説明

2軸同期回転駆動装置

【課題】水平方向の任意位置へ移動する左右一対の昇降体を単一の電動モータにより一致する高さで昇降することができ、電動モータ数を低減して装置自体を小型化及び軽量化すると共に低コスト化する。
【解決手段】各水平フレーム(5・7)に対するそれぞれの水平可動体(17・19)の移動位置に応じてリンクアーム(47・49・51・53)を揺動した状態で駆動される電動モータ(45)により各送りねじ(25・27)のいずれか一方及び少なくとも1個の回転体(59・61・63・65・67・69・71・73)の何れかを回転して駆動力伝達部材(75・77・79・81)を走行させてそれぞれの送りねじ(25・27)を同期回転して各昇降体(33・35)を同一の移動距離で昇降可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水平方向に対して任意位置へ個別に移動する昇降体をそれぞれ昇降する少なくとも2本の送りねじを単一の電動モータにより同期して回転駆動する2軸同期回転駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に示す昇降装置にあっては、鉛直方向に配設され、固定配置された支持部に軸線を中心として回転可能に設けられた複数のねじ軸と、該各ねじ軸に螺合するナット部を有し、ねじ軸が同期して回転されることにより昇降する昇降台と、支持部と平行に配置された旋回盤と、該旋回盤に軸線を中心として回転自在に取り付けられた複数の回転軸と、該各回転軸と対応するねじ軸とを連結するクランク部と、旋回盤を、ねじ軸回りに旋回させる駆動部とを備え、該駆動部により旋回盤を旋回させることにより該旋回盤および前記クランク部を介して前記ねじ軸を同期して回転駆動して前記昇降台を昇降動させるように構成される。
【0003】
上記昇降装置にあっては、1個の駆動部、具体的には電動モータにより複数本のねじ軸を同期回転してそれぞれのねじ軸に噛合わされた各昇降台を同期して昇降することができ、各ねじ軸を個別に設けられた駆動部で同期回転する場合に比べて駆動部の数を低減することができる。
【0004】
しかし、上記昇降装置にあっては、旋回盤に対して各ねじ軸が移動不能な構造においては、有効であるが、例えばワークに対して所要の穴開け加工やバリ取り処理を行う処理装置のワーク保持装置のようにワークの下面に当接して支持する少なくとも左右一対のワーク保持部材を、ワークの大きさに応じて水平方向へそれぞれ個別に移動させる場合には、各ねじ軸を同期回転してそれぞれのワーク保持部材を同期して昇降することができなかった。
【0005】
水平方向に対して任意位置へ移動する昇降台を同期して昇降させるには、各ねじ軸に電動モータを個別に連結し、各電動モータを同期駆動制御して各ワーク保持部材の移動高さが常に一致するように同期して昇降させる必要があった。
【0006】
このため、各ワーク保持部材を同期して昇降するには、各ねじ軸毎に電動モータを連結する必要があり、装置自体が重量化及び大型化すると共に高コスト化する問題を有している。また、これら2個の電動モータを確実に同期回転駆動する必要があり、電動モータの制御装置が複雑化して同期回転駆動装置が高コスト化する問題を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−345835号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
解決しようとする問題点は、水平方向の任意位置へ移動する少なくとも2個の昇降体を一致する高さで昇降するには、それぞれの昇降体毎に電動モータを設けなければならず、装置自体が大型化及び重量化すると共に高コスト化する点にある。また、各昇降体の電動モータを高精度で同期回転駆動しなければならず、制御装置が複雑化して装置自体が高コスト化する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、水平方向へ同一直線状に配置された少なくとも2台の水平フレームに対してそれぞれ移動可能に支持された水平可動体と、各水平フレームに対して対応するそれぞれの水平可動体を個別に移動する水平駆動部材と、上下方向に軸線を有して各水平可動体にそれぞれ回転可能に軸支された送りねじと、各水平可動体にそれぞれ上下方向へ移動可能に支持され、対応するそれぞれの送りねじの回転に伴って昇降する昇降体と、上記各送りねじの軸端部に一端部がそれぞれ回動可能に軸支されると共に他端部が支持軸により揺動可能に軸支され、各水平フレームに対するそれぞれの水平可動体の移動位置に応じて揺動する複数個のリンクアームと、各送りねじの軸端部にそれぞれ設けられた回転体及び上記支持軸の軸端部にそれぞれ設けられた回転体にそれぞれ掛渡される駆動力伝達部材と、各送りねじのいずれか一方及び少なくとも1個の回転体の何れかを回転駆動する電動モータとを備え、各水平フレームに対するそれぞれの水平可動体の移動位置に応じてリンクアームを揺動した状態で駆動される電動モータにより各送りねじのいずれか一方及び少なくとも1個の回転体の何れかを回転して駆動力伝達部材を走行させてそれぞれの送りねじを同期回転して各昇降体を同一の移動距離で昇降可能にしたことを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、水平方向の任意位置へ移動する左右一対の昇降体を単一の電動モータにより一致する高さで昇降することができ、電動モータ数を低減して装置自体を小型化及び軽量化すると共に低コスト化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】2軸同期回転駆動装置を適用したワーク支持装置の概略を示す全体斜視図である。
【図2】ワーク保持部材を互いに離間する方向へ移動した状態を示す正面図である。
【図3】2軸同期回転駆動装置を示す説明図である。
【図4】第1及び第2水平フレームに対して第1及び第2水平可動体を任意の位置へ移動した状態を示す説明図である。
【図5】第1及び第2送りねじの同期回転状態を示す説明図である。
【図6】実施例2に係る駆動力伝達手段を示す説明図である。
【図7】実施例3に係る駆動力伝達手段を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
各水平フレームに対するそれぞれの水平可動体の移動位置に応じてリンクアームを揺動した状態で駆動される電動モータにより各送りねじのいずれか一方及び少なくとも1個の回転体の何れかを回転して駆動力伝達部材を走行させてそれぞれの送りねじを同期回転して各昇降体を同一の移動距離で昇降可能にしたことを最良の実施形態とする。
【実施例1】
【0013】
以下、本発明を水平方向へ個別に移動するように支持された2個の水平可動体に上下方向へ軸線を有して設けられた2本の送りねじを同期回転して昇降体に設けられた保持部材を同時に昇降してワークを保持するワーク保持装置に実施した実施例を示す図に従って本発明を説明する。
【0014】
図1乃至図3に示すように、本発明を適用したワーク保持装置1の本体フレーム3には水平方向へ延出する第1及び第2水平フレーム5・7が同一直線状で、所要の高さ位置に設けられる。各第1及び第2水平フレーム5・7には水平方向に軸線を有した第1及び第2水平駆動部材の一部を構成する第1及び第2水平送りねじ9・11が回転可能に軸支され、それぞれの第1及び第2水平送りねじ9・11にはサーボモータ等の数値制御可能で第1及び第2水平駆動部材の一部を構成する第1及び第2電動モータ13・15が連結されている。
【0015】
上記各第1及び第2水平フレーム5・7には第1及び第2水平可動体17・19がそれぞれ水平方向へ個別に移動可能に支持されると共にこれら第1及び第2水平可動体17・19に設けられたナット(図示せず)は対応する第1及び第2水平送りねじ9・11に噛合わされる。これら第1及び第2水平可動体17・19は対応する第1及び第2電動モータ13・15の駆動に伴って水平方向へ往復移動される。
【0016】
上記各第1及び第2水平可動体17・19には上下方向へ延出する第1及び第2上下フレーム21・23が設けられ、各第1及び第2上下フレーム21・23には上下方向に軸線を有した第1及び第2送りねじ25・27が回転可能に軸支される。なお、各第1及び第2送りねじ25・27は軸下端部が本体フレーム3に設けられ、2軸同期駆動装置29を収容するボックス31内に至る軸線長さに設定される。
【0017】
各第1及び第2上下フレーム21・23には第1及び第2昇降体33・35が上下方向へ移動可能に支持され、各第1及び第2昇降体33・35に設けられたナット(図示せず)は対応する第1及び第2送りねじ25・27に噛合わされる。また、各第1及び第2昇降体には第1及び第2取付けアーム37・39の基端部が固定され、各第1及び第2取付けアーム37・39の先端部にはワーク保持部材41・43がそれぞれ取り付けられる。
【0018】
各ワーク保持部材41・43としては負圧発生手段(図示せず)に接続され、ワーク(図示せず)の下面に吸着する吸着部材、作動爪部を開閉作動してワークを保持する把持部材、エアーシリンダ等のロッドに設けられた押圧板を固定板に向かって移動してワークを把持する保持部材等の何れであってもよい。図はエアーシリンダを使用した保持部材を示す。
【0019】
2軸同期駆動装置29が収容されるボックス31の水平方向中央部にはサーボモータ等の数値制御可能な電動モータ45が設けられ、該電動モータ45の出力軸には第1及び第2リンクアーム47・49の一端部が回動可能に軸支され、各第1及び第2リンクアーム47・49の他端部には第3及び第4リンクアーム51・53の一端部が支持軸55・57により回動可能に軸支される。そして各第3及び第4リンクアーム51・53の他端部は対応する第1及び第2送りねじ25・27の軸下端部に回動可能に軸支される。
【0020】
第1リンクアーム47の上方及び第2リンクアーム49の下方に位置する電動モータ45の出力軸には歯付きプーリ等の第1及び第2回転体59・61が同軸状に固定される。また、第1及び第3リンクアーム47・51を軸支する支持軸55の軸両端部及び第2リンクアーム49及び第4リンクアーム53を軸支する支持軸57の軸両端部には歯付きプーリ等の第3及び第4回転体63・65と第5及び第6回転体67・69がそれぞれ固定される。更に、上記第1及び第2送りねじ25・27の軸下端部には歯付きプーリ等の第7及び第8回転体71・73がそれぞれ固定される。
【0021】
上記第1回転体59と第3回転体63、第4回転体65と第7回転体71、第2回転体61と第6回転体、第5回転体67と第8回転体73には無端状の歯付きベルト等の駆動力伝達部材75、77、79、81がそれぞれ掛渡される。
【0022】
次に、上記のように構成されたワーク保持装置1によるワーク保持作用及び2軸同期駆動装置29による第1及び第2送りねじ25・27の同期回転駆動作用に付いて説明する。
【0023】
ワーク保持装置1にあっては、ワークを安定した状態で保持するには、大きさ(重量)や重心位置に応じてワーク保持部材41・43を水平方向の所要位置へ移動する必要がある。先ず、水平方向に対してそれぞれのワーク保持部材41・43を所要の位置へ移動するには、それぞれの第1及び第2電動モータ13・15をワークの重心位置に対する水平方向の一方及び他方に至る距離に応じた駆動量で駆動制御して第1及び第2水平送りねじ9・11を個別に回転し、第1及び第2水平フレーム5・7に対して第1及び第2水平可動体17・19をそれぞれの位置へ移動させる。これにより各ワーク保持部材41・43は、ワークの重心位置に対して水平方向の所要の位置へ移動される。
【0024】
このとき、支持軸55を中心とする第1及び第3リンクアーム47・51は、第1水平フレーム5における第1水平可動体17の位置に応じた角度で揺動し、第1水平フレーム5において第1水平可動体17の任意位置に対する移動を可能にさせる。同様に支持軸57を中心とする第2及び第4リンクアーム49・53は、第2水平フレーム7における第2水平可動体19の位置に応じた角度で揺動し、第2水平フレーム7において第2水平可動体19の任意位置に対する移動を可能にさせる。(図4参照)
【0025】
また、水平方向の所要の位置へ移動されたワーク保持部材41・43によりワークを保持させるには、これらワーク保持部材41・43を一定の高さ位置へ移動させる必要がある。本例においては、電動モータ45を所要の高さに応じた駆動量で回転駆動すると、該電動モータ45の回転駆動力は、第1回転体59、駆動力伝達部材75、支持軸55により連結された第3及び第4回転体63・65、駆動力伝達部材77及び第7回転体71を介して第1送りねじ25と第2回転体61、駆動力伝達部材79、支持軸57により連結された第5及び第6回転体67・69、駆動力伝達部材81及び第8回転体83を介して第2送りねじ27へ同期して伝達される。これにより第1及び第2送りねじ25・27が同期回転して第1及び第2昇降体33・35を同期して昇降し、各ワーク保持部材41・43を常に高さが一致するように昇降させる。(図5参照)
【0026】
本実施例は、水平方向に対して任意の所要位置へ移動したそれぞれの第1及び第2上下フレーム21・23に設けられた第1及び第2送りねじ25・27を単一の電動モータ45により同期回転してそれぞれのワーク保持部材41・43を一致する移動量で昇降させることができ、それぞれの送りねじを対応する個別の電動モータを同期制御して一致する移動量で昇降させる場合に比べて電動モータを低減して装置自体を小型化及び軽量化すると共に製造コストを低減することができる。
【0027】
また、本実施例にあっては、第1及び第2送りねじ25・27を確実に同期回転してそれぞれのワーク保持部材41・43を一致する移動量で昇降させることができる。
【実施例2】
【0028】
実施例1は、電動モータ45の出力軸に2個の回転体59・61を取付け、回転体59と第3回転体63に駆動力伝達部材75を、また回転体61と第6回転体69に駆動力伝達部材79をそれぞれ掛渡して第1及び第2送りねじ25・27を同期回転する構成としたが、本実施例は、図6に示すように電動モータ45の出力軸に1個の回転体91を設け、第3回転体63と第6回転体69に対して共通の駆動力伝達部材93を掛渡すと共に駆動力伝達部材93が掛渡された回転体91に対して押圧回転体95を当接するように設け、出力軸に対して第1及び第2リンクアーム47・49が回動した際に押圧回転体95により回転体91から駆動力伝達部材93が外れるのを規制する構成としてもよい。
【0029】
なお、図7において実施例1と同一の部材に付いては、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【実施例3】
【0030】
実施例1及び2は、第1及び第2送りねじ25・27間の中間部に設けられた電動モータ45により第1及び第2送りねじ25・27を同期回転して第1及び第2昇降体33・35を同一のストロークで昇降する構成としたが、本実施例は、図7に示すように第1及び第2送りねじ25・27の何れか一方(図示の例では第1送りねじ25とする。)の軸端部に電動モータ45を連結すると共に該第1送りねじ25の軸下端部と第2送りねじ27の軸下端部に一端部が支持軸101により揺動するように軸支された2本のリンクアーム103・105の他端部を回動するように支持する。
【0031】
また、上記第1及び第2送りねじ25・27の軸下端部及び支持軸101の軸両端部に歯付きプーリ等の回転体107・109、111・113をそれぞれ設けると共に回転体107と回転体111及び回転体109と回転体113に歯付きベルト等の駆動力伝達部材115・117をそれぞれ掛渡す。
【0032】
そして電動モータ45の駆動に伴って回転する第1送りねじ25により回転体107を回転して走行する駆動力伝達部材115により回転体111・113により駆動力伝達部材117を走行して回転体109を回転することにより第2送りねじ27を第1送りねじ25と同期回転させる構成としてもよい。
【0033】
上記説明は、ワークに対して所要の加工を行う際にワークの下面を保持して位置ずれを規制するワーク支持装置を例として説明したが、本発明に係る2軸同期回転駆動装置は、ワーク支持装置に限定されるものではなく、水平方向の任意位置へ移動するように設けられた第1及び第2昇降体33・35を昇降する第1及び第2送りねじを単一の電動モータ45により同期回転して所要の動作を可能にする構成であってもよい。
【0034】
上記説明は、水平方向に対して2本の水平フレームを配置し、各水平フレームに対して水平方向へ移動可能に支持された2個の上下フレームにそれぞれ軸支された2本の送りねじにそれぞれ噛合わされた2個の昇降体を1個の電動モータにより2本の送りねじをそれぞれ同期回転して各昇降体を同期して昇降させる構成としたが、本発明にあっては、以下のように変更実施することができる。
【0035】
即ち、水平方向に対して3本以上の水平フレームを配置し、各水平フレームに対して水平方向へ移動可能に支持された3個以上の上下フレームにそれぞれ軸支された3本以上の送りねじに対し、一端部が揺動可能に軸支されたリンクアームの他端部を回動可能に軸支すると共に各リンクアームの各端部を軸支する支持軸の軸端部に設けられたそれぞれの回転体に駆動力伝達部材を掛渡し、1個の支持軸に連結された電動モータにより回転体を回転して各駆動力伝達部材を走行させることによりそれぞれの送りねじを同期回転して各昇降体を同期して昇降させる構成としてもよい。
【符号の説明】
【0036】
1 ワーク保持装置
3 本体フレーム
5 第1水平フレーム
7 第2水平フレーム
9 第1水平駆動部材の一部を構成する第1水平送りねじ
11 第2水平駆動部材の一部を構成する第2水平送りねじ
13 第1水平駆動部材の一部を構成する第1電動モータ
15 第2水平駆動部材の一部を構成する第2電動モータ
17 第1水平可動体
19 第2水平可動体
21 第1上下フレーム
23 第2上下フレーム
25 第1送りねじ
27 第2送りねじ
29 2軸同期駆動装置
31 ボックス
33 第1昇降体
35 第2昇降体
37 第1取付けアーム
39 第2取付けアーム
41 ワーク保持部材
43 ワーク保持部材
45 電動モータ
47 第1リンクアーム
49 第2リンクアーム
51 第3リンクアーム
53 第4リンクアーム
55 支持軸
57 支持軸
59 第1回転体
61 第2回転体
63 第3回転体
65 第4回転体
67 第5回転体
69 第6回転体
71 第7回転体
73 第8回転体
75 駆動力伝達部材
77 駆動力伝達部材
79 駆動力伝達部材
81 駆動力伝達部材
91 回転体
93 駆動力伝達部材
95 押圧回転体
101 支持軸
103 リンクアーム
105 リンクアーム
107 回転体
109 回転体
111 回転体
113 回転体
115 駆動力伝達部材
117 駆動力伝達部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平方向へ同一直線状に配置された少なくとも2台の水平フレームに対してそれぞれ移動可能に支持された水平可動体と、
各水平フレームに対して対応するそれぞれの水平可動体を個別に移動する水平駆動部材と、
上下方向に軸線を有して各水平可動体にそれぞれ回転可能に軸支された送りねじと、
各水平可動体にそれぞれ上下方向へ移動可能に支持され、対応するそれぞれの送りねじの回転に伴って昇降する昇降体と、
上記各送りねじの軸端部に一端部がそれぞれ回動可能に軸支されると共に他端部が支持軸により揺動可能に軸支され、各水平フレームに対するそれぞれの水平可動体の移動位置に応じて揺動する複数個のリンクアームと、
各送りねじの軸端部にそれぞれ設けられた回転体及び上記支持軸の軸端部にそれぞれ設けられた回転体にそれぞれ掛渡される駆動力伝達部材と、
各送りねじのいずれか一方及び少なくとも1個の回転体の何れかを回転駆動する電動モータと、
を備え、
各水平フレームに対するそれぞれの水平可動体の移動位置に応じてリンクアームを揺動した状態で駆動される電動モータにより各送りねじのいずれか一方及び少なくとも1個の回転体の何れかを回転して駆動力伝達部材を走行させてそれぞれの送りねじを同期回転して各昇降体を同一の移動距離で昇降可能にした2軸同期回転駆動装置。
【請求項2】
請求項1において、電動モータはいずれかの送りねじに連結されると共に各送りねじの軸端部には一端部が支持軸により揺動可能に軸支された少なくとも2本のリンクアームの他端部が回動可能に軸支され、各送りねじの軸端部に設けられた回転体及び支持軸の各軸端部に設けられた回転体に駆動力伝達部材を掛渡し、電動モータの駆動に伴って回転する一方の送りねじに同期して他方の送りねじ回転可能にした2軸同期回転駆動装置。
【請求項3】
請求項1において、電動モータの出力軸と各送りねじの軸端部には支持軸により揺動可能に軸支された少なくとも2本のリンクアームの他端部がそれぞれ回動可能に軸支されると共に上記出力軸に設けられた回転体及び各支持軸に設けられた回転体と各送りねじの軸端部に設けられた回転体には駆動力伝達部材がそれぞれ掛渡され、電動モータの駆動に伴って各駆動力伝達部材を走行して各送りねじをそれぞれ同期回転可能にした2軸同期回転駆動装置。
【請求項4】
請求項3において、電動モータの出力軸には2個の回転体を同心状に設け、各送りねじの軸端部に設けられた回転体に対してそれぞれの駆動力伝達部材を掛渡し可能とした2軸同期回転駆動装置。
【請求項5】
請求項3において、電動モータの出力軸には1個の回転体を設けると共に各送りねじ側の各支持軸に設けられた回転体に対して共通の駆動力伝達部材を掛渡して各送りねじを同期回転可能とした2軸同期回転駆動装置。
【請求項6】
請求項5において、駆動力伝達部材が共通に掛渡された出力軸の回転体には押圧回転体を当接可能に設け、該押圧回転体により駆動力伝達部材が外れるのを規制可能とした2軸同期回転駆動装置。
【請求項7】
請求項1において、電動モータはいずれかの送りねじに連結されると共に各送りねじの軸端部には支持軸により一端部が揺動可能に軸支された少なくとも2本のリンクアームの他端部が回動可能に支持され、上記各送りねじの軸端部及び支持軸の軸端部に設けられた回転体に駆動力伝達部材が掛渡し、電動モータの駆動に伴って回転する一方の送りねじに同期して他方の送りねじを回転する2軸同期回転駆動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−52467(P2013−52467A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−191424(P2011−191424)
【出願日】平成23年9月2日(2011.9.2)
【出願人】(506329292)スターテクノ株式会社 (45)
【Fターム(参考)】