９，１０−ジヒドロ−９，１０−エタノアントラセン−９，１０−ジオール化合物及びその製造方法
【課題】９位、１０位の両方に水酸基が結合した９，１０−ジヒドロ−９，１０−エタノアントラセン−９，１０−ジオール化合物を提供する。
【解決手段】以下の一般式（１）で示される９，１０−ジヒドロ−９，１０−エタノアントラセン−９，１０−ジオール化合物。
【化１】
（一般式（１）において、Ｒ１は水素原子又はメチル基を示し、Ｒ２は、水素原子又は酸素原子を含んでいてもよいアルキル基若しくはアリール基を示し、Ｘ１及びＸ２は、同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基又はアリールオキシ基を示す。）
【解決手段】以下の一般式（１）で示される９，１０−ジヒドロ−９，１０−エタノアントラセン−９，１０−ジオール化合物。
【化１】
（一般式（１）において、Ｒ１は水素原子又はメチル基を示し、Ｒ２は、水素原子又は酸素原子を含んでいてもよいアルキル基若しくはアリール基を示し、Ｘ１及びＸ２は、同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基又はアリールオキシ基を示す。）
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、９，１０−ジヒドロ−９，１０−エタノアントラセン−９，１０−ジオール化合物及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【０００２】
以下の化学式に示すように、エタノアントラセン骨格は、多環式炭化水素と二つのベンゼン環よりなる特異な立体構造を有する。
【０００３】
【化１】
【０００４】
そこで、エタノアントラセン環中に更に置換基を導入したり、逆にエタノアントラセン環を他の分子骨格に組み込むことによって、化学物性、物理物性に特徴のある化合物が得られることが期待される。エタノアントラセン化合物は、通常、アントラセン化合物とジエノフィルとのディールス・アルダー反応により合成される（特許文献１〜３）。
【０００５】
しかしながら、この基本骨格のままでは反応基が存在しないため、他分子と結合を作ることが出来ない。そのためには、エタノアントラセン環に化学反応しやすい置換基をつけることが好ましく、特に、水酸基の導入は、水酸基から、更に、エーテル結合、エステル結合、アミド結合などの有機化学上基本的な結合を形成し得るところから望まれるところである。
【０００６】
しかしながら、水酸基の置換したエタノアントラセン化合物を得ることは一般に困難であり、唯一アントロンと無水マレイン酸の反応による９，１０−ジヒドロ−９−ヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセンの合成例が知られているのみであって（特許文献４）、９位、１０位の両方に水酸基が結合したジオール構造を有する９，１０−ジヒドロ−９，１０−エタノアントラセン−９，１０−ジオール化合物は全く知られていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００７】
【特許文献１】特公昭５６−６４１４号公報
【特許文献２】特開昭５７−１９００２２号公報
【特許文献３】特開平３−１１５２６９号公報
【特許文献４】英国特許出願公開第１１４４９３５号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その目的は、９位、１０位の両方に水酸基が結合した９，１０−ジヒドロ−９，１０−エタノアントラセン−９，１０−ジオール化合物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
本発明者らは、前記の目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、アントラセン−９，１０−ジオール化合物と（メタ）アクリル酸エステル化合物とのディールス・アルダー反応により、９，１０−ジヒドロ−９，１０−エタノアントラセン−９，１０−ジオール化合物が安定に得られることを見出し、本発明を完成した。
【００１０】
すなわち、本発明の第１の要旨は、以下の一般式（１）で示される９，１０−ジヒドロ−９，１０−エタノアントラセン−９，１０−ジオール化合物に存する。
【００１１】
【化２】
（一般式（１）において、Ｒ１は水素原子又はメチル基を示し、Ｒ２は水素原子又は酸素原子を含んでいてもよいアルキル基若しくはアリール基を示し、Ｘ１及びＸ２は同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基又はアリールオキシ基を示す。）
【００１２】
また、本発明の第２の要旨は、以下の一般式（２）に示される９，１０−ジヒドロキシアントラセン化合物と以下の一般式（３）に示される（メタ）アクリル酸エステルをディールス・アルダー反応させることを特徴とする、前記の一般式（１）で示される９，１０−ジヒドロ−９，１０−エタノアントラセン−９，１０−ジオール化合物の製造方法に存する。
【００１３】
【化３】
（一般式（２）において、Ｘ１及びＸ２は同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基又はアリールオキシ基を示す。）
【００１４】
【化４】
（一般式（３）において、Ｒ１は水素原子又はメチル基を示し、Ｒ２は水素原子又は酸素原子を含んでいてもよいアルキル基若しくはアリール基を示す。）
【発明の効果】
【００１５】
本発明により、９位および１０位の両方に水酸基が置換した９，１０−ジヒドロ−９，１０−エタノアントラセン−９，１０−ジオール化合物を得ることが出来る。
【発明を実施するための形態】
【００１６】
以下、本発明について詳細に説明する。
【００１７】
先ず、本発明に係る一般式（１）で示される９，１０−ジヒドロ−９，１０−エタノアントラセン−９，１０−ジオール化合物について説明する。
【００１８】
【化５】
（一般式（１）において、Ｒ１は水素原子又はメチル基を示し、Ｒ２は水素原子又は酸素原子を含んでいてもよいアルキル基若しくはアリール基を示し、Ｘ１及びＸ２は同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基又はアリールオキシ基を示す。）
【００１９】
一般式（１）においてＲ２で表わされるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、ｎ−プロピル基、ｉ−プロピル基、ｎ−ブチル基、ｉ−ブチル基、ｎ−アミル基、ｉ−アミル基、ｎ−ヘキシル基、ｎ−ヘプチル基、ｎ−オクチル基、２−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基などが挙げられ、アリール基としては、フェニル基、ｏ−トリル基、ｐ−トリル基、ｏ−クロロフェニル基、ｐ−クロロフェニル基、１−ナフチル基，２−ナフチル基などが挙げられ、酸素原子が置換したアルキル基又はアリール基としては、２−ヒドロキシエチル基、２−メトキシエチル基、２−エトキシエチル基、ｏ−ヒドロキシフェニル基、ｐ−ヒドロキシフェニル基、ｏ−メトキシフェニル基，ｐ−メトキシフェニル基、２−フェノキシエチル基、３−ヒドロキシプロピル基、３−メトキシプロピル基、２−（２−ヒドロキシエトキシ）エチル基、２−（２−メトキシエトキシ）エトキシ基、２−（２−エトキシエトキシ）エチル基、２−（２−フェノキシエトキシ）エチル基などが挙げられる。
【００２０】
一般式（１）において、Ｘ１及びＸ２で表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、ｔ−ブチル基などが挙げられ、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられ、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などが挙げられ、アリールオキシキとしては、フェノキシ基、トリルオキシ基、ナフチルオキシ基などが挙げられる。
【００２１】
＜アントラセン環が非置換の化合物：Ｘ１及びＸ２が水素原子の化合物＞
この化合物としては例えば次の（ａ）〜（ｄ）が挙げられる。
【００２２】
（ａ）９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸メチル、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸エチル、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−プロピル、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｉ−プロピル、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−ブチル、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｉ−ブチル、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−アミル、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｉ−アミル、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−ヘキシル、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−ヘプチル、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−オクチル、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−２−エチルヘキシル、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−ノニル、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−デシル
【００２３】
（ｂ）９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸メチル、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸エチル、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−プロピル、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｉ−プロピル、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−ブチル、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｉ−ブチル、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−アミル、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｉ−アミル、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−ヘキシル、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−ヘプチル、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−オクチル、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−２−エチルヘキシル、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−ノニル、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−デシル
【００２４】
（ｃ）９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−フェニル、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｏ−トリル）、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｐ−トリル）、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｏ−クロロフェニル）、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｐ−クロロフェニル）、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｏ−ヒドロキシフェニル）、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｐ−ヒドロキシフェニル）、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｏ−メトキシフェニル）、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｐ−メトキシフェニル）、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（１−ナフチル）、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（２−ナフチル）
【００２５】
（ｄ）９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−フェニル、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｏ−トリル）、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｐ−トリル）、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｏ−クロロフェニル）、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｐ−クロロフェニル）、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｏ−ヒドロキシフェニル）、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｐ−ヒドロキシフェニル）、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｏ−メトキシフェニル）、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｐ−メトキシフェニル）、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（１−ナフチル）、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（２−ナフチル）等である。
【００２６】
＜アントラセン環がアルキル基で置換された化合物＞
この化合物としては例えば次の（ａ）〜（ｈ）が挙げられる。
【００２７】
（ａ）２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸メチル、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸エチル、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−プロピル、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｉ−プロピル、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−ブチル、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｉ−ブチル、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−アミル、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｉ−アミル、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−ヘキシル、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−ヘプチル、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−オクチル、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−２−エチルヘキシル、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−ノニル、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−デシル
【００２８】
（ｂ）２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸メチル、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸エチル、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−プロピル、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｉ−プロピル、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−ブチル、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｉ−ブチル、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−アミル、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｉ−アミル、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−ヘキシル、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−ヘプチル、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−オクチル、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−２−エチルヘキシル、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−ノニル、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−デシル
【００２９】
（ｃ）２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−フェニル、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｏ−トリル）、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｐ−トリル）、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｏ−クロロフェニル）、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｐ−クロロフェニル）、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｏ−ヒドロキシフェニル）、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｐ−ヒドロキシフェニル）、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｏ−メトキシフェニル）、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｐ−メトキシフェニル）、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（１−ナフチル）、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（２−ナフチル）
【００３０】
（ｄ）２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−フェニル、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｏ−トリル）、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｐ−トリル）、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｏ−クロロフェニル）、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｐ−クロロフェニル）、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｏ−ヒドロキシフェニル）、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｐ−ヒドロキシフェニル）、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｏ−メトキシフェニル）、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｐ−メトキシフェニル）、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（１−ナフチル）、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（２−ナフチル）
【００３１】
（ｅ）２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸メチル、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸エチル、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−プロピル、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｉ−プロピル、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−ブチル、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｉ−ブチル、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−アミル、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｉ−アミル、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−ヘキシル、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−ヘプチル、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−オクチル、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−２−エチルヘキシル、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−ノニル、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−デシル
【００３２】
（ｆ）２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸メチル、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸エチル、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−プロピル、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｉ−プロピル、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−ブチル、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｉ−ブチル、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−アミル、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｉ−アミル、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−ヘキシル、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−ヘプチル、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−オクチル、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−２−エチルヘキシル、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−ノニル、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−デシル
【００３３】
（ｇ）２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−フェニル、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｏ−トリル）、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｐ−トリル）、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｏ−クロロフェニル）、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｐ−クロロフェニル）、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｏ−ヒドロキシフェニル）、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｐ−ヒドロキシフェニル）、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｏ−メトキシフェニル）、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｐ−メトキシフェニル）、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（１−ナフチル）、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（２−ナフチル）
【００３４】
（ｈ）２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−フェニル、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｏ−トリル）、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｐ−トリル）、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｏ−クロロフェニル）、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｐ−クロロフェニル）、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｏ−ヒドロキシフェニル）、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｐ−ヒドロキシフェニル）、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｏ−メトキシフェニル）、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｐ−メトキシフェニル）、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（１−ナフチル）、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（２−ナフチル）等である。
【００３５】
＜アントラセン環がハロゲン原子で置換された化合物＞
この化合物としては例えば次の（ａ）〜（ｈ）が挙げられる。
【００３６】
（ａ）２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸メチル、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸エチル、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−プロピル、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｉ−プロピル、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−ブチル、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｉ−ブチル、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−アミル、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｉ−アミル、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−ヘキシル、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−ヘプチル、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−オクチル、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−２−エチルヘキシル、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−ノニル、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−デシル
【００３７】
（ｂ）２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸メチル、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸エチル、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−プロピル、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｉ−プロピル、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−ブチル、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｉ−ブチル、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−アミル、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｉ−アミル、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−ヘキシル、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−ヘプチル、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−オクチル、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−２−エチルヘキシル、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−ノニル、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−デシル
【００３８】
（ｃ）２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−フェニル、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｏ−トリル）、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｐ−トリル）、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｏ−クロロフェニル）、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｐ−クロロフェニル）、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｏ−ヒドロキシフェニル）、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｐ−ヒドロキシフェニル）、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｏ−メトキシフェニル）、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｐ−メトキシフェニル）、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（１−ナフチル）、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（２−ナフチル）
【００３９】
（ｄ）２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−フェニル、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｏ−トリル）、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｐ−トリル）、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｏ−クロロフェニル）、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｐ−クロロフェニル）、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｏ−ヒドロキシフェニル）、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｐ−ヒドロキシフェニル）、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｏ−メトキシフェニル）、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｐ−メトキシフェニル）、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（１−ナフチル）、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（２−ナフチル）
【００４０】
（ｅ）２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸メチル、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸エチル、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−プロピル、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｉ−プロピル、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−ブチル、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｉ−ブチル、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−アミル、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｉ−アミル、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−ヘキシル、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−ヘプチル、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−オクチル、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−２−エチルヘキシル、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−ノニル、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−デシル
【００４１】
（ｆ）２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸メチル、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸エチル、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−プロピル、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｉ−プロピル、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−ブチル、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｉ−ブチル、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−アミル、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｉ−アミル、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−ヘキシル、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−ヘプチル、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−オクチル、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−２−エチルヘキシル、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−ノニル、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−デシル
【００４２】
（ｇ）２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−フェニル、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｏ−トリル）、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｐ−トリル）、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｏ−クロロフェニル）、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｐ−クロロフェニル）、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｏ−ヒドロキシフェニル）、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｐ−ヒドロキシフェニル）、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｏ−メトキシフェニル）、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｐ−メトキシフェニル）、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（１−ナフチル）、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（２−ナフチル）
【００４３】
（ｈ）２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−フェニル、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｏ−トリル）、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｐ−トリル）、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｏ−クロロフェニル）、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｐ−クロロフェニル）、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｏ−ヒドロキシフェニル）、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｐ−ヒドロキシフェニル）、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｏ−メトキシフェニル）、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｐ−メトキシフェニル）、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（１−ナフチル）、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（２−ナフチル）等である。
【００４４】
＜アントラセン環が水酸基で置換された化合物＞
この化合物としては例えば次の（ａ）〜（ｈ）が挙げられる。
【００４５】
（ａ）２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸メチル、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸エチル、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−プロピル、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｉ−プロピル、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−ブチル、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｉ−ブチル、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−アミル、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｉ−アミル、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−ヘキシル、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−ヘプチル、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−オクチル、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−２−エチルヘキシル、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−ノニル、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−デシル
【００４６】
（ｂ）２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸メチル、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸エチル、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−プロピル、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｉ−プロピル、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−ブチル、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｉ−ブチル、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−アミル、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｉ−アミル、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−ヘキシル、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−ヘプチル、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−オクチル、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−２−エチルヘキシル、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−ノニル、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−デシル
【００４７】
（ｃ）２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−フェニル、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｏ−トリル）、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｐ−トリル）、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｏ−クロロフェニル）、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｐ−クロロフェニル）、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｏ−ヒドロキシフェニル）、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｐ−ヒドロキシフェニル）、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｏ−メトキシフェニル）、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｐ−メトキシフェニル）、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（１−ナフチル）、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（２−ナフチル）
【００４８】
（ｄ）２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−フェニル、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｏ−トリル）、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｐ−トリル）、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｏ−クロロフェニル）、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｐ−クロロフェニル）、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｏ−ヒドロキシフェニル）、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｐ−ヒドロキシフェニル）、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｏ−メトキシフェニル）、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｐ−メトキシフェニル）、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（１−ナフチル）、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（２−ナフチル）
【００４９】
（ｅ）１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸メチル、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸エチル、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−プロピル、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｉ−プロピル、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−ブチル、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｉ−ブチル、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−アミル、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｉ−アミル、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−ヘキシル、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−ヘプチル、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−オクチル、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−２−エチルヘキシル、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−ノニル、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−デシル
【００５０】
（ｆ）１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸メチル、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸エチル、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−プロピル、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｉ−プロピル、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−ブチル、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｉ−ブチル、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−アミル、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｉ−アミル、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−ヘキシル、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−ヘプチル、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−オクチル、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−２−エチルヘキシル、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−ノニル、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−デシル
【００５１】
（ｇ）１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−フェニル、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｏ−トリル）、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｐ−トリル）、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｏ−クロロフェニル）、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｐ−クロロフェニル）、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｏ−ヒドロキシフェニル）、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｐ−ヒドロキシフェニル）、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｏ−メトキシフェニル）、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｐ−メトキシフェニル）、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（１−ナフチル）、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（２−ナフチル）
【００５２】
（ｈ）１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−フェニル、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｏ−トリル）、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｐ−トリル）、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｏ−クロロフェニル）、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｐ−クロロフェニル）、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｏ−ヒドロキシフェニル）、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｐ−ヒドロキシフェニル）、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｏ−メトキシフェニル）、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｐ−メトキシフェニル）、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（１−ナフチル）、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（２−ナフチル）
【００５３】
＜アントラセン環がアルコキシ基で置換された化合物＞
この化合物としては例えば次の（ａ）〜（ｄ）が挙げられる。
【００５４】
（ａ）２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸メチル、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸エチル、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−プロピル、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｉ−プロピル、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−ブチル、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｉ−ブチル、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−アミル、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｉ−アミル、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−ヘキシル、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−ヘプチル、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−オクチル、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−２−エチルヘキシル、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−ノニル、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−デシル
【００５５】
（ｂ）２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸メチル、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸エチル、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−プロピル、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｉ−プロピル、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−ブチル、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｉ−ブチル、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−アミル、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｉ−アミル、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−ヘキシル、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−ヘプチル、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−オクチル、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−２−エチルヘキシル、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−ノニル、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−デシル
【００５６】
（ｃ）２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−フェニル、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｏ−トリル）、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｐ−トリル）、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｏ−クロロフェニル）、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｐ−クロロフェニル）、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｏ−ヒドロキシフェニル）、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｐ−ヒドロキシフェニル）、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｏ−メトキシフェニル）、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｐ−メトキシフェニル）、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（１−ナフチル）、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（２−ナフチル）
【００５７】
（ｄ）２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−フェニル、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｏ−トリル）、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｐ−トリル）、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｏ−クロロフェニル）、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｐ−クロロフェニル）、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｏ−ヒドロキシフェニル）、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｐ−ヒドロキシフェニル）、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｏ−メトキシフェニル）、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｐ−メトキシフェニル）、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（１−ナフチル）、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（２−ナフチル）
【００５８】
＜アントラセン環がアリールオキシ基で置換された化合物＞
この化合物としては例えば次の（ａ）〜（ｄ）が挙げられる。
【００５９】
（ａ）２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸メチル、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸エチル、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−プロピル、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｉ−プロピル、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−ブチル、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｉ−ブチル、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−アミル、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｉ−アミル、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−ヘキシル、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−ヘプチル、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−オクチル、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−２−エチルヘキシル、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−ノニル、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−デシル
【００６０】
（ｂ）２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸メチル、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸エチル、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−プロピル、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｉ−プロピル、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−ブチル、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｉ−ブチル、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−アミル、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｉ−アミル、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−ヘキシル、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−ヘプチル、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−オクチル、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−２−エチルヘキシル、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−ノニル、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−デシル
【００６１】
（ｃ）２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−フェニル、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｏ−トリル）、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｐ−トリル）、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｏ−クロロフェニル）、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｐ−クロロフェニル）、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｏ−ヒドロキシフェニル）、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｐ−ヒドロキシフェニル）、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｏ−メトキシフェニル）、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｐ−メトキシフェニル）、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（１−ナフチル）、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（２−ナフチル）
【００６２】
（ｄ）２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−フェニル、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｏ−トリル）、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｐ−トリル）、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｏ−クロロフェニル）、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｐ−クロロフェニル）、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｏ−ヒドロキシフェニル）、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｐ−ヒドロキシフェニル）、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｏ−メトキシフェニル）、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｐ−メトキシフェニル）、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（１−ナフチル）、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（２−ナフチル）
【００６３】
以下に代表的な化合物を示す。
【００６４】
【化６】
【００６５】
次に、本発明に係る９，１０−ジヒドロ−９，１０−エタノアントラセン−９，１０−ジオール化合物の製造法について説明する。
【００６６】
本発明の製造方法は、以下の一般式（２）に示すアントラセン化合物と以下の一般式（３）に示す（メタ）アクリル酸エステル化合物とをディールス・アルダー反応させることことを特徴とする。なお、一般式（２）及び（３）における各符号の意義は、前述の一般式（１）におけるのと同義である。
【００６７】
【化７】
（一般式（２）において、Ｘ１及びＸ２は同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基又はアリールオキシ基を示す。）
【００６８】
【化８】
（一般式（３）において、Ｒ１は水素原子又はメチル基を示し、Ｒ２は水素原子又は酸素原子を含んでいてもよいアルキル基若しくはアリール基を示す。）
【００６９】
一般式（２）に示す９，１０−ジヒドロキシアントラセン化合物は対応する９，１０−アントラキノン化合物を還元することにより容易に得ることが出来る。
【００７０】
使用できるアントラキノン化合物としては、９，１０−アントラキノン、２−メチル−９，１０−アントラキノン、２−ｔ−ブチル−９，１０−アントラキノン、２−アミル−９，１０−アントラキノン、２−クロロ−９，１０−アントラキノン、２−メトキシ−９，１０−アントラキノン、２−フェノキシ−９，１０−アントラキノン、２−ヒドロキシ−９，１０−アントラキノン、１−メチル−９，１０−アントラキノン、１−ｔ−ブチル−９，１０−アントラキノン、１−アミル−９，１０−アントラキノン、２−メチルペンチル−９，１０−アントラキノン、１−クロロ−９，１０−アントラキノン、１−メトキシ−９，１０−アントラキノン、１−フェノキシ−９，１０−アントラキノン、１−ヒドロキシ−９，１０−アントラキノン等が挙げられる。
【００７１】
９，１０−アントラキノン化合物の還元反応に使用する還元剤としては、ハイドロサルファイト、過酸化チオ尿素、水素化ホウ素ナトリウム、パラジウム／カーボンを触媒とする水素還元などが挙げられる。
【００７２】
９，１０−ジヒドロキシアントラセンを製造する場合は、１，４−ナフトキノンとブタジエンのディールス・アルダーによって得られる１，４，９ａ，１０ａ−テトラヒドロアントラキノンのアルカリ塩を還元剤として９，１０−アントラキノンを還元すれば、９，１０−ジヒドロキシアントラセン以外の副生成物が生じないので精製が簡単になり、工業的には有利である。
【００７３】
本発明で使用される９，１０−ジヒドロキシアントラセン化合物としては、例えば、９，１０−ジヒドロキシアントラセン、２−メチル−９，１０−ジヒドロキシアントラセン、２−エチル−９，１０−ジヒドロキシアントラセン、２−ｔ−ブチル−９，１０−ジヒドロキシアントラセン、２−アミル−９，１０−ジヒドロキシアントラセン、２−クロロ−９、１０−ジヒドロキシアントラセン、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロキシアントラセン、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロキシアントラセン、２，９，１０−トリヒドロキシアントラセン、１−メチル−９，１０−ジヒドロキシアントラセン、１−ｔ−ブチル−９，１０−ジヒドロキシアントラセン、１−アミル−９，１０−ジヒドロキシアントラセン、２−メチルペンチル−９，１０−ジヒドロキシアントラセン、１−クロロ−９，１０−ジヒドロキシアントラセン、１−メトキシ−９，１０−ジヒドロキシアントラセン、１−フェノキシ−９，１０−ジヒドロキシアントラセン、１，９，１０−トリヒドロキシアントラセン等が挙げられる。
【００７４】
一般式（３）で示される（メタ）アクリル酸エステル化合物としては、次の化合物が挙げられる。
【００７５】
すなわち、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸ペンチル、メタクリル酸ペンチル、アクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘキシル、アクリル酸−２−エチルヘキシルメチル、メタクリル酸−２−エチルヘキシル、アクリル酸ノニル、メタクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、メタクリル酸デシル、アクリル酸ドデシル、メタクリル酸ドデシル、アクリル酸ステアリル、メタクリル酸ステアリル、アクリル酸−２−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−２−ヒドロキシエチル、アクリル酸−２−フェノキシエチル、メタクリル酸−２−フェノキシエチル等である。
【００７６】
一般式（２）で示される９，１０−ジヒドロキシアントセン化合物と一般式（３）で示される（メタ）アクリル酸エステル化合物のディールス・アルダー反応は、溶媒の存在下もしくは非存在下、加熱することによって行うことが出来る。
【００７７】
アントラセン化合物１モルに対するジエノフィルの使用量は、通常１．０〜３モル、好ましくは１．２〜２モルである。３モル倍を超えると、未反応のジエノフィルを除去することが困難であり、製品純度に悪影響を及ぼす。
【００７８】
使用可能な溶剤としては、例えば、トルエン、エチルベンゼン、ｔ−ブチルベンゼン、ｏ−キシレン、クロルベンゼン、１−クロルナフタレン等の芳香族系溶媒、テトラヒドロフラン、１，４−ジオキサン等のエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチル−ｉ−ブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、クロロホルム、塩化メチレン、クロロエタン、１，２−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒、メタノール、エタノール，ｉ−プロピルアルコール，ｎ−プロピルアルコール，ｎ−ブチルアルコール等のアルコール系溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒が挙げられる。溶媒の使用量は、適宜選択できるが、９，１０−ジヒドロキシアントラセン化合物とジエノフィルの合計重量に対する割合（重量比）として、通常１〜１０重量倍である。
【００７９】
触媒としてはルイス酸触媒を使用することも出来る。ルイス酸としては、三フッ化ホウ素、三塩化アルミニウム、４塩化スズ等が挙げられるが、反応性の観点からは三フッ化ホウ素が好ましい。ルイス酸触媒の添加量は、９，１０−ジヒドロキシアントラセン化合物に対し、通常０．１−５重量％である。
【００８０】
反応温度は、通常３０〜１５０℃、好ましくは５０〜１２０℃である。３０℃未満では反応速度が低く反応に時間がかかりすぎ、また、１５０℃を超えるとアントラセン化合物が分解して生成物の純度が低下する可能性がある。反応終了後、反応混合物をアルコール、例えばメタノール中に投入し、次いで、得られたスラリーを吸引ろ過・乾燥し、白色結晶のディールス・アルダー付加物を得ることが出来る。
【００８１】
上記のようにして得られた９，１０−ジヒドロキシアントラセンと（メタ）アクリル酸エステルとのディールス・アルダー反応からから合成された、本発明に係る９，１０−ジヒドロ−９，１０−エタノアントラセン−９，１０−ジオール化合物は、ポリマー等の合成原料として有用であることが期待される。
【００８２】
すなわち、本発明に係る９，１０−ジヒドロ−９，１０−エタノアントラセン−９，１０−ジオール化合物と種々のジカルボン酸とを酸触媒存在下、加熱することにより、高い芳香属性を持つポリエステルが得られることが期待される。ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、ｏ−フタル酸などの芳香族ジカルボン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸などの脂肪族ジカルボン酸が挙げられる。更に、上記と同様、トリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネートとの反応により、高い芳香属性を有するウレタン化合物を得ることも可能である。
【００８３】
本発明の化合物のＵＶスペクトルは可視光領域から２６０ｎｍまでほとんど吸収を示さない。すなわち、本発明の化合物は無色透明である。このことから、ディールス・アルダー付加物として得られた本発明の化合物を原料として得られるポリエステルやウレタンは光学材料として有用であると考えられる。
【実施例】
【００８４】
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り、以下の記載例に限定されるものではない。なお、生成物の確認および物性は下記の機器による測定によった。
【００８５】
（１）融点：
融点測定装置（ゲレンキャンプ社製、型式：ＭＦＢ−５９５）を使用し、ＪＩＳ Ｋ００６４に準拠して測定した。
【００８６】
（２）スペクトル：
赤外線（ＩＲ）分光光度計（日本分光社製、型式：ＩＲ−８１０）を使用して測定した。
【００８７】
（３）１Ｈ−ＮＭＲ分析：
核磁気共鳴装置（ＮＭＲ）（日本電子社製、型式：ＧＳＸ ＦＴ ＮＭＲ Ｓｐｅｃｔｏｒｏｍｅｔｅｒ、２７０ＭＨｚ）を使用して測定した。
【００８８】
実施例１（９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−ブチルの合成）：
【００８９】
温度計および攪拌機付きの１００ｍｌの三口フラスコ中に、９，１０−アントラヒドロキノン ４．２０ｇ（２０ミリモル）、アクリル酸−ｎ−ブチル３．２０ｇ（２５ミリモル）、トルエン２５ｇを加え、黄緑色のスラリーとした。ここに、触媒として三フッ化硼素のエーテル錯体を８０ｍｇ、重合禁止剤として１−オキシル−２，２，６，６−テトラメチルピペリジン−４−オール（以降、Ｈ−ＴＥＭＰＯと略することがある。）を１０ｍｇ加え、１０４℃で３０分加熱した。
【００９０】
得られた無色の反応液を冷却し、メタノールを４０ｍｌ加えた。空気中放置したところ、未反応９，１０−アントラヒドロキノンは９，１０−アントラキノンとなり不溶性となり沈殿した。該反応処理物を自然濾過し、濾液を濃縮して透明な水飴状物を得た。このものにｎ−ヘキサンを５０ｍｌ加え、静置した。底に沈んだ飴状物は次第に結晶化した。結晶化物を吸引濾過・乾燥し、白い結晶４．１ｇを得た。単離した結晶の、原料９，１０−アントラヒドロキノンに対する収率は６０モル％であった。物性測定の結果を以下に示す。ＩＲ、１Ｈ−ＮＭＲの測定結果より、生成物は９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−ブチルであることが明らかとなった。
【００９１】
（１）融点：
６２−６３℃
（２）ＩＲ（ＫＢｒ、ｃｍ−１）：
３４６０，３０８０，２９６０，２８８０，１７０８，１３８６，１２８６，１２６０，１２０７，１０５８，１０２４，９３０，７６０，６２０，６００
（３）１Ｈ−ＮＭＲ（２７０ＭＨｚ、ＣＤＣｌ３）：
δ０．８４（ｔ，Ｊ＝７Ｈｚ，３Ｈ），１．０８−１．２２（ｍ，２Ｈ），１．３７−１．５０（ｍ，２Ｈ），２．２１−２．２９（ｍ，１Ｈ），２．３４−２．４２（ｍ，１Ｈ），２．７４（ｓ，１Ｈ），２．９１−２．９８（ｍ，１Ｈ），３．９２−４．０２（ｍ，２Ｈ），５．３４（ｓ，１Ｈ），７．１８−７．２９（ｍ，４Ｈ），７．４３−７．５３（ｍ，３Ｈ），７．６０−７．７０（ｍ，１Ｈ）
【００９２】
実施例２（９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−２−エチルヘキシルの合成）：
【００９３】
温度計、攪拌機付きの１００ｍｌ三口フラスコ中に、９，１０−アントラヒドロキノン ２．１０ｇ（１０ミリモル）、アクリル酸−２−エチルヘキシル２．３０ｇ（１２．５ミリモル）、トルエン１０ｇを加え、黄緑色のスラリーとした。ここに、触媒として三フッ化硼素のエーテル錯体を４０ｍｇ、重合禁止剤としてＨ−ＴＥＭＰＯを５ｍｇ加え、９４℃で３０分加熱した。無色の均一溶液となったところで、反応液を冷却し、メタノールを２０ｍｌ加えた。
【００９４】
空気中静置したところ、未反応９，１０−アントラヒドロキノンは９，１０−アントラキノンに酸化され不溶性となって沈殿した。反応処理物を自然濾過し、濾液を濃縮して透明な水飴状物を得た。このものにｎ−ヘキサンを２０ｍｌ加え、静置したところ、底に沈んだ飴状物は次第に結晶化した。結晶化終了後、該結晶を吸引濾過・乾燥し、白い結晶２．２ｇを得た。単離した結晶の、原料９，１０−アントラヒドロキノンに対する収率は５６モル％であった。物性測定の結果を以下に示す。ＩＲ、１Ｈ−ＮＭＲの測定結果より、生成物は９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−２−エチルヘキシルであることが明らかとなった。
【００９５】
（１）融点：
６７−６８℃
（２）ＩＲ（ＫＢｒ、ｃｍ−１）：
３４２０，２９７０，２９３０，１７００，１４６０，１２９６，１２３２，１２０４，１１４２，１０６０，９２３，７５８，６００
（３）１Ｈ−ＮＭＲ（２７０ＭＨｚ、ＣＤＣｌ３）：
δ０．７５（ｔ，Ｊ＝７Ｈｚ，３Ｈ），０．８８（ｔ，Ｊ＝８Ｈｚ，３Ｈ），０．９９−１．３１（ｍ，１０Ｈ），１．３１−１．４４（ｍ，１Ｈ），２．１６−２．４０（ｍ，２Ｈ），２．９０−２．９９（ｍ，１Ｈ），３．８１−３．９５（ｍ，２Ｈ），５．４０（ｖｂｓ，１Ｈ），７．１３−７．２９（ｍ，４Ｈ），７．４４−７．５５（ｍ，３Ｈ），７．６３−７．７９（ｍ，１Ｈ）
【００９６】
実施例３（９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸ステアリルの合成）：
【００９７】
温度計、攪拌機付きの１００ｍｌ三口フラスコ中に、９，１０−アントラヒドロキノン ２．１０ｇ（１０ミリモル）、アクリル酸−ステアリル ３．７３ｇ（１１．５ミリモル）、トルエン１５ｇを加え、黄緑色のスラリーとした。ここに、触媒として三フッ化硼素のエーテル錯体を８０ｍｇ、重合禁止剤としてＨ−ＴＥＭＰＯを１０ｍｇ加え、１０４℃で２０分加熱した。無色の均一溶液となったので、反応液を冷却し、メタノールを３０ｍｌ加えた。
【００９８】
空気中静置したところ、未反応９，１０−アントラヒドロキノンが９，１０−アントラキノンに酸化され不溶性となって沈殿した。該反応処理物を自然濾過し、濾液を濃縮して透明な水飴状物を得た。このものを塩化メチレン／ｎ−ヘキサンから再結晶し、３．５ｇの白い結晶を得た。単離した結晶の、原料９，１０−アントラヒドロキノンに対する収率は６５モル％であった。物性測定の結果を以下に示す。ＩＲ、１Ｈ−ＮＭＲの測定結果より、生成物は９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸ステアリルであることが明らかとなった。
【００９９】
（１）融点：
７２−７３℃
（２）ＩＲ（ＫＢｒ、ｃｍ−１）：
３４１０，２９２５，２８６０，１７４０，１７２０，１４６０，１３０２，１２０６，１１８１，１０５８，７６０，６０１
（３）１Ｈ−ＮＭＲ（２７０ＭＨｚ，ＣＤＣｌ３）：
δ０．８９（ｔ，Ｊ＝８Ｈｚ，３Ｈ），１．１０−１．３０（ｍ，１６Ｈ），２．１８−２．３９（ｍ，２Ｈ），２．７０（ｓ，１Ｈ），２．９１−２．９８（ｍ，１Ｈ），３．９０−３．９８（ｍ，２Ｈ），５．３３（ｓ，１Ｈ），７．１８−７．２９（ｍ，４Ｈ），７．４４−７．５１（ｍ，３Ｈ），７．６５−７．６９（ｍ，１Ｈ）
【０１００】
実施例４（９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−２−ヒドロキシエチルの合成）：
【０１０１】
温度計、攪拌機付きの１００ｍｌ三口フラスコ中に、９，１０−アントラヒドロキノン ２．１０ｇ（１０ミリモル）、アクリル酸−２−ヒドロキシエチル １．７４ｇ（１５ミリモル）、トルエン２０ｇを加え、黄緑色のスラリーとした。ここに重合禁止剤としてＨ−ＴＥＭＰＯを１０ｍｇ加え、１０４℃で２時間加熱した。カーキ色の均一溶液となったので、反応液を室温までゆっくりと冷却し、冷蔵庫で保管した。３日後白い結晶が多量析出しており、吸引濾過・乾燥し、２．６５ｇの薄黄色の結晶を得た。単離した結晶の、原料９，１０−アントラヒドロキノンに対する収率は８０モル％であった。物性測定の結果を以下に示す。ＩＲ、１Ｈ−ＮＭＲの測定結果より、生成物は９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−２−ヒドロキシエチルであることが明らかとなった。
【０１０２】
（１）融点：
１６９−１７０℃
（２）ＩＲ（ＫＢｒ、ｃｍ−１）：
３５００，３４２６，２９６０，２８９０，１７２６，１４６０，１３４０，１３１０，１２７０，１２２２，１２０２，１１８８，１０８２，９３８，８８２，７７０，７６０，７００，６８５，５８０，５３２
（３）１Ｈ−ＮＭＲ（２７０ＭＨｚ、ＣＤＣｌ３）： δ２．１７−２．２６（ｍ，１Ｈ），２．３６−２．４３（ｍ，１Ｈ），２．７６（ｓ，１Ｈ），３．６３−３．７２（ｍ，２Ｈ），４．０８−４．２４（ｍ，２Ｈ），５．０１（ｓ，１Ｈ），７．２５−７．３１（ｂｓ，４Ｈ），７．４５−７．５６（ｍ，３Ｈ），７．６４−７．７０（ｍ，１Ｈ）
【０１０３】
実施例５（９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−２−フェノキシエチルの合成）：
【０１０４】
温度計、攪拌機付きの１００ｍｌ三口フラスコ中に、９，１０−アントラヒドロキノン ２．１０ｇ（１０ミリモル）、アクリル酸−２−フェノキシエチル２．１１ｇ（１１ミリモル）、トルエン１２ｇを加え、黄緑色のスラリーとした。ここに、触媒として三フッ化硼素のエーテル錯体を５０ｍｇ、重合禁止剤としてＨ−ＴＥＭＰＯを２０ｍｇ加え、１０４℃で３０分加熱した。無色の均一溶液となったので、反応液を冷却し、メタノールを４０ｍｌ加えた。空気中静置したところ、未反応９，１０−アントラヒドロキノンが９，１０−アントラキノンに酸化され不溶性となって沈殿した。
【０１０５】
反応処理物を自然濾過し、濾液を濃縮して透明な水飴状物を得た。このものを塩化メチレン／ｎ−ヘキサンから再結晶し、２．５８ｇの白い結晶を得た。単離した結晶の、原料９，１０−アントラヒドロキノンに対する収率は５８モル％であった。物性測定の結果を以下に示す。ＩＲ、１Ｈ−ＮＭＲの測定結果より、生成物は９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−２−フェノキシエチルであることが明らかとなった。
【０１０６】
（１）融点：
１６９−１７０℃
（２）ＩＲ（ＫＢｒ、ｃｍ−１）：
３５８０，３５２０，１７３０，１６００，１４９２，１４６２，１３８４，１３２０，１２５０，１１９２，１０８４，１０６０，１０２０，９４０，７７８，７６０，６９２，５９７
（３）１Ｈ−ＮＭＲ（２７０ＭＨｚ、ＣＤＣｌ３）： δ２．１４−２．２６（ｍ，１Ｈ），２．３１−２．４２（ｍ，１Ｈ），２．７０（ｓ，１Ｈ），３．００−３．１０（ｍ，１Ｈ），３．９６−４．０６（ｍ，２Ｈ），４．２５−４．３４（ｍ，１Ｈ），４．４０−４．４９（ｍ，１Ｈ），５．０９（ｓ，１Ｈ），６．８６−６．９７（ｍ，２Ｈ），６．９７−７．１５（ｍ，３Ｈ），７．２０−７．５１（ｍ，７Ｈ），７．６５−７．７１（ｍ，１Ｈ）
【技術分野】
【０００１】
本発明は、９，１０−ジヒドロ−９，１０−エタノアントラセン−９，１０−ジオール化合物及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【０００２】
以下の化学式に示すように、エタノアントラセン骨格は、多環式炭化水素と二つのベンゼン環よりなる特異な立体構造を有する。
【０００３】
【化１】
【０００４】
そこで、エタノアントラセン環中に更に置換基を導入したり、逆にエタノアントラセン環を他の分子骨格に組み込むことによって、化学物性、物理物性に特徴のある化合物が得られることが期待される。エタノアントラセン化合物は、通常、アントラセン化合物とジエノフィルとのディールス・アルダー反応により合成される（特許文献１〜３）。
【０００５】
しかしながら、この基本骨格のままでは反応基が存在しないため、他分子と結合を作ることが出来ない。そのためには、エタノアントラセン環に化学反応しやすい置換基をつけることが好ましく、特に、水酸基の導入は、水酸基から、更に、エーテル結合、エステル結合、アミド結合などの有機化学上基本的な結合を形成し得るところから望まれるところである。
【０００６】
しかしながら、水酸基の置換したエタノアントラセン化合物を得ることは一般に困難であり、唯一アントロンと無水マレイン酸の反応による９，１０−ジヒドロ−９−ヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセンの合成例が知られているのみであって（特許文献４）、９位、１０位の両方に水酸基が結合したジオール構造を有する９，１０−ジヒドロ−９，１０−エタノアントラセン−９，１０−ジオール化合物は全く知られていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００７】
【特許文献１】特公昭５６−６４１４号公報
【特許文献２】特開昭５７−１９００２２号公報
【特許文献３】特開平３−１１５２６９号公報
【特許文献４】英国特許出願公開第１１４４９３５号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その目的は、９位、１０位の両方に水酸基が結合した９，１０−ジヒドロ−９，１０−エタノアントラセン−９，１０−ジオール化合物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
本発明者らは、前記の目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、アントラセン−９，１０−ジオール化合物と（メタ）アクリル酸エステル化合物とのディールス・アルダー反応により、９，１０−ジヒドロ−９，１０−エタノアントラセン−９，１０−ジオール化合物が安定に得られることを見出し、本発明を完成した。
【００１０】
すなわち、本発明の第１の要旨は、以下の一般式（１）で示される９，１０−ジヒドロ−９，１０−エタノアントラセン−９，１０−ジオール化合物に存する。
【００１１】
【化２】
（一般式（１）において、Ｒ１は水素原子又はメチル基を示し、Ｒ２は水素原子又は酸素原子を含んでいてもよいアルキル基若しくはアリール基を示し、Ｘ１及びＸ２は同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基又はアリールオキシ基を示す。）
【００１２】
また、本発明の第２の要旨は、以下の一般式（２）に示される９，１０−ジヒドロキシアントラセン化合物と以下の一般式（３）に示される（メタ）アクリル酸エステルをディールス・アルダー反応させることを特徴とする、前記の一般式（１）で示される９，１０−ジヒドロ−９，１０−エタノアントラセン−９，１０−ジオール化合物の製造方法に存する。
【００１３】
【化３】
（一般式（２）において、Ｘ１及びＸ２は同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基又はアリールオキシ基を示す。）
【００１４】
【化４】
（一般式（３）において、Ｒ１は水素原子又はメチル基を示し、Ｒ２は水素原子又は酸素原子を含んでいてもよいアルキル基若しくはアリール基を示す。）
【発明の効果】
【００１５】
本発明により、９位および１０位の両方に水酸基が置換した９，１０−ジヒドロ−９，１０−エタノアントラセン−９，１０−ジオール化合物を得ることが出来る。
【発明を実施するための形態】
【００１６】
以下、本発明について詳細に説明する。
【００１７】
先ず、本発明に係る一般式（１）で示される９，１０−ジヒドロ−９，１０−エタノアントラセン−９，１０−ジオール化合物について説明する。
【００１８】
【化５】
（一般式（１）において、Ｒ１は水素原子又はメチル基を示し、Ｒ２は水素原子又は酸素原子を含んでいてもよいアルキル基若しくはアリール基を示し、Ｘ１及びＸ２は同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基又はアリールオキシ基を示す。）
【００１９】
一般式（１）においてＲ２で表わされるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、ｎ−プロピル基、ｉ−プロピル基、ｎ−ブチル基、ｉ−ブチル基、ｎ−アミル基、ｉ−アミル基、ｎ−ヘキシル基、ｎ−ヘプチル基、ｎ−オクチル基、２−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基などが挙げられ、アリール基としては、フェニル基、ｏ−トリル基、ｐ−トリル基、ｏ−クロロフェニル基、ｐ−クロロフェニル基、１−ナフチル基，２−ナフチル基などが挙げられ、酸素原子が置換したアルキル基又はアリール基としては、２−ヒドロキシエチル基、２−メトキシエチル基、２−エトキシエチル基、ｏ−ヒドロキシフェニル基、ｐ−ヒドロキシフェニル基、ｏ−メトキシフェニル基，ｐ−メトキシフェニル基、２−フェノキシエチル基、３−ヒドロキシプロピル基、３−メトキシプロピル基、２−（２−ヒドロキシエトキシ）エチル基、２−（２−メトキシエトキシ）エトキシ基、２−（２−エトキシエトキシ）エチル基、２−（２−フェノキシエトキシ）エチル基などが挙げられる。
【００２０】
一般式（１）において、Ｘ１及びＸ２で表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、ｔ−ブチル基などが挙げられ、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられ、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などが挙げられ、アリールオキシキとしては、フェノキシ基、トリルオキシ基、ナフチルオキシ基などが挙げられる。
【００２１】
＜アントラセン環が非置換の化合物：Ｘ１及びＸ２が水素原子の化合物＞
この化合物としては例えば次の（ａ）〜（ｄ）が挙げられる。
【００２２】
（ａ）９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸メチル、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸エチル、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−プロピル、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｉ−プロピル、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−ブチル、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｉ−ブチル、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−アミル、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｉ−アミル、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−ヘキシル、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−ヘプチル、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−オクチル、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−２−エチルヘキシル、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−ノニル、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−デシル
【００２３】
（ｂ）９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸メチル、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸エチル、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−プロピル、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｉ−プロピル、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−ブチル、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｉ−ブチル、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−アミル、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｉ−アミル、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−ヘキシル、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−ヘプチル、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−オクチル、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−２−エチルヘキシル、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−ノニル、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−デシル
【００２４】
（ｃ）９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−フェニル、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｏ−トリル）、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｐ−トリル）、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｏ−クロロフェニル）、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｐ−クロロフェニル）、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｏ−ヒドロキシフェニル）、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｐ−ヒドロキシフェニル）、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｏ−メトキシフェニル）、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｐ−メトキシフェニル）、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（１−ナフチル）、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（２−ナフチル）
【００２５】
（ｄ）９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−フェニル、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｏ−トリル）、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｐ−トリル）、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｏ−クロロフェニル）、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｐ−クロロフェニル）、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｏ−ヒドロキシフェニル）、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｐ−ヒドロキシフェニル）、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｏ−メトキシフェニル）、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｐ−メトキシフェニル）、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（１−ナフチル）、９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（２−ナフチル）等である。
【００２６】
＜アントラセン環がアルキル基で置換された化合物＞
この化合物としては例えば次の（ａ）〜（ｈ）が挙げられる。
【００２７】
（ａ）２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸メチル、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸エチル、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−プロピル、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｉ−プロピル、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−ブチル、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｉ−ブチル、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−アミル、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｉ−アミル、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−ヘキシル、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−ヘプチル、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−オクチル、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−２−エチルヘキシル、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−ノニル、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−デシル
【００２８】
（ｂ）２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸メチル、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸エチル、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−プロピル、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｉ−プロピル、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−ブチル、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｉ−ブチル、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−アミル、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｉ−アミル、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−ヘキシル、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−ヘプチル、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−オクチル、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−２−エチルヘキシル、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−ノニル、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−デシル
【００２９】
（ｃ）２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−フェニル、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｏ−トリル）、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｐ−トリル）、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｏ−クロロフェニル）、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｐ−クロロフェニル）、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｏ−ヒドロキシフェニル）、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｐ−ヒドロキシフェニル）、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｏ−メトキシフェニル）、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｐ−メトキシフェニル）、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（１−ナフチル）、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（２−ナフチル）
【００３０】
（ｄ）２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−フェニル、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｏ−トリル）、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｐ−トリル）、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｏ−クロロフェニル）、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｐ−クロロフェニル）、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｏ−ヒドロキシフェニル）、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｐ−ヒドロキシフェニル）、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｏ−メトキシフェニル）、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｐ−メトキシフェニル）、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（１−ナフチル）、２−メチル−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（２−ナフチル）
【００３１】
（ｅ）２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸メチル、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸エチル、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−プロピル、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｉ−プロピル、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−ブチル、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｉ−ブチル、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−アミル、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｉ−アミル、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−ヘキシル、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−ヘプチル、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−オクチル、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−２−エチルヘキシル、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−ノニル、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−デシル
【００３２】
（ｆ）２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸メチル、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸エチル、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−プロピル、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｉ−プロピル、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−ブチル、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｉ−ブチル、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−アミル、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｉ−アミル、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−ヘキシル、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−ヘプチル、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−オクチル、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−２−エチルヘキシル、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−ノニル、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−デシル
【００３３】
（ｇ）２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−フェニル、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｏ−トリル）、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｐ−トリル）、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｏ−クロロフェニル）、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｐ−クロロフェニル）、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｏ−ヒドロキシフェニル）、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｐ−ヒドロキシフェニル）、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｏ−メトキシフェニル）、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｐ−メトキシフェニル）、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（１−ナフチル）、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（２−ナフチル）
【００３４】
（ｈ）２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−フェニル、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｏ−トリル）、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｐ−トリル）、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｏ−クロロフェニル）、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｐ−クロロフェニル）、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｏ−ヒドロキシフェニル）、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｐ−ヒドロキシフェニル）、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｏ−メトキシフェニル）、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｐ−メトキシフェニル）、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（１−ナフチル）、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（２−ナフチル）等である。
【００３５】
＜アントラセン環がハロゲン原子で置換された化合物＞
この化合物としては例えば次の（ａ）〜（ｈ）が挙げられる。
【００３６】
（ａ）２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸メチル、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸エチル、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−プロピル、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｉ−プロピル、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−ブチル、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｉ−ブチル、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−アミル、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｉ−アミル、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−ヘキシル、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−ヘプチル、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−オクチル、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−２−エチルヘキシル、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−ノニル、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−デシル
【００３７】
（ｂ）２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸メチル、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸エチル、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−プロピル、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｉ−プロピル、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−ブチル、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｉ−ブチル、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−アミル、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｉ−アミル、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−ヘキシル、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−ヘプチル、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−オクチル、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−２−エチルヘキシル、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−ノニル、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−デシル
【００３８】
（ｃ）２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−フェニル、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｏ−トリル）、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｐ−トリル）、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｏ−クロロフェニル）、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｐ−クロロフェニル）、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｏ−ヒドロキシフェニル）、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｐ−ヒドロキシフェニル）、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｏ−メトキシフェニル）、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｐ−メトキシフェニル）、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（１−ナフチル）、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（２−ナフチル）
【００３９】
（ｄ）２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−フェニル、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｏ−トリル）、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｐ−トリル）、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｏ−クロロフェニル）、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｐ−クロロフェニル）、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｏ−ヒドロキシフェニル）、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｐ−ヒドロキシフェニル）、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｏ−メトキシフェニル）、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｐ−メトキシフェニル）、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（１−ナフチル）、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（２−ナフチル）
【００４０】
（ｅ）２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸メチル、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸エチル、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−プロピル、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｉ−プロピル、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−ブチル、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｉ−ブチル、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−アミル、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｉ−アミル、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−ヘキシル、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−ヘプチル、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−オクチル、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−２−エチルヘキシル、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−ノニル、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−デシル
【００４１】
（ｆ）２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸メチル、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸エチル、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−プロピル、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｉ−プロピル、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−ブチル、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｉ−ブチル、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−アミル、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｉ−アミル、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−ヘキシル、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−ヘプチル、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−オクチル、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−２−エチルヘキシル、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−ノニル、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−デシル
【００４２】
（ｇ）２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−フェニル、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｏ−トリル）、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｐ−トリル）、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｏ−クロロフェニル）、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｐ−クロロフェニル）、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｏ−ヒドロキシフェニル）、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｐ−ヒドロキシフェニル）、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｏ−メトキシフェニル）、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｐ−メトキシフェニル）、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（１−ナフチル）、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（２−ナフチル）
【００４３】
（ｈ）２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−フェニル、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｏ−トリル）、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｐ−トリル）、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｏ−クロロフェニル）、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｐ−クロロフェニル）、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｏ−ヒドロキシフェニル）、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｐ−ヒドロキシフェニル）、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｏ−メトキシフェニル）、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｐ−メトキシフェニル）、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（１−ナフチル）、２−ブロモ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（２−ナフチル）等である。
【００４４】
＜アントラセン環が水酸基で置換された化合物＞
この化合物としては例えば次の（ａ）〜（ｈ）が挙げられる。
【００４５】
（ａ）２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸メチル、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸エチル、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−プロピル、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｉ−プロピル、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−ブチル、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｉ−ブチル、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−アミル、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｉ−アミル、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−ヘキシル、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−ヘプチル、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−オクチル、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−２−エチルヘキシル、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−ノニル、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−デシル
【００４６】
（ｂ）２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸メチル、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸エチル、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−プロピル、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｉ−プロピル、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−ブチル、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｉ−ブチル、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−アミル、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｉ−アミル、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−ヘキシル、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−ヘプチル、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−オクチル、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−２−エチルヘキシル、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−ノニル、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−デシル
【００４７】
（ｃ）２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−フェニル、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｏ−トリル）、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｐ−トリル）、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｏ−クロロフェニル）、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｐ−クロロフェニル）、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｏ−ヒドロキシフェニル）、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｐ−ヒドロキシフェニル）、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｏ−メトキシフェニル）、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｐ−メトキシフェニル）、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（１−ナフチル）、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（２−ナフチル）
【００４８】
（ｄ）２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−フェニル、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｏ−トリル）、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｐ−トリル）、２−クロロ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｏ−クロロフェニル）、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｐ−クロロフェニル）、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｏ−ヒドロキシフェニル）、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｐ−ヒドロキシフェニル）、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｏ−メトキシフェニル）、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｐ−メトキシフェニル）、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（１−ナフチル）、２−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（２−ナフチル）
【００４９】
（ｅ）１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸メチル、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸エチル、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−プロピル、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｉ−プロピル、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−ブチル、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｉ−ブチル、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−アミル、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｉ−アミル、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−ヘキシル、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−ヘプチル、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−オクチル、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−２−エチルヘキシル、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−ノニル、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−デシル
【００５０】
（ｆ）１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸メチル、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸エチル、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−プロピル、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｉ−プロピル、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−ブチル、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｉ−ブチル、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−アミル、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｉ−アミル、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−ヘキシル、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−ヘプチル、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−オクチル、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−２−エチルヘキシル、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−ノニル、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−デシル
【００５１】
（ｇ）１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−フェニル、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｏ−トリル）、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｐ−トリル）、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｏ−クロロフェニル）、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｐ−クロロフェニル）、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｏ−ヒドロキシフェニル）、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｐ−ヒドロキシフェニル）、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｏ−メトキシフェニル）、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｐ−メトキシフェニル）、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（１−ナフチル）、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（２−ナフチル）
【００５２】
（ｈ）１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−フェニル、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｏ−トリル）、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｐ−トリル）、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｏ−クロロフェニル）、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｐ−クロロフェニル）、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｏ−ヒドロキシフェニル）、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｐ−ヒドロキシフェニル）、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｏ−メトキシフェニル）、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｐ−メトキシフェニル）、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（１−ナフチル）、１−ヒドロキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（２−ナフチル）
【００５３】
＜アントラセン環がアルコキシ基で置換された化合物＞
この化合物としては例えば次の（ａ）〜（ｄ）が挙げられる。
【００５４】
（ａ）２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸メチル、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸エチル、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−プロピル、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｉ−プロピル、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−ブチル、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｉ−ブチル、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−アミル、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｉ−アミル、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−ヘキシル、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−ヘプチル、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−オクチル、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−２−エチルヘキシル、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−ノニル、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−デシル
【００５５】
（ｂ）２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸メチル、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸エチル、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−プロピル、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｉ−プロピル、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−ブチル、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｉ−ブチル、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−アミル、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｉ−アミル、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−ヘキシル、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−ヘプチル、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−オクチル、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−２−エチルヘキシル、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−ノニル、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−デシル
【００５６】
（ｃ）２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−フェニル、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｏ−トリル）、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｐ−トリル）、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｏ−クロロフェニル）、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｐ−クロロフェニル）、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｏ−ヒドロキシフェニル）、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｐ−ヒドロキシフェニル）、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｏ−メトキシフェニル）、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｐ−メトキシフェニル）、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（１−ナフチル）、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（２−ナフチル）
【００５７】
（ｄ）２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−フェニル、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｏ−トリル）、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｐ−トリル）、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｏ−クロロフェニル）、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｐ−クロロフェニル）、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｏ−ヒドロキシフェニル）、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｐ−ヒドロキシフェニル）、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｏ−メトキシフェニル）、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｐ−メトキシフェニル）、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（１−ナフチル）、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（２−ナフチル）
【００５８】
＜アントラセン環がアリールオキシ基で置換された化合物＞
この化合物としては例えば次の（ａ）〜（ｄ）が挙げられる。
【００５９】
（ａ）２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸メチル、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸エチル、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−プロピル、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｉ−プロピル、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−ブチル、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｉ−ブチル、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−アミル、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｉ−アミル、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−ヘキシル、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−ヘプチル、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−オクチル、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−２−エチルヘキシル、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−ノニル、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−デシル
【００６０】
（ｂ）２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸、２−（ｔ−ブチル）−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸メチル、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸エチル、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−プロピル、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｉ−プロピル、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−ブチル、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｉ−ブチル、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−アミル、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｉ−アミル、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−ヘキシル、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−ヘプチル、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−オクチル、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−２−エチルヘキシル、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−ノニル、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−ｎ−デシル
【００６１】
（ｃ）２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−フェニル、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｏ−トリル）、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｐ−トリル）、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｏ−クロロフェニル）、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｐ−クロロフェニル）、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｏ−ヒドロキシフェニル）、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｐ−ヒドロキシフェニル）、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｏ−メトキシフェニル）、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（ｐ−メトキシフェニル）、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（１−ナフチル）、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−（２−ナフチル）
【００６２】
（ｄ）２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−フェニル、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｏ−トリル）、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｐ−トリル）、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｏ−クロロフェニル）、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｐ−クロロフェニル）、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｏ−ヒドロキシフェニル）、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｐ−ヒドロキシフェニル）、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｏ−メトキシフェニル）、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（ｐ−メトキシフェニル）、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（１−ナフチル）、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−メチル−１１−カルボン酸−（２−ナフチル）
【００６３】
以下に代表的な化合物を示す。
【００６４】
【化６】
【００６５】
次に、本発明に係る９，１０−ジヒドロ−９，１０−エタノアントラセン−９，１０−ジオール化合物の製造法について説明する。
【００６６】
本発明の製造方法は、以下の一般式（２）に示すアントラセン化合物と以下の一般式（３）に示す（メタ）アクリル酸エステル化合物とをディールス・アルダー反応させることことを特徴とする。なお、一般式（２）及び（３）における各符号の意義は、前述の一般式（１）におけるのと同義である。
【００６７】
【化７】
（一般式（２）において、Ｘ１及びＸ２は同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基又はアリールオキシ基を示す。）
【００６８】
【化８】
（一般式（３）において、Ｒ１は水素原子又はメチル基を示し、Ｒ２は水素原子又は酸素原子を含んでいてもよいアルキル基若しくはアリール基を示す。）
【００６９】
一般式（２）に示す９，１０−ジヒドロキシアントラセン化合物は対応する９，１０−アントラキノン化合物を還元することにより容易に得ることが出来る。
【００７０】
使用できるアントラキノン化合物としては、９，１０−アントラキノン、２−メチル−９，１０−アントラキノン、２−ｔ−ブチル−９，１０−アントラキノン、２−アミル−９，１０−アントラキノン、２−クロロ−９，１０−アントラキノン、２−メトキシ−９，１０−アントラキノン、２−フェノキシ−９，１０−アントラキノン、２−ヒドロキシ−９，１０−アントラキノン、１−メチル−９，１０−アントラキノン、１−ｔ−ブチル−９，１０−アントラキノン、１−アミル−９，１０−アントラキノン、２−メチルペンチル−９，１０−アントラキノン、１−クロロ−９，１０−アントラキノン、１−メトキシ−９，１０−アントラキノン、１−フェノキシ−９，１０−アントラキノン、１−ヒドロキシ−９，１０−アントラキノン等が挙げられる。
【００７１】
９，１０−アントラキノン化合物の還元反応に使用する還元剤としては、ハイドロサルファイト、過酸化チオ尿素、水素化ホウ素ナトリウム、パラジウム／カーボンを触媒とする水素還元などが挙げられる。
【００７２】
９，１０−ジヒドロキシアントラセンを製造する場合は、１，４−ナフトキノンとブタジエンのディールス・アルダーによって得られる１，４，９ａ，１０ａ−テトラヒドロアントラキノンのアルカリ塩を還元剤として９，１０−アントラキノンを還元すれば、９，１０−ジヒドロキシアントラセン以外の副生成物が生じないので精製が簡単になり、工業的には有利である。
【００７３】
本発明で使用される９，１０−ジヒドロキシアントラセン化合物としては、例えば、９，１０−ジヒドロキシアントラセン、２−メチル−９，１０−ジヒドロキシアントラセン、２−エチル−９，１０−ジヒドロキシアントラセン、２−ｔ−ブチル−９，１０−ジヒドロキシアントラセン、２−アミル−９，１０−ジヒドロキシアントラセン、２−クロロ−９、１０−ジヒドロキシアントラセン、２−メトキシ−９，１０−ジヒドロキシアントラセン、２−フェノキシ−９，１０−ジヒドロキシアントラセン、２，９，１０−トリヒドロキシアントラセン、１−メチル−９，１０−ジヒドロキシアントラセン、１−ｔ−ブチル−９，１０−ジヒドロキシアントラセン、１−アミル−９，１０−ジヒドロキシアントラセン、２−メチルペンチル−９，１０−ジヒドロキシアントラセン、１−クロロ−９，１０−ジヒドロキシアントラセン、１−メトキシ−９，１０−ジヒドロキシアントラセン、１−フェノキシ−９，１０−ジヒドロキシアントラセン、１，９，１０−トリヒドロキシアントラセン等が挙げられる。
【００７４】
一般式（３）で示される（メタ）アクリル酸エステル化合物としては、次の化合物が挙げられる。
【００７５】
すなわち、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸ペンチル、メタクリル酸ペンチル、アクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘキシル、アクリル酸−２−エチルヘキシルメチル、メタクリル酸−２−エチルヘキシル、アクリル酸ノニル、メタクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、メタクリル酸デシル、アクリル酸ドデシル、メタクリル酸ドデシル、アクリル酸ステアリル、メタクリル酸ステアリル、アクリル酸−２−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−２−ヒドロキシエチル、アクリル酸−２−フェノキシエチル、メタクリル酸−２−フェノキシエチル等である。
【００７６】
一般式（２）で示される９，１０−ジヒドロキシアントセン化合物と一般式（３）で示される（メタ）アクリル酸エステル化合物のディールス・アルダー反応は、溶媒の存在下もしくは非存在下、加熱することによって行うことが出来る。
【００７７】
アントラセン化合物１モルに対するジエノフィルの使用量は、通常１．０〜３モル、好ましくは１．２〜２モルである。３モル倍を超えると、未反応のジエノフィルを除去することが困難であり、製品純度に悪影響を及ぼす。
【００７８】
使用可能な溶剤としては、例えば、トルエン、エチルベンゼン、ｔ−ブチルベンゼン、ｏ−キシレン、クロルベンゼン、１−クロルナフタレン等の芳香族系溶媒、テトラヒドロフラン、１，４−ジオキサン等のエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチル−ｉ−ブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、クロロホルム、塩化メチレン、クロロエタン、１，２−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒、メタノール、エタノール，ｉ−プロピルアルコール，ｎ−プロピルアルコール，ｎ−ブチルアルコール等のアルコール系溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒が挙げられる。溶媒の使用量は、適宜選択できるが、９，１０−ジヒドロキシアントラセン化合物とジエノフィルの合計重量に対する割合（重量比）として、通常１〜１０重量倍である。
【００７９】
触媒としてはルイス酸触媒を使用することも出来る。ルイス酸としては、三フッ化ホウ素、三塩化アルミニウム、４塩化スズ等が挙げられるが、反応性の観点からは三フッ化ホウ素が好ましい。ルイス酸触媒の添加量は、９，１０−ジヒドロキシアントラセン化合物に対し、通常０．１−５重量％である。
【００８０】
反応温度は、通常３０〜１５０℃、好ましくは５０〜１２０℃である。３０℃未満では反応速度が低く反応に時間がかかりすぎ、また、１５０℃を超えるとアントラセン化合物が分解して生成物の純度が低下する可能性がある。反応終了後、反応混合物をアルコール、例えばメタノール中に投入し、次いで、得られたスラリーを吸引ろ過・乾燥し、白色結晶のディールス・アルダー付加物を得ることが出来る。
【００８１】
上記のようにして得られた９，１０−ジヒドロキシアントラセンと（メタ）アクリル酸エステルとのディールス・アルダー反応からから合成された、本発明に係る９，１０−ジヒドロ−９，１０−エタノアントラセン−９，１０−ジオール化合物は、ポリマー等の合成原料として有用であることが期待される。
【００８２】
すなわち、本発明に係る９，１０−ジヒドロ−９，１０−エタノアントラセン−９，１０−ジオール化合物と種々のジカルボン酸とを酸触媒存在下、加熱することにより、高い芳香属性を持つポリエステルが得られることが期待される。ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、ｏ−フタル酸などの芳香族ジカルボン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸などの脂肪族ジカルボン酸が挙げられる。更に、上記と同様、トリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネートとの反応により、高い芳香属性を有するウレタン化合物を得ることも可能である。
【００８３】
本発明の化合物のＵＶスペクトルは可視光領域から２６０ｎｍまでほとんど吸収を示さない。すなわち、本発明の化合物は無色透明である。このことから、ディールス・アルダー付加物として得られた本発明の化合物を原料として得られるポリエステルやウレタンは光学材料として有用であると考えられる。
【実施例】
【００８４】
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り、以下の記載例に限定されるものではない。なお、生成物の確認および物性は下記の機器による測定によった。
【００８５】
（１）融点：
融点測定装置（ゲレンキャンプ社製、型式：ＭＦＢ−５９５）を使用し、ＪＩＳ Ｋ００６４に準拠して測定した。
【００８６】
（２）スペクトル：
赤外線（ＩＲ）分光光度計（日本分光社製、型式：ＩＲ−８１０）を使用して測定した。
【００８７】
（３）１Ｈ−ＮＭＲ分析：
核磁気共鳴装置（ＮＭＲ）（日本電子社製、型式：ＧＳＸ ＦＴ ＮＭＲ Ｓｐｅｃｔｏｒｏｍｅｔｅｒ、２７０ＭＨｚ）を使用して測定した。
【００８８】
実施例１（９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−ブチルの合成）：
【００８９】
温度計および攪拌機付きの１００ｍｌの三口フラスコ中に、９，１０−アントラヒドロキノン ４．２０ｇ（２０ミリモル）、アクリル酸−ｎ−ブチル３．２０ｇ（２５ミリモル）、トルエン２５ｇを加え、黄緑色のスラリーとした。ここに、触媒として三フッ化硼素のエーテル錯体を８０ｍｇ、重合禁止剤として１−オキシル−２，２，６，６−テトラメチルピペリジン−４−オール（以降、Ｈ−ＴＥＭＰＯと略することがある。）を１０ｍｇ加え、１０４℃で３０分加熱した。
【００９０】
得られた無色の反応液を冷却し、メタノールを４０ｍｌ加えた。空気中放置したところ、未反応９，１０−アントラヒドロキノンは９，１０−アントラキノンとなり不溶性となり沈殿した。該反応処理物を自然濾過し、濾液を濃縮して透明な水飴状物を得た。このものにｎ−ヘキサンを５０ｍｌ加え、静置した。底に沈んだ飴状物は次第に結晶化した。結晶化物を吸引濾過・乾燥し、白い結晶４．１ｇを得た。単離した結晶の、原料９，１０−アントラヒドロキノンに対する収率は６０モル％であった。物性測定の結果を以下に示す。ＩＲ、１Ｈ−ＮＭＲの測定結果より、生成物は９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−ｎ−ブチルであることが明らかとなった。
【００９１】
（１）融点：
６２−６３℃
（２）ＩＲ（ＫＢｒ、ｃｍ−１）：
３４６０，３０８０，２９６０，２８８０，１７０８，１３８６，１２８６，１２６０，１２０７，１０５８，１０２４，９３０，７６０，６２０，６００
（３）１Ｈ−ＮＭＲ（２７０ＭＨｚ、ＣＤＣｌ３）：
δ０．８４（ｔ，Ｊ＝７Ｈｚ，３Ｈ），１．０８−１．２２（ｍ，２Ｈ），１．３７−１．５０（ｍ，２Ｈ），２．２１−２．２９（ｍ，１Ｈ），２．３４−２．４２（ｍ，１Ｈ），２．７４（ｓ，１Ｈ），２．９１−２．９８（ｍ，１Ｈ），３．９２−４．０２（ｍ，２Ｈ），５．３４（ｓ，１Ｈ），７．１８−７．２９（ｍ，４Ｈ），７．４３−７．５３（ｍ，３Ｈ），７．６０−７．７０（ｍ，１Ｈ）
【００９２】
実施例２（９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−２−エチルヘキシルの合成）：
【００９３】
温度計、攪拌機付きの１００ｍｌ三口フラスコ中に、９，１０−アントラヒドロキノン ２．１０ｇ（１０ミリモル）、アクリル酸−２−エチルヘキシル２．３０ｇ（１２．５ミリモル）、トルエン１０ｇを加え、黄緑色のスラリーとした。ここに、触媒として三フッ化硼素のエーテル錯体を４０ｍｇ、重合禁止剤としてＨ−ＴＥＭＰＯを５ｍｇ加え、９４℃で３０分加熱した。無色の均一溶液となったところで、反応液を冷却し、メタノールを２０ｍｌ加えた。
【００９４】
空気中静置したところ、未反応９，１０−アントラヒドロキノンは９，１０−アントラキノンに酸化され不溶性となって沈殿した。反応処理物を自然濾過し、濾液を濃縮して透明な水飴状物を得た。このものにｎ−ヘキサンを２０ｍｌ加え、静置したところ、底に沈んだ飴状物は次第に結晶化した。結晶化終了後、該結晶を吸引濾過・乾燥し、白い結晶２．２ｇを得た。単離した結晶の、原料９，１０−アントラヒドロキノンに対する収率は５６モル％であった。物性測定の結果を以下に示す。ＩＲ、１Ｈ−ＮＭＲの測定結果より、生成物は９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−２−エチルヘキシルであることが明らかとなった。
【００９５】
（１）融点：
６７−６８℃
（２）ＩＲ（ＫＢｒ、ｃｍ−１）：
３４２０，２９７０，２９３０，１７００，１４６０，１２９６，１２３２，１２０４，１１４２，１０６０，９２３，７５８，６００
（３）１Ｈ−ＮＭＲ（２７０ＭＨｚ、ＣＤＣｌ３）：
δ０．７５（ｔ，Ｊ＝７Ｈｚ，３Ｈ），０．８８（ｔ，Ｊ＝８Ｈｚ，３Ｈ），０．９９−１．３１（ｍ，１０Ｈ），１．３１−１．４４（ｍ，１Ｈ），２．１６−２．４０（ｍ，２Ｈ），２．９０−２．９９（ｍ，１Ｈ），３．８１−３．９５（ｍ，２Ｈ），５．４０（ｖｂｓ，１Ｈ），７．１３−７．２９（ｍ，４Ｈ），７．４４−７．５５（ｍ，３Ｈ），７．６３−７．７９（ｍ，１Ｈ）
【００９６】
実施例３（９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸ステアリルの合成）：
【００９７】
温度計、攪拌機付きの１００ｍｌ三口フラスコ中に、９，１０−アントラヒドロキノン ２．１０ｇ（１０ミリモル）、アクリル酸−ステアリル ３．７３ｇ（１１．５ミリモル）、トルエン１５ｇを加え、黄緑色のスラリーとした。ここに、触媒として三フッ化硼素のエーテル錯体を８０ｍｇ、重合禁止剤としてＨ−ＴＥＭＰＯを１０ｍｇ加え、１０４℃で２０分加熱した。無色の均一溶液となったので、反応液を冷却し、メタノールを３０ｍｌ加えた。
【００９８】
空気中静置したところ、未反応９，１０−アントラヒドロキノンが９，１０−アントラキノンに酸化され不溶性となって沈殿した。該反応処理物を自然濾過し、濾液を濃縮して透明な水飴状物を得た。このものを塩化メチレン／ｎ−ヘキサンから再結晶し、３．５ｇの白い結晶を得た。単離した結晶の、原料９，１０−アントラヒドロキノンに対する収率は６５モル％であった。物性測定の結果を以下に示す。ＩＲ、１Ｈ−ＮＭＲの測定結果より、生成物は９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸ステアリルであることが明らかとなった。
【００９９】
（１）融点：
７２−７３℃
（２）ＩＲ（ＫＢｒ、ｃｍ−１）：
３４１０，２９２５，２８６０，１７４０，１７２０，１４６０，１３０２，１２０６，１１８１，１０５８，７６０，６０１
（３）１Ｈ−ＮＭＲ（２７０ＭＨｚ，ＣＤＣｌ３）：
δ０．８９（ｔ，Ｊ＝８Ｈｚ，３Ｈ），１．１０−１．３０（ｍ，１６Ｈ），２．１８−２．３９（ｍ，２Ｈ），２．７０（ｓ，１Ｈ），２．９１−２．９８（ｍ，１Ｈ），３．９０−３．９８（ｍ，２Ｈ），５．３３（ｓ，１Ｈ），７．１８−７．２９（ｍ，４Ｈ），７．４４−７．５１（ｍ，３Ｈ），７．６５−７．６９（ｍ，１Ｈ）
【０１００】
実施例４（９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−２−ヒドロキシエチルの合成）：
【０１０１】
温度計、攪拌機付きの１００ｍｌ三口フラスコ中に、９，１０−アントラヒドロキノン ２．１０ｇ（１０ミリモル）、アクリル酸−２−ヒドロキシエチル １．７４ｇ（１５ミリモル）、トルエン２０ｇを加え、黄緑色のスラリーとした。ここに重合禁止剤としてＨ−ＴＥＭＰＯを１０ｍｇ加え、１０４℃で２時間加熱した。カーキ色の均一溶液となったので、反応液を室温までゆっくりと冷却し、冷蔵庫で保管した。３日後白い結晶が多量析出しており、吸引濾過・乾燥し、２．６５ｇの薄黄色の結晶を得た。単離した結晶の、原料９，１０−アントラヒドロキノンに対する収率は８０モル％であった。物性測定の結果を以下に示す。ＩＲ、１Ｈ−ＮＭＲの測定結果より、生成物は９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−２−ヒドロキシエチルであることが明らかとなった。
【０１０２】
（１）融点：
１６９−１７０℃
（２）ＩＲ（ＫＢｒ、ｃｍ−１）：
３５００，３４２６，２９６０，２８９０，１７２６，１４６０，１３４０，１３１０，１２７０，１２２２，１２０２，１１８８，１０８２，９３８，８８２，７７０，７６０，７００，６８５，５８０，５３２
（３）１Ｈ−ＮＭＲ（２７０ＭＨｚ、ＣＤＣｌ３）： δ２．１７−２．２６（ｍ，１Ｈ），２．３６−２．４３（ｍ，１Ｈ），２．７６（ｓ，１Ｈ），３．６３−３．７２（ｍ，２Ｈ），４．０８−４．２４（ｍ，２Ｈ），５．０１（ｓ，１Ｈ），７．２５−７．３１（ｂｓ，４Ｈ），７．４５−７．５６（ｍ，３Ｈ），７．６４−７．７０（ｍ，１Ｈ）
【０１０３】
実施例５（９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−２−フェノキシエチルの合成）：
【０１０４】
温度計、攪拌機付きの１００ｍｌ三口フラスコ中に、９，１０−アントラヒドロキノン ２．１０ｇ（１０ミリモル）、アクリル酸−２−フェノキシエチル２．１１ｇ（１１ミリモル）、トルエン１２ｇを加え、黄緑色のスラリーとした。ここに、触媒として三フッ化硼素のエーテル錯体を５０ｍｇ、重合禁止剤としてＨ−ＴＥＭＰＯを２０ｍｇ加え、１０４℃で３０分加熱した。無色の均一溶液となったので、反応液を冷却し、メタノールを４０ｍｌ加えた。空気中静置したところ、未反応９，１０−アントラヒドロキノンが９，１０−アントラキノンに酸化され不溶性となって沈殿した。
【０１０５】
反応処理物を自然濾過し、濾液を濃縮して透明な水飴状物を得た。このものを塩化メチレン／ｎ−ヘキサンから再結晶し、２．５８ｇの白い結晶を得た。単離した結晶の、原料９，１０−アントラヒドロキノンに対する収率は５８モル％であった。物性測定の結果を以下に示す。ＩＲ、１Ｈ−ＮＭＲの測定結果より、生成物は９，１０−ジヒドロ−９，１０−ジヒドロキシ−９，１０−エタノアントラセン−１１−カルボン酸−２−フェノキシエチルであることが明らかとなった。
【０１０６】
（１）融点：
１６９−１７０℃
（２）ＩＲ（ＫＢｒ、ｃｍ−１）：
３５８０，３５２０，１７３０，１６００，１４９２，１４６２，１３８４，１３２０，１２５０，１１９２，１０８４，１０６０，１０２０，９４０，７７８，７６０，６９２，５９７
（３）１Ｈ−ＮＭＲ（２７０ＭＨｚ、ＣＤＣｌ３）： δ２．１４−２．２６（ｍ，１Ｈ），２．３１−２．４２（ｍ，１Ｈ），２．７０（ｓ，１Ｈ），３．００−３．１０（ｍ，１Ｈ），３．９６−４．０６（ｍ，２Ｈ），４．２５−４．３４（ｍ，１Ｈ），４．４０−４．４９（ｍ，１Ｈ），５．０９（ｓ，１Ｈ），６．８６−６．９７（ｍ，２Ｈ），６．９７−７．１５（ｍ，３Ｈ），７．２０−７．５１（ｍ，７Ｈ），７．６５−７．７１（ｍ，１Ｈ）
【特許請求の範囲】
【請求項１】
以下の一般式（１）で示される９，１０−ジヒドロ−９，１０−エタノアントラセン−９，１０−ジオール化合物。
【化１】
（一般式（１）において、Ｒ１は水素原子又はメチル基を示し、Ｒ２は、水素原子又は酸素原子を含んでいてもよいアルキル基若しくはアリール基を示し、Ｘ１及びＸ２は、同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基又はアリールオキシ基を示す。）
【請求項２】
以下の一般式（２）に示されるアントラセン−９，１９−ジオール化合物と以下の一般式（３）に示される（メタ）アクリル酸エステル化合物をディールス・アルダー反応させることを特徴とする、請求項１に記載の９，１０−ジヒドロ−９，１０−エタノアントラセン−９，１０−ジオール化合物の製造方法。
【化２】
（一般式（２）において、Ｘ１及びＸ２は、同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基又はアリールオキシ基を示す。）
【化３】
（一般式（３）において、Ｒ１は水素原子又はメチル基を示し、Ｒ２は、水素原子又は酸素原子を含んでいてもよいアルキル基若しくはアリール基を示す。）
【請求項１】
以下の一般式（１）で示される９，１０−ジヒドロ−９，１０−エタノアントラセン−９，１０−ジオール化合物。
【化１】
（一般式（１）において、Ｒ１は水素原子又はメチル基を示し、Ｒ２は、水素原子又は酸素原子を含んでいてもよいアルキル基若しくはアリール基を示し、Ｘ１及びＸ２は、同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基又はアリールオキシ基を示す。）
【請求項２】
以下の一般式（２）に示されるアントラセン−９，１９−ジオール化合物と以下の一般式（３）に示される（メタ）アクリル酸エステル化合物をディールス・アルダー反応させることを特徴とする、請求項１に記載の９，１０−ジヒドロ−９，１０−エタノアントラセン−９，１０−ジオール化合物の製造方法。
【化２】
（一般式（２）において、Ｘ１及びＸ２は、同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基又はアリールオキシ基を示す。）
【化３】
（一般式（３）において、Ｒ１は水素原子又はメチル基を示し、Ｒ２は、水素原子又は酸素原子を含んでいてもよいアルキル基若しくはアリール基を示す。）
【公開番号】特開２０１１−２３１０８１（Ｐ２０１１−２３１０８１Ａ）
【公開日】平成２３年１１月１７日（２０１１．１１．１７）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−１０５２１１（Ｐ２０１０−１０５２１１）
【出願日】平成２２年４月３０日（２０１０．４．３０）
【出願人】（０００１９９７９５）川崎化成工業株式会社 (133)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２３年１１月１７日（２０１１．１１．１７）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年４月３０日（２０１０．４．３０）
【出願人】（０００１９９７９５）川崎化成工業株式会社 (133)
【Ｆターム（参考）】
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