の範囲内の圧力を呈する必要がある場合、複数の活性化温度によって圧力制御を実行することが有利である。このように、ゲッタに与えられた温度に応じて、特定の容積のゲッタ材料が活性化および介在して、圧力を所望の範囲内に落とし込む。
【符号の説明】
【0065】
1 構造体
2 装置
3 第一基板
4 第二基板
5 シール
6 実装層
7 犠牲材料
8 一体化ゲッタ
8a、8b 副ゲッタ
9 ゲッタ材料
結晶構造
結晶構造
9a 第一ゲッタ層
9a 第一ゲッタ領域
9a 第二ゲッタ領域
9b 第二ゲッタ層
9b ゲッタ領域
9c 第三ゲッタ層
9c ゲッタ領域
9c ゲッタ領域
9c ゲッタ領域
9d 第四ゲッタ層
9d 第一ゲッタ領域
9d 第二ゲッタ領域
9d 第三ゲッタ領域
9d 第四ゲッタ領域
10 調整副層
10a 第一調整副層
10b 第二調整副層
11 接着副層
12 パターン形成材料

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一ゲッタ材料(9a)から作られる第一ゲッタ層(9a)を含む一体型ゲッタ(8)において、前記第一ゲッタ層(9a)のポンプ面が、異なる結晶構造を有する少なくとも第一(9a)および第二(9a)ゲッタ領域を呈し、前記第一(9a)および第二(9a)ゲッタ領域が異なる活性化温度を有することを特徴とする、一体型ゲッタ。
【請求項2】
前記第二ゲッタ領域(9a)は前記ゲッタ材料活性化温度の調整副層(10)上に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の一体型ゲッタ。
【請求項3】
前記第一ゲッタ領域(9a)および前記調整副層(10)が同じ基板(3)上に形成されることを特徴とする、請求項2に記載の一体型ゲッタ。
【請求項4】
前記調整副層(10)が第二ゲッタ層(9b)であって、前記一体型ゲッタ(8)は前記第二ゲッタ層(9b)内に配置された第三ゲッタ領域を含むことを特徴とする、請求項2および3のいずれか一項に記載の一体型ゲッタ。
【請求項5】
前記第一(9a)および第二(9a)ゲッタ領域が平行な面内に形成されることを特徴とする、請求項2から4のいずれか一項に記載の一体型ゲッタ。
【請求項6】
前記第一ゲッタ層(9a)は前記調整副層(10)に重複して、前記第一(9a)および第二(9a)ゲッタ領域の間に段差を形成することを特徴とする、請求項2から5のいずれか一項に記載の一体型ゲッタ。
【請求項7】
前記一体型ゲッタは、一部が付加的副層上に、一部が前記付加的副層の外側にある、付加的ゲッタ層(9c、9d)を含み、前記付加的副層は前記調整副層(10)および前記ゲッタ層(9a、9b)のうち1つから選択され、前記付加的ゲッタ層(9c、9d)は、互いに異なる活性化温度をそれぞれ有する第一(9c、9d)および第二(9c、9d)付加的ゲッタ領域を呈することを特徴とする、請求項2から6のいずれか一項に記載の一体型ゲッタ。
【請求項8】
前記第一ゲッタ層(9a)および付加的ゲッタ層(9c、9d)は同じゲッタ効果材料から作られ、前記第一ゲッタ層(9a)および前記付加的ゲッタ層(9c、9d)は、別のゲッタ領域とは異なる結晶構造をそれぞれ有するゲッタ領域を呈することを特徴とする、請求項7に記載の一体型ゲッタ。
【請求項9】
前記付加的ゲッタ層(9d)は、異なる結晶構造を呈する前記第一ゲッタ層(9a)の2つの領域上に部分的に配置され、前記第一ゲッタ層(9a)の外側に部分的に配置されることを特徴とする、請求項8に記載の一体型ゲッタ。
【請求項10】
前記一体型ゲッタが少なくとも1つの付加的調整副層(10b)を含むことを特徴とする、請求項2から9のいずれか一項に記載の一体型ゲッタ。
【請求項11】
前記一体型ゲッタが複数のゲッタ層(9)を含み、各ゲッタ層(9)は、前記ゲッタがゲッタ層よりも多くのゲッタ領域を含むように、前記調整副層(10a、10b)のうちの1層の部分と、前記調整副層の外側の部分とを含むことを特徴とする、請求項10に記載の一体型ゲッタ。
【請求項12】
前記一体型ゲッタが保護層によって少なくとも部分的に覆われていることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の一体型ゲッタ。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載の少なくとも1つの一体型ゲッタが配置されている、制御された大気下にある閉鎖空洞を含む構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−131207(P2011−131207A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−255774(P2010−255774)
【出願日】平成22年11月16日(2010.11.16)
【出願人】(510225292)コミサリア ア レネルジー アトミック エ オ ゼネルジー アルテルナティブ (97)
【氏名又は名称原語表記】COMMISSARIAT A L’ENERGIE ATOMIQUE ET AUX ENERGIES ALTERNATIVES
【住所又は居所原語表記】Batiment Le Ponant D,25 rue Leblanc,F−75015 Paris, FRANCE
【Fターム(参考)】