説明

CAD面版の取り付け部材。

【課題】 本発明は前記「面ピタ君」の問題点を克服せんとするものである。その問題点とは
a.抜型埋込レセプター211を抜型2に強固に埋め込むため再利用不可能の使い捨てになる。この部品を省略しようとするものである。
b.抜型埋込レセプター211を抜型2にあらかじめ埋め込むため新規の抜型2には穴を切削することは可能である。しかし、各紙器・段ボールメーカーには膨大な既存の抜型が保存されており、このシステムは利用不可能である。本発明は既存の抜型2でも利用可能とするものである。本発明は以上の問題点を克服するために発明されたものである。
【解決手段】 図6は本発明のリテーナー4と転写パッチ510である。図5は抜型2の罫線22に本発明のリテーナー4と転写パッチ510を装着したものである。図8は転写パッチ510がカッティングプレート6に転写された様子を示している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は紙器・ダンボール箱の打抜機において使用されるスチール・ルール抜型2と紙器・ダンボール箱に罫線を生成するCAD面版1を打抜機に正確に取り付ける方法とそれに使用するジグに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在の主流は図3のドイツのカール・マール・バッファの発明[特許文献1]である。抜型2にピン穴21を切削し、ピン穴21に対応する場所のCAD面版1に図2のようにピン係合穴12を作成し、この2つの穴にピン3を係合したものである。CAD面版1の裏面には接着剤13が塗布してあり、カッティングプレート6が上昇すると、CAD面版1はピン3から離れてカッティングプレート6に転写される。
【0003】
しかし、これは転写にいろいろ問題があり、確実性に欠ける。そこで、最近では図4の[特許文献2]、[特許文献3]、[特許文献4]の商品「面ピタ君」が脚光を浴びている。これはCAD面版1を抜型2に直接係合して転写するカール・マール・バッファ方法だと、斜めにセットされ正確に転写しない。CAD面版1を抜型2に係合して打抜機に挿入する時に、打抜機のチェーンに引っかかり挿入不能になる。またダンボールのCAD面版1は大きいので、抜型2から垂れ下がるなどの問題があった。これらの問題を解決したのが商品名「面ピタ君」の方法であった。
【0004】
これはCAD面版1を直接抜型2に取り付けるのでなく、ピン3に相当する円盤受け仲介物300に小さい「仲介物」転写パッチ510を取り付け、それを抜型埋込レセプター211に取り付け、それをカッティングプレート6に確実に転写し、その「仲介物」転写パッチ510にCAD面版1のピン係合穴12をはめ込み、確実に手で持って平行にカッティングプレート6に転写する方法である。
しかし、これにも部品点数と作業性にも問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】USP4256026
【特許文献2】特開平7−171795号
【特許文献3】特開2005−74615
【特許文献4】実用新案登録3141440号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は前記「面ピタ君」の問題点を克服せんとするものである。その問題点とは
a.抜型埋込レセプター211を抜型2に強固に埋め込むため再利用不可能の使い捨てになる。この部品を省略しようとするものである。
b.抜型埋込レセプター211を抜型2にあらかじめ埋め込むため新規の抜型2には穴を切削することは可能である。しかし、各紙器・段ボールメーカーには膨大な既存の抜型が保存されており、このシステムは利用不可能である。本発明は既存の抜型2でも利用可能とするものである。本発明は以上の問題点を克服するために発明されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
図6は本発明のリテーナー4と転写パッチ510である。図5は抜型2の罫線22に本発明のリテーナー4と転写パッチ510を装着したものである。図8は転写パッチ510がカッティングプレート6に転写された様子を示している。
【発明を実施するための形態】
【0008】
ここで言う図2のCAD面版1とはCNCミーリング機械により、ベークライト基板、ガラスエポキシ基板、金属板などを図1の抜型2の形状に合わせて製作したものである。最終的には図2のようにCAD面版1は打抜機のカッティングプレート6に抜型2に対応して転写され板紙やダンボールなどを打ち抜くことを可能にしたものである。面版溝11と罫線刃22の間に板紙を介して打ち抜くと、板紙に罫線が形成される。
より詳しく実施例で述べるならば。
【0009】
実施例1:
本発明は抜型2、CAD面版1とリテーナー4とその底部に係合する転写体510とよりなる。図6−1は本実施例のリテーナー4の平面図である。図6−2は側面断面図である。リテーナー4は中央部に転写体510を収容する凹部収容部41を持つ。その2辺外方X・Y軸に抜型2の罫線22を収容する罫線収容溝111を持つ。罫線収容溝111は×軸、Y軸の罫線に差し込む。リテーナー4の厚みは罫線刃22の高さと抜型2の合板18mmの差に略等しい。凹部収容部41は転写体510を収容する、例えば8ミリから15ミリ直径で深さ1ミリである。転写体510は厚み2ミリのスポンジが最適である。転写体510は底部に両面接着剤51を持っている。
【0010】
図5と図7は本発明の転写体510(塗りつぶし)をはめ込んだリテーナー4を抜型2に差し込んだ状態である。この状態でカッティングプレート6が上昇し、下降すると転写体510は凹部収容部41から離脱してカッティングプレート6に両面接着剤51により転写される。
【0011】
CAD面版1のピン穴係合穴12の位置は直交するX・Y罫線刃22からリテーナー4の凹部収容部41と同じ位置に切削する。カッティングプレート6に転写された転写体510に裏面にスプレー糊を塗布したCAD面版1をピン穴係合穴12に合わせてカッティングプレート6に貼り付ける。吹き付けるスプレー糊は「3M−77」が最適である。打抜が終了した後、カッティングプレート6からCAD面版1を簡単に剥がせ、再利用が可能になる。
【発明の効果】
【0012】
本発明は以上のような構成をなしているので、
a.本発明は部品点数が「面ピタ君」に比較して少ないため、消耗品は転写体510のみになる。したがって価格のコストの安いシステムになる。
b.従来のシステムは抜型2に特定の位置決めの穴など、またそれに対応する穴をCAD面版1側にも備えなければならない。したがって在庫の抜型には適用できない。しかし、本発明は罫線22に挿入するシステムなので、CAD面版1のみにリテーナー4の凹部収容部41の位置のみのピン穴係合穴12を設けるのみでよい。
c.本発明のリテーナー4は2箇所のX・Y軸の罫線刃22にはめ込むので精度が格段に向上する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】抜型の平面図
【図2】本発明に使用する図1の抜型に対応してCAD面版の平面図。
【図3】カール・マール・バッファの発明USP4256026の断面側面図。
【図4】実用新案登録3141440号の考案ジグの斜視図。
【図5】本発明のジグを抜型に装着した平面図。
【図6−1】本発明のジグの平面図。
【図6−2】本発明のジグの断面図。
【図6−3】本発明の転写体510の断面図。
【図7】本発明のジグを使用している断面図。
【図8】本発明のジグを使用している断面図。
【符号の説明】
【0014】
CAD面版1
罫線収容溝111
ピン係合穴12
接着剤13
抜型2
ピン穴21
抜型埋込レセプター211
罫線22
ピン3
仲介物300
リテーナー4
凹部収容部41
両面接着剤51
転写パッチ510
カッティングプレート6

【特許請求の範囲】
【請求項1】
抜型2に対応する位置にCAD面版1をカッティングプレート6に取り付けるジグにおいて、
a.抜型2の罫線22に係合する罫線収容溝111と転写パッチ510を収納する凹部収容部41を持ったリテーナー4
b.CAD面版1は凹部収容部41に対応した係合穴12を持っている
ことを特徴とする。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6−1】
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【図6−2】
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【図6−3】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−157969(P2012−157969A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−35157(P2011−35157)
【出願日】平成23年2月2日(2011.2.2)
【出願人】(000199511)
【Fターム(参考)】