説明

KPI値取得プログラム、及びKPI値取得システム

【課題】既存システムを変更することなくKPI値を取得可能な技術を提供する。
【解決手段】KPI値を取得するプログラムであって、KPI値取得の対象とすべき画面を定義するKPI値取得画面定義、及びエージェント画面を定義するエージェント画面定義をBAMサーバへ要求し、これら2つの定義をBAMサーバから受信する定義情報取得モジュール115、表示装置に表示される1又は2以上のアクティブな画面を監視し、アクティブな画面を特定可能なアクティブ画面特定情報を取得し、KPI値取得画面定義とを比較し、画面がKPI値取得対象画面かを判断するアクティブ画面監視モジュール116、画面がKPI値取得対象画面である場合に、エージェント画面を生成し、表示するエージェント画面生成モジュール117、送信イベントが発生した場合に、KPI値を、BAMサーバへ送信するデータ送信モジュール118、として機能させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、KPI(Key Performance Indicator)情報を取得するためのプログラム、及びシステムに関し、特に既存システムに手を加えることなく柔軟にKPI値を取得することが可能なプログラム、及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
BPM製品というカテゴリの製品が市場に出てきている。実際にはビジネスフローの可視化(ワークフロー機能)、および、データの流れや変換プロセスの可視化(EAI機能)、プロセスを簡易的に実装し外部システムに公開する機能(ESB等)を有するスイート製品である。このカテゴリの製品を利用することで、モデリングから実装までを一貫して行うことができ、主にGUIベースの定義による実装となるためプロセスの変更がたやすく、頻繁にプロセスの改善ができる仕組みになる。モデリングから実装を行い,改善点を見つけ再度モデリングするというようにプロセスを頻繁に回すことで業務プロセスの改善に貢献することができるというところがBPM製品の目標になる。
【0003】
ビジネスプロセスの管理、ビジネスプロセスの最適化のための技術がいくつか提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
【特許文献1】特開2003−228647号公報
【特許文献2】特開2004−258823号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
プロセス改善のためにはBAM(Business Activity Monitoring)を行う必要がある。具体的には業務を表現し、改善に必要な指標となるKPI値を取得し、それを分析することが必要になる。システム全体を統一的なシステムとし、主にWEB化によってセンター集中型の仕組みをとれば必要な情報を取りやすくなるのは当然だが、実際の業務においては既存の雑多な業務アプリケーションが動いており、特にパッケージアプリケーションに関してはKPI値取得のために手を入れることが難しい。また、KPI値取得のためにシステム全体に手を入れることは費用対効果の面から非常に考えづらい。
【0005】
既存のBPM製品は単一の製品で全てシステム化し、そのログを収集するという思想のものしかない。既存システムをなるべく変更することなく、できる限り柔軟にKPI値を取得する技術が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の特徴は、KPI値を取得するKPI値取得プログラムであって、コンピュータを、(1)KPI値取得の対象とすべき画面を定義するKPI値取得画面定義、及びエージェント画面を定義するエージェント画面定義の送信を外部機器へ要求し、これら2つの定義を外部機器から受信する定義情報取得手段、(2)表示装置の表示画面に表示される1又は2以上の画面中のアクティブな画面を監視し、かかるアクティブな画面を特定可能なアクティブ画面特定情報を取得し、アクティブ画面特定情報とKPI値取得画面定義とを比較し、アクティブな画面がKPI値取得対象画面かを判断する画面監視手段、(3)アクティブな画面がKPI値取得対象画面である場合に、エージェント画面定義に基づいてエージェント画面を生成し、表示画面に表示するエージェント画面生成手段、(4)送信イベントが発生した場合に、エージェント画面を用いて取得されたKPI値を、外部機器へ送信するデータ送信手段、として機能させることにある。
【0007】
認証情報とは、例えばユーザID、パスワード等である。KPI値とは、例えば担当したユーザの情報、処理に要した時間、処理対象のタスクの情報(受付番号(注文処理)、発注番号、受領番号等)、処理のステータスを表す情報(承認処理を終了したことを示すフラグ、承認を却下したという情報)、処理に紐付く属性(発注数、処理件数、在庫数等)等である。
【0008】
KPI値取得画面定義とは、KPI値取得対象となる既存の業務アプリケーションの実行ファイル名、アクティブなウィンドウのタイトル等である。エージェント画面定義とは、エージェント画面の構成要素、各構成要素の位置及び大きさ等を定義する。送信イベントには、エージェント画面を構成する送信ボタン等がクリックされたことや既存の業務アプリケーションの画面が遷移したこと等が含まれる。
【0009】
本発明の第2の特徴は、第1の特徴に加えて、キーログ取得開始イベントが発生してから、キーログ取得終了イベントが発生するまでの間のキーログを取得するキーログ取得手段をさらに含み、送信イベントが発生した場合に、取得されたキーログをKPI値として送信することにある。キーログ取得手段としては、例えばいわゆるキーロガーを使用することができる。
【0010】
本発明の第3の特徴は、第1又は第2の特徴に加えて、エージェント画面定義は、さらにステータス情報が記憶されているアドレスを含み、エージェント画面生成手段は、さらにアドレスによって特定されるステータス情報記憶手段からステータス情報を取得し、ステータス情報をエージェント画面の一部として表示することにある。ステータス情報を、次のような手順で行われる発送処理例に基づいて説明する。
【0011】
・手順1:製品製造業者が発送会社に商品納入
・手順2:発送業者が発送準備完了
・手順3:発送業者が輸送業者に依頼
・手順4:輸送業者が発送業者に到着
・手順5:輸送業者が商品輸送
・手順6:届け先に商品到着
以上の処理での位置(つまり、手順1,2,3,4,5,6のどこか)を示す情報がステータス情報である。それぞれのステータスを管理している発送業務システムがあるとする。操作しているユーザが発送業者に所属し、輸送業者に商品を渡したとき(手順4のとき)にアプリケーションを操作する場合、それぞれの発送処理は一意のIDで識別可能とし(例えば、商品Aの発送処理のIDはHASS001、商品Bの発送処理の発送IDはHASS002、商品Cの発送処理のIDはHASS003)、エージェントはユーザIDを元にそのユーザが処理すべき発送処理の一覧が取得できるとすれば(例えば、USR001によって特定されるユーザが処理すべき発送処理はHASS001とHASS003等)、単に輸送業者に商品を手渡したという情報以外に、処理したIDの情報を選択させることが可能で、情報の内容の精度が高まる。
【0012】
具体的には、例えば、発送処理IDと担当者IDとが、関連づけられていて、担当者IDをキーにして未完了の発送処理IDを検索することができ、検索された発送処理IDのそれぞれに以下のようにチェックボックスが表示される。
【0013】
□ HASS0001
□ HASS0003
そして、発送処理が完了した発送処理IDのチェックボックスをチェックし、チェックされた状態でデータ更新することによって、発送処理の完了確定を選択式に簡易に実行することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の第1乃至第3の特徴によれば、既存の業務アプリケーションを変更することなく、KPI値を取得することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に図面に基づいて、本発明を実施するための最良の形態を説明する。なお、以下の説明は、単なる例示に過ぎず、本発明の技術的範囲は以下の説明に限定されるものではない。
【0016】
<システム概要>
クライアント(KPI値出力装置)100とBAMサーバ(KPI値蓄積装置)150がLAN130に接続され、データを適宜送受信することができる。
【0017】
図1に示すように、クライアント100は、主制御部(CPU)101、通信手段102、入力制御部103、入力装置104、表示制御部105、表示装置106、バス108、RAM(Random Access Memory)110、HDD(Hard Disk Drive)111を備える。
【0018】
通信手段102は、例えばNIC(Network Interface Card)であり、かかる通信手段102を用いて認証情報などをサーバ150へ送信し、また認証結果などを受信する。
【0019】
入力装置104は、例えばマウスなどのポインティングデバイスやキーボードであり、かかる入力装置を用いてユーザID及びパスワードなどの文字列が入力され、また表示装置106に表示された「送信ボタン」などが選択され、押される。
【0020】
表示装置106は、例えば液晶表示装置やCRT(Cathode Ray Tube) であり、かかる表示装置上にユーザID・パスワード入力画面、業務アプリケーションによって生成されるウィンドウ及びエージェントによって生成されるエージェント画面などが表示される。
【0021】
RAM110は、例えばDRAM(Dynamic RAM)であり、業務アプリケーション自身が配置される領域、業務アプリケーションのデータ用領域、エージェント自身が配置される領域、エージェントのデータ用領域などを有する。
【0022】
HDD111は、業務アプリケーション112、エージェント113、オペレーティングシステム(図示せず)などを記憶する。CPU101によって業務アプリケーションが読み出され、表示装置106の表示画面に業務アプリケーションのウィンドウが表示される。そして、後述するように、CPU101によってエージェントが読み出され、表示装置106の画面上に表示されている業務アプリケーションに付随する状態でエージェントのウィンドウ(ユーザID・パスワード入力ウィンドウなど)が表示される。「付随する状態」とは、業務アプリケーションのウィンドウの外側に、エージェントのウィンドウが表示され、かつ業務アプリケーションのウィンドウの一辺と、エージェントのウィンドウの一辺とが接しているような状態を意味する。
【0023】
また、図1に示すように、サーバ150は、主制御部(CPU)151、通信手段152、HDD154を備える。
【0024】
HDD154には、ログインユーザ情報155、定義情報156などが予め記憶されており、クライアントから受け取ったKPI値がBAM情報157として記憶される。
【0025】
通信手段152は、例えばNIC(Network Interface Card)であり、かかる通信手段152を用いて定義情報要求をクライアント100から受信したり、定義情報をクライアント100へ送信したりする。
【実施例1】
【0026】
図2〜5に基づいて、実施例1を説明する。図2は実施例1のエージェントの内容を示すブロック図であり、図3〜4は実施例1のクライアント及びサーバにおける処理の流れを示すフローチャートであり、図5は実施例1において表示装置に表示される画面例を示す図である。
【0027】
図2に示すように、エージェント113は、認証用モジュール114、定義情報取得モジュール115、アクティブ画面監視モジュール116、エージェント画面生成モジュール117及びデータ送信モジュール118を備える。
【0028】
認証用モジュール114は、クライアント100においてユーザIDとパスワードの入力を受付け、入力されたユーザIDとパスワードをサーバ150へ送信する。
【0029】
定義情報取得モジュール115は、定義情報の送信をサーバへ要求し、サーバから送られてきた定義情報を取得する。定義情報には、KPI値の取得対象となるアプリケーションのウィンドウを特定するために必要な情報、例えばアプリケーションのファイル名、ウィンドウのタイトルバーに表示されるテキストの内容が含まれる。また、エージェント画面を表示する位置、エージェント画面のサイズ、エージェント画面を構成する要素、例えばテキストボックス、チェックボックス、コマンドボタンなどが含まれる。
【0030】
アクティブ画面監視モジュール116は、アクティブ画面を監視し、アクティブウィンドウを持つアプリケーションの情報を取得したり、アクティブなウィンドウのタイトルやメニュー情報など画面特定に役立つ情報を取得したりする。例えば、OSがWindows(登録商標)の場合は、
GetForegroundWindowを用いてアクティブなウィンドウのハンドルを取得し、取得されたハンドルに関連づけられたモジュールの完全パスとファイル名を
GetWindowModuleFileNameを用いて取得し、また取得されたハンドルによって特定されるウィンドウのタイトルバーのテキストを
GetWindowTextを用いてバッファへコピーする。
【0031】
また、OSがMacintosh(登録商標)の場合は、
ActiveNonFloatingWindowを用いてアクティブなウィンドウを取得し、
GetWindowPropertyを用いてアクティブなウィンドウを持つアプリケーションの情報を取得し、
MeasureWindowTitleRecを用いてアクティブなウィンドウのタイトルやメニュー情報など画面特定に必要な情報を取得する。
【0032】
エージェント画面生成モジュール117は、定義情報に基づいてエージェントの画面を生成する。
【0033】
データ送信モジュール118は、エージェントが取得したKPI値をサーバ150へ送信する。
【0034】
次に、クライアント100及びサーバ150における処理の流れを説明する。
【0035】
図3(a)に示すように、まずエージェントはユーザID及びパスワードの入力を受け付ける(ステップS101)。具体的には、ユーザID入力フィールド及びパスワード入力フィールドを表示装置106の画面に表示する。
【0036】
キーボードなどを用いてユーザID及びパスワードが入力され、マウスなどを用いて送信コマンドボタンが押されるなどしたら、エージェントはユーザID及びパスワードをサーバ150へ送信する(ステップS102)。
【0037】
図3(b)に示すように、サーバ150はエージェントから送信されたユーザID及びパスワードを受信したら(ステップS111)、HDD154に記憶されているログインユーザ情報155に基づいて認証処理を開始し(ステップS112)、認証処理の結果をエージェントへ送信する(ステップS113)。
【0038】
エージェントは認証結果を受信し(ステップS121)、認証結果が認証OKの場合は、定義情報要求をサーバ150へ送信し(ステップS122)、認証結果が認証OKでない場合は、ステップS101へ戻る。
【0039】
定義情報要求が送信された場合、サーバ150はその定義情報要求を受信し(ステップS131)、HDD154に記憶されている定義情報156をエージェントへ送信する(ステップS132)。
【0040】
エージェントは定義情報156を受信すると(ステップS141)、定義情報156を一時記憶領域に格納する(ステップS142)。定義情報(定義ファイル)の一例を以下に示す。
【0041】
<定義>
<対象アプリケーション>

<アプリケーション情報>ファイル名等</アプリケーション情報>
<画面情報>画面タイトルやメニュー等</画面情報>

<アクション>
<画面>テキストボックス</画面>
</アクション>

<アクション>
<画面>送信ボタン</画面>
<文字>送信</文字>
</アクション>

<アクション>
<画面>画面遷移</画面>
</アクション>

</対象アプリケーション>
</定義>

各要素について以下に説明する。
【0042】
<アプリケーション情報>〜</アプリケーション情報>は、<アプリケーション情報>と</アプリケーション情報>との間に記載のファイル名等によってKPI値取得対象となるアプリケーションを特定する。
【0043】
<画面情報>〜</画面情報>は、<画面情報>と</画面情報>との間に記載の画面タイトルやメニュー等によってKPI値取得対象となる画面を特定する。
【0044】
<アクション>〜</アクション>は、<アプリケーション情報>〜</アプリケーション情報>及び<画面情報>〜</画面情報>によって特定されるアプリケーションの画面と同時に表示画面106に表示されるエージェント画面のアクションを特定する。
【0045】
<画面>テキストボックス</画面>は、エージェント画面内にテキストボックスが表示されることを示す。
【0046】
<画面>送信ボタン</画面>及び<文字>送信</文字>は、「送信」という文字列が表示されたボタンがエージェント画面内に表示されることを示す。かかる送信ボタンがマウス等のポインティングデバイスを用いてクリック等されると、KPI値がクライアント100からサーバ150へ送信される。
【0047】
<画面>画面遷移</画面>は、アプリケーションの画面が遷移した場合に、KPI値がクライアント100からサーバ150へ送信されることを示す。
【0048】
エージェントは定義情報156を一時記憶領域に格納した後、アクティブウィンドウを監視し(ステップS151)、アクティブウィンドウを持つアプリケーションの情報を取得し(ステップS152)、アクティブなウィンドウのタイトルやメニュー情報など画面特定に必要な情報を取得し(ステップS153)、受信した定義ファイルに記載のアプリケーション及び画面の情報と、アクティブウィンドウから取得したアプリケーション及び画面の情報とを比較して、アクティブウィンドウがKPI値取得対象であるアプリケーションのウィンドウかを調べる(ステップS154)。
【0049】
アクティブウィンドウがKPI値取得対象でない場合は、ステップS151に戻る。アクティブウィンドウがKPI値取得対象である場合は、定義ファイルに記述されているテキストボックス、チェックボックス、送信ボタン等のエージェント画面要素を描画する(ステップS155)。
【0050】
なお、描画時に処理が必要ならそれを実行する。具体的には、後述する実施例3で説明するように情報を取得してから画面表示するような場合に、「情報を取得するという」処理を実行する。
【0051】
そして、所定位置にエージェント画面を表示する(ステップS156)。具体的には、前述のアクティブウィンドウ取得の際(ステップS151)に、そのアクティブウィンドウの属性としてウィンドウサイズ(縦サイズ及び横サイズ)とその座標値(例えば、右上頂点のXY座標値)を取得する。エージェント画面の表示位置設定にはこの情報(ウィンドウサイズ及び座標値)を用いる。エージェント画面の初期設定サイズは定義ファイルに示される画面情報により決定される。しかし、例えばエージェント画面をアクティブウィンドウの右上に表示する場合であって、アクティブウィンドウの右上には初期設定サイズのエージェント画面の全てが収まるだけの余地が無い場合は、エージェント画面のサイズを適宜縮小する。そして、エージェント画面を縦方向に縮小した場合は、縦方向のスクロールバーを生成し、初期状態では表示できない領域はスクロールすることによって閲覧可能とする。
【0052】
また、定義ファイルに最大サイズ(ピクセル)を例えば下記のように規定するとしても良い。下記のピクセルは縦方向のピクセルを示すものとする。そして、複数のエージェント画面の内、最大サイズを超えるエージェント画面については、スクロールバーを生成し、縦方向300ピクセルでは表示しきれない領域はスクロールすることによって閲覧可能とする。
【0053】
<最大画面>
<ピクセル>300</ピクセル>
</最大画面>

図5にエージェント画面の一例を示す。図5に示す例では、表示装置106の画面120には、アクティブウィンドウ121と非アクティブウィンドウ122,123が表示され、さらにアクティブウィンドウ121の右上にはエージェント画面124が表示されている。エージェント画面124は、テキストボックス125及び送信ボタン126から構成されている。
【0054】
そして、KPI値を取得する(ステップS157)。例えば、エージェント画面の画面要素がテキストボックスである場合は、そのテキストボックス内にユーザが入力した文字列、数値などがKPI値となる。
【0055】
そして、画面が遷移したり、送信ボタンが押される等の送信イベントが発生したりしたら、サーバ150へKPI値を送信し(ステップS158)、画面遷移時にエージェント画面を消去する(ステップS159)。
【0056】
エージェントを明示的に終了しない限り、ステップS152からステップS159までを繰り返す。
【0057】
サーバ150は、KPI値を受信する(ステップS161)。
【0058】
前記の如く、実施例1によれば、既存の業務アプリケーションに変更を加えることなく、業務アプリケーションの所定のウィンドウがアクティブになったら、定義ファイルの内容に従って、そのアクティブなウィンドウと共にエージェント画面が表示され、所定のKPI値を取得することが可能となる。
【実施例2】
【0059】
図6に基づいて、実施例2を説明する。実施例1と実施例2とにおいて、同一又は類似する箇所には同じ番号を付与し、説明を省略する。
【0060】
実施例2では、エージェント201は、認証用モジュール114、定義情報取得モジュール115、アクティブ画面監視モジュール116、エージェント画面生成モジュール117、データ送信モジュール118に加えて、キーログ取得モジュール202を有する。
【0061】
キーログ取得モジュール202は、キーロガーなどと呼ばれ、キーボードからの入力を監視し、入力内容を記録することができる。キー打鍵が開始されたら、キー打鍵を取得する場合の定義ファイル(定義情報)の例を以下に示す。
【0062】
<アクション>
<キー打鍵>True</キー打鍵>
</アクション>

このような実施例2によれば、実施例1と同様に、既存の業務アプリケーションに変更を加えることなく、業務アプリケーションの所定のウィンドウがアクティブになったら、定義ファイルの内容に従って、そのアクティブなウィンドウと共にエージェント画面が表示され、所定のKPI値を取得することが可能となる。
【0063】
また、実施例1では画面遷移に依存した情報や、エージェント画面に直接入力した情報の取得のみが可能である。さらに、実施例2では、アプリケーション画面に対して入力している情報をユーザに意識させることなく採取することができ、主にユーザの負担を減らすことが可能となる。
【0064】
【実施例3】
【0065】
図7に基づいて、実施例3を説明する。実施例1と実施例3とにおいて、同一又は類似する箇所には同じ番号を付与し、説明を省略する。
【0066】
図7に示すように、サーバ300は主制御部(CPU)301、通信手段302及びHDD304がバス303に接続されている。HDD304にはステータス情報305が記憶されている。通信手段302が、クライアント100からステータス情報要求を受信したら、サーバ300はHDD304に記憶されているステータス情報305をクライアント100へ送信する。
【0067】
実施例3では、クライアント100は、サーバ150から受け取った定義情報に記載されているサーバ300からステータス情報等を取得する。実施例3の定義情報(定義ファイル)の一例を以下に示す。
【0068】
<定義>
<対象アプリケーション>

<アプリケーション情報>ファイル名等</アプリケーション情報>
<画面情報>画面タイトルやメニュー等</画面情報>

<アクション>
<事前処理>
<URL>http://ttttt.com/getStatus</URL><引数>%USERID%</引数>
</事前処理>
<画面>チェックボックス</画面>
</アクション>

<アクション>
<画面>送信ボタン</画面>
<文字>送信</文字>
</アクション>


</対象アプリケーション>
</定義>

<アプリケーション情報>〜</アプリケーション情報>及び<画面情報>〜</画面情報>によってKPI値取得対象であるアプリケーション及びウィンドウが特定される点は、実施例1と同様である。
【0069】
そして、ステップS155において「定義情報に記述されているエージェント画面要素を描画」する際に、<URL>〜</URL>によって特定されるcgi(Common Gateway Interface)プログラム等やcgiスクリプト等に、<引数>と</引数>との間に記載の引数を渡し、得られた文字列等が、チェックボックスと共にエージェント画面内に表示される。
【0070】
なお、かかる場合、クライアント100とサーバ300とは、リモートマシン上のオブジェクト(データ)へアクセス可能なSOAP(Simple Object Access Protocol)等の通信プロトコルに基づいて通信する。
【0071】
このような実施例3によれば、実施例1と同様に、既存の業務アプリケーションに変更を加えることなく、業務アプリケーションの所定のウィンドウがアクティブになったら、定義ファイルの内容に従って、そのアクティブなウィンドウと共にエージェント画面が表示され、所定のKPI値を取得することが可能となる。
【0072】
さらに、実施例3によれば、単純に定義情報に書くことが可能な静的な情報ではなく、リアルタイムなステータス情報の取得が可能になる。また、KPI値の一部を構成する情報をサーバに取りに行き、サーバから取ってきた情報を用いてKPI値を構成することから、ユーザがKPI値の全てを入力しなければならない場合に比較してユーザの入力を軽減することが可能となる。
【0073】
なお、実施例3では、定義情報に記載されているサーバ300と、定義情報を格納しているサーバ150とは別のサーバとした。しかし、サーバ300とサーバ150が同一のサーバであっても良いことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】実施例1におけるクライアント及びサーバの構成を示すブロック図である。
【図2】実施例1におけるエージェントの内容を示すブロック図である。
【図3】実施例1における定義情報を受け取るまでのフローチャートであって、(a)はエージェントの処理の流れを、(b)はサーバの処理の流れを示す。
【図4】実施例1における定義情報を受け取った後のフローチャートであって、(a)はエージェントの処理の流れを、(b)はサーバの処理の流れを示す。
【図5】実施例1におけるエージェント画面の一例を示す。
【図6】実施例2におけるエージェントを構成するモジュールを示すブロック図である。
【図7】実施例3における第2のサーバの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0075】
101…主制御部(CPU)
102…通信手段
103…入力制御部
104…入力装置
105…表示制御部
106…表示装置
110…RAM
111…HDD
112…業務アプリケーション
113…エージェント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
KPI値を取得するKPI値取得プログラムであって、コンピュータを、
KPI値取得の対象とすべき画面を定義するKPI値取得画面定義、及びエージェント画面を定義するエージェント画面定義の送信を外部機器へ要求し、前記2つの定義を前記外部機器から受信する定義情報取得手段、
表示装置の表示画面に表示される1又は2以上の画面中のアクティブな画面を監視し、かかるアクティブな画面を特定可能なアクティブ画面特定情報を取得し、前記アクティブ画面特定情報と前記KPI値取得画面定義とを比較し、前記アクティブな画面がKPI値取得対象画面かを判断する画面監視手段、
前記アクティブな画面が前記KPI値取得対象画面である場合に、前記エージェント画面定義に基づいてエージェント画面を生成し、前記表示画面に表示するエージェント画面生成手段、
送信イベントが発生した場合に、前記エージェント画面を用いて取得されたKPI値を、前記外部機器へ送信するデータ送信手段、として機能させることを特徴とする。
【請求項2】
キーログ取得開始イベントが発生してから、キーログ取得終了イベントが発生するまでの間のキーログを取得するキーログ取得手段をさらに含み、
送信イベントが発生した場合に、取得された前記キーログを前記KPI値として送信する請求項1に記載のKPI値取得プログラム。
【請求項3】
前記エージェント画面定義は、さらにステータス情報が記憶されているアドレスを含み、
前記エージェント画面生成手段は、さらに前記アドレスによって特定されるステータス情報記憶手段からステータス情報を取得し、前記ステータス情報をエージェント画面の一部として表示する請求項1又は2に記載のKPI値取得プログラム。
【請求項4】
KPI値を出力するKPI値出力装置とKPI値を蓄積するKPI値蓄積装置とからなるKPI値取得システムであって、
前記KPI値出力装置は、認証可であるならKPI値取得の対象とすべき画面を定義するKPI値取得対象画面定義、及びエージェント画面を定義するエージェント画面定義の送信を前記KPI値蓄積装置へ要求し、
前記KPI値蓄積装置は、前記要求を受信したら、前記2つの定義を前記KPI値蓄積装置へ送信し、
前記KPI値出力装置は、前記2つの定義を受信したら、前記KPI値出力装置に接続されている表示装置の表示画面に表示される1又は2以上の画面中のアクティブな画面を監視し、かかるアクティブな画面を特定可能なアクティブ画面特定情報を取得し、前記アクティブ画面特定情報と前記KPI値取得画面定義とを比較し、前記アクティブな画面がKPI値取得対象画面かを判断し、前記アクティブな画面が前記KPI値取得対象画面であるなら、前記エージェント画面定義に基づいてエージェント画面を生成して前記表示画面に表示し、送信イベントが発生したら、前記エージェント画面を用いて取得されたKPI値を、前記KPI値蓄積装置へ送信し、
前記KPI値蓄積装置は、前記KPI値を受信し、蓄積する。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−189960(P2006−189960A)
【公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−381970(P2004−381970)
【出願日】平成16年12月28日(2004.12.28)
【出願人】(000155469)株式会社野村総合研究所 (1,067)