説明

CPR訓練用デバイス

人体心肺蘇生法(CPR)を練習するための、安価な家庭用訓練補助具(100)が、テディベアまたは他のぬいぐるみ玩具のような非人型ハウジング内に収容される。自宅で、人目につきやすい場所に置く場合、使用者にCPRのスキルを促し、使用者がこの訓練補助具(100)を用いて練習するように働きかける。非人型ハウジング(110)は、この訓練補助具(100)を、神経質な親または育児提供者に対してあまり怖がらせないようにする。内部機構は、擬似気道、圧迫機構、圧迫フィードバック機構、メトロノーム、擬似解剖学的目印を備える胸部プレート(130)および背部プレート(170)、ならびに/または、適切な手/指の配置を示すための外側の目印(140)から構成される。これらの2つのプレートは、人間の胸部の抵抗をシミュレートするために、その間に抵抗デバイスを備える1つ以上の伸縮自在な支柱により接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願に対する相互参照)
本発明者らによって2003年9月12日に出願された、米国仮特許出願番号60/502,773(参考として援用される)に対する優先権を主張する。
【0002】
(技術分野)
本発明は、心肺蘇生法(CPR)に関し、具体的には、CPRの訓練およびシミュレーションに関し、そしてより具体的には、CPRのスキルを練習および維持するための安価な自宅用デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
(背景技術)
種々の形態の蘇生スキルが、何世紀にもわたって実施されてきたが、1950年代末期までは、一般に心肺蘇生法(CPR)と呼ばれる概念は発展しなかった。1958年に、呼吸停止した犠牲者を蘇生するためのプロセスが、Dr.Safar、Dr.Elamおよび共同研究者による文献において報告された。1960年には、Dr.Kouwenhovenが、心停止した犠牲者の閉胸圧迫のための手順を報告した。1960年代の何気ない雑談から、Dr.SafarおよびDr.Kouwenhovenは、彼らの2つの手順を組合せて、基本的なCPRとして現在知られているものにすることの価値を見出した。1974年に、心肺蘇生法および緊急時の心臓ケアのための規範は、Journal of the American Medical Association(JAMA)において最初に公表された。現在広く知られるCPRスキルの普及は、アメリカ心臓協会、米国赤十字などによって世界中で奨励されたが、心停止からの回復率は、米国において推定5%に留まっている。
【0004】
この生存率を有意に高めるための唯一の方法は、一般大衆がCPRを迅速かつ効果的に行なうことができるようになることである。この問題は、人々がCPRのやり方を記憶し得ないことである。歴史的には、CPRの学習者は、その学習体験の直後にはそのスキルの96%を、1ヶ月の終わりには36%を、そして6ヶ月後には6.8%を保持することが示されている。CPRのスキルにおいて、専門家ではない大衆を30年間訓練した後、CPRスキルの保持および適切な適用に関して、深刻な問題が残ったままである。これは、主に、CPRコースを取った後のCPRスキルの練習が欠けていることに起因する。
【0005】
何年にもわたって、医療スキルを教えるためにシミュレーターが使用されている。17世紀に、パリにおいて、専門家ではない人員が、産科用マニキンで助産術のスキルを訓練された。今日の最先端の訓練用マニキンは、高価であり、見た目が悪い。家に持ち帰ることができるものは、学んだスキル、そのスキルを練習する必要性を定期的に思い出すために外に出したままにされるのではなく、クローゼットの中にしまい込まれる。既存のデバイスは、経時的なCPRスキルの有意な衰えの問題に完全には対処していない。なぜならば、既存のデバイスは、個人宅で目に付く場所に置いたままにして、そのスキルおよび練習する必要性を思い出させるために十分美的に満足できるようには、設計されていないからである。いくつかの特許が、安価であり、それゆえ、個人の学習者が購入し家に持ち帰ってCPRスキルを練習するために使用するのに適しているように、特別に設計されたマニキンを記載しているが、平均的な消費者に、目に付く場所に置いたままにすることを奨励するために必要な美的な質を有するものはない。
【0006】
初期の訓練用デバイスが、特許文献1(1958年3月12日)に開示されており、折り畳み式の腕および頭部を有する訓練用デバイスを示している。このデバイスは、人工呼吸のみを練習するためのものであり、そして、擬似肩領域を支える、2つの垂直方向のスプリングを有する。
【0007】
後の特許は、CPRを教え、CPRを練習するために使用され得る安価なデバイスを教示するが、ほとんど全てが人型の形状をしており、美的に満足できるように設計されていない。購入されるかまたは受け取られると、これらのデバイスは、学んだスキルおよびそのスキルを練習する必要性を思い出させるものとして、家の中で外に出されることなく、クローゼットまたは箪笥の中にしまわれて忘れられる可能性が高い。Cecil L.Riceに対して発行された特許文献2(1986年10月28日)は、この知見の一例である。この要約書は、このデバイスが、CPRの「精神的記憶」の局面の再検討を可能にする、「単純かつ安価な、CPRの学習および練習補助具」であることが意図されると述べている。このデバイスは、気道手段を有するが、実際に犠牲者に対して実施されるときの、胸部の上昇をシミュレートせず、指または手が、乳児、小児、または成人の犠牲者に適切に置かれていることを確実にするための解剖学的目印も他の手段も提供せず、そして、適切な圧迫力または適切な圧迫ペーシングに対するフィードバックがない。この圧迫機構は、単に、立方体のブロックに取り付けられた発泡体の立方体片である。さらに、このデバイスは、使用者に対する美的な魅力に欠ける。
【0008】
Braultらによる、特許文献3(1991年1月15日)、特許文献4(1993年10月5日)、および特許文献5(1994年2月15日)は、比較的複雑でなく、安価なデバイスを示すが、これらは、美的な魅力に欠ける。Braultは、マニキンが十分に安価であれば、学習者が入手して、自宅でそのスキルを練習し得ると記しているが、これらのデバイスはまた、教室環境において使用することが意図される。これらのマニキンの背後にある主要な概念は、CPRの指導者にとって、講習内の各個人に1体提供するのに十分に安く、そして、指導者が、全講習に、手に持つか、またはショルダーキャリングケースでマニキンを運び得るのに十分に軽いマニキンを提供することである。このマニキンは、明らかに人型の形状であり、そして、圧迫機構は、圧迫力の下で、変形およびリフォームするように適合された、弾力性のある中空ふいごである。人工肺は、胸部の上昇を達成しない。
【0009】
Garthらによる、特許文献6(1993年7月29日)、および特許文献7(1993年10月26日)は、予め決められた折り目を有する折り畳み可能な段ボールでできた、胸部の抵抗および擬似気道をシミュレートするために、胸部内にスプリングを含む、CPRを練習するためのダミーを開示する。このダミーの最も明らかな問題は、使用者が、このデバイスを使用可能な形態に折り畳む際に経験する複雑さである。
【0010】
特許文献8(1994年5月17日)および特許文献9(1996年12月3日)は、共に、Stephen Flynnにより発明された、同じデバイスを示す。記載されるマニキンは、CPRを練習するためのものであり、過度に複雑でもなく、過度に単純でもないことが意図されている。このデバイスは、人間の頭部および胴体を有し、そして、美的に満足できるものではない。
【0011】
Adamsonらに対して発行された特許文献10(1995年6月)は、低コストで、リサイクル可能で、かつ耐久性のある、使い捨てのマニキンを教示する。このマニキンはまた、人型形状をとり、使用のために折り畳みおよび他の組み立てを必要とする。Egelandsdalらに対して発行された特許文献11(2001年5月8日)は、現実的なシミュレーションを無視して経済的に製造され得る、ダミー設計物を開示する。このダミーはまた、人型形状をとり、胴体は、圧迫により変形可能な発泡体から作製される。
【0012】
McGinnisに対して発行された特許文献12(2003年3月11日)は、「一般的な家庭用物品」を使用して、完全な人間の胴体をシミュレートするための方法を開示する。この概念は、子供(しばしば、高価なマニキンを破壊し得る)に対して与えられるCPRの講習において使用され得る、安価でかつ使い捨てのマニキンを作製することである。この概念の付加的な特徴は、子供が、「視覚的な観察を通じて、またはマニキンを実際に組み立ておよび分解することを通じて、基本的な救助訓練技術の生理学を習得」し得ることである。ここでも、このデバイスは、人型形状をとることが意図され、そして、美的に満足できるようには作られていない。何年にもわたって、安価な自宅用CPR訓練用マニキンにおいて多くの発展があったが、なお、革新および改善に対する必要性が存在する。使用者が実際に持ち上げ、そして、自宅で練習するように気を引くというかなり高いハードルを克服するものはない。
【特許文献1】英国特許第791741号明細書
【特許文献2】米国特許第4,619,617号明細書
【特許文献3】米国特許第4,984,987号明細書
【特許文献4】米国特許第5,249,968号明細書
【特許文献5】米国特許第5,286,206号明細書
【特許文献6】独国特許発明第4201777号明細書
【特許文献7】米国特許第5,256,070号明細書
【特許文献8】米国特許第5,312,259号明細書
【特許文献9】米国特許第5,580,255号明細書
【特許文献10】米国特許第5,423,685号明細書
【特許文献11】米国特許第6,227,864号明細書
【特許文献12】米国特許第6,530,783号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0013】
(発明の開示)
本発明は、学習者がCPRの講習から持ち帰って、自宅でCPRのスキルを練習するために使用し得る、家庭用訓練補助具を提供する。擬似気道、圧迫機構、およびCPRの動作に即時のフィードバックを提供するための機構が、非人型ハウジング(例えば、テディベアまたは他の類似のぬいぐるみの動物)に挿入される。魅力的でないプラスチック製の人形とも他の原始的なデバイスとも異なり、この訓練補助具は、子供部屋で目立つ場所(例えば、揺り椅子または棚の上)に配置され得る。このデバイスは、親または育児提供者に、毎日、CPR講習で学んだスキルを思い出させ、そして、このデバイスを持ち上げて、定期的にそのスキルを練習するように気を引く能力を有する。
【0014】
このCPR訓練補助具は、空気が人間の肺に吹き込まれるときに見られる抵抗に匹敵する抵抗を提供し、そして、呼吸が与えられるときに胸部プレートを上昇させる、擬似気道を有する。この訓練補助具はまた、胸部プレート、背部プレート、および1つ以上の伸縮自在な支柱から構成される、圧迫機構を備える。これらの支柱は、支柱の内側のスプリングを通じて胸部プレートの圧迫に対する抵抗を提供するためのものであり、使用者が、胸部プレート上で不適切に手/指を配置した場合にこの機構が押し下げられるのを防ぐ。本発明は、適切な手/指の配置のための解剖学的目印を備える胸部プレート、および、気道の清浄を実施するための解剖学的目印を備える背部プレートを備える。本発明はさらに、CPR訓練補助具に直接、そして、本発明が使用される間に、使用者の視線上に置かれる、圧迫の力および/または深さを検出するための圧迫フィードバック機構、および、このような力および/または深さのディスプレイを備える。本発明はまた、圧迫ペーシングインジケーターもしくはメトロノーム、圧迫カウンタ、および/または救助呼吸(rescue breath)インジケーターを備え得る。CPR訓練補助具は、好ましくは、非人型コンテナ(例えば、ぬいぐるみのテディベアまたはウサギ)内に収容される。他のハウジングとしては、ぬいぐるみのサルまたはイヌが挙げられるが、内部機構はまた、独立していても、跳ね上げ式の腕および足、ならびに跳ね上げ式の頭部が取付けられていてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
(発明を実施するための最良の形態)
(1.好ましい実施形態)
図1を参照すると、非人型ハウジング110内のCPR訓練補助具100の一実施形態が、斜視図で示される。CPR訓練補助具100は、擬似気道、圧迫機構、およびコントローラーユニット、ならびに、CPRを学習および練習する間にCPRの動作を指示し、CPRの動作に関するフィードバックを提供するためのディスプレイを備える。
【0016】
この擬似気道は、開口部122で外気に対して開いている、取り外し可能なフェースマスク120からなり、そして、空気チューブコネクタ124内に挿入される、空気チューブ取付け具123を備える。空気チューブ126は、非人型ハウジング110の首を通して、空気チューブコネクタ124から通じており、そして、擬似肺(simulated pulmonary)128に取り付けられている。擬似肺128は、可撓性コンテナまたはエアバッグであり得、使い捨て用であり得る。擬似肺128は、前側または上側胸部プレート130の上にあり、かつ、非人型ハウジング110の内側にある。擬似肺128は、人間の肺に収容される空気の量と同等の空気の量を保持するように、較正されている。擬似肺128の大きさ、従って、擬似肺128内に収容される空気の量は、乳児の肺、小児の肺、または成人の肺内の空気の量に近づけるために、変更され得る。
【0017】
取り外し可能なフェースマスク120は、本発明に必須であると考えられてはいないが、救助呼吸の練習を、より快適で衛生的にするための、さらなる特徴であり得る。取り外し可能なフェースマスク120が使用されない場合、CPRの学習者は、空気チューブコネクタ124内に直接空気を吹き込む。取り外し可能なフェースマスク120は、空気チューブコネクタ124と接する、内部空気チューブ取付け具123を有する円錐形状である。フェースマスク120は、平らであり得るか、または人間の口および鼻を表すように様式化され得る。
【0018】
圧迫機構は、前側または上側胸部プレート130、上側シリンダー150、下側シリンダー160、および後ろ側または下側背部プレート170から構成される。前側または上側胸部プレート130の前側は、練習されるCPRの型(乳児、小児または成人)に依存して、使用者が手または指の適切な配置を訓練するための種々の解剖学的目印を含む。図1は、右鎖骨(clavical)隆起132aおよび右乳首隆起132bを示す。また、図1には、前側または上側胸部プレート130の遠位端に位置付けられた剣状(xyphoid)突起部134が見える。これより前に記載された解剖学的目印に加えて、またはこれに代わって、外部目印140が、非人型ハウジング110の外側に配置されて、CPRの間に、胸部に手または指を置くための適切な位置を示し得る。
【0019】
上側シリンダー150および下側シリンダー160は、安定した伸縮自在な支柱の配置を形成する。これらの支柱の伸縮性は、胸部プレート130が、誤った位置に圧迫されることを防ぐ。例えば、使用者が、乳首隆起間の代わりに左乳首隆起の上を押す場合、伸縮自在な支柱は、胸部プレート130が下に動くことを防ぐ。上側シリンダー150は、下側シリンダー160よりも大きな直径を有し、その結果、上側シリンダー150は、胸部圧迫の間に、下側シリンダー160を超えて下にスライドし得る。空気孔152a、152b、162aおよび162bは、それぞれ、上側シリンダー150および下側シリンダー160上に位置付けられ、圧迫機構が圧迫されるときに、上側シリンダー150および下側シリンダー160により形成される内部チャンバから空気を逃がす。上側シリンダー150および下側シリンダー160が、使用中に回転することを防ぐために、保持ネジ154が、上側シリンダー150を通過する。そして、保持ネジ154は、圧迫機構が圧迫されるときに、下側シリンダー160内に彫られた溝または整列ガイド164内を上下に動く。3つの電気接触156a、156bおよび156cが、上側シリンダー150の遠位端に位置決めされ、図2により詳細に記載される、圧迫深さセンサの一部を構成する。
【0020】
後ろ側プレートまたは下側背部プレート170はまた、図3に記載される解剖学的目印を含む。背部プレート170に取り付けられるのは、本発明に対する動力、圧迫深さもしくは力の感知、ペーシング、プロンプト、およびCPR性能に対するフィードバック表示を制御するためのコントローラ180である。コントローラ180は、図2により詳細に記載される。コントローラ180の近位側から出るのは、ワイヤ182aおよび182bである。これらのワイヤは、非人型ハウジング110の手にあるスイッチ84に入る。このスイッチは、瞬間的スイッチであり得、このスイッチは、この手が圧迫される場合に作動され、2回目にこの手が圧迫される場合に停止される。本発明において、スイッチ84は、このコントローラを起動して、乳児CPRのためのフィードバックおよびプロンプトを提供する。反対側の手の第2のスイッチは、このコントローラを起動して、小児CPRのためのフィードバックおよびプロンプトを提供する。スイッチ84は、非人型ハウジング110の足部またはいずれかの他の位置にも位置し得る。コントローラ180はまた、ワイヤ186a、186b、および186cを通じて発光ダイオード(LED)モジュール190を作動する。LEDモジュール190は、2つのLED188aおよび188bを備え、これらのLEDは、圧迫機構が適切な深さに圧迫されているか否かを示す。各LED188aおよび188bは、共通するグランドワイヤを共有し、このワイヤは、コントローラ180とつながる。LEDモジュール190は、非人型ハウジング110に保持ワッシャー192およびコッターピン194によって固定される。
【0021】
図2は、図1に記載されるCPR訓練補助具(training aid)圧迫機構およびのコントローラ180の断面図である。図2と図1との間の類似の番号は、類似の要素を示す。上側シリンダー150および下側シリンダー160の内部には、胸部プレート(chest plate)130の圧迫に対する抵抗を提供するためのスプリング210がある。抵抗の量は、本発明を用いて練習されるCPR技術に依存して、乳児、小児、または成人の胸部について較正され得る。スプリングスタビライザー212aおよび212bは、スプリングの位置を調整し、上側シリンダー150および下側シリンダー160の中に適切に配置し続ける。
【0022】
電気接触156a、156bおよび156cは、上側シリンダー150の遠位側に埋め込まれ、上側シリンダー150の内側と外側とに突出している。電気接触156a、156bおよび156cは、乳児または小児のための適切な圧迫深さに対応する空間の分だけ隔てられている。これらの電気接触はまた、成人CPRのための適切な圧迫深さに対応する空間の分だけ隔てられ得る。電気接触スプリング220は、下側シリンダー160に切られた溝に位置しており、下側シリンダー160と上側シリンダー150との間の空間の中へと突出している。このスプリング220は、下側シリンダー160に、ネジ222およびナット224によって固定されている。ネジ222およびナット224はまた、コントローラ180から電気接触スプリング220までワイヤ226を固定する。
【0023】
コントローラ180の断面はまた、図2に示される。このコントローラの内部には、スピーカー230、電子制御基板232、およびバッテリー234aと234bとを備えるバッテリー区画233がある。このコントローラはまた、力を測定する。
【0024】
図3は、代替の圧迫機構の斜視図である。図3と図1または図2との間の類似の番号は、類似の要素を示す。この代替において、上側シリンダー150および下側シリンダー160は、矩形または方形の形をした支柱と交換される。上側支柱310は、前側または上側胸部プレート130の後ろ側に取り付けられる。上側支柱310の右側および左側は、圧迫の間の換気のためにウィンドウ312aおよび312bを備える。ウィンドウ312aおよび312bは、下側支柱320から突出している、タブ322aおよび322b(示さず)と連結する。この下側支柱320は、背部プレート170の前側表面に取り付けられる。この接続は、圧迫の間の支柱の回転を妨げ、圧迫の間のガイドとして作用し、そして上側支柱310と下側支柱320との間の接続を維持し、このことによって、使用中に上側支柱と下側支柱とが分離しないようにされる。スプリング210は、圧迫に対するヒト胸部の抵抗をシミュレートするために使用され、このスプリングは、上側支柱310の前側に取り付けられていることが示され、下側支柱320の中に下向きに延びて、下側支柱320の後ろ側に取り付けられる。
【0025】
背側または背部プレート170の後ろ側は、解剖学的目印を含む。この解剖学的目印は、気道からものを取り除く(clear)ために背中を叩く適切な配置を探し当てるための、ヒト皮膚の下にある右肩胛骨330aおよび左肩胛骨330b、ならびに脊柱332の突出をシミュレートする。剣状突起134もまた、胸部プレート130の上に見える。
【0026】
図4は、本発明に従う外部擬似呼吸機構を備える、テディベアのような形にされた非人型ハウジング110中のCPR訓練補助具100である。フェースマスク120は、ヒトの鼻および口に似せた形にされている。このフェースマスクは、開口部122を備え、この開口部は、周囲の空気に対して開放されており、空気チューブ410につながっている。空気チューブ410は、擬似肺(示さず)につながり、使用者がフェースマスク120の中へと息を吹き込むことを可能にし、この擬似肺を、取り外し可能な胴衣(vest)400に接するようにふくらませる。胸部を適切に圧迫させるための位置を識別するための目印は、心臓420によって胴衣400上に示される。図4はまた、どのようにLEDモジュール190が、ボウタイのように見えるように作製されて、本発明の審美的な外観の一助となるかを示す。
【0027】
図5は、本発明に従う内部擬似呼吸機構を備える、テディベアのように形作った非人型ハウジング110中にあるCPR訓練補助具100である。フェースマスク120は、ヒトの鼻および口を表すような形にされる。フェースマスク120は、空気チューブコネクタ124から持ち上げられ、離して示される。フェースマスク120の開口部122もまた示される。目印140は、テディベアの胸部の上に心臓のような形にされて示される。
【0028】
図6を参照すると、本発明に従う、CPR訓練補助具110の代替的実施形態112が斜視図で示される。代替的実施形態112は、擬似気道、圧迫フィードバック機構、および圧迫機構を備える。
【0029】
この擬似気道は、開口部122および空気チューブ取付け具123を備える選択肢的な取り外し可能なフェースマスク120からなる。この開口部122は、周囲空気に対して開放されており、この空気チューブ取付け具123は、空気チューブコネクタ124に挿入される。フェースマスク120は、フェース錐体610に、空気チューブコネクタ124で取り付けられている。空気チュービング126は、空気チューブコネクタ124から下に、フェース錐体610を貫通して延び、フェース錐体を開口部612から出る。次いで、この空気チュービングは、首支持体(neck support)614に沿って平行に延び、擬似肺128に取り付けられる。擬似肺128は、中間プレート660と背側または背部プレート170との間に位置し、使い捨て可能であり得る。この擬似肺128は、ヒト肺に含まれる空気量に等しい空気量を保持するように計算されている。擬似肺128のサイズ、よってエアバッグに含まれる空気量は、乳児の肺、小児の肺、または成人の肺の中の空気量に近づくように変更され得る。
【0030】
図6を参照すると、圧迫フィードバック機構は、環状カラー620(このカラーの後ろ側端部は、コネクタ622によって首支持体614に取り付けられる)、電子制御基板624、スピーカー626、LEDモジュール630(このモジュールは、環状カラー620の前側端部に取り付けられる)、LED632aおよび632b、ならびにレンズ634から構成される。LED632aおよび632bは、集積回路基板624ならびに電気接触646aおよび646bにワイヤ(示さず)によって取り付けられ得るが、他の実施形態は、このことをワイヤレス接続にすることができる。集積回路基板624は、マイクロプロセッサチップおよびスピーカーで置換され得、これらは、CPR技術を練習するための音声プロンプト(voice prompt)または他の聴覚プロンプトを提供し得る。この集積回路基板624はまた、ワイヤ(示さず)によって電源に取り付けられる。レンズ634およびLEDモジュール630は、好ましくは、非人型ハウジングを貫通して上に突出し、その結果、このレンズおよびモジュールは、CPRを練習している間に使用者によって認識され得る。
【0031】
圧迫機構は、前側または上側胸部プレート130、中間プレート660、および背側または背部プレート170から構成される。首支持体614は、中間プレート660に接続され、このプレートは、胸部プレート130に向かって前側に突出している、5本の中実もしくは中空の丸形支柱、および背側または背部プレート170に向かって後ろ側に突出している、4本の中実もしくは中空の丸形支柱を有する。中間プレート660の4つの角の各々において、4本の前側支柱650a〜650dおよび4本の後ろ側支柱652a〜652d(652bは示されていないとはいえ)が、ならびに中間プレート660上に1つの前側中心支柱650eがある。前側中心支柱650eは、スプリング(図2および3を参照のこと)を含み、ヒト胸部の圧迫に対する抵抗をシミュレートする。代わりとして、突出脚部のいずれかまたは全てが、中空であり得、抵抗のためのスプリングを備え得る。抵抗の量は、本発明を用いて練習されるCPR技術に依存して、乳児、小児、または成人の胸部について較正され得る。
【0032】
中間プレート660に取り付けられた電気接触スプリング654が存在し、このスプリングは、中間プレート660への首支持体614の取り付け部と中心支柱650eとの間にある。この電気接触スプリング654は、集積回路基板624へと、ワイヤ(示さず)によって接続されるが、ワイヤレスにつなげられ得る。このスプリングは、前側または上側胸部プレート130に向かって上向きに曲がり、前側または上側胸部プレート130が圧迫されると、後ろ側支柱644eの上にある電気接触646aおよび646bとつながることを意味する。あるいは、この電気接触スプリング654ならびに電気接触646aおよび646bは、力センサのいずれの他の型と置換され得る。
【0033】
背側または背部プレート170は、支柱652a〜652d(652bは示さず)および前側支柱662a〜662d(662bは示さず)で中間プレート660とつながる。支柱652a〜652dは、中間プレート660から下側にまたは後ろ側に突出する。前側支柱662a〜662d(662bは示さず)は、背側または背部プレート170から上向きにまたは前側に突出する。後ろ側支柱652a〜652dおよび前側支柱662a〜662dは、安定した入れ子式支柱配置を形成する。これらの支柱が入れ子になっていることによって、前側または上側胸部プレート130が、間違った位置に圧迫されることが妨げられる。例えば、使用者が、乳首の隆起間の代わりに左乳首隆起642bの上を圧迫すると、入れ子式の脚部によって、前側または上側胸部プレート130が下に動くことが妨げられる。前側支柱662a〜662dは、後ろ側支柱652a〜652dより大きな直径を有し、その結果、後ろ側支柱652a〜652dは、前側支柱662a〜662dの中へと下向きにスライドされ得る。
【0034】
背側または背部プレート170の後ろ側は、解剖学的目印を含み、この目印は、図3にも示されるように、気道からものを取り除くために背中を叩く適切な配置を探し当てるための、ヒトの皮膚の下の右肩胛骨および左肩胛骨、ならびに脊柱の突出をシミュレートする。
【0035】
前側または上側胸部プレート130は、前側支柱650a〜650dおよび650e(これらは、中間プレート660から上側または前側に突出する)および後ろ側支柱644a〜644dおよび644e(これらは、前側または上側胸部プレート130から下側または後ろ側に突出する)で、中間プレート660とつながる。前側支柱650a〜650dおよび650eならびに後ろ側支柱644a〜644dおよび644eは、安定した入れ子式支柱配置を形成する。これらの支柱が入れ子になっていることによって、前側または上側胸部プレート130が、間違った位置に圧迫されることが妨げられる。後ろ側支柱644a〜644dおよび644eは、前側支柱650a〜650dおよび650eより大きな直径を有し、その結果、前側支柱650a〜650dおよび650eは、前側または上側胸部プレート130が圧迫されると、後ろ側支柱644a〜644dおよび644eの中へと上向きにスライドし得る。
【0036】
中心後ろ側脚部644eはまた、2つの電気接触646aおよび646bを有し、これらの電気接触は、乳児、小児、または成人のCPRのための適切な圧迫深さに対応する空間の分だけ隔てられる。例えば、乳児CPRのためのCPR訓練補助具において、電気接触646bは、前側または上側胸部プレート130の下面から約1/2インチ下にあり、電気接触646aは、前側または上側胸部プレート130の下面から約1インチ下にある。前側または上側胸部プレート130が約1/2インチ圧迫されると、電気接触スプリング654は、電気接触646aと接触するようになり、使用者に、望ましい圧迫深さが達成されたという信号が与えられる。好ましい実施形態において、このことは、LEDモジュール630において点灯する緑色LED632aであるが、任意の色のLEDが使用され得るか、または望ましい圧迫深さに達したことを使用者に知らせるためのいくつかの他の型の信号が使用され得る。前側または上側胸部プレート130が約1インチ以上圧迫されると、電気接触スプリング654は、電気接触646bと接触するようになり、使用者に、望ましい圧迫深さを超えてしまったという信号が与えられる。好ましい実施形態において、このことは、LEDモジュール630において点灯する赤色LED632bであるが、任意の他のLEDが使用されるか、または望ましい圧迫深さを超えてしまったということを使用者に知らせるためのいくつかの他の型の信号が使用される。さらに、他の電気接触が、本発明の一実施形態において、前側または上側胸部プレート130に取り付けられた中心後ろ側脚部644eに付加されて、乳児、小児、および成人のCPRのための種々の圧迫深さを一緒に示し得る。LEDモジュール630はまた、与えられた圧迫回数を示す回数計測器を備え得、聴覚信号もしくは視覚信号、またはその両方が、いつ救命呼吸を与えるかを示し得る。
【0037】
前側または上側胸部プレート130の前側は、実施されているCPRの型(乳児、小児、または成人)に依存して、使用者が適切な配置に彼または彼女の手または指を置くように訓練するための種々の解剖学的目印を含む。胸骨柄切痕640は、前側または上側胸部プレート130の近位端部の上に位置する。胸骨柄切痕640の下には、右鎖骨隆起132aおよび左鎖骨隆起642aがある。鎖骨隆起の間には、鎖骨内切痕641がある。前側または上側胸部プレート130の長さに沿って、胸骨の溝643がある。前側または上側胸部プレート130の各側部には、右乳首隆起132bおよび左乳首隆起642bがある。前側または上側胸部プレート130の遠位端部において、剣状突起および切痕134がある。好ましい実施形態は、一材料片から前側または上側胸部プレート130を作製することであるが、より軟らかい材料が、解剖学的マーキングのために使用され得、より硬い材料が、前側または上側胸部プレート130の後ろ側入れ子式支柱にこの解剖学的マーキングを固定するために使用され得る。
【0038】
上側胸部プレート130、中間胸部プレート660、および下側胸部プレート170、ならびにそれらの関連づけられた機構は、布地で周りを囲まれて、非人型ハウジング中の詰め物からこれらの機構が保護され得る。
【0039】
図7は、本発明の代替的実施形態である。この実施形態は、胸部プレート130(4本の後ろ側支柱644a(示さず)、644b、644c、および644dを備える)、ならびに背部プレート170(4本の前側支柱650a(示さず)、650b、650c、および650dを備える)からなり、これらの前側支柱は、胸部プレートの4本の後ろ側支柱とつながって、安定した入れ子式支柱を形成する。胸部プレート130と背部プレート170との間の中央には、圧迫可能材料710があり、これは、ヒト胸部の圧迫に対する抵抗をシミュレートするために使用される。剣状切痕700は、胸部プレート130の上に見られる。他の目印は、胸部プレート上に描かれてもよいし、隆起した模倣であってもよい。付加される装飾物に関しては、跳ね上げ式の腕722および724、足726、ならびに跳ね上げ式の頭部720が付加される。これらの跳ね上げ式の要素が、中心機構に向かって上向きに折りたたまれる場合、本発明全体が、保管のために小さくかさばらない箱へとはめ込まれ得る。上記のCPR訓練補助具100の他の動作フィードバック機構はまた、図7に示される本発明に付加され得る。
【0040】
(2.本発明の機能)
この訓練補助具における本発明は、CPRの学習者がおそらく、彼らの家(または職場)の目立つ場所にこの訓練補助具を置くに美的に十分に満足させることである。美的に満足させる訓練補助具を毎日見ている目立つ場所に置くと、CPR技術のより長期の保持に寄与し、CPR技術を家で練習する回数が増大し、ある人が犠牲者を成功裏に蘇生させ得るという確信の感覚が増大すると考えられる。
【0041】
本発明において記載されるCPR訓練補助具100は、全てのCPR講習に使用され得るが、特に、乳児/小児のCPR講習において使用され得る。このCPR指導者は、国により承認された基準および国際的に承認された基準に従って講習を行うが、各学習者は、彼ら自身のCPR訓練補助具100を与えられて、彼らがこの技術を習っているときに、彼らが習った技術を練習する。本発明において記載されるCPR訓練補助具は、乳児の身体の中にも小児の身体の中にも収容されないが、救助呼吸、胸部圧迫、および背中を叩くかまたは腹部を強く押すかのいずれかによって気道からものを取り除くことを練習するために使用され得る。事実、非人型形状のハウジング110は、実際に、新米の親または心配性の親が彼ら自身の子供に似ているデバイスでCPRを練習することをためらうことに備えて、あまり怖がらせることはないと考えられる。
【0042】
CPR訓練補助具100を使用することの、他の安価な訓練用マニキンとは対照的な利点は、学習者が、自分の圧迫力および/または深さに対する即時のフィードバックを得ること、ならびにメトロノームを聞くことによって、その圧迫の適切なペーシングを達成し得ることである。その講習が終わると、その指導者は、学習者にCPR訓練補助具100を家に持って帰らせ、そしてその補助具を、その学習者の家の目立つ場所に置き、その学習者が、習ったばかりの技術を思い出し、そしてそのCPR訓練補助具を規則的に取り出して、自分のCPR技術を練習するように指示する。CPR訓練補助具100はまた、自宅で、または職場で、CPR指導ビデオと組み合わせて使用され得る。
【0043】
CPR訓練補助具100は、実際の緊急事態に使用することを意図されないが、親がCPR訓練補助具100を子供部屋に置いていて緊急事態が発生した場合に、この親は、CPR訓練補助具100をオンに切り替えて、CPRの段階を思い出し得、次いで、自分の子供に対する自分の実際の圧迫を、CPR訓練補助具100のメトロノームを使用してペーシングし得る。
【0044】
CPR訓練補助具100は、任意の種類の非人型ハウジングに収容され得るが、本明細書の目的で、この補助具は、テディベアの形をとることがある。CPR訓練補助具100は、手のひらにある運動スイッチ(momentary swtich)184を押すことによって、オンに切り替えられ得る。乳児のCPR技術を実施するためには、使用者は、右手のひらを押す。これをオフに切り替えるためには、使用者は、この手のひらを再度押す。小児のCPR技術を実施するためには、使用者は、左手のひらを押す。これをオフに切り替えるためには、使用者は、この手のひらを再度押す。
【0045】
電子制御基板232上のマイクロプロセッサチップによって提供される、音声のプロンプトが、選択されるモードに依存して、乳児または小児のいずれかのCPRの工程を、その使用者に思い出させる。このプロンプトとしては、「大声を出しながら、赤ん坊の肩を優しく叩きましょう」、「顎を上げて赤ん坊の頭を傾け、この赤ん坊の口と鼻とをあなたの手で覆いながら、この赤ん坊に2回の小さい穏やかな呼吸を与えましょう」などのようなプロンプトが挙げられるが、これらに限定されない。CPRの工程を復習した後に、その使用者は、CPRの実施を開始することを促される。この使用者は、解剖学的目印を胸部プレート130で位置確認し、このプレートは、毛皮を通して感じられて、胸部圧迫のための胸部上での手または指の適切な配置を決定し得る。さらに、外部目印(例えば、赤いハート)が、この毛皮の外側に縫い付けられ、手または指の適切な配置を迅速に示し得る。促されると、この使用者は、音声プロンプトまたはメトロノームと調子を合わせて、このテディベアの胸部を圧迫し始める。この音声プロンプトは、与えられるべき圧迫の数を数え、次いで、この使用者に、救助呼吸を与えるように命じる。
【0046】
胸部プレート130を下方に圧迫することによって、上部シリンダー150が、下部シリンダー160を越えて下方にスライドする。この使用者は、上部シリンダー150および可部シリンダー160の内部のスプリング210に起因して、人の胸部と類似の抵抗を感じる。スプリング210は、スプリング安定器212aおよび212bに起因して、真下に圧縮される。圧迫の間の胸部プレート130および背部プレート170の回転は、保持ネジ154によって妨げられる。なぜなら、この保持ネジが、下部シリンダー160に彫られた整列ガイド164内を上下に移動するからである。手または指の配置が正しくない場合、この使用者は、この胸部プレートが滑らかに圧迫されない場合に、再調節されるように信号を与えられる。上部シリンダー150と下部シリンダー160との入れ子式の性質は、圧迫がこれらのシリンダーに対して中心を合わせられない限り、圧迫に抵抗する。
【0047】
上部シリンダー150上の電気接触156a、156b、および156cは、圧迫が優しすぎるか、激しすぎるか、ちょうど良いかを示すための、深さセンサとして働く。例えば、CPR訓練補助具100において、電気接触156aは、前方または上側の胸部プレート130の下側から約1/2インチであり、電気接触156bは、前方または上側の胸部プレート130の下側から約1インチであり、そして電気接触156cは、前方または上側の胸部プレート130の下側から約1と1/2インチである。スイッチ84を強く押すことによって、乳児のCPRが開始され、そして前方または上側の胸部プレート150が約1/2インチ圧迫される場合、電気接触スプリング220は、電気接触156cと接触し、そしてその使用者は、乳児のCPRのための所望の圧迫深さが達成されたという信号を与えられる。好ましい実施形態において、これは、LEDモジュール190における緑色LEDの点灯であるが、任意の色のLED、または他の何らかの型の信号が、所望の圧迫深さが達成されたことを使用者に知らせるために、使用され得る。小児のCPRが作動された場合、この圧迫深さにおいては、いずれの信号も、この使用者に与えられない。
【0048】
前方または上側の胸部プレート150が約1インチ圧迫される場合、電気接触スプリング220は、電気接触156bと接触し、そしてその使用者は、乳児のCPRのモードにある場合、所望の圧迫深さが超過されたという信号を与えられる。好ましい実施形態において、これは、LEDモジュール190における赤色LED136の点灯であるが、任意の色のLED、または他の何らかの型の信号が、所望の圧迫深さが超過されたことを使用者に知らせるために、使用され得る。小児のCPRのモードにある場合、この使用者は、所望の圧迫深さが達成されたという信号を与えられる。前方または上側の胸部プレート150が、約1と1/2インチ以上圧迫される場合、電気接触スプリング220は、電気接触156aと接触し、そしてこの使用者は、乳児CPRモードと小児CPRモードとの両方に対する所望の圧迫深さが超過されたという信号を与えられる。
【0049】
2本の指(乳児CPRについて)、または片手の手のひら(heel)(小児CPRについて)での5回の圧迫が促された後に、この使用者は、1回の救助呼吸を提供することを促される。この使用者は、このテディベアの口に吹き込む振りをし得るか、またはこの使用者は、任意のフェースマスク120を利用して、開口部122に吹き込み得る。取り外し可能なフェースマスク120の空気チューブ取り付け具123が、空気チューブ124の空気チューブコネクタ124に挿入される。この使用者の口が、フェースマスク120に当てられ、そして呼吸が与えられる。空気は、空気チューブ124に沿って移動し、そして擬似肺128を膨張させる。擬似肺128が膨張するにつれて、このテディベアの胸部が上昇して、救助呼吸が与えられる場合の小児の胸部の上昇をシミュレートする。フェースマスク120は、使用後に捨てられても、再使用のために清浄化されてもよい。さらに、擬似肺128は、非人型ハウジング110の開口部を通して取り出されて処分され得、そして同じ開口部を通して、清浄な擬似肺128で置き換えられ得る。
【0050】
胸部の圧迫および救助呼吸を実施することに加えて、CPR訓練補助具100は、腹部を押すことまたは背中の叩打(back blow)を使用して、遮断された気道の清浄化を練習するために使用され得る。前方または上側の胸部プレート130の遠位端は、触知可能な剣状突起134を有する。使用者は、前方または上側の胸部プレート130の遠位端および剣状突起134を、気道を清浄化するために腹部を押すことを適用するための適切な位置を確認するための目印として使用する。背側または背部プレート170の後ろ側は、左右の肩甲骨330aおよび330b、ならびに脊柱332をシミュレートする、解剖学的目印を含む。使用者は、これらの目印の位置を確認し、そしてこれらの肩甲骨の間を叩くことを適用して、気道を清浄化する練習をする。
【0051】
(3.代替の実施形態の説明および操作)
CPRを実施する際に、乳児、小児、および成人に対して、異なる量の力、圧迫深さ、速度などが存在する。これらの理由により、図面は、この装置の可動部品および静止部品の正確な大きさまたは割合を示すとは理解されず、そして示される割合は、本発明のために重要とも必須ともみなされないことが、理解される。本発明を実施する機械は、種々の大きさおよび割合で作製され得、そして種々のCPR技術の練習のために適合されるように、異なる程度の抵抗または弾性を有する。
【0052】
テディベアが、図1、図4、図5、および図6に図示されるが、テディベアは、適切であり得る唯一の型の非人型ハウジングではない。他の選択肢としては、ウサギ、サル、またはイヌが挙げられる。さらに、内部の機構はまた、家庭に目立つように置かれ得る無生物物体(例えば、投げ枕)内に配置され得る。
【0053】
CPR訓練補助具100は、テディベアの手のひらにある運動スイッチ84によって、オンに切り替えられる。スイッチ84が非人型ハウジング110の手のひらに配置される代わりに、このスイッチは、非人型ハウジング110の足、または首の後ろに配置され得る。運動スイッチの代わりに、スライダーまたは他の型のスイッチが、使用され得る。
【0054】
音声プロンプトの代わりに、CPR訓練補助具100は、使用者に圧迫ペーシングを提供するために、単純なメトロノームおよびスピーカーを、電気制御基板232上に有し得る。このメトロノームは、乳児、小児、または成人のCPRに対して、アメリカ心臓協会のガイドラインを固守するように、較正され得る。CPRの工程は、非人型ハウジング110上のどこか(例えば、テディベアのボウタイ、または非人型ハウジング110の外側に縫い付けられたパッチ)に、印刷され得る。
【0055】
胸部プレート130および背部プレート170さらなる目印は、本発明にとって必須ではない。代替例において、外部の目印(図5に示されるような赤色のハートが挙げられるが、これらに限定されない)が、非人型ハウジングの外側に縫い付けられるかまたは付着されて、手または指の適切な配置のための位置を迅速に示し得る。
【0056】
CPR訓練補助具100における入れ子式支柱は、誤った位置で与えられる圧迫に抵抗することによって、胸部での手または指の不適切な配置を防止するが、同じ効果を達成する別の実施形態は、前方または上側の胸部プレート130の中心、および乳首の上昇部132bと642bとの間に穴を空け、そしてこの穴を、柔軟な可撓性材料で覆うことである。前方支柱650a〜650d、および後方支柱644a〜644dは、各々、等しい長さであり、そして移動不可能である。しかし、後方支柱644eは、前方支柱650eより短く、そして前方または上側の胸部プレート130の柔軟な中心部分が圧迫される際に、前方支柱650eに沿ってスライド可能である。使用者が、誤った位置(例えば、左の乳首の上昇部)を圧迫する場合、前方または上側の胸部プレート130は、移動しない。さらに、使用者が胸部を正しい位置で圧迫しているか誤った位置で圧迫しているかを示す、視覚的信号または聴覚的信号が、本発明の実施形態のいずれかにおいて、提供され得る。
【0057】
CPR訓練補助具100の圧迫機構は、上部シリンダーおよび下部シリンダーを有するように記載されるが、代替の実施形態は、図3に示されるような、上部および下部の、正方形または矩形の箱である。この入れ子式の箱は、図1における入れ子式のシリンダーと同じ様式で機能するが、保持ネジ54および整列ガイド164が、上部プレート130と下部プレート170との回転を防止する代わりに、同じ機能が、ウィンドウ312aおよび312b、ならびに下部支柱320から突出するタブ322aおよび322b(図示せず)によって、果たされる。上部支柱310の右側および左側のウィンドウ312aおよび312bはまた、圧迫の間、空気を排気する。圧迫機構の別の実施形態が、図6に示されており、そして類似のシリンダーの形状の、複数の入れ子式支柱を備える。用語「支柱」は、任意の形状(例えば、円筒形、正方形、矩形など)の支柱をいい得ることが、当業者によって理解されるべきである。CPR訓練補助具100について記載される圧迫機構は、上部プレート130の圧迫に対する抵抗のための、スプリング210を備える。抵抗は、他のデバイス(例えば、図7に示されるような、不連続気泡発泡体スプリング(closed cell foam spring))によってもまた同様に提供され得る。さらに、この抵抗デバイスは、独立していても、1つの中心支柱に位置しても、複数の支柱に位置してもよい。
【0058】
CPR訓練補助具100は、上部シリンダー150の遠位部分の内側に包埋された、3つの電気接触156a、156b、および156cを備えて記載される。これらの電気接触は、胸部プレート130が圧迫される際に、電気接触スプリング220と接触する。この実施形態において、乳児CPRと小児CPRとの両方の圧迫深さが、感知され得、そして示され得る。しかし、この実施形態は、乳児CPRのみ、小児CPRのみ、成人CPRのみ、またはこれらの3つの任意の組み合わせについての圧迫深さを示すように適合され得る。深さセンサについての別の実施形態が、図6に示される。この配置は、1つの型のみのCPR(乳児、小児、または成人)に対してのみの、圧迫感知およびフィードバックを提供するための適合を示す。中心位置決め足644eは、2つの電気接触646aおよび646bを有し、これらの電気接触は、この足の外側を囲み、そしてこれらの接点は、乳児CPR、小児CPR、または成人CPRのための適切な圧迫深さに対応する空間によって、隔てられる。胸部プレート130が圧迫される場合、電気接触スプリング654が、電気接触646aおよび646bと接触し、そして使用者は、所望の圧迫深さが達成されたこと、または超過されたことの信号を与えられる。図面に示される圧迫センサの各々は、圧迫深さを測定するが、代替の実施形態は、圧迫力を測定するための力センサを備え得る。図6にはまた、LEDモジュール630、電気制御基板624、および電気制御基板624に取り付けられたスピーカー622が示される。この配置は、非人型ハウジング110の首領域における、さらなる安定性を提供し得る。LEDモジュール630はまた、LED632aおよび632bを覆う、別体のレンズ634を有した。
【0059】
代替の実施形態において、LEDモジュール190または630はまた、与えられる圧迫の数を表示する、数字カウンターを備え得る。LEDモジュール190または630は、単一のLEDを備え得るか、複数のLEDを備え得るか、与えられる圧迫の数を数える整数を示す機構を備え得るか、またはこれらの任意の組み合わせを備え得る。さらに、聴覚的信号または視覚的信号、あるいはこれらの両方が、救助呼吸を与える時点がいつであるかを示し得る。
【0060】
擬似気道が、本発明のために記載されるが、これは、本発明の必須の構成要素ではない。擬似気道は、本発明の実施形態から除外され得、そして使用者は、救助呼吸を与えるように促される場合、単に、救助呼吸を与える振りをし得る。図1に示される気道の代替の実施形態が、図6に示される。この実施形態は、ノーズコーン610、および背部プレート170と中央プレート660との間の擬似肺128を備える。上部プレート130が圧迫されるにつれて、擬似肺128の中の全ての空気が、擬似肺128から圧迫され、空気チューブ126に達し、そして開口部122から出る。取り外し可能なフェースマスク120の代替の実施形態は、このフェースマスクを糸に取り付け、次いで、この糸を、非人型ハウジング110の表面または内部のどこかのポケットに縫い付けることである。使用されない場合、取り外し可能なフェースマスク120は、このポケット内に格納され得る。取り外し可能なフェースマスク120をこのポケットに取り付けるための糸は、取り外し可能なフェースマスク120が、空気チューブコネクタ124に取り付けられていない場合に、紛失されたり誤配置されたりしないことを確実にする。これらの糸およびポケットは、本発明の必須の部品ではない。擬似気道の別の実施形態が、図4に記載される。この実施形態において、この気道は、非人型ハウジングの外側にある。空気チューブ410は、フェースマスク120および擬似肺(図示せず)に接続される。この擬似肺は、取り外し可能な胴衣400の下方に位置し、そして呼吸が与えられると、この胴衣を上昇させ、救助呼吸の間の人の胸部の上昇をシミュレートする。この実施形態は、使い捨ての擬似肺の最も簡単な取り外しおよび交換を提供し、そしてまた、胴衣400なしで機能し得る。図4のさらなる実施形態において、空気チューブ410は、適切な量の空気が開口部122に吹き込まれたときの指標を備える肺活量計によって模倣される、肺に接続され得る。
【0061】
図7は、非人型ハウジングに収容されない、本発明の代替の実施形態を教示する。この実施形態は、独特の入れ子式支柱644a〜644d、および650a〜650d、ならびに上部プレート130と下部プレート170との間で中心に位置する不連続気泡スプリングからなる。本発明の全体が、格納のための小さい小形の箱の中で輸送されることを可能にする目的で、跳ね上げ式の腕722および724、足726、ならびに跳ね上げ式の頭720が取り付けられる。上記CPR訓練補助具100の他の性能フィードバック機構もまた、本発明のこの実施形態に加えられ得る。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、CPR訓練の分野において使用することが意図される。このデバイスの、例えば、本発明の1つの局面を有する基本モデル、本発明の全ての局面を有する豪華モデル、および本発明の全てではないがいくつかの局面の組み合わせを有する中間モデルが挙げられる、種々の市販の実施形態が作製され得る。梱包、付属品、および製造材料は、特定の使用者群の要求に合うように、変更され得る。
【0063】
従って、読者は、本発明およびその全ての代替の実施形態が、安価な、美的に好ましいCPR訓練デバイスを提供することを理解する。このデバイスは、その脅迫的ではない非人型ハウジングに起因して、代表的なCPRマニキンほど恐ろしくない。従来技術における他の安価な訓練補助具より優れた他の利点としては、CPR性能に対する即時のフィードバック、CPRの工程を使用者に思い出させるための視覚的プロンプトおよび/または聴覚的プロンプト、適切な手/指の配置に対する促しおよびフィードバック、呼吸の間の視覚的な胸部の上昇を伴う、救助呼吸の現実的な練習、ならびに乳児CPR、小児CPR、または成人CPR、あるいはこれらのいくつかまたは全ての組み合わせの訓練または練習に対する適合性が挙げられる。
【0064】
まとめとして、本明細書中に記載され、そして図面に示された、CPR訓練デバイスは、本発明の現在好ましい実施形態のみを代表することが理解される。実際に、種々の改変および追加が、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、このような実施形態に対してなされ得る。従って、本発明の範囲は、上記実施形態に限定されるべきではない。変化が、本発明の範囲内で可能であり、そして任意の請求項に記載される各要素または工程が、全ての均等な要素または工程をいうと理解されることが、理解される。特許請求の範囲は、利用され得る形態のいずれにおいても、法律的に可能な限り広く、本発明を包含することが意図される。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって、規定されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】図1は、本発明に従う非人型CPR訓練補助具の内部機構の斜視図である。
【図2】図2は、図1のCPR訓練補助具の圧迫機構およびコントローラの断面図である。
【図3】図3は、代替的な圧迫機構の斜視図である。
【図4】図4は、本発明に従う外部擬似呼吸機構を備える、テディベアハウジング型の非人型CPR訓練補助具である。
【図5】図5は、本発明に従う内部擬似呼吸機構を備える、テディベアハウジング型の非人型CPR訓練補助具である。
【図6】図6は、本発明に従う非人型CPR訓練補助具の代替的な機構の斜視図である。
【図7】図7は、持ち運びまたは収納のためにコンパクトに折り畳まれ得る、本発明の代替的な実施形態の斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非人型ハウジングに収容された、人体心肺蘇生法(CPR)を訓練またはシミュレートするための装置であって、該装置は、以下:
第1のプレート;
該第1のプレートに固定された少なくとも1つの直立支柱;
第2のプレート;
該第2のプレートに固定され、かつ胸部圧迫をシミュレートするための往復運動を提供するために、伸縮自在に直立支柱を係合するように適合された、少なくとも1つの下向きに延びる支柱;および
該第1のプレートと第2のプレートとの間に係合され、胸部を圧迫する際に経験する抵抗をシミュレートするように適合された、抵抗デバイス
を備える、装置。
【請求項2】
1つ以上の支柱が、中空であり、かつ、該支柱の長手軸と本質的に平行な方向に力を適用することを必要とするために、十分に厳しい許容限度を有する伸縮自在様係合のために適合されており、それにより、平行でない力が前記第2のプレートの上面に適用される場合に、該支柱が結合する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記抵抗デバイスが、スプリングであり、そして、1つ以上の支柱内に配置される、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記抵抗デバイスが、不連続気泡発泡体スプリングである、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
1つ以上の支柱が、該支柱の回転を妨げるような形状の、四角形または矩形である、請求項2に記載の装置。
【請求項6】
前記支柱の遠位端が、フレア状である、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記第1のプレートおよび第2のプレートが、ほぼ矩形である、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記第1のプレートおよび第2のプレートが、適切な手/指の配置のために、胸骨柄切痕、左右の鎖骨、鎖骨間切痕、胸骨溝もしくは正中線、左右の乳首、または剣状突起部および切痕を表す表面のような、解剖学的目印を含む、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記第2のプレートが、CPRを適用するために人間の手または指を置く場所を位置付けするために、胸部と似るように適合された上面に、解剖学的目印を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記非人型ハウジング上の目印が、前記第2のプレートを適切に圧迫するための位置に印を付け、そして、該目印が、CPRの間に胸部を圧迫するための該適切な位置に対応する、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記第1のプレートに固定されたほぼ中心にある直立支柱、および前記第2のプレートに固定され、そして該ほぼ中心にある直立支柱に対向し、かつ該ほぼ中心にある直立支柱と係合する、ほぼ中心にある下向きに延びる支柱をさらに備え、前記スプリングデバイスが、該ほぼ中心にある直立支柱の中に受容される、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記非人型ハウジングが、動物のぬいぐるみの玩具に似ている、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記ハウジングが、テディベアのように見える、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
視覚および/または聴覚性のメトロノームをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記第1のプレートおよび第2のプレートを、互いにより接近するように押すために使用される力の量を測定するための、圧迫力センサ、ならびに、使用者に対する該適用された力のインジケーターをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記第1のプレートおよび第2のプレートを互いにより接近するように押すときに移動する距離を測定するための、圧迫深さセンサ、ならびに、この距離が、適切なCPRのために適切な距離であるか、深過ぎるか、または短過ぎるかのインジケーターをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記インジケーターが、ぬいぐるみの玩具の首に位置付けされ、そして、ブローチまたはボウタイのように見えるように様式化されている、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
CPRサイクルにおいて呼吸が与えられるべきときを示すように適合された、救助呼吸インジケーターをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項19】
音声プロンプトが、CPRの工程の催促を提供する、請求項1に記載の装置。
【請求項20】
音声プロンプトが、実際のCPRの動作の際にフィードバックを提供する、請求項1に記載の装置。
【請求項21】
請求項1に記載の装置であって、以下:
人間の肺をシミュレートするように適合された可撓性コンテナ;および
該可撓性コンテナとの流体連絡を提供する、空気チューブ
をさらに備える、装置。
【請求項22】
請求項21に記載の装置であって、以下:
前記第1のプレートおよび第2のプレートとほぼ整列された第3のプレートであって、該第1のプレートが、該第2のプレートと第3のプレートとの間にある、プレート;
該第3のプレートに固定された、1つ以上の支柱;
該第1のプレートの下側に固定され、かつ、往復運動を提供するために、該第3のプレートに固定されたそれぞれの支柱と係合するように適合された、1つ以上の対応する下向きに延びる支柱
をさらに備え、ここで、前記可撓性コンテナが、該第1のプレートと第3のプレートとの間にある、装置。
【請求項23】
人工肺蘇生術をシミュレートするための装置をさらに備える、請求項1に記載のCPR訓練用デバイス。
【請求項24】
前記人工肺蘇生術をシミュレートするための装置が、人間の肺の容量をシミュレートするような大きさの可撓性コンテナを備え、該可撓性コンテナは、前記ハウジングの内側部分に受容され、そして、空気チューブの一端が、該可撓性コンテナに接続される一方で、該空気チューブのもう一端は、環境に対して開いており、空気が該外部環境から該可撓性コンテナ内に流れることを可能にする、請求項23に記載のCPR訓練用デバイス。
【請求項25】
前記人工肺蘇生術をシミュレートするための装置が、非人型ハウジングの外側に位置付けされ、そして、擬似肺を覆う胴衣、該擬似肺に接続された空気チューブ、該空気チューブに接続されたフェースマスク、および該フェースマスク内の開口部を備え、該フェースマスク内の開口部において、空気が該空気チューブ内へと吹き込まれ得、その後、該擬似肺が該胴衣を上昇させる、請求項23に記載のCPR訓練用デバイス。
【請求項26】
非人型ハウジング内に収容された、人体心肺蘇生法(CPR)を練習するための装置であって、該装置は、胸部プレートおよび背部プレート、該胸部プレートおよび背部プレートに取付けられた伸縮自在な支柱、該プレート間にある抵抗デバイス、圧迫深さセンサ、該CPR訓練補助具上および使用者の視線上に位置付けされた圧迫深さインジケーター、圧迫ペーシングインジケーター、ならびに、手/指の配置のための適切な位置を示すための非人型ハウジング上の目印を備える、装置。
【請求項27】
擬似気道をさらに備える、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記気道が、呼吸が与えられたときの、人間の肺の抵抗および胸部の上昇をシミュレートする、請求項27に記載の装置。
【請求項29】
内部空気チューブに取り付ける外部フェースマスクをさらに備える、請求項28に記載の装置であって、該内部空気チューブは、内部にある擬似肺に取付けられ、該外部フェースマスクは、CPRの間に与えられる呼吸の練習を容易にする、装置。
【請求項30】
前記フェースマスクが、様式化された人面である、請求項29に記載の装置。
【請求項31】
外部空気チューブに取り付ける外部フェースマスクをさらに備える、請求項27に記載の装置であって、該外部空気チューブは、前記非人型ハウジングの外側にある擬似肺に取付けられる、装置。
【請求項32】
前記フェースマスクは、様式化された人面である、請求項31に記載の装置。
【請求項33】
聴覚性音声プロンプトをさらに備える、請求項26に記載の装置。
【請求項34】
前記音声プロンプトが、CPRの工程を使用者に促す、請求項33に記載の装置。
【請求項35】
前記音声プロンプトが、CPRスキルの適切および不適切な動作を示す、請求項33に記載の装置。
【請求項36】
心肺蘇生法(CPR)訓練用デバイスであって、該デバイスは、以下:
ベース;
該ベースに固定された、複数の直立支柱;
該ベースから間隔を空けられた、胸部プレート;
該胸部プレートの下側に固定された、複数の下向きに延びる支柱
を備え、
該下向きに延びる支柱は、該直立支柱と係合され、かつ往復運動に適合され;そして
該下向きに延びる支柱および該直立支柱の伸縮自在な性質が、脚部の長手軸と本質的に平行な方向に力を適用することを必要とするために、十分に厳しい許容限度を有し、それにより、平行でない力が第2のプレートの上面に適用されたときに、該脚部が結合する、デバイス。
【請求項37】
4つの直立支柱および4つの下向きに延びる支柱が前記基部の各隅に1つずつ存在する、請求項36に記載のCPR訓練用デバイス。
【請求項38】
発泡体スプリングが、前記基部と胸部プレートとを隔て、該胸部プレートが該基部に向かって下向きに圧迫されるときに、圧迫抵抗を提供する、請求項37に記載のCPR訓練用デバイス。
【請求項39】
前記基部に接続されたジンジャーブレッドマンの形状を有する、平面ボディをさらに備える、請求項36に記載のCPR訓練用デバイス。
【請求項40】
前記基部が4つのエッジを有し、前記ジンジャーブレッドマンの、頭部が一端にヒンジ接続され、右腕が一端にヒンジ接続され、左腕が一端に接続され、そして、足を有する該ジンジャーブレッドマンの胴部が一端に接続される、請求項39に記載のCPR訓練用デバイス。
【請求項41】
請求項40に記載のCPR訓練用デバイスであって、該デバイスが、直方体の一般的な形状を想定するように、前記頭部、腕、および胴部が、前記プレートに向けて折り畳まれる、デバイス。
【請求項42】
擬似気道をさらに備える、請求項36に記載のCPR訓練用デバイス。
【請求項43】
非人型ハウジング内に収容される心肺蘇生法(CPR)訓練補助具を使用して、CPRにおいて個人を訓練するための方法であって、該方法において、生徒は、上側胸部プレートおよび背部プレートを含み、該プレート間に抵抗機構を備える擬似胸部に対する圧迫を練習し、圧迫に対する人間の胸部の抵抗をシミュレートし得、該方法は、以下:
擬似胸部を圧迫する工程;および
胸部圧迫の間に、人間の胸部の抵抗と似た抵抗を感じる工程
を包含する、方法。
【請求項44】
胸部圧迫のために、該胸部上の適切な手の配置を決定するための目印を使用する工程をさらに包含する、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
圧迫力または圧迫の深さの適否に対する、即時のフィードバックを見る工程をさらに包含する、請求項43に記載の方法。
【請求項46】
正確に圧迫のペーシングを空ける信号を聞く工程、および/または見る工程をさらに包含する、請求項43に記載の方法。
【請求項47】
請求項43に記載の方法であって、該方法は、空気チューブに接続された取り外し可能なフェースマスクを備える擬似気道を使用して、救助呼吸を練習する工程をさらに包含し、該空気チューブは、人間の肺の抵抗をシミュレートする擬似肺につながっている、方法。
【請求項48】
前記CPR訓練補助具が、CPR指導ビデオと組み合わせて使用される、請求項43に記載の方法。
【請求項49】
音声プロンプトが、CPRの工程を使用者に促し、該CPRのプロセス全体を通じて、該使用者を案内する、請求項43に記載の方法。
【請求項50】
前記CPR訓練補助具が、腹部への圧迫に適切な手の配置、および背部叩打の適切な配置を決定するための解剖学的目印を備える、請求項43に記載の方法であって、該方法は、以下:
腹部への圧迫に適切な手の位置を決定するために、胸部の解剖学的目印を位置確認する工程;
背部叩打の適切な配置のために、該背部の解剖学的目印を位置確認する工程;および
背部叩打または腹部への圧迫により、気道から異物を取り除く工程
を包含する、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2007−505360(P2007−505360A)
【公表日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−526376(P2006−526376)
【出願日】平成16年9月11日(2004.9.11)
【国際出願番号】PCT/US2004/029870
【国際公開番号】WO2005/027816
【国際公開日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(506083420)
【出願人】(506083431)
【Fターム(参考)】