説明

3相交流負荷試験機

【課題】3相交流発電装置の負荷試験装置(電力吸収装置)は従来水抵抗器(水槽に水を張り導通剤を入れよく攪拌其処に3極の電極挿入)を使用するのが多くこの方式は小電力吸収でも装置、管理が大掛かりになる。又移動に於いて使い勝手よくしたニクロム線方式もあるが、ニクロム線の使用中の管理(冷却、振動防止、強度)が困難でその為の管理者が必要となる。何れも大掛かりとなり分解、移動も困難。この様なことで試験経費も高額になり発電装置の負荷吸収試験は省かれる。
【解決手段】上記のニクロム線方式の欠点を埋めるべく一般に安価手頃に販売され且つ安全装置内蔵、筐体は強度的にも充分手当てされている商品ヘヤードライヤーに注目これを回路に必要個数あてがい目的の効果を得る。これを取り付ける衝立架台も該ドライヤーを組立て取り外し簡単構造にし収納容器に入れられる様製作する事により収納容器に入れ持ち運べる3相交流負荷試験機を得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、相間電圧200V以上の3相交流負荷試験機において市販100Vヘヤードライヤーを使用した3相交流負荷試験機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
水抵抗負荷試験機においては水槽の持ち運び、管理、攪拌装置或いは水の調達等手間ひまかかりすぎ等で使用するのが敬遠される。ニクロム線負荷試験機に於いては構成抵抗器は手作りで、ニクロム線をコイル状に巻き且つそれの巻きつき防止、ゆれ防止、冷却等から装置が大きく重たい物になる欠点がある。それ故使用するのが敬遠される。更に、客先で設置場所等使用制限されることが多々ある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−12002号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者は3相交流負荷試験機の構成部品を徹底的に調査し容易なとり回しに貢献できる部品は無いか、諸々にかかる費用の軽減に貢献できる部品は無いか調査した結果ヘヤードライヤーに辿り着きそれを回路構成部品として使用に成功、同時にそれらを結合分離し易いようにする配線及び器具も考案、これらを含め本発明として、ここに提案するものである。ここで使用するヘヤードライヤーとは抵抗線と送風ファン一式にし手に持て且つ商品化されたものである。 同等の形状、作用するものも同一商品とみなす。
上記回路構成物を取り付ける衝立架台、それを収納する容器も工夫、全体を収納、移動可能にした。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る3相交流負荷試験機は次の(1)、(2)、(3)及び(4)に記載のものである。
(1)3相交流R,S,T各線間に交流100Vヘヤードライヤーを負荷構成する3相交流負荷試験機。
(2)3相交流R,S,T各線とそれらが形成する中点Oの間に交流100Vヘヤードライヤーを負荷構成する3相交流負荷試験機。
(3)組立て分解可能な3相交流負荷試験機。
(4)容器への収納が可能な構造の3相交流負荷試験機。
【発明の効果】
【0006】
本発明は法律に則って試験を受け、携帯携行品として生産されている軽量、小型、堅固、安価な量産販売商品携帯へヤードライヤーを部品として使用して組み立てている為完成した負荷試験機も軽量、小型、堅固、安価な物になった。
【0007】
回路を分離結合する配線一式図2か図10差込接続器具図3、図4か図11を使用、衝立架台22,73に該へヤードライヤー群21,72を配置、取り付け取り外し簡単な仕組み、構造にしてある。一つの衝立架台は最低でも最小単位のデルタ結線、スター結線の負荷抵抗値が構成される。負荷試験機一式は最小単位の集合和で、持ち運べる任意の物を作ることが出来る。
【0008】
移動に際しては、ヘヤードライヤー群21,72を取り付けた数機の衝立架台22,73を収納容器23,74に入れるか衝立架台からそのドライヤーを外しそれを収納容器に入れるかする。この時デルタ結線では配線一式図2か差込接続器具図3か図4、スター結線では配線一式図10か差込接続器具図11と調整抵抗器図12を必要数同梱。負荷試験機1式容器に入れて簡単に持ち運ぶ事が可能となり、狭い場所高所、地下等での使用制限のおそれが少なくなった。今までこの様なものは無い。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施例1のデルタ結線方式の構成図
【図2】図1の配線一式の構成図
【図3】図2の差込接続器具
【図4】図2の差込接続器具
【図5】デルタ結線負荷試験機を収納容器に入れた側面図
【図6】図5の平面図
【図7】デルタ結線負荷試験機例を収納容器に入れた側面図
【図8】図7の平面図
【図9】実施例2のスター結線方式の構成図
【図10】図9の配線一式の構成図
【図11】図10の差込接続器具
【図12】スター結線で使用する調整抵抗器
【図13】スター結線負荷試験機を収納容器に入れた側面図
【図14】図13の平面図
【発明を実施するための形態】
【0010】
200V3相交流発電装置の負荷吸収は2通りあり大容量では図1小容量では図9のようになる。大容量を吸収させるデルタ結線一回路の構成は各相間RS,ST,TRに100Vヘヤードライヤー2個直列に入れ200V負荷を吸収させる。小容量を吸収させるスター結線一回路の構成は3相の中点Oを電気的に作るとRO,SO,TOにかかる各電圧は115Vとなり、ここに100Vヘヤードライヤーと15V調整抵抗器を入れて負荷吸収させる。この様にして100Vヘヤードライヤーを使用した3相200V一回路の負荷吸収が解決する。ここで注意することは負荷吸収させる一回路のヘヤードライヤーは同一メーカーで性能、品質を揃え各相均等に負荷吸収させる事。次に、持ち運びを容易にするにはドライヤーの並べ方と取り付け架台の形状吟味あわせて行い配線一式図2か図10か差込接続器具図3か図4か図11どれか一種類、ドライヤー群21か72どちらか一種類、衝立架台22か73どちらか一種類を選択し一緒に収納する収納容器23か74を作成する。配線一式、差込接続器具には開閉器13,57内蔵で負荷の増減を容易にする。
【実施例1】
【0011】
図1はこの発明に係る発電装置と負荷試験機20の回路上の関係図でデルタ結線に関するものを表し、負荷試験機20が実施例1である。
【0012】
負荷試験機20はヘヤードライヤー(1〜6)、配線一式図2それを取り付ける衝立架台22とに分かれる。移動する時はヘヤードライヤー、配線一式、衝立架台をバラバラにし収納ケースに入れる。
【0013】
構成で使用するヘヤードライヤー(1〜6)は3相RS,ST,TRの相間負荷吸収を均等にする必要上、同一メーカー同一性能のものでなければならない。結線の仲介を導線14で接続されたソケット7〜12が行う。
【0014】
ヘヤードライヤーを3相負荷試験機として作用させる為の配線一式を図2に示す。
【0015】
使用へヤードライヤー(1〜6)を実体配線上で固定するのではなく配線一式図2を筐体19に入れ器具化した差込接続器具図3か図4で接続するので取り付け分解がより簡単になる。筐体19には設置穴18が設けてある。分解し収納容器23に収納することが可能となるので移動容易な負荷試験機が提供できる。
【実施例2】
【0016】
図9はこの発明に係る発電装置と負荷試験機71の回路上の関係図でスター結線に関するものを表し、負荷試験機71が実施例2である。
【0017】
負荷試験機71はヘヤードライヤー(51〜53)と配線一式図10調整抵抗器図12それを取り付ける衝立架台73とに分れる。移動する時はヘヤードライヤー、配線一式、衝立架台をバラバラにし収納ケースに入れる。
【0018】
構成で使用するヘヤードライヤー(51〜53)は3相RS,ST,TRの相間負荷吸収を均等にする必要上、同一メーカー同一性能のものでなければならない。結線の仲介を導線58で接続されたソケット54〜56が行う。
【0019】
ヘヤードライヤーを3相負荷試験機として作用させる為の配線一式を図10に示す。
【0020】
使用へヤードライヤーとそのドライヤーに掛かる電圧を調整する調整抵抗器図12を実態配線上で固定するのではなく配線一式図10を筐体66に入れ器具化した差込接続器具図11で接続するので取り付け分解がより簡単になる。筐体66には設置穴65が設けてある。分解し収納容器に収納することが可能となるので移動容易な負荷試験機が提供できる。
【符号の説明】
【0021】
1〜6 ヘヤードライヤー
7〜12 ソケット
13 開閉器
14 導線
15〜17 端子
18 穴
19 筐体
20 負荷試験機
21 ヘヤードライヤー群
22 衝立架台
23 容器

51〜53 ヘヤ-ドライヤー
54〜56 ソケット
57 開閉器
58 導線
59〜64 端子
65 穴
66 筐体
67 調整抵抗器
68〜70 端子
71 負荷試験機
72 ヘヤードライヤー群
73 衝立架台
74 容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
3相交流発電装置から出るR,S,T各線間に交流100Vドライヤーを負荷する構成としたことを特徴とする3相交流負荷試験機
【請求項2】
3相交流発電装置から出るR,S,T各線とそれらが形成する中点Oの間に交流100 Vドライヤーを負荷する 構成としたことを特徴とする3相交流負荷試験機
【請求項3】
組立て分解可能にしたことを特徴とする請求項1又は2記載の3相交流負荷試験機
【請求項4】
容器への収納を可能にしたことを特徴とする請求項1又は2記載の3相交流負荷試験機

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2013−57637(P2013−57637A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−197449(P2011−197449)
【出願日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(711010150)株式会社森公 (1)
【Fターム(参考)】